JPH08209329A - 巻き取り式蒸着装置及びcvd装置 - Google Patents

巻き取り式蒸着装置及びcvd装置

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JPH08209329A
JPH08209329A JP1515995A JP1515995A JPH08209329A JP H08209329 A JPH08209329 A JP H08209329A JP 1515995 A JP1515995 A JP 1515995A JP 1515995 A JP1515995 A JP 1515995A JP H08209329 A JPH08209329 A JP H08209329A
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JP
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polymer film
film
vacuum
vapor deposition
roller
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JP1515995A
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Mamoru Sekiguchi
守 関口
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Toppan Inc
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Toppan Printing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】高分子フィルム基材と薄膜との接着性を上げる
ため、薄膜形成前に高分子フィルム表面を活性化処理す
るための前処理部を設けた巻き取り式の連続蒸着装置及
びCVD装置を提供する。 【構成】巻き取り式の連続蒸着装置及びCVD装置にお
いて、薄膜形成工程の前に前処理部を設け、該前処理部
は独立したチャンバーからなり、活性ガスを導入するた
めのガス導入系と所定の真空度に排気するための真空排
気系を有し、前記前処理部で高分子フィルム表面を活性
化処理し薄膜を形成することを特徴とする。前記前処理
部での活性化処理の際、冷却ロールによる高分子フィル
ムの冷却及びプラズマ電極によるプラズマ処理を併用す
ることにより、活性化処理作用を促進すことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、連続的に走行する高分
子フィルム上に薄膜を形成する薄膜形成装置に係わり、
特に連続的に薄膜を強密着に高分子フィルムへ形成し得
る蒸着装置及びCVD装置に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、食品を包装する透明な高分子フ
ィルムの作成には、香り、水及び酸素の透過を防ぐため
に高分子フィルムの表面に薄膜を蒸着させる連続蒸着装
置が広く用いられている。図5はこの種の連続蒸着装置
の構成を示す模式図である。
【0003】この連続蒸着装置は、真空排気可能な真空
容器1内に水平に設けられた長方形の開口面2aを有す
る遮蔽板2が該真空容器1内を上部及び下部真空チャン
バー3、4に仕切っている。上部真空チャンバー3で
は、夫々遮蔽板2の開口面長手方向に平行に回転軸を有
する巻き出しロール5、円筒状冷却ロール6、巻き取り
ロール7及びそれらの間に介在する4つの補助ロール8
1 〜84 が回転可能に設けられている。
【0004】巻き出しロール5は、蒸着前の高分子フィ
ルム9が予め巻かれ、この高分子フィルム9を2つの補
助ロール81 、82 を介して円筒状冷却ロール6に連続
的に送り出している。円筒状冷却ロール6は、良好な熱
伝導性をもつ金属を材料とし、外周面の一部が遮蔽板2
から下部真空チャンバー4内に突出するように配置され
ている。巻取りロール7は、円筒状冷却ロール6から下
部真空チャンバー4を経由してきた高分子フィルム9を
2つの補助ロール83 、84 を介して連続的に巻き取っ
ている。
【0005】一方、下部真空チャンバー4では、遮蔽板
2から突出した円筒状冷却ロール6及びその外周部の高
分子フィルム9に対向するように、蒸発材料10を有す
るルツボ11が円筒状冷却ロール6の下方に載置されて
