JP4485658B2 - 引出しの係止機構 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、キャビネット等の引出しが、地震等によって不用意に飛び出すことを防止する係止機構に関する。従って、キャビネットに限らず、机等、引出しを有するものに全て適用され得る。
【0002】
【従来の技術】
キャビネットに代表されるように、一般に、地震等によって不用意に引出しが飛び出さないように、引出しを収納した状態で該引出しが筐体側に係止されるラッチ機構と呼ばれる機構を設けている。この機構は、引出し前面の取っ手に設けたレバー部材を、取っ手に手を掛けて引出しを引き出す際に一緒に引くことによって解除できるように構成されている。不用意に引出しが飛び出せば、人が怪我をしたり、退路を塞がれることになる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
然しながら、上記ラッチ機構では、引出し前面の取っ手には既述のレバー部材を設けるために、デザイン上や設計的にも制約があり、自由な取っ手に形成できないという欠点がある。
依って、本発明では、引出し前面の取っ手にレバーを組み込む方式以外の機構により、地震時の引出しの不用意な飛び出しを防止することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記目的に鑑みて請求項1では、引出しを有するキャビネット等の筐体に対して設けられた枢軸の回りに回動自在に設けられ、前後方向に回動する回動部材と、該回動部材に設けられた回動部材側係止部と、引出しに対して設けられており、前記回動部材側係止部が前方に移動する方向に回動部材が回動して所定の回動位置に位置すると共に、該引出しが前方に移動すると前記回動部材側係止部と係合できるように、前後方向に沿って複数個の孔を配設すると共に、該引出しが後方に移動すると当該係合が解除できる引出し側係止部と、筐体が静止しているか或いは揺れが小さな場合に、前記回動部材の回動を防止して前記係合ができない位置に安定化させる安定化手段とを具備することを特徴とする引出しの係止機構を提供する。
本願では、キャビネット等を設置した状態で、引出しを引き出す手前側を前側、収納する向こう側を後側、筐体の高さ方向の高い方を上側、低い側を下側、キャビネット等の前面に向かった人の左手側を左側、右手側を右側として表現する。また、回動とは揺動も含む意味である。また、所定の回動位置は特定位置でもよいが、或る範囲であってもよい。筐体に対して設けるとは、筐体そのものに設けてもよく、また、筐体に装着された部材に設けてもよい。他も同様である。
回動部材は枢軸回りに回動自在であるため、地震時には前後方向に自在に種々回動できる。通常時に引出しを引き出す場合では、筐体は殆ど揺れないため回動部材の自在な回動がない他、安定化手段の存在によって回動部材側係止部と引出し側係止部とが係合できない位置に回動部材の回動が防止されている。従って、通常時に引出しを引き出せる。一方、地震時に引出しが飛び出ようとするが、回動部材は自在に回動できるため、前記両係止部が係合する所定の回動位置に位置することができ、この回動位置に位置した回動部材側係止部が引出し側係止部と係合して引出しの飛び出しを防止できる。また、この係合は、該引出しを後方に移動させると解除できるため、その後、通常通りに引き出すことができる。
【0005】
請求項2では、前記回動部材が凹部を有し、該凹部に、転動の容易な転動体を収容している請求項1記載の引出しの係止機構を提供する。
請求項1の作用に追加して、回動部材の凹部に転動容易な転動体を収容しているため、地震時にこの転動体が凹部内で自在に移動して、回動部材側係止部を有する回動部材を更に不安定にさせて、係合可能な所定の回動位置に位置させる機会を高め、より確実に引出しの飛び出しを防止できる。
【0006】
請求項3では、前記安定化手段は、安定状態における前記回動部材の重心位置が、前記枢軸よりも上側であって、該枢軸を通る鉛直線に対して後側に位置するよう、回動部材の重量配分を構成している請求項1記載の引出しの係止機構を提供する。
回動部材の重心が枢軸の上側かつ後側に位置していると、該回動部材は前方向に回動し難い。従って、通常時の引き出し操作において、前記回動部材側係止部が不用意に前方に移動することが防止され、安定化手段として役立つ。
【0007】
請求項4では、前記安定化手段は、回動部材の安定状態において、前記転動体の重心位置が、前記枢軸よりも上側であって、該枢軸を通る鉛直線に対して後側に位置するよう、回動部材の凹部底を傾斜状に形成している請求項2記載の引出しの係止機構を提供する。
