JP2008026649A - プレーナー型アクチュエータ、及びそれを用いた光減衰器 - Google Patents

プレーナー型アクチュエータ、及びそれを用いた光減衰器 Download PDF

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浩 青木
Yuzuru Ueda
譲 上田
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Abstract

【課題】外形サイズが小型化されたプレーナー型アクチュエータの提供。
【解決手段】枠状の可動部13の内側に1本の直線状の梁部12を一体的に形成し、その長手方向中央をMID(Molded-Interconnect-Device)からなる柱状の支持部11で支持する。可動部13の表面にはガラス等からなる平板状のミラー部14が接着固定され、可動部13の裏面にはAl等の金属薄膜からなるコイルパターンが形成されている。コイルパターンは可動部13裏面を周回したうえで、その両端が梁部12の長手方向中央へと引き回され、導電性接着剤を介して支持部11外側面に形成された導電パターンと接続されている。コイルパターンに通電すると、可動部13周辺に設置された永久磁石との間に駆動力が発生し、可動部13は支持部11を支点として梁部12が捻じれる方向へ揺動する。
【選択図】図1

Description

本発明は、プレーナー型アクチュエータ、及びそれを用いた光減衰器に関するものである。
現在、光スキャナ等に用いられる光偏向器として、枠状の支持部に梁部を介して平板状の可動部を支持したプレーナー型アクチュエータが知られている。
図28は、従来のプレーナー型アクチュエータを示す上面図である。従来のプレーナー型アクチュエータでは、SOI基板等の半導体基板からなる枠状の支持部(フレーム)1の内側に、平板状の可動部(可動板)2が一対の梁部(トーションバー)3により支持されている。可動部2と梁部3は、共に支持部1と一体的に形成されており、梁部3の捻り運動により可動部2が揺動可能となっている。また、可動部2の表面中央には、Au等の金属薄膜からなるミラー面4が形成され、更にそれを取り囲むようにAl等の金属薄膜からなるコイルパターン(薄膜コイル)5が形成されている。この構成のプレーナー型アクチュエータにおいては、コイルパターン5に通電して静磁界を発生させ、支持部1の周囲に設置した永久磁石等の静磁界発生源6との磁力的な相互作用により可動部2を駆動させている。(例えば、特許文献1参照)
以上説明した従来のプレーナー型アクチュエータは、可動部2を一方向に揺動させるいわゆる一次元駆動型のプレーナー型アクチュエータであるが、可動部2を二方向へ揺動させる二次元駆動型のプレーナー型アクチュエータも提案されている。図29は、従来の二次元駆動型のプレーナー型アクチュエータを示す上面図で、このように従来の二次元駆動型のプレーナー型アクチュエータでは、枠状の支持部1の内側に一対の梁部3を介して枠状の可動部(可動枠)7が揺動可能に支持されており、更にその枠状の可動部7の内側に一対の梁部8を介してミラー面4を有する平板状の可動部(可動板)2が揺動可能に支持されている。可動板2表面と可動枠7表面には、それぞれ静磁界発生用のコイルパターン5、9が形成され、支持部1の周囲にはそれらに対応する二対の永久磁石6が設置されている。可動枠7を支持する梁部3と可動板2を支持する梁部8とは、互いに直交する向きに配置されており、これにより可動枠7と可動板2とが互いに直交する方向へ揺動して可動板2の二次元駆動が成される。(例えば、特許文献2参照)
特開2003−66362号公報 特開2005−165276号公報
以上説明した従来のプレーナー型アクチュエータでは、可動部の外側に梁部と支持部が配置されるため、プレーナー型アクチュエータの外形サイズが大きくなってしまうという問題があった。特に二次元駆動型のプレーナー型アクチュエータでは、可動板の外側に更に可動枠がある分、この問題がより顕著である。
本発明は、以上の問題点に鑑みてなされたものであり、外形サイズが小型化されたプレーナー型アクチュエータを提供することを目的とする。
少なくとも、枠状の可動部と、当該可動部の内側に形成された梁部と、当該梁部を支持する支持部と、前記可動部を揺動させる駆動力を発生する駆動力発生手段とで構成されるプレーナー型アクチュエータとする。
前記梁部は、両端が前記可動部に連結された直線状を成すプレーナー型アクチュエータとする。
前記梁部は、一端が前記可動部に連結されていない片持ち形状を成すプレーナー型アクチュエータとする。
前記梁部は、全端部が前記可動部に連結された十字形状を成すプレーナー型アクチュエータとする。
前記梁部は、少なくとも一部が波形状を成すプレーナー型アクチュエータとする。
前記支持部の先端は複数に分岐し、前記梁部に係合しているプレーナー型アクチュエータとする。
前記梁部には、当該梁部の長手方向を前記支持部に対して位置決めする突出部が設けられているプレーナー型アクチュエータとする。
前記駆動力発生手段は、前記可動部に形成されたコイルパターンと、前記可動部周辺に設置された静磁界発生手段とで構成されるプレーナー型アクチュエータとする。
前記コイルパターンは、導電ワイヤーを介して外部端子と接続されているプレーナー型アクチュエータとする。
前記外部端子は、前記支持部の内側に配設されているプレーナー型アクチュエータとする。
前記支持部には、外部端子と電気的に接続された導電パターンが形成され、前記コイルパターンは、当該導電パターンと導電性接着剤を介して接続されているプレーナー型アクチュエータとする。
前記支持部の先端には段差部が設けられ、当該段差部に前記導電パターンの一端部が配置されると共に、当該導電パターンの一端部と概ね対向する位置に前記コイルパターンの一端部が配置され、当該段差部に前記導電性接着剤が充填されているプレーナー型アクチュエータとする。
前記可動部に、ミラー部を設けたプレーナー型アクチュエータとする。
前記ミラー部は、前記可動部と一体的に形成されているプレーナー型アクチュエータとする。
前記ミラー部の前記梁部と対向する位置には、前記梁部に向かって突出する突出部が一体的に形成されているプレーナー型アクチュエータとする。
