JP4480718B2 - 高温薬液及び/又はガス搬送用積層ホース - Google Patents

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Description

本発明は、脂肪族ポリアミドからなる層と、特定の構造を有する半芳香族ポリアミドからなる層を含むことを特徴とする高温薬液及び/又はガス搬送用積層ホース、特に耐熱水性、耐薬品性、耐久性、薬液及び/又はガス透過防止性、層間接着性に優れた高温薬液及び/又はガス搬送用積層ホースに関する。
近年、エンジンルーム内で使用されるホースにおいては、エンジン性能の高性能化、高出力化に伴うエンジン冷却水(LLC)の温度上昇やエンジンルーム内の温度上昇等が要因となり、使用環境が過酷なものとなっている。欧州においては、燃費削減による経済性向上等の理由から、ディーゼルガソリンが一般的に使用されているが、上記のような理由により、ディーゼルガソリン搬送用ホースにおいても、より過酷な環境下で使用される。また、ディーゼルエンジンから排出される窒素酸化物、浮遊粒子状物質等、環境破壊につながる有害物質の除去、低減が環境保護の観点から喫緊の課題であり、ディーゼルエンジンから排出される窒素酸化物を除去するための触媒として、尿素溶液が注目されているが、該溶液を搬送するホースにおいても、同様に、過酷な環境下で使用されることが想定される。このような理由から、過酷な使用環境下においても、高い耐久性を有する素材、複合成形品への要求が高まりつつある。
ポリアミド系樹脂は、機械的性質、耐熱性、耐薬品性等に優れているため、ボトル、タンク、ホース、パイプ、ポット、もしくはパッキンやフランジ、バルブ、コック等の付属部品等の自動車用各種部品として広く使用されている。
ポリアミド系樹脂のうちで汎用的に用いられるポリアミド6やポリアミド66は、水及びカルシウム、亜鉛等の金属のハロゲン化物と強く相互作用する。その結果、ポリアミド6やポリアミド66を成形して得られたホースは、前記金属ハロゲン化物との接触下において亀裂を生じるという欠点を有していた。従って、ポリアミド6やポリアミド66の耐熱水性、耐塩化亜鉛性、耐塩化カルシウム性等を向上させることを目的とした検討が従来から行われており、特定の芳香族環構造を有するポリアミド系樹脂を用いる方法、及びポリオレフィン系樹脂を添加する方法等が提案されているが、これらの方法はいずれもポリアミド系樹脂の耐熱水性、耐塩化亜鉛性及び耐塩化カルシウム性等の耐薬品性を本質的に向上させるものではなく、さらに、高温下における耐薬品性についても同様に、その効果は不十分であった。
一方、ポリアミド11やポリアミド12は、ポリアミド6やポリアミド66と比較した場合、耐熱水性、耐塩化亜鉛性、耐塩化カルシウム性等の諸特性には優れるものの、使用環境雰囲気温度が高い場合においては、その耐久性は十分でなかった。
特に、循環流体が、冬期の凍結防止のためエチレングリコールを主体としたエンジン冷却液(LLC)やディーゼルガソリン、また、ディーゼルエンジンから放出されるNOxを除去するための触媒として封入される尿素溶液等の薬液及び/又はガス搬送用ホースにおいては、汎用的に用いられるポリアミド6やポリアミド66、ポリアミド11、ポリアミド12を使用した単層ホースでは、使用環境雰囲気温度が非常に高く、配管ホース内を通過する薬液及び/又はガスのホース隔壁を通じての透過量が大きい。よって、循環流体量の減少防止のため、これら液体の補充が必要となる場合があり、配管から透過して蒸散を抑制する、薬液及び/又はガス透過防止性に優れたホースの開発が求められている。
この問題を解決する方法として、耐熱性、耐熱水性、耐薬品性に優れるポリフェニレンスルフィド樹脂(PPS)からなる内層とポリアミド系樹脂からなる外層よりなる熱可塑性樹脂積層管状体が提案されている(特開平10−180911号公報参照)。元来、ポリフェニレンスルフィド系樹脂とポリアミド系樹脂を単純に積層したとしても、両材料間に密着性がないため、層間剥離が生じやすい。該熱可塑性樹脂積層管状体においては、層間接着性の向上のため、ポリフェニレンスルフィド系樹脂に対し特定のオレフィン系共重合体とポリアミド系樹脂を特定量配合した接着性樹脂組成物よりなる層と、ポリフェニレンスルフィド系樹脂よりなる層、ポリアミド系樹脂よりなる層を積層した積層管状体が開示されている。しかしながら、該積層管状体においても、使用環境、温度により、層間接着性が不十分という欠点を有している。
