JP4480819B2 - コンクリートの製造方法およびコンクリートの製造装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ベルトコンベヤ等の搬送装置を使用してセメント、砂、砂利等からなるコンクリート材料と、混練水、混和剤等の補助剤とをコンクリートミキサ車に直接的に投入供給してコンクリートを製造するコンクリートの製造方法およびコンクリートの製造装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のコンクリート製造装置すなわちバッチャープラントは、図4に示されているように、所定高さに配置されたコンクリート混練用ミキサ50を備えている。そして、このコンクリート混練用ミキサ50の下方にコンクリートミキサ車CVが乗り入れられ、コンクリート混練用ミキサ50で製造されたコンクリートは、重力によりコンクリートホッパ51を介してコンクリートミキサ車CVに供給されるようになっている。
【0003】
このようなバッチャープラントは、従来周知であるので、細部の詳しい説明はしないが、図4に部材名入りで示されているように、コンクリート混練用ミキサ50の上方に砂利計量機61、砂計量機62、セメント計量機63等からなる計量装置60が配置され、さらにその上方に砂利貯蔵ビン71、砂貯蔵ビン72、セメント貯蔵ビン73等からなる材料貯蔵ビン装置70が設けられている。このようなコンクリート混練用ミキサ50、計量装置60、材料貯蔵ビン装置70は、地上所定高さに組み立てられた層状構造物に設けられている。一方、地上のセメント貯蔵サイロ80の下方には、セメント貯蔵ビン73まで延びている空気輸送管81が設けられている。また、同様に地上に設置されている砂貯蔵サイロ91、砂利貯蔵サイロ92等からなる骨材貯蔵サイロ90の下方には、略水平に配置されている第1の骨材受入ベルトコンベヤ93が設けられ、この第1の骨材受入ベルトコンベヤ93は、傾斜状に配置されている第2の骨材受入ベルトコンベヤ94を介して振分装置95に接続されている。したがって、骨材貯蔵サイロ90から第1、2の骨材受入ベルトコンベヤ93、94で送られる砂利と砂は、この振分装置95により砂利貯蔵ビン71と砂貯蔵ビン72とにそれぞれ振り分けられる。
【0004】
従来のバッチャープラントは、概略上記のように構成されているので、次のようにしてコンクリートを製造し、そしてコンクリートミキサ車CVに供給される。すなわち、セメント圧送用ブロワー82を起動してセメントサイロ80中のセメントをセメント貯蔵ビン73に適当量輸送しておく。同様に第1、2の骨材受入ベルトコンベヤ93、94により骨材貯蔵サイロ90の砂利および砂をそれぞれの貯蔵ビン71、72に搬送し貯蔵しておく。それぞれの貯蔵ビン71〜73の開閉ゲートを開いて、セメント計量機63、砂利計量機62および砂計量機61に供給し、所定量のセメント、砂および砂利を計量する。一方、混練水と、混和剤計量機100で計量された混和剤との合計を水計量機101で計量する。そうして、起動しているコンクリート混練用ミキサ50に、計量されたコンクリート原料を供給することにより、短時間でコンクリートが製造される。混練完了後コンクリート混練用ミキサ50のゲートを開き、コンクリートホッパ51を介して、配車されたコンクリートミキサ車CVに重力により供給される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように、従来のバッチャープラントによって、コンクリートは製造されるし、色々な利点もある。例えば貯蔵ビン装置70、計量装置60およびコンクリート混練用ミキサ50は、上下方向に配置されているので、コンクリート材料、製造されたコンクリート等を重力により順次移送することができる利点がある。また、製造されたコンクリートを、出荷のために配車されたコンクリートミキサー車CVに短時間に落下供給することもできる。