JP2009050915A - 複合部材およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 多孔質セラミックス体への金属浸透時に多孔質セラミックス体が破損することを防ぐことができ、多孔質セラミックス体内にも確実に金属を浸透させることができる複合部材の製造方法を提供する。
【解決手段】 減圧下において多孔質セラミックス体30の空隙に金属粉末を含むペーストを注入する工程と、その後多孔質セラミックス体30の空隙に溶融金属を浸透させる工程とを含む製造方法により複合部材を製造する。
【選択図】 図1
【解決手段】 減圧下において多孔質セラミックス体30の空隙に金属粉末を含むペーストを注入する工程と、その後多孔質セラミックス体30の空隙に溶融金属を浸透させる工程とを含む製造方法により複合部材を製造する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、金属の高靭性,高熱伝導性とセラミックスの高剛性,低熱膨張性を兼ね備えた複合部材およびその製造方法に関する。
近年、金属の高靭性,高熱伝導性とセラミックスの高剛性,低熱膨張性とを兼ね備えた材料として、セラミックスと金属との複合体からなる複合部材が注目されている。この複合部材の製造方法としては、粉末冶金法,高圧鋳造法などが知られている。
特許文献1には、セラミックス系の炭素繊維集積体を加圧成形して、空隙を有する多孔質体を形成する多孔質体形成工程と、多孔質体の表面の少なくとも一部に潤滑性物質を塗布乾燥し表面部分に潤滑性物質を介在させる塗布工程と、潤滑性物質が塗付された多孔質体を成形体に固定し、溶融アルミニウムを加圧注入して、多孔質体の空隙にアルミニウム系金属を含浸させてアルミニウム系複合体を形成する鋳造工程とからなり、潤滑性物質を含有するアルミニウム系複合体を得る方法が開示されている。
特許文献2には、炉内の坩堝内にアルミナ等の多孔質体,アルミニウム合金ブロック,マグネシウム発生源を入れた状態で、炉内をArガス雰囲気にして窒化マグネシウムを生成させ、この窒化マグネシウムで多孔質体表面の金属酸化物を還元して金属とし、次いで炉内を減圧もしくは加圧することにより、または減圧と加圧の繰り返しにより、溶融アルミニウムを多孔質体に浸透させる方法が開示されている。
特開平1−180929号公報
特開平10−183269号公報
特許文献1に開示された製造方法では、潤滑性物質が多孔質体の表面およびその近傍にのみ形成されやすい。このため、多孔質体の表面およびその近傍は、潤滑性物質を介して溶融金属が濡れやすい。しかしながら、多孔質体の内部には潤滑性物質が形成されないため、多孔質体の内部の空隙にまで溶融金属を注入するには、溶融金属を加圧する必要がある。多孔質体は機械的強度が小さいため、溶融金属を加圧しながら注入すると、圧力によって破損しやすい。
また、特許文献2に開示された製造方法では、アルミニウムと金属の濡れ性を改善する物質である窒化マグネシウムが、多孔質体の細孔の内壁に均一に付着しないので、溶融したアルミニウムが細孔内に浸透しにくいことが考えられる。
本発明は、上述の諸問題に鑑みてなされたものであって、多孔質セラミックス体への金属浸透時に、多孔質セラミックス体が破損することを抑制することができ、多孔質セラミックス体内にも確実に金属を浸透させることができる複合部材およびその製造方法を提供することを目的とする。さらには、得られた複合部材を真空中で使用した場合に、複合部材から発生するガスができるだけ少ない複合部材およびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明の複合部材は、表面または切断面において金属が充填された孔の平均径が5〜200μmであり、かつ気孔率が4%以下のセラミックス体を備えていることを特徴とする。