いる。また、ルツボ11内の蒸発材料10は、抵抗加熱
法、高周波誘導加熱法、あるいは電子ビーム加熱法等に
より加熱・蒸発される。図5では、電子ビーム加熱法に
よるものが記載されている。
【0006】従来から蒸着膜を高分子フィルムに強密着
に形成するためには、あらかじめ高分子フィルム表面に
特定の樹脂をコーティングしたり、原材料のポリマーを
変性して蒸着膜との密着性をあげるなどの試みがなされ
ていた。しかし、いずれの方法においても蒸着膜の種類
が変わると最適な条件が変化するばかりでなく、性能的
にも決して十分ではなかった。
【0007】また、最近はCVD法により比較的低温で
高分子フィルム基材上へ薄膜形成するための装置が開発
されているが、耐熱性の低い汎用の高分子フィルムへの
薄膜形成は高分子フィルムの変形、破壊等により困難で
あったり、高分子フィルムと薄膜との密着性が十分でな
い場合があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、本発明
は従来の問題点を解決するものであり、薄膜を高分子フ
ィルムに強密着に形成するための巻き取り式蒸着装置及
びCVD装置を提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を達成するため
の請求項1記載の発明は、真空中で蒸発材料を加熱させ
て前記蒸発材料を蒸発させると共に、巻き出しローラー
から連続的に巻き出されて前記蒸発材料に対向配置され
るように走行する高分子フィルムを巻き取りローラーで
巻き取ることにより、前記高分子フィルムの表面に前記
蒸発材料の蒸着膜を形成する連続蒸着装置において、少
なくとも巻き出しローラーと蒸着膜形成部との間に前処
理部を設け、該前処理部は独立したチャンバーからな
り、活性ガスを導入するためのガス導入系と所定の真空
度に排気するための真空排気系とを有し、該前処理部で
前記高分子フィルム表面を活性化処理することを特徴と
する巻き取り式蒸着装置を提供するものである。
【0010】請求項2記載の発明は、連続式CVD薄膜
形成装置において、少なくとも巻き出しローラーと薄膜
形成部との間に前処理部を設け、該前処理部は独立した
チャンバーからなり、活性ガスを導入するためのガス導
入系と所定の真空度に排気するための真空排気系とを有
し、該前処理部で前記高分子フィルム表面を活性化処理
することを特徴とする巻き取り式CVD装置を提供する
ものである。
【0011】請求項3記載の発明は、前記前処理部の内
部に冷却手段を有する請求項1または2記載の装置を提
供するものである。
【0012】請求項4記載の発明は、前記冷却手段が0
℃以下に冷却可能な金属ローラーを少なくとも一つ以上
有する請求項3に記載の装置を提供する。
【0013】請求項5記載の発明は、前記前処理部の内
部にプラズマを発生させるための手段を具備した請求項
1乃至4のいずれか1つに記載の装置を提供するもので
ある。
【0014】
【作用】本発明の作用効果は、薄膜を形成する連続蒸
着、CVD装置において、巻き出しローラーと薄膜形成
部との間に前記前処理部を設けることにより、薄膜を形
成する直前に高分子フィルムの表面を活性化できるの
で、プラズマ処理をオフラインで行ったものと本質的に
違い、活性ガスが有効に高分子フィルム上で化学結合を
行ない、より強い接着層としてはたらくため高分子フィ
ルムへ密着性の強い薄膜が形成できる。
【0015】また、前処理部の活性化処理の工程で冷却
ロールを設け、高分子フィルムを冷却することにより、
活性ガスまたは活性物質を該高分子フィルムに効率よく
吸着、保持できるので、活性ガスが有効に高分子フィル
ム上で化学結合を行ない、より強い接着層としてはたら
くため、高分子フィルムへ密着性の強い薄膜が形成でき
る。
【0016】さらに、前処理部の内部にプラズマを発生
させるための手段を具備することにより、高分子フィル
ムの表面を活性ガスにより活性化処理する際に、活性あ
るいは不活性ガス(例えばアルゴンガス等)のプラズマ
イオンにより高分子フィルムの表面層にラジカル、イオ
ン等の化学結合点を発生させながら種々の活性ガスによ
り活性化処理できるので、活性ガスのみで処理したもの
に較べて、強い接着性を有する薄膜が形成できる。
【0017】
【実施例】
<実施例1>以下、本発明の実施例について図面を参照
して説明する。
【0018】図1及び図2は本発明の一実施例に係る連
続蒸着装置の構成を示す部分斜視図及び断面図である。
