JP2005261292A - 細胞シートおよびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】細胞に対して低侵襲であり、短時間で製造でき、コラーゲンから剥離して得られた、培養担体の残存が無い細胞シートおよびその製造方法を提供する。
【解決手段】コラーゲンゲル上で細胞をシート状に培養した後、コラーゲンゲルをコラゲナーゼで溶解することによって、細胞シートを剥離することを特徴とする細胞シートの製造方法及びその方法により得られる細胞−細胞間の結合が保持された細胞培養担体を実質的に有しない細胞シート。本発明の方法で得られた細胞シート同士を付着させ培養することにより重層化された細胞シートを製造することができる。コラーゲンゲルとしては線維化途上に水溶性カルボジイミドで架橋された魚類由来コラーゲン線維ゲルが好ましく用いられる。
【選択図】なし
【解決手段】コラーゲンゲル上で細胞をシート状に培養した後、コラーゲンゲルをコラゲナーゼで溶解することによって、細胞シートを剥離することを特徴とする細胞シートの製造方法及びその方法により得られる細胞−細胞間の結合が保持された細胞培養担体を実質的に有しない細胞シート。本発明の方法で得られた細胞シート同士を付着させ培養することにより重層化された細胞シートを製造することができる。コラーゲンゲルとしては線維化途上に水溶性カルボジイミドで架橋された魚類由来コラーゲン線維ゲルが好ましく用いられる。
【選択図】なし
Description
本発明は、細胞シート工学および再生医療に応用可能な細胞シートおよびその製造方法に関する。さらに詳しくいえば、魚類由来コラーゲンをその線維化途上に架橋することにより得られるコラーゲンゲル上で細胞を培養し、ゲルから細胞集合体を剥離することによって得られる細胞シートおよびその製造方法に関する。
近年、組織や臓器を体外で人工的に構築する組織工学が盛んに行われており、再生医療における重要な柱となっている。現在行われている組織工学的再生医療は、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、コラーゲン、ゼラチンのような生体吸収性の支持体(scaffold)に細胞を播種、培養した後、生体内に移植するという方法である。この方法では、支持体は生体内で徐々に分解し、生体が作り出す細胞外マトリックスと置換されて、生体と同様の組織が再構築される。
しかし、支持体上で培養された細胞は単層であり三次元的に組織化しない場合、あるいは多孔性の支持体内で培養された細胞は密度が疎で、支持体が生体内で分解・吸収された後に結合組織が過多になる場合がある。また、移植後における支持体の分解に伴い、支持体分解物に由来する炎症反応が惹起されることが問題点として指摘されている。コラーゲン(その変性物であるゼラチンも含む)は生体内に多量に存在するタンパク質であるため、本来優れた組織適合性を有する。しかし、上記用途に用いられる場合、その分解速度を遅延させる目的で細胞毒性を有する化学架橋剤が用いられる場合が多く、その分解により遊離した化学架橋剤が炎症反応を惹起する場合がある。
上記問題点を克服するために、支持体を用いずにシート状の細胞を重層化することで三次元組織を再構築する細胞シート工学が提案されている(Biomaterials, 24, 2003, p2309-2316:非特許文献1)。細胞シートとは、細胞間結合で細胞同士が少なくとも単層で連結されたシート状の細胞集合体である。生体内における組織は複数種の細胞シートが細胞外マトリックスを介して積層した構造体とみなすことができる。細胞シート工学は、このような生体内の積層構造を模倣し、細胞シートを体外で作成し重層化することで三次元組織構造を再構築する新しい組織工学的手法である。細胞シートを用いることで、皮膚や角膜などの単層シート移植や、同一細胞シートの重層化による均一な組織の構築、また肝臓や腎臓など複数種の細胞シートが組み合わされた層状組織の構築が可能となる。
上記の如き細胞シートを得るには、細胞−細胞間の結合を壊さずに培養担体から細胞を剥離することが重要である。一般に細胞を培養担体から剥離するには、タンパク質分解酵素であるトリプシンやEDTAのような化学薬品によって処理することで剥離・回収される。しかし、上述のような処理を施した場合、細胞間結合タンパク質が分解されるので、細胞は分散し、一枚の細胞シートとして得ることはできない。また、上述のような処理によって、増殖した細胞が損傷を受けて細胞本来の機能が損なわれる場合がある。
そこで、酵素処理を用いない細胞シート作製技術として、温度応答性高分子であるポリ−N−イソプロピルアクリルアミド(PIPAA)を用いた細胞層の剥離・回収方法が開示されている(特開2003-38170号公報:特許文献1、特願2002-516068号公報:特許文献2)。この方法は、PIPAAがコートされた培養皿上で細胞を培養し、PIPAAが32℃以下になると液状化する性質を利用して、20℃、60分の低温処理を行うことで培養皿から細胞層を剥離することを特徴する。得られた細胞シートは基底膜タンパク質が保持されているので、これが細胞間における糊の役割を果たし、細胞シートの重層化が可能である。
しかし、PIPAAのような合成高分子を用いて培養した場合、コラーゲンのような天然高分子と比較して細胞の接着性、増殖性が悪い場合が多い。この低い細胞応答性のために迅速な細胞シートの作製が困難となり、緊急性の要求される再生医療にとっては不向きである場合があった。また、低温処理に伴う細胞への障害(Journal of cellular physiology, 92, 1976, p209-220:非特許文献2)や、液状化したPIPAAが細胞の増殖を阻害する場合があった。
