JP4486250B2 - シールド掘進機の立坑到達用シール方法およびその装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
この発明は、出水状態にある地中にトンネルを構築したシールド掘進機を到達用立坑において止水するシールド掘進機の立坑到達シール方法およびこれに使用される立坑到達用シール装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、シールド掘進機でもって出水状態にある地中にトンネルを構築する際、構築予定トンネルの始端部に形成された発進用立坑にシールド掘進機を搬入し、これを立坑発進用シール装置でもって止水しながら地中に進入させたのち、自身の有するシール装置でもってシールド掘進機の内部への止水を達成しながらセグメントで被覆されたトンネルを構築し、この構築後のシールド掘進機を同トンネルの終端部に形成された到達用立坑において、立坑到達用シール装置でもって止水させることが行なわれている。
【0003】
従来、このトンネル構築後のシールド掘進機を到達用立坑に止水しながら到達させる方法および装置として、たとえば特願平10−031863号に開示されたものが知られている。
以下、同公報に開示された技術内容を図12ないし図14を参照しながら説明する。
図12で示すように、立坑到達用シール装置100は、筒状部101と蓋部102からなるエントランス室103を到達用立坑104の立坑壁105に形成された水平方向の貫通孔106に連通させて上記立坑壁105に設置するとともに、上記筒状部101の内周面に拡縮シール部材107を装着することにより構成されている。
【0004】
上記構成において、まず、エントランス室103の内部空間を配管系統108を介し加圧装置109でもって加圧し、その内部圧力P2を出水状態にある地山110の出水圧力P1と同等もしくはそれ以上に保持し、セグメント111で被覆されたトンネル112を上記地山110に構築し終えたシールド掘進機113でもって地盤改良されて止水状態にある地盤改良領域114を掘進し、そのカッタヘッド113aをエントランス室103の内部空間に進入させる。
その後、図13で示すように、配管系統115を介し加圧装置116でもって拡縮シール部材107を水などの流体圧力で加圧して膨張させ、その中央膨出部をシールド掘進機113のスキンプレートの外周面113bに圧接し、上記拡縮シール部材107の後方側における上記貫通孔106の内部空間にモルタル117を充填する。
さらに、図14で示すように、上記配管系統115を介し加圧装置116でもって拡縮シール部材107の内部流体をモルタル118に置換してこれを硬化させ、上記シールド掘進機113を同トンネル112の終端部に形成された到達用立坑104の立坑壁105における立坑到達用シール装置100でもって止水させることにより、地山110を崩壊させることなく、大深度のトンネルを構築することができる利点を有する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記構成によれば、エントランス室103の内部空間を加圧装置109による配管系統108からの水などの流体圧力P2でもって加圧し、地山110の出水圧力P1に打ち勝つことにより止水しなければならず、高圧力の出水圧力P1に対して流体圧力P2でもってこれを止水するには自ずと限界があり、大深度のトンネルを安全かつ着実に構築することが困難であるなどの課題がある。
【0006】
この発明は上記課題を解消するためになされたもので、この発明の1つの目的は大深度のトンネルを安全かつ着実に構築することができるシールド掘進機の立坑到達シール方法を提供することにある。
この発明の他の目的は簡単な構造で大深度トンネルを安全かつ着実に構築することができるシールド掘進機の立坑到達用シール装置を提供することにある。
【0007】