この連続蒸着装置は、真空排気可能な真空容器21内に
設けられた遮蔽板22が該真空容器21内を第1及び第
2の真空チャンバー23,24に仕切っている。なお、
図1において、第2の真空チャンバー24は一部のみが
示され、大部分が省略されている。
【0019】図2において第1の真空チャンバー23で
は、夫々遮蔽板22の開口面長手方向に平行に回転軸を
有する巻出しロール25、円筒状冷却ロール26、巻取
りロール27及びそれらの間に介在する5つの補助ロー
ル281 〜285 が回転可能に設けられている。また、
第1の真空チャンバー23は窓29を有すると共に、5
つの真空ポンプ30を有する吸引ポート31がフランジ
として設けられ、各真空ポンプ30により所定の真空度
に排気される。
【0020】巻出しロール25は、蒸着前の高分子フィ
ルム32が予め巻かれ、この高分子フィルム32を3つ
の補助ロール281 〜283 を介して円筒状冷却ロール
26に連続的に送り出すものである。
【0021】巻き出しロール25と蒸着膜形成部の円筒
状冷却ロール26との間に、図3に記載の前処理部12
0が設けられており、該前処理部120は処理槽10
2、特定空間100、冷却ロール101、ガス導入系
(50、51、52、53)、プラズマ発生用アンテナ
状電極111、加熱ヒーター114、真空排気系115
から構成されている。
【0022】連続的に巻き出しロール25から冷却ロー
ル26へ走行する高分子フィルム32は処理槽102に
設けられた冷却ロール101に抱かれながら、所定の濃
度に制御された活性ガスにより吸着処理される。前処理
部120の冷却ロールは熱伝導性の良好な金属材料から
なり、0℃以下に保持される。
【0023】前処理部120の特定空間100のガス濃
度は処理槽102の特定空間100を真空排気系115
により真空度1×10-4Pa以下に排気した後マスフロ
ーコントローラー51を介して活性ガスを導入し、ガス
濃度は真空計116により1〜数百Paに制御される。
ガス導入については、図3に記載のように、常温で気体
のものはボンベ50、マスフローコントローラー51を
介して、また、常温で液体のものはボンベ52、気化装
置53、マスフローコントローラー51を介して行われ
る。
【0024】ガスの液化防止や安定した流量制御をする
ために、ガス導入管112を必要に応じて中空の2重構
造にしたり外部から任意のヒーターで加熱する等の方法
をとる場合がある。特定空間100内の真空圧P3 は蒸
着室の真空圧をP1 、巻き取り室の真空圧をP2 とした
場合P1 <P2 <P3 の関係にあり、巻き取り室より前
処理部の特定空間の真空圧が高いことが必要である。
【0025】また、前処理部120で行われる活性ガス
による吸着処理において、活性ガス種による高分子フィ
ルム表面の改質を促進するために補助的に直流、交流、
高周波あるいはマイクロ波電力を利用したプラズマを発
生させることができる。図3に示すように、処理槽10
2の冷却ロール101に対向する位置にプラズマ発生用
のアンテナ状電極111が配置されており、特定空間1
00に活性ガスが導入され、10〜0. 1Paに保持さ
れた空間に高周波電源113より高周波(13.56MHz)を
印加してプラズマを容易に発生させることができる。
【0026】図2に記載のプラズマ処理ユニット103
は高分子フィルム表面をアルゴンボンバードあるいはプ
ラズマ処理するためのもので、任意の形状をした電極と
ガス導入を備えたプラズマ形成空間である。直流、交
流、高周波等の電源が該電極と接続され、アルゴン等の
不活性ガスや酸素、窒素等の活性ガスにより所定の真空
度を保持しながらプラズマを発生させ、高分子フィルム
の表面を活性化するものである。このプラズマ処理ユニ
ットは、高分子フィルムの表面にラジカルやイオン性結
合点を形成させるところで、前処理部120で活性ガス
により高分子フィルム表面に改質層を形成する際に、必
要に応じて設けるものである。
【0027】前処理部で使用される活性ガスとしては、
ビニルトリクロロシラン、ビニルトリス(2−メトキシ
エトキシ)シラン、γ−グリシドキシプロピルトリメト
キシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシ
シラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリ
メトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラ
ン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−
アミノプロピルトリエトキシシラン等のシランカップリ
ング剤、あるいはイソプロピルトリイソステアロイルチ
タネート、イソプロピルトリデシルベンゼンスルホニル
チタネート、イソプロピルトリス(ジオクチルパイロホ
スフェート)チタネート、テトライソプロピルビス(ジ
オクチルホスファイト)チタネート、テトラオクチルビ
ス(ジトリデシベルホスファイト)チタネート、イソプ
ロピルトリオクタノイルチタネート等のチタンカップリ
ング剤が例えば利用できる。しかし、上記物質に限定し
たものではなく他のガスも必要に応じて利用できる。
【0028】上記活性ガス物質が前処理部120の処理
槽102の内壁での液化を防ぐために、図3に記載のよ
うに外部からヒーター114で保温することも必要に応
じて行われる。
【0029】蒸着膜形成部の円筒状冷却ロール26は、
良好な熱伝導性をもつ金属材料とし、外周面の一部が遮
蔽板22から第2の真空チャンバー24内に突出するよ
うに配置されている。なお、円筒状冷却ロール26と遮
蔽板22の間隔をごく僅かとし、この僅かな間隔を通し
て第1及び第2の真空チャンバー23、24を互いに連
通させることにより、両真空チャンバー23、24間に
2桁の圧力差をもたせている。巻取りロール27は、円
筒状冷却ロール26から第2の真空チャンバー24を経
由して、蒸着膜の形成された高分子フィルム32を2つ
の補助ロール284 〜285 を介して連続的に巻取るも
のである。一方、第2の真空チャンバー24は、図示し
ない拡散ポンプを有し、この拡散ポンプにより10-2
a以下の真空度に到達可能となっている。
【0030】また、第2の真空チャンバー24は、その
下部に水平方向に底面プレート33が設けられている。
底面プレート33には、円筒状冷却ロール26及びその
外周部の高分子フィルム32に対向し、且つ円筒状冷却
ロール26の長手方向に沿うように蒸発材料34を有す
る長尺のルツボ35が載置されている。ルツボ35は冷
却水を循環させる冷却水パイプ36により巻装され、ル
ツボカバー37が上方に配置されている。このルツボ内
の蒸着材料を加熱する手段としては、直接抵抗加熱法、
高周波誘導加熱法、あるいは電子ビーム加熱方法いずれ
であってもよい。また、底面プレート33はルツボ35
の4隅にルツボ35から離間して夫々支持部材(一部の
み図示している)38が立設され、各支持部材38はル
ツボ35の長手方向に直交する方向(以下、ルツボの幅
方向という)に沿って水平にスライド支持面39が互い
に架け渡されている。
【0031】さらに、第2の真空チャンバー24の下部
には、ルツボ35の長手方向に平行な第1の回動軸40
aを基端部に有するロータリーアーム40が回動自在に
設けられている。ロータリーアーム40は第1の回動軸
40aに平行な第2の回動軸40bを先端部に有し、第
2の回動軸40bにより回動自在にスライド板41が取
付けられている。スライド板41はロータリーアーム4
0に応動してスライド支持面39上を進退自在に摺動す
るものであり、ルツボカバー37の上方を開閉する機能
をもっている。
【0032】また、加熱方式が電子ビーム法である場合
は、ルツボ35の隣にはルツボ35の長手方向に平行に
マグネットコイル42が載置され、かつマグネットコイ
ル42の端部には一部しか図示されないがルツボ35の
全幅を挟むようにルツボ35の幅方向にってヨーク金属
シート43が取付けられている。このヨーク金属シート
43はマグネットコイル42により発生する磁界をルツ
ボ35の上方に形成するものである。
【0033】また、第2の真空チャンバー24は、真空
容器21の外壁に設けられたフランジ44を介して2台
の電子銃451 、452 がルツボ35の上方の空間に向
けて取付けられている。各電子銃451 、452 は電子
ビーム46を照射する機能を有し、この電子ビーム46
はヨーク金属シート43が形成する磁界によりルツボ3
5内に偏向可能となっている。なお、ルツボ35内の蒸
発材料34は、電子銃451 、452 から照射された電
子ビーム46により昇華又は蒸発され、走行する高分子
フィルム32の膜形成面上に連続的に蒸着膜を形成して
いる。また、このようなルツボ35内の蒸発材料34に
電子ビーム46が照射される様子は第2の真空チャンバ
ー24に設けられた窓47を通して監視可能となってい
る。また、各電子銃451 、452 は排気のためのター