本発明の複合部材の製造方法は、減圧下において多孔質セラミックス体の空隙に金属粉末を含むペーストを注入する工程と、しかる後に前記多孔質セラミックス体の空隙に溶融金属を浸透させる工程とを含むことを特徴とする。
本発明の複合部材によれば、高剛性,低熱膨張性を兼ね備えた複合部材を提供できる。また、本発明の複合部材の製造方法によれば、減圧下において多孔質セラミックス体の空隙に金属粉末を含むペーストを注入する工程と、その後前記多孔質セラミックス体の空隙に溶融金属を浸透させる工程とを含むので、多孔質セラミックス体の細孔内全体にペーストが注入され、その後溶融金属を空隙に浸透させるので、溶融金属を前記空隙に容易に浸透・形成させることができる。
また、この製造方法においては、ペーストが多孔質セラミックス体の空隙を構成する細孔の表面全体に形成された状態とした後に、溶融金属を空隙に浸透させるので、多孔質セラミックス体に機械的な応力が印加されない状態で溶融金属を空隙内に浸透させることができる。このため、多孔質セラミックス体へ溶融金属が浸透する際に多孔質セラミックス体が破損することを抑制することができる。
また、前記多孔質セラミックス体の空隙に溶融金属を浸透させる工程を減圧下または非酸化性雰囲気にて行うので、減圧下で溶融金属を浸透させると、溶融金属が多孔質セラミックス体の空隙に隙間無く入り込むことから、得られた複合部材中の気孔が少なくなる。このため、真空中で複合部材を使用した場合に、気孔に残留したガスが系外(複合部材の外部)へ放出される量が少なくなるので、真空中で発生するガスの量が少ない複合部材を製造することができる。また、非酸化性雰囲気で溶融金属を浸透させると、溶融金属が酸化しにくいので、溶融金属の部分的な酸化による多孔質セラミックス体内の微細な気孔の発生を抑制できる。このため、得られた複合部材中の気孔が少なくなるので、真空中で発生するガスの量が少ない複合部材を製造することができる。
また、前記溶融金属がアルミニウムを主成分(50質量%超)とする複合部材の製造方法とすることにより、多孔質セラミックス体が量産性に優れたアルミナからなる場合に多孔質セラミックス体内の空隙に溶融金属が浸透しやすくなるので、多孔質セラミックス体がアルミナからなる場合に、上記効果をさらに向上させることができる。
また、前記金属粉末と前記溶融金属とは同一組成である複合部材の製造方法とすることにより、前記金属粉末と前記溶融金属が同じ温度で一体的に溶融するので、得られた複合部材に応力が残留しにくくなる。その結果、多孔質セラミックス体の破損を特に防止することができる。
また、前記金属粉末の平均粒径が、前記空隙の平均細孔径の1/5以下である複合部材の製造方法とする。これにより、前記多孔質セラミックス体の外側にある細孔が前記ペースト中の前記金属粉末によって閉塞されることが殆どないので、前記多孔質セラミックス体内の外側表面から内部までの全体にわたって均一に前記ペーストを浸透させることができる。その結果、得られる複合部材が特に緻密になり、真空中でのガスの発生が特に少ない複合部材を製造することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について、模式的に示した図面を参照しながら詳細に説明する。
まず、減圧下において多孔質セラミックス体の空隙に金属粉末を含むペーストを注入する工程について説明する。
セラミックス粉末として炭化珪素、アルミナ、窒化アルミニウム、コージライト、ムライトなどのセラミックス粉末を加圧成形した圧粉体を得る。好ましくは、得られた圧粉体を700〜1500℃で仮焼して仮焼体を得る。これら圧粉体および仮焼体を多孔質セラミックス体とする。このとき、これらセラミックス粉末に、浸透促進剤としてAl粉末などの金属粉末をセラミック粉末100質量部に対して0.1〜5質量部、添加、混合してから加圧成形してもよい。