前記可動部を第一の可動部とし、当該第一の可動部内側に設けられた前記梁部を第一の梁部とし、前記第一の可動部を駆動させる駆動力発生手段を第一の駆動力発生手段とした場合に、前記第一の可動部外周に第二の梁部を介して支持された第二の可動部と、当該第二の可動部を揺動させる駆動力を発生する第二の駆動力発生手段とを有するプレーナー型アクチュエータとする。
前記駆動力発生手段は、前記第二の可動部に設けられたコイルパターンと、前記第二の可動部周辺に設置された静磁界発生手段とで構成されるプレーナー型アクチュエータとする。
前記第二の可動部には、当該第二の可動部とは別体のミラー部が接合されているプレーナー型アクチュエータとする。
前記可動部を第一の可動部とし、当該第一の可動部内側に設けられた前記梁部を第一の梁部とし、当該第一の梁部を支持する支持部を第一の支持部とし、前記第一の可動部を駆動させる駆動力発生手段を第一の駆動力発生手段とした場合に、少なくとも、枠状の第二の支持部と、当該第二の支持部の内側に第二の梁部を介して支持された第二の可動部と、当該第二の可動部を揺動させる駆動力を発生する第二の駆動力発生手段とで構成されるアクチュエータを前記第一の可動部に接合したプレーナー型アクチュエータとする。
前記第二の駆動力発生手段は、前記第二の可動部に形成されたコイルパターンと、前記アクチュエータ周辺に設置された静磁界発生手段とで構成されるプレーナー型アクチュエータとする。
前記コイルパターンは前記第二の可動部裏面に形成され、前記第一の可動部表面には前記コイルパターンと接続される連絡用導電パターンが形成されると共に、当該連絡用導電パターンの少なくとも一部は前記第二の支持部に設けられた開口部から外部に露呈され、露呈された前記連絡用導電パターンの一部は導電ワイヤーを介して外部端子に接続されているプレーナー型アクチュエータとする。
前記第一の可動部と前記第二の支持部との間にはスペーサーが挟持され、当該スペーサーの表面に前記連絡用導電パターンが形成されているプレーナー型アクチュエータとする。
前記第二の可動部にミラー部を設けたプレーナー型アクチュエータとする。
少なくとも、可動部にミラー部が設けられた前記プレーナー型アクチュエータと、当該プレーナー型アクチュエータが実装された配線基板と、当該配線基板に接続された導電部材と、前記プレーナー型アクチュエータが有する前記ミラー部へ光を導出する第一の光ファイバと、前記ミラー部により反射された光が導入される第二の光ファイバと、以上の各構成部材を収納する外装とで構成される光減衰器とする。
本発明のプレーナー型アクチュエータでは、枠状の可動部の内側に梁部を形成し、柱状の支持部材で支持する構成としているため、従来のように可動部の外側に可動部を支持するための梁部と支持部を設ける必要がなくなり、プレーナー型アクチュエータの外形サイズが小型化される。
また、本発明では梁部の捻り弾性を利用して可動部を揺動させているため、梁部を用いた従来のプレーナー型アクチュエータと比較して振れ角や共振周波数等の特性が大きく変わることはなく、従来品の代替物としての使用が可能である。
枠状に形成した可動部の内側に梁部を一体的に形成し、梁部をMID(Molded-Interconnect-Device)からなる柱状の支持部材で支持する構成とする。
図1は、本発明によるプレーナー型アクチュエータを示す分解斜視図である。尚、本実施例1を含め本明細書における断面図では、特に断りがない限りコイルパターンは図示省略とする。本実施例1によるプレーナー型アクチュエータは、先端が2つに分岐した音叉形状を成す支持部11と、枠状に形成された平板の内側に一本の直線状の梁部12が一体的に形成された可動部13と、可動部13と概ね同一外形の平板状のミラー部14とで構成されている。
支持部11は、樹脂を射出成形することで金属配線を一体的に形成したMID(Molded-Interconnect-Device)で構成され、可動部13はSOI基板等の半導体基板からなり、ミラー部14は表面がミラー面として形成されたガラス等からなるもので、これら3つの構成部材は、支持部11先端の音叉形状部位に可動部13の梁部12が係合したうえで接着固定され、更に可動部13表面にミラー部14が接着固定されることで互いに組み付けられている。
図2は、可動部の下面図で、当該図2に示すように可動部13の裏面にはAl等の金属薄膜からなるコイルパターン15が形成されている。コイルパターン15は、可動部13裏面を周回したうえで梁部12の長手方向中央へと引き回され、その両端部が幅広の電極端子15aとして形成されている。
図3は、支持部先端の拡大斜視図で、当該図3に示すようにMIDからなる支持部11の互いに対向する二側面には、Al等からなる導電パターン16が形成されている。導電パターン16は、支持部11の下端部から上端部へ向かって延在しており、その先端は幅広の電極端子16aとして形成されている。
図4は、図1に示したプレーナー型アクチュエータのA−A’断面図ならびにその要部拡大図で、当該図4に示すように可動部13裏面に形成されたコイルパターン15と支持部11側面に形成された導電パターン16とは、それら先端の電極端子15aと電極端子16aとが梁部12と支持部11との係合部位近傍において導電性接着剤17を介して接続され、これによりコイルパターン15と導電パターン16との導通が成されると共に、導電性接着剤17の接着力により梁部12と支持部11とが互いに固定されている。
本実施例1では、支持部11側面に形成された導電パターン16を介して可動部13裏面に形成されたコイルパターン15に電力を供給し、それにより発生する静磁界と可動部13周辺に設置した永久磁石(不図示)との間に作用する磁力的相互作用により可動部13を駆動させている。
図5は、図1に示したプレーナー型アクチュエータのB−B’断面図で、可動部13に形成されたコイルパターン15に電力が供給されると、可動部13は支持部11と梁部12との係合部位を支点として梁部12の長手方向を軸に図中矢印で示す方向へ揺動する。可動部13が揺動すると、そこに固定されたミラー部14も共に揺動し、ミラー部14表面に照射される光の反射光路が変化して偏光器として機能する。
図6は、本実施例1によるプレーナー型アクチュエータの製造方法を示すB−B’断面図である。以下、当該図6を参照して本実施例1によるプレーナー型アクチュエータをSOI基板から作製する方法について説明する。尚、ここでは、フォトレジストの塗布・剥離工程等、通常のフォトリソグラフィープロセスにおいて周知の部分については説明を省略する。