ボモレキュラーポンプ(図示せず)が使用可能となって
いる。
【0034】<実施例2>図4は請求項2の発明に係わ
る一実施例である。本発明のCVD装置構成は巻き出し
部(I)、プラズマ処理部(II)、前処理部(III)、薄
膜形成部(IV)、巻き取り部(V)からなっており、巻
き出し部(I)の巻き出しロール200から連続的に走
行する高分子フィルム210はプラズマ処理部(II)で
プラズマ処理された後、前処理部(III)にて高分子フィ
ルムの表面を活性化処理した後、薄膜形成部(IV)にて
薄膜形成されて、巻き取り部(V)の巻き取りロール2
01に巻き取られる連続式のCVD装置である。
【0035】巻き出し部(I)の卷き出しロール200
から供給された高分子フィルム210は最初プラズマ処
理部(II)にて高分子フィルムの表面がプラズマ処理さ
れる。プラズマ処理部(II)はプラズマ発生電極28
2、真空排気系261及びガス導入系からなり、プラズ
マ処理条件は必要に応じて適宜設定することができる。
【0036】プラズマ処理の終わった高分子フィルムは
次の前処理部(III)にて高分子フィルムの表面を活性化
処理する。前処理部(III)は特定空間240、冷却ロー
ル301、真空排気系262、活性ガスを導入、流量制
御するためのガス導入系(250、251、252、2
53)から構成されている。活性ガス導入及びガス濃度
は、前処理部(III)の特定空間240を真空排気系26
2により所定の真空度まで排気し、ガス導入系のマスフ
ローコントローラー250と真空排気系に接続されてい
るコンダクタンスバルブ302にて、所定のガス濃度に
なるように制御される。
【0037】前処理部(III)で使われる活性ガスとして
は、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリス(2−メト
キシエトキシ)シラン、γ−グリシドキシプロピルトリ
メトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメト
キシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピル
トリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシ
シラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、
γ−アミノプロピルトリエトキシシラン等のシランカッ
プリング剤、あるいはイソプロピルトリイソステアロイ
ルチタネート、イソプロピルトリデシルベンゼンスルホ
ニルチタネート、イソプロピルトリス(ジオクチルパイ
ロホスフェート)チタネート、テトライソプロピルビス
(ジオクチルホスファイト)チタネート、テトラオクチ
ルビス(ジトリデシベルホスファイト)チタネート、イ
ソプロピルトリオクタノイルチタネート等のチタンカッ
プリング剤が例えば利用できる。しかし、上記物質に限
定したものではなく他のガスも必要に応じて利用でき
る。
【0038】活性ガスを導入する際、常温で気体のもの
はボンベ251から直接マスフローコントローラー25
0を介して、また、常温で液体のものはボンベ253か
ら気化装置252を経由してマスフローコントローラー
250を介して処理槽240に導入される。ガスの液化
防止や安定した流量制御をするために、導入管を中空の
二重管にしたり、外部から任意のヒーターで加熱するな
どの方法が必要に応じて行なわれる。前処理部(III)の
冷却ロ−ル301は良好な熱伝導性の金属材料からな
り、0℃以下に保持される。
【0039】さらに、前処理部(III)にて高分子フィル
ム表面を活性ガスで活性化処理する際、補助的に直流、
交流、高周波電力を使ってプラズマを発生させることに
より、活性ガスが有効に高分子フィルム上で化学結合
し、活性化処理を促進する働きをさせる。
【0040】活性化処理の終わった高分子フィルムは次
の薄膜形成部(IV)に送られ、通常のCVD法で薄膜が
形成される。該薄膜形成部(IV)は処理槽230、真空
排気系263、ガス導入系(290、220)、プラズ
マ発生電極及び高周波電源から構成されている。
【0041】薄膜形成された高分子フィルムは巻き取り
部(V)に送られて巻き取りロール201によって巻き
取られ、CVDによる一連の薄膜形成が完了する。
【0042】
【発明の効果】本発明によれば、薄膜形成工程の直前に
前処理部を設け、高分子フィルム表面を種々のガスまた