合成高分子培養担体の乏しい細胞応答性は、細胞接着性の天然高分子を用いることで解決可能である。中でもコラーゲンは、脊椎動物の組織から容易かつ高収率で得られ、抗原性が低く、生体親和性および細胞接着性に優れる等の多くの利点を有することから細胞担体として好適に用いられてきた。コラーゲンを培養担体とした細胞剥離技術として、例えば、非架橋コラーゲンスポンジを用いて細胞を培養した後、コラゲナーゼでスポンジを溶解することによって培養細胞を剥離・回収する方法および培養基材が開示されている(組織培養用担体コラーゲンスポンジ:ハニカム、(株)高研)。しかし、この方法では細胞は空隙の大きいスポンジ内で三次元的に増殖するので細胞密度は疎となり、コラーゲン消化後に得られる細胞は分散し、細胞をシート状に剥離する技術としては不十分であった。また、非架橋コラーゲンゲルを用いて細胞を培養した後、コラゲナーゼとキレート剤であるEGTAを用いて細胞を剥離・回収する方法および培養基材が開示されている(CGフラスコ、(株)新田ゼラチン)。しかし、この方法では、コラーゲンゲル上で単層の細胞シートが得られるが、キレート剤によって細胞間接着タンパク質が障害を受けて細胞が分散しシート状に剥離できない場合や、キレート剤によって細胞本来の機能が損なわれる場合があった。上記細胞密度および試薬による細胞へのダメージの問題を克服する技術として、アルギン酸カルシウムゲル層と非架橋コラーゲンゲル層を重層化した培養担体が開示されている(特開2003-259862号公報:特許文献3)。この方法は、コラーゲンゲル層側に細胞を播種・培養後、キレート剤を添加しアルギン酸カルシウムゲル層を溶解することによって、コラーゲンゲル層を培養基材から剥離し細胞シートを得ることを特徴としている。また、非架橋コラーゲンゲルを用いているため、細胞シート移植後の炎症反応の問題が解決されている。しかし、この細胞シートにはコラーゲンゲルがそのまま付着しており、重層化した場合に細胞同士が密着した三次元組織の構築が困難であるという場合や、移植後にコラーゲンゲルが細胞の浸潤を阻害する場合があった。
従って、これまでの細胞シートの製造方法は、細胞担体の残存に由来する炎症反応および低い組織適合性、製造時間、薬品による細胞侵襲性などの問題が十分に解決されていない。すなわち、製造の確実性、治療の緊急性、および組織適合性などの特性が要求される医療用途という最終目的を考慮すると、これまでの細胞シートの製造方法は未だ不十分である。
Biomaterials, 24, 2003, p2309-2316
Journal of cellular physiology, 92, 1976, p209-220
特開2003−38170号公報
特願2002−516068号公報
特開2003−259862号公報
本発明は、細胞に対して低侵襲であり、短時間で製造でき、コラーゲンから剥離して得られた、培養担体の残存が無い細胞シートおよびその製造方法を提供することを目的とする。具体的には、コラーゲンゲルを培養担体として細胞を培養し、培養された細胞をシート状にコラーゲンゲルから剥離・回収する方法を提供することである。
細胞シート工学や再生医療へ応用可能な細胞シートの製造において、従来の細胞シート製造方法は、細胞担体の残存に由来する炎症反応および低い組織適合性、製造時間、薬品による細胞侵襲性などの問題を有している。
本発明者らは上記の課題を解決すべく鋭意研究を行った結果、培養担体としてコラーゲンゲルを用いて細胞を培養した後、キレート剤を用いずにコラーゲンゲルをコラゲナーゼで溶解することによって、培養担体ゲルを実質的に残留させずに細胞をシート状に剥離・回収できることを見出した。
また、線維化途上に水溶性カルボジイミドで架橋して得た魚類由来のコラーゲン線維化ゲルは、従来の哺乳類由来コラーゲンよりも細胞増殖性が高く、これを用いることで迅速に細胞シートが作製できることを見出した。
さらにコラゲナーゼ処理は細胞接着、細胞増殖、細胞分化維持への影響が極めて低く、コラゲナーゼ消化によって低侵襲で細胞シートを作製できることを見出した。
このようにして得られた細胞シートは、細胞−細胞間結合が保持されており、分化維持能が高く保たれている。また、細胞接着機能が保持されているので、細胞シートの重層化が可能である。
すなわち、本発明は下記の細胞シートおよびその製造方法、及びその再生医療用および細胞シート工学用細胞シートを提供する。
すなわち、本発明は下記の細胞シートおよびその製造方法、及びその再生医療用および細胞シート工学用細胞シートを提供する。
1.コラーゲンゲル上で細胞をシート状に培養した後、コラーゲンゲルをコラゲナーゼで溶解することによって、細胞シートを剥離することを特徴とする細胞シートの製造方法。
2.コラーゲンゲルが魚類由来コラーゲンゲルである前記1記載の細胞シートの製造方法。
3.コラーゲンゲルが線維化途上に水溶性カルボジイミドで架橋されたコラーゲン線維ゲルである前記2記載の細胞シートの製造方法.
4.コラーゲンゲルのコラーゲン濃度が0.1〜30mg/mlである前記1記載の細胞シートの製造方法。
5.コラーゲンゲルの厚さが0.1〜20mmである前記1記載の細胞シートの製造方法。
6.コラゲナーゼがクロストリジウム属またはストレプトマイセス属由来である前記1記載の細胞シートの製造方法。
7.コラゲナーゼ添加量がコラーゲン質量に対して0.1U/mg以上である前記1または6記載の細胞シートの製造方法。
8.コラゲナーゼ溶解処理の温度が10〜42℃の範囲である前記1記載の細胞シートの製造方法。
9.培養される細胞が、歯肉線維芽細胞、歯周靭帯細胞、表皮細胞、線維芽細胞、肝実質細胞、肝非実質細胞(内皮細胞、クッパー細胞、星細胞など)、骨芽細胞、上皮細胞、軟骨細胞、神経細胞、筋細胞から選択される前記1乃至8に記載の細胞シートの製造方法。
10.培養される細胞がヒト由来歯周靭帯細胞である前記9記載の細胞シートの製造方法。
11.前記1乃至10のいずれかの方法で得られた細胞シートを別途製造した細胞シートに付着させ重層化する工程を含む重層化された細胞シートの製造方法。
12.前記1〜11に記載の方法により得られた、細胞−細胞間の結合が保持された細胞培養担体を実質的に有しない細胞シート、
13.重層化された前記12に記載の細胞シート。
14.前記12または13に記載の方法によって得られた再生医療用または細胞シート工学用細胞シート。
2.コラーゲンゲルが魚類由来コラーゲンゲルである前記1記載の細胞シートの製造方法。
3.コラーゲンゲルが線維化途上に水溶性カルボジイミドで架橋されたコラーゲン線維ゲルである前記2記載の細胞シートの製造方法.