本発明の目的は、前記問題点を解決し、耐熱水性、耐薬品性、耐久性、層間接着性、薬液及び/又はガス透過防止性、特に高温時の薬液及び/又はガス透過防止性に優れた高温薬液及び/又はガス搬送用積層ホースを提供することにある。
本発明者らは、上記問題点を解決するために、鋭意検討した結果、特定の構造を有する半芳香族ポリアミドからなる層と、脂肪族ポリアミドからなる層とを積層してなる高温薬液及び/又はガス搬送用積層ホースが耐熱水性、耐薬品性、耐久性、薬液及び/又はガス透過防止性、層間接着性に優れることを見出した。
こうして、本発明は、下記を提供する。
(1)(A)脂肪族ポリアミドからなる(a)層、及び
(B)全ジアミン単位に対して、炭素数の脂肪族ジアミン単位を60モル%以上含むジアミン単位と、全ジカルボン酸単位に対して、テレフタル酸及び/又はナフタレンジカルボン酸単位を50モル%以上含むジカルボン酸単位よりなる半芳香族ポリアミドからなる(b)層
を含む、少なくとも2層以上からなる、高温薬液及び/又はガス搬送用積層ホース。
(2)前記積層ホースにおいて、(B)全ジアミン単位に対して、炭素数の脂肪族ジアミン単位を60モル%以上含むジアミン単位と、全ジカルボン酸単位に対して、テレフタル酸及び/又はナフタレンジカルボン酸単位を50モル%以上含むジカルボン酸単位よりなる半芳香族ポリアミドからなる(b)層が最内層に配置され、(A)脂肪族ポリアミドからなる(a)層が(b)層に対して外側に配置される、上記(1)に記載の高温薬液及び/又はガス搬送用積層ホース。
(3)前記積層ホースにおいて、(A)脂肪族ポリアミドが、ポリカプロアミド(ポリアミド6)、ポリヘキサメチレンアジパミド(ポリアミド66)、ポリヘキサメチレンドデカミド(ポリアミド612)、ポリウンデカンアミド(ポリアミド11)、ポリドデカンアミド(ポリアミド12)よりなる群より選ばれる少なくとも一種の単独重合体、又はこれらを形成する原料モノマーを数種用いた共重合体である、上記(1)又は(2)のいずれかに記載の高温薬液及び/又はガス搬送用積層ホース。
(4)前記積層ホースにおいて、(B)半芳香族ポリアミドが、全ジアミン単位に対して、1,9−ノナンジアミン及び/又は2−メチル−1,8−オクタンジアミン単位、又は1,12−ドデカンジアミン単位を60モル%以上含むジアミン単位と、全ジカルボン酸単位に対して、テレフタル酸及び/又は2,6−ナフタレンジカルボン酸単位を50モル%以上含むジカルボン酸単位よりなるポリアミドである、上記(1)から(3)のいずれかに記載の高温薬液及び/又はガス搬送用積層ホース。
(5)前記各層が共押出成形されてなる、上記(1)から(4)のいずれかに記載の高温薬液及び/又はガス搬送用積層ホース。
(6)前記積層ホースが、エンジン冷却液(LLC)ホース、ディーゼルガソリンホース、石油掘削ホース、含アルコールガソリン搬送用ホース、尿素溶液搬送用ホースのいずれかである、上記(1)から(5)のいずれかに記載の高温薬液及び/又はガス搬送用積層ホース。
(7)前記積層ホースにおいて、(a)層と(b)層が隣接している、上記(1)から(6)のいずれかに記載の高温薬液及び/又はガス搬送用積層ホース。
本発明の高温薬液及び/又はガス搬送用積層ホースは、耐熱水性、耐薬品性、耐久性、層間接着性、薬液及び/又はガス透過防止性、特に、高温時の薬液及び/又はガス透過防止性に優れる。したがって、高温条件下、薬液及び/又はガスと直接接触する場合においても、長期間使用することが可能であり、その利用価値は極めて大きい。