特に、専用のコンクリート混練用ミキサ50で混練されるので、骨材、セメント等をミキサに供給するとき、供給順序、供給方法等に格別に拘束されない利点もある。しかしながら、問題点も多い。すなわち、従来のバッチャープラントは、コンクリート混練用ミキサ50を備え、このコンクリート混練用ミキサ50の上方には計量装置60、貯蔵ビン装置70等が配置されているので、バッチャープラント全体が高くなる欠点がある。高くなると、一般に地上に設けられている骨材貯蔵サイロ90あるいはセメントサイロ80から貯蔵ビン装置70までの搬送距離が長くなるので、バッチャープラントの建設費が高くなると同時にコンクリート材料を搬送する動力費が嵩むようにもなる。さらには、専用のコンクリート混練用ミキサ50を備えているので、消費電力も大きく、コンクリート混練用ミキサ50の保守、点検例えば操業後の洗浄という大きな問題もある。また、従来のバッチャープラントも、自動化は進んでいるが、コンクリート混練用ミキサ50を備えているので、これを監視する専門の操作員が必要で、完全に無人化できないという問題もある。
【0006】
このような問題は、コンクリート原料をコンクリートミキサ車で混練することにより解決されると考えられるが、我が国では次のような理由により実施されていない。すなわち、コンクリートミキサ車は、コンクリート製造装置内に定置されたコンクリート混練用ミキサで所要の品質に練り上がったコンクリートを受け入れ、コンクリート打設現場まで、コンクリートの品質の変化あるいは凝固が発生しないようにドラムを低速で回転しながら輸送し、現場に到達し打設直前に短時間高速で回転した後、ドラムを逆転して排出し、受け入れ時と変わらないコンクリートを打設するために使用されており、その機能を果たすためにドラム内には攪拌羽根が取り付けられている。したがって、ある程度の攪拌能力は有しているので、コンクリート原料をコンクリートミキサ車に直接投入してもコンクリートは得られる。しかしながら、コンクリート混練用ミキサに比べて混練能力が低いので、コンクリート混練用ミキサを使用せず、直接コンクリートミキサ車で所要のコンクリート得ようとすると、長時間、高速でドラムを回転させる必要があり、効率面、品質面、騒音面等において問題があるからである。
【0007】
一方、国外においてはコンクリートミキサ車に水タンクを搭載し、計量した骨材、セメント等のコンクリート材料を直接コンクリートミキサ車に投入し、ドラムを回転させながら打設現場まで運搬し、打設現場においてコンクリートミキサ車に搭載した水タンク内の水を散布しながらドラムを所定時間高速で回転して得られたコンクリートを打設するといった、いわゆるドライバッチ方式が採用されている国もある。しかしながら、この方法は混練水の管理、操作はコンクリートミキサ車の運転手の感に頼ることになり、安定した品質のコンクリートが得られないばかりでなく、コンクリート材料を運搬中に骨材に付着している少量の水分によりセメントがドラム、攪拌羽根等に付着、固化するという欠点もある。
【0008】
本発明は、上記したような問題点を解決したコンクリートの製造方法およびコンクリート製造装置を提供しようとするもので、具体的には定置されたコンクリート混練用ミキサを設置せず、コンクリートを製造することができる、コンクリートの製造方法およびコンクリート製造装置を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の上記目的は、計量された砂利、砂、セメント、水、混和剤等のコンクリート原料をコンクリートミキサ車に直接投入し、所定時間高速でコンクリートミキサ車のドラムを回転させることにより達成されるが、コンクリートミキサ車は、前述のように、コンクリート混練専用ではないので、コンクリート原料をコンクリートミキサ車に供給する方法に工夫が施されている。