JP4482511B2 - アルミニウム基複合材の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、アルミニウム基複合材の製造方法に関するものである。
セラミックス製の多孔質成形体に溶解したアルミニウム合金を浸透させる方法が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
特開2002−30361公報(第7頁、図5)
特許文献1を次図に基づいて説明する。
図8(a),(b)は、従来の技術の基本構成を説明する図であり、従来のアルミニウム基複合材の製造方法を簡単に説明する。
ST01:多孔質成形体101、多孔性仕切り体102及びアルミニウム合金103を準備する。
ST02:坩堝104内に順に多孔質成形体101、多孔性仕切り体102及びアルミニウム合金103を載せ、坩堝104を炉105内に置く。
ST03:炉内を加熱しながら、窒化マグネシウム雰囲気下で多孔質成形体を還元し、その後、炉内を減圧する。
ST04:加熱、減圧状態でアルミニウム合金を溶かし、多孔性仕切り体102上に溜める(図8の状態)。
ST05:溶解アルミニウム合金106の上面を加圧し、多孔性仕切り体102を強制的に通過させて、多孔質成形体101に浸透させる。溶解アルミニウム合金106が凝固し、アルミニウム基複合材が完成する。
しかし、特許文献1のアルミニウム基複合材の製造方法では、完成したアルミニウム基複合材101の底の中央部の深層部107に空孔108を生じることがあった。すなわち、加圧により溶解アルミニウム合金106は多孔性仕切り体101の多孔を通過するが、同時に、多孔性仕切り体101の外周部と坩堝104との間に形成される隙間からも浸透する。この隙間からの浸透は多孔性仕切り体101の多孔の浸透より優先され、多孔質成形体101の外周部の表層部からの浸透が先行し、底の深層部107に浸透不足や気体の残りで起きる空孔108を生じることがあった。
また、多孔質成形体101の大きさや多孔質成形体101の深層の温度等、複合的な要因で、空孔108の大きさが大きくなることもあり、空孔位置は高さが高くなることもあり、歩留りの向上を図り難かった。
本発明は、浸透不足や気体の残りで生じる空孔の大きさを小さくし、空孔位置のばらつきを極めて小さくして歩留りの向上を図るアルミニウム基複合材の製造方法を提供することを課題とする。
請求項1に係る発明では、容器に順に、マグネシウムを含有したセラミックス製の多孔質成形体、多孔性仕切り体及びアルミニウム合金を重ね容器を炉内に収める第1工程と、炉内を昇温して、窒素ガスを供給し窒素ガスの雰囲気下にして、窒化マグネシウムを生成し、窒化マグネシウムの作用で多孔質成形体を還元し、炉内を減圧する第2工程と、還元後、減圧状態でアルミニウム合金を溶かして多孔性仕切り体上に溜め、次に、炉内を加圧することで溶解アルミニウム合金の上面を加圧して多孔性仕切り体を強制的に通過させることで、容器と多孔性仕切り体の上面を封じる溶解アルミニウム合金により囲まれ炉内と連通していない減圧状態の多孔質成形体に浸透させる第3工程と、を備えたアルミニウム基複合材の製造方法において、第1工程では、多孔性仕切り体は、容器との隙間を、0を超え2mm未満に設定するとともに、中央に開口部を容器の断面積の3%〜20%の範囲となる面積で開けた円環多孔性仕切り体であり、第3工程では、円環多孔性仕切り体の多孔を通過させるとともに、開口部を通過させることを特徴とする。
請求項2に係る発明では、容器に順にセラミックス製の多孔質成形体、多孔性仕切り体及びアルミニウム合金を重ね容器を炉内に収めるとともに炉内の容器の隣にマグネシウムを入れた第2の容器を置く第1工程と、炉内を昇温して、窒素ガスを供給し窒素ガスの雰囲気下にして、窒化マグネシウムを生成し、窒化マグネシウムの作用で多孔質成形体を還元し、炉内を減圧する第2工程と、還元後、減圧状態でアルミニウム合金を溶かして多孔性仕切り体上に溜め、次に、炉内を加圧することで溶解アルミニウム合金の上面を加圧して多孔性仕切り体を強制的に通過させることで、容器と多孔性仕切り体の上面を封じる溶解アルミニウム合金により囲まれ炉内と連通していない減圧状態の多孔質成形体に浸透させる第3工程と、を備えたアルミニウム基複合材の製造方法において、第1工程では、多孔性仕切り体は、容器との隙間を、0を超え2mm未満に設定するとともに、中央に開口部を容器の断面積の3%〜20%の範囲となる面積で開けた円環多孔性仕切り体であり、第3工程では、円環多孔性仕切り体の多孔を通過させるとともに、開口部を通過させることを特徴とする。
請求項1に係る発明の第1工程では、多孔性仕切り体は、容器との隙間を、0を超え2mm未満に設定するとともに、中央に開口部を容器の断面積の3%〜20%の範囲となる面積で開けた円環多孔性仕切り体である。
隙間を0にすると、容器(坩堝)に円環多孔性仕切り体が干渉して入らない。
隙間が2mm以上では、多孔質成形体の深層部に浸透する速度に比べ、容器に沿うように多孔質成形体の表層部に浸透する速度は速くなり過ぎ、底の中央部の深層部に浸透不足や気体の残りが起きる。
このように、容器との隙間を、0を超え2mm未満に設定することで、容器に沿うように多孔質成形体の表層部に浸透する速度を抑え、表層部と深層部との間に生じる浸透の速度のばらつきを小さくすることができ、底の中央部の深層部に溶解アルミニウム合金を浸透させることができる。
3%未満では、開口部を開けないものと比べ、浸透の状態に顕著な差はない。また、浸透させる時間が長くなり、生産効率が低下する。
20%を超えると、多孔質成形体の深層部に浸透する速度は速くなり過ぎ、浸透不足の多くは多孔質成形体の中央付近(底から約0.3×Lの位置)の表面に発生する。これは、開口部から底まで浸透した後、外方に分散し、さらに上昇したところ(底から約0.3×Lの位置)で合流するためと考えられる。
このように、中央に開口部を容器の断面積の3%〜20%の範囲となる面積で開けることで、容器に沿うように多孔質成形体の表層部に浸透する速度に比べ、多孔質成形体の深層部に浸透する速度を速くして、先行させて多孔質成形体の底の深層部に確実に浸透させることができ、底の深層部に空孔が発生しないという利点がある。
また、中央に浸透する溶解アルミニウム合金の先端部が先行して底の中央部に到達した直後に、円環多孔性仕切り体の多孔を通過した溶解アルミニウム合金が多孔質成形体の表層部に浸透して底に達する。その結果、最後に浸透が終わる部位は底の表面となり、浸透不足や気体の残りが生じるときは、底の表面に生じる。
従って、浸透不足や気体の残りで生じる空孔の大きさを小さくし、空孔位置のばらつきを極めて小さくして歩留りの向上を図ることができるという利点がある。
請求項2に係る発明の第1工程では、多孔性仕切り体は、容器との隙間を、0を超え2mm未満に設定することで、底の中央部の深層部に溶解アルミニウム合金を浸透させることができる。
多孔性仕切り体は、中央に開口部を容器の断面積の3%〜20%の範囲となる面積で開けることで、底の深層部に空孔が発生しないという利点がある。
従って、浸透不足や気体の残りで生じる空孔の大きさを小さくし、空孔位置のばらつきを極めて小さくして歩留りの向上を図ることができるという利点がある。
本発明を実施するための最良の形態を添付図に基づいて以下に説明する。
図1は、本発明のアルミニウム基複合材の製造方法のフローチャートであり、ST××はステップ番号を示す。
第1工程では、ST01,ST02を実施する。
第2工程では、ST03,ST04を実施する。
第3工程では、ST05を実施する。
ST01:多孔質成形体11、円環多孔性仕切り体12及びアルミニウム合金13を準備する。
ST02:容器であるところの坩堝14内に順に多孔質成形体11、円環多孔性仕切り体12及びアルミニウム合金13を載せ、坩堝14を炉31内に置く。
ST03:炉31内を加熱しながら、窒化マグネシウム41雰囲気下で多孔質成形体11を還元し、その後、炉31内を減圧する。
ST04:加熱、減圧状態でアルミニウム合金13を溶かし、円環多孔性仕切り体12上に溜める。
ST05:溶解アルミニウム合金17の上面を加圧し、円環多孔性仕切り体12を強制的に通過させて、多孔質成形体11に浸透させる。溶解アルミニウム合金17が凝固し、アルミニウム基複合材18(図7(b)参照)が完成する。
次に、ST01〜ST05を具体的に説明する。
図2は、本発明のアルミニウム基複合材の製造方法で実施する第1工程を説明する第1図である。
まず、素材である多孔質成形体11、円環多孔性仕切り体12及びアルミニウム合金13を準備する。
坩堝14は、内径をdpに設定し、内径dpの面積をApとする。
「容器の断面積」とは、内径dpの面積Apである。
多孔質成形体11は、多孔質アルミナ(Al)にマグネシウム(Mg)を、例えば、3重量%含有させたものである。また、長さ(高さ)をL、外径をDに設定した。外径Dは、坩堝14の内径dpよりわずかに小さく、例えば、D=dp(坩堝の内径)−3とする。19(図3(a)も参照)は表層部、21(図3(a)も参照)は深層部を示す。
なお、ここでは、多孔質成形体11を用いたが、多孔質成形体11に限定しない。例えば、坩堝14に酸化物系セラミックスからなる粉末を入れてもよい。粉末は、アルミナ(Al)とマグネシウム(Mg)を混合した混合粉である。つまり、成形したものでもよく、単純に粉末(混合粉)を坩堝14に内に充填してもよい。
さらに、粉末は、アルミナ(Al)のみでもよい。アルミナ(Al)のみを坩堝14に内に充填した場合には、マグネシウム(Mg)を入れた容器を炉内の坩堝14の隣に置く。
円環多孔性仕切り体12は、容器(坩堝)14との隙間S(図3(b)参照)を、0を超え2mm未満に設定するとともに、中央に開口部22を、容器(坩堝)14の断面積Apの3%〜20%の範囲となる面積Ahで開けたものである。23は外周部、Dsは外周部23の径(円環多孔性仕切り体12の外径)、dsは開口部22の直径を示す。
開口部22は、円環多孔性仕切り体12と同心で、溶解アルミニウム合金17を直接通す。
開口部22の面積Ahは、既に述べたように、Ah=0.03〜0.2×Apである。
円環多孔性仕切り体12の材質は、多孔質成形体11とほぼ同等である。
アルミニウム合金13は、例えば、Al−Mg−Si系合金の一種であるJIS−A6061(以下、A6061と略記する。)である。
図3(a)〜(c)は、本発明のアルミニウム基複合材の製造方法で実施する第1工程を説明する第2図である。(b)は(a)のb部詳細図である。
(a):引き続き、坩堝14に多孔質成形体11を入れ、この多孔質成形体11の上に円環多孔性仕切り体12を載せ、この円環多孔性仕切り体12の中央にアルミニウム合金13を載せる。
(b):多孔質成形体11の上に円環多孔性仕切り体12を載せたとき、坩堝14の内周面24と円環多孔性仕切り体12の外周部23との間に隙間Sをほぼ均一に形成する。
なお、隙間S(0を超え2mm未満)は、坩堝14の温度が常温で、円環多孔性仕切り体12の温度が常温のときである。
(c):その次に、素材を入れた坩堝14をアルミニウム基複合材製造装置30の雰囲気炉31内に置く。アルミニウム基複合材製造装置30は、雰囲気炉31と、この雰囲気炉31にガスを供給するアルゴンガス供給手段32及び窒素ガス供給手段33と、雰囲気炉31内を減圧する真空ポンプ34と、を備えたものである。ここで、減圧とは、大気圧より低い圧力を意味する。
この坩堝14を置いた雰囲気炉31内の空気を真空ポンプ34で真空引きし、一定の真空度に達したら、真空ポンプ34を止め、アルゴンガス供給手段32から雰囲気炉31へアルゴンガス(Ar)36を矢印a1の如く供給する。そして、雰囲気炉31内を所望の大気圧以上の圧力に設定する。図面では、白抜き矢印が図面下方に向いて雰囲気炉31内の圧力が大気圧より高いことを示す。引き続いて、雰囲気炉31内を加熱コイル37で矢印a2の如く加熱する。
図4(a),(b)は、本発明のアルミニウム基複合材の製造方法で実施する第2工程を説明する図である。
(a):雰囲気炉31内を昇温し、多孔質成形体11に含有したマグネシウム38を矢印a3の如く蒸発させる。そして、真空ポンプ34でアルゴンガス36を抜きながら窒素ガス(N)39を窒素ガス供給手段33で流し込み、雰囲気炉31に窒素ガス39を矢印a4の如く供給しつつ、大気圧以上に加圧し、窒素ガス39に置換する。
雰囲気炉31内が窒素ガス39の雰囲気になると、窒素ガス(N)39は蒸発したマグネシウム(Mg)38と反応して窒化マグネシウム(Mg)41を生成する。この窒化マグネシウム41は多孔質成形体11のアルミナ(Al)、及び円環多孔性仕切り体12のアルミナ(Al)を還元するので、アルミナは濡れ性がよくなる。
(b):アルミナを還元後、窒素ガスの供給を停止し、雰囲気炉31内の気体を真空ポンプ34で真空引きし、所定の真空度にする。その際、多孔質成形体11の気孔内の気体、及び円環多孔性仕切り体12の気孔内の気体は矢印a5の如く吸引され、真空度は雰囲気炉31内と同様となる。図面では、白抜き矢印が図面上方に向いて雰囲気炉31内及び多孔質成形体11内の圧力が大気圧より低いことを示す。
図5(a),(b)は、本発明のアルミニウム基複合材の製造方法で実施する第3工程を説明する第1図である。
(a):所定の真空度に達した後、アルミニウム合金13の温度は溶解が始まる温度に至り、溶解アルミニウム合金17が円環多孔性仕切り体12の上面及び開口部22内に溜まり始め、溶解アルミニウム合金17は上面を封じる。
この場合、円環多孔性仕切り体12は多孔質なので、重力作用では溶解アルミニウム合金17をほとんど通さない。中央の開口部22からわずかに多孔質成形体11に浸透が始まる。
(b):アルミニウム合金が全て溶解し、溶解アルミニウム合金17を得るとともに、溶解アルミニウム合金17が円環多孔性仕切り体12上に溜まる。溶解が完了すると、再び溶解アルミニウム合金17の温度は上昇を始めるので、所定の上限の温度(例えば、900℃)で保持する。
図6(a),(b)は、本発明のアルミニウム基複合材の製造方法で実施する第3工程を説明する第2図である。
(a):温度を保持しつつ、雰囲気炉31にアルゴンガス36をアルゴンガス供給手段32で矢印a6の如く供給する。そして、雰囲気炉31内の圧力を所望の圧力まで上げ、保持する。図面では、雰囲気炉31内の白抜き矢印のみが図面下方に向いて大気圧より高いことを示し、一方、多孔質成形体11内の白抜き矢印が図面上方に向いて大気圧より低いことを示す。
アルゴンガス36で雰囲気炉31内を加圧すると、溶解アルミニウム合金17の上面が押され、溶解アルミニウム合金17は円環多孔性仕切り体12を通過し始める。このとき、一方の多孔質成形体11は真空であり、この真空によって、溶解アルミニウム合金17は円環多孔性仕切り体12に引き込まれるから、押し込みの抵抗を小さくすることができる。
(b):溶解アルミニウム合金17の上面を加圧して円環多孔性仕切り体12を強制的に通過させることで、減圧状態の多孔質成形体11に溶解アルミニウム合金17を浸透させる。
円環多孔性仕切り体12を設けることで、アルミニウム合金13(図3参照)が全て溶解するまで多孔質成形体11への浸透を一旦止め、所定量の溶解アルミニウム合金17を確保する。その結果、加圧によって所定量の溶解アルミニウム合金17を均等に多孔質成形体11に浸透させることができる。
また、円環多孔性仕切り体12を設けることで、アルミニウム合金13(図3参照)が全て溶解するまで多孔質成形体11への浸透を一旦止め、浸透しやすい気孔のみから集中して浸透するのを防止する。その後、溶解アルミニウム合金17の上面を加圧して円環多孔性仕切り体12を強制的に通過させるとともに中央の開口部22を通して、減圧状態の多孔質成形体11に浸透させる。
その際、中央の開口部22から直接多孔質成形体11の中央に浸透を始め、深層部21に浸透する溶解アルミニウム合金17の先端部43は矢印a7のように先行して底44の中央部45に到達する。
一方、円環多孔性仕切り体12の外周部23(図3(b)参照)と坩堝14との隙間S(図3(b)参照)に溶解アルミニウム合金17はほとんど流入しない。
その結果、底44の中央部45の深層部21に溶解アルミニウム合金17を確実に浸透させることができ、底44の中央部45の深層部21に、浸透不足や気体の残りで生じる空孔47(図7参照)が発生しない。
また、中央に浸透する溶解アルミニウム合金17の先端部43が印a7のように先行して底44の中央部45に到達した直後に、円環多孔性仕切り体12の多孔を通過した溶解アルミニウム合金17が多孔質成形体11の周の表層部19を矢印a8,a8のように少し遅れて浸透して底44に達する。その結果、最後に浸透が終わる部位は底44の表面となり、浸透不足や気体の残りが生じるときは、底44の表面に生じる(図7(a)の空孔47参照)。従って、浸透不足や気体の残りで生じる空孔47・・・(図7参照)の大きさを小さくし、空孔位置のばらつきを極めて小さくして歩留りの向上を図ることができる。
このように、第1工程では、円環多孔性仕切り体12は、容器(坩堝)14との隙間S(図3(b)参照)を、0を超え2mm未満に設定するとともに、中央に開口部22を容器(坩堝)14の断面積Apの3%〜20%の範囲となる面積で開けたものなので、下流の工程で、浸透不足や気体の残りで生じる空孔47・・・(図7参照)の大きさを小さくし、空孔位置のばらつきを極めて小さくして歩留りの向上を図ることができる。
隙間Sを0にすると、容器(坩堝)14に円環多孔性仕切り体12が干渉して入らない。
隙間Sが2mm以上では、隙間Sに溶解アルミニウム合金17が流入し、多孔質成形体11の周の表層部19に浸透する速度は速くなる。逆に、深層部21への浸透が遅れる状態となり、底44の中央部45の深層部21に浸透不足や気体の残りが起きる。
開口部22の面積Ahの範囲を説明する。
3%未満では、開口部22を開けないものと比べ、浸透の状態に顕著な差はない。また、浸透させる時間が長くなり、生産効率が低下する。
20%を超えると、多孔質成形体11の深層部21に浸透する速度は速くなり過ぎ、浸透不足の多くは多孔質成形体11の長手方向の中央付近(底44から約0.3×Lの位置)の表面に発生する。これは、開口部22から底44まで浸透した後、外方に分散し、さらに上昇したところ(底44から約0.3×Lの位置)で合流するためと考えられる。
図7(a),(b)は、本発明のアルミニウム基複合材の製造方法で実施する第3工程を説明する第3図である。図6を併用して説明する。
(a):溶解アルミニウム合金17が多孔質成形体11の全体に浸透する。
前述したように、深層部21に浸透する溶解アルミニウム合金17の先端部43(図6(b)参照)が印a7のように先行して底44の中央部45に到達した直後に、円環多孔性仕切り体12の多孔を通過した溶解アルミニウム合金17が多孔質成形体11の周の表層部19を矢印a8,a8のように浸透した溶解アルミニウム合金17が底44に達する。その結果、最後に浸透が終わる部位は底44の表面となり、浸透不足や気体の残りが生じるときは、底44の表面に空孔47・・・となって生じる。
(b):溶解アルミニウム合金が凝固し、アルミニウム基複合材18が完成する。
なお、第3工程より下流の工程で、底44の表面に生じた空孔47・・・を取り除くように切断する。つまり、切断する長さを、常に短くすることができ、歩留りは向上する。
このように、第3工程では、円環多孔性仕切り体12の多孔を通過させるとともに、開口部22を通過させるので、浸透不足や気体の残りで生じる空孔47・・・の大きさを小さくし、空孔位置のばらつきを極めて小さくして、歩留りの向上を図ることができる。
また、アルミニウム基複合材の製造方法では、開口部22のない場合と比べ、溶解アルミニウム合金17の浸透する速度を速めることができ、生産効率を高めることができる。
本発明のアルミニウム基複合材の製造方法は、アルミニウムの複合材を製造するのに好適である。
本発明のアルミニウム基複合材の製造方法のフローチャート 本発明のアルミニウム基複合材の製造方法で実施する第1工程を説明する第1図 本発明のアルミニウム基複合材の製造方法で実施する第1工程を説明する第2図 本発明のアルミニウム基複合材の製造方法で実施する第2工程を説明する図 本発明のアルミニウム基複合材の製造方法で実施する第3工程を説明する第1図 本発明のアルミニウム基複合材の製造方法で実施する第3工程を説明する第2図 本発明のアルミニウム基複合材の製造方法で実施する第3工程を説明する第3図 従来の技術の基本構成を説明する図
符号の説明
11…多孔質成形体、12…円環多孔性仕切り体、13…アルミニウム合金、14…容器(坩堝)、15…炉、17…溶解したアルミニウム合金(溶解アルミニウム合金)、21…開口部、38…マグネシウム、Ap…容器の断面積、S…容器との隙間。

Claims (2)

  1. 容器に順に、マグネシウムを含有しセラミックス製の多孔質成形体、多孔性仕切り体及びアルミニウム合金を重ね容器を炉内に収める第1工程と、
    炉内を昇温して、窒素ガスを供給し窒素ガスの雰囲気下にして、窒化マグネシウムを生成し、該窒化マグネシウムの作用で前記多孔質成形体を還元し、前記炉内を減圧する第2工程と、
    還元後、減圧状態で前記アルミニウム合金を溶かして前記多孔性仕切り体上に溜め、次に、炉内を加圧することで溶解アルミニウム合金の上面を加圧して前記多孔性仕切り体を強制的に通過させることで、前記容器と多孔性仕切り体の上面を封じる前記溶解アルミニウム合金により囲まれ炉内と連通していない減圧状態の前記多孔質成形体に浸透させる第3工程と、を備えたアルミニウム基複合材の製造方法において、
    前記第1工程では、多孔性仕切り体は、容器との隙間を、0を超え2mm未満に設定するとともに、中央に開口部を容器の断面積の3%〜20%の範囲となる面積で開けた円環多孔性仕切り体であり、
    前記第3工程では、前記円環多孔性仕切り体の多孔を通過させるとともに、開口部を通過させることを特徴とするアルミニウム基複合材の製造方法。
  2. 容器に順にセラミックス製の多孔質成形体、多孔性仕切り体及びアルミニウム合金を重ね容器を炉内に収めるとともに前記炉内の前記容器の隣にマグネシウムを入れた第2の容器を置く第1工程と、
    炉内を昇温して、窒素ガスを供給し窒素ガスの雰囲気下にして、窒化マグネシウムを生成し、該窒化マグネシウムの作用で前記多孔質成形体を還元し、前記炉内を減圧する第2工程と、
    還元後、減圧状態で前記アルミニウム合金を溶かして前記多孔性仕切り体上に溜め、次に、炉内を加圧することで溶解アルミニウム合金の上面を加圧して前記多孔性仕切り体を強制的に通過させることで、前記容器と多孔性仕切り体の上面を封じる前記溶解アルミニウム合金により囲まれ炉内と連通していない減圧状態の前記多孔質成形体に浸透させる第3工程と、を備えたアルミニウム基複合材の製造方法において、
    前記第1工程では、多孔性仕切り体は、容器との隙間を、0を超え2mm未満に設定するとともに、中央に開口部を容器の断面積の3%〜20%の範囲となる面積で開けた円環多孔性仕切り体であり、
    前記第3工程では、前記円環多孔性仕切り体の多孔を通過させるとともに、開口部を通過させることを特徴とするアルミニウム基複合材の製造方法。
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