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明において使用される(A)脂肪族ポリアミドは、主鎖中にアミド結合(−NHCO−)を含み、脂肪族ポリアミド形成単位よりなる。(A)脂肪族ポリアミドは、ラクタム、アミノカルボン酸、又は脂肪族ジアミンと脂肪族ジカルボン酸とからなるナイロン塩を原料として、溶融重合、溶液重合や固相重合等の公知の方法で重合、又は共重合することにより得られる。
ラクタムとしては、カプロラクタム、エナントラクタム、ウンデカンラクタム、ドデカンラクタム、α−ピロリドン、α−ピペリドン等、アミノカルボン酸としては、6−アミノカプロン酸、7−アミノヘプタン酸、9−アミノノナン酸、11−アミノウンデカン酸、12−アミノドデカン酸等が挙げられる。これは1種又は2種以上を用いることができる。
ナイロン塩を構成する脂肪族ジアミンとしては、エチレンジアミン、1,3−プロピレンジアミン、1,4−ブタンジアミン、1,5−ペンタンジアミン、1,6−ヘキサンジアミン、1,7−ヘプタンジアミン、1,8−オクタンジアミン、1,9−ノナンジアミン、1,10−デカンジアミン、1,11−ウンデカンジアミン、1,12−ドデカンジアミン、1,13−トリデカンジアミン、1,14−テトラデカンジアミン、1,15−ペンタデカンジアミン、1,16−ヘキサデカンジアミン、1,17−ヘプタデカンジアミン、1,18−オクタデカンジアミン、1,19−ノナデカンジアミン、1,20−エイコサンジアミン、2/3−メチル−1,5−ペンタンジアミン、2−メチル−1,8−オクタンジアミン、2,2,4/2,4,4−トリメチル−1,6−ヘキサンジアミン、5−メチル−1,9−ノナンジアミン等が挙げられる。これは1種又は2種以上を用いることができる。
ナイロン塩を構成する脂肪族ジカルボン酸としては、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカンジカルボン酸、ドデカンジカルボン酸、トリデカンジカルボン酸、テトラデカンジカルボン酸、ペンタデカンジカルボン酸、ヘキサデカンジカルボン酸、オクタデカンジカルボン酸、エイコサンジカルボン酸等が挙げられる。これは1種又は2種以上を用いることができる。
本発明において、(A)脂肪族ポリアミドとしては、ポリカプロアミド(ポリアミド6)、ポリウンデカンアミド(ポリアミド11)、ポリドデカンアミド(ポリアミド12)、ポリエチレンアジパミド(ポリアミド26)、ポリテトラメチレンアジパミド(ポリアミド46)、ポリヘキサメチレンアジパミド(ポリアミド66)、ポリヘキサメチレンアゼラミド(ポリアミド69)、ポリヘキサメチレンセバカミド(ポリアミド610)、ポリヘキサメチレンウンデカミド(ポリアミド611)、ポリヘキサメチレンドデカミド(ポリアミド612)、ポリノナメチレンアジパミド(ポリアミド96)、ポリノナメチレンアゼラミド(ポリアミド99)、ポリノナメチレンセバカミド(ポリアミド910)、ポリノナメチレンウンデカミド(ポリアミド911)、ポリノナメチレンドデカミド(ポリアミド912)、ポリデカメチレンアジパミド(ポリアミド106)、ポリデカメチレンアゼラミド(ポリアミド109)、ポリデカメチレンセバカミド(ポリアミド1010)、ポリデカメチレンドデカミド(ポリアミド1012)、ポリドデカメチレンアジパミド(ポリアミド126)、ポリドデカメチレンアゼラミド(ポリアミド129)、ポリドデカメチレンセバカミド(ポリアミド1210)、ポリドデカメチレンドデカミド(ポリアミド1212)等の単独重合体やこれらを形成する原料モノマーを数種用いた共重合体等が挙げられる。
これらの中でも、ポリカプロアミド(ポリアミド6)、ポリヘキサメチレンアジパミド(ポリアミド66)、ポリウンデカンアミド(ポリアミド11)、ポリドデカンアミド(ポリアミド12)、ポリヘキサメチレンドデカミド(ポリアミド612)よりなる群より選ばれる少なくとも一種の単独重合体、又はこれらを形成する原料モノマーを数種用いた共重合体が好ましく、耐熱性、コストを考慮した場合においては、ポリカプロアミド(ポリアミド6)、ポリヘキサメチレンアジパミド(ポリアミド66)の単独重合体がより好ましく、また、耐熱水性、耐塩化亜鉛性、耐塩化カルシウム性を考慮した場合においては、ポリウンデカンアミド(ポリアミド11)、ポリドデカンアミド(ポリアミド12)、ポリヘキサメチレンドデカミド(ポリアミド612)の単独重合体がより好ましい。
