JP4485484B2 - プレーナー型アクチュエータ - Google Patents

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Description

本発明は、プレーナー型アクチュエータに関するものである。
現在、光スキャナ等に用いられる光偏向器として、枠状のフレーム部に梁部(トーションバー)を介して可動部を支持したプレーナー型アクチュエータが知られている。
図4は、フレーム部に可動部と梁部を一体的に形成したプレーナー型アクチュエータを示す上面図である。このプレーナー型アクチュエータでは、まず半導体基板(例えばSOI基板)からなる枠状のフレーム部1の内側に平板状の可動部(可動板)2が2本の梁部(トーションバー)3により支持されている。可動板2とトーションバー3は、共にフレーム部1と一体的に形成されており、トーションバー3の捻り運動に従って可動板2が揺動可能となっている。可動板2の表面中央には金属薄膜(Au等)からなるミラー部4が形成され、更にミラー部4を囲繞するように金属薄膜からなるコイルパターン5が形成されている。この構成のプレーナー型アクチュエータにおいては、コイルパターン5に通電して磁界を発生させ、可動板2周辺に設置した永久磁石6との磁力的な相互作用により可動板2を駆動させている。(例えば、特許文献1参照)
しかしながら、以上のようにフレーム部に可動板とトーションバーを一体的に形成したプレーナー型アクチュエータにおいては、製造する際に半導体基板にエッチング(特にドライエッチング)を施したり、金属薄膜(薄膜コイルやミラー部)をスパッタリングや蒸着により形成しており、それらの工程中、半導体基板は過度の熱に曝されている。そのため、その熱により、完成したプレーナー型アクチュエータの可動板に歪みが生じたり、半導体材質の可動板と金属材質のミラー部との間で熱応力に差が生じて可動板に反りが発生するという問題があった。
そのため、以上のような問題点を解消したプレーナー型アクチュエータとして、可動部をトーションバーとは別体に形成したプレーナー型アクチュエータが提案されている。図5は、可動部をトーションバーとは別体に形成したプレーナー型アクチュエータを示す断面図で、この構成では、アルミニウム合金等からなる平板状の可動部7がトーションバー8とは別体に形成されている。可動部7の主面片側(表面)にはミラー面9が形成され、もう一方の主面片側(裏面)には矩形状の凹部10が形成されており、可動部7の裏面に形成された矩形状の凹部10に円柱状のトーションバー8が圧入されたうえで接着剤11により固定されている。(例えば、特許文献2参照)
以上の構成では、可動部7がトーションバー8とは別体に形成されているため、トーションバー8から伝達される応力による可動部7の反りが低減され、更には可動部7を反り難い材料で構成することができる等の利点がある。
特開2005−331679号公報 特開平10−3055号公報
しかしながら、図5に示したような可動部をトーションバーとは別体に形成したプレーナー型アクチュエータでは、可動部をトーションバーとは別体にすることで可動部の反りを低減することが可能であるが、製造する際に可動部をトーションバー長手方向の所望の位置(一般的には長手方向中央)に位置決めすることが困難であるという問題があった。
プレーナー型アクチュエータを光偏向器として使用するうえで、ミラーとして機能する可動部の位置は極めて重要であり、可動部をトーションバーに対して位置決めする手法としては専用の治具を用いることが考えられるが、治具の製作費や治具を用いての組立性等を考慮すると非効率的である。
また、可動部はその裏面に形成された長溝状の凹部がトーションバーの長手方向に嵌合しているのみであるため、可動部がトーションバーの捻り運動に伴う捻り応力や可動部自身が揺動する際のモーメント力(遠心力)に耐えられず、トーションバーから脱落する虞があった。
本発明は、以上のような問題点に鑑みてなされたものであり、可動部のトーションバーに対する位置決めが容易に行え、尚且つ可動部のトーションバーに対する固定力が強化されたプレーナー型アクチュエータを提供することを目的とする。
