JP4482555B2 - ポリエチレンイミン−結合樹脂を使用するタキサンおよびタキサン混合物の精製 - Google Patents

ポリエチレンイミン−結合樹脂を使用するタキサンおよびタキサン混合物の精製 Download PDF

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Description

発明の分野
本発明は、タキサンを含有する物質から1種以上のタキサン化合物を分離または単離する方法と、それから得られる組成物または化合物とに関する。本発明はまた、1種以上のタキサンを含むバイオマス抽出エキスを精製する方法に関する。一実施態様において、本発明の方法は、ポリエチレンイミン−結合シリカクロマトグラフィー樹脂(PBS樹脂)を含むが、これらに限定されないマトリックス(例えば、固体マトリックス)に結合している1つ以上のアミノを含有する物質を使用することを含む。これらの樹脂は高収率および高純度のタキサン精製を容易にする。一実施態様において、クロマトグラフィー樹脂は、種々の粒子径または孔径のシリカに結合している非−官能基化および/または非−誘導体化ポリエチレンイミン(「PET」)ポリマーを含む。別の実施態様において、ポリエチレンイミンはメチル化されて、ジエチルアミノメチル−結合シリカ(「DEAM)」を形成する。本発明の別の一実施態様において、DEAMおよびPEIの両方は、酸性pH下において順相クロマトグラフィーに使用することができる。
発明の背景
本発明は、PBS樹脂などの固体マトリックスに支持されているアミノを含有する物質を使用して、1種以上のタキサンを含有する物質からパクリタキセルまたは他のタキサンを単離または分離することを含む。本発明はまた、タキサンを含有するバイオマス抽出エキスを精製することも含む
種々のタキサン、例えば、パクリタキセルはクロマトグラフィー技法を使用して精製できることは既知である。シリカ、アルミナ、C18およびC8などのアルキル−結合シリカ樹脂並びにポリスチレンジビニルベンゼン樹脂などのクロマトグラフィー媒体は、この目的に有用であることが文献に報告されている。しかし、精製工程の性質に応じて、これらの媒体には全て限界がある。
マトリックス(例えば、PBS樹脂)に結合しているアミノ含有物質は、タキサンを単離および精製するために使用される他の慣用のクロマトグラフィー樹脂よりすぐれた選択性および分解能を提供できることが発見された。従って、マトリックス(例えば、PBS樹脂)に結合しているアミノ含有物質は、タキサン精製の分野において他の樹脂より効率的に分離を実施するために使用することができる。例えば、文献には、パクリタキセル(タキソールA)およびセファロマニン(タキソールB)の分離は困難と記載されている。これらの化合物の分離は、本明細書に記載するように、1種以上のPBS樹脂を使用するとかなり容易になる。また、PBS樹脂は有機溶媒を用いて利用することができるので、この樹脂はより容易に装填することができ、C18、C8およびポリスチレンジビニルベンゼンなどの逆相樹脂より多い装填量のサンプルを適用することができる。
PBS樹脂は、主にイオン−交換クロマトグラフィー用途に使用することができる。タキサンは、カルボン酸またはアミン基などのイオン化可能な基をほとんど含有しないので、相互作用様式は従来のイオン交換ではない。予期しなかったことに、PBS樹脂を使用すると、タキサンの単離または精製においてすぐれた選択性および分解能が提供される。本発明において、PBS樹脂は、少量の酸性調整剤または塩を移動相に使用すると、最もよく機能する。
さらに、本発明者らは、PEIポリマーのアミノ基はアルキル化、アリール化またはアシル化によって官能基化することができることを発見した。本発明者らはまた、PBS樹脂はタキサン化合物の分取および分析用分離を実施するために使用することができることも発見した。分取用分離は、バッチ、半−連続または連続モードで実施することができる。半−連続モードは、擬似移動床式(SMB)クロマトグラフィーの形態であってもよい。
本発明は、シリカに結合しているポリエチレンイミンなどの、タキサンを単離または分離することができるポリエチレンイミンマトリックスを含むが、これらに限定されない固体マトリックスに結合している(attached)(例えば、結合している(bonded))アミノ含有物質を使用して、1種以上のタキサンを含有する物質からパクリタキセルまたは他のタキサンを単離または分離することを含む。マトリックス(例えば、固体マトリックス)に結合している他の好適なアミノ含有物質は、米国特許第5,085,779号および同第5,092,992号に開示されている物質を含んでもよい。これらの特許は共に全体として引用することにより本明細書の1部を構成している。
別の一実施態様において、本発明は、タキサンを含有する組成物から、パクリタキセルを含む種々のタキサンの分離または精製の助けとなるPEIS樹脂の用途に関する。この目的のためのこれらの樹脂の使用は新規で、従来技術よりすぐれていると考えられる。好ましい樹脂には、PEIおよびDEAMが挙げられる。
別の一実施態様において、本発明は、タキサン混合物から1種以上のタキサンおよびそれらの類似体を単離する方法に関する。タキサン混合物はバイオマス抽出エキス(extraor)を含んでも、または半合成または全合成工程で得られてもよい。本発明の方法は、
(a)タキサン混合物を、マトリックス(例えば、PBS樹脂)に結合しているアミノ含有物質で処理するステップと、
(b)クロマトグラフィー樹脂から1種以上のタキサンおよびそれらの類似体を溶出するステップと、
(c)溶出液の1つ以上の分画中の1種以上のタキサンおよびそれらの類似体を回収するステップと
を含む。
別の他の実施態様において、本発明は、イチイ属(Taxus)抽出エキスなどのタキサンを含有する物質、またはイチイ(Yew)として知られる植物の群から選択される植物物質から誘導され、半合成もしくは全合成工程から得られるタキサン混合物中のタキサンを精製するおよび/またはタキサンの濃度を増加させる方法に関する。本発明の方法は:
(a)タキサンおよびそれらの天然類似体を含む物質を、マトリックス(例えば、PBS樹脂)に結合しているアミノ含有物質で処理するステップと、
(b)クロマトグラフィー樹脂からタキサンおよびそれらの類似体を溶出するステップと、
(c)溶出液の1つ以上の分画中のタキサンおよびそれらの類似体を回収するステップと
を含む。
本発明およびその利点は、以下の詳細な説明および添付の図面を参照することによってさらに理解されるであろう。
本明細書において使用する「アルコキシ基」は、酸素原子に結合している直線状、分岐状または環状飽和炭化水素を意味する。好ましくは、アルコキシ基は、炭素原子数1〜6である。アルコキシ基はまた、例えば、アルカノイルオキシ基、アルケニル基、アルキル基、アルキルシリル基、アルキルスルホニル基、アルキルスルホキシ基、アルキルチオ基;アルキニル基、モノ−およびジ−アルキルアミノ基並びにモノ−およびジ−アリールアミノ基などのアミノ基、アミド基、アリール基、アリールアルキル基、カルボキシ基、カルボキシアルコキシ基、カルボキシアミド基、カルボキシレート基、ハロアルキル基、ハロゲン、ヒドロキシル基、ニトリル基、ニトロ基、ホスフェート基、シロキシ基、スルフェート基、スルホンアミド基、スルホニルオキシ基およびこれらの組み合わせなどの置換基を含んでもよい置換アルコキシ基をいう。アルコキシ基の好ましい例には、特に、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、シクロプロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシ、シクロブトキシ、ペントキシ、イソペントキシ、neo−ペントキシ、シクロペントキシ、ヘキソキシおよびシクロヘキソキシが挙げられる。
本明細書において使用する「アルキル基」は、直線状、分岐状または環状飽和炭化水素を意味する。好ましくは、アルキル基は、炭素原子1〜6個を有する。アルキル基は、例えば、アルカノイルオキシ基、アルケニル基、アルキル基、アルキルシリル基、アルキルスルホニル基、アルキルスルホキシ基、アルキルチオ基;アルキニル基、モノ−およびジ−アルキルアミノ基並びにモノ−およびジ−アリールアミノ基などのアミノ基、アミド基、アリール基、アリールアルキル基、カルボキシ基、カルボキシアルコキシ基、カルボキシアミド基、カルボキシレート基、ハロアルキル基、ハロゲン、ヒドロキシル基、ニトリル基、ニトロ基、ホスフェート基、シロキシ基、スルフェート基、スルホンアミド基、スルホニルオキシ基およびこれらの組み合わせなどの置換基を含んでもよい置換アルキル基もいう。好ましい置換基はアルコキシ基、ジ−アルキルアミノ基、ジ−アリールアミノ基などのアミノ基、カルボン酸含有基、ハロアルキル基、ハロゲン、ヒドロキシル基、ニトリル基、ニトロ基および硫酸基である。好ましいアルキル基の例には、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、シクロプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、シクロブチル、ペンチル、1−エチルプロピル、シクロペンチル、ヘキシルおよびシクロヘキシルが挙げられるが、これらに限定されない。