すなわち、本発明は、上記目的を達成するために、定置されたコンクリート混練用ミキサを設置せず、計量された砂利、砂、セメント、水、混和剤等からなるコンクリート原料をコンクリートミキサ車に直接的に投入供給して所要のコンクリートを製造する製造方法であって、単一の共通のベルトコンベヤ等の搬送装置を使用し、この搬送装置上に計量済みの砂利、砂、セメント等の材料を夫々の計量機から排出するに際し、搬送装置面上において、これらの材料が夫々の配合比率通りの帯状の積層断面で、しかもセメントが最上層あるいは砂利、砂の骨材の中間層となるように、計量機からの排出量及び排出開始及び終了時間を制御し、この帯状に積層され分散された材料を直接コンクリートミキサ車に投入するとともに、計量済みの混練水及び混和剤を流量調整可能な弁を備えた配管を介して直接コンクリートミキサ車に投入し、各原料投入後所定時間コンクリートミキサ車のドラムを高速回転に切り換えて運転し、所要のコンクリートを得るように構成される。請求項2に記載の発明は、定置されたコンクリート混練用ミキサを設置せず、計量された砂利、砂、セメント、水、混和剤等からなるコンクリート原料をコンクリートミキサ車に直接的に投入供給して所要のコンクリートを製造する製造方法であって、砂利、砂、セメント等のコンクリート材料の計量機の下部にそれぞれベルトコンベヤ等の搬送手段を設け、これらの搬送手段を通じてこれらの材料が実質的に同時に、あるいはセメントが若干遅れて、しかも何れもほぼ同一時間でコンクリートミキサ車に投入するように夫々の計量機からの排出量及び排出時間を制御し、夫々の材料がほぼ配合比率通りで分散されてコンクリートミキサ車に投入されると同時に、計量済みの混練水及び混和剤を流量調整可能な弁を備えた配管を介して直接コンクリートミキサ車に投入し、各原料投入後所定時間コンクリートミキサ車のドラムを高速回転に切り換えて運転し、所要のコンクリートを得るように構成される。請求項3に記載の発明は、砂利、砂、セメント等のコンクリート材料の各計量機の下部に夫々流量調節が可能な振動フイーダ等の計量物搬出手段を取り付け、この各計量物搬出手段の排出端が直列に配置されるように各計量機を配列するとともに、この計量物搬出手段の排出端の下部に単一の共通のベルトコンベヤ等の搬送装置を設け、この搬送装置上に計量済みの砂利、砂、セメント等の材料を夫々の計量機及び計量物排出手段を通じて排出するに際し、搬送装置面上においてこれらの材料が夫々の配合比率通りの帯状の積層断面で、しかもセメントが最上層あるいは砂利、砂の骨材の中間層となるように、計量機からの排出量及び排出開始及び終了時間を計量物排出手段により制御し、この帯状に積層され分散された材料を材料投入シュートを介して直接コンクリートミキサ車に投入するとともに、計量済みの混練水及び混和剤を流量調整可能な弁を備えた配管を介して直接コンクリートミキサ車に投入し、各原料投入後所定時間コンクリートミキサ車のドラムを高速回転に切り換えて運転し、所要のコンクリートを得ることにより、定置されたコンクリート混練用ミキサを搭載しないように構成される。請求項4に記載の発明は、砂利、砂、セメント等のコンクリート材料の各計量機の下部に夫々流量調節が可能な振動フイーダ等の計量物搬出手段を取り付け、さらに必要に応じてこれらの各計量物搬出手段の下部にベルトフィーダ等の搬送装置を設け、この計量物排出手段、あるいは搬送装置の排出端がコンクリートミキサ車上に設けた材料投入シュートの周囲に夫々配置されるように各計量機を配置し、計量済みのこれらの材料を実質的に同時に、あるいはセメントが若干遅れて、しかも何れもほぼ同一時間で材料投入シュートを介して直接コンクリートミキサ車に投入するように各計量物排出手段を制御するとともに、計量済みの混練水及び混和剤を流量調整可能な弁を備えた配管を介して直接コンクリートミキサ車に投入し、各原料投入後所定時間コンクリートミキサ車のドラムを高速回転に切り換えて運転し、所要のコンクリートを得ることにより、定置されたコンクリート混練用ミキサを搭載しないように構成される。