少なくとも、ミラー面を有するミラー部材と、当該ミラー部材を支持するトーションバーと、当該トーションバーを支持するフレーム部とを備え、前記トーションバーは当該トーションバーの厚さ方向へ突出する突出部を有すると共に、前記ミラー部材は当該突出部の外形に倣った凹部もしくは穴部を有し、前記トーションバーの突出部は前記ミラー部材の凹部もしくは穴部に嵌合しているプレーナー型アクチュエータとする。
前記トーションバーの突出部は、前記ミラー部材の凹部もしくは穴部の深さよりも短く形成され、当該トーションバーの突出部の長さと前記ミラー部材の凹部もしくは穴部の深さとの落差により形成される空間に接着剤が塗布されているプレーナー型アクチュエータとする。
少なくとも、ミラー面を有するミラー部材と、当該ミラー部材を支持するトーションバーと、当該トーションバーを支持するフレーム部とを備え、前記ミラー部材は前記トーションバーの厚さ方向へ突出する突出部を有すると共に、前記トーションバーは当該突出部の外形に倣った凹部もしくは穴部を有し、前記ミラー部材の突出部は前記トーションバーの凹部もしくは穴部に嵌合しているプレーナー型アクチュエータとする。
前記ミラー部材の突出部は、前記トーションバーの凹部もしくは穴部の深さよりも短く形成され、当該ミラー部材の突出部の長さと前記トーションバーの凹部もしくは穴部の深さとの落差により形成される空間に接着剤が塗布されているプレーナー型アクチュエータとする。
少なくとも、ミラー面を有するミラー部材と、当該ミラー部材を支持するトーションバーと、当該トーションバーを支持するフレーム部とを備え、前記トーションバーは当該トーションバーの幅方向へ突出する突出部を有すると共に、前記ミラー部材は当該突出部の外形ならびに前記トーションバーの外形に倣った凹部を有し、前記トーションバー及び前記突出部は前記ミラー部材の凹部に嵌合しているプレーナー型アクチュエータとする。
前記ミラー部材が有する凹部は、前記トーションバーの厚さよりも深いプレーナー型アクチュエータとする。
前記ミラー部材が有する凹部の深さと前記トーションバーの厚さとの落差により形成される空間に接着剤が塗布されているプレーナー型アクチュエータとする。
前記ミラー部材には、コイルパターンが形成されているプレーナー型アクチュエータとする。
本発明のプレーナー型アクチュエータでは、トーションバーの長手方向中央に突出部を設けると共に、それに対応した形状の凹部をミラー部材に設け、それら突出部と凹部とを互いに嵌合させることでミラー部材をトーションバーに固定しているため、ミラー部材のトーションバー長手方向における位置決めを正確且つ容易に行えると共に、嵌合面積の増加により固定力を強化することができる。
トーションバーの長手方向中央に厚さ方向へ突出した突出部を設けると共に、突出部の外形に倣った凹部もしくは穴部を平板状のミラー部材に設け、それら突出部と凹部もしくは穴部とを互いに嵌合させることで可動部をトーションバーに固定する。
図1は、本発明によるプレーナー型アクチュエータの他の実施形態を示す図で、(a)上面図、(b)(a)のA−A’断面図、(c)(a)のB−B’断面図、(d)トーションバーの要部拡大斜視図である。尚、図1は本発明を模式的に示したものであり、(a)〜(d)の相互間において必ずしも尺度は一致しておらず、また断面図においてコイルパターンは図示省略としてある(本明細書においては以下同様とする)。本発明のプレーナー型アクチュエータでは、まず中央が中抜きされた枠状のフレーム部20の内側に1本のトーションバー21が架設されている。フレーム部20とトーションバー21は、共に半導体基板(例えばSOI基板)をエッチングにより加工することで一体的に形成されており、トーションバー21の長手方向を軸として捻り運動可能となっている。
トーションバー21の長手方向中央には、Au等の金属薄膜からなるミラー面22を有する平板状のミラー部材23が設置されている。ミラー部材23は、トーションバー21より厚みのある半導体基板(例えばSi基板)をエッチングにより矩形状に加工したもので、裏面にはトーションバー21と概ね同じ幅、及びトーションバー21の厚さと概ね同じかそれ以上の深さを有する凹部23aがトーションバー21の長手方向に沿って長溝状に形成されている。
ミラー部材23は、フレーム部20やトーションバー21と同じ半導体材料からなるものであるが、フレーム部20やトーションバー21とは別工程で製造されるため、従来の可動板一体型のプレーナー型アクチュエータと比較してエッチング時の熱に曝される時間が減少し、熱の影響による反りの発生が抑制されている。