本明細書において使用する「アリール基」は、場合により置換されているフェニル基またはナフチル基を意味する。アリール基の置換基の例には、アルカノイルオキシ基、アルケニル基、アルコキシ基、アルキルシリル基、アルキルスルホニル基、アルキルスルホキシ基、アルキルチオ基;アルキニル基、モノ−およびジ−アルキルアミノ基並びにモノ−およびジ−アリールアミノ基などのアミノ基、アミド基、アリール基、アリールアルキル基、カルボキシ基、カルボキシアルコキシ基、カルボキシアミド基、カルボキシレート基、ハロアルキル基、ハロゲン、ヒドロキシル基、ニトリル基、ニトロ基、ホスフェート基、シロキシ基、スルフェート基、スルホンアミド基、スルホニルオキシ基およびこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。好ましい置換基はアルコキシ基、アルキル基、ジアルキルアミノ基およびジアリールアミノ基などのアミノ基、カルボン酸−含有基、ハロアルキル基、ハロゲン、ヒドロキシル基、ニトリル基、ニトロ基およびスルホン酸基である。
本明細書において使用する「アリールアルキル基」は、アルキル基に結合しているアリール基を意味する。アリールアルキル基の例はベンジル基である。
本明細書において使用する「基本的なバッカチン(baccatin)III構造」は、図6に示す式(式中、R1、R2、R4、R7、R10およびR13は各々、独立に、水素、アルキル基、アシル基、アリール基、アリールアルキル基、ビニル基、エーテル基、エステル基、グリコシド基、オキソ基またはヒドロキシル保護基である)を有する化合物を意味する。図7に示す構造式を有するバッカチンIIIおよび図8に示す構造式(式中、Acはアセチルまたはアセテート基 (CH3C(O)−)であり、Bzはベンゾイル基(PhC(O)−またはC65C(O)−)である)を有する10−デアセチルバッカチンIIIが、基本的なバッカチンIII構造の定義に含まれる。
本明細書において使用する「エステル基」は、エステル官能基、すなわち−C(O)−ORを有する直線状、分岐状または環状置換基を意味する。エステル基の例には、ヒドロキシル基に結合している、アセチル(actyl)およびベンゾイルなどのアシル基が挙げられる。
本明細書において使用する「エーテル基」は、エーテル官能基、すなわち−C−O−C−を有する直線状、分岐状または環状置換基を意味する。エーテル基の例には、HOCH2CH2OC(CH2OH)H−が挙げられるが、これに限定されない。
本明細書において使用する「グリコシド基」または「グリコシル基」は、酸素または窒素原子に結合している非−糖基を含有し、加水分解の結果グルコースなどの糖を生ずる数多くの糖誘導体のいずれかを意味する。好ましいグリコシル(gylcosyl)基の例はキシロシルである。
本明細書において使用する「ハロゲン」は、フッ素、塩素、臭素および/またはヨウ素を意味する。
本明細書において使用する「複素環基」は、環に炭素以外の原子、例えば、酸素、窒素または硫黄、を少なくとも1つ含有する飽和、不飽和または芳香族環状化合物である。複素環基の例には、2−フランなどのフリル、モルホリノ、ピペラジノ(piperadino)、ピペラジノ(piperazhno)、N−メチルピペラジノ(piperaziuo)、ピロリル、ピリジルおよびチオフェン(thiophenz)が挙げられる。
本明細書において使用する「オキソ−基」は、米国特許第5,356,928号に記載されているキシロシドなどのグリコシド基の酸化によって誘導される置換基を意味する。
本明細書において使用する「タキサンまたはタキサン分子」には、基本的なバッカチンIII構造のC−13位に位置するヒドロキシル基とエステルを形成する(2R,3S)−C65CH(Rx)CH(OH)C(O)−基を有する基本的なバッカチンIII構造を含有する分子が挙げられるが、これらに限定されない。Rxによって表される基は、アミノ基、アミノ基の塩(例えば、アンモニウム塩)、アミノ保護基で保護されているアミノ基またはアミノ基に変換することができる置換基であってもよい。基本的なバッカチンIII構造および(2R,3S)−C65CH(Rx)CH(OH)C(O)−基の種々の異性体、同族体および類似体もタキサン分子の定義に含まれる。また、10−デアセチルバッカチンIII構造もタキサン分子の範囲内であると考慮される。タキサンまたはタキサン分子の定義に含まれるものには、初代タキサン、例えば、タキソールA(パクリタキセル)、タキソールB(セファロマニン)、タキソールC,タキソールD、タキソールE、タキソールFおよびタキソールGが挙げられるが、これらに限定されない。さらに、タキサンまたはタキサン分子の定義はドセタキセル(TAXOTERE(登録商標))(例えば図5〜6を参照されたい)を含む。
本明細書において使用する「ビニル基」は、炭素−炭素二重結合を有する直線状または分岐状置換基を意味する。ビニル基の例には、1−メチル−1−プロペニル(CH3CH=C(CH3)−)および2−メチル−1−プロペニル((CH312C=CH-)が挙げられるが、これらに限定されない。
イチイは、タクスス(Taxus)種である数多くの木の名称であり、イチイ属(Taxus)はイチイ科(Taxaceae)のプレーンな属である。タキソールは、1962年初頭に、ワシントン州で採取されたタイヘイヨウイチイ(Pacific yew:Taxus Brevifolia)の樹皮から単離され、その後、1971年に、ヨーロッパイチイ(European yew:Taxus baccata)およびイチイ(Taxus cuspidata)(日本イチイ(Japaneses yew))を含む2つの他のタクスス種に存在すると報告された。徹底的な検討により、タキソールは、数多くの他のタクスス種および栽培品種に存在することがさらに報告された。これらには、タクスス・グロボーサ(Taxus globosa)(メキシコイチイ(Mexican yew))、タクスス・フロリダーナ(Taxus floridana)(フロリダイチイ(Florida yew))、カナダイチイ(Canadian yew:Taxus canadensis)、タクスス・ワリチアーナ(Taxus wallichiana)(ヒマラヤイチイ(Himalayan yew))、タクスス・ウンナネシス(Taxus yunnanensis)、チュウゴクイチイ(Taxus chinensis)およびメディアイチイ(Taxus media)栽培品種、例えば、メディアイチイ「デンシホルミス(Densiformis)」、メディアイチイ「ヒックシ(Hicksii)」、メディアイチイ「ブロンニ(Brownii)」、メディアイチイ「ダーク・グリーン・スプレダー(Dark Green Spreader)」、メディアイチイ「ランヤン(Runyan)」、メディアイチイ「ワージ(Wardii)」、メディアイチイ「タウトニ(Tautonii)」、セイヨウイチイ(T.euspidata)「カピタータ(Capitata)」等々の数多くの観賞用雑種も挙げられるが、これらに限定されない。本発明では、イチイ属抽出エキスまたは半合成反応混合物は、上記に記載する種および栽培品種を含むが、これらに限定されない任意のイチイ種から誘導してもよい。本発明に使用するための他のイチイ種は、Chadwick,L.C.およびKeen,R.A.1986年5月,“A study of the Genus Taxus”,Res. Bull. 1086,オハイオ農業研究開発センター(Ohio Agricultural Research and Development Center);Appendino,G.1995年、“The Phytochemistry of the Yew Tree”:Phytochemistry,Natural Products Reports 12(4):349〜360;野生動物相および植物相の絶滅危惧種の国際的な取引に関する会議:植物委員会の第11回議題(Convention On International Trade in Endangered Species of Wild Fauna and Flora:Eleventh mooting of the Plants Committee),LangKawi(マレーシア),2001年9月3〜7日、Document PC11 DOC.22−p.1,アメリカ合衆国;およびGreer,Schutzki,R.E.,Fernandez,A.およびHancock,T.F.Oct./Dec.1993.“Electrophoretic Characterization of Taxus Cultivars”:HortTechnology,3(4):430〜433に同定されている。これらの文献は各々全体に引用することにより本明細書の1部をなしている。
驚くべきことに、PBS樹脂を充填した順相液体クロマトグラフィーカラムによって、パクリタキセルおよびパクリタキソール類似体並びにそれらの同属種を含むタキサン化合物をイチイ種から高収率で単離および精製することができることをここで見出した。本発明の方法によって、パクリタキセルの数多くの類似体を、天然のバイオマス抽出エキスおよび半合成または全合成工程で得られる物質から単離することができる。