工程(a):SOI基板18の表裏面を熱酸化し、絶縁層である表面側シリコン酸化膜19aと裏面側シリコン酸化膜19bを形成したうえで、裏面側シリコン酸化膜19b上にAl等からなるコイルパターン15を形成し、コイルパターン15をSiO2等の絶縁膜20で被覆する。
工程(b):表面側シリコン酸化膜19aをエッチングによりパターニングし、パターンニングした表面側シリコン酸化膜19aをエッチングマスクとして露出領域の上側シリコン層18aを中間層(SiO2層)18bが露出するまで異方性のドライエッチングにより除去し、更に露出した中間層18bを異方性のウェットエッチングにより下側シリコン層18cが露出するまで除去する。
工程(c):裏面側シリコン酸化膜19bをエッチングによりパターンニングし、パターンニングした裏面側シリコン酸化膜19bをエッチングマスクとして露出領域の下側シリコン層18cを異方性のドライエッチングにより貫通するまで除去する。
工程(d):表面側シリコン酸化膜19a表面に接着剤(不図示)を塗布し、ミラー部となるガラス基板14を接合する。この際、接着剤として放熱性の高いシリコン樹脂系のものを使用すれば、コイルパターン15で発生する熱が周囲に分散され、可動部13やミラー部14の反りを防止することができる。
その後、以上の工程により作製された可動部13を、別途作製した支持部11の先端に梁部12の長手方向中央を位置決めし、梁部12を支持部11先端の音叉形状部に係合させたうえで接着剤(図4参照)により固定する。この際、接着剤に導電性接着剤を使用し、可動部13に形成されたコイルパターン15の先端部(電極端子15a)と支持部11に形成された導電パターン16の先端部(電極端子16a)とを覆うように塗布することで、一種類の接着剤で可動部13の固定とコイルパターン15の電気的接続を行うことができる。
以上説明した本実施例1によるプレーナー型アクチュエータにおいては、従来、可動部の外側へ平面的に突出した梁部が可動部の内側に形成されているため、可動部の外形サイズを小さくすることが可能である。また、梁部12の捻り弾性を利用して可動部13を揺動させているため、従来のプレーナー型アクチュエータに近い諸特性(振れ角や共振周波数等)を得ることができる。
図7は、本発明によるプレーナー型アクチュエータの他の実施形態を示す図で、可動部からミラー部を取り外した状態を示す上面図である。本実施例2は、前述の実施例1に改良を加えたもので、可動部13の支持部11に対する位置決めが容易に行える構造を有しているものである。即ち、本実施例2においては、可動部13が有する梁部12の長手方向中央に、梁部12の長手方向と直交する方向へ突出した2つの突出部12aが一体的に形成されている。更に、それに対応するように支持部11の先端が4つに分岐しており、その分岐した先端の各枝部間に梁部12と突出部12aが係合している。即ち、梁部12の長手方向に沿って延びる枝部間の溝11aに梁部12が係合し、それとは直交する方向へ延びる枝部間の溝11bに突出部12aが係合している。
図8は、可動部の下面図で、本実施例2におけるコイルパターン15は実施例1と同様のパターン形状を有しており、可動部13裏面を周回したうえで梁部12の長手方向中央に引き回され、その両端が幅広の電極端子15aとして形成されている。
図9は、支持部先端の拡大斜視図で、当該図9に示すように、支持部11の先端は梁部12中央の十字形状が係合するように4つに分岐していると共に、支持部11の互いに対向する二側面には、支持部11の下端部から上端部へ向かって延在するAl等からなる導電パターン16が形成されている。更に本実施例2では、互いに隣接する枝部の付根間に段差部11cが設けられており、そこに導電パターン16先端の電極端子16aが配設されている。
図10は、図7に示したプレーナー型アクチュエータのA−A’断面図ならびにその要部拡大部で、当該図7に示すように可動部13裏面に形成されたコイルパターン15と支持部11側面に形成された導電パターン16とは、実施例1と同様にそれら先端の電極端子15aと電極端子16aとが梁部12と支持部11との係合部位近傍において導電性接着剤17を介して接続されることで導通が成されていると共に、導電性接着剤17の接着力により梁部12と支持部11とが互いに固定されている。ここで、導電性接着剤17は支持部11先端の段差部11cに充填されるため、導電性接着剤17の流出が抑制されると共に、可動部13と支持部11との固定力を強化することができる。尚、支持部11先端に段差部11cを設ける構成は、実施例1にも適用が可能である。
図11は、本発明によるプレーナー型アクチュエータの他の実施形態を示す図で、(a)上面図、(b)(a)のA−A’断面図である。また、図12は、可動部からミラー部を取り外した状態を示す上面図である。前述の実施例1、2では、可動部の裏面にコイルパターンが形成されていたのに対し、本実施例3では、図12に示すように可動部13の表面にコイルパターン21が形成されている。コイルパターン21の両端は幅広の電極端子21aとして形成され、可動部13の表面上に配置されている。2つの電極端子21aは、図11(a)に示すようにミラー部22の互いに対向する二辺にそれぞれ設けられた開口部(切欠部)22aから露呈されており、可動部13周辺に任意に設置された外部端子23に導電ワイヤー24を介して接続されている。
コイルパターン21両端の電極端子21aは、可動部13表面のどの位置に設けてもよいが、可動部13が揺動する際に導電ワイヤー24に掛かる不要な応力を低減して導電ワイヤー24の断線を防止する意味では、梁部12の概ね延長線上に配置するのが好ましい。
また、ミラー部22は、図11(b)に示すように絶縁性接着剤25を介して可動部13に固定されており、これにより可動部13の固定とコイルパターンの保護が同時に成されている。
図13は、実施例3の変形例を示すA−A’断面図である。可動部13に形成されるコイルパターン21は外部より好適に保護されるべきものであるが、その保護形態としては、図11(b)に示したようにミラー部22を可動部13に固定する際の接着剤25を兼用して保護する形態の外に、図13(a)に示すように可動部13の表面側に凹部13aを設け、そこにコイルパターン21を収容する形態や、それとは逆に図13(b)に示すようにミラー部22の裏面側に凹部22bを設ける形態、更には図13(c)に示すようにコイルパターン21を直接ミラー部22の表面上に配設して絶縁膜26で被覆する形態等を取り得る。