は物質により活性化処理及びプラズマ処理を併用し、イ
ンラインでフィルム表面を改質できるので、強い接着性
を有する蒸着膜を形成できる蒸着装置を提供できる。ま
た、従来のCVD装置では達成出来なかった耐熱性の低
い高分子フィルムについても、薄膜形成工程の直前に前
処理部を設け、高分子フィルム表面を種々のガスまたは
物質により活性化処理及びプラズマ処理を併用し、イン
ラインでフィルム表面を改質できるので、高分子フィル
ムと接着性のあまりよくない各種な機能薄膜について
も、強い接着性を有する薄膜を形成できるCVD装置を
提供出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る続蒸着装置の構成を示
す部分斜視図。
【図2】本発明の連続蒸着装置の構成を示す断面図。
【図3】本発明の連続蒸着装置の前処理部の構成を示す
断面図。
【図4】本発明の連続CVD装置の構成を示す断面図。
【図5】従来の巻取り式連続蒸着装置の構成を示す断面
図。
【符号の説明】
1…真空容器 2…遮蔽板 3…上部真空チャンバー 4…下部真空チャンバー 5…巻き出しロール 6…円筒状冷却ロール 7…巻き取りロール 81 〜84 …補助ロール 9…高分子フイルム 10…蒸発材料 11…ルツボ 21…真空容器 22…遮蔽板 23…上部真空チャンバー 24…下部真空チャンバー 25…巻き出しロール 26…冷却ロ−ル 27…巻き取りロ−ル 281 〜285 …補助ロ−ル 32…高分子フィルム 50…ボンベ 51…マスフローコントローラー 52…ボンベ 53…気化装置 100…特定空間 101…冷却ロール 102…処理槽 103…プラズマ処理ユニット 111…プラズマ発生用アンテナ状電極 112…ガス導入管 113…高周波電源 114…加熱ヒーター 115…真空排気系 116…真空計 120…前処理部 200…巻き出しロール 201…巻き取りロール 210…高分子フィルム 230…薄膜形成空間 240…特定空間 250…マスフローコントローラー 251…ボンベ 252…気化装置 253…ボンベ 260〜264…真空排気系 280…プラズマ処理空間 282…プラズマ電極 290…マスフローコントローラー 301…冷却ロール 302…コンダクタンスバルブ

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】真空中で蒸発材料を加熱させて前記蒸発材
    料を蒸発させると共に、巻き出しローラーから連続的に
    巻き出されて前記蒸発材料に対向配置されるように走行
    する高分子フィルムを巻取ローラーで巻き取ることによ
    り、前記高分子フィルムの表面に前記蒸発材料の蒸着膜
    を形成する連続蒸着装置において、少なくとも巻き出し
    ローラーと蒸着膜形成部との間に前処理部を設け、該前
    処理部は独立したチャンバーからなり、活性ガスを導入
    するためのガス導入系と所定の真空度に排気するための
    真空排気系とを有し、前記前処理部で前記高分子フィル
    ム表面を活性化処理することを特徴とする巻き取り式蒸
    着装置。
  2. 【請求項2】真空中で高分子フィルムを巻き出しローラ
    ーから連続的に巻き取りローラーに巻き取ることによ
    り、前記高分子フィルムの表面に薄膜形成材料により薄
    膜を形成する連続CVD(Chemical Vapor Deposition
    以下CVDと呼ぶ)装置において、少なくとも巻き出し
    ローラーと薄膜形成部との間に前処理部を設け、該前処
    理部は独立したチャンバーからなり、活性ガスを導入す
    るためのガス導入系と所定の真空度に排気するための真
    空排気系とを有し、前記前処理部で前記高分子フィルム
    表面を活性化処理することを特徴とする巻き取り式CV
    D装置。
  3. 【請求項3】前記前処理部の内部に冷却手段を有するこ
    とを特徴とする請求項1または2記載の装置。
  4. 【請求項4】前記冷却手段が0℃以下に冷却可能な金属
    ローラーを少なくとも一つ有することを特徴とする請求
    項3に記載の装置。
  5. 【請求項5】前記前処理部の内部にプラズマを発生させ
    るための手段を具備したことを特徴とする請求項1乃至
    4のいずれか1つに記載の装置。
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