本発明は、前記の点に鑑みなされたものであって、遊技盤の背面側に遊技盤固定部材が突出することなく遊技盤を枠体に固定することができ、遊技盤の背面を広く利用することが可能な遊技機の提供を目的とする。
請求項1の発明は、遊技球の流下可能な遊技領域が前面に設けられた遊技盤と、前記遊技盤の収納部を内部に有する枠体と、前記枠体の側部に取り付けられた遊技盤固定部材と、を備え、前記遊技盤が前記枠体の前方又は後方から挿入されて前記収納部に収納された際に、前記遊技盤固定部材により前記遊技盤が固定される遊技機において、前記遊技盤の側部には、前記収納部への前記遊技盤の収納状態時に前記遊技盤固定部材が挿入される遊技盤固定部材挿入凹部が設けられ、前記遊技盤固定部材は、係止部と誘導部とを少なくとも備えると共に、常には前記係止部と前記誘導部とが前記収納部の側方から該収納部内に突出するように付勢され、前記係止部は前記遊技盤固定部材挿入凹部に挿入されたときに前記遊技盤の移動を規制可能であって、前記誘導部は前記遊技盤で押されることにより前記係止部を前記収納部から後退させ、前記誘導部が前記収納部における遊技盤挿入側に位置し、かつ前記係止部が前記誘導部とは反対側に位置して前記遊技盤を前記収納部へ挿入可能とすると共に前記収納部に前記遊技盤が収納された際には前記遊技盤固定部材挿入凹部へ前記係止部が挿入される挿入固定状態と、前記係止部が前記収納部における前記遊技盤挿入側に位置し、かつ前記誘導部が前記係止部とは反対側に位置して前記遊技盤を前記収納部から取り外し可能とする固定解除状態とを可変としたことを特徴とする。
請求項2の発明は、請求項1において、前記枠体は前記収納部の周囲に遊技盤収容壁が立設されると共に、前記収納部への前記遊技盤挿入時に前記遊技盤の挿入方向側となる遊技盤の挿入方向側面と前記収納部へ前記遊技盤が収納された際に当接して前記遊技盤のそれ以上の挿入を阻止する遊技盤受けが設けられ、前記遊技盤固定部材は、前記収納部内に突出している前記係止部と前記誘導部を共に前記収納部から後退可能な可変部を備えたことを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項1または2において、前記遊技盤固定部材は前記誘導部の一端側に前記係止部を有することを特徴とする
請求項4の発明は、請求項1から3の何れか一項において、前記遊技盤固定部材を複数設けると共に、前記遊技盤固定部材挿入凹部を前記遊技盤固定部材に対応して設けたことを特徴とする。
請求項5の発明は、請求項1から4の何れか一項において、前記誘導部と前記係止部とを前記挿入固定状態と前記固定解除状態間で回動可能とする回動部を前記遊技盤固定部材に設けたことを特徴とする。
請求項6の発明は、請求項4において、前記複数の遊技盤固定部材には前記誘導部と前記係止部とを前記挿入固定状態と前記固定解除状態間で回動可能とする回動部をそれぞれ設けると共に、少なくとも2個の前記回動部を同時に回動可能とする連動手段を設けたことを特徴とする。
請求項7の発明は、請求項1から4の何れか一項において、前記遊技盤固定部材は、前記係止部を前記誘導部の一端部から他端部へ移動する移動機構を備え、前記係止部の移動により前記挿入固定状態と前記固定解除状態間を変化可能としたことを特徴とする。
請求項8の発明は、遊技球の流下可能な遊技領域が前面に設けられた遊技盤と、前記遊技盤の収納部を内部に有する枠体と、前記遊技盤の側部または前記枠体の何れか一方の側部に取り付けられた遊技盤固定部材と、を備え、前記遊技盤が前記枠体の前方又は後方から挿入されて前記収納部に収納された際に、前記遊技盤固定部材により前記遊技盤が固定される遊技機において、前記遊技盤または前記枠体のうち前記遊技盤固定部材が取り付けられていない方の側部には、前記収納部への前記遊技盤の収納状態時に前記遊技盤固定部材が挿入される遊技盤固定部材挿入凹部が設けられ、前記遊技盤固定部材は、係止部と誘導部とを少なくとも備えると共に、常には前記係止部と前記誘導部とが前記収納部の側方から突出するように付勢され、前記係止部は前記遊技盤固定部材挿入凹部に挿入されたときに前記遊技盤の移動を規制可能であって、前記誘導部は前記遊技盤で押されることにより前記係止部を前記収納部から後退させ、前記遊技盤を前記枠体の収納部に挿入する際に前記遊技盤または前記収納部に近い側に前記誘導部、遠い側に前記係止部が位置して前記遊技盤を前記収納部へ挿入可能とすると共に前記収納部に前記遊技盤が収納された際には前記遊技盤固定部材挿入凹部へ前記係止部が挿入される挿入固定状態と、前記誘導部と前記係止部が前記挿入固定状態とは反対の位置にあって、前記遊技盤を前記収納部から取り外し可能とする固定解除状態とを可変としたことを特徴とする。