この発明による請求項1に記載のシールド掘進機の立坑到達用シール方法は、到達用立坑壁の内周面に密閉されたエントランス室を形成する工程と、上記エントランス室に充填材を充填する工程と、トンネルを構築し終えたシールド掘進機を上記立坑壁の掘削で上記エントランス室内に進入させる工程と、上記シールド掘進機でエントランス室内の充填材を掘削しながら前記エントランス室内に洗浄液を噴出させる工程と、上記シールド掘進機で掘削された前記エントランス室内の充填材と前記エントランス室内に噴出された洗浄液とを混合させてなる泥水を前記エントランス室内の下方から外部に排出して立坑の内部に放出する工程と、上記エントランス室の内周面に設置された拡縮シール部材を膨出させて上記トンネル掘進機の外周面に圧接させる工程と、上記拡縮シール部材の背面側における上記トンネル掘進機の外周面にモルタルなどのシール材を注入して上記立坑壁の開口およびエントランス室の内部空間を密閉する工程とを備え、出水状態にある地中にトンネルを構築し終えたシールド掘進機を到達用立坑に到達させて止水することを特徴とする。
【0008】
この発明による請求項2に記載のシールド掘進機の立坑到達用シール装置は、到達用立坑壁の内周面に一端開口部を密に固定して設置された筒状部と、この筒状部の他端開口部に着脱可能に固定されて上記筒状部の内部に密閉されたエントランス室を形成する蓋部と、上記筒状部の内周面に設置された拡縮シール部材と、上記蓋部の上部に形成されて上記エントランス室の内部に充填材を投入する開閉可能な投入口と、上記エントランス室の内部に洗浄液を噴出させる噴出口と、上記蓋部の下部に形成させた開閉可能な排泥口とを具備し、上記シールド掘進機でエントランス室内の充填材を掘削しながら上記噴出口から前記エントランス室内に洗浄液を噴出させ、上記シールド掘進機で掘削された前記エントランス室内の充填材と前記エントランス室内に噴出された洗浄液とを混合させ、これによって生成させた泥水を上記排泥口からエントランス室の外部に排出したのち、上記拡縮シール部材を膨出させて上記トンネル掘進機の外周面に圧接させた閉止状態でシール材を注入固化し、出水状態にある地中にトンネルを構築し終えたシールド掘進機を到達用立坑に到達させて止水するように構成したことを特徴とする。
【0009】
この発明による請求項3に記載のシールド掘進機の立坑到達用シール装置は、上記筒状部が到達用立坑壁を形成するコンクリートなどの壁材とほぼ同様の材料で形成されていることを特徴とする。
この発明による請求項4に記載のシールド掘進機の立坑到達用シール装置は、上記到達用立坑壁が、熱硬化性樹脂発泡体をガラス長繊維で強化したブロック壁を上記エントランス室に対向させて組み込んで構成され、上記シールド掘進機は上記ブロック壁を掘削してエントランス室内に進入させるように構成したことを特徴とする。
【0010】
この発明による請求項5に記載のシールド掘進機の立坑到達用シール装置は、上記充填材が主として砂であることを特徴とする。
この発明による請求項6に記載のシールド掘進機の立坑到達用シール装置は、上記蓋部の下部に形成された排泥口に対向して上記筒状部の下部に排泥溝部を形成し、洗浄液の噴出でエントランス室の内部に生成される泥水を上記排泥溝部に集めて上記排泥口から外部に排出するように構成したことを特徴とする。
この発明による請求項7に記載のシールド掘進機の立坑到達用シール装置は、上記拡縮シール部材が、剛性を有する基端縁部固定の閉止板を拡縮部材で押圧してその先端縁部をシールド掘進機の外周面に圧接させるように構成したことを特徴とする。
【0011】
【作用】
請求項1の方法発明によれば、水などの流体圧でなく、エントランス室の内部空間に充填材を収納して地山からの圧力に強力に抗するとともに、トンネルを構築し終えたシールド掘進機でもって上記充填材を掘削する際、高圧の洗浄液を噴出することにより充填材が泥水となってエントランス室の内部に充満し、比重および粘性の高い泥水圧となって地山の出水圧力に打ち勝って止水することができる。
したがって、シールド掘進機をトンネルの終端部に形成された到達用立坑に地山を崩壊させることなく、的確な止水状態で到達させることができ、大深度のトンネルを安全かつ着実に構築することができる。
また、シールド掘進機の外周面は洗浄液で洗浄されることにより、シールド掘進機が拡縮シール部材の圧接状態で前進した場合でも、上記シール部材を破損させることなく、シール動作の高い安全性を確保することができる。
【0012】
請求項2の装置発明によれば、請求項1の方法発明を的確に達成して、大深度トンネルの構築に優れた効果を発揮することができる立坑到達用シール装置を提供できる。
請求項3の装置発明によれば、立坑到達用シール装置の基部本体を構成する筒状部が到達用立坑壁を形成するコンクリートなどの壁材とほぼ同様の材料で形成されることにより、堅固で製造の容易化を達成することができる。
