JP4486308B2 - イオンプレーティング装置およびこれを用いた成膜方法 - Google Patents

イオンプレーティング装置およびこれを用いた成膜方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、安定して均一な成膜が可能なイオンプレーティング装置と、これを用いた成膜方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
【特許文献1】
特開2000−144390号公報
プラズマガンで発生したプラズマビームを収束させて真空チャンバー内に引き出し、このプラズマビームを磁界によって成膜材料に照射して蒸発させ、蒸発した成膜材料が上記のプラズマビーム中を通過する際にイオン化され、被成膜体に激突することにより薄膜を形成するイオンプレーティング装置が従来から使用されている。このようなイオンプレーティング装置は、プラズマガンにより成膜材料の蒸発とイオン化を行うことができ、また、形成された薄膜の付着強度が高いという利点をもっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、例えば、イオンプレーティング装置の成膜材料として使用される酸化珪素等の無機材料の焼結体は水分を吸収し易いものであり、真空チャンバー内に配設された成膜材料が水分を吸収したものである場合、プラズマガンにより蒸発を開始するまでの時間が長くなったり、プラズマガンに投入する電力パワーを増大させる必要があるといった問題があった。
また、従来のイオンプレーティング装置では一定方向から成膜材料にプラズマビームが照射されるため、プラズマビームが当たる部位、あるいは面のみが部分的に減少し、成膜材料の蒸発が進むに従ってプラズマビームが当たる成膜材料面が荒れて不整面となる。このため、蒸発した成膜材料の飛ぶ方向のバラツキが大きくなり成膜性が低下するという問題もあった。
【0004】
さらに、成膜材料を挟持した状態で使用する場合、上記のように一定方向から成膜材料の一部にプラズマビームが照射されるため、成膜材料が部分的に減少し割れ等を生じて脱落し、このため、成膜材料の利用効率が低下するという問題もあった。
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、成膜材料の蒸発が安定し、均一な成膜が可能で、かつ、成膜材料の有効利用が可能なイオンプレーティング装置と、これを用いた成膜方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
このような目的を達成するために、本発明のイオンプレーティング装置は、内部に被成膜体が配置された真空チャンバーと、プラズマガンと、該真空チャンバー内に配設された成膜材料を前記プラズマガンから照射されるプラズマビーム内で回転させるための回転装置と、成膜材料を内側から加熱して水分を除去するための加熱手段と、を少なくとも備え、前記回転装置は、周面に成膜材料を保持でき、かつ、軸方向を中心に回転可能な棒状体あるいは筒状体を有し、該棒状体および筒状体は前記加熱手段である抵抗加熱体で形成されたもの、あるいは、該筒状体は前記加熱手段である抵抗加熱体が配設されたものであるような構成とした。
本発明の好ましい態様として、前記回転装置は、成膜材料に照射されるプラズマビームに対して80〜100°の範囲の角度をなす軸で成膜材料を回転するものであるような構成とした。
【0006】
また、本発明は、上記のいずれかのイオンプレーティング装置を用いた成膜方法において、前記加熱手段により成膜材料を内側から加熱して該成膜材料中に含有される水分を除去する工程と、前記回転装置により成膜材料を回転させながら、前記プラズマガンから成膜材料にプラズマビームを照射し蒸発させて被成膜体に薄膜を形成する工程と、を有するような構成とした。
本発明の好ましい態様として、前記成膜材料として、導電性材料を10重量%以下の範囲で含有したものを使用するような構成とした。
本発明の好ましい態様として、前記加熱手段により成膜材料を内側から加熱する温度は120〜150℃の範囲内とするような構成とした。