また、本発明において使用される(A)脂肪族ポリアミドは、前記の単独重合体の混合物、前記の共重合体の混合物、単独重合体と共重合体の混合物であってもよいし、あるいは他のポリアミド系樹脂又はその他の熱可塑性樹脂との混合物であってもよい。混合物中の(A)脂肪族ポリアミドの含有率は、60重量%以上であることが好ましく、80重量%以上であることがより好ましい。
他のポリアミド系樹脂としては、ポリメタキシリレンアジパミド(ポリアミドMXD6)、ポリメタキシリレンスベラミド(ポリアミドMXD8)、ポリメタキシリレンアゼラミド(ポリアミドMXD9)、ポリメタキシリレンセバカミド(ポリアミドMXD10)、ポリメタキシリレンドデカミド(ポリアミドMXD12)、ポリメタキシリレンテレフタラミド(ポリアミドMXDT)、ポリメタキシリレンイソフタラミド(ポリアミドMXDI)、ポリメタキシリレンナフタラミド(ポリアミドMXDN)、ポリビス(4−アミノシクロヘキシル)メタンドデカミド(ポリアミドPACM12)、ポリビス(4−アミノシクロヘキシル)メタンテレフタラミド(ポリアミドPACMT)、ポリビス(4−アミノシクロヘキシル)メタンイソフタラミド(ポリアミドPACMI)、ポリビス(3−メチル−4−アミノシクロヘキシル)メタンドデカミド(ポリアミドジメチルPACM12)、ポリイソホロンアジパミド(ポリアミドIPD6)、ポリイソホロンテレフタラミド(ポリアミドIPDT)、ポリヘキサメチレンテレフタラミド(ポリアミド6T)、ポリヘキサメチレンイソフタラミド(ポリアミド6I)、ポリノナメチレンイソフタラミド(ポリアミド9I)、ポリノナメチレンヘキサヒドロテレフタラミド(ポリアミド9T(H))、ポリデカメチレンイソフタラミド(ポリアミド10I)、ポリデカメチレンヘキサヒドロテレフタラミド(ポリアミド10T(H))、ポリウンデカメチレンイソフタラミド(ポリアミド11I)、ポリウンデカメチレンヘキサヒドロテレフタラミド(ポリアミド11T(H))、ポリドデカメチレンイソフタラミド(ポリアミド12I)、ポリドデカメチレンヘキサヒドロテレフタラミド(ポリアミド12T(H))やこれらポリアミド原料モノマー及び/又は上記脂肪族ポリアミドの原料モノマー数種用いた共重合体等が挙げられる。これらは1種又は2種以上を用いることができる。
また、その他の熱可塑性樹脂としては、高密度ポリエチレン(HDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)、ポリプロピレン(PP)、エチレン/プロピレン共重合体(EPR)、エチレン/ブテン共重合体(EBR)、エチレン/酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン/酢酸ビニル共重合体鹸化物(EVOH)、エチレン/アクリル酸共重合体(EAA)、エチレン/メタクリル酸共重合体(EMAA)、エチレン/アクリル酸メチル共重合体(EMA)、エチレン/メタクリル酸メチル共重合体(EMMA)、エチレン/アクリル酸エチル共重合体(EEA)等のポリオレフィン系樹脂及び、カルボキシル基及びその塩、酸無水物基、エポキシ基等の官能基が含有された上記ポリオレフィン系樹脂、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンイソフタレート(PEI)、PET/PEI共重合体、ポリアリレート(PAR)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリブチレンナフタレート(PBN)、液晶ポリエステル(LCP)等のポリエステル系樹脂、ポリアセタール(POM)、ポリフェニレンオキシド(PPO)等のポリエーテル系樹脂、ポリサルホン(PSF)、ポリエーテルスルホン(PES)等のポリサルホン系樹脂、