図14は、本発明によるプレーナー型アクチュエータの他の実施形態を示す図で、(a)可動部からミラー部を取り外した状態を示す上面図、(b)可動部にミラー部を接合した状態を示す(a)のA−A’断面図である。本実施例4は、前述の実施例3の変形例であり、特徴は梁部の上下方向の形成位置(高さ)にある。即ち、前述の実施例3では、梁部12は可動部13の裏面寄りに設けられていたのに対し、本実施例4では可動部13の表面寄りに設けられている。また、梁部12を可動部13の表面寄りに設けることによって支持部11先端とミラー部27裏面との距離が縮まり、可動部13が揺動する際に支持部11先端がミラー部27裏面に接触する虞があるため、ミラー部27の裏面側には凹部27aが設けられている。
また、梁部12表面は可動部13表面と同一平面上にあり、コイルパターン28は可動部13表面を周回したうえで梁部12表面の長手方向中央に引き回され、そこに電極端子28aが形成されている。電極端子28aは、可動部13内側の貫通部分に配設された任意の外部端子23と導電ワイヤー24により接続されている。尚、外部端子23は、例えば可動部13の裏面側から表面側へ向かって突き出た柱状の端子として構成されている。
以上のように外部端子23を可動部13の内側に配置すれば、可動部13の周囲に外部端子を設置するためのスペースが不要となり、プレーナー型アクチュエータの外形サイズを実質的に小型化することができる。また、電極端子28aは非可動の梁部12上に配設されているため、可動部13の揺動時に導電ワイヤー24に不要な応力が掛かることはなく、導電ワイヤー24の断線を防止することができる。更に本実施例4では、梁部12の中心軸を可動部13の重心に近づけることができるため、可動部13の駆動が安定化する。尚、本実施例4を実施するうえでは、導電ワイヤー24がミラー部27裏面に接触しないように、ミラー部27裏面に凹部27aを形成しておくなどしてミラー部27裏面側に十分な空間を形成しておく必要がある。
図15は、本実施例4によるプレーナー型アクチュエータの製造方法を示すA−A’断面図である。以下、当該図15を参照して本実施例4によるプレーナー型アクチュエータをSOI基板から作製する方法について説明する。尚、ここでは、フォトレジストの塗布・剥離工程等、通常のフォトリソグラフィープロセスにおいて周知の部分については説明を省略する。
工程(a):SOI基板18の表裏面を熱酸化し、絶縁層である表面側シリコン酸化膜19aと裏面側シリコン酸化膜19bを形成したうえで、表面側シリコン酸化膜19a上にAl等からなるコイルパターン28を形成し、コイルパターン28をSiO2等の絶縁膜20で被覆する。
工程(b):裏面側シリコン酸化膜19bをエッチングによりパターニングし、パターンニングした裏面側シリコン酸化膜19bをエッチングマスクとして露出領域の下側シリコン層18cを中間層(SiO2層)18bが露出するまで異方性のドライエッチングにより除去し、更に露出した中間層18bを異方性のウェットエッチングにより上側シリコン層18aが露出するまで除去する。
工程(c):表面側シリコン酸化膜19aをエッチングによりパターンニングし、パターニングした表面側シリコン酸化膜19aをエッチングマスクとして露出領域の上側シリコン層18aを異方性のドライエッチングにより貫通するまで除去する。
工程(d):別途作製した支持部11の先端に梁部12の長手方向中央を位置決めし、梁部12を支持部11先端の音叉形状部位に係合させたうえで接着剤(図4参照)により固定する。その後、梁部12表面に形成された電極端子28aと外部端子23とをワイヤーボンディングにより導電ワイヤー24で接続し、次いで表面側シリコン酸化膜19a表面に接着剤(好ましくは絶縁性接着剤)29を塗布したうえでガラス基板27を接合する。尚、この際、接着剤として放熱性の高いシリコン樹脂系のものを用いれば、コイルパターン28で発生する熱が分散されて可動部13やミラー部(ガラス板)27の反りを防止することができる。
図16は、本発明によるプレーナー型アクチュエータの他の実施形態を示すA−A’断面図である。前述した実施例1〜4では、ミラー部は可動部とは別体のガラス板で構成されていたのに対し、本実施例5では、図16に示すように可動部30と一体的に形成されている。この場合、ミラー部31の表面にはAu等の金属薄膜によりミラー面32が形成されており、ミラー部31を別体にする場合と比べて部品点数を削減することができると共に、可動部を軽量化することができる。
また、可動部30裏面の梁部33と対向する位置には、梁部33へ向かって突出した突出部30aが一体的に形成されている。突出部30aは、外部からの衝撃などにより可動部30が瞬間的に上下方向へ大きく振動した際に、梁部33と接触することで梁部33の振動を抑制するストッパーとしての役割を果たし、これにより梁部33の破損(折れ)を防止することができる。
図17は、本実施例5によるプレーナー型アクチュエータの製造方法を示すA−A’断面図である。以下、当該図17を参照して本実施例5によるプレーナー型アクチュエータをSOI基板から作製する方法について説明する。尚、ここでは、フォトレジストの塗布・剥離工程等、通常のフォトリソグラフィープロセスにおいて周知の部分については説明を省略する。
工程(a):SOI基板18の表裏面を熱酸化し、絶縁層である表面側シリコン酸化膜19aと裏面側シリコン酸化膜19bを形成したうえで、裏面側シリコン酸化膜19b上にAl等からなるコイルパターン15を形成し、コイルパターン15をSiO2等の絶縁膜20で被覆する。
工程(b):裏面側シリコン酸化膜19bをエッチングによりパターニングし、パターニングした裏面側シリコン酸化膜19bをエッチングマスクとして露出領域の下側シリコン層18cを中間層(SiO2層)18bが露出するまで異方性のドライエッチングにより除去し、露出した中間層18bを異方性のウェットエッチングにより上側シリコン層18aが露出するまで除去し、更に露出した上側シリコン層18aを異方性のドライエッチングにより貫通しない程度に一定量除去する。