また、ミラー部材23をトーションバー21よりも厚く形成すれば、反りに対する耐性を更に高めることができる。尚、ミラー部材23は半導体材料に限らずガラス、金属、樹脂等で構成しても良く、特にガラス等の反り難い材質のものを用いれば、よりいっそう反りの抑制効果が得られる。
ミラー部材23は、裏面に形成された長溝状の凹部23aがトーションバー21に跨がるように嵌合することでトーションバー21に固定され、その嵌合による固定力だけでトーションバー21に保持されている。
このように、ミラー部材23を嵌合による固定力だけでトーションバー21に固定した場合には、トーションバー21に生じる応力がミラー部材23とトーションバー21との嵌合部位において嵌合面が互いに摺動することで逃がされるため、ミラー部材23への応力の伝達を抑制する効果が得られる。また、ミラー部材23をトーションバー21に跨がるように配置することで、ミラー部材23の重心がトーションバー21の回動軸寄りとなってミラー部材23の駆動が安定化する。
また、トーションバー21の長手方向中央には、図1(d)に示すようにトーションバー21の厚み方向(上方)へ向かって突出した角柱状の突出部21aが一体的に形成されている。一方でミラー部材23の裏面には、上述の長溝状の凹部23aの長手方向中央に、当該凹部23a底面より一段下がった矩形状の凹部23bが設けられている。
この矩形状の凹部23bは、トーションバー21に設けられた突出部21aが嵌合するための凹部で、トーションバー21に設けられた突出部21aの外形に倣った形状を有すると共に、少なくとも突出部21aが完全に収納される深さに形成されている。尚、トーションバー21に設けられる突出部21aは、必ずしも角柱状に限らずその他の形状(例えば円柱状)であっても良く、その形状に対応した凹部をミラー部材23の裏面に設ければ良い。
ミラー部材23は、その裏面に設けられた長溝状の凹部23aがトーションバー21本体に跨るように嵌合したうえで更に矩形状の凹部23bがトーションバー21の突出部21aに嵌合することで固定される。このように、ミラー部材23裏面に設けられた矩形状の凹部23bをトーションバー21の突出部21aに嵌合させることで、トーションバー21の長手方向中央にミラー部材23を正確且つ容易に位置決めすることができると同時に、嵌合面積の増加による固定力の強化を図ることができる。
また、以上の構成においては、ミラー部材23とトーションバー21との嵌合部位に接着剤等を塗布することで、ミラー部材23のトーションバー21に対する固定力を増強することも可能である。この場合、例えば長溝状の凹部23aに嵌合したトーションバー21を覆うようにミラー部材23の裏面側から接着剤(不図示)を塗布する際には、ミラー部材23の凹部23aをトーションバーの厚さよりも深く形成してトーションバー21表面とミラー部材23裏面との落差により接着剤を溜める空間を形成するのが好ましい。
こうすることで、軟化状態の接着剤がトーションバー21を伝ってフレーム部20側へ流れ出す虞がなくなると同時に、ミラー部材23トーションバー21に対する固定力をよりいっそう強化することができる。但し、接着剤が硬化する際の収縮によりミラー部材23に応力が作用する可能性があるため塗布量には注意が必要である。
また、トーションバー21の突出部21aをミラー部材23の矩形状の凹部23bの深さよりも短く形成しておけば、トーションバー21の突出部21a先端とミラー部材23の矩形状の凹部23b底部との間に接着剤を溜める空間が形成され、そこに接着剤を塗布することでミラー部材23のトーションバー21に対する固定力を更に強化することが可能である。
尚、ミラー部材23裏面の凹部23bは、ミラー部材23を貫通する穴部として構成しても良いが、ミラー部材23表面の穴部が形成されている部位がミラー面としては使用できなくなる。
本実施例1ではミラー部材23の裏面に長溝状の凹部23aと矩形状の凹部23bを設けているが、ミラー部材23をトーションバー21に位置決め固定する意味では、長溝状の凹部23aは必ずしも必要では無く、矩形状の凹部23bのみとしても良い。但し、ミラー部材23のトーションバー21に対する固定力を確保する意味では、本実施例1の如く長溝状の凹部23aを共に設けるのが好ましい。