請求項1の発明によれば、前記遊技盤の側部には、前記収納部への前記遊技盤の収納状態時に前記遊技盤固定部材が挿入される遊技盤固定部材挿入凹部が設けられ、前記遊技盤固定部材は、係止部と誘導部とを少なくとも備えると共に、常には前記係止部と前記誘導部とが前記収納部の側方から該収納部内に突出するように付勢され、前記係止部は前記遊技盤固定部材挿入凹部に挿入されたときに前記遊技盤の移動を規制可能であって、前記誘導部は前記遊技盤で押されることにより前記係止部を前記収納部から後退させ、前記誘導部が前記収納部における遊技盤挿入側に位置し、かつ前記係止部が前記誘導部とは反対側に位置して前記遊技盤を前記収納部へ挿入可能とすると共に前記収納部に前記遊技盤が収納された際には前記遊技盤固定部材挿入凹部へ前記係止部が挿入される挿入固定状態と、前記係止部が前記収納部における前記遊技盤挿入側に位置し、かつ前記誘導部が前記係止部とは反対側に位置して前記遊技盤を前記収納部から取り外し可能とする固定解除状態とを可変としたことから、遊技盤の背面側に遊技盤固定部材が突出することなく遊技盤を枠体に固定することが可能となり、遊技盤背面を広く利用することが可能となる。
請求項2の発明によれば、前記枠体は前記収納部の周囲に遊技盤収容壁が立設されると共に、前記収納部への前記遊技盤挿入時に前記遊技盤の挿入方向側となる遊技盤の挿入方向側面と前記収納部へ前記遊技盤が収納された際に当接して前記遊技盤のそれ以上の挿入を阻止する遊技盤受けが設けられ、前記遊技盤固定部材は、前記収納部内に突出している前記係止部と前記誘導部を共に前記収納部から後退可能な可変部を備えたことから、遊技盤の取付を容易に行うことができる。
請求項3の発明によれば、前記遊技盤固定部材は前記誘導部の一端側に前記係止部を有することから、遊技盤固定部材の構造を簡略化することが可能となる。
請求項4の発明によれば、前記遊技盤固定部材を複数設けると共に、前記遊技盤固定部材挿入凹部を前記遊技盤固定部材に対応して設けたことから、遊技盤をより強固に固定することが可能となる。
請求項5の発明によれば、前記誘導部と前記係止部とを前記挿入固定状態と前記固定解除状態間で回動可能とする回動部を前記遊技盤固定部材に設けたことから、遊技盤の着脱作業を容易に行うことが可能となる。
請求項6の発明によれば、前記複数の遊技盤固定部材には前記誘導部と前記係止部とを前記挿入固定状態と前記固定解除状態間で回動可能とする回動部をそれぞれ設けると共に、少なくとも2個の前記回動部を同時に回動可能とする連動手段を設けたことから、遊技盤の着脱時における回動部の回動作業を減らして着脱作業をスムーズに行うことが可能となる。
請求項7の発明によれば、前記遊技盤固定部材は、前記係止部を前記誘導部の一端部から他端部へ移動する移動機構を備え、前記係止部の移動により前記挿入固定状態と前記固定解除状態間を変化可能としたことから、遊技盤の挿入部を小さく構成することが可能となる。
請求項8の発明によれば、遊技盤の側部または前記枠体の側部からの係止によって遊技盤を固定することができ、遊技盤背面を広く利用することが可能となる。
以下添付の図面に基づき本発明の好適な実施形態を説明する。図1は本発明の第1実施例の遊技機について遊技盤の釘を省略して示す正面図、図2は同遊技機の背面図、図3は同遊技機の前面枠体、遊技盤、機構板及び側枠を示す斜視図、図4は同遊技機の前面枠体を示す斜視図、図5は同遊技機の遊技盤を示す斜視図、図6は同遊技機の遊技盤固定部材の分解斜視図、図7は同遊技機の遊技盤挿入固定時を示す図、図8は同遊技機の遊技盤固定解除取り外し時を示す図、図9は遊技盤固定部材挿入凹部の他の例を示す図、図10は第2実施例の遊技機における前面枠体の斜視図、図11は第3実施例の遊技機における遊技盤挿入固定時を示す図、図12は同第3実施例の遊技機における遊技盤固定解除取り外し時を示す図、図13は同第3実施例の遊技機における遊技盤固定部材の一部を示す斜視図である。