転動体の重心が枢軸の上側かつ後側に位置していると、回動部材は前方向に回動し難い。従って、通常時の引き出し操作において、前記回動部材側係止部が不用意に前方に移動することが防止され、安定化手段として役立つ。
【0008】
請求項5では、前記安定化手段は、引出しに対して設けられて該引出しの収納状態における前記回動部材に働きかけてその回動を規制する規制部を具備する請求項1から4までの何れか1記載の引出しの係止機構を提供する。
この規制部は、回動部材に機械的に接触するものでもよく、また、磁石等のように無接触で力を及ぼすものでもよい。引出しの収納状態において規制部が回動部材の回動を規制しているため、通常時において引出しを引き出す当初において回動部材が安定した状態にあり、回動部材側係止部と引出し側係止部との係合が防止され易く、円滑な引き出しに寄与する。
【0009】
請求項6では、引出しを有するキャビネット等の筐体に対して設けられた枢軸の回りに前後方向に回動自在になるように設けられ、凹部を有して所定角度範囲で揺動できるよう規制された回動部材と、前記凹部に受容され、内部で転動の容易な転動体と、前記回動部材の上部に設けられ、概ね後方に向かって延伸した回動部材側係止部と、引出しに対して設けられており、前記回動部材が回動して所定の回動位置に位置すると共に、該引出しが前方に移動すると前記回動部材側係止部と係合でき、また、該引出しが後方に移動すると当該係合が解除でき、前記回動部材側係止部が係合進入できる孔を前後方向に沿って複数個設けた引出し側係止部と、引出しに対して設けられ、該引出しの収納状態において前記回動部材と当接して該回動部材を後側の角度規制位置に保持する傾斜部とを具備し、前記回動部材は、前記後側角度規制位置に位置している状態では、その凹部内の転動体の重心が前記枢軸の真上位置よりも後方に位置するように構成されていることを特徴とする引出しの係止機構を提供する。
地震時には引出しが飛び出ようとするが、回動部材は自在に回動できる他、凹部内での転動体の重心移動に助けられ、回動部材側係止部と引出し側係止部とが係合できる所定の回動位置に迅速に位置することができ、この所定位置に位置した回動部材側係止部が引出し側係止部の孔に係合進入して係合し、引出しの飛び出しを防止できる。また、この引出し側係止部の孔は前後方向に沿って複数個設けられているため、回動部材側係止部が係合進入できる確率を大きく高められ、信頼性が高くなる。この係合は、引出しを後方に移動させると解除できるので、その後、通常通りに引き出せる。また、引出しが収納されている状態で傾斜部が回動部材を後側の角度規制位置に保持しており、更には、この後側角度規制位置に位置している状態では、回動部材の凹部内の転動体重心が枢軸の真上位置よりも後方に位置しているため、引出しを引き出すと同時に引出しの傾斜部が回動部材から離れるが、地震の無い通常時では回動部材は安定しており、回動部材側係止部が引出し側係止部と係合することなく引き出せる。
【0010】
【発明の実施の形態】
図1は本発明に係る引出しの係止機構を適用しているキャビネットを例示している。筐体10に3個の引出し14が3段に収納可能に構成されている。各引出し14前面には取っ手16が設けられており、ここに手を掛けて引出しを引き出すが、従来のキャビネットのように取っ手16にラッチ機構のレバー部材を設けてはいない。筐体の左側板10Sの内側面には、断面がコ字状の支柱18が上下方向に延伸して固定されている。この支柱には、後述する組立体20が各引出しに対応して、合計3箇所に設けられている。一方、各引出しの左側板14Sには、各位置の組立体20に対応して引出し側組立体40が設けられている。本形態例では、筐体の右側板10S’の内側にも支柱18’と組立体が同様に配設されており、各引出しの右側板14S’にも引出し側組立体が設けられている。然しながら、左か右の一方だけに適用してもよい。
【0011】
図2は、左側板10Sに設けた支柱18と、1つの組立体20を分解した図と、これに対応する引出し側組立体40を分解した図とを示している。右側の構造も同様である。コ字状の断面を有するベース部材22の上端爪部22Kを、支柱の係止孔18Hに挿入してビスB1で支柱に固定する。このベース部材には枢軸24が突設されており、キャビネットの左右方向に延伸している。
【0012】
前記枢軸24に挿通される孔26Hを下側端部近くに有し、該枢軸の回りに自在に回動できる回動部材26には、組み立てて引出しを収納した状態で言って、キャビネットの前方側には、概ね上方向に延伸した前側壁部26Bを設け、後側にも概ね上方向に延伸する後側壁部26Aを設け、これらと底面26Tとによって、上方と右側が開口した凹部26Uを区画形成している。また、後側壁部の上端には爪状の回動部材側係止部26Kが、引出しが収納された状態で言えば、先部がやや上側向いているが概ね後方に向かって延伸するように形成されている。