4.コラーゲンゲルのコラーゲン濃度が0.1〜30mg/mlである前記1記載の細胞シートの製造方法。
5.コラーゲンゲルの厚さが0.1〜20mmである前記1記載の細胞シートの製造方法。
6.コラゲナーゼがクロストリジウム属またはストレプトマイセス属由来である前記1記載の細胞シートの製造方法。
7.コラゲナーゼ添加量がコラーゲン質量に対して0.1U/mg以上である前記1または6記載の細胞シートの製造方法。
8.コラゲナーゼ溶解処理の温度が10〜42℃の範囲である前記1記載の細胞シートの製造方法。
9.培養される細胞が、歯肉線維芽細胞、歯周靭帯細胞、表皮細胞、線維芽細胞、肝実質細胞、肝非実質細胞(内皮細胞、クッパー細胞、星細胞など)、骨芽細胞、上皮細胞、軟骨細胞、神経細胞、筋細胞から選択される前記1乃至8に記載の細胞シートの製造方法。
10.培養される細胞がヒト由来歯周靭帯細胞である前記9記載の細胞シートの製造方法。
11.前記1乃至10のいずれかの方法で得られた細胞シートを別途製造した細胞シートに付着させ重層化する工程を含む重層化された細胞シートの製造方法。
12.前記1〜11に記載の方法により得られた、細胞−細胞間の結合が保持された細胞培養担体を実質的に有しない細胞シート、
13.重層化された前記12に記載の細胞シート。
14.前記12または13に記載の方法によって得られた再生医療用または細胞シート工学用細胞シート。
本発明によって得られる細胞シートは、培養担体が実質的に残留されておらず、細胞−細胞間結合および細胞接着機能が保持されており、分化維持能も高く保たれている。このため、組織適合性および組織修復能に優れることが期待され、さらには細胞シート同士の重層化による組織化が可能である。また、本発明の細胞シートの製造方法は細胞に対して低侵襲であり、細胞増殖速度が速い。このため、短時間で細胞シートを作製することができる。
本発明は、コラーゲンゲル上で細胞を培養した後、コラーゲンゲルをコラゲナーゼで溶解することによって、コラーゲンゲル上で培養された細胞がシート状に剥離されることを特徴とする細胞シートの製造方法およびその細胞シートを提供することを要旨とする。
以下に本発明における細胞シートの製造方法について好ましい態様を述べる。
以下に本発明における細胞シートの製造方法について好ましい態様を述べる。
本発明で用いられるコラーゲンは、その由来について特に限定されるものではないが、資源量およびコラーゲン収率の観点から脊椎動物の真皮に由来するコラーゲンが好ましく用いられる。なかでも、BSE等の病原体を保有する可能性が家畜よりも潜在的に低い魚類真皮コラーゲン、例えば、鮭皮、サメ皮、マグロ皮、タラ皮、カレイ皮等、特に好ましくは鮭皮が用いられる。
本発明で用いられるコラーゲンゲルは、その製造方法について特に限定されるものではない。例えば、下記に示した従来の製造方法で作製することができる。
1.コラーゲン溶液に架橋剤を導入し、溶液をゲル化する方法。
2.コラーゲン溶液に架橋を惹起する光線を照射し、溶液をゲル化する方法。
3.コラーゲン溶液に中性緩衝液を加えてコラーゲンの線維化を惹起させ、コラーゲン線維ネットワークから構成されるゲルを得る方法。
4.コラーゲン溶液に中性緩衝液と架橋剤を加えて、コラーゲンの線維化途上に架橋するゲル化方法。
中でも、前記3および4によって得られる線維化コラーゲンは、強度および柔軟性を合わせ持つため取り扱いが容易であり、細胞増殖および細胞分化の維持が良好であり、本発明で用いられるコラーゲンゲルとして好ましい。特に、前記4によって得られる線維化途上に架橋されたコラーゲンは、前記3の細胞増殖、細胞分化の維持が良好である特徴に加えて、ゲルの強度と熱安定性が高いことから、より好ましく用いられる。
1.コラーゲン溶液に架橋剤を導入し、溶液をゲル化する方法。
2.コラーゲン溶液に架橋を惹起する光線を照射し、溶液をゲル化する方法。
3.コラーゲン溶液に中性緩衝液を加えてコラーゲンの線維化を惹起させ、コラーゲン線維ネットワークから構成されるゲルを得る方法。
4.コラーゲン溶液に中性緩衝液と架橋剤を加えて、コラーゲンの線維化途上に架橋するゲル化方法。
中でも、前記3および4によって得られる線維化コラーゲンは、強度および柔軟性を合わせ持つため取り扱いが容易であり、細胞増殖および細胞分化の維持が良好であり、本発明で用いられるコラーゲンゲルとして好ましい。特に、前記4によって得られる線維化途上に架橋されたコラーゲンは、前記3の細胞増殖、細胞分化の維持が良好である特徴に加えて、ゲルの強度と熱安定性が高いことから、より好ましく用いられる。
本発明で用いられるコラーゲンゲルの架橋剤は、タンパク質を架橋でき、水溶性を有するものであれば特に限定されるものではない。中でも、アルデヒド系、カルボジイミド系、エポキシド系およびイミダゾール系架橋剤が経済性、安全性および操作性の観点から好ましく用いられる。特に好ましくは、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド・塩酸塩である。
本発明で用いられるコラーゲンゲルのコラーゲンの濃度は、コラーゲンの溶解性、溶液の粘性あるいはゲルの物性の観点から0.1〜30mg/mlの範囲であることが好ましい。濃度が0.1mg/mlよりも低い場合、ゲルの強度が不足し、細胞シートの形成を妨げる場合や、細胞シートの重層化が困難になる場合があり好ましくない。濃度が30mg/mlよりも高い場合、ゲル作製時のコラーゲン溶液の粘性が高すぎてゲルの製造が困難になる場合や、コラゲナーゼによるコラーゲンゲル溶解の効率が悪くなる場合があり好ましくない。好ましくは0.5〜20mg/ml、より好ましくは1〜10mg/mlの範囲である。
本発明で用いられるコラーゲンゲルの厚みは、0.1〜20mmの範囲であれば使用目的に合わせて設定することができる。ゲルの厚みが20mmを超えると、コラゲナーゼによるゲルの溶解が困難になる場合があり好ましくない。ゲルの厚みが0.1mm未満では、ゲルの溶解は速くなるものの、ゲルの強度が低下して培養中にゲルが破れる場合や培養皿から剥がれる場合があり好ましくない。より好ましくは1〜10mmの範囲である。
本発明で用いられるコラーゲンゲルの形状は特に限定されるものではなく、使用目的の形状に合わせて設定することができる。例えば、長方形の培養皿にコラーゲンゲルを調製し細胞を播種・培養後、細胞シートを剥離すれば長方形の細胞シートが得ることができる。さらに複雑な形状の細胞シートを作成する場合には、目的の形状の鋳型を作ってコラーゲンゲルを調製し細胞を培養して細胞シートを剥離すればよい。