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリチオエーテルサルホン(PTES)等のポリチオエーテル系樹脂、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリアリルエーテルケトン(PAEK)等のポリケトン系樹脂、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリメタクリロニトリル、アクリロニトリル/スチレン共重合体(AS)、メタクリロニトリル/スチレン共重合体、アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン共重合体(ABS)、メタクリロニトリル/スチレン/ブタジエン共重合体(MBS)等のポリニトリル系樹脂、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)、ポリメタクリル酸エチル(PEMA)等のポリメタクリレート系樹脂、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、ポリ塩化ビニル(PVC)、塩化ビニル/塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニリデン/メチルアクリレート共重合体等のポリビニル系樹脂、酢酸セルロース、酪酸セルロース等のセルロース系樹脂、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリフッ化ビニル(PVF)、ポリクロルフルオロエチレン(PCTFE)、テトラフルオロエチレン/エチレン共重合体(ETFE)、エチレン/クロロトリフルオロエチレン共重合体(ECTFE)、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体(TFE/HFP,FEP)、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン/ビニリデンフルオライド共重合体(TFE/HFP/VDF,THV)、テトラフルオロエチレン/フルオロ(アルキルビニルエーテル)共重合体(PFA)等のフッ素系樹脂、ポリカーボネート(PC)等のポリカーボネート系樹脂、熱可塑性ポリイミド(PI)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリエーテルイミド等のポリイミド系樹脂、熱可塑性ポリウレタン系樹脂等が挙げられる。これらは1種又は2種以上を用いることができる。
本発明において使用される(A)脂肪族ポリアミドには、衝撃改良材を添加することが好ましい。衝撃改良材としては、ゴム状重合体が挙げられ、ASTM D−790に準拠して測定した曲げ弾性率が500MPa以下であるものが好ましい。曲げ弾性率がこの値を超えると、衝撃改良材としては不十分となる場合がある。
衝撃改良材としては、例えば、(エチレン及び/又はプロピレン)/α−オレフィン系共重合体、(エチレン及び/又はプロピレン)/(α,β−不飽和カルボン酸及び/又は不飽和カルボン酸エステル)系共重合体、アイオノマー重合体、芳香族ビニル化合物/共役ジエン化合物系ブロック共重合体が挙げられ、これらは1種又は2種以上を用いることができる。
上記の(エチレン及び/又はプロピレン)/α−オレフィン系共重合体は、エチレン及び/又はプロピレンと炭素数3以上のα−オレフィンを共重合した重合体であり、炭素数3以上のα−オレフィンとしては、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセン、1−トリデセン、1−テトラデセン、1−ペンタデセン、1−ヘキサデセン、1−ヘプタデセン、1−オクタデセン、1−ノナデセン、1−エイコセン、3−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ペンテン、3−エチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ヘキセン、4,4−ジメチル−1−ヘキセン、4,4−ジメチル−1−ペンテン、4−エチル−1−ヘキセン、3−エチル−1−ヘキセン、9−メチル−1−デセン、11−メチル−1−ドデセン、12−エチル−1−テトラデセンが挙げられる。これらは1種又は2種以上を用いることができる。