請求項5に記載の発明は、請求項3または4に記載の材料投入シュートに代えて材料貯留ホッパを設け、搬送装置から搬送されてきた材料を一旦この材料貯留ホッパに貯留した後、コンクリートミキサ車に投入するように、そして請求項6に記載の発明は、請求項3〜5のいずれかの項に記載の計量済みの混練水および混和剤は、流量調節弁を備えた配管を介して、材料投入シュートあるいは材料貯留ホッパの下部外壁の周囲に設けたノズルあるいはスリットにより、砂利、砂、セメント等の材料がコンクリートミキサ車内に投入される際に分散投入されるとともに、その投入流量及び投入時間を上記流量調節弁により制御するように構成される。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、コンクリート製造装置の実施の形態を説明する。図1は、本発明の第1の実施の形態に係わるコンクリート製造装置の模式図であるが、同図に示されているように、第1の実施の形態によると、コンクリート製造装置は、図1の略中央部においてに示されているようにコンクリートミキサ車CVよりも高所に設けられた材料投入シュート1を備えている。そして、この材料投入シュート1からセメント、骨材等のコンクリート材料が、その下方に入車されるコンクリートミキサ車CVに直接的に投入されるようになっている。このように、本実施の形態によると、コンクリート材料が直接的にコンクリートミキサ車CVに投入されので、従来のバッチャープラントのように専用のコンクリート混練用ミキサは必要としない。
【0011】
このような材料投入シュート1にコンクリート材料を供給するために、本実施の形態では斜設されたベルトコンベヤ10が設けられている。そして、このベルトコンベヤ10に対応して、その最下位置すなわち最上流側に砂利を計量する砂利計量機20が、その下流側に砂を計量する砂計量機20aが、そして最下流側の、ベルトコンベヤ10の終端部近傍にセメント計量機20cが設けられている。砂利計量機20の上方には、従来周知形態をしたゲート21を介して砂利貯蔵ビン25が、また砂計量機20aの上方には、同様にゲート21aを介して砂貯蔵ビン25bがそれぞれ設けられている。セメント計量機20bに対しては、貯蔵ビンに代えて直接セメントサイロ25bから引き出すスクリューコンベヤ26および計量スクリュコンベヤ27が設けられ、セメントはゲート21bから直接的に供給されるようになっている。
【0012】
本コンクリート製造装置には、従来のバッチャープラントと同様に水計量機30、水一時貯留槽31、混和剤計量機32も設けられている。そして、水ポンプ33で圧送される混練水は管路34で水計量機30に、混和剤ポンプ35で同様に圧送される混和剤は管路36で混和剤計量機32にそれぞれ供給されるようになっている。また、混和剤計量機32で計量された混和剤は、管路37で水計量機30に供給されて、水との合計が計量される。そして、計量された水と混和剤は、管路38で水一時貯留槽31に貯えられるようになっている。水一時貯留槽31に貯えられた水と混和剤は、水一時貯留槽31の下部に取り付けられた流量調整弁40を介して水投入パイプ39により直接コンクリートミキサ車CVに供給されるようになっている。なお、水計量機30、混和剤計量機32等には、従来周知のように例えば電磁開閉弁が設けられているが、これらの弁は図1には模式的に示されているにすぎない。
【0013】
砂利および砂計量機20、20a、材料投入シュート1等の詳細が図2に示されている。砂利計量機20は、全体として略漏斗状になっているが、その下部に例えばエアシリンダ22によりその開閉される開閉ゲート23が設けられ、さらにその下方に流量制御が可能な電磁振動フイーダ24が設けられている。この電磁振動フイーダ24は、排出端がベルトコンベヤ10に臨むようにして複数本のコイルスプリング25、25、…により吊り下げられている。そして、本模式図に示されている電磁振動フィーダ24は、インバーターによって流量を制御することができるようになっている。砂計量機20aおよびセメント計量機20bの下方にも同様な開閉ゲート23a、23b、電磁振動フイーダ24a、24b等が設けられているが、前述した砂利計量機20に関連して設けられている開閉ゲート23、電磁振動フイーダ24等と同じ構造をしているので、同じ参照数字に「a」あるいは「b」を付けて重複説明はしない。