多孔質セラミックス体の作製は、好ましくは次の方法により行う。第1の方法は、セラミックス粉末にバインダーを添加し、プレス成形する方法である。第2の方法は、セラミックス粉末と、このセラミックス粉末と反応を起こさない有機溶媒、無機バインダーとを混合してスラリーとし、得られたスラリーに含まれる有機溶媒を湿式フィルタープレス機などにより除去しつつ、セラミック粉末を加圧して成形する方法である。第3の方法は、セラミックス粉末を水などに分散させてスラリーとし、これをゴム型に注入し、セラミックス粉末を沈降させて成形するいわゆるセディメント法である。ここで、得られた成形体を700〜1500℃程度の温度で仮焼するとよい。
多孔質セラミックス体の表面または切断面において金属が充填された孔の径、すなわち平均細孔径は5〜200μmが好ましい。なぜなら、この範囲の径を有することにより、金属粉末を含むペーストを、多孔質セラミックス体の表面から内部までの全体にわたって注入することができるからである。ここで、平均細孔径は、次のようにして測定する。
平均細孔径は水銀圧入法、ガス吸着法により測定する。この測定装置としては、例えば、株式会社島津製作所の細孔分布測定装置オートポアIV 9500 シリーズ(オートポアIV9520/9505、オートポアIV9510/9500)、日本ベル株式会社の細孔分布測定装置BELSORP-miniII、Micromeritics Instrument CorporationのTRISTAR II 3200を用いることができる。
得られた多孔質セラミックス体の断面の模式図を図1に示す。多孔質セラミックス体30は、セラミックス1とその周囲の空隙(孔)2とからなる。空隙2は多孔質セラミックス体30の細孔を形成する。
多孔質セラミックス体30の空隙2に金属粉末を含むペーストを注入する。この注入は減圧した状態で行われるため、ペーストが多孔質セラミックス体30内の空隙2に容易に浸透する。
図2は、本発明の複合部材の製造工程で使用する多孔質セラミックス体に金属粉末を含むペーストを注入した状態を拡大して模式的に示した断面図である。多孔質セラミックス体の空隙に金属粉末を含むペーストが注入された注入体31の断面を示している。
図3は、本発明の複合部材の製造工程で使用する多孔質セラミックス体に、金属粉末を含むペーストを注入するために用いる装置の概略断面図である。
金属粉末を含むペースト8は、例えば、次のように作製することができる。まず、粒径が1〜10μmの金属粉末を、分散液(有機溶剤)であるα−テルピネオールまたはジエチレングリコールモノブチルエーテル中に分散させる。そして、少量のバインダーとしてエチルセルロースを加え、金属粉末を含むペースト8の乾燥後の粉末保形性を確保する。バインダーは0.1〜5質量%の範囲で添加するのが好ましい。これらの例の他に、分散液とバインダーは、低温・減圧下で気化する物質、例えば、分散液はイソプロピルアルコール、バインダーはポリエチレングリコールを用いることができる。
金属粉末の平均粒径は、上述したように多孔質セラミックス体30の平均細孔径の1/5以下であることが好ましい。金属粉末の平均粒径は、レーザ回折/散乱式粒子径分布測定装置、例えば、株式会社堀場製作所のレーザ回折/散乱式粒子径分布測定装置Partica LA-950V2、Sympatec GmbHのHELOSなどを用いて測定することができる。
金属粉末を含むペースト8中に多孔質セラミックス体30を浸漬させた状態で、真空容器6に密閉し真空ポンプ7で減圧することにより、多孔質セラミックス体30の空隙2に金属粉末を含むペースト8を注入する。減圧することによって、多孔質セラミックス体30の空隙2にペースト8が容易に注入される。
好ましくは、真空容器6内を減圧した後に大気圧に開放し、さらに真空容器6内を真空にすることを複数回繰り返す操作を行う。この操作を行うことで多孔質セラミックス体30の空隙2の全てに金属粉末を含むペースト8が入り込み、金属含浸不良に伴い発生する気孔が特に少ない複合部材を得ることができる。