また、ミラー部材23は、前述の図4に示した従来のプレーナー型アクチュエータにおける可動部(可動板2)を兼ねるものであり、その表面には、ミラー面22を囲繞するようにAl等の金属薄膜からなるコイルパターン24が形成されている。ここで、コイルパターン24の両端部は、ミラー面22を挟んで互いに対向するようにトーションバー21の軸線上に位置している。
一方でフレーム部20には、トーションバー21の概ね軸線上のミラー部材23を挟んで互いに対向する位置に、Al等の金属薄膜からなる2つの電極パッド25が形成されている。2つの電極パッド25はミラー部材23に形成されたコイルパターン24の両端部にそれぞれ対応するもので、それぞれは互いに導電ワイヤー26で接続されている。尚、電極パッド25はフレーム部20表面に敷設された導電パターン(引き出し線)25aを介して外部機器と接続される。
以上のようにコイルパターン24の両端部と電極パッド25をトーションバー21の軸線上に配置し、それらの間に架設される導電ワイヤー26をトーションバー21の軸線と概ね平行とすれば、ミラー部材23の回動に伴う導電ワイヤー26の捩れが最小限に抑えられ、導電ワイヤー26の断線を防止することができる。
尚、コイルパターン24の両端部と電極パッド25の接続には必ずしも導電ワイヤー26を用いる必要は無く、例えばフレーム部20表面に敷設された導電パターン(引き出し線)25aをトーションバー21の中央付近にまで延長する共に、その位置に対応してミラー部材23のコイルパターン24をミラー部材23の側面(必要に応じて裏面)にまで延長し、ミラー部材23をトーションバー21に嵌合した時点でそれらが互いに導通するように構成しても良い。
尚、この場合には、導通の信頼性を確保するためにトーションバー21表面に延長された導電パターンとミラー部材23側面(もしくは裏面)に延長されたコイルパターンとの導通部位に導電性接着剤等を塗布するのが好ましい。また、この際の導電性接着剤は、ミラー部材23をトーションバー21に固定するための接着剤としても兼用可能である。
図1に示した本発明によるプレーナー型アクチュエータを製造する際には、まず半導体基板(例えばSOI基板)をエッチング等により加工し、フレーム部20とトーションバー21とが一体的に形成されると共に、トーションバー21の長手方向中央に角柱状の突出部21aが設けられた構造体を製作する。次にフレーム部20の表面にAl等の金属薄膜をスパッタリングや蒸着することで一対の電極パッド25と導電パターン(引き出し線)25aを形成する。
ここで、予め半導体基板(例えばSi基板)をエッチング等により矩形状に加工し、その表面にAu等の金属薄膜からなるミラー面22とAl等の金属薄膜からなるコイルパターン24をスパッタリングや蒸着により形成すると共に、裏面に長溝状の凹部23aと矩形状の凹部23bをエッチング等により形成しておいたミラー部材23を製作しておき、このミラー部材23をトーションバー21の長手方向中央に位置決め固定する。この際、ミラー部材23の裏面に形成された矩形状の凹部23bをトーションバー21に嵌合させることで、トーションバー21の長手方向への位置決めが容易に成される。
そして最後に、ミラー部材23に形成されたコイルパターン24の両端部とフレーム部20に形成された電極パッド25とをそれぞれワイヤーボンディングにより導電ワイヤー26で接続して本発明のプレーナー型アクチュエータが完成する。
図2は、本発明によるプレーナー型アクチュエータの他の実施形態を示す図で、(a)下面図、(b)(a)のA−A’断面図、(c)(a)のB−B’断面図、(d)トーションバーの要部拡大斜視図である。本実施例2は、前述の実施例1と同様に、ミラー部材をトーションバーの長手方向中央に位置決めするための構造を有しているものである。本実施例2においては、まず図2(d)に示すようにトーションバー30の長手方向中央にトーションバー30を貫通する矩形状の穴部30aが設けられている。また一方では、ミラー部材31の裏面に前記実施例1で示した如き長溝状の凹部31aが設けられ、更に長溝状の凹部31aの長手方向中央には凹部31a底面より凹部31a開放端側へ向けて突出した角柱状の突出部31bが一体的に形成されている。