図1及び図2に示す遊技機1は、遊技媒体として遊技球を用いるパチンコ遊技機であって、図3にも示すように、側枠(木枠とも称される)F1の一側に合成樹脂製の前面枠体F2が開閉自在に軸支され、前記前面枠体F2内に設けられた遊技盤の収納部201に遊技盤3が着脱可能に取り付けられ、また前記遊技盤3の背面には機構板7が開閉係脱可能に取り付けられている。前面枠体F2の前面には一側にガラス枠Gがヒンジで開閉可能に軸支されている。前面枠体F2には、前記側枠F1との鍵装置K1とガラス枠Gとの係合部K3を有する係合部材8が設けられ、前記鍵装置K1の解除によって前記側枠F1に対し前面枠体F2が開き、また前記係合部K3の係合解除によって前面枠体F2に対しガラス枠Gが開く。なお、この例の遊技機1は、プリペイドカードユニット56が接続されている。
前記側枠F1は、木製板材で枠組みされると共に、一側の上下に軸支部材J1が取り付けられ、前記軸支部材J1に前記前面枠体F2が開閉可能に軸支される。前記側枠F1の開放側の内側上下に前記鍵装置K1と係合して前面枠体F2を開閉するための係止金具K2が取り付けられている。前記木製の側枠F1は、パチンコ機の保管、輸送時に側枠F1部分を主として取り扱うようにされることで前面枠体F2を物理的損傷から保護するように構成されている。
前記前面枠体F2は、本発明における枠体に相当するものである。前記前面枠体F2について、図3及び図4を用いて説明する。前面枠体F2は、前記側枠F1の外周と略同サイズの外周からなり、前記遊技盤3の側部外周を包囲可能な遊技盤収容壁202が、前記遊技盤3の側部外周と略同形状に立設され、前記遊技盤収容壁202で包囲された部分が遊技盤の収納部201を構成している。前記収納部201には、後述する遊技盤3の遊技領域6を露出可能な遊技盤用窓203が前面枠体F2の前面側に開口形成され、また前記遊技盤用窓203の周囲における前面枠体F2の前面側は遊技盤受け204の壁面となっている。前記遊技盤受け204は、前記遊技盤3を前面枠体F2の収納部201へ背面側から挿入する時に、遊技盤3の挿入方向側となる遊技盤3の挿入方向側面3Fの周縁、すなわち遊技盤3における前面の周縁と、前記収納部201に遊技盤3を収納した際に当接して、それ以上遊技盤3が挿入されるのを阻止する。なお、符号3Rは前記遊技盤3の挿入方向側面3Fとは反対の面となる遊技盤背面を示す。
前記遊技盤収容壁202は、上部壁202a、左右の側部壁202b及び下部壁202cで構成され、本実施例では左右の対向する側部壁202bには、図4及び図6乃至図8に示すように、それぞれ上下2箇所に遊技盤固定部材挿入穴205が形成されると共に、前記遊技盤固定部材挿入穴205と連通する筒部206が前記収納部201とは反対の外面に突出形成されている。前記筒部206は、内径が前記遊技盤固定部材挿入穴205と同径とされると共に、先端面207を備え、前記先端面207の中心に前記遊技盤固定部材挿入穴205より小径の軸挿通孔208が形成されている。また、前記筒部206の周壁には、前面枠体F2の前方側(遊技機の前面側)部分に遊技盤固定部材の歯車露出用開口209が形成されている。
前記遊技盤固定部材210は、前記遊技盤固定部材挿入穴205の軸挿通孔208に挿入可能な径の回動軸211を有し、前記回動軸211の基部側には、前記遊技盤固定部材挿入穴205に収容可能で、かつ前記軸部挿通孔208を通過不可能な大きさの円盤状からなる固定部212が形成され、前記固定部212の外面に係止部材219がビスで固定されている。前記回動軸211は本発明の回動部に相当し、該回動軸211の外周に歯車215が形成されている。本実施例では、前記遊技盤固定部材挿入穴205の前記軸挿通孔208に回動軸211を挿通し、前記筒部206内に歯車215を位置させた際に、前記歯車215の一部が前記筒部206の歯車露出用開口209から露出すると共に、前記係止部材219が収納部201の側方から収納部201内に突出し、さらに前記回動軸211の先端が前記筒部206の先端面207から突出した状態となる。前記回動軸211の先端側にはリング固定溝216が形成され、前記遊技盤固定部材挿入穴205の軸挿通孔208から回動軸211が抜けるのを防止するCリング217が、前記リング固定溝216に嵌着される。