金属粉末を含むペースト8を空隙2に注入後、金属粉末を含むペースト8に含まれる金属粉末が酸化しない雰囲気と温度で注入体31を加熱し、ペースト8に含まれる有機溶剤などを乾燥させる。
次に、多孔質セラミックス体30の空隙2に溶融金属を浸透させる工程について説明する。図4は、金属粉末を含むペーストを注入した多孔質セラミックス体30の空隙に溶融金属を浸透させるために用いる装置の概略断面図である。金属粉末を含むペースト8を注入した多孔質セラミックス体30と充填用金属5とを加熱用真空容器9に設置し、真空中または非酸化性雰囲気中、700〜1000℃の温度で加熱することで、多孔質セラミックス体30に注入されたペースト8中の金属粉末を溶融させると同時に、多孔質セラミックス体30内部に充填用金属5を溶融、浸透させる。なお、図中10はヒーターである。
700〜1000℃という高温で、溶融した充填用金属5を多孔質セラミックス体30に浸透させるので、多孔質セラミックス体30に付着していた炭化水素が分解されると共に、多孔質セラミックス体30内に閉じ込められていた空気などのガスが放出される。その結果、冷却後に得られる複合部材は不純物が少なく、真空中で使用しても複合部材から発生するガスが非常に少なくなる。
また、多孔質セラミックス体30内に金属粉末を含むペースト8を注入した後、700〜1000℃に加熱する。このため、多孔質セラミックス体30の空隙2で形成される細孔の内壁を溶融した金属粉末が付着し覆っている状態で、溶融した充填用金属5が迅速且つ確実に多孔質セラミックス体30の空隙2内に浸透する。したがって、充填用金属5が溶融して多孔質セラミックス体30内へ浸透する際に多孔質セラミックス体30が破損することを抑制することができる。
本発明の複合部材が得られる過程を補足説明する。図5は、本発明の複合部材の製造工程で、ペーストに含まれる金属が溶融した状態を模式的に示した断面図である。図6は、本発明の複合部材の断面を拡大して模式的に示した断面図である。
図4に示す装置を用いて加熱したとき、加熱の初期では、多孔質セラミックス体30の空隙に注入された金属粉末が溶融して、図5に示すように、溶融金属4がセラミックス1の周囲を覆う構造となり、さらに加熱が進行すると、充填用金属5が空隙2内に浸透して図6に示すような構造になると考えられる。
以上のようにして、金属の高靭性,高熱伝導性とセラミックスの高剛性,低熱膨張性を兼ね備えた複合部材を得ることができる。特に、多孔質セラミックスの材質として酸化アルミニウムを用い、多孔質セラミックスの空隙内にアルミニウム金属を充填させたものは、回転羽根用等に使用すると好適である。
次に、本発明をより具体化した実施例について説明する。
<実施例1>
次のようにして複合部材を作製して評価した。
(1)複合部材の作製
高純度アルミナ粉末を用いて、アルミナが60体積%、空隙が40体積%の多孔質セラミックス体(φ50×t7mm)をプレス成形して成形体を得る方法で作製した。
次のようにして複合部材を作製して評価した。
(1)複合部材の作製
高純度アルミナ粉末を用いて、アルミナが60体積%、空隙が40体積%の多孔質セラミックス体(φ50×t7mm)をプレス成形して成形体を得る方法で作製した。
ここで、アルミナが60体積%、空隙が40体積%であることは、次のようにして確認した。アルミナのみの密度D=3.98g/cm3とし、成形体の重量W(g)を、成形体の外側の輪郭で囲まれる体積V=13.74cm3に密度D=3.98g/cm3。を乗じた質量(54.69g)で割って100倍し、得られた値(60体積%)をアルミナの体積%とした。空隙は100体積%−60体積%(アルミナの体積%)=40体積%により求めた。なお、実施例には示さないが、セラミックスの材質がアルミナ以外の場合でも同様に空隙率を計算する。