請求項4の装置発明によれば、熱硬化性樹脂発泡体をガラス長繊維で強化したブロック壁を上記エントランス室に対向させて到達用立坑壁に組み込むことにより、シールド掘進機による上記ブロック壁の掘削が容易で、掘削作業の高能率化を達成することができる。
【0013】
請求項5の装置発明によれば、主として充填材が砂であることにより、地山からの圧力に強力に抗するとともに、シールド掘進機による掘削と洗浄液の噴出でもって高い比重と粘性をもった泥水圧をエントランス室の内部に充満させることができ、地山を崩壊させることなく、的確な止水状態でシールド掘進機を到達用立坑に到達させることができ、大深度トンネルの構築に一層貢献することができる。
請求項6の装置発明によれば、筒状部の下部に排泥溝部を形成することにより、エントランス室の内部に生成される泥水を上記排泥溝部に集めて上記排泥口から高能率な外部への排出を達成することができる。
請求項7の装置発明によれば、剛性を有する閉止板を拡縮部材で押圧してシールド掘進機の外周面に圧接させて拡縮シール部材を構成したから、地山からの出水圧力に耐えて的確な止水を到達し、大深度トンネルの構築に一層貢献することができる。
【0014】
【実施例】
以下、この発明の実施例を図面にしたがって説明する。
図1はこの発明による立坑到達用シール装置の一例を到達用立坑壁に設置して示す概略的な縦断面図である。
同図において、立坑到達用シール装置1は、筒状部2と蓋部3からなるエントランス室4の内部空間に充填材5を収納し、上記筒状部2の内周面に環状の拡縮シール部材6をシールド掘進機12の軸線aとほぼ同軸状に装着して構成され、到達用立坑7の立坑壁8の内周面において、セグメント9で被覆されたトンネル10を地山11に構築し終えたシールド掘進機12のカッタヘッド12aに対向させて上記立坑壁8に設置されている。
【0015】
上記筒状部2は、図2で示すように、ほぼ正方形状の外周面2aとほぼ円形状の内周面2bを有し、この内周面2bの下部に排泥溝部2cを上記掘進機12の軸線aに沿ってかつ上記立坑7の内方向へ下方傾斜させて延びた、たとえば上記立坑壁8とほぼ一体形成させたコンクリート壁から構成されている。
上記筒状部2の内周面2bは、上記掘進機12の軸線aとほぼ同軸状でかつ上記掘進機12のスキンプレートの外周面12bの外径よりもやや大径に形成されるとともに、その中央部に図3で示すような拡縮シール部材6の収納凹所2dが形成され、さらに、上記拡縮シール部材6に加圧流体bを供給する配管系統13と、上記充填材5に洗浄液cを噴出させて、これを洗浄する洗浄用配管系統14とが埋設され、上記洗浄液cの噴出口14aは上記拡縮シール部材6に近接して、その外周面周りに複数本設定されてエントランス室4の内方へ指し向けられている。
他方、上記蓋部3には図4で示すように、その上部に充填材5の投入口3aを、下部に充填材5の排泥口3bをそれぞれ有し、各口3a,3bには遮断弁15,16を備え、上記充填材5として、主として砂などが使用される。
【0016】
つぎに、上記構成の動作について説明する。
まず、図4で示すように、蓋部3の下部に設定された遮断弁16をしゃ断して排泥口3bを閉塞するとともに、上部の遮断弁15を開放して充填材5として、たとえば砂を投入口3aから投入し、エントランス室4の内部空間を砂からなる充填材5で充満させたのち、上記遮断弁15をしゃ断する。
その後、セグメント9で被覆されたトンネル10を地山11に構築し終えたシールド掘進機12(図1)を前進させて、そのカッタヘッド12aでもって対向する立坑壁8を掘削するとともに、図4の仮想線で示すように充填材5の内部に進入させる。
その際、図5で示すように、カッタヘッド12aで掘削されない残余の砂からなる充填材5に、水からなる洗浄液cを噴出口14aから噴出することにより、水と砂からなる泥水は、シールド掘進機12とエントランス室4との間の内部空間に充満し、比重および粘性の高い泥水圧となって地山11の出水圧力に打ち勝って止水することができる。
なお、余剰の泥水dは下部における排泥溝部2cに集められ、蓋部3の下部に設定された遮断弁16の開放で泥水dが排泥口3bから立坑7の内部に放出される。