前記係止部材219は、図示の例では金属製平板を略V字形に折り曲げたものであって、折り曲げ部219aの一側が前記固定部212への取付部220、他側が前記取付部220に対して所定角度の傾斜面からなる誘導部221を構成し、さらに前記誘導部221の一端側の先端が係止部222を構成している。前記係止部材219は、前記取付部220と前記誘導部221間にバネ弾性を有し、そのバネ弾性により、前記誘導部221と係止部222が常には遊技機正面から見て前記収納部201の側方から収納部201内に突出するように付勢され、また後述の遊技盤3の側部31で誘導部221が押圧されることによって収納部201から後退可能となっている。前記折り曲げ部219aは本発明における可変部に相当する。さらに前記係止部材219の係止部222は、後述する遊技盤3の遊技盤固定部材挿入凹部30内で回転し易いように、先端が円弧状に丸くされている。
また、前記前面枠体F2は、前記遊技盤固定部材210の歯車215が位置する側、本実施例では側部壁202bの外側面に沿ってラック部材取付溝223が形成され、前記ラック部材取付溝223にラック部材230が上下スライド可能に取り付けられている。前記ラック部材230は、前記筒部206の周壁から露出している遊技盤固定部材210の歯車215と噛み合う歯231を備え、上下にスライドすることによって前記遊技盤固定部材210の歯車215が回転し、それにより前記回動軸211及び固定部212を介して前記係止部材219が回動する。また、本実施例では、前記ラック部材230と歯車215は連動手段を構成している。すなわち、前記ラック部材230は、左右のそれぞれの側部壁202bにおける上下2つの遊技盤固定部材210の歯車215と同時に噛み合う長さとされ、前記ラック部材230を上下スライドさせることによって、上下2個の遊技盤固定部材210における回動軸211を同時に回動させて、上下2個の係止部材219を同時に回動させることができるようになっている。上下2個の遊技盤固定部材210における係止部材219は、誘導部221同士及び係止部22同士が、同一方向を向くようにして、それぞれの歯車215が前記ラック部材230の歯231と噛み合っており、前記ラック部材203の上下スライドによって、上下2つの遊技盤固定部材210における誘導部231及び係止部232を、前記収納部201の遊技盤挿入側R(遊技盤3を収納部201に挿入する際の遊技盤に近い側に相当する)、すなわち本実施例では前面枠体F2の背面方向と、その反対側F(遊技盤3を収納部201に挿入する際の遊技盤3から遠い側に相当する)、すなわち本実施例では前面枠F2の前面方向との間で同時に位置(向き)を変えることができる。また、前記ラック部材230において、前記歯231は、ラック部材230の全長に設けられず、上下に分離させて、前記上下の遊技盤固定部材210の歯車215と噛み合う位置にのみ設けられ、歯231と歯231の間に、ラック操作部232が突起状に形成されている。なお、前記ラック操作部232は摘み部を構成し、前記側面部202bの背面側から突出しない高さとされている。
なお、前面枠体F2の前面側には、図1に示すように、枠飾り右ランプ35a、枠飾り上ランプ35b及び枠飾り左ランプ35cが上部に設けられ、払い出された遊技球を受けるための上側球受け皿36、該上側球受け皿36の飽和時に遊技球を受けるための下側球受け皿37、効果音等を発するスピーカ38、遊技者の発射操作に応じて遊技球を遊技盤3の遊技領域6に向けて弾発発射する発射装置53等が下部に組み付けられている。
前記遊技盤3は、図1に示すように、前面側における遊技盤3の縁に遊技球の外側ガイドレール4及び内側ガイドレール5が略円形に立設され、前記内側ガイドレール5によって囲まれた遊技領域6の中心線上にその上部から下部に向かって順に液晶,ドットマトリックス若しくはLED表示装置等からなる表示装置9、始動入賞口10、特別電動役物である大入賞口15、アウト口17が配設されている。また上方両側にはランプ風車18a,18b、その下方に普通図柄変動開始用左ゲート19及び普通図柄変動開始用右ゲート21、その下方に左袖入賞口23と右袖入賞口25、さらには前記大入賞口15の両側に左落とし入賞口27と右落とし入賞口29が配設されている。符号22a,22bは風車である。なお、本実施例における前記表示装置9は、左下に普通図柄の変動及び停止表示を行う普通図柄表示部45が組み込まれ、その他の大部分が特別図柄の変動及び停止表示を行う特別図柄表示部42となっている。
また、前記遊技盤3は、図3及び図5に示すように、前記前面枠体F2の遊技盤固定部材210と対応する側部31の位置、本実施例では左右の側部に、遊技盤固定部材挿入凹部30が合計4個形成されている。前記遊技盤固定部材挿入凹部30は、前記前面枠体F2における遊技盤の収納部201に前記遊技盤3が収納された遊技盤収納状態時に、前記遊技盤固定部材210の係止部材219が挿入可能な大きさとされ、本実施例では上下方向の長穴で形成されている。