また、1,4−ペンタジエン、1,4−ヘキサジエン、1,5−ヘキサジエン、1,4−オクタジエン、1,5−オクタジエン、1,6−オクタジエン、1,7−オクタジエン、2−メチル−1,5−ヘキサジエン、6−メチル−1,5−ヘプタジエン、7−メチル−1,6−オクタジエン、4−エチリデン−8−メチル−1,7−ノナジエン、4,8−ジメチル−1,4,8−デカトリエン(DMDT)、ジシクロペンタジエン、シクロヘキサジエン、シクロオクタジエン、5−ビニルノルボルネン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、5−メチレン−2−ノルボルネン、5−イソプロピリデン−2−ノルボルネン、6−クロロメチル−5−イソプロペニル−2−ノルボルネン、2,3−ジイソプロピリデン−5−ノルボルネン、2−エチリデン−3−イソプロピリデン−5−ノルボルネン、2−プロペニル−2,5−ノルボルナジエン等の非共役ジエンのポリエンを共重合してもよい。これらは1種又は2種以上を用いることができる。
上記の(エチレン及び/又はプロピレン)/(α,β−不飽和カルボン酸及び/又は不飽和カルボン酸エステル)系共重合体は、エチレン及び/又はプロピレンとα,β−不飽和カルボン酸及び/又は不飽和カルボン酸エステル単量体を共重合した重合体であり、α,β−不飽和カルボン酸単量体としては、アクリル酸、メタクリル酸が挙げられ、α,β−不飽和カルボン酸エステル単量体としては、これら不飽和カルボン酸のメチルエステル、エチルエステル、プロピルエステル、ブチルエステル、ペンチルエステル、ヘキシルエステル、ヘプチルエステル、オクチルエステル、ノニルエステル、デシルエステル等が挙げられる。これらは1種又は2種以上を用いることができる。
上記のアイオノマー重合体は、オレフィンとα,β−不飽和カルボン酸共重合体のカルボキシル基の少なくとも一部が金属イオンの中和によりイオン化されたものである。オレフィンとしては、エチレンが好ましく用いられ、α,β−不飽和カルボン酸としては、アクリル酸、メタクリル酸が好ましく用いられるが、ここに例示したものに限定されるものではなく、不飽和カルボン酸エステル単量体が共重合されていても構わない。また、金属イオンはLi、Na、K、Mg、Ca、Sr、Ba等のアルカリ金属、アルカリ土類金属の他、Al、Sn、Sb、Ti、Mn、Fe、Ni、Cu、Zn、Cd等が挙げられる。これらは1種又は2種以上を用いることができる。
また、芳香族ビニル化合物/共役ジエン化合物系ブロック共重合体は、芳香族ビニル化合物系重合体ブロックと共役ジエン系重合体ブロックからなるブロック共重合体であり、芳香族ビニル化合物系重合体ブロックを少なくとも1個と、共役ジエン系重合体ブロックを少なくとも1個有するブロック共重合体が用いられる。また、上記のブロック共重合体では、共役ジエン系重合体ブロックにおける不飽和結合が水素添加されていてもよい。
芳香族ビニル化合物系重合体ブロックは、芳香族ビニル化合物に由来する構造単位から主としてなる重合体ブロックである。その場合の芳香族ビニル化合物としては、スチレン、α−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、ビニルナフタレン、ビニルアントラセン、4−プロピルスチレン、4−シクロヘキシルスチレン、4−ドデシルスチレン、2−エチル−4−ベンジルスチレン、4−(フェニルブチル)スチレン等が挙げられ、これらは1種又は2種以上を用いることができる。また、芳香族ビニル化合物系重合体ブロックは、場合により少量の他の不飽和単量体からなる構造単位を有していてもよい。共役ジエン系重合体ブロックは、1,3−ブタジエン、クロロプレン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、4−メチル−1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエン等の共役ジエン化合物の1種又は2種以上から形成された重合体ブロックであり、水素添加した芳香族ビニル化合物/共役ジエン化合物系ブロック共重合体では、その共役ジエン系重合体ブロックにおける不飽和結合部分の一部又は全部が水素添加により飽和結合になっている。