本発明の出発物質は、通常イチイ木と呼ばれる植物群から選択される植物物質であってもよい。この群の最も好適な植物はイチイ種である。イチイ種のうち、メディアイチイ栽培品種が特に好ましい。例えば、好ましい栽培品種には、メディアイチイ「ヒクシ」またはメディアイチイ「ダーク・グリーン・スプレダー」が挙げられるが、これらに限定されない。本発明においてイチイ木のある一部を使用することが便利であるが、タキソールおよびその天然の類似体は植物全体または木部、幹、根、葉(針状葉)、種子もしくはこれらの任意の組み合わせなどの別々の部分から抽出されてもよい。被抽出エキス質は、そのままでもまたは乾燥されてもよい。好ましくは、樹皮または針状葉を使用する。さらに、本発明の方法は、インビトロ培養技術を使用することによって得られる増殖植物細胞または培養上清からタキサンを精製するために使用することができる。さらに、本発明の方法は、クロマトグラフィー技法によって処理された混合物またはこのような技法によって処理されていない混合物からのタキサンの分離および精製に適用可能である。本発明の方法は、さらに、半合成または全合成手法で得られるタキサンの分離および精製に適用することができる。
本発明の一態様において、マトリックス(例えば、シリカ)に結合しているアミノ含有物質を、タキサンを含有する混合物から1種以上のタキサン化合物を分離または単離するために使用する。分離または精製されるこのような物質には、タキソールA、B、C、D、E、F、G、ドセタキセル、ノナタキセルが挙げられるが、これらに限定されない。マトリックスに結合しているそのようなアミノ含有物質の例には、PBS樹脂が挙げられるが、これらに限定されない。これらの樹脂は、典型的には、イオン−交換適用に使用され、従って、一般にイオン化可能な基を含有しないタキサンなどの中性分子を分離するのに有用であるとは期待されないと思われる。タキサン混合物を分離する選択性および分解能は、驚くべきことに、例えば、PBS樹脂を使用することによって増強される。例えば、PBS樹脂は、例えば、C18、C8およびポリスチレンジビニルベンゼンなどの逆相樹脂より高レベルまでより容易に装填される。例えば、PBS樹脂はまた、有利なことに、有機溶媒と共に使用される。
PBS樹脂は、種々の孔径および/または粒子径のシリカに結合したポリエチレンイミンポリマーから誘導することができる。シリカは、60〜300オングストローム単位の範囲の平均孔径を有する。好ましくは、シリカは約100〜300オングストローム単位の平均孔径を有し、さらに好ましくは約120オングストローム単位の平均孔径を有する。また、シリカは、約0.25〜約500ミクロンの範囲の平均粒子径を有してもよい。好ましくは、シリカは、約10〜120ミクロンの平均粒子径を有し、さらに好ましくは約20〜60ミクロンの平均粒子径を有し、最も好ましくは約40ミクロンの平均粒子径を有する。
本発明の好適なPBS樹脂はDEAMを含んでもよい。この樹脂は、J.T.Bakerから、CAS登録番号製品コード:7317、7471、7472、7473、「BAKERBOND(登録商標)DEAM クロマトグラフィーパッキング」の名称で購入することができる。別の好適なPBS樹脂にはPEIを挙げることができる。この樹脂も、J.T.Bakerから、CAS登録番号:126850−07−5、製品コード:7134、7180、7264、7368、7476および8179、「ポリエチレンイミン結合シリカゲル」の名称で購入することができる。
本発明の別の一実施態様において、マトリックス(例えば、PBS樹脂)に結合したアミノ含有物質は、例えば、PEIのように、非−誘導体化されていてもよい。本発明のクロマトグラフィー樹脂は、ポリエチレンイミン部分の一級および/または二級アミノ基が反応性部分と反応している誘導体化PBS樹脂を挙げることができるが、これに限定されない。本発明のPBS樹脂は、一般式:
Figure 0004482555
上記の構造は、例示にすぎず、限定する目的のものではない。PBS樹脂の構造は、多数の他の分岐パターンをとってもまたはシリカ粒子の表面への1つもしくは多数の結合部位を含んでもよい。また、R基には、H基、メチル基、アシル基、アルキル基、アリール基、アリールアルキル基、スルホニル基またはそれらの任意の組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
PEIポリマーのアミノ基は、アルキル化、アリール化もしくはアシル化または他の手段によって官能基化されてよい。アミノ基を官能基化することにより、樹脂は、選択性、分解能または他の望ましい特性が増強されうる。例えば、DEAMは官能基化PEIの具体的な例である。
本発明の樹脂は、イチイ属抽出エキスなどのバイオマス抽出エキスを含むが、これらに限定されないタキサン混合物からタキサンを単離または精製するために使用することができる。別の一実施態様において、本発明は、溶媒分配、遠心分離、ろ過、沈殿またはそれらの任意の組み合わせによって製造されるタキサン混合物(例えば、バイオマス抽出エキス)からタキサンを単離または精製するために使用することができる。本発明の樹脂はまた、タキサンが合成または半合成工程から製造されていないタキサンを含有する天然由来の混合物からタキサンを単離および/または精製するために使用することができる。さらに、本発明の樹脂は、半合成または全合成工程から得られるタキサンを含む混合物からタキサンを単離または精製するために使用することができる。
シリカ、アルミナ、C8、C18、ポリスチレンジビニルベンゼン等などの種々の形態のクロマトグラフィーは、イチイ属抽出エキスからタキソールAおよび他のタキサンを精製する際に有用であることが既知である。クロマトグラフィーに、溶媒分配および結晶化などの当業者に既知の他の方法を追加してもよい。PBS樹脂は、イチイ属抽出エキスからのタキソールAおよび他のタキサンの精製を簡単にするために、これらの他の技法と併用使用してもよい。例えば、本発明者らは、PBS樹脂は、タキソールB、N−メチルタキサン、タキサンシンナメート等からタキソールAを分離する際に特に有効であることを発見した。PBS樹脂はまた、イチイ属抽出エキス中に見られる他のタキサンから初代タキサン(図6を参照されたい)などの関連する群のタキサンを分離するためにも使用することができる。PBS樹脂は、望ましくない成分からタキサンを分離し、それによって混合物中のタキサン濃度を増加するために使用することができる。
別の一実施態様において、出発物質は、通常イチイと呼ばれる植物群から選択される植物物質を含んでもよい。この群の最も好適な植物はイチイ属の種である。本発明に使用する出発物質には、(1)半合成または全合成手法以外の手法で製造された1種以上のタキサンを含む任意の物質;(2)クロマトグラフィーで分取された1種以上のタキサンを含む任意の物質;(3)クロマトグラフィーで分取されない1種以上のタキサンを含む任意の物質;(4)溶媒分配、遠心分離、ろ過、沈殿もしくはこれらの任意の組み合わせによって分取される1種以上のタキサンを含む任意の物質;(5)イチイ属植物の1種以上のタキサンを含む任意の物質;または(6)タキサンがタイヘイヨウイチイだけから誘導されるのではない、1種以上のイチイ属植物からの1種以上のタキサンを含む任意の物質が挙げられるが、これらに限定されない。出発物質は、上記のパラメーターの任意の組み合わせによって分取される1種以上のタキサンを含む任意の物質を含んでもよい。タキサンを含有する物質(例えば、バイオマス抽出エキスまたは半合成もしくは全合成反応混合物)を調製する方法は当技術分野において公知である。
別の他の実施態様において、本発明は、タキサンを含有する混合物から1種以上のタキサンを単離する方法であって、(a)混合物をPBS樹脂で処理するステップであって、1種以上のタキサンは1種以上のイチイ属植物から誘導され、1種以上のタキサンはタイヘイヨウイチイだけから誘導されるのではないステップと、(b)溶離液で1種以上のタキサンをPBS樹脂から溶出するステップと、(c)溶出した1種以上のタキサンを回収するステップとを含む方法に関する。
別の実施態様において、本発明は、タキサンを含有する混合物から1種以上のタキサンを単離する方法であって、(a)25重量%未満または40重量%を超える初代タキサンを含む混合物をPBS樹脂で処理するステップと、(b)PBS樹脂から1種以上のタキサンを溶出するステップと、(c)溶出した1種以上のタキサンを回収するステップとを含む方法に関する。
別の実施態様において、本発明は、1種以上のタキサンを単離する方法に関しており、この方法は、(a)タキサンを含有する混合物をPBS樹脂で処理するステップであって、混合物が約25〜40重量%の初代タキサンを含み、1種以上のタキサンがタイヘイヨウイチイだけから誘導されるのではないステップと、(b)PBS樹脂から1種以上のタキサンを溶出するステップと、(c)溶出した1種以上のタキサンを回収するステップとを含む。