前記遊技盤3を前記前面枠体F2へ取り付ける際には、まず、前記ラック部材230をスライドさせて、図7の7−Aのように、前記遊技盤固定部材210の係止部材219における誘導部221を前記収納部201における遊技盤挿入側R、本実施例では前面枠体F2の背面側に位置させ、前記係止部222をその反対側F、本実施例では前面枠体F2の前面側に位置させる挿入固定状態とし、図7の7−Bのように、前記遊技盤3を前面枠体F2の背面側から前記収納部201へ挿入する。その際、前記誘導部221が前記遊技盤3の側部31と接触して押されることにより、前記係止部222が収納部201から後退(外方へ移動)して収納部201への遊技盤3の挿入を可能にする。さらに前記遊技盤3が前記前面枠体F2の遊技盤受け204と当接してそれ以上の挿入が阻止される位置になると、図7の7−Cに示すように、前記係止部222が前記遊技盤3の遊技盤固定部材挿入凹部30に挿入されて遊技盤固定部材挿入凹部30の内壁と係止し、前記係止部222と前記遊技盤受け204とで前記遊技盤3の側部を挟持する。これによって、前記遊技盤3は、前面枠体F2に固定されて収納部201に収納される。なお、前記遊技盤挿入側Rは、遊技盤3を収納部201へ挿入する際の遊技盤3に近い側に相当し、前記反対側Fは、遊技盤3を収納部201へ挿入する際の遊技盤3から遠い側に相当する。
それに対して、前記遊技盤3を取り外す際には、前記ラック部材230をスライドさせて、図8の8−Aのように、前記係止部222が前記収納部201における遊技盤挿入側R、本実施例では前面枠体F2の背面側に位置させ、前記誘導部221をその反対側F、本実施例では前面枠体F2の前面側に位置させる固定解除状態とし、図8の8−Bに示すように、遊技盤3を前面枠体F3の後方(背面方向)へ引く。その際、前記誘導部221が前記遊技盤3の側部31と接触して押されることにより、前記係止部222が収納部201から後退(外方へ移動)して後方(背面方向)への遊技盤3の移動を可能にする。そして、その状態でさらに遊技盤3を後方(背面方向)へ引けば、図8の8−Cのように、前記係止部222が前記遊技盤固定部材挿入凹部30から外れ、それによって前記遊技盤3が前面枠体F2から取り外される。
なお、前記実施例において前記遊技盤固定部材挿入凹部30は、遊技盤3の側部31に穴形状で形成した構成としたが、図9のように遊技盤3aの側部31aを遊技盤3aの背面側で係止部材219の長さよりも深く切り欠いて段差形状にした遊技盤固定部材挿入凹部30aで構成してもよい。このように構成すれば、遊技盤3aの背面から遊技盤固定部材210が突出せず、しかも遊技盤固定部材挿入凹部30aの加工も容易に行うことが可能となる。
前記機構板7には、遊技機1における遊技を制御する各種基板や装置等が、主に背面側に設けられる。図2の遊技機の背面面には、前記基板や装置の主なものとして、受電基板100、電源基板110、主制御基板120、表示制御基板130、払出制御基板140、音声制御基板150、ランプ制御基板160、発射制御基板170等が示されている。符号181は払出装置(賞球払出装置と貸球払出装置)、183は球無しスイッチ基板(賞球・球貸し兼用)、185は払出中継基板、189は球貯留タンク、191は球誘導樋を示す。
ここで、前記遊技機1における遊技を簡単に説明する。前記遊技機1においては、前記発射装置53により遊技領域6へ向けて発射された遊技球が、前記遊技領域9の種々の入賞口に入賞すると所定数の遊技球が賞品球として払出装置181から上側球受け皿36に払い出される。また、前記普通図柄変動開始用左ゲート19及び普通図柄変動開始用右ゲート21を遊技球が通過して検出されると、主制御基板120へ検出信号が送られ、小当たり判定・普通図柄決定用乱数が取得される。そして、普通図柄の当たり(小当たり)判定が主制御基板120により行われると共に、前記普通図柄表示部45で普通図柄の変動を開始し、所定時間変動後に停止する。その際、前記普通図柄の当たり判定結果が小当たりの場合には、小当たり普通図柄、この例では奇数で停止し、前記始動入賞口10の可動片10a,10bが拡開して遊技球が入賞し易くなる。そして、前記始動入賞口10に遊技球が入賞すると、所定数(この例では5個)の遊技球が賞品球として払い出される。