【0014】
ベルトコンベヤ10は、図2の(ロ)に、その断面が示されているように、ベルト11を支持する水平ローら12、側部を斜めに支えるガイドローラ13、13、ベルトの両側部に設けられている側板14、14等からなっている。そして、本実施の形態では、砂利、砂およびセメントは、砂利を下層に、セメントを最上層にして、材料投入シュート1まで搬送される。そのためにベルトコンベヤ10の速度および砂利、砂、セメントの供給量は、次のようにして制御される。すなわち、電磁振動フイーダ24、24aの排出端の間隔をL1、ベルトコンベヤ10の速度をVとすると、ベルトコンベヤ10はL1/V時間で、間隔L1を進む。したがって、最上流位置の電磁振動フイーダ24から流量が制御されてベルトコンベヤ10に砂利を供給し始めてからL1/V時間後に、その下流側の振動フイーダ24aから砂を供給すると、振動フイーダ24aの下に到達した砂利の上に砂が重なって供給されることになる。同様にして、時間差をもってセメントの供給を開始する。これにより、材料投入シュート1に、砂利、砂およびセメントは層状になって供給される。砂利G、砂SおよびセメントCが層状に重ねられた状態が図2の(ロ)に示されている。また、計量された砂利、砂およびセメントの全量を同時に材料投入シュート1に供給し終わるために、砂利計量機20の最後の砂利をベルト11に供給した後、L1/V時間後に砂計量機20aからの砂の供給も終わるように、開閉ゲート23aの下部に設けた電磁フィーダ24aを制御することにより、砂計量機20aからの供給量を制御する。同様にセメントの供給量も制御する。これにより、計量された砂利、砂およびセメントの、材料投入シュート1への供給は同時に終わる。
【0015】
本実施の形態によると、材料投入シュート1の下端の開口部の外周壁の近傍の、例えば約半周にわたって、図2の(ハ)に示されているように、散水用のノズルあるいはスリット7が取り付けられている。これらのノズルあるいはスリット7は、水投入パイプ39に接続されている。また、材料投入シュート1の上方には集塵機に連通した排気管3が取り付けられている。さらには、図1に示されているように、コンクリートミキサ車CVを取り囲むようにして、防音壁4が設けられている。なお、材料投入シュート1の内部には、砂利、砂およびセメントを必要に応じて攪拌混合する攪拌羽根5、5、…を設けることもできる。
【0016】
次に、第1の実施の形態によるコンクリートの製造例を説明する。砂利および砂貯蔵ビン25、25aに砂利と砂とを従来周知のようにしてそれぞれ貯蔵する。そして、砂利および砂計量機20、20aにより砂利と砂とをそれぞれ計量する。また、セメントも計量する。さらには、混和剤計量機32により混和剤を計量し、計量した混和剤と水との合計を水計量機30で計量し、水一時溜槽31に貯めておく。そうして、ベルトコンベヤ10を起動する。砂利計量機20からは砂利を、砂計量機20aからは砂を、そしてセメント計量機20bからはセメントを、電磁振動フイーダ24、24a、24bを介してベルト11上に均一に供給する。このとき、ベルト11の走行速度、砂計量機20aおよびセメント計量機20bからの供給開始時期、供給終了時期、供給量等を前述したようにして制御する。これにより、ベルト11の最下層に砂利、その上に砂、砂の上にセメントが層状に重なって材料投入シュート1を介してコンクリートミキサ車CVのドラムに投入供給される。このとき、必要に応じて攪拌羽根5、5、…を回転駆動する。また、材料投入シュート1内の空気を排気管3により集塵機の方へ排気する。これにより、防音壁4の効果と相まって良好な環境が保たれる。
【0017】