上記の方法で作製したコラーゲンゲルをそのまま細胞培養に用いても良いが、コラーゲンゲル中に無機塩、有機塩、架橋剤あるいはそれに伴う化合物が残存している場合、それらが細胞の接着、増殖、分化を妨げる場合があるので、細胞培養前に培地また緩衝能を有する等張液でコラーゲンゲルを洗浄することが好ましい。洗浄方法としては、前記洗浄液をコラーゲンゲル上に乗せ、1〜50℃の間で10分間以上のインキュベートを少なくとも2回以上行うことが好ましい。温度が1℃未満の場合、コラーゲンゲルが凍結する場合があり好ましくない。温度が50℃を超えるとコラーゲンゲルが溶解する場合があり好ましくない。また、インキュベート時間および回数がそれぞれ10分未満および2回未満である場合、洗浄液とコラーゲンゲル中の溶媒の置換が十分に行われない場合があり好ましくない。好ましくは、リン酸緩衝液を用いて20〜40℃で30分以上のインキュベートを3回以上行うことが好ましい。さらに、細胞を播種する前にゲルを培地で膨潤させておくことで、細胞接着性を高めることができるので、培養前の最後の洗浄は培地で行うことがより好ましい。
本発明の細胞シート製造方法は、コラーゲンゲル上で細胞を培養する工程を含む。培養する細胞としては細胞シートの利用目的に応じて選択される。例えば、抜歯した歯根部から得た歯肉線維芽細胞、歯周靭帯細胞を培養すれば、人工歯根膜シートを得ることが可能である。また、表皮細胞や線維芽細胞を培養してそれぞれ細胞シートを作成し重層化すれば人工真皮を得ることも可能である。また、肝実質細胞と、内皮細胞、クッパー細胞、星細胞などの肝非実質細胞を培養してそれぞれ細胞シートを作成し重層化すれば人工肝組織を得ることも可能である。その他に、骨芽細胞、上皮細胞、軟骨細胞、神経細胞、筋細胞などからも細胞シートを得ることが可能である。
本発明の細胞シート製造方法において、細胞培養に用いられる培地は特に限定されるものではなく、目的の細胞に応じた公知の培地を用いることができる。例えば、イーグルMEM培地、ダルベッコ変法イーグル培地、RPMI1640培地、ES培地、199培地、Ham培地、ハムF12培地、MCDB培地、NCTC培地、H−Y培地、IMDM、Fischer培地、エイムス培地、基礎培地イーグル、L−15培地などの組織培養培地や細胞培養キットに付属の専用培地から選択することができる。また、培養の際に添加物質を添加して培養することができる。添加物質は例えば、血清、抗生物質、アミノ酸や種々の走化性、接着性、増殖性、分化性タンパク質から目的に合わせて選択し添加することができる。
本発明の細胞シート製造方法において、コラーゲンゲルに細胞を播種する方法は特に限定されるものではなく、公知の細胞播種方法から適宜選択することができる。中でも、上記の培地で調製した細胞懸濁液を1×103〜1×106cells/cm2の濃度で、洗浄したコラーゲンゲル上に添加した後、37℃で1〜4時間静置培養し細胞をコラーゲンゲルに接着させた後培養を続ける方法が、簡便な細胞播種方法として好ましく用いられる。
本発明の細胞シート製造方法において、細胞培養は上記の培地を乗せたコラーゲンゲル上で上記の細胞播種方法により細胞を播種した後、目的の細胞に応じた公知の培養条件で行われる。具体的には、温度10〜42℃、湿度90%以上、CO2濃度は培地のpHが6〜8に保たれるよう20%未満に設定した炭酸ガスインキュベーター中で行われる。また、培養の際には必要に応じて培地を交換することができ、細胞活性を保持するという観点から、0.5〜3日ごとに培地を交換するのが好ましい。
本発明の細胞シートは、上記の方法によりコラーゲンゲル上で培養された細胞を、コラーゲンゲルをコラゲナーゼによって溶解することにより得られる。本発明の細胞シート製造方法では、細胞シートを形成するのに十分な細胞増殖を示した後に細胞シートが剥離、回収される。細胞が十分に増殖していない場合、細胞がシート状に剥離されない場合がある。従って、本発明の細胞シート製造方法において、コラゲナーゼ処理に供するまでの細胞培養期間は特に限定されないが、2ヶ月以内、好ましくは3週間以内であり、細胞がコンフルエント(細胞が培養担体表面のほぼ全面を覆った状態)に達する時点を基点として−48時間以降であることが好ましい。より好ましくは−24時間以降である。
本発明の細胞シート製造方法において、コラーゲンゲルの溶解に用いられるコラゲナーゼとしては、コラーゲンゲルを消化できる活性を有するものであれば特に限定されるものではないが、商業レベルで入手可能であり、安全で高い酵素活性を有するクロストリジウム(Clostridium histolyticum)やストレプトマイセス(Streptomyces parvulus)から誘導される微生物由来のコラゲナーゼが好ましく用いられる。
上記コラゲナーゼの活性としては、その単位質量あたりの活性やコラゲナーゼ水溶液の単位容積あたりの活性よりもむしろ、コラーゲンゲル中のコラーゲン質量に対する比活性が重要である。コラーゲンゲル溶解に用いられるコラゲナーゼの比活性(コラゲナーゼ活性/コラーゲン質量)としては、0.1U/mg以上であることが好ましい。コラゲナーゼの比活性が0.1U/mg未満である場合、コラーゲンゲルの溶解に時間がかかりすぎる場合、あるいはゲルが十分に溶解されない場合があり好ましくない。より好ましくは1〜250U/mg、さらに好ましくは20〜100U/mgの範囲である。
本発明の細胞シート製造方法において、コラーゲンゲルにコラゲナーゼを作用させる方法は、特に限定されるものではない。培地または緩衝能を有する等張液を溶媒として調製したコラゲナーゼ溶液を培地に添加してもよいし、細胞培養ディッシュから剥離した細胞付着コラーゲンゲルを前記コラゲナーゼ溶液に浸漬してもよい。中でも、操作が簡便で、細胞シートの崩壊が起こりにくいという観点から、培地または緩衝能を有する等張液を溶媒として調製したコラゲナーゼ溶液を培地に添加する方法が好ましく用いられる。この場合、コラーゲンゲルとディッシュ壁面を剥離させておくと、コラゲナーゼによる溶解効率が高まるためより好ましい。
本発明の細胞シート製造方法において、コラゲナーゼによってコラーゲンゲルを溶解させる場合の時間については特に限定されないが、コラゲナーゼを作用させる時間が長すぎると接着能、増殖能などの細胞機能が低下する場合があり好ましくない。コラゲナーゼ溶解を行う時間は、コラゲナーゼの比活性、温度、コラーゲンゲルの形状などの影響を受けるが、36時間以内が好ましい。より好ましくは24時間以内である。