ミラー部材31に設けられた角柱状の突出部31bは、トーションバー30に設けられた矩形状の穴部30aに嵌合するもので、本実施例2ではトーションバー30に設けられた穴部30aを貫通する長さ、即ちトーションバー30の厚さよりも長く形成されている。但し、突出部31bの長さは適宜選択が可能であり、ミラー部材31をトーションバー30に固定するのに十分な嵌合力が得られるのであれば、トーションバー30を貫通しない長さとしても良く、更にその場合にはトーションバー30の穴部30aを突出部31bの長さに合せて貫通しない凹部としても良い。
ミラー部材31は、裏面に形成された長溝状の凹部31aがトーションバー30本体に跨るように嵌合したうえで更に角柱状の突出部31bがトーションバー30の穴部30aに嵌合することで固定される。このように、ミラー部材31裏面に設けられた角柱状の突出部31bをトーションバー30の穴部30aに嵌合させることで、トーションバー30の長手方向中央にミラー部材31を正確且つ容易に位置決めすることが可能である。
また、ミラー部材31とトーションバー30の嵌合部位に接着剤等を塗布する場合、ミラー部材31の突出部31bをトーションバー30を貫通しない長さにしておけば、突出部31b先端とトーションバー30裏面との落差により接着剤を溜める空間が確保されるため、接着剤の流れ出しを防止することができる。尚、このことはトーションバー30の穴部30aを、貫通しない凹部として構成した場合にも言えることで、凹部底部と突出部31b先端との間に空間が形成される。
また、本実施例2ではミラー部材31の裏面に長溝状の凹部31aと角柱状の突出部31bを設けているが、ミラー部材31をトーションバー30に位置決め固定する意味では、長溝状の凹部31aは必ずしも必要では無く、角柱状の突出部31bのみとしても良い。但し、嵌合による固定力を確保する意味では、本実施例2の如く長溝状の凹部31aを共に設けるのが好ましい。
図3は、本発明によるプレーナー型アクチュエータの他の実施形態を示す図で、(a)下面図、(b)(a)のA−A’断面図、(c)(a)のB−B’断面図、(d)トーションバーの要部拡大斜視図である。本実施例3は、前述の実施例1、2と同様に、ミラー部材をトーションバーの長手方向中央に位置決めするための構造を有しているものである。本実施例3においては、まず図3(d)に示すようにトーションバー40の長手方向中央にトーションバー40の短手方向(幅方向)へ向かって突出した角柱状の突出部40aが一体的に形成され、トーションバー40の中央部が十字形状とされている。また、ミラー部材41の裏面に前記実施例1で示した如き長溝状の凹部41aが設けられ、更に長溝状の凹部41aと直交するようにミラー部材41の幅方向へ向かって延びる短溝状の凹部41bが設けられており、長溝状の凹部41aの中央部が十字形状とされている。
ミラー部材41裏面に設けられた十字形状の凹部(凹部41a、41b)とトーションバー40中央の十字形状部位(トーションバー40、突出部40a)は互いに嵌合し、ミラー部材41がトーションバー40に位置決め固定される。トーションバー40長手方向中央に設けられた突出部40aは、ミラー部材41をトーションバー40の長手方向中央に位置決めする作用に加え、ミラー部材41が回動する際のモーメント力を支える支持部としての作用がある。
尚、ミラー部材41裏面の凹部(凹部41a、41b)をトーションバー40の厚さよりも浅く形成することで接着剤を溜める空間が形成されるのは実施例1と同様であるが、本実施例3では凹部が十字形状になっているため接着剤の抑留効果が高いだけでなく、接着力の増大も期待できる。
以上種々の実施例を以って説明した本発明によるプレーナー型アクチュエータでは、ミラー部材にコイルパターンを形成し、ミラー部材周辺に設置した静磁界発生手段(例えば永久磁石)との間に作用する磁力的な相互作用によりミラー部材を駆動させているが、それとは逆にミラー部材に薄膜磁石等の静磁界発生手段を設け、ミラー部材の周辺に設置した電磁石との間で駆動力を発生させるようにしても良い。更に、駆動力の発生手段についてはこれらに限定されるものではなく、ミラー部材を静電気力で駆動させるようにしても良い。
また、本発明においてミラー部材もしくはトーションバーに形成する位置決め用の突出部や凹部の位置は適宜選択が可能である。
また、本発明においては、本明細書で説明した実施例をそれぞれ互いに適宜組み合わせて実施することも可能である。
また、本発明の技術思想は一次元駆動型のプレーナー型アクチュエータに限定されず、二次元以上の駆動を行う種々のプレーナー型アクチュエータにも適用が可能である。