本発明の別の一実施態様において、出発物質は、タキソールA、B、C、D、E、FまたはGを含むが、これらに限定されない初代タキサンを約25重量%未満または約40重量%より多く含んでもよい。抽出エキス中の残りの物質は、夾雑物を含むが、これらに限定されない他の化合物を含んでもよい。出発物質中の初代タキサンの他の好適な量は、約0.5%〜1%、1%〜10%、10%〜15%、15%〜20%、20%〜25%、25%〜30%または30%〜35%または35%〜40%を含んでもよい。他の量は、約40%〜50%、50%〜60%、60%〜70%、70%〜80%、80%〜90%または90%〜100%を含んでもよい。
別の他の実施態様において、バイオマス抽出エキスはイチイ属植物から誘導される。さらに別の他の実施態様において、バイオマス抽出エキスは、タイヘイヨウイチイを除く任意のイチイ属植物から誘導される。さらに別の他の実施態様において、バイオマス抽出エキスは、タイヘイヨウイチイを除く任意のイチイ属植物から誘導され、タキソールA、B,C、D、E、FまたはGを含むが、これらに限定されない初代タキサンを約25重量%〜約40重量%含む。
別の実施態様において、本発明は、1種以上のイチイ属植物から誘導されるバイオマス抽出エキスから1種以上のタキサン化合物を精製する方法に関する。一実施態様において、バイオマス抽出エキスは、タイヘイヨウイチイを除く1種以上のイチイ属植物由来である。別の実施態様において、バイオマス抽出エキスは25重量%未満または40重量%より多い初代タキサンを含む。さらに別の実施態様において、バイオマス抽出エキスは初代タキサンを約25%〜約40%含み、バイオマス抽出エキスはタイヘイヨウイチイを除く1種以上のイチイ属植物から誘導される。
更に、他の一実施態様において、バイオマス抽出エキスは、約50%未満、40%未満、30%未満または20%未満、好ましくは10%未満、さらに好ましくは5%未満、最も好ましくは3%未満、2%未満、1%未満、0.5%未満または0.25%未満の量のイソブチルアルコールを含んでもよい。
本発明の方法は、バイオマス抽出エキスの純度を約10%〜20%、20%〜30%、30%〜40%、40%〜50%、50%〜60%、60%〜70%、70%〜80%、80%〜90%、90%〜100%、100%〜110%、110%〜120%、120%〜130%、130%〜140%、140%〜150%、150%〜200%、200%〜250%、250%〜300%、300%〜350%、350%〜400%、400%〜450%、450%〜500%、500%〜550%、550%〜600%、600%〜650%、650%〜700%、700%〜750%、750%〜800%、800%〜850%、850%〜900%、900%〜950%、950%〜1000%増加することができる。本明細書において使用する純度という用語は、乾燥した形態の物質またはバイオマス抽出エキス中に存在する1種以上のタキサン化合物の重量パーセントを意味する。
本発明の樹脂は、全体または一部が半合成または全合成工程で得られるタキサン混合物から1種以上のタキサンを精製するために使用することができる。他の一実施態様において、本発明の樹脂は、粗反応混合物から半合成タキソールAまたは他の半合成タキサンを精製するために使用することができる。ほとんどの合成反応は、多くの場合、望ましい生成物に構造的に密接に関連する副産物または未反応の出発物質を生成するので、このような生成物を精製する工程は非常に重要である。例えば、PBS樹脂は、多数の関連のある夾雑物および例えば、図10に示す構造的に関連のある化合物から、本明細書に記載する工程から生成される半合成タキソールAの精製を増強し、増幅することが示されている。
他の一実施態様において、本発明は、半合成または全合成工程で調製される物質から1種以上のタキサン化合物を精製することを含む。図1および2は、本発明の樹脂を使用する例示的で、限定するものではない半合成工程を示す。この工程は、2003年8月4日提出の出願番号PCT/US03/10556号、発明の名称「タキサン分子の変換(Conversion of Taxane Molecules)」および出願番号PCT/US03/24666号、「タキサンアミドをパクリタキセルまたは他のタキサンに変換するための方法および組成物(Methods and Compositions for Converting Taxane Amides to Paclitaxel or Other Taxanes)」に記載されている。上記の出願は各々全体に引用することにより本明細書の1部を構成している。
他の一実施態様において、このような物質は、約10重量%未満のC−2’ベンゾイル初代タキサンを含み、好ましくは約5重量%未満のC−2’ベンゾイル初代タキサンを含み、さらに好ましくは約3重量%未満のC−2’ベンゾイル初代タキサンを含み、最も好ましくは約1重量%未満のC−2’ベンゾイル初代タキサンを含む。別の他の実施態様において、タキサンを含有する物質は、約9%未満、8%未満、7%未満、6%未満、4%未満、2%未満、1%未満、0.5%未満、0.1%未満または0.01%未満を含む。タキサン夾雑物には、タキソールA、B、C、D、E、FまたはGのC−2’ベンゾエートが挙げられるが、これらに限定されない。タキサン夾雑物はまた、約10%未満、9%未満、8%未満、7%未満、6%未満、5%未満、4%未満、3%未満、2%未満、1%未満または0.5%未満のタキソールB、C、D、E、FまたはGのC−2’ベンゾエートを含んでもよい。本明細書において使用する重量パーセントという用語は、乾燥した固体形態のこのような物質中に存在する1種以上の化合物の割合を意味する。
他の一実施態様において、本発明は、半合成または全合成工程から得られるタキサン化合物を含む物質から1種以上のタキサンを単離する方法であって、(a)物質をPBS樹脂で処理するステップであって、半合成または全合成工程において反応体として使用される分子がタイヘイヨウイチイだけから誘導されるのではないステップと、(b)PBS樹脂から1種以上のタキサンを溶出するステップと、(c)溶出した1種以上のタキサンを回収するステップとを含む方法に関する。
別の実施態様において、本発明は、半合成または全合成工程から得られるタキサン化合物を含む物質から1種以上のタキサンを単離する方法に関しており、この方法は、(a)タキソールA、B、C、D、E、FもしくはG、またはこれらの組み合わせの2’ベンゾエートを約8重量%〜3重量%未満含む物質をPBS樹脂で処理するステップと、(b)1種以上のタキサンを溶出するステップと、(c)溶出した1種以上のタキサンを回収するステップとを含む。別の実施態様において、本発明は、タキサン分子のC−2’ヒドロキシル基をベンゾイル化するステップを除く工程から得られるタキサン化合物を含む物質から1種以上のタキサンを単離する方法に関する。
別の実施態様において、本発明は、半合成または全合成工程で得られるタキサン化合物を含む物質から1種以上のタキサンを単離する方法に関しており、この方法は、(a)物質をPBS樹脂で処理するステップであって、物質がタキソールB、C、D、E、FもしくはG、またはこれらの組み合わせの2’ベンゾエートを0.5重量%未満含むステップと、(b)1種以上のタキサンを溶出するステップと、(c)溶出した1種以上のタキサンを回収するステップとを含む。
別の他の実施態様において、本発明は、タキサン混合物を調製する方法に関する。本発明の方法は、半合成または全合成工程で得られる1種以上のタキサンを含む物質をPBS樹脂で処理するステップを含む。半合成工程に使用されるタキサンまたは他の化合物は1種以上のイチイ属植物またはタイヘイヨウイチイを除く1種以上のイチイ属植物から誘導される。別の実施態様において、タキサンを含有する物質は、タキソールA、B、C、D、E、FまたはGの2’ベンゾエートを3重量%未満含む。別の実施態様において、タキサンを含有する物質は、タキソールA、B、C、D、E、FまたはGのC−2’ベンゾエートを0.5%未満含む。
別の他の実施態様において、本発明によって処理される物質は、好ましくは10%未満、好ましくは5%未満、さらに好ましくは1%未満、最も好ましくは0.3%未満の量の安息香酸無水物、安息香酸および塩化ベンゾイルを含んでもよい。
半合成または全合成手法で得られる物質に関しては、これらの物質が本発明によって処理される場合には、結果として生ずる望ましい生成物は、純度が少なくとも70%であり、好ましくは少なくとも約80%であり、さらに好ましくは少なくとも約90%であり、最も好ましくは少なくとも約91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%である。
別の他の実施態様において、本発明によって処理される物質は、特に、分子量約1104のタキサン夾雑物および/または分子量約871のオキセタン環が開環したタキサンを含んでもよい。
本発明の工程は、物質中の特定のタキサンの純度を約10%〜20%、20%〜30%、30%〜40%、40%〜50%、50%〜60%、60%〜70%、70%〜80%、80%〜90%、90%〜100%、100%〜110%、110%〜120%、120%〜130%、130%〜140%、140%〜150%、150%〜200%、200%〜250%、250%〜300%、300%〜350%、350%〜400%、400%〜450%、450%〜500%、500%〜550%、550%〜600%、600%〜650%、650%〜700%、700%〜750%、750%〜800%、800%〜850%、850%〜900%、900%〜950%、950%〜1000%増加することができる。本明細書において使用する純度という用語は、乾燥した形態の物質中に存在する1種以上のタキサン化合物の重量パーセントを意味する。