【0007】
このような本発明では、成膜材料中に含有される水分が加熱手段により除去され、回転装置により回転されている状態で成膜材料がプラズマガンから照射されるプラズマビームに曝されるので、成膜材料は不整面を生じることなく均一に減少する。
【0008】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
図1は本発明のイオンプレーティング装置の一実施形態の構成を示す図面である。図1において本発明のイオンプレーティング装置1は巻取り式のホローカソード型イオンプレーティング装置であり、仕切り板3によって被成膜体搬送チャンバー2Aと成膜チャンバー2Bとに仕切られた真空チャンバー2と、成膜チャンバー2Bの所定位置(図示例では成膜チャンバーの左側壁)に配設された圧力勾配型プラズマガン10とを備えている。被成膜体搬送チャンバー2A内には、長尺状である被成膜体Sの供給ロール4a、巻き取りロール4b、コーティングドラム5と真空排気口6が配設され、成膜チャンバー2B内の下部には、成膜材料Tの回転装置7、成膜材料Tの加熱装置8、アノード磁石9が配設されている。また、成膜チャンバー2Bに配設された圧力勾配型プラズマガン10には、収束用コイル11、シート化磁石12、圧力勾配型プラズマガン10へのアルゴンガス等の不活性ガス(キャリアガス)の供給量を調整するためのバルブ13が配設され、成膜チャンバー2Bには、真空排気口14、反応ガス供給口15が設けられている。
【0009】
図2は、上記の成膜材料Tの回転装置7と加熱装置8とを説明するための図である。図2において、回転装置7は駆動基部7a,7aと、各駆動基部7aから回転可能に突設された一対の回転アーム7b、7bを備えており、駆動基部7a,7aは矢印方向aに離接するように移動可能であり、回転アーム7b、7bは同軸上で回転可能である。そして、駆動基部7a,7aを移動させることにより、成膜材料T(図示例では、円柱形状をなしている)を回転アーム7b、7b間に挟持して装着することができる。この状態で回転アーム7b、7bを同方向に回転させることにより、成膜材料Tを回転することができる。このような回転アーム7b、7bによる成膜材料Tの回転軸は、成膜材料Tに照射されるプラズマビームに対して80〜100°の範囲の角度をなすように設定する。また、加熱装置8は、回転装置7に挟持され回転している成膜材料Tを外部から加熱するものであり、成膜材料Tの下方近傍に配設されている。この加熱装置8としては、通電加熱ヒーター等の抵抗加熱体や赤外線ランプ等を用いることができる。
【0010】
また、図3は、成膜材料Tの回転装置と加熱装置の他の例を説明するための図である。図3において、回転装置7′は駆動基部7′a,7′aを備え、加熱装置8′は円筒状の抵抗加熱体8′aを有し、この抵抗加熱体8′aは駆動基部7′a,7′aの図示しない回転係合部の間に架設することにより回転可能とされる。また、駆動基部7′a,7′aには、架設された抵抗加熱体8aに通電するための配線(図示せず)が配設されている。そして、円筒形状に成形された成膜材料Tの中空部に円筒状の抵抗加熱体8′aを挿入し、抵抗加熱体8′aの両端部を駆動基部7′a,7′aの図示しない回転係合部間に架設して成膜材料Tを装着することにより、成膜材料Tは回転可能なものとなる。このような成膜材料Tの回転軸は、成膜材料Tに照射されるプラズマビームに対して80〜100°の範囲の度をなすように設定する。また、抵抗加熱体8′aに通電することにより、成膜材料Tを内部から加熱することができる。抵抗加熱体8′aとしては、タングステン、タンタル、モリブデン、プラチナ等の高融点材料を用いて成形することができる。また、抵抗加熱体8′aは、上記のような抵抗加熱材料を他の材料で成形した円筒形状体中に配設したものであってもよい。尚、抵抗加熱体8′aの形状は円筒形状の他に棒形状等であってもよい。
【0011】