【0013】
転動体として、比重の大きな金属等の球体30を前記凹部内に収容させ、更に右側から外枠部材28をビスB2でベース部材に固定している。また、外枠部材の上部28Kはベース部材の方向に折り曲げられて、その先部をベース部材の孔22Hに挿入係止させている。この外枠部材で前述の凹部の右側開口と上方開口とを封鎖して球体の凹部からの落下を防止している。孔28Hは前記枢軸の端部を受け入れて支持している。前記回動部材の前後の壁部は、この上部28Kを挟むように位置しており、回動部材は、回動規制構造としての外枠部材上部28Kの前側縁K2に前側壁部26Bが当接するまで重心が後方向に移動するように回動でき、また、後側壁部26Aが後側縁K1に当接するまで重心が前方向に移動するように回動できる。ここでは回動部材の重心は枢軸24よりも高い位置にある。
【0014】
コ字状の断面部とその両側にフランジ部42F,42F’を形成した引出し側ベース部材42が、図4に示すようにビスB3,B4によって引出しの左側板14Sに固定されている。図4に示すように、キャビネットの前側から見た場合、コ字状断面が見える方向に取り付けられている。従って、コ字の一部を形成している下側板状部44が前後方向に延伸している他、規制部として、その前端部には前方に下がるよう傾斜した傾斜部44Kが形成されている。また、このベース部材42の下側板状部44には数ミリ程度の間隔で5個の孔44Hを形成しており、夫々の孔には前記回動部材の爪状の回動部材側係止部26Kが進入係合可能である。この孔を設けた下側板状部44が引出し側係止部44である。以下では両方の表現を使う。
【0015】
引出し側ベース部材42の断面コ字の内部空間領域には、図2に示す他の回動部材46が配設されている。該回動部材の孔46Hに他の枢軸48を通し、ベース部材42の孔42Hに枢軸の端部を挿入し、回動部材46が枢軸48の回りに回動自在に構成されている。静止状態における回動部材46の、キャビネットの前方側には、係止部46Bが斜め前下方向に延伸しており、後側には、脚部46Aが斜め後下方向に延伸し、先部の足部46A’が前記下側板状部44に当接して静止している。即ち、脚部46Aを含む、枢軸48よりも後側の部分が、係止部46Bを含む前側部分よりも重く構成されている。
【0016】
図3は、引出し14を収納した状態における組立体20と引出し側組立体40等の位置関係を表わし、キャビネットの右側から見た状態の図である。回動部材26は、その後側壁部の回動部材側係止部26Kの根元部付近が、引出しに取り付けられたベース部材42の下側板状部44先端部の前下がり傾斜部44Kと当接して、この係止部26Kが後方に移動するように枢軸24の回りに回動する力を受けている。然しながら、前側壁部26Bが外枠部材の前側縁K2に当接してその回動が規制されている。更には、回動部材の凹部の底面26Tは概ね水平であるが、後方が僅かに下がるように傾斜していることが好ましい。
【0017】
引出しを引き出しきった場合等の振動で所定以上の振動力が回動部材26に作用し、その結果、回動部材が後述の図5に示すのと同じ前側に傾斜した状態になり、球体30が前側壁部側に寄っても、引出しを収納させれば、その下側板状部44とその傾斜部44Kの存在によって、後方に延伸している爪状の回動部材側係止部26Kを押し下げ、図3に図示する状態に戻す。この場合、球体30は前側壁部に押されて、図3に示す後側壁部側の位置に移動する。この状態、即ち、球体30の重心G1が、枢軸24を通る鉛直線L1よりも後方に位置している状態は、凹部底面26Tが後方が僅かに下がるように傾斜していればより安定するが、所定以上の大きな振動が無ければ、即ち、地震等が無ければ、底面26Tが概ね水平であっても、摩擦の存在によって安定する。
【0018】
次に、所定以上の大きな振動、即ち、地震等があった場合について説明する。地震が生じてキャビネットが揺れると、引出し14が飛び出ようと前方に移動し始め、前述の傾斜部44Kが回動部材26から離れて回動部材の回動を防止する力が消失する。従って、この回動部材は地震によって揺すられて球体30が前側壁部の方に移動し、回動部材と球体を合わせた重心が前記鉛直線L1よりも前側に移動すれば、該回動部材は前方に移動するように回動する。そして、後側壁部26Aが後側縁K1に当接する状態になる。
【0019】