本発明の細胞シート製造方法におけるコラーゲンゲルのコラゲナーゼ溶解処理時の温度は、細胞は一般に生体内温度の10℃以下(人では約30℃)になると細胞質の流動性が低下して代謝能が低下する場合、温度が42℃を超えるとタンパク質が変性して細胞機能が低下する場合、また、コラゲナーゼの至適温度は37℃であるものが多くこれ以下の温度では溶解時間が長くなる場合があるので、10〜42℃の範囲で設定するのが好ましい。より好ましくは30〜40℃、さらに好ましくは36〜38℃である。
本発明の細胞シート製造方法において、コラーゲンゲルの溶解が進行すると、細胞シートがゲルから徐々に剥離し、ついにはコラゲナーゼ溶液中に遊離する。細胞シートを回収するために、細胞シートを残存ゲルから機械的に剥離してもよいし、ゲルが完全に溶解してから細胞シートを回収してもよい。機械的に剥離させることで細胞シートを回収するまでの時間が短縮されるが、細胞シートが破壊される場合があるため、ゲルが完全に溶解してから細胞シートを回収することが好ましい。
上記の如く回収された細胞シートは、そのまま各種用途に用いることができるが、細胞シート同士の接着性や組織への接着性を残留コラゲナーゼが阻害する場合があるので、培地または緩衝能を有する等張液で洗浄することが好ましい。洗浄時の温度はコラーゲンゲルのコラゲナーゼ溶解処理に準じて設定することができる。洗浄回数は残留コラゲナーゼを十分に除去するために、培地または緩衝能を有する等張液で2回以上洗浄するのが好ましい。
本発明では必要に応じて細胞シートを重層化することができる。重層化の方法は特に限定されず、上記の如く得られた細胞シートを別の細胞シートに付着させて公知の細胞培養方法に従って培養することにより重層化することができる。付着させる際には、細胞シート同士が密着するように重ねるのが好ましい。例えば、上記の如く得られた細胞シートを洗浄後、洗浄液を除去して、ディッシュに細胞シートを置いた後、この細胞シートの上に別の細胞シートを重ねて培養することができる。付着させる際、培地が過剰にあると細胞シートが浮遊し細胞シート同士の付着が妨げられる場合があるので、培地量は細胞シートが浮遊しない程度に添加して培養するのが好ましい。また、上記の如く細胞シートを付着させた後の付着培養時間は特に限定されないが、30分未満であると付着が十分に起こらず細胞シートが剥離する場合があるので、30分以上付着させて培養することが好ましい。付着後は、細胞の機能を維持するために、速やかに重層シートが浸る十分な量の培地を添加して培養することが好ましい。
本発明の細胞シート重層化において、細胞シートを付着させる面は特に限定されないが、細胞シートの基底膜面(細胞シートのゲル消化側)には細胞接着性の基底膜タンパク質が残っており、これが糊の役割を果たして細胞シート同士の付着が容易に起こるので、基底膜面を付着させることが好ましい。
本発明の重層化において、細胞シートの重層化枚数は特に限定されず、目的に応じて数種類の細胞シートを2枚以上重層化することができる。
本発明の重層化において、重層化後の細胞シートの培養方法は特に限定されず、公知の培養方法でおこなうことができる。例えば培養方法は、本発明のコラーゲンゲル上での細胞培養方法に準じて行うことができる。
以下に本発明を実施例を挙げてさらに詳細に説明するが、本発明は下記の実施例によって限定されるものではない。
はじめに、本発明で使用した細胞と評価方法を示す。本発明における培養はすべて5%CO2インキュベーター(湿度95%以上)で行った。
はじめに、本発明で使用した細胞と評価方法を示す。本発明における培養はすべて5%CO2インキュベーター(湿度95%以上)で行った。
[細胞と評価方法]
1.細胞
細胞はヒト歯周靭帯細胞(以下、PLCと略す。)を使用した。PLCは以下のようにして得た。抜歯した歯の歯根からPLCを回収し、血清を10%添加したDulbecco's modified Eagles Media(以下、DMEMと略す。)で、37℃で培養した。2日おきに培地交換し、コンフルエントになったところで細胞を0.02%トリプシン−0.25%EDTA溶液で剥がし、細胞懸濁液を500g、5分で遠心分離してDMEMで懸濁し新しいプレートに継代した。それぞれ細胞は5×103cells/cm2になるように継代培養した。10〜15代の間の継代数のPLCを以下の評価に使用した。
1.細胞
細胞はヒト歯周靭帯細胞(以下、PLCと略す。)を使用した。PLCは以下のようにして得た。抜歯した歯の歯根からPLCを回収し、血清を10%添加したDulbecco's modified Eagles Media(以下、DMEMと略す。)で、37℃で培養した。2日おきに培地交換し、コンフルエントになったところで細胞を0.02%トリプシン−0.25%EDTA溶液で剥がし、細胞懸濁液を500g、5分で遠心分離してDMEMで懸濁し新しいプレートに継代した。それぞれ細胞は5×103cells/cm2になるように継代培養した。10〜15代の間の継代数のPLCを以下の評価に使用した。
2.細胞増殖性評価方法
増殖活性試験は増殖アッセイキット(Promega製、CellTiter 96 AQueous Non-Radioactive Cell Proliferation Assay)を使用した。PLCを3、7、10日間培養後、培地を吸引除去して増殖アッセイ溶液を1ml添加し、37℃で60分間培養した。培養後の上清を200μl取って新しい96穴プレートに移し、プレートリーダーで490nmの吸光度を測定した。予め作成しておいた細胞数−吸光度検量線から吸光度値を細胞数に変換した。
増殖活性試験は増殖アッセイキット(Promega製、CellTiter 96 AQueous Non-Radioactive Cell Proliferation Assay)を使用した。PLCを3、7、10日間培養後、培地を吸引除去して増殖アッセイ溶液を1ml添加し、37℃で60分間培養した。培養後の上清を200μl取って新しい96穴プレートに移し、プレートリーダーで490nmの吸光度を測定した。予め作成しておいた細胞数−吸光度検量線から吸光度値を細胞数に変換した。
3.分化維持能評価方法
PLCは分化初期にアルカリフォスファターゼ(以下、ALPと略す。)を発現することが知られている。培養後のPLCのALP発現量を測定し分化維持能を評価した。発現量が高ければ分化維持能が高いと判断した。