本発明の一実施態様は、PBS樹脂を使用する、パクリタキセルを含むタキサン化合物の分取−スケールの分離に関係する。分取的分離は、バッチ、半−連続または連続モードで実施することができる。半−連続および連続モードは、疑似移動床法(SMB)式クロマトグラフィーの形態であってもよい。
別の実施態様において、本発明は、液体クロマトグラフィーによる分離を実施するためのPBS樹脂の使用を含む。このような一実施態様において、少量の酸または塩調整剤を液体クロマトグラフィー分離の移動相に使用する。移動相に使用する酸または塩調整剤には、酢酸、ギ酸、酢酸アンモニウムまたはギ酸アンモニウムを挙げることができるが、これらに限定されない。
PBS樹脂は順相モードで使用することができ、タキサンに対する独自の選択性を示す。標準タイプのクロマトグラフィーでは、C−18およびシリカの両方において、他のタキサンがパクリタキセルの前後に溶出することがある。PBS樹脂における順相クロマトグラフィーでは、構造的に類似しているほとんどの他のタキサンはパクリタキセルの前に溶出して、分取的分離を簡単にすることができる。最も一般的なタキサンのうち、10−デアセチルタキソールはPBS樹脂ではパクリタキセルの後に溶出する。好運なことに、10−デアセチルタキソールの保持時間がかなり長いことにより、分取系における分離が容易になる。10−デアセチルタキソールは半合成製造における顕著な副産物であり、イチイ属全種(Taxus spp)の天然抽出エキスにも通常に見られるので、これは重要である。
図10は、種々の媒体における保持時間の比較およびタキサン標準を示す。図10では、脚注1は、Phenomenex(商標)Synergi(商標)HYdro−RP,4mm(250×4.6mm)HPLCカラム:アセトニトリル/水濃度勾配溶出(40%〜60%ACN、45分間)、流速1.5ml/分である。脚注2は、Amicon Si−100−10sp(250×4.6mm)HPLCカラム:均一濃度溶離、60%酢酸エチル/40%ヘキサンおよび1.0ml/分である。脚注3は、J.T.Baker(登録商標)Wide−Pore PEI,5ミクロン(250×4.6mm)HPCCカラム:均一濃度溶離、80%酢酸エチル/20%ヘキサン(0.5%酢酸含有)、流速1.0ml/分である。脚注4は、J.T.Baker(登録商標)Wide Pore DEAM,5ミクロ(250×4.6mm)HPCCカラム:均一濃度溶離、酢酸エチル(0.5%酢酸含有)、流速1.0ml/分である。脚注5は、タキサン標準の混合物の1回注入の保持時間である。脚注6は、パクリタキセルと比較した保持時間である。脚注7は、1つのタキサン標準を3回注入した平均の時間である。
PET結合樹脂はタキサンに対する同様の選択性を示すが、一部のタキサンはパクリタキセルに近接して溶出する(例えば、10−デアセチル−7−epi−タキソール、図10を参照されたい)。DEAMなどの化学的に修飾した形態のPEIは、同じパターンの選択性を保持しており、近接して溶出するタキサンからのパクリタキセルの顕著な分離を示す。
PBS樹脂はタキサンに対する親和性が高い。図10からわかるように、約60%酢酸エチルと約40%ヘキサンの混合物は、妥当な時間でパクリタキセルをシリカから溶出するのに十分である。PEIは、強力な溶媒の混合物、例えば、約79.75%酢酸エチル、19.75%ヘキサンおよび0.5%酢酸を必要とする場合がある。パクリタキセルに対するDEAMの親和性はPEIより強力であり、約99.5%酢酸エチルと約0.5%酢酸の混合物をその移動相として必要とする。PEIおよびDEAMに使用する溶媒系が強力であるほど、多くのタキサンを溶解し、装填量を多くすることができる。
バリエーションとして、ポリエチレンイミン結合シリカ樹脂が、イチイ属抽出エキスまたは半合成もしくは全合成タキサン反応混合物などのタキサン混合物から、パクリタキセルを含む種々のタキサンを分離するために使用される。パクリタキセルを含む半合成タキサン混合物を製造するのに好適な方法および組成物は、2002年8月4日提出の出願番号第60/401,191号(’191出願);2003年4月5日提出のPCT/US03/10557号;発明の名称「本質的に環の塩素化のないベンゾイル化剤を使用して製薬学的化合物(例えば、パクリタキセルまたは他のタキサン)を製造する方法および組成物(Method and Compositions for Preparing a Pharmaceutical Compound(e.g.,Paclitaxel or other Taxanes) Using a Benzoylating Agent Essentially Free of Ring Chlorination)」の仮出願、2003年2月4日提出の米国特許出願第60/444,847号に記載されている。これらの出願は各々全体に引用することにより本明細書の1部を構成する。
他の一実施態様において、本発明の方法は以下のステップの1つ以上を含む:(i)適当量のPBS樹脂を全てカラムに充填するステップ;(ii)有機溶媒、好ましくは酢酸を含有するアセトンでカラムを平衡にするステップ;(iii)イチイ属抽出エキスの混合物または半合成もしくは全合成反応混合物をカラムに装填するステップ;(iv)有機溶媒、好ましくはアセトン/酢酸で混合物を溶出するステップ;(v)溶出液を1つ以上の分画に回収するステップ;(iv)1つ以上の分画中に所望のタキサンの存在を確認するステップ;および(iv)所望のタキサンを結晶化によって精製するステップ。
他の一実施態様によると、粗または半−精製抽出中に含有されるタキソールおよび他のタキサンを精製するために、タキサンを含有する物質に順相液体クロマトグラフィー(「NPLC」)が実施される。液体クロマトグラフィーによる分離および精製を実施するために、通常、充填剤(例えば、固定相または吸着剤)、溶離液(例えば、移動相)の組成、カラムの寸法および溶離液の流速を含む数種の変数を検討する。これらの変数は当業者に既知であるか、または必要以上の実験を行うことなく容易に決定することができる。
クロマトグラフィーカラムの寸法並びにクロマトグラフィー分離の温度、流速および時間は本発明の実施にとって重要ではなく、かつ当業者に既知であるか、または必要以上の実験を行うことなく容易に決定することができる効率的なクロマトグラフィーのための要件に主に基づいている。
他の一実施態様において、半合成パクリタキセルのクロマトグラフィーによる精製は、移動相として0.5%酢酸を含有する酢酸エチルを使用するDEAM樹脂(20μm球状、100Å)で実施することができる。分離の進行は、適切な吸光波長、好ましくは254nmおよび280nmにおけるUV吸光度によってモニターすることができる。パクリタキセルのピークを分画に回収する。ピークの上昇部分(ベースラインから頂点まで)を数分画、典型的には2または3分画、に回収することができる。これらの分画の最も早いものは7−epi−タキソールおよび10−デアセチル−7−epi−タキソール夾雑物のほとんどを含有する。ピークの残りの部分を1つ以上の分画に回収することができる。メタノールと0.5%酢酸を含有する酢酸エチルの50:50混合物の段階的−濃度勾配を使用して、10−デアセチルタキソールをカラムから溶出することができる。
他の一実施態様において、残りの夾雑物の段階的濃度勾配溶出は、操作を簡潔および容易にするために直線的濃度勾配の使用より好ましい。直線的濃度勾配を使用するためには、さらに複雑な装置セットが必要になる。事前−混合溶媒系を使用する段階的濃度勾配溶出は、移動相を供給する1つの弁をポンプに変更することによって実施することができる。別の他の実施態様において、少量のメタノールは、例えば、2−デベンゾイルタキサール(debenzoyltaxal)などの溶出の遅い夾雑物の溶出を速めるので移動相系へのメタノールの導入を遅延することが好ましい。
他の一実施態様において、本発明の液体クロマトグラフィーシステムは、有利には、分取モード(100mg量超)で使用される。分取カラムは、典型的には、径7mm〜300mmで、長さ10cm〜100cmである。クロマトグラフィー分野の当業者は、被精製物質の量に適切な床寸法のカラムを容易に選択することができる。移動相の流速は、カラムの寸法、樹脂の粒子径および孔径並びに所望のピーク分解能を含む種々の因子によって調節される。分取カラムの典型的な流速は10ml/分〜4 l/分の範囲であってもよい。
クロマトグラフィー分析に必要な時間は約10分〜約30時間の範囲である。クロマトグラフィー分離の温度は、典型的には、周囲温度においてであるが、これよりわずかに高い温度を使用することができる。
本発明によりクロマトグラフィー分離を実施する場合には、カラムは低圧(LPLC)から中圧(MPLC)モードまで、典型的には10〜500p.s.i.g.で操作することができる。また、高圧(HPLC)モード、典型的には500〜2000p.s.i.g.で実行してもよい。