この状態になった時、引出し側の下側板状部44に設けている孔44Hが、回動部材側係止部26Kが丁度係合進入できる位置にあれば、図5のように係合して引出しの前側方向Fへの飛び出しを防止できる。この場合、回動部材側係止部26Kが1つ目の孔44Hに係合進入できなかった場合、2つ目の孔44Hに係合進入するが、ここでも係合できなかった場合には、3つ目の孔44Hと係合しようとする。本形態例ではこの係合チャンスが5回ある。従って、地震による引出しの飛び出しを充分に防止できる。
【0020】
こうして地震による飛び出しを防止された引出しは、その係合した孔44Hの位置に応じ、完全に収納された状態と比較すれば幾分突出している。しかし、本形態例のように、引出しの収納状態において、回動部材側係止部26Kと引出し側係止部44(の孔44H)とを互いに近い位置関係に構成しておけば、その突出量は小さくて済む。この幾分か突出した引出しを押し込むと、引出し側係止部44に係合した回動部材26は、その回動部材側係止部26Kが係合状態において斜め上後方に延伸しているに過ぎないため、下側板状部44に押し下げられて係合が外れ、ついには傾斜部44Kによって図3の状態に保持される。この実施形態例では、傾斜部44Kを下側板状部(引出し側係止部)44と一体に形成しているが、勿論、別体に形成してもよい。
【0021】
また、図3に模式的に示すように、一般の引出しの引出し機構には移動レール部材50を設けており、それに装着されている車輪52は、筐体側の固定レール部材に設けた後方に下がる傾斜部54に沿って転動後退する。これを落し込み機構という。引出しの収納の際に、引出しを不完全に押し込んだ状態からでも、少ない量の突出であれば、引出しは自重によって傾斜部54に沿って車輪が転動後退し、これによって引出しを完全な収納状態に保持できる。この機構を有していれば、地震時に図5のように引出しが係止されてその飛び出しが規制された後、この落し込み機構の作用によって引出しが後退し、自然に図3の収納状態に落ち着く。
【0022】
以上の形態例では、回動部材側係止部26Kは後方側に設けられていたが、図6に例示する係止部26K’のように前方側に設けることもできる。しかし、この場合でも、その突出方向は前方向ではなく、概ね後方である。これに対応して、引出し側の係止部、上記形態例では下側板状部44であるが、この位置をもう少し前側に移動させた位置に設ければよい。また、引出しを収納させた状態では、図6に示すように、凹部26U’に収容した球体30の重心が枢軸24を通る鉛直線L1よりも後側に位置するように、凹部の底面26T’を、後側が僅かに下がるように傾斜させることが好ましいこと等は上記の例と同様な考え方である。
【0023】
以上の例では、回動部材のみでは鉛直線L1の前後において重量が大きく違わないという前提で、転動体の重心位置のみを問題にしたが、引出しが収納されている状態で、鉛直線L1の前後の回動部材の重量が同じでない形態であれば、これらと転動体とを合わせた重心位置が鉛直線L1の前後何れの側にあるかが問題となる。更には、転動体が無くても、引出しを収納した状態でいって、回動部材の重心が鉛直線L1の後側に位置していればよい。然しながら、回動しようとする側に重心を移動できる転動体を有する機構の方が、地震時に回動部材を自在に揺動できるため、引出しの係止機構として優れている。
【0024】
図2等に図示しているように、以上の実施形態例では引出しに対して設けた他の枢軸48の回りに回動自在な他の回動部材46が設けられている。これは、本発明の課題には直接関係しないが、引出し14を勢いよく収納した場合に、該引出しが跳ね返って飛び出すことを、前記組立体20と協働して防止するための機構の一部である。即ち、既述の如く、静的な状態では、回動部材46は図3に図示しているように足部46A’が下側板状部44の上面に当接して安定している。
【0025】
以下では図7を参照するが、引出しを勢いよく後方向Rに押し込むと、筐体内の所定の収納位置で急激に受け止められて引出しが衝撃を受け、再び前方に出ようとする。この際、回動部材46はその慣性によって係止部46Bや脚部46Aが後方に移動するように回動し、係止部46Bが特定の孔44Hに入り、その先端部が下方に突出する。しかし、この回動部材の後方回動は、前記孔44Hを区画形成している周囲壁の一部の後部壁に当接して規制される。この時、引出しは跳ね返りで前方に移動しているため、前記孔44Hの後部壁が回動部材46の係止部46Bを前方に押しつつ、既述のように安定した状態にある筐体側回動部材26の回動部材側係止部26Kの先端に当接係合する。
【0026】