培養後のPLCをPBS(−)で2回洗浄した。ライシス緩衝液(Lysis Buffer;0.5% Triton X-100、150mM NaCl、10mM HEPES(pH7.4))を250μl添加し4℃で30分間静置した。静置後、ピペッティングを行って細胞溶解液を回収した。溶解液を遠心後、上清100μlを96穴プレートに移し37℃で20分インキュベートした。37℃に温めた2×pNPP solution(18mM p-Nitrophenyl phosphate(pNPP)、20mM MgCl2、0.1M Tris−HCl(pH8.8))を100μl添加し、プレートリーダーで2分毎に11回吸光度(405nm)を測定した。吸光度を時間でプロットし、直線の傾き(反応速度)から活性を求めた。活性値を細胞数で標準化した。
PLCは分化初期にアルカリフォスファターゼ(以下、ALPと略す。)を発現することが知られている。培養後のPLCのALP発現量を測定し分化維持能を評価した。発現量が高ければ分化維持能が高いと判断した。
培養後のPLCをPBS(−)で2回洗浄した。ライシス緩衝液(Lysis Buffer;0.5% Triton X-100、150mM NaCl、10mM HEPES(pH7.4))を250μl添加し4℃で30分間静置した。静置後、ピペッティングを行って細胞溶解液を回収した。溶解液を遠心後、上清100μlを96穴プレートに移し37℃で20分インキュベートした。37℃に温めた2×pNPP solution(18mM p-Nitrophenyl phosphate(pNPP)、20mM MgCl2、0.1M Tris−HCl(pH8.8))を100μl添加し、プレートリーダーで2分毎に11回吸光度(405nm)を測定した。吸光度を時間でプロットし、直線の傾き(反応速度)から活性を求めた。活性値を細胞数で標準化した。
以下に細胞シート製造方法の実施例を示す。
実施例1:
1.細胞シート作成
操作方法の模式図を図1に示す。
(1)魚類由来コラーゲンゲル作成
鮭皮を脱脂、酸抽出、ペプシン消化、(塩析、透析)×3回、凍結乾燥の順で得られたスポンジ状コラーゲンをシリカゲル入りデシケーターで減圧乾燥し、その精秤値を用いて5mg/ml(0.5w/v%)になるように4℃に予備冷却したpH3.0希塩酸に加え、おだやかに撹拌して溶解した。次に、コラーゲン溶液をポアサイズ10μm、0.65μm、0.45μmのメンブランフィルターで順次ろ過した。ろ液をポリプロピレン製遠沈管(50ml)に20mlずつ小分けした。
70mMの塩化ナトリウムを含むpH6.8、30mM リン酸ナトリウム緩衝水溶液を溶媒として、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド・塩酸塩の100mM水溶液を調製した。得られた架橋剤水溶液をポリプロピレン製遠沈管(50ml)に20mlずつ小分けした。
以下の操作は全て4℃で行った。上記の0.5%コラーゲン溶液(20ml)が入っている遠沈管に、上記の架橋剤溶液(20ml)を加え、蓋をした。遠沈管を振り動かして溶液を混合し、細胞培養用ポリスチレン製12穴プレートに流し込み、24時間静置してコラーゲンゲルを得た。
実施例1:
1.細胞シート作成
操作方法の模式図を図1に示す。
(1)魚類由来コラーゲンゲル作成
鮭皮を脱脂、酸抽出、ペプシン消化、(塩析、透析)×3回、凍結乾燥の順で得られたスポンジ状コラーゲンをシリカゲル入りデシケーターで減圧乾燥し、その精秤値を用いて5mg/ml(0.5w/v%)になるように4℃に予備冷却したpH3.0希塩酸に加え、おだやかに撹拌して溶解した。次に、コラーゲン溶液をポアサイズ10μm、0.65μm、0.45μmのメンブランフィルターで順次ろ過した。ろ液をポリプロピレン製遠沈管(50ml)に20mlずつ小分けした。
70mMの塩化ナトリウムを含むpH6.8、30mM リン酸ナトリウム緩衝水溶液を溶媒として、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド・塩酸塩の100mM水溶液を調製した。得られた架橋剤水溶液をポリプロピレン製遠沈管(50ml)に20mlずつ小分けした。
以下の操作は全て4℃で行った。上記の0.5%コラーゲン溶液(20ml)が入っている遠沈管に、上記の架橋剤溶液(20ml)を加え、蓋をした。遠沈管を振り動かして溶液を混合し、細胞培養用ポリスチレン製12穴プレートに流し込み、24時間静置してコラーゲンゲルを得た。
(2)コラーゲンゲル培養
コラーゲンゲルは細胞を播種する前にPBS(−)で4回(各40分)、DMEM(血清10%含有)で1回(40分)、37℃でインキュベートして洗浄した。コラーゲンゲル上に5×103cells/cm2になるようにPLCを播種し37℃で培養した。培地交換は3日ごとに行った。
コラーゲンゲルは細胞を播種する前にPBS(−)で4回(各40分)、DMEM(血清10%含有)で1回(40分)、37℃でインキュベートして洗浄した。コラーゲンゲル上に5×103cells/cm2になるようにPLCを播種し37℃で培養した。培地交換は3日ごとに行った。
(3)コラゲナーゼ消化
コラーゲン分析用コラゲナーゼ(クロストリジウム属由来、1000U/mg、和光純薬)をPBS(+)に1000U/mlになるように溶解し、コラゲナーゼ溶液を調製した。PLCを3週間培養したコラーゲンゲルを、ピンセットで機械的に剥がして培地に浮遊させた。上記のコラゲナーゼ溶液をコラーゲン質量に対して50U/mgになるように添加し、37℃で120分間静置培養した。コラーゲン消化後、培地を吸引除去し、新しい培地で2回洗浄した。図2に、実施例1のコラーゲンゲル(A:培養後のコラーゲンゲル、B:浮遊させた細胞が培養されたコラーゲンゲル)とそれから得られた細胞シート(C)の写真を示す。
コラーゲン分析用コラゲナーゼ(クロストリジウム属由来、1000U/mg、和光純薬)をPBS(+)に1000U/mlになるように溶解し、コラゲナーゼ溶液を調製した。PLCを3週間培養したコラーゲンゲルを、ピンセットで機械的に剥がして培地に浮遊させた。上記のコラゲナーゼ溶液をコラーゲン質量に対して50U/mgになるように添加し、37℃で120分間静置培養した。コラーゲン消化後、培地を吸引除去し、新しい培地で2回洗浄した。図2に、実施例1のコラーゲンゲル(A:培養後のコラーゲンゲル、B:浮遊させた細胞が培養されたコラーゲンゲル)とそれから得られた細胞シート(C)の写真を示す。