工程(c):梁部33と上側シリコン層18aとを繋いでいる中間層18bをウェットエッチングにより除去し、次いで上側シリコン酸化膜19a上にAu等からなる金属薄膜を蒸着やスパッタリングにより堆積してミラー面32を形成する。その後、以上の工程により作製された可動部30を別途作製した支持部11の先端に梁部33の長手方向中央を位置決めし、梁部33を支持部11先端の音叉形状部位に係合させたうえで接着剤(図4参照)により固定する。
ここで、梁部33と突出部30aとの間には中間層18bの厚さに相当する間隙が存在しているが、可動部30の揺動範囲(最大振れ角)が大きい場合には、可動部30が揺動する際に支持部11先端が可動部30裏面の突出部30aに接触してしまう虞があるため、工程(b)の後に図17に示す工程(b’)のように上側シリコン層18a(特に突出部30a)を等方性のドライエッチング等により一部除去し、梁部33と突出部30aとの間の空間を広げるのが好ましい。こうすることで、支持部11先端が突出部30aに接触するのを防止して可動部30の広い揺動範囲を確保しつつ、突出部30aによる梁部33の緩衝効果を得ることが可能となる。
図18は、本発明によるプレーナー型アクチュエータの他の実施形態を示す図で、可動部からミラー部を取り外した状態を示す斜視図である。本実施例6は、可動部の二次元駆動が可能な構成を有するもので、前述の実施例1〜5の如き一次元駆動型の可動部(以下、内側可動部)34を囲繞するように枠状の可動部(以下、外側可動部)35が一対の梁部36を介して一体的に形成されている。外側可動部35を支持する一対の梁部36は、内側可動部34が有する梁部37とは中心軸が直交するように配置されており、これにより内側可動部34と外側可動部35とは互いに直行する方向へ揺動する。
また、内側可動部34の裏面には、前述の図2に示した実施例1の如く、内側可動部34を駆動させるためのコイルパターン(不図示)が形成され、それと同様に外側可動部35の裏面には、外側可動部35を駆動させるためのコイルパターン(不図示)が形成されている。コイルパターンは、可動部34、35の表面に形成して導電ワイヤーで接続するようにしてもよいが、可動部34、35が揺動することで導電ワイヤーが断線する虞があるため(特に二次元動作をする外側可動部35に関しては)、可動部34、35の裏面に形成して図4に示した如く導電性接着剤で支持部11側と導通させるのが好ましい。
図19は、図18に示した可動部にミラー部を接合した状態を示すA−A’断面図である。本実施例6においては、外側可動部35を内側可動部34とは独立して揺動させるために、ミラー部38を外側可動部35にのみ接合してミラー部38と内側可動部35とを互いに切り離しておくと共に、外側可動部35の揺動時にミラー部38裏面が内側可動部34に接触しないように、外側可動部35の揺動範囲(最大振れ角)に応じてミラー部38裏面と内側可動部34との間にある程度の空間を設けておく必要がある。その実施形態としては、図19(a)に示すようにガラス等からなるミラー部38の裏面に外側可動部35の内側輪郭線に概ね沿った外形を有する凹部38aを設けたり、図19(b)に示すようにミラー部38と外側可動部35との間に枠状のスペーサー39(材質は適宜選択)を介在させたり、図19(c)に示すように外側可動部35を内側可動部34に対して肉厚に形成すればよい。
以上のように、本実施例6では内側可動部34を支持するための梁部37が内側可動部34の内側に形成されているため、少なくともその分、従来の二次元駆動型のプレーナー型アクチュエータより外形サイズを小型化することができる。
図20は、本発明によるプレーナー型アクチュエータの他の実施形態を示す図で、可動部の模式的な分解斜視図である。また、図21は、図20に示した可動部を支持部に組み付けた状態を示すA−A’断面図である。本実施例7は、前述の実施例6と同様に可動部の二次元駆動を実現するもので、前述の実施例1〜5の如き一次元駆動型のプレーナー型アクチュエータ(以下、第一のアクチュエータ)40の上に、枠状のスペーサー41(材質は適宜選択)を介して従来の如き一次元駆動型のプレーナー型アクチュエータ(以下、第二のアクチュエータ)42が積層されている。第一のアクチュエータ40と第二のアクチュエータ42とは、各々が有する梁部43、44の中心軸が互いに直交するように配置されており、これにより、第一のアクチュエータ40の可動部45と第二のアクチュエータ42の可動部46とは互いに直交する方向へ揺動する。第二のアクチュエータ42の可動部46表面には、Au等の金属薄膜からなるミラー面47が形成されており、照射された光を二次元方向へ反射する。
スペーサー41は、第二のアクチュエータ42の可動部46が揺動する際に可動部46が第一のアクチュエータ40の梁部43に接触しないように、第二のアクチュエータ42の可動部46と第一のアクチュエータ40の梁部43との間に空間を形成するためのものであるが、可動部45の揺動範囲(最大振れ角)が小さく、可動部46が梁部43に接触する虞がないのであれば省略することも可能である。
図22は、図20に示したプレーナー型アクチュエータにおけるコイルパターンの接続方法を説明するための図で、(a)上面図、(b)側面図である。本実施例7において、第一のアクチュエータ40を駆動させるためのコイルパターン(不図示)は、前述の図2に示した実施例1の如く可動部45の裏面に形成され、梁部43と支持部11との連結部位において導電性接着剤を介して支持部11側と接続されている。
一方で、第二のアクチュエータ42を駆動させるためのコイルパターン48は、図22中点線で示すように可動部46裏面を周回したうえで支持枠49側へ引き回され、その両端が幅広の電極端子48aとして形成されている。電極端子48aは、スペーサー41表面に形成された連絡用導電パターン50の一端に設けられた電極端子50aに接続され、連絡用導電パターン50の他端は幅広の電極端子50bとして形成されて支持枠49外周に設けられた開口部(切欠部)49aから外部に露呈され、導電ワイヤー24を介して外部端子23に接続されている。