その後も引出しの前進勢いによって、筐体側回動部材26を前方に移動させるように押しつつ回動させ、該回動部材26の後側壁部26Aが外枠部材28の後側縁K1に当接することによって、両係止部26Kと46Bとが係合したまま、筐体側回動部材26の回動と引出しの前方への移動が規制される。この規制状態では、引出しは僅かに前方に突出しているが、その後、反動で再び収納位置に戻ることもあり、また、既述の落し込み機構が存在すれば、収納位置に自動的に戻ることもできる。このように収納位置に戻れば、係止部46Bは係止部26Kと離れ、係止部46Bよりも脚部46Aの方が重いため、回動部材46は図3に示す状態にまで回動(図3や図7で言って枢軸48の回りに時計回り方向に回動)して安定する。
【0027】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように本発明によれば、引出し前面の取っ手にレバーを組み込む方式以外の機構により、地震時の引出しの不用意な飛び出しを防止することが可能となる。従って、取っ手にラッチ機構のレバー部材を設ける必要が無くなり、取っ手の設計に自由度を持たせることができて、意匠的にも自由度が大きくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明に係る係止機構を有するキャビネットの斜視図である。
【図2】図2は図1の係止機構の分解説明図である。
【図3】図3は引き出しの収納状態における図2の係止機構付近の側面図である。
【図4】図4は図3の係止機構付近を前側(図3の左側)から見た図である。
【図5】図5は図3の係止機構が作動した状態の図である。
【図6】図6は回動部材の他の形態例を示す図である。
【図7】図7は本願実施形態例に付随する機構の作動説明図である。
【符号の説明】
24 枢軸
26 回動部材
26K 回動部材側係止部
26T 底面
26U 凹部
30 球体(転動体)
44 下側板状部(引出し側係止部)
44H 孔
44K 傾斜部(規制部)
Claims (6)
- 引出しを有するキャビネット等の筐体に対して設けられた枢軸の回りに回動自在に設けられ、前後方向に回動する回動部材と、
該回動部材に設けられた回動部材側係止部と、
引出しに対して設けられており、前記回動部材側係止部が前方に移動する方向に回動部材が回動して所定の回動位置に位置すると共に、該引出しが前方に移動すると前記回動部材側係止部と係合できるように、前後方向に沿って複数個の孔を配設すると共に、該引出しが後方に移動すると当該係合が解除できる引出し側係止部と、
筐体が静止しているか或いは揺れが小さな場合に、前記回動部材の回動を防止して前記係合ができない位置に安定化させる安定化手段と
を具備することを特徴とする引出しの係止機構。 - 前記回動部材が凹部を有し、該凹部に、転動の容易な転動体を収容している請求項1記載の引出しの係止機構。
- 前記安定化手段は、安定状態における前記回動部材の重心位置が、前記枢軸よりも上側であって、該枢軸を通る鉛直線に対して後側に位置するよう、回動部材の重量配分を構成している請求項1記載の引出しの係止機構。
- 前記安定化手段は、回動部材の安定状態において、前記転動体の重心位置が、前記枢軸よりも上側であって、該枢軸を通る鉛直線に対して後側に位置するよう、回動部材の凹部底を傾斜状に形成している請求項2記載の引出しの係止機構。
- 前記安定化手段は、引出しに対して設けられて該引出しの収納状態における前記回動部材に働きかけてその回動を規制する規制部を具備する請求項1から4までの何れか1記載の引出しの係止機構。
- 引出しを有するキャビネット等の筐体に対して設けられた枢軸の回りに前後方向に回動自在になるように設けられ、凹部を有して所定角度範囲で揺動できるよう規制された回動部材と、
前記凹部に受容され、内部で転動の容易な転動体と、
前記回動部材の上部に設けられ、概ね後方に向かって延伸した回動部材側係止部と、
引出しに対して設けられており、前記回動部材が回動して所定の回動位置に位置すると共に、該引出しが前方に移動すると前記回動部材側係止部と係合でき、また、該引出しが後方に移動すると当該係合が解除でき、前記回動部材側係止部が係合進入できる孔を前後方向に沿って複数個設けた引出し側係止部と、
引出しに対して設けられ、該引出しの収納状態において前記回動部材と当接して該回動部材を後側の角度規制位置に保持する傾斜部とを具備し、
前記回動部材は、前記後側角度規制位置に位置している状態では、その凹部内の転動体の重心が前記枢軸の真上位置よりも後方に位置するように構成されていることを特徴とする引出しの係止機構。
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