上記のような本発明のイオンプレーティング装置1では、加熱装置8によって成膜材料Tを加熱することができ、これにより成膜材料T中に含有されている水分を除去することができる。また、圧力勾配型プラズマガン10で発生したプラズマビームは収束用コイル11により収束され、シート化磁石12とアノード磁石9で形成されている磁界に導かれて成膜材料Tに照射される。そして、成膜材料Tは照射されるプラズマビームに対して80〜100°の範囲の角度をなす回転軸で回転装置7によって回転されるため、プラズマビームに均一に曝され、蒸発による減少が均一となって、プラズマビームが照射される面は常に整面状態となる。
【0012】
次に、上述のような本発明のイオンプレーティング装置1を用いた成膜方法について説明する。
まず、回転装置7に装着した成膜材料Tを加熱装置8によって加熱して、成膜材料Tに含有されている水分を除去する。加熱装置8による成膜材料Tの加熱温度は、水分を蒸発除去する温度、例えば、120〜150℃程度に設定することが好ましい。この成膜材料Tの加熱は、回転装置7により成膜材料Tを回転させながら行うことが好ましい。使用する成膜材料Tとしては、酸化珪素(SiOx(1≦x≦2))、酸化マグネシウム、酸化インジウムスズ(ITO)、窒化珪素(Sixy)窒化酸化珪素(Sixyz)等を挙げることができる。また、成膜材料Tとして、導電性材料を10重量%以下の範囲で含有したものを使用することにより、プラズマガンによる蒸発材料の蒸発が容易になり好ましい。成膜材料Tに含有させる導電性材料としては、B(ボロン)、P(リン)等を挙げることができる。添加回転装置7による成膜材料Tの回転速度は、例えば、0.5〜50rpm程度の範囲で設定することができる。
【0013】
次に、真空排気口6,14からチャンバー2内の空気を排出して所定の到達真空度まで減圧し、次いで、反応ガス供給口15から成膜チャンバー2B内に所定の反応ガスを導入し、チャンバー2内を所定の圧力に保ち、被成膜体Sを走行させる。次に、回転装置7により成膜材料Tを回転させている状態で、アルゴンガス等の不活性ガスを導入した圧力勾配型プラズマガン10にプラズマ生成のための電力を投入し、アノード磁石9の上方近傍に位置する成膜材料Tにプラズマビームを収束させて照射することにより成膜材料を蒸発させる。これにより、成膜材料の蒸発分子が高密度プラズマによりイオン化し、被成膜体S上に付着して薄膜が形成される。
【0014】
このような成膜方法では、プラズマビームによる成膜材料Tの蒸発開始前に、予め成膜材料Tの水分が除去されているので、プラズマビーム照射開始から成膜材料Tの蒸発開始までの時間を短いものとすることができ、また、蒸発を継続させるために圧力勾配型プラズマガン10に投入する電力パワーを増大させる必要がない。さらに、圧力勾配型プラズマガン10から照射されるプラズマビーム内で回転される成膜材料Tは、プラズマビームに均一に曝されるため、蒸発による減少が均一となり、プラズマビームが照射される面は常に整面状態であり、これにより成膜材料Tの蒸発後の飛翔方向が安定し、被成膜体への成膜性が安定したものとなる。また、回転装置が図2に示されるような成膜材料Tを挟持する構造であっても、成膜材料Tの局部的な減少が防止されるので、使用途中での成膜材料Tの割れ、破壊等が大幅に低減され、成膜材料Tの有効利用が可能となる。
尚、本発明は、上述の各実施形態に限定されるものではない。
【0015】
【実施例】
次に、実施例を示して本発明を更に詳細に説明する。
[実施例]
本発明のイオンプレーティング装置として、図1に示すような圧力勾配型プラズマガンを備えた巻取り式のホローカソード型イオンプレーティング装置を準備した。このイオンプレーティング装置は、図2に示されるように、成膜材料を挟持した状態で回転させる回転装置と、回転中の成膜材料を下方近傍から加熱するための抵抗加熱装置とを備えたものとした。そして、回転装置に成膜材料として90%の焼結密度を有する円柱形状(直径200mm、長さ400mm)の一酸化珪素(SiO)を装着した。
【0016】
次に、回転装置に装着した成膜材料を2rpmの回転速度で回転させながら、加熱装置によって成膜材料の温度が120℃となるような加熱処理(15分間)を施した。尚、成膜材料の加熱処理前の水分含有量は1重量%であり、加熱処理後の水分含有量は0.5重量%以下であった。