水一時溜槽31中の水と混和剤も、流量調節弁40により制御された流量でシュート1の開口部近傍の外周壁に設けられている散水用のノズルあるいはスリット7からコンクリートミキサ車CVのドラム内に投入される。すなわち、混和剤が混入された混練水が、コンクリート材料と同時に、あるいは若干時間をおいてコンクリートミキサ車CVのドラムに供給される。このようにして、コンクリート原料がコンクリートミキサ車CVのドラムに投入供給されたら、所定時間高速に切り換えて運転し、コンクリートの製造を終わる。混練を終わったら所定の低速度に戻し、コンクリートミキサ車CVは打設現場へ運行される。以下同様にしてコンクリートを製造する。
【0018】
上記第1の実施の形態は、色々変形が可能である。例えば、上記実施の形態では、砂利、砂、セメントの順に層状になって材料投入シュート1に供給されるようになっているが、砂、砂利、セメントの順で、あるいはセメントを砂利と砂との間または砂と砂利との間に層状にして供給できることも明らかである。さらには、フライアッシュ、高炉スラグ微粉末、石粉等の粉体混和材もセメントに準じて、あるいはセメントに混入して同様にして材料投入シュート1に投入できることも明らかである。
【0019】
上記実施の形態では、材料投入シュート1が適用されているが、シュートに代えて材料貯留ホッパ1’でも実施できる。その実施の形態が図2の(ニ)に示されている。本実施の形態によると、材料貯留ホッパ1’の開口部にはエアシリンダ6、6で開閉されるゲート2、2が設けられている。したがって、ベルトコンベヤ10で搬送されるコンクリート材料は、一旦材料貯留ホッパ1’に貯留され、そしてゲート2、2を開いてコンクリートミキサ車CVに投入されることになる。材料貯留ホッパ1’によっても、略同様にしてコンクリートが製造されることは明らかである。
【0020】
次に図3により、本発明の第2の実施の形態を説明する。第1の実施の形態の構成要素と、同じような構成要素には同じ参照数字を付けて重複説明はしないが、本実施の形態によると、材料投入シュート1の周囲には、該材料投入シュート1と略等距離になるようにして、砂利計量機20、セメント計量機20bおよび砂計量機20aが配置されている。そして、これらの計量機20、20aおよび20bの下部に電磁振動フイーダ24、24a、24bがそれぞれ設けられている。また、本実施の形態では電磁振動フイーダ24、24a、24bの下流端に材料投入シュート1に通じたベルトコンベヤ24’、24a’、24b’が設けられている。砂利計量機20、セメント計量機20bおよび砂計量機20aからの、それぞれの供給量は、計量された砂利、セメントおよび砂が略同時に供給開始され、そして略同時に供給を終わるように、電磁振動フイーダ24、24a、24bの流量が制御される。これにより、材料投入シュート1を介してコンクリートミキサ車CVにコンクリート材料が同じ割合で混合された状態で投入されることになり、コンクリートミキサ車CV内での混練が容易になる。また、水一時溜槽31中の水と混和剤も、流量調節弁40により制御された流量でノズルあるいはスリット7を介してコンクリートミキサ車CVのドラムに投入される。本実施の形態によっても、前述した第1の実施の形態と略同じようにしてコンクリートを製造できることは明らかである。
【0021】
本実施の形態も材料投入シュート1に代えて材料貯留ホッパ1’で実施できる。その例が図3の(ロ)に示されている。前述した図2の(ニ)に示されている実施の形態と略同様にしてコンクリートを製造できることは明らかである。なお、第2の実施の形態では、電磁振動フイーダ24、24a、24bの排出端にベルトコンベヤ24’、24a’、24b’が介在されているが、電磁振動フイーダ24、24a、24bにより直接材料投入フィーダ1あるいは材料貯留ホッパ1’に供給できることも明らかである。
【0022】
【発明の効果】