また、前記始動入賞口10に遊技球が入賞して検出されると、主制御基板120へ検出信号が送られ、大当たり当否判定用乱数値及び大当たり図柄組合せ決定用乱数値が取得され、前記大当たり当否判定用乱数値に基づいて大当たりの当否判定が行われ、外れの場合には外れ確定特別図柄の組合せ決定用乱数数値が取得される。また、特別図柄の変動開始前に変動態様決定用乱数値が取得される。そして、取得された変動態様決定用乱数値に基づき決定された選択変動態様にしたがい前記特別図柄柄表示部42で特別図柄が変動を開始し、所定時間経過後停止する。
前記特別図柄表示部42で停止表示された確定特別図柄が、大当たり確定特別図柄組合せ、例えばぞろ目(‘7,7,7’のように同じ数字が並んだ状態)で停止表示されると、大当たりになり、遊技者に有利な特別遊技状態(大当たり遊技状態)に移行する。前記特別遊技状態になると、前記大入賞口15の開閉板16が開いて遊技領域6の表面を落下してくる遊技球を受け止め易くして大入賞口15へ入賞可能にし、該大入賞口15への入賞があると、所定数の遊技球が賞品球として払い出される。前記開閉板16は、所定時間(例えば29.5秒)経過後、或いは入賞球数が所定個数(例えば10個)となった時点で閉じるようにされている。
前記大入賞口15の開放中又は大入賞口15が閉じてから約2秒以内に、前記大入賞口15の特定領域入賞口52に遊技球が入賞して入賞球が検出されると、前記大当たりを再度繰り返す継続権利が発生し、所定最高回数(例えば最高16回)、前記開閉板16の開放を繰り返す。なお、前記発射装置53により遊技領域6へ向けて発射された遊技球が、入賞口の何処にも入賞しなければ前記アウト口17から遊技盤3の裏側へ排出される。
なお、前記実施例では、遊技盤3を前面枠体F2の遊技盤受け204と遊技盤固定部材210の係止部222で挟持することにより前記収納部201に固定しているが、本発明はそれに限られるものではない。図10に示す第2実施例の遊技機における前面枠体F20は、前記遊技盤受けを利用することなく遊技盤固定部材によって遊技盤3を収納部に着脱可能とする例である。また、この第2実施例は、前面枠体F20の前面側あるいは背面側の何れの側からでも前記遊技盤3を収納部201に収納して固定することができ、さらに前面側あるいは背面側の何れの側からでも前記遊技盤3を取り外すことができるものである。以下の説明において前記第1実施例と同様の部分については同一の符号を用いて示す。
前記第2実施例の遊技機は、遊技球の流下可能な遊技領域が前面に設けられた遊技盤と、前記遊技盤の収納部を内部に有する枠体と、前記枠体の側部の複数位置に取り付けられた遊技盤固定部材と、を備え、前記遊技盤が前記枠体の前方又は後方から挿入されて前記収納部に収納された際に、前記遊技盤固定部材により前記遊技盤が固定される遊技機において、前記遊技盤の側部には、前記収納部への前記遊技盤の収納状態時に前記遊技盤固定部材が挿入される遊技盤固定部材挿入凹部が設けられ、前記遊技盤固定部材は、係止部と誘導部とを少なくとも備えると共に、常には前記係止部と前記誘導部とが前記収納部の側方から該収納部内に突出するように付勢され、前記係止部は前記遊技盤固定部材挿入凹部に挿入されたときに前記遊技盤の移動を規制可能であって、前記誘導部は前記遊技盤で押されることにより前記係止部を前記収納部から後退させ、前記遊技盤固定部材の全ての誘導部が前記収納部における遊技盤挿入側に位置し、かつ前記係止部が前記誘導部とは反対側に位置して前記遊技盤を前記収納部へ挿入可能とすると共に前記収納部に前記遊技盤が収納された際には前記遊技盤固定部材挿入凹部へ前記係止部が挿入される挿入状態と、前記複数の遊技盤固定部材のうち一部の遊技盤固定部材の誘導部と係止部が前記挿入状態とは反対側に位置して前記係止部を前記遊技盤固定部材挿入凹部に係止する固定状態と、前記遊技盤固定部材の全ての係止部が前記収納部における遊技盤取り外し側に位置し、かつ前記誘導部が前記係止部とは反対側に位置して前記遊技盤を前記収納部から取り外し可能とする固定解除状態との間を可変としたことを特徴とするものである。
前記前面枠体F20においては、第1実施例における遊技盤受け204に相当するものが無く、かつ前記遊技盤収容壁202における左右の側部壁202bの上下に設けられている前記遊技盤固定部材210の歯車215と独立して噛み合うラック部材2301を、側部壁202bの上下に分離して設けた構成からなり、その他の構成は第1実施例と同様である。