連絡用導電パターン50の電極端子50bと外部端子23は、共に第一のアクチュエータ40が有する梁部43の概ね軸線上に配置されており、可動部45の揺動時に導電ワイヤー24に掛かる応力が低減されるようになっている。また、連絡用導電パターン50の電極端子50bを外部に露呈するために支持枠49外周に設けられた開口部49aには、絶縁性樹脂、好ましくは導電ワイヤー24への応力が緩和されるように軟質系の絶縁性樹脂を塗布するようにしてもよい。
図23は、第二のアクチュエータ42とスペーサー41とを分離して見開き状態に展開した平面図で、第二のアクチュエータ42裏面に形成されたコイルパターン48と、スペーサー41表面に形成された連絡用導電パターン50とは、導電性接着剤51を介して各々の電極端子48a、50a同士が接続されることで導通している。尚、ここで用いる導電性接着剤51を第二のアクチュエータ42とスペーサー41とを接合するための接着剤として兼用することも可能である。
また、コイルパターン48や連絡用導電パターン50の形成位置や接続方法は、以上説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば第二のアクチュエータ42を駆動するためのコイルパターン48を第二のアクチュエータ42の可動部46表面に形成したり、スペーサー41を用いない場合には、スペーサー41表面の連絡用導電パターン50を第一のアクチュエータ40の可動部45表面に形成するようにしてもよい。但し、第二のアクチュエータ42を駆動させるためのコイルパターン48を図22に示したように第二のアクチュエータ42の裏面側に形成すれば、第二のアクチュエータ42の可動部46表面全体をミラー面として使用できるため好ましい。
また、図示は省略するが、スペーサー41の表裏面に位置決めピンを設け、それを各アクチュエータに設けた位置決めピン挿入用の穴部に係合させるようにすれば、各部材同士を容易且つ精確に位置決めすることができる。
図24は、本発明によるプレーナー型アクチュエータの他の実施形態を示す図で、(a)可動部からミラー部を取り外した状態を示す上面図、(b)可動部にミラー部を接合した状態を示す(a)のA−A’断面図である。本実施例8は、可動部を二次元駆動させる別の実施形態で、枠状に形成された可動部52の内側に十字形状の梁部53が形成されているものである。梁部53の中央部位は、前述の図9に示した実施例2の如く先端が4つに分岐した支持部11により支持されており、可動部52は支持部11を支点として二次元方向へ揺動する。
可動部52が二次元方向へ揺動する際、梁部53の長手方向には梁部53を屈曲させようとする力が働くことになるが、梁部53には捻り弾性だけでなく屈曲する方向への撓み弾性があるため、可動部52はその撓み弾性に抗しつつ梁部53の長手方向へもある程度揺動する。
図25は、図24に示した実施例8の変形例を示す上面図である。図24に示した実施形態では梁部53は直線状であるため、梁部53の長手方向への変位量が少なく可動部52の揺動範囲が狭いが、梁部53の形状を図25に示すように波形状とすることで、可動部52の揺動範囲を拡大することが可能である。尚、梁部53は少なくともその一部が波形状となっていればよく、必ずしも梁部全体が波形状となっている必要はない。また、梁部を波形状とすることで可動部の揺動範囲を拡大することは、前述の実施例1〜7に対しても適用が可能である。
本実施例8においては、梁部53を十字形状、特に中央で交差する正十字形状とすることで可動部52の質量的なバランスがよくなることに加え、前述の実施例6、7のように可動部の質量を大きく増加させることがないため、可動部の駆動を安定化することができる。更に、実施例6、7と同様の二次元駆動を達成しながらも、それらのように外形サイズや厚みサイズが増加することはなく、実施例1に示したような一次元駆動型のものと同サイズが実現可能である。
図26は、本発明によるプレーナー型アクチュエータの他の実施形態を示す図で、(a)可動部からミラー部を取り外した状態を示す上面図、(b)可動部にミラー部を接合した状態を示す(a)のA−A’断面図である。本実施例9は、可動部を二次元駆動させる別の実施形態で、梁部54が片持ち形状となっているところに特徴がある。梁部54の一端は可動部55の内側に連結され、他端は可動部55に連結されていない自由端となっており、自由端は支持部11の先端に係合したうえで接着剤(不図示)により固定されている。
可動部55は、前述の実施例8と同様に梁部54の捻り方向と撓み方向へ揺動し、二次元的な駆動が成される。この構成では、梁部54の一端が自由端として可動部55とは分離されているため、前述の実施例8と比較して駆動の安定性の面では劣るものの、梁部の長手方向への撓み量が大きくなるため、可動部の揺動範囲を拡大することができる。
図27は、本発明によるプレーナー型アクチュエータを使用した光減衰器を示す図で、(a)斜視図、(b)(a)のA−A’断面図である。本発明によるプレーナー型アクチュエータを利用した機器としては、例えば光減衰器が挙げられる。本実施例10における光減衰器においては、まず、前述の図1に示した実施例1の如き一次元駆動型のプレーナー型アクチュエータ56がリジッドタイプの配線基板57上に実装された状態で円筒状の外装58内部に収納されている。実装に際しては、プレーナー型アクチュエータ56の支持部11表面に形成された導電パターン(不図示)と、配線基板57表面に形成された導電パターン(不図示)とが半田や導電性接着剤(不図示)により接続される。
配線基板57は、静磁界発生手段である永久磁石59上に固定されており、永久磁石59自体は、外装58の一端部に嵌合された端子部材60に固定されている。端子部材60には、導電材質のリード61が貫通されており、リード61の外装58内部側の端部には、例えばFPC等の導電部材62の一端部が接続されている。FPC62の他端部は、プレーナー型アクチュエータ56が実装された回路基板57に接続され、これによりプレーナー型アクチュエータ56とリード61との導通が成されている。
また、外装58の端子部材60が嵌合された側とは反対側の端部には、プレーナー型アクチュエータ56のミラー部56aへ外部から光を導入するための第一の光ファイバ63と、ミラー部56aで反射された光を外部へ導出するための第二の光ファイバ64が固定され、更にそれらの光路中には光路変換用のレンズ65が配置されている。尚、光路変換をする必要が無い場合には、レンズ65は省略しても構わない。