芳香族ビニル化合物/共役ジエン化合物系ブロック共重合体及びその水素添加物の分子構造は、直鎖状、分岐状、放射状、又はそれら任意の組み合わせのいずれであってもよい。これらの中でも、芳香族ビニル化合物/共役ジエン化合物系ブロック共重合体及び/又はその水素添加物として、1個の芳香族ビニル化合物系重合体ブロックと1個の共役ジエン系重合体ブロックが直鎖状に結合したジブロック共重合体、芳香族ビニル化合物系重合体ブロック−共役ジエン系重合体ブロック−芳香族ビニル化合物系重合体ブロックの順に3つの重合体ブロックが直鎖状に結合しているトリブロック共重合体、及びそれらの水素添加物の1種又は2種以上が好ましく用いられ、未水添又は水添スチレン/ブタジエンブロック共重合体、未水添又は水添スチレン/イソプレンブロック共重合体、未水添又は水添スチレン/イソプレン/スチレンブロック共重合体、未水添又は水添スチレン/ブタジエン/スチレンブロック共重合体、未水添又は水添スチレン/イソプレン/ブタジエン/スチレンブロック共重合体等が挙げられる。
また、衝撃改良材として用いられる(エチレン及び/又はプロピレン)/α−オレフィン系共重合体、(エチレン及び/又はプロピレン)/(α,β−不飽和カルボン酸及び/又は不飽和カルボン酸エステル)系共重合体、アイオノマー重合体、芳香族ビニル化合物/共役ジエン化合物系ブロック共重合体等は、カルボン酸及び/又はその誘導体で変性された重合体が好ましく使用される。このような成分により変性することにより、ポリアミド樹脂に対して親和性を有する官能基をその分子中に含むこととなる。
ポリアミド樹脂に対して親和性を有する官能基としては、カルボキシル基、酸無水物基、カルボン酸エステル基、カルボン酸金属塩、カルボン酸イミド基、カルボン酸アミド基、エポキシ基等が挙げられる。これらの官能基を含む化合物の例として、アクリル酸、メタアクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、クロトン酸、メサコン酸、シトラコン酸、グルタコン酸、シス−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸、エンドビシクロ−[2.2.1]−5−ヘプテン−2,3−ジカルボン酸及びこれらカルボン酸の金属塩、マレイン酸モノメチル、イタコン酸モノメチル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ヒドロキシエチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ヒドロキシエチル、メタクリル酸アミノエチル、マレイン酸ジメチル、イタコン酸ジメチル、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸、エンドビシクロ−[2.2.1]−5−ヘプテン−2,3−ジカルボン酸無水物、マレイミド、N−エチルマレイミド、N−ブチルマレイミド、N−フェニルマレイミド、アクリルアミド、メタクリルアミド、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、エタクリル酸グリシジル、イタコン酸グリシジル、シトラコン酸グリシジル等が挙げられる。これらは1種又は2種以上を用いることができる。
衝撃改良材の配合量は、(A)脂肪族ポリアミド成分100重量部に対して、1〜35重量部であることが好ましく、5〜25重量部であることがより好ましい。衝撃改良材の配合量が前記の値を超えると、高温薬液及び/又はガス搬送用積層ホースの本来の機