前記第2実施例において、遊技盤を収納部201に収納固定する際は、まず、全てのラック部材2301のスライド操作により、全ての遊技盤固定部材210について前記誘導部221を遊技盤挿入側(例えば前面枠体F20の背面側)にすると共に係止部222がその反対側に位置する挿入状態に回動させ、その状態で前記遊技盤3を遊技盤挿入側(例えば前面枠体F20の背面側)から収納部201に挿入し、前記係止部222を前記遊技盤3の遊技盤固定部材挿入凹部30に挿入する。その後、前記左右の側壁部202bにおいて対角線上に位置する一組のラック部材2301をスライドさせて前記対角線上に位置する一組の遊技盤固定部材210を回動させることにより、前記対角線上に位置する一組の遊技盤固定部材210における誘導部221と係止部222を、前記挿入状態とは反対の位置の固定状態にする。この固定状態においては、一組の対角線上の遊技盤固定部材210については係止部222が前面枠体F20の前面側を向き、また他の一組の対角線上の遊技盤固定部材210については係止部222が前面枠体F20の背面側を向いているため、前記遊技盤固定部材挿入凹部30が遊技盤固定部材210に挟持され、係止されることになる。これによって、前面枠体F20に対する遊技盤3の前後方向への移動が規制され、前記収納部201に確実に固定される。それに対し、遊技盤3を取り外す際には、対角線上に位置する一組のラック部材2301をスライドさせて前記対角線上の遊技盤固定部材210を回動させることにより、左右の側壁部202bにおける全ての遊技盤固定部材210の係止部222を、遊技盤3の取り外し側(前面枠体の背面側あるいは前面側)にすると共に誘導部221をその反対側に位置する固定解除状態とし、その状態で遊技盤取り外し方向へ前記遊技盤3を引っ張って取り外す。なお、前面枠体F20の同一側(例えば背面側)から遊技盤3の挿入及び取り外しを行う場合には、前記遊技盤挿入側と取り外し側とは同一側となる。
図11ないし図13には、第3実施例の遊技機における遊技盤固定部材300を示す。この実施例の遊技盤固定部材300は、前記遊技盤3の側部31または図11ないし図13に示す前面枠体F200の側部210の何れか一方に設けられる。図示の例では、第1実施例と同様に遊技盤3に遊技盤固定部材挿入凹部30が設けられ、前記遊技盤3の収納時に遊技盤3の遊技盤固定部材挿入凹部30と対向する前面枠体F200の側部F201に、遊技盤固定部材取付穴F202が形成され、さらに前記遊技盤固定部材取付穴F202内に遊技盤固定部材300が取り付けられている。
前記前面枠体F200は、第1実施例の前面枠体F2と同様の構成からなるもので、第1実施例の前面枠体F2における遊技盤受け204と同様の遊技盤受けF204を遊技盤挿入方向の前方(前面枠体F200の前面側)に備え、前面枠体F200の背面側から遊技盤3が挿入されるように構成されている。
前記遊技盤固定部材300は、図13からより容易に理解されるように、前面枠体F200の前後方向と対応する面が斜面の誘導部302となった山形状の基体301と、前記基体301における2つの誘導部302のうち1方(302aまたは302b)を隠蔽可能で、しかもスライドによって他方の誘導部を隠蔽することが可能な枠状の係止部305とを備える。前記係止部305の基部外面にはラック部材306が前記スライド方向に沿って設けられている。
前記遊技盤固定部材取付穴F202内には、図11に示すように、前記ラック部材306と噛み合ってラックアンドピニオン構造を構成する歯車310と、前記歯車310が回転可能に取り付けられた保持台311と、前記保持台311を前面枠体F200における遊技盤の収納部F205内方へ押して前記遊技盤固定部材300を常に収納部F205内へ突出するように付勢するスプリング312が設けられている。さらに前記歯車310には歯車310を回転させて前記係止部305を一方の誘導部側から他方の誘導部側へスライドさせる操作部(図示せず)が設けられている。前記ラック部材306と前記歯車310は、前記誘導部の一端部から他端部へ係止部を移動する移動機構に相当する。なお、前記スプリング312は、前記収納部F205内に突出している係止部305と誘導部302を共に収納部F205から後退可能にする可変部にも相当する。