第一の光ファイバ63を通して外装58内部へ導入された光は、レンズ65により光路がミラー部56a中央側へと変換されたうえでミラー部56a表面に照射される。ミラー部56a表面に照射された光はミラー部56a表面で反射され、再度レンズ65により光路が変換されたうえで第二の光ファイバ64を通して外装58外部へと導出される。ミラー部56aは、光の減衰量に応じて所定の角度に傾斜し、それにより反射光の光路が変化して第二の光ファイバ64へ導入される光量が増減する。
図27からも明らかなように、光減衰器の外形サイズはプレーナー型アクチュエータ56の外形サイズに依存しており、プレーナー型アクチュエータ56の外形サイズが小型化されれば、それに伴って光減衰器の外形サイズも小型化される。本発明によるプレーナー型アクチュエータ56においては、従来のように可動部外周には梁部と支持部が配置されておらず、外形サイズが可動部の外形サイズにまで小型化されているため、それを光減衰器に適用した場合には、光減衰器の外形サイズもそれに応じて大幅に小型化される。
以上、本発明の実施例について説明したが、本発明によるプレーナー型アクチュエータは、SOI基板のみならずモノリシックなシリコン基板から作製することも可能である。
駆動力発生手段としては、薄膜コイル(コイルパターン)を磁性体薄膜からなる薄膜磁石で置き換え、可動部周辺に設置した電磁石との間で駆動力を発生させたり、薄膜コイルをAl等の金属薄膜からなる平面電極で置き換え、可動部周辺に設置した電極との間で駆動力を発生させるいわゆる静電駆動方式としたり、更には圧電駆動方式、熱駆動方式等とすることも可能であり、適宜選択され得るものである。
可動部や梁部の形状も本明細書で例示したものに限定されず、その他種々の形態を取り得るものである。また、本発明の技術内容は、互いを適宜組み合わせて実施することが可能である。
本発明によるプレーナー型アクチュエータを示す分解斜視図(実施例1) 可動部の下面図(実施例1) 支持部先端の拡大斜視図(実施例1) 図1に示したプレーナー型アクチュエータのA−A’断面図ならびにその要部拡大図(実施例1) 図1に示したプレーナー型アクチュエータのB−B’断面図(実施例1) プレーナー型アクチュエータの製造方法を示すB−B’断面図(実施例1) 本発明によるプレーナー型アクチュエータの他の実施形態を示す図で、可動部からミラー部を取り外した状態を示す上面図(実施例2) 可動部の下面図(実施例2) 支持部先端の拡大斜視図(実施例2) 図7に示したプレーナー型アクチュエータのA−A’断面図ならびにその要部拡大部(実施例2) 本発明によるプレーナー型アクチュエータの他の実施形態を示す図で、(a)上面図、(b)(a)のA−A’断面図(実施例3) 可動部からミラー部を取り外した状態を示す上面図(実施例3) 実施例3の変形例を示すA−A’断面図(実施例3) 本発明によるプレーナー型アクチュエータの他の実施形態を示す図で、(a)可動部からミラー部を取り外した状態を示す上面図、(b)可動部にミラー部を接合した状態を示す(a)のA−A’断面図(実施例4) プレーナー型アクチュエータの製造方法を示すA−A’断面図(実施例4) 本発明によるプレーナー型アクチュエータの他の実施形態を示すA−A’断面図(実施例5) プレーナー型アクチュエータの製造方法を示すA−A’断面図(実施例5) 本発明によるプレーナー型アクチュエータの他の実施形態を示す図で、可動部からミラー部を取り外した状態を示す斜視図(実施例6) 図18に示した可動部にミラー部を接合した状態を示すA−A’断面図(実施例6) 本発明によるプレーナー型アクチュエータの他の実施形態を示す図で、可動部の模式的な分解斜視図(実施例7) 図20に示した可動部を支持部に組み付けた状態を示すA−A’断面図(実施例7) 図20に示したプレーナー型アクチュエータにおけるコイルパターンの接続方法を説明するための図で、(a)上面図、(b)側面図(実施例7) 第二のアクチュエータとスペーサーとを分離して見開き状態に展開した平面図(実施例7) 本発明によるプレーナー型アクチュエータの他の実施形態を示す図で、(a)可動部からミラー部を取り外した状態を示す上面図、(b)可動部にミラー部を接合した状態を示す(a)のA−A’断面図(実施例8) 図24に示した実施例8の変形例を示す上面図(実施例8) 本発明によるプレーナー型アクチュエータの他の実施形態を示す図で、(a)可動部からミラー部を取り外した状態を示す上面図、(b)可動部にミラー部を接合した状態を示す(a)のA−A’断面図(実施例9) 本発明によるプレーナー型アクチュエータを使用した光減衰器を示す図で、(a)斜視図、(b)(a)のA−A’断面図(実施例10) 従来の一次元駆動型のプレーナー型アクチュエータを示す上面図 従来の二次元駆動型のプレーナー型アクチュエータを示す上面図
符号の説明
1 支持部
2 可動部
3 梁部
4 ミラー面
5 コイルパターン
6 永久磁石
7 可動枠
8 梁部
9 コイルパターン
11 支持部
11a 枝部間の溝
11b 枝部間の溝
11c 段差部
12 梁部
12a 突出部
13 可動部
13a 凹部
14 ミラー部
15 コイルパターン
15a 電極端子
16 導電パターン
16a 電極端子
17 導電性接着剤
18 SOI基板
18a 上側シリコン層
18b 中間層
18c 下側シリコン層
19a 表面側シリコン酸化膜
19b 裏面側シリコン酸化膜
20 絶縁膜
21 コイルパターン
21a 電極端子
22 ミラー部
22a 開口部(切欠部)
22b 凹部
23 外部端子
24 導電ワイヤー
25 絶縁性接着剤
26 絶縁膜
27 ミラー部
27a 凹部
28 コイルパターン
28a 電極端子
29 絶縁性接着剤
30 可動部
30a 突出部
31 ミラー部
32 ミラー面
33 梁部
34 内側可動部
35 外側可動部
36 梁部
37 梁部
38 ミラー部
38a 凹部
39 スペーサー
40 第一のアクチュエータ
41 スペーサー
42 第二のアクチュエータ
43 梁部
44 梁部
45 可動部
46 可動部
47 ミラー面
48 コイルパターン
48a 電極端子
49 支持部
49a 開口部(切欠部)
50 連絡用導電パターン
50a 電極端子
50b 電極端子
51 導電性接着剤
52 可動部
53 梁部
54 梁部