本発明によるプレーナー型アクチュエータの他の実施形態を示す図で、(a)上面図、(b)(a)のA−A’断面図、(c)(a)のB−B’断面図、(d)トーションバーの要部拡大斜視図(実施例1) 本発明によるプレーナー型アクチュエータの他の実施形態を示す図で、(a)下面図、(b)(a)のA−A’断面図、(c)(a)のB−B’断面図、(d)トーションバーの要部拡大斜視図(実施例2) 本発明によるプレーナー型アクチュエータの他の実施形態を示す図で、(a)下面図、(b)(a)のA−A’断面図、(c)(a)のB−B’断面図、(d)トーションバーの要部拡大斜視図(実施例3) フレーム部に可動部と梁部を一体的に形成した従来のプレーナー型アクチュエータを示す上面図 ミラー部材をトーションバーとは別体に構成した従来のプレーナー型アクチュエータを示す斜視図
符号の説明
1 フレーム部
2 可動板
3 トーションバー
4 ミラー部
5 コイルパターン
6 永久磁石
7 可動部
8 トーションバー
9 ミラー面
10 凹部
11 接着剤
20 フレーム部
21 トーションバー
21a 突出部
22 ミラー面
23 ミラー部材
23a 長溝状の凹部
23b 矩形状の凹部
24 コイルパターン
25 電極パッド
25a 導電パターン
26 導電ワイヤー
30 トーションバー
30a 凹部
31 ミラー部材
31a 長溝状の凹部
31b 突出部
40 トーションバー
40a 突出部
41 ミラー部材
41a 長溝状の凹部
41b 短溝状の凹部

Claims (8)

  1. 少なくとも、
    ミラー面を有するミラー部材と、
    当該ミラー部材を支持するトーションバーと、
    当該トーションバーを支持するフレーム部とを備え、
    前記トーションバーは当該トーションバーの厚さ方向へ突出する突出部を有すると共に、前記ミラー部材は当該突出部の外形に倣った凹部もしくは穴部を有し、前記トーションバーの突出部は前記ミラー部材の凹部もしくは穴部に嵌合していることを特徴とするプレーナー型アクチュエータ。
  2. 前記トーションバーの突出部は、前記ミラー部材の凹部もしくは穴部の深さよりも短く形成され、当該トーションバーの突出部の長さと前記ミラー部材の凹部もしくは穴部の深さとの落差により形成される空間に接着剤が塗布されていることを特徴とする請求項1に記載のプレーナー型アクチュエータ。
  3. 少なくとも、
    ミラー面を有するミラー部材と、
    当該ミラー部材を支持するトーションバーと、
    当該トーションバーを支持するフレーム部とを備え、
    前記ミラー部材は前記トーションバーの厚さ方向へ突出する突出部を有すると共に、前記トーションバーは当該突出部の外形に倣った凹部もしくは穴部を有し、前記ミラー部材の突出部は前記トーションバーの凹部もしくは穴部に嵌合していることを特徴とするプレーナー型アクチュエータ。
  4. 前記ミラー部材の突出部は、前記トーションバーの凹部もしくは穴部の深さよりも短く形成され、当該ミラー部材の突出部の長さと前記トーションバーの凹部もしくは穴部の深さとの落差により形成される空間に接着剤が塗布されていることを特徴とする請求項3に記載のプレーナー型アクチュエータ。
  5. 少なくとも、
    ミラー面を有するミラー部材と、
    当該ミラー部材を支持するトーションバーと、
    当該トーションバーを支持するフレーム部とを備え、
    前記トーションバーは当該トーションバーの幅方向へ突出する突出部を有すると共に、前記ミラー部材は当該突出部の外形ならびに前記トーションバーの外形に倣った凹部を有し、前記トーションバー及び前記突出部は前記ミラー部材の凹部に嵌合していることを特徴とすプレーナー型アクチュエータ。
  6. 前記ミラー部材が有する凹部は、前記トーションバーの厚さよりも深いことを特徴とする請求項5に記載のプレーナー型アクチュエータ。
  7. 前記ミラー部材が有する凹部の深さと前記トーションバーの厚さとの落差により形成される空間に接着剤が塗布されていることを特徴とする請求項6に記載のプレーナー型アクチュエータ。
  8. 前記ミラー部材には、コイルパターンが形成されていることを特徴とする請求項1〜7の何れか1つに記載のプレーナー型アクチュエータ。
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