2.細胞シートの接着性、増殖性
得られた細胞シートの接着性、増殖性を位相差顕微鏡で評価した。操作方法の模式図を図3に示す。実施例1のコラーゲンゲル上でPLCを3週間培養した後、コラーゲンゲルをピンセットで機械的に剥がした。コラーゲンゲルを直径10cmのポリスチレン製ペトリディッシュにコラーゲンゲル層が上、細胞層が下になるようにピンセットで移動した。培地を4ml添加して細胞シートが浮遊しない程度に培地に浸るようにした。37℃で60分インキュベートして細胞シートをディッシュに接着させた後、コラゲナーゼ溶液(1000U/ml)を50U/mgになるように添加し37℃で120分静置培養した。コラーゲン消化後、培地で2回洗浄し、新しい培地を添加して培養した。図4に、細胞シートが接着、増殖した写真(A:接着後、B:接着後4日目)を示す。
得られた細胞シートの接着性、増殖性を位相差顕微鏡で評価した。操作方法の模式図を図3に示す。実施例1のコラーゲンゲル上でPLCを3週間培養した後、コラーゲンゲルをピンセットで機械的に剥がした。コラーゲンゲルを直径10cmのポリスチレン製ペトリディッシュにコラーゲンゲル層が上、細胞層が下になるようにピンセットで移動した。培地を4ml添加して細胞シートが浮遊しない程度に培地に浸るようにした。37℃で60分インキュベートして細胞シートをディッシュに接着させた後、コラゲナーゼ溶液(1000U/ml)を50U/mgになるように添加し37℃で120分静置培養した。コラーゲン消化後、培地で2回洗浄し、新しい培地を添加して培養した。図4に、細胞シートが接着、増殖した写真(A:接着後、B:接着後4日目)を示す。
3.細胞シートの重層化
コラーゲンゲル上でPLCを3週間培養後、コラゲナーゼ消化によって細胞シートAを得た。細胞シートAをPBS(−)で2回洗浄後、洗浄液を除去し、基底膜面(コラーゲンゲル消化面)が下になるようにディッシュ(直径10cm、ポリスチレン製)に置いた。同様にして得られたもう1枚の細胞シートBを、ピンセットで基底膜面が下になるように細胞シートAの上に乗せた。培地を4ml添加して、付着を維持したまま細胞シートが培地に浸るようにした。37℃で60分インキュベートして細胞同士を接着させた。インキュベート後、新しい培地を10ml添加して培養した。位相差顕微鏡によって、細胞シートの重層化の様子を判断した。図5に重層化した細胞シートの写真を示す。
コラーゲンゲル上でPLCを3週間培養後、コラゲナーゼ消化によって細胞シートAを得た。細胞シートAをPBS(−)で2回洗浄後、洗浄液を除去し、基底膜面(コラーゲンゲル消化面)が下になるようにディッシュ(直径10cm、ポリスチレン製)に置いた。同様にして得られたもう1枚の細胞シートBを、ピンセットで基底膜面が下になるように細胞シートAの上に乗せた。培地を4ml添加して、付着を維持したまま細胞シートが培地に浸るようにした。37℃で60分インキュベートして細胞同士を接着させた。インキュベート後、新しい培地を10ml添加して培養した。位相差顕微鏡によって、細胞シートの重層化の様子を判断した。図5に重層化した細胞シートの写真を示す。
図2の写真から明らかなように、コラーゲンゲルを消化した後に、培養したPLCがシート状に剥離し、細胞シートが得られたことがわかる。図4Aの写真から明らかなように、コラゲナーゼ消化後、細胞―細胞間結合が保持されシート状を維持したままディッシュに接着していることがわかる。図4Bの写真から明らかなように、コラゲナーゼ消化・剥離後4日目において、接着した細胞シートの淵から新しいPLCが伸展、増殖していることから、コラゲナーゼ消化・剥離後も細胞増殖性を維持していることがわかる。これらの結果は、本発明によって、コラーゲンゲル上で培養された細胞を、細胞間結合、細胞接着性、細胞増殖性を維持したままシート状に剥離できることを示す。
図5の写真から明らかなように、細胞シートA(写真上部)の上に別の細胞シートB(写真下部)が接着し重層化されたことがわかる。この結果は、本発明の製造方法によって、重層化された細胞シートを得ることができることを示す。
図5の写真から明らかなように、細胞シートA(写真上部)の上に別の細胞シートB(写真下部)が接着し重層化されたことがわかる。この結果は、本発明の製造方法によって、重層化された細胞シートを得ることができることを示す。
[細胞増殖性]
実施例1のコラーゲンゲル上における細胞増殖性を評価した。比較例として豚皮由来コラーゲンゲルを使用した。
比較例1:
1.豚皮由来コラーゲンゲルの作成
0.3%豚皮由来コラーゲン溶液(Cellmatrix TypeI-A、pH3希塩酸溶媒、新田ゼラチン製)30mlを遠沈管に入れ、4℃に保った。同じく4℃に保った210mMの塩化ナトリウムを含むpH6.8、90mM リン酸ナトリウム緩衝水溶液6mlを、コラーゲン水溶液の入っている遠沈管に加え、蓋をした。遠沈管を振り動かして溶液を混合し、細胞培養用ポリスチレン製12穴プレートに流し込み、37℃で24時間静置してコラーゲンゲルを得た。
実施例1のコラーゲンゲル上における細胞増殖性を評価した。比較例として豚皮由来コラーゲンゲルを使用した。
比較例1:
1.豚皮由来コラーゲンゲルの作成
0.3%豚皮由来コラーゲン溶液(Cellmatrix TypeI-A、pH3希塩酸溶媒、新田ゼラチン製)30mlを遠沈管に入れ、4℃に保った。同じく4℃に保った210mMの塩化ナトリウムを含むpH6.8、90mM リン酸ナトリウム緩衝水溶液6mlを、コラーゲン水溶液の入っている遠沈管に加え、蓋をした。遠沈管を振り動かして溶液を混合し、細胞培養用ポリスチレン製12穴プレートに流し込み、37℃で24時間静置してコラーゲンゲルを得た。
2.コラーゲンゲル培養
実施例1と同様の方法で培養した。
実施例1と同様の方法で培養した。
3.細胞増殖性
図6は、実施例1と比較例1のコラーゲンゲル上におけるPLCの増殖曲線を示す図である。図6から、細胞数が1×106cells/cm2になるまでに要した日数は比較例1が約10日目であったの対して、実施例1は約5日目であった。従って図6から明らかなように、実施例1で培養したPLCの増殖性は比較例1よりも明らかに早いことがわかる。この結果は、哺乳類由来コラーゲンよりも短時間で細胞シートが作製できることを示す。