55 可動部
56 プレーナー型アクチュエータ
56a ミラー部
57 回路基板
58 外装
59 永久磁石
60 端子部材
61 リード
62 FPC
63 第一の光ファイバ
64 第二の光ファイバ
65 レンズ

Claims (24)

  1. 少なくとも、
    枠状の可動部と、
    当該可動部の内側に形成された梁部と、
    当該梁部を支持する支持部と、
    前記可動部を揺動させる駆動力を発生する駆動力発生手段とで構成されることを特徴とするプレーナー型アクチュエータ。
  2. 前記梁部は、両端が前記可動部に連結された直線状を成すことを特徴とする請求項1に記載のプレーナー型アクチュエータ。
  3. 前記梁部は、一端が前記可動部に連結されていない片持ち形状を成すことを特徴とする請求項1に記載のプレーナー型アクチュエータ。
  4. 前記梁部は、全端部が前記可動部に連結された十字形状を成すことを特徴とする請求項1に記載のプレーナー型アクチュエータ。
  5. 前記梁部は、少なくとも一部が波形状を成すことを特徴とする請求項1〜4の何れか1つに記載のプレーナー型アクチュエータ。
  6. 前記支持部の先端は複数に分岐し、前記梁部に係合していることを特徴とする請求項1〜5の何れか1つに記載のプレーナー型アクチュエータ。
  7. 前記梁部には、当該梁部の長手方向を前記支持部に対して位置決めする突出部が設けられていることを特徴とする請求項1〜6の何れか1つに記載のプレーナー型アクチュエータ。
  8. 前記駆動力発生手段は、前記可動部に形成されたコイルパターンと、前記可動部周辺に設置された静磁界発生手段とで構成されることを特徴とする請求項1〜7の何れか1つに記載のプレーナー型アクチュエータ。
  9. 前記コイルパターンは、導電ワイヤーを介して外部端子と接続されていることを特徴とする請求項8に記載のプレーナー型アクチュエータ。
  10. 前記外部端子は、前記支持部の内側に配設されていることを特徴とする請求項9に記載のプレーナー型アクチュエータ。
  11. 前記支持部には、外部端子と電気的に接続された導電パターンが形成され、前記コイルパターンは、当該導電パターンと導電性接着剤を介して接続されていることを特徴とする請求項8に記載のプレーナー型アクチュエータ。
  12. 前記支持部の先端には段差部が設けられ、当該段差部に前記導電パターンの一端部が配置されると共に、当該導電パターンの一端部と概ね対向する位置に前記コイルパターンの一端部が配置され、当該段差部に前記導電性接着剤が充填されていることを特徴とする請求項11に記載のプレーナー型アクチュエータ。
  13. 前記可動部にミラー部を設けたことを特徴とする請求項1〜12の何れか1つに記載のプレーナー型アクチュエータ。
  14. 前記ミラー部は、前記可動部と一体的に形成されていることを特徴とする請求項13に記載のプレーナー型アクチュエータ。
  15. 前記ミラー部の前記梁部と対向する位置に、前記梁部に向かって突出する突出部が一体的に形成されていることを特徴とする請求項14に記載のプレーナー型アクチュエータ。
  16. 前記可動部を第一の可動部とし、当該第一の可動部内側に設けられた前記梁部を第一の梁部とし、前記第一の可動部を駆動させる駆動力発生手段を第一の駆動力発生手段とした場合に、
    前記第一の可動部外周に第二の梁部を介して支持された第二の可動部と、
    当該第二の可動部を揺動させる駆動力を発生する第二の駆動力発生手段とを有することを特徴とする請求項1〜12の何れか1つに記載のプレーナー型アクチュエータ。
  17. 前記駆動力発生手段は、前記第二の可動部に設けられたコイルパターンと、前記第二の可動部周辺に設置された静磁界発生手段とで構成されることを特徴とする請求項16に記載のプレーナー型アクチュエータ。
  18. 前記第二の可動部にミラー部を設けたことを特徴とする請求項16、又は17に記載のプレーナー型アクチュエータ。
  19. 前記可動部を第一の可動部とし、当該第一の可動部内側に設けられた前記梁部を第一の梁部とし、当該第一の梁部を支持する支持部を第一の支持部とし、前記第一の可動部を駆動させる駆動力発生手段を第一の駆動力発生手段とした場合に、
    少なくとも、枠状の第二の支持部と、当該第二の支持部の内側に第二の梁部を介して支持された第二の可動部と、当該第二の可動部を揺動させる駆動力を発生する第二の駆動力発生手段とで構成されるアクチュエータを前記第一の可動部に接合したことを特徴とする請求項1〜12の何れか1つに記載のプレーナー型アクチュエータ。
  20. 前記第二の駆動力発生手段は、前記第二の可動部に形成されたコイルパターンと、前記アクチュエータ周辺に設置された静磁界発生手段とで構成されることを特徴とする請求項19に記載のプレーナー型アクチュエータ。
  21. 前記コイルパターンは前記第二の可動部裏面に形成され、前記第一の可動部表面には前記コイルパターンと接続される連絡用導電パターンが形成されると共に、当該連絡用導電パターンの少なくとも一部は前記第二の支持部に設けられた開口部から外部に露呈され、露呈された前記連絡用導電パターンの一部は導電ワイヤーを介して外部端子に接続されていることを特徴とする請求項20に記載のプレーナー型アクチュエータ。
  22. 前記第一の可動部と前記第二の支持部との間にはスペーサーが挟持され、当該スペーサーの表面に前記連絡用導電パターンが形成されていることを特徴とする請求項21に記載のプレーナー型アクチュエータ。
  23. 前記第二の可動部にミラー部を設けたことを特徴とする請求項19〜22の何れか1つに記載のプレーナー型アクチュエータ。
  24. 少なくとも、
    請求項13、14、15、18、又は23に記載のプレーナー型アクチュエータと、
    当該プレーナー型アクチュエータが実装された配線基板と、
    当該配線基板に接続された導電部材と、
    前記プレーナー型アクチュエータが有する前記ミラー部へ光を導出する第一の光ファイバと、
    前記ミラー部により反射された光が導入される第二の光ファイバと、
    以上の各構成部材を収納する外装とで構成されることを特徴とする光減衰器。
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