上記洗浄液cとしては、たとえば高圧水が使用され、その流体圧力P2は地山11の出水圧力P1に打ち勝って出水するために、この出水圧力P1よりも高くする必要があり、この高圧水は加圧装置17で加圧されて配管系統14を介して上記噴出口14aから噴出される。
【0017】
上記洗浄液cの噴出でエントランス室4の内部空間およびシールド掘進機12のスキンプレートの外周面12bが洗浄されたのち、図6で示すように、配管系統13を介し加圧装置18でもって拡縮シール部材6に水や空気などの加圧流体bを供給してこれを膨張させ、その中央膨出部を上記掘進機12のスキンプレートの外周面12bに圧接させる。
最後に、図7で示すように、上記蓋部3を筒状体2から取り外して、上記掘進機12を前進させてそのカッタヘッド12aを立坑7の内部に進入させ、上記拡縮シール部材6の後方側における内部空間に、たとえばトンネル掘進機12側からモルタル19を充填するとともに、上記配管系統13を介し加圧装置18でもって拡縮シール部材6の内部流体をモルタル20に置換してこれらを硬化させたのち、適宜、上記カッタヘッド12aなどの解体を行なう。
【0018】
上記構成によれば、水などの流体圧でなく、砂からなる充填材5をエントランス室4の内部空間に収納することにより、地山11からの圧力に抗して強力な立坑到達用シールを達成することができ、大深度のトンネルの構築に優れた効果を発揮することができる。
また、セグメント9で被覆されたトンネル10を地山11に構築し終えたシールド掘進機12を前進させてそのカッタヘッド12aでもって充填材5を掘削する際、高圧の洗浄液cを噴出することにより、残余の充填材5である砂は泥水となってエントランス室4の内部に充満し、比重および粘性の高い泥水圧P2でもって地山11の出水圧力P1に打ち勝って止水することができ、この点からも大深度のトンネルの構築に優れた効果を発揮することができる。
【0019】
さらに、上記構成によれば、シールド掘進機12の外周面12bを洗浄液cで洗浄することにより、上記掘進機12がその外周面12bに拡縮シール部材6の中央膨出部を圧接させた状態で前進した場合でも、上記シール部材6を破損させることなく初期のシール効果を達成することができ、安全性の高い立坑到達用シールを達成することができる。
したがって、上記構成によれば、シールド掘進機12をトンネル10の終端部に形成された到達用立坑7における立坑到達用シール装置1でもって地山11を崩壊させることなく止水させ、大深度のトンネルを安全かつ的確に構築することができる。
しかも、上記構成によれば、立坑到達用シール装置1の基部本体を構成する筒状部2が到達用立坑壁8を形成するコンクリートなどの壁材とほぼ同様の材料で形成されることにより、強力で製造の容易化を達成することができる。
また、上記構成によれば、筒状部2の下部に排泥溝部2cを形成することにより、エントランス室4の内部に生成される泥水を上記排泥溝部2cに集めて、排泥口3bから高能率な外部への排出を達成することができる。
【0020】
上記実施例において、筒状体2および蓋部3を有する立坑到達用シール装置1は、立坑7の内部に構築された反力支保部材23に支持されて補強されることが推奨される。
また、上記立坑壁8は、トンネル掘進機12のカッタヘッド12aに対向させて、FFU(Fiber Reinforced Formed Urethane)壁24を埋設することが推奨される。
すなわち、上記FFUは、熱硬化性樹脂発泡体(硬質ウレタナ樹脂)をガラス長繊維で強化したものであり、上記ガラス長繊維はモノフィラメント状態まで均質に分散しており、発泡体は完全な独立した気泡を保持しており、これを柱状に構成して並列に配列したものを鋼鉄線に編み込んでコンクリート壁で固定することによりブロック壁24を構成し、このブロック壁24を上記立坑壁8に組み込んで一体化されている。
上記構成によれば、熱硬化性樹脂発泡体をガラス長繊維で強化したブロック壁24をエントランス室4に対向させて到達用立坑壁8に組み込むことにより、シールド掘進機12による上記ブロック壁24の掘削が容易で、掘削作業の高能率化を達成することができる。
【0021】
図8はこの発明による立坑到達用シール装置の他の例を示す概略的な縦断面図である。