図6は、実施例1と比較例1のコラーゲンゲル上におけるPLCの増殖曲線を示す図である。図6から、細胞数が1×106cells/cm2になるまでに要した日数は比較例1が約10日目であったの対して、実施例1は約5日目であった。従って図6から明らかなように、実施例1で培養したPLCの増殖性は比較例1よりも明らかに早いことがわかる。この結果は、哺乳類由来コラーゲンよりも短時間で細胞シートが作製できることを示す。
[コラゲナーゼ処理の細胞侵襲性]
コラゲナーゼ処理の侵襲性を評価するために、コンフルエントになった培養3日目のPLCにコラゲナーゼ処理を行い、その後の細胞増殖性、細胞分化維持能を評価した。比較としてトリプシン−EDTAを用いた。
1. 細胞培養
培養用ポリスチレン製24穴プレートにPLCを5×103cells/cm2になるようにPLCを播種し37℃で培養した。3日後、下記の処理を行いその後の細胞増殖性、分化維持能を評価した。
(1)未処理
(2)コラゲナーゼ処理
コラゲナーゼ溶液(溶媒:PBS+、濃度:1000U/ml)を50U/mlになるように培地に添加し、37℃で静置培養した。120分後、培地を除去し、新しい培地で3回洗浄した。その後、3日おきに培地交換しながら37℃で培養した。
(3)トリプシン−EDTA処理
培地を除去した後、PBS(−)で2回洗浄し、0.02%トリプシン−0.25%EDTA溶液を100μl添加した。5分後、培地を添加して酵素反応を停止し、培地で2回洗浄した。その後、3日おきに培地交換しながら37℃で培養した。
コラゲナーゼ処理の侵襲性を評価するために、コンフルエントになった培養3日目のPLCにコラゲナーゼ処理を行い、その後の細胞増殖性、細胞分化維持能を評価した。比較としてトリプシン−EDTAを用いた。
1. 細胞培養
培養用ポリスチレン製24穴プレートにPLCを5×103cells/cm2になるようにPLCを播種し37℃で培養した。3日後、下記の処理を行いその後の細胞増殖性、分化維持能を評価した。
(1)未処理
(2)コラゲナーゼ処理
コラゲナーゼ溶液(溶媒:PBS+、濃度:1000U/ml)を50U/mlになるように培地に添加し、37℃で静置培養した。120分後、培地を除去し、新しい培地で3回洗浄した。その後、3日おきに培地交換しながら37℃で培養した。
(3)トリプシン−EDTA処理
培地を除去した後、PBS(−)で2回洗浄し、0.02%トリプシン−0.25%EDTA溶液を100μl添加した。5分後、培地を添加して酵素反応を停止し、培地で2回洗浄した。その後、3日おきに培地交換しながら37℃で培養した。
2. 細胞増殖性
図7はコラゲナーゼ処理およびトリプシン−EDTA処理した後のPLCの増殖性を示す図である。図7から明らかなように、コラゲナーゼ処理と未処理の増殖性は同等であったことから、コラゲナーゼ処理は細胞増殖性に対して極めて影響が低いことがわかる。
図7はコラゲナーゼ処理およびトリプシン−EDTA処理した後のPLCの増殖性を示す図である。図7から明らかなように、コラゲナーゼ処理と未処理の増殖性は同等であったことから、コラゲナーゼ処理は細胞増殖性に対して極めて影響が低いことがわかる。
3.分化維持能
図8はコラゲナーゼ処理およびトリプシン−EDTA処理後10日目のPLCのALP活性を示す図である。図8から明らかなように、コラゲナーゼ処理と未処理のALP活性は同等であったことから、コラゲナーゼ処理は分化維持能に対して極めて影響が低いことがわかる。
これらの結果は、コラゲナーゼ処理は細胞に対して侵襲性が極めて低いことを示す。
図8はコラゲナーゼ処理およびトリプシン−EDTA処理後10日目のPLCのALP活性を示す図である。図8から明らかなように、コラゲナーゼ処理と未処理のALP活性は同等であったことから、コラゲナーゼ処理は分化維持能に対して極めて影響が低いことがわかる。
これらの結果は、コラゲナーゼ処理は細胞に対して侵襲性が極めて低いことを示す。
本発明によって得られる細胞シートは、培養担体が実質的に残留されておらず、細胞−細胞間結合および細胞接着、細胞増殖機能が保持されており、分化維持能も高く保たれている。このため、組織適合性および組織修復能に優れることが期待され、さらには細胞シート同士の重層化による組織化が可能である。また、本発明の細胞シートの製造方法は細胞増殖速度が速く、細胞に対して低侵襲である。このため、短時間で細胞シートを作製することができる。従って、本発明によって得られる細胞シートは再生医療、細胞シート工学に好適に使用できる。
Claims (14)
- コラーゲンゲル上で細胞をシート状に培養した後、コラーゲンゲルをコラゲナーゼで溶解することによって、細胞シートを剥離することを特徴とする細胞シートの製造方法。
- コラーゲンゲルが魚類由来コラーゲンゲルである請求項1記載の細胞シートの製造方法。
- コラーゲンゲルが線維化途上に水溶性カルボジイミドで架橋されたコラーゲン線維ゲルである請求項2記載の細胞シートの製造方法。
- コラーゲンゲルのコラーゲン濃度が0.1〜30mg/mlである請求項1記載の細胞シートの製造方法。
- コラーゲンゲルの厚さが0.1〜20mmである請求項1記載の細胞シートの製造方法。
- コラゲナーゼがクロストリジウム属またはストレプトマイセス属由来である請求項1記載の細胞シートの製造方法。
- コラゲナーゼ添加量がコラーゲン質量に対して0.1U/mg以上である請求項1または6記載の細胞シートの製造方法。
- コラゲナーゼ溶解処理の温度が10〜42℃の範囲である請求項1記載の細胞シートの製造方法。
- 培養される細胞が、歯肉線維芽細胞、歯周靭帯細胞、表皮細胞、線維芽細胞、肝実質細胞、肝非実質細胞(内皮細胞、クッパー細胞、星細胞など)、骨芽細胞、上皮細胞、軟骨細胞、神経細胞、筋細胞から選択される請求項1乃至8に記載の細胞シートの製造方法。
- 培養される細胞がヒト由来歯周靭帯細胞である請求項9記載の細胞シートの製造方法。
- 請求項1乃至10のいずれかの方法で得られた細胞シートを別途製造した細胞シートに付着させ重層化する工程を含む重層化された細胞シートの製造方法。
- 請求項1〜11に記載の方法により得られた、細胞−細胞間の結合が保持された細胞培養担体を実質的に有しない細胞シート。
- 重層化された請求項12に記載の細胞シート。
- 請求項12または13に記載の方法によって得られた再生医療用または細胞シート工学用細胞シート。
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