以上のように、本発明によると、単一の共通のベルトコンベヤ等の搬送装置を使用し、この搬送装置上に計量済みの砂利、砂、セメント等の材料を夫々の計量機から排出するに際し、搬送装置面上において、これらの材料が夫々の配合比率通りの帯状の積層断面で、しかもセメントが最上層あるいは砂利、砂の骨材の中間層となるように、計量機からの排出量及び排出開始及び終了時間を制御し、この薄い帯状に積層され分散された材料を直接コンクリートミキサ車に投入するので、また他の発明によると、砂利、砂、セメント等のコンクリート材料の計量機の下部にそれぞれベルトコンベヤ等の搬送手段を設け、これらの搬送手段を通じてこれらの材料が実質的に同時に、あるいはセメントが若干遅れて、しかも何れもほぼ同一時間でコンクリートミキサ車に投入するように夫々の計量機からの排出量及び排出時間を制御し、夫々の材料がほぼ配合比率通りで薄く分散されてコンクリートミキサ車に投入されるので、砂利、砂の間にセメントが入り込み、比重、粒度等の異なる砂利、砂、セメントからなるコンクリート材料の予備混合あるいは補助混練が行われることになる。その結果、コンクリート混練用ミキサがなくても、コンクリートミキサ車により所定の品質のコンクリートを得ることができるという本発明に特有の効果が得られる。また、セメントが最上層あるいは中間層にあるので、吸湿性のセメントが搬送装置に付着することが防止される。さらには、コンクリート混練用ミキサがないので、コンクリート製造装置全体を低く安価に構成することができ、また保守点検の費用も安く、さらにはコンクリート製造装置は、骨材管理、計量管理、出荷管理等を集中管理できるシステムを具備することにより無人運転で、例えばコンクリートミキサ車のドライバーが、コンクリート製造装置の押釦を押して、コンクリート原料をコンクリートミキサ車に投入するだけでコンクリートを製造することもできる効果も得られる。さらに他の発明によると、混練水および混和剤が、流量調節弁を備えた配管を介して、材料投入シュートあるいは材料貯留ホッパの下部外壁の周囲に設けたノズルあるいはスリットからコンクリートミキサ車に投入されるので、上記効果に加えて、骨材及びセメント材料等への混練水の分散が促進され、また材料投入シュートあるいは材料貯留ホッパの内周壁へのセメントの付着が防止される効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施の形態に係わるコンクート製造装置を模式的に示す正面図である。
【図2】 図1に示すコンクート製造装置の詳細を模式的に示す図で、その(イ)は全体を示す正面図、その(ロ)はベルトコンベヤ部分の断面図、その(ハ)は材料投入シュートの一部を示す正面図、その(ニ)は材料貯留ホッパの正面図である。
【図3】 本発明の第2の実施の形態に係わるコンクート製造装置を模式的に示す図で、その(イ)は全体を示す正面図、その(ロ)は材料貯留ホッパの正面図である。
【図4】 従来のコンクート製造プラントの例を模式的に示す正面図である。
【符号の説明】
1 材料投入ホッパ 1’ 材料貯留ホッパ
10 ベルトコンベヤ 20 砂利計量機
20a 砂計量機 20c セメント計量機
24、24a、24b 電磁振動フィーダ
CV コンクリートミキサ車
Claims (6)
- 定置されたコンクリート混練用ミキサを設置せず、計量された砂利、砂、セメント、水、混和剤等からなるコンクリート原料をコンクリートミキサ車に直接的に投入供給して所要のコンクリートを製造する製造方法であって、
単一の共通のベルトコンベヤ等の搬送装置を使用し、この搬送装置上に計量済みの砂利、砂、セメント等の材料を夫々の計量機から排出するに際し、搬送装置面上において、これらの材料が夫々の配合比率通りの帯状の積層断面で、しかもセメントが最上層あるいは砂利、砂の骨材の中間層となるように、計量機からの排出量及び排出開始及び終了時間を制御し、この帯状に積層され分散された材料を直接コンクリートミキサ車に投入するとともに、計量済みの混練水及び混和剤を流量調整可能な弁を備えた配管を介して直接コンクリートミキサ車に投入し、各原料投入後所定時間コンクリートミキサ車のドラムを高速回転に切り換えて運転し、所要のコンクリートを得ることを特徴とする、コンクリートの製造方法。 - 定置されたコンクリート混練用ミキサを設置せず、計量された砂利、砂、セメント、水、混和剤等からなるコンクリート原料をコンクリートミキサ車に直接的に投入供給して所要のコンクリートを製造する製造方法であって、