同図において、拡縮シール部材6は、短冊状の鋼板を合成ゴムなどの弾性部材からなる帯状部材に埋設して形成された剛性を有する閉止板6aと、合成ゴムなどの弾性部材から帯状に形成され上記閉止板6aを押圧する拡縮部材6bとで構成され、この拡縮部材6bは、図9で示すように取付具21にその両側縁部がねじ体22で固定され、上記閉止板6aはその基端縁部を上記取付具21に共締めにて固定され、上記拡縮部材6bの膨張で上記閉止板6aを押圧することにより、その先端縁部をシールド掘進機の外周面12bに圧接させるように構成されている。
【0022】
なお、その他の構成は図1で示すものとほぼ同様であるから、同図に図1の構成と同一もしくは相当部分に同一の符号を付してその詳しい説明を省略する。
また、そのシール動作は図10および図11で示すとおりである。
上記構成によれば、剛性を有する閉止板6aを拡縮部材6bで押圧してシールド掘進機12の外周面12bに圧接させて拡縮シール部材6を構成したから、地山11からの出水圧力に耐えて的確な止水を到達し、大深度トンネルの構築に一層貢献することができる。
【0023】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1の方法発明によれば、水などの流体圧でなく、エントランス室の内部空間に充填材を収納することにより、高い出水圧力に打ち勝って大深度のトンネルを安全かつ着実に構築することができるとともに、安全性の高いシール動作を達成することができる。
請求項2の装置発明によれば、請求項1の方法発明を的確に達成して、大深度トンネルの構築に優れた効果を発揮することができる立坑到達用シール装置を提供できる。
請求項3の装置発明によれば、立坑到達用シール装置の基部本体を構成する筒状部が到達用立坑壁を形成するコンクリートなどの壁材とほぼ同様の材料で形成することにより、堅固で製造の容易化を達成することができる。
【0024】
請求項4の装置発明によれば、熱硬化性樹脂発泡体をガラス長繊維で強化したブロック壁を上記エントランス室に対向させて到達用立坑壁に組み込むことにより、シールド掘進機による上記ブロック壁の掘削が容易で、掘削作業の高能率化を達成することができる。
請求項5の装置発明によれば、充填材が主として砂である。この充填材は砂以外のものであっても、例えば砂のように粒度が小さく、洗浄液で泥水状となして排泥口から放出できるようなものであればよい。このような充填材であると、地山からの圧力に強力に抗するとともに、シールド掘進機による掘削と洗浄液の噴出でもって高い比重と粘性をもった泥水圧をエントランス室の内部に充満させることができ、地山を崩壊させることなく、的確な止水状態でシールド掘進機を到達用立坑に到達させることができ、大深度トンネルの構築に一層貢献することができる。
【0025】
請求項6の装置発明によれば、筒状部の下部に排泥溝部を形成することにより、エントランス室の内部に生成される泥水を上記排泥溝部に集めて上記排泥口から高能率で外部に排出することができる。
請求項7の装置発明によれば、剛性を有する閉止板を拡縮部材で押圧してシールド掘進機の外周面に圧接させて拡縮シール部材を構成したから、地山からの出水圧力に耐えて的確な止水を到達し、大深度トンネルの構築に一層貢献することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明による立坑到達用シール装置の一例を到達用立坑壁に設置して示す概略的な縦断面図である。
【図2】 同シール装置の要部を拡大して示す横断面図である。
【図3】 同シール装置の要部を拡大して示す縦断面図である。
【図4】 同シール装置の動作を説明する要部の拡大縦断面図である。
【図5】 同シール装置の動作を説明する要部の拡大縦断面図である。
【図6】 同シール装置の動作を説明する要部の拡大縦断面図である。
【図7】 同シール装置の動作を説明する要部の拡大縦断面図である。
【図8】 この発明による立坑到達用シール装置の他の例を到達用立坑壁に設置して示す概略的な縦断面図である。
【図9】 同シール装置の要部を拡大して示す縦断面図である。
【図10】同シール装置の動作を説明する要部の拡大縦断面図である。
【図11】同シール装置の動作を説明する要部の拡大縦断面図である。
【図12】従来の立坑到達用シール装置の一例を到達用立坑壁に設置して示す概略的な縦断面図である。
【図13】同従来装置の動作を説明する要部の縦断面図である。
【図14】同従来装置の動作を説明する要部の縦断面図である。