前記第3実施例において前記遊技盤3を取り付ける際には、まず図11の11−A及び図13の13−Bに示すように、前記係止部305を前面枠体F200の遊技盤挿入側とは反対側(前面枠体F200の前面側)へスライドさせて、遊技盤挿入側の誘導部302aを露出させ、これにより、遊技盤挿入側、すなわち遊技盤3に近い側に誘導部302aが位置し、反対の遠い側に係止部305が位置する挿入固定状態とする。その状態で、図11の11−Bのように遊技盤3を収納部F205に挿入する。その際、前記遊技盤固定部材300は、前記誘導部302aが遊技盤3の側部31によって押されることにより収納部F205から後退し、前記遊技盤3を収納部F205へ収納可能にする。そして、前記遊技盤3が前記収納部F205に収納されると、図11の11−Cに示すように、遊技盤3の遊技盤固定部材挿入凹部30に前記遊技盤固定部材300の係止部305及び基体301が挿入され、遊技盤3が遊技盤固定部材300の係止部305と前記遊技盤受けF204によって挟持固定される。その状態では、遊技盤3を前記挿入方向とは反対の取り出し方向(前面枠体F200の背面方向)へ引っ張って取り外そうとしても、前記係止部305の前端305aが遊技盤固定部材挿入凹部30に係止して、遊技盤3の移動を規制する。
また、前記遊技盤3を取り外す際には、図12の12−A及び図13の13−Cに示すように前記係止部305を前記挿入固定状態とは反対側へスライドさせて、前記挿入固定状態とは反対側(前面枠体F300の前面側)の誘導部302bを露出させることにより、前記係止部305及び露出した誘導部202bが前記挿入固定状態における係止部305および露出した誘導部302aとは反対の位置にある固定解除状態とする。その状態で、図12の12−Bのように遊技盤3を取り外し方向へ引っ張る。その際、前記遊技盤固定部材300は、前記誘導部302bが遊技盤3の側部31によって押されることにより収納部F205から後退し、前記収納部F205からの遊技盤3の取り外しを可能にする。さらに遊技盤3を取り外し方向へ引っ張れば、図12の12−Cに示すように前記遊技盤固定部材300が遊技盤固定部材挿入凹部30から抜け、前記収納部F205から遊技盤3が外れる。
なお、前記挿入固定状態時に前記係止部305をロックしてスライドを阻止するために、前記歯車310の動きを機械的に止めるピン部材を歯車310とラック部材306間に挿入するロック機構を設けてもよい。そうすることで、前記係止部305を完全にロックすることが可能となり、より強固に遊技盤を収納部に固定することができる。
本発明は、このように遊技機を構成したことで、遊技盤の背面側に遊技盤固定部材が突出することなく遊技盤を前面枠体に固定することが可能となり、遊技盤背面を広く利用することが可能となったのである。また、前記第2実施例に第3実施例の遊技盤固定部材を使用してもよい。
なお、本発明は前記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で変更することが可能である。例えば、前記遊技盤固定部材挿入凹部は遊技盤の側部に直接形成したが、別部品として遊技盤の側部に取り付けてもよい。また、第1及び第3実施例において遊技盤を前面枠体の後方(背面側)から収納部に挿入する場合を示したが、前面枠体の前方(前面側)から挿入する構成としてもよい。さらに、遊技盤固定部材挿入凹部は、図示の例に限られるものでなく、例えば第1実施例においては、係止部が挿入された状態で回動可能な大きさであって、遊技盤収納状態時に係止部と遊技盤受け部によって遊技盤固定部材挿入凹部が挟持可能な形状であればよい。また、第1実施例において常時は遊技盤遊技盤固定部材を挿入固定状態に位置させるようにラック部材を弾性部材等で付勢すると共に遊技盤固定部材が固定解除状態となる位置で固定可能な固定部材を設けた構成としてもよい。さらに第1実施例では左右の側壁部毎に2つの遊技盤固定部材を連動させて操作可能な構成としたが、全ての遊技盤固定部材を連動させて操作可能な構成にしてもよい。また、前記各実施例では、遊技盤に遊技盤固定部材挿入凹部を設け、前面枠体に遊技盤固定部材を設けた構成としたが、遊技盤に遊技盤固定部材を設け、前面枠体に遊技盤固定部材挿入凹部を設けてもよい。その場合、前記遊技盤固定部材の挿入固定状態は、遊技盤を挿入する際における前面枠体の収納部に近い側に誘導部、遠い側に係止部が位置する状態であり、固定解除状態は、前記誘導部と係止部が前記挿入固定状態とは反対位置の状態となる。