砂利、砂、セメント等のコンクリート材料の計量機の下部にそれぞれベルトコンベヤ等の搬送手段を設け、これらの搬送手段を通じてこれらの材料が実質的に同時に、あるいはセメントが若干遅れて、しかも何れもほぼ同一時間でコンクリートミキサ車に投入するように夫々の計量機からの排出量及び排出時間を制御し、夫々の材料がほぼ配合比率通りで分散されてコンクリートミキサ車に投入されると同時に、計量済みの混練水及び混和剤を流量調整可能な弁を備えた配管を介して直接コンクリートミキサ車に投入し、各原料投入後所定時間コンクリートミキサ車のドラムを高速回転に切り換えて運転し、所要のコンクリートを得ることを特徴とする、コンクリートの製造方法。 - 砂利、砂、セメント等のコンクリート材料の各計量機の下部に夫々流量調節が可能な振動フイーダ等の計量物搬出手段を取り付け、この各計量物搬出手段の排出端が直列に配置されるように各計量機を配列するとともに、この計量物搬出手段の排出端の下部に単一の共通のベルトコンベヤ等の搬送装置を設け、この搬送装置上に計量済みの砂利、砂、セメント等の材料を夫々の計量機及び計量物排出手段を通じて排出するに際し、搬送装置面上においてこれらの材料が夫々の配合比率通りの帯状の積層断面で、しかもセメントが最上層あるいは砂利、砂の骨材の中間層となるように、計量機からの排出量及び排出開始及び終了時間を計量物排出手段により制御し、この帯状に積層され分散された材料を材料投入シュートを介して直接コンクリートミキサ車に投入するとともに、計量済みの混練水及び混和剤を流量調整可能な弁を備えた配管を介して直接コンクリートミキサ車に投入し、各原料投入後所定時間コンクリートミキサ車のドラムを高速回転に切り換えて運転し、所要のコンクリートを得ることにより、定置されたコンクリート混練用ミキサを搭載しないことを特徴とするコンクリート製造装置。
- 砂利、砂、セメント等のコンクリート材料の各計量機の下部に夫々流量調節が可能な振動フイーダ等の計量物搬出手段を取り付け、さらに必要に応じてこれらの各計量物搬出手段の下部にベルトフィーダ等の搬送装置を設け、この計量物排出手段、あるいは搬送装置の排出端がコンクリートミキサ車上に設けた材料投入シュートの周囲に夫々配置されるように各計量機を配置し、計量済みのこれらの材料を実質的に同時に、あるいはセメントが若干遅れて、しかも何れもほぼ同一時間で材料投入シュートを介して直接コンクリートミキサ車に投入するように各計量物排出手段を制御するとともに、計量済みの混練水及び混和剤を流量調整可能な弁を備えた配管を介して直接コンクリートミキサ車に投入し、各原料投入後所定時間コンクリートミキサ車のドラムを高速回転に切り換えて運転し、所要のコンクリートを得ることにより、定置されたコンクリート混練用ミキサを搭載しないことを特徴とするコンクリート製造装置。
- 請求項3または4に記載の材料投入シュートに代えて材料貯留ホッパを設け、搬送装置から搬送されてきた材料を一旦この材料貯留ホッパに貯留した後、コンクリートミキサ車に投入することを特徴とするコンクリート製造装置。
- 請求項3〜5のいずれかの項に記載の計量済みの混練水および混和剤は、流量調節弁を備えた配管を介して、材料投入シュートあるいは材料貯留ホッパの下部外壁の周囲に設けたノズルあるいはスリットにより、砂利、砂、セメント等の材料がコンクリートミキサ車内に投入される際に分散投入されるとともに、その投入流量及び投入時間を上記流量調節弁により制御することを特徴とするコンクリート製造装置
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