【符号の説明】
1 立坑到達用シール装置
2 筒状部
3 蓋部
3a 投入口
3b 排泥口
4 エントランス室
5 充填材
6 拡縮シール部材
6a 閉止板
6b 拡縮部材
8 立坑壁
10 トンネル
12 シールド掘進機
12b トンネル掘進機の外周面
14a 噴出口
15 開閉弁
16 開閉弁
19 シール材(モルタル)
24 ブロック壁
b 圧力流体
c 洗浄液
d 泥水
Claims (7)
- 到達用立坑壁の内周面に密閉されたエントランス室を形成する工程と、
上記エントランス室に充填材である砂を充填する工程と、
トンネルを構築し終えたシールド掘進機を上記立坑壁の掘削で上記エントランス室内に進入させる工程と、
上記シールド掘進機でエントランス室内の充填材を掘削しながら前記エントランス室内に洗浄液を噴出させる工程と、
上記シールド掘進機で掘削された前記エントランス室内の残余の充填材である砂と前記エントランス室内に噴出された洗浄液とを該エントランス室内に残留させるとともに、上記残余の充填材である砂と洗浄液の混合された余剰の泥水を前記エントランス室内の下方から外部に排出して立坑の内部に放出する工程と、
上記エントランス室の内周面に設置された拡縮シール部材を膨出させて上記トンネル掘進機の外周面に圧接させる工程と、
上記拡縮シール部材の背面側における上記トンネル掘進機の外周面にモルタルなどのシール材を注入して上記立坑壁の開口およびエントランス室の内部空間を密閉する工程とを備え、
出水状態にある地中にトンネルを構築し終えたシールド掘進機を到達用立坑に到達させて止水することを特徴とするシールド掘進機の立坑到達用シール方法。 - 到達用立坑壁の内周面に一端開口部を密に固定して設置された筒状部と、
この筒状部の他端開口部に着脱可能に固定されて上記筒状部の内部に密閉されたエントランス室を形成する蓋部と、
上記筒状部の内周面に設置された拡縮シール部材と、
上記蓋部の上部に形成されて上記エントランス室の内部に充填材である砂を投入する開閉可能な投入口と、
上記エントランス室の内部に洗浄液を噴出させる噴出口と、
上記蓋部の下部に形成させた開閉可能な排泥口とを具備し、
上記シールド掘進機でエントランス室内の充填材を掘削しながら上記噴出口から前記エントランス室内に洗浄液を噴出させ、上記シールド掘進機で掘削された前記エントランス室内の残余の充填材である砂と前記エントランス室内に噴出された洗浄液とを該エントランス室内に残留させるとともに、上記残余の充填材である砂と洗浄液の混合された余剰の泥水を上記排泥口からエントランス室の外部に排出したのち、上記拡縮シール部材を膨出させて上記トンネル掘進機の外周面に圧接させた閉止状態でシール材を注入固化することにより出水状態にある地中にトンネルを構築し終えたシールド掘進機を到達用立坑に到達させて止水するように構成したことを特徴とするシールド掘進機の立坑到達用シール装置。 - 上記筒状部は、到達用立坑壁を形成するコンクリートなどの壁材とほぼ同様の材料で形成されていることを特徴とする請求項2に記載のシールド掘進機の立坑到達用シール装置。
- 上記到達用立坑壁は、熱硬化性樹脂発泡体をガラス長繊維で強化したブロック壁を上記エントランス室に対向させて組み込んで構成され、上記シールド掘進機は上記ブロック壁を掘削してエントランス室内に進入させるように構成したことを特徴とする請求項2または3に記載のシールド掘進機の立坑到達用シール装置。
- 上記充填材は、主として砂であることを特徴とする請求項2から請求項4までのいずれか1項に記載のシールド掘進機の立坑到達用シール装置。
- 上記蓋部の下部に形成された排泥口に対向して上記筒状部の下部に排泥溝部を形成し、洗浄液の噴出でエントランス室の内部に生成される泥水を上記排泥溝部に集めて上記排泥口から外部に排出するように構成したことを特徴とする請求項2から請求項5までのいずれか1項に記載のシールド掘進機の立坑到達用シール装置。
- 上記拡縮シール部材は、剛性を有する基端縁部固定の閉止板を拡縮部材で押圧してその先端縁部をシールド掘進機の外周面に圧接させるように構成したことを特徴とする請求項2から請求項6までのいずれか1項に記載のシールド掘進機の立坑到達用シール装置。
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