また、平均粒径5μmのアルミニウム粉末にα−テルピネオール、エチルセルロースをバインダーとして加えたアルミニウムペーストを作製した。得られた多孔質セラミックス体をペースト中に浸漬して減圧することにより、多孔質セラミックス体の空隙(細孔)にペーストを注入後、多孔質セラミックス体をペースト中から取り出し、60℃で乾燥固化させた。乾燥固化後、ペーストを注入した注入体を15質量%のSiを含む充填用アルミニウム金属(Si:15質量%、Al:85質量%)と共にセラミック製の坩堝内に設置し、真空中750℃で10時間加熱して充填用アルミニウム金属を多孔質セラミックス体内に浸透させ、冷却して複合部材を作製した。
ここで、多孔質セラミックス体の平均細孔径は、アルミナ粉末の平均粒径を変える方法により変化させた。平均細孔径(40〜120μm)は水銀圧入法で測定した。
また、ペースト中の金属粉末の平均粒径は、40〜120μmに変化させた。金属粉末の平均粒径は、レーザ回折/散乱式粒子径分布測定装置により測定した値である。
(2)得られた複合部材の評価
得られた複合部材の表面を目視で観察した結果、多孔質セラミックス体の破損は無かった。
(2)得られた複合部材の評価
得られた複合部材の表面を目視で観察した結果、多孔質セラミックス体の破損は無かった。
四重極形質量分析計でメタンガス発生の有無を調べたところ、メタンガスの発生は確認できなかった。また、得られた複合部材を切断し、その切断面を目視で観察し、アルミニウム合金の浸透状態を調べた結果、多孔質セラミック体の細孔内全体に金属が浸透しており、浸透状態は良好であった。
金属粉末の平均粒径が、多孔質セラミックス体の平均細孔径の1/5より大きくなると、多孔質セラミックス体表面で金属粉末のろ過堆積現象が生じてしまい、多孔質セラミックス体の空隙に金属粉末が入りにくくなった。つまり、多孔質セラミックス体の平均細孔径が50μm、80μm、100μmおよび120μmにおいて、多孔質セラミックス体の空隙への金属粉末の注入状態が良好であったのに対して、多孔質セラミックス体の平均細孔径が40μmでは多孔質セラミックス体の空隙2に金属粉末が入りにくい結果であった。ここで、金属粉末の入りにくさは、作製した複合部材の気孔率を測定することにより次の基準に基づき評価した。
複合部材の気孔率が4%以下の場合は、多孔質セラミックス体の空隙への金属粉末の注入状態が良好と判断した。複合部材の気孔率が4%よりも大きい場合は多孔質セラミックス体の空隙に金属粉末が入りにくいと判断した。気孔率はアルキメデス法により測定した。このように判断したのは、複合部材を構成する多孔質セラミックス体の細孔(空隙)に金属が存在する割合は、ペーストに含まれる金属粉末が減圧下で、多孔質セラミックス体の空隙に入る割合とほぼ同じだからである。
<実施例2>
多孔質セラミックス体の空隙に溶融金属を浸透させる工程を、真空中ではなくアルゴンガス中で行った以外は、実施例1と同様にして複合部材を作製し、実施例1と同様にして評価した。得られた複合部材の表面を目視で観察した結果、多孔質セラミックス体の破損は無かった。
多孔質セラミックス体の空隙に溶融金属を浸透させる工程を、真空中ではなくアルゴンガス中で行った以外は、実施例1と同様にして複合部材を作製し、実施例1と同様にして評価した。得られた複合部材の表面を目視で観察した結果、多孔質セラミックス体の破損は無かった。
得られた複合部材を切断し、その切断面を目視で観察し、アルミニウム合金の浸透状態を調べた結果、実施例1と同様に浸透状態は良好であった。
<実施例3>
実施例1で用いた充填用アルミニウムの代わりに、銅を用いて、実施例1と同様に複合部材を作製し、実施例1と同様に評価した。得られた複合部材の表面を目視で観察した結果、多孔質セラミックス体の破損は無かった。
実施例1で用いた充填用アルミニウムの代わりに、銅を用いて、実施例1と同様に複合部材を作製し、実施例1と同様に評価した。得られた複合部材の表面を目視で観察した結果、多孔質セラミックス体の破損は無かった。