別の実施態様において、イチイ属抽出エキス混合物または半合成もしくは全合成反応混合物は、カラムに装填する前に溶解してもよい。例えば、混合物は、有機溶媒を使用してまたは当業者に既知の手段によって溶解してもよい。好ましい有機溶媒混合物はアセトン/酢酸を含む。次いで、適切な量のPBS樹脂を充填したカラムに溶解した混合物を装填することができる。
本発明に有用な溶媒(溶離液)は、クロマトグラフィーの標準的な実施を参照することによって選択することができる。典型的には、アセトン、酢酸エチル、テトラヒドロフランまたはアセトニトリルなどの中程度に極性の有機溶媒を溶離液として使用することができる。炭素原子数1〜5の他のケトン、エーテルおよびエステルも使用することができる。溶離液の調整剤には、混合物が極性の強いタキサンを含有する場合には、低級アルコール、酢酸および水などの極性の強い溶媒、並びに混合物が極性の弱いタキサンを含有する場合には、アルカンおよびハロゲン化炭化水素などの極性の低い有機溶媒を挙げることができる。調整剤の割合は、被精製混合物の性質に応じて、0〜100%であってもよい。この割合は当業者が容易に決定することができる。
別の実施態様において、イチイ属抽出エキス混合物または粗反応混合物は、酢酸エチル/THFを含む有機溶媒に溶解して、タキサン溶液を形成することができる。タキサン溶液は、弱く加熱しながら撹拌し、次いで真空ろ過して、夾雑物および細片を除去することができる。
粗タキサン溶液は、有機溶媒、好ましくはEtOAc/THF溶液で希釈してもよい。適切な量のPBS樹脂を含有するカラムに溶液を注入および/または装填することができる。事前に、カラムを有機溶媒、好ましくはEtOAc/酢酸で平衡にすることができる。タキサン溶液をカラムに注入/装填してから、EtOAcをカラムに注入することができる。溶出した物質を多数の分画に回収することができる。メタノール/EtOAc混合溶媒を含む段階的濃度勾配を使用することができる。所望のタキサンがカラムから溶出され、次いで1つ以上の分画に集められる。洗浄ステップを使用してもよい。
段階的濃度勾配または連続的濃度勾配の濃度勾配溶媒系を使用することが有利である場合もある。濃度勾配の濃度限界は、(1)吸着剤からタキサンを溶出するのに必要な有機溶媒の濃度および(2)有機溶媒が、タキサンを溶出するのに必要な濃度で完全に混和し、単一相で存在するという要件によって決定される。例えば、最初に100%酢酸エチルを使用し、次いで単一段階、多段階または連続的濃度勾配様式で1〜10%メタノールに移行することができる。このシステムは、極性が実質的に異なる種々のタキサンを分離するために必要であることがあり、当業者によって容易に決定される。
1つ以上の分画中に所望のタキサンが存在するかどうかは、薄層クロマトグラフィー(TLC)、赤外(IR)分光法、核磁気共鳴(NMR)分光法、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)、逆相HPLCおよび質量分析法(MS)などの当技術分野において既知の分析技法を使用して検出することができる。
所望のタキサンがカラムから回収されたら、最終生成物のタキサン分子またはタキサン混合物の所望の純度に応じて、他のクロマトグラフィー方法または結晶化および/または1回以上の再結晶を使用してさらに精製することができる。結晶化および再結晶は、二成分または三成分溶媒系、すなわち少なくとも1種の可溶化溶媒および少なくとも1種の貧溶媒(anti−solvent)を使用して実施することができる。可溶化溶媒の例には、特に、アセトン、メチル−tert−ブチルエーテル、塩化メチレン、THF、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコールおよびアセトニトリルが挙げられる。貧溶媒の例には、ヘキサンおよびヘプタンなどの炭化水素溶媒並びに水が挙げられる。ほとんどの場合において、可溶化溶媒と貧溶媒は、使用する比において混和性である。タキサン分子に有用な溶媒系の例には、特に、アセトン/ヘキサンおよびメタノール/水が挙げられる。
図1および2は、本発明のPBS樹脂(例えば、DEAM)を使用する例示的な化学反応スキームを示す。具体的には、それは、タキサンアミドをパクリタキセルまたは他のタキサンに変換し、PBS樹脂を使用して反応生成物からタキサンを精製する半合成工程を示す。タキサンアミドをパクリタキセルまたは他のタキサンに変換する方法は、以前に本明細書に記載した特許出願に示されている。
本発明に好適な具体的なクロマトグラフィー技法および条件を記載したが、本発明によるタキサン誘導体の単離、分離および精製の好ましい実施態様を以下に記載する。
[実施例]
以下の実施例は例示目的のためだけに含まれており、本発明の範囲を、例えば、任意の特定のステップまたは成分に限定する意図のものではない。
この実施例は、半−精製メディアイチイ・デンシホルミス抽出エキスからタキソールA(パクリタキセル)およびタキソールB(セファロマニン)を精製する際のPEI樹脂の使用を示す。ここでは、75リットルカラムに24.5KgのJ.T.Baker PEI樹脂(粒子径40ミクロン、孔径275オングストローム、J.T.Baker Item#7264)を充填した。2カラム容量である150リットルの0.5%酢酸を含有するアセトンで流速3.2リットル/分で樹脂を平衡させた。次いで、半−精製イチイ属抽出エキスフィード(feed)を、アセトン1mL当り約250mgの濃度、流速0.5リットル/分でカラムに装填した。タキソールの濃度は、100グラムのPEI樹脂に対して2.5重量%または2.5グラムのフィード固体であった。フィード固体中のタキソールAおよびタキソールBの重量パーセントは10.8重量%であった。フィードは、0.5%酢酸を含有するアセトンで、流速3.2リットル/分(表面速度=4.4cm/分)で溶出した。合計10分画を回収した。分画1および分画10は各々75リットル(1カラム容量)であり、分画2〜9は各々19リットル(1/4カラム容量)であった。生成物分画2〜5はフィード中の総タキソールAおよびBの87.96%を含有し、生成物分画を合わせたものの重量パーセントは58.59重量パーセントであった。この生成物は、結晶化によるさらなる精製に十分な量であった。
この実施例は、半−精製タイヘイヨウイチイ抽出エキスに見られる夾雑物からタキソールA(パクリタキセル)、タキソールB(セファロマニン)およびタキソールCを精製する際のPEI樹脂の使用を示す。ここでは、半−精製タイヘイヨウイチイ抽出エキスの固体フィードを、0.6%酢酸を含有するアセトンに溶解した。この溶液を、J.T.Baker PEI樹脂(粒子径40ミクロン、孔径275オングストローム、J.T.Baker Item#7264)に装填した。フィードの装填量は、100グラムのPEI樹脂あたり3%すなわち3グラムのフィード固体であった。溶出溶媒は、0.6%酢酸を含有するアセトンであった。フィード成分がカラムから溶出されるとき、試料はカラム容量の約1/20ごとに回収された。これらの分画をHPLCで分析し、図3に示すようにデータをプロットした。この操業は、タキソールA、BおよびCからの夾雑物の分離を示す。
この実施例は、半合成の粗タキソールA(パクリタキセル)を精製する際のDEAM樹脂の使用を説明する。ここでは、半合成または全合成工程において反応体として使用する分子は、タイヘイヨウイチイを除くイチイ属植物から誘導した。この実施例では、使用した機器は、波長254nmに設定したHitachi L−7400 UV検出器を併用したNovaPrep 200 Preparative High Performance Liquid Chromatography Systemであった。これらの装置は共に、LC ReSponderコントローラソフトウェア−バージョン2.11.V(R&S Technology,Inc.)を実行するPCインタフェースに直接接続されている。
カラムは、以下の寸法:内径=5cm、長さ=25cm、容積=490,87cm3を有するLoad&Lock2”Preparative LCカラム(R&S Technologies,Inc./Varian)である。カラムに、ジエチルアミノメチル(DEAM)結合シリカゲル:球形、粒子径20ミクロン、平均孔径120オングストロームを充填する。カラムに、270gの樹脂を800psiに加圧して充填する。
発明の名称「タキサン分子の変換(Conversion of Taxane Molecules)」の米国出願番号PCT/US03/10557号に記載されている一級アミン変換化学により、合計7.1グラムの粗タキソールAを調製した。90%(容量)酢酸エチル/10%(容量)テトラヒドロフランを含む約35mLの溶媒を使用して粗タキソールを溶解した。弱く加熱しながら(〜35〜40℃)溶液を30分間撹拌した。透明な溶液を真空ろ過して、任意の小さい繊維または微粒子を除去してから注入した。ろ過後、溶液を目盛り付きシリンダーに移し、90:10EtOAc/THF溶液を使用して最終容量42.5mL(6倍希釈)まで希釈した。次いで、再混合して確実に均一にしてからサンプリングした。この操業の装填量は、100グラムのDEAM樹脂あたり2.625%すなわち2.625グラムのフィード固体であった。流速は90mL/分に設定した。カラムは、EtOAc+0.5%酢酸(v/v)からなる標準的な移動相で20分間平衡させた。20分経過時に、以前に調製した試料溶液の全容量をカラムに注入し、直後に20mLのEtOAcで注入ラインを洗浄した。以下の方法で分画を回収した(掲載されている時間は全て注入時−時間0からである):
Figure 0004482555
50:50メタノール/酢酸エチル洗浄溶媒移動相からなる50%ストップ濃度勾配を29分経過時(すなわち、注入時−時間0から)に開始した。これは合計20分実施し、この時点において分析は終了した。この洗浄ステップにより、タキソールAの後に溶出する10−デアセチルタキソールA化合物の溶出を速くすることができる。10−デアセチルタキソールAの溶出を示す吸光度の急激な増加をUV検出器が記録したらすぐに最後の分画回収弁(すなわち、分画5)を閉鎖した。全ての10デアセチルタキソールAは、上記条件下において10分以内にカラムからどっと流れる。しかし、カラムから任意の残存物質を確実に除去させるためおよび日常的な作業として、洗浄ステップは常にぴったり20分の長さとする。従って、注入時点から完全なカラム洗浄ステップまでの全操作は49分であった。分画1〜5の回収時点を示すクロマトグラムのトレースを図4に示す。
分画3、4および5は、その後の結晶化作業のためにパスプールにおいて合わせた。通過する分画の(HPLCによる)分画分析は合計5.835gのタキソールAを示す。全ての分画中の総タキソール量で割ると、回収率は98.18%であると算出される。カラムに注入する粗物質の純度は87.9重量%タキソールで、カラム精製後では、通過した分画を合わせたものの純度は98.71%面積(HPLCによる)タキソールAであった。
44リットルのカラムに、10kgのJ.T. baker PEI樹脂(粒子径40ミクロン、孔径275オングストローム)を充填した。3カラム容量である135リットルの酢酸エチル/0.5%酢酸含有ヘプタン(50v%/50v%)で、流速1.0リットル/分により樹脂を平衡させた。残りの分画の流速は1.0リットル/分に設定した。半−精製フィード(メディアイチイ「ランヤン」から誘導)を、酢酸エチル1mL当り250mgの濃度でカラムに装填した。フィードの初代タキサンの純度は57重量%である。第一に、最初の分画は、170リットルの酢酸エチル/0.5v%酢酸含有ヘプタン(50v%/50v%)であった。第二に、10リットルの酢酸エチル/0.5v%酢酸含有ヘプタン(50v%/50v%)の分画を3つ回収した。第三に、生成物の分画は90リットルの酢酸エチル/メタノール(90v%/10v%)であった。最後に、カラムを、45リットルの90v%/10v%酢酸エチル/メタノールで洗浄した。生成物プールは93.5重量%の初代タキサンを含有する。タキソールAおよびBの回収率は95%であった。
本発明が、具体的な成分を有する、備える、もしくは含むと記載されているか、または工程が、具体的な工程段階を有する、備える、もしくは含むと記載されている説明において、本発明は、又、引用されている成分または処理段階から本質的になる、または引用されている成分または処理段階からなることが考慮される。さらに、本発明が操作可能である限り、段階の順序または特定の行為を実施する順序は重要でないことが理解されるべきである。さらに、2つ以上の段階または行為は、本発明が操作可能である限り、同時に実施されてもよい。また、本発明が操作可能である限り、1つ以上の段階もしくは要素が特許請求の範囲に記載されている発明から省略されてもよく、または本明細書に記載されている本発明は、本明細書に具体的に開示されていない任意の成分もしくは段階が存在しない場合でも好適に実施することができる。
さらに、本発明は、本発明の精神または本質的な特徴から逸脱することなく、他の具体的な形態で具体化されてもよい。従って、上記の実施態様は、本明細書に記載されている本発明を限定するのではなく説明するものであると考えられるべきである。
本明細書において参照している特許および特許以外の文書の内容は各々、全体に引用することにより本明細書の1部をなす。
本発明のクロマトグラフィー樹脂を使用する例示的な化学反応スキームを示す。 本発明のクロマトグラフィー樹脂を使用する例示的な化学反応を示す。 本発明のPEI樹脂を使用したタキソールB、Cおよび他の不純物からのタキソールAの分離を示す。 本発明のDEAM樹脂を使用した他のタキサン副産物からの半合成タキソールAの分離を示す。 限定するものではないタキサン分子を示す。 限定するものではない例示的な化合物(「初代タキサン」)を示す。 限定するものではない例示的なタキサン分子を示す。 種々の媒体における保持時間とタキサン標準の比較を示す。

Claims (46)

  1. タキサンを含有する混合物から1種以上のタキサンを単離する方法であって、
    (a)上記タキサンを含有する混合物が、1種以上のイチイ属植物からの1種以上のタキサンを含み、上記1種以上のイチイ属植物が、タイヘイヨウイチイを含まない、上記タキサンを含有する混合物をクロマトグラフィー技法を用いて、シリカに結合したポリエチレンイミンポリマーとシリカに結合したジエチルアミノメチルのうち少なくとも1つを含むポリエチレンイミン−結合シリカクロマトグラフィー樹脂で処理するステップと、
    (b)上記1種以上のタキサンを溶離液で上記ポリエチレンイミン−結合シリカクロマトグラフィー樹脂から溶出するステップと、
    (c)溶出した1種以上のタキサンを回収するステップと
    を含む方法。
  2. タキサンを含有する混合物から1種以上のタキサンを単離する方法であって、
    (a)25重量%未満または40重量%を超えるタキソールA、タキソールB、タキソールC、タキソールD、タキソールE、タキソールF、またはタキソールGを含む上記タキサンを含有する混合物をクロマトグラフィー技法を用いて、シリカに結合したポリエチレンイミンポリマーとシリカに結合したジエチルアミノメチルのうち少なくとも1つを含むポリエチレンイミン−結合シリカクロマトグラフィー樹脂で処理するステップと、
    (b)上記ポリエチレンイミン−結合シリカクロマトグラフィー樹脂から上記1種以上のタキサンを溶出するステップと、
    (c)溶出した1種以上のタキサンを回収するステップと
    を含む方法。
  3. 1種以上のタキサンを単離する方法であって、
    (a)タキサンを含有する混合物をクロマトグラフィー技法を用いて、シリカに結合したポリエチレンイミンポリマーとシリカに結合したジエチルアミノメチルのうち少なくとも1つを含むポリエチレンイミン−結合シリカクロマトグラフィー樹脂で処理するステップであって、該タキサンを含有する混合物が25〜40重量%のタキソールA、タキソールB、タキソールC、タキソールD、タキソールE、タキソールF、またはタキソールGを含み、上記タキサンを含有する混合物1種以上のイチイ属植物からの1種以上のタキサンを含み、上記1種以上のイチイ属植物がタイヘイヨウイチイを含まないステップと、
    (b)上記ポリエチレンイミン−結合シリカクロマトグラフィー樹脂から1種以上のタキサンを溶出するステップと、
    (c)溶出した1種以上のタキサンを回収するステップと
    を含む方法。
  4. キサン化合物を含む物質から1種以上のタキサンを単離する方法であって、
    (a)上記タキサン化合物を含む物質をクロマトグラフィー技法を用いて、シリカに結合したポリエチレンイミンポリマーとシリカに結合したジエチルアミノメチルのうち少なくとも1つを含むポリエチレンイミン−結合シリカクロマトグラフィー樹脂で処理するステップであって、上記タキサン化合物を含む物質が半合成または全合成工程から合成された1種以上のタキサン化合物を含み、上記1種以上のタキサン化合物がタイヘイヨウイチイからのタキサンを含まないステップと、
    (b)ポリエチレンイミン−結合シリカクロマトグラフィー樹脂から1種以上のタキサンを溶出するステップと、
    (c)溶出した1種以上のタキサンを回収するステップと
    を含む方法。
  5. キサン化合物を含む物質から1種以上のタキサンを単離する方法であって、
    (a)上記タキサン化合物を含む物質をクロマトグラフィー技法を用いて、シリカに結合したポリエチレンイミンポリマーとシリカに結合したジエチルアミノメチルのうち少なくとも1つを含むポリエチレンイミン−結合シリカクロマトグラフィー樹脂で処理するステップであって、該タキサン化合物を含む物質が半合成または全合成工程から合成された1種以上のタキサン化合物を含み、該タキサン化合物を含む物質がC−2’ベンゾエートを有するタキソールA、B、C、D、E、FもしくはGそれぞれを8重量%未満含むステップと、
    (b)上記1種以上のタキサンを溶出するステップと、
    (c)溶出した1種以上のタキサンを回収するステップと
    を含む方法。
  6. キサン化合物を含む物質から1種以上のタキサンを単離する方法であって、
    (a)上記タキサン化合物を含む物質をクロマトグラフィー技法を用いて、シリカに結合したポリエチレンイミンポリマーとシリカに結合したジエチルアミノメチルのうち少なくとも1つを含むポリエチレンイミン−結合シリカクロマトグラフィー樹脂で処理するステップであって、該タキサン化合物を含む物質が半合成または全合成工程から合成された1種以上のタキサン化合物を含み、該タキサン化合物を含む物質がC−2’ベンゾエートを有するタキソールB、C、D、E、FもしくはGそれぞれを1.0重量%未満含むステップと、
    (b)上記1種以上のタキサンを溶出するステップと、
    (c)溶出した1種以上のタキサンを回収するステップと
    を含む方法。
  7. キサンを含有する混合物からタキソールAを単離する方法であって、
    (a)上記タキサンを含有する混合物をクロマトグラフィー技法を用いて、シリカに結合したポリエチレンイミンポリマーとシリカに結合したジエチルアミノメチルのうち少なくとも1つを含むポリエチレンイミン−結合シリカクロマトグラフィー樹脂で処理するステップであって、該タキサンを含有する混合物が天然に発生するタキサンを含み、該タキサンを含有する混合物が合成または半合成工程から合成されたタキサンを含まないステップと、
    (b)上記タキソールAを上記ポリエチレンイミン−結合シリカクロマトグラフィー樹脂から溶出するステップと、
    (c)溶出したタキソールAを回収するステップと
    を含む方法。
  8. バイオマス抽出エキスから1種以上のタキサンを精製する方法であって
    (a)上記バイオマス抽出エキスをクロマトグラフィー技法を用いて、シリカに結合したポリエチレンイミンポリマーとシリカに結合したジエチルアミノメチルのうち少なくとも1つを含むポリエチレンイミン−結合シリカクロマトグラフィー樹脂で処理するステップであって、該バイオマス抽出エキスがクロマトグラフィー技法によって処理されていないステップと、
    (b)ポリエチレンイミン−結合シリカクロマトグラフィー樹脂から1種以上のタキサンを溶出するステップと、
    (c)溶出した1種以上のタキサンを回収するステップと
    を含む方法。
  9. 上記タキサンを含有する物質が、メディアイチイ栽培品種からのタキサンを含むバイオマス抽出エキスを含む、請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
  10. 上記タキサンを含有する物質が、メディアイチイ「ヒックシ」からのタキサンを含むバイオマス抽出エキスを含む、請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
  11. 上記タキサンを含有する物質が、メディアイチイ「ダーク・グリーン・スプレダー」からのタキサンを含むバイオマス抽出エキスを含む、請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
  12. 上記タキサンを含有する物質が、ヨーロッパイチイからのタキサンを含むバイオマス抽出エキスを含む、請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
  13. 上記タキサンを含有する物質が、イチイからのタキサンを含むバイオマス抽出エキスを含む、請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
  14. 上記タキサンを含有する物質が、タクスス・フロリダーナからのタキサンを含むバイオマス抽出エキスを含む、請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
  15. 上記タキサンを含有する物質が、カナダイチイからのタキサンを含むバイオマス抽出エキスを含む、請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
  16. 上記タキサンを含有する物質が、タクスス・ワリチアーナからのタキサンを含むバイオマス抽出エキスを含む、請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
  17. 上記タキサンを含有する物質が、タクスス・ウンナネシスからのタキサンを含むバイオマス抽出エキスを含む、請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
  18. 上記タキサンを含有する物質が、チュウゴクイチイからのタキサンを含むバイオマス抽出エキスを含む、請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
  19. 上記タキサンを含有する物質が、メディアイチイ「デンシホルミス」からのタキサンを含むバイオマス抽出エキスを含む、請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
  20. 上記タキサンを含有する物質が、メディアイチイ「ブロンニ」からのタキサンを含むバイオマス抽出エキスを含む、請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
  21. 上記タキサンを含有する物質が、メディアイチイ「ヒックシ」からのタキサンを含むバイオマス抽出エキスを含む請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
  22. 上記タキサンを含有する物質が、メディアイチイ「ランヤン」からのタキサンを含むバイオマス抽出エキスを含む請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
  23. 上記タキサンを含有する物質が、メディアイチイ「ワージ」からのタキサンを含むバイオマス抽出エキスを含む請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
  24. 上記タキサンを含有する物質が、メディアイチイ「タウトニ」からのタキサンを含むバイオマス抽出エキスを含む請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
  25. 上記単離されるタキサンが、タキソールAである請求項4〜6のいずれかに記載の方法。
  26. 上記単離されるタキサンが、タキソールBである請求項4〜6のいずれかに記載の方法。
  27. 上記単離されるタキサンが、タキソールCである請求項4〜6のいずれかに記載の方法。
  28. 上記単離されるタキサンが、タキソールDである請求項4〜6のいずれかに記載の方法。
  29. 上記単離されるタキサンが、タキソールEである請求項4〜6のいずれかに記載の方法。
  30. 上記単離されるタキサンが、タキソールFである請求項4〜6のいずれかに記載の方法。
  31. 上記単離されるタキサンが、タキソールGである請求項4〜6のいずれかに記載の方法。
  32. 上記単離されるタキサンが、ドセタキセルである請求項4〜6のいずれかに記載の方法。
  33. 上記ポリエチレンイミン−結合シリカクロマトグラフィー樹脂が、60から300オングストローム単位までの範囲の平均孔径を有する請求項1〜8のいずれかに記載の方法。
  34. 上記ポリエチレンイミン−結合シリカクロマトグラフィー樹脂が、100から200オングストローム単位までの範囲の平均孔径を有する請求項1〜8のいずれかに記載の方法。
  35. 上記ポリエチレンイミン−結合シリカクロマトグラフィー樹脂が、120オングストローム単位の平均孔径を有する請求項1〜8のいずれかに記載の方法。
  36. 上記ポリエチレンイミン−結合シリカクロマトグラフィー樹脂が、0.25から500ミクロンまでの範囲の平均粒子径を有する請求項1〜8のいずれかに記載の方法。
  37. 上記ポリエチレンイミン−結合シリカクロマトグラフィー樹脂が、1から100ミクロンまでの範囲の平均粒子径を有する請求項1〜8のいずれかに記載の方法。
  38. 上記ポリエチレンイミン−結合シリカクロマトグラフィー樹脂が、10から120ミクロンまでの範囲の平均粒子径を有する請求項1〜8のいずれかに記載の方法。
  39. 上記ポリエチレンイミン−結合シリカクロマトグラフィー樹脂が、20から60ミクロンまでの平均粒子径を有する請求項1〜8のいずれかに記載の方法。
  40. 上記ポリエチレンイミン−結合シリカクロマトグラフィー樹脂が、40ミクロンの平均粒子径を有する請求項1〜8のいずれかに記載の方法。
  41. 上記ポリエチレンイミン−結合シリカクロマトグラフィー樹脂が、60から800オングストロームまでの範囲の平均孔径を有する請求項1〜8のいずれかに記載の方法。
  42. 上記ポリエチレンイミン−結合シリカクロマトグラフィー樹脂が、ポリエチレンイミン部分に一級または二級アミノ基を有する請求項1〜8のいずれかに記載の方法。
  43. 上記シリカに結合したポリエチレンイミンポリマーのアミノ基が官能基化されている請求項1〜8のいずれかに記載の方法。
  44. 上記溶出された1種以上のタキサンが、少なくとも70%の純度を有する請求項4〜6のいずれかに記載の方法。
  45. 上記溶出された1種以上のタキサンが、少なくとも80%の純度を有する請求項4〜6のいずれかに記載の方法。
  46. 上記溶出された1種以上のタキサンが、少なくとも90%の純度を有する請求項4〜6のいずれかに記載の方法。
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