次いで、被成膜体として幅30cmの巻取り状の2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋紡績(株)製 PETフィルムA4100、厚み100μm、)を準備し、この基材フィルムのコロナ未処理面側を被成膜面として被成膜体搬送チャンバー内に装着した。尚、この基材フィルムと成膜材料との距離(TS距離)は約60cmに設定した。
次に、成膜時の添加ガスとして酸素ガス(大陽東洋酸素(株)製(純度99.9995%以上))、窒素ガス(大陽東洋酸素(株)製(純度99.9999%以上))、および、アルゴンガス(大陽東洋酸素(株)製(純度99.9999%以上))を準備した。
【0017】
次に、チャンバー内を到達真空度5.0×10-5Paまで減圧した。次いで、成膜チャンバー内に窒素ガスを流量200sccmで、酸素ガスを流量10sccmでそれぞれ導入するとともに、チャンバー内圧力を0.1Paに保ち、基材フィルムを走行させ、アルゴンガスを流量15sccmで導入した圧力勾配型プラズマガンにプラズマ生成のための電力を10kW投入し、アノード磁石の上方近傍で回転している成膜材料にプラズマビームを収束させて照射した。このプラズマビームは成膜材料の回転軸に対して約90°の角度で照射されるものとした。このようなプラズマビームの照射開始から約20分後に回転状態の成膜材料からの蒸発が始まった。その後、回転状態の成膜材料の蒸発を継続させ、高密度プラズマにより蒸発分子をイオン化させて、基材フィルム上に酸化窒化珪素膜からなるバリア層を形成して、バリアフィルムを得た。基材フィルムの走行速度は、成膜開始時点で形成される酸化窒化珪素膜の膜厚が100nmとなるように設定した。尚、sccmとは、standard cubic centimeter per minuteの略であり、以下の比較例においても同様である。
【0018】
このような酸化窒化珪素膜の成膜を100mの基材フィルムに連続して行った後の成膜材料は、直径が約130mmとなるまで減少していたが、外観は整面を備えた円柱形状であった。
【0019】
また、上記の連続成膜の最終部位であるバリアフィルムについて、酸化窒化珪素膜の厚みを測定した結果、約100nmであり、成膜直後と同等の成膜性が維持されていることが確認された。さらに、このバリアフィルムについて、下記の条件で酸素透過率および水蒸気透過率を測定した。その結果、酸素透過率が0.3cc/m2/day・atm以下であり、水蒸気透過率が0.1g/m2/day以下であり、優れたバリア性を有することが確認された。
【0020】
酸素透過率の測定
酸素ガス透過率測定装置(MOCON社製 OX−TRAN 2/20)を用いて、温度23℃、湿度90%RH、バックグラウンド除去測定を行うインディヴィジュアルゼロ(Individual Zero)測定ありの条件で測定した。
水蒸気透過率の測定
水蒸気透過率測定装置(MOCON社製 PERMATRAN−W 3/31)を用いて、温度40℃、湿度100%RHで測定した。
【0021】
[比較例1]
成膜材料に加熱処理を施さず、また、成膜材料を回転させない他は、実施例と同様にして、バリアフィルムを作製した。
このバリアフィルム作製では、プラズマビーム照射開始から成膜材料の蒸発開始まで約40分を要した。また、基材フィルムに対して55mの連続成膜を行った時点で成膜材料が割れて脱落し、成膜が不能となった。そして、連続成膜の最終部位であるバリアフィルムについて、酸化窒化珪素膜の厚みを測定した結果、約70nmであり、成膜直後に比べて成膜性が低下していることが確認された。また、このバリアフィルムについて、実施例と同様に酸素透過率および水蒸気透過率を測定した結果、酸素透過率が2.3cc/m2/day・atmであり、水蒸気透過率が6.0g/m2/dayであり、実施例に比べてバリア性が劣ることが確認された。
【0022】
[比較例2]
実施例におけるホローカソード型イオンプレーティング装置において、回転装置および加熱装置の代わりに坩堝を配設し、この坩堝中に加熱処理を施していない成膜材料(水分含有量は1重量%)を載置した。その後、実施例と同様にして成膜材料にプラズマビームを収束させて照射し、バリアフィルムを作製した。
このバリアフィルム作製では、プラズマビーム照射開始から成膜材料の蒸発開始まで約30分を要した。また、連続成膜の最終部位であるバリアフィルムについて、酸化窒化珪素膜の厚みを測定した結果、約85nmであり、成膜直後に比べて成膜性が低下していることが確認された。また、このバリアフィルムについて、実施例と同様に酸素透過率および水蒸気透過率を測定した。その結果、酸素透過率が1.2cc/m2/day・atmであり、水蒸気透過率が0.9g/m2/dayであり、実施例に比べてバリア性が劣ることが確認された。
【0023】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば加熱手段によって成膜材料が加熱されて含有水分が除去されるので、プラズマガンによる成膜材料の蒸発時の水分の悪影響が排除され、蒸発が開始するまでの時間を短いものとすることができ、かつ、プラズマガンの電力パワーの増大を不要とすることができる。また、プラズマガンから照射されるプラズマビーム内で回転される成膜材料は、プラズマビームに均一に曝されるため、蒸発による減少が均一となり、プラズマビームが照射される面は常に整面状態であり、これにより成膜材料の蒸発後の飛翔方向が安定し、被成膜体への成膜性が安定したものとなる。さらに、上述のように成膜材料の局部的な減少が防止されるので、成膜材料を挟持した状態で使用する場合であっても、使用途中での成膜材料の割れ等が生じ難くなり、成膜材料の有効利用が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のイオンプレーティング装置の一実施形態の構成を示す図面である。
【図2】成膜材料の回転装置と加熱装置とを説明するための図である。
【図3】成膜材料の回転装置と加熱装置の他の例を説明するための図である。
【符号の説明】
1…イオンプレーティング装置
2…真空チャンバー
7,7′…回転装置
7a,7′a…駆動基部
7b…回転アーム
8,8′…加熱装置
8′a…抵抗加熱体
10…プラズマガン
S…被成膜体
T…成膜材料

Claims (5)

  1. 内部に被成膜体が配置された真空チャンバーと、プラズマガンと、該真空チャンバー内に配設された成膜材料を前記プラズマガンから照射されるプラズマビーム内で回転させるための回転装置と、成膜材料を内側から加熱して水分を除去するための加熱手段と、を少なくとも備え、前記回転装置は、周面に成膜材料を保持でき、かつ、軸方向を中心に回転可能な棒状体あるいは筒状体を有し、該棒状体および筒状体は前記加熱手段である抵抗加熱体で形成されたもの、あるいは、該筒状体は前記加熱手段である抵抗加熱体が配設されたものであることを特徴とするイオンプレーティング装置。
  2. 前記回転装置は、成膜材料に照射されるプラズマビームに対して80〜100°の範囲の角度をなす軸で成膜材料を回転するものであることを特徴とする請求項1に記載のイオンプレーティング装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載のイオンプレーティング装置を用いた成膜方法において、
    前記加熱手段により成膜材料を内側から加熱して該成膜材料中に含有される水分を除去する工程と、前記回転装置により成膜材料を回転させながら、前記プラズマガンから成膜材料にプラズマビームを照射し蒸発させて被成膜体に薄膜を形成する工程と、を有することを特徴とするイオンプレーティング装置を用いた成膜方法。
  4. 前記成膜材料として、導電性材料を10重量%以下の範囲で含有したものを使用することを特徴とする請求項3に記載のイオンプレーティング装置を用いた成膜方法。
  5. 前記加熱手段により成膜材料を内側から加熱する温度は120〜150℃の範囲内とすることを特徴とする請求項3または請求項4に記載のイオンプレーティング装置を用いた成膜方法。
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