さらに、得られた複合部材を切断し、その切断面を目視で観察し、銅の浸透状態を調べた結果、浸透状態は良好であった。なお、得られた複合部材を切断した際に、複合部材が反る現象が観察された。この反りは、複合部材に残留していた応力が大きかったため発生したと考えられる。
<比較例1>
次に、比較例1として、ペーストを多孔質セラミックス体に注入する際に減圧せずに、大気圧下で行ったこと以外は、実施例1と同様にして本発明の範囲外の試料を作製し、実施例と同様に評価した。その結果、得られた複合部材にクラックが観察された。また、得られた複合部材を切断して内部を観察したところ、多数の大きな気孔が観察された。
次に、比較例1として、ペーストを多孔質セラミックス体に注入する際に減圧せずに、大気圧下で行ったこと以外は、実施例1と同様にして本発明の範囲外の試料を作製し、実施例と同様に評価した。その結果、得られた複合部材にクラックが観察された。また、得られた複合部材を切断して内部を観察したところ、多数の大きな気孔が観察された。
<比較例2>
比較例2として、ペーストを多孔質セラミックス体に注入する際に減圧せずに、大気圧下で行ったこと、および、充填用アルミニウム質金属の多孔質セラミックス体への浸透を2気圧のアルゴンガスで加圧して行ったこと以外は、実施例1と同様にして本発明の範囲外の試料を作製し、実施例と同様に評価した。その結果、複合部材が割れた。割れた複合部材を調べたところ、多孔質セラミックス体が破損の原因であることがわかった。
比較例2として、ペーストを多孔質セラミックス体に注入する際に減圧せずに、大気圧下で行ったこと、および、充填用アルミニウム質金属の多孔質セラミックス体への浸透を2気圧のアルゴンガスで加圧して行ったこと以外は、実施例1と同様にして本発明の範囲外の試料を作製し、実施例と同様に評価した。その結果、複合部材が割れた。割れた複合部材を調べたところ、多孔質セラミックス体が破損の原因であることがわかった。
1:セラミックス
2:空隙
4:溶融金属
5:充填用金属
6:真空容器
7:真空ポンプ
8:ペースト
9:加熱用真空容器
10:ヒーター
30:多孔質セラミックス体
31:注入体
2:空隙
4:溶融金属
5:充填用金属
6:真空容器
7:真空ポンプ
8:ペースト
9:加熱用真空容器
10:ヒーター
30:多孔質セラミックス体
31:注入体
Claims (6)
- 表面または切断面において金属が充填された孔の平均径が5〜200μmであり、かつ気孔率が4%以下のセラミックス体を備えていることを特徴とする複合部材。
- 減圧下において多孔質セラミックス体の空隙に金属粉末を含むペーストを注入する工程と、しかる後に前記多孔質セラミックス体の空隙に溶融金属を浸透させる工程とを含むことを特徴とする複合部材の製造方法。
- 前記多孔質セラミックス体の空隙に溶融金属を浸透させる工程は、減圧下または非酸化性雰囲気中にて行うことを特徴とする請求項2に記載の複合部材の製造方法。
- 前記溶融金属はアルミニウムを主成分とすることを特徴とする請求項2または3に記載の複合部材の製造方法。
- 前記金属粉末と前記溶融金属とは同一組成であることを特徴とする請求項2乃至4のいずれかに記載の複合部材の製造方法。
- 前記金属粉末の平均粒径が、前記空隙の平均細孔径の1/5以下であることを特徴とする請求項2乃至5のいずれかに記載の複合部材の製造方法。
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KR101806309B1 (ko) * | 2016-03-31 | 2017-12-07 | 서울대학교 산학협력단 | 세라믹-금속 복합체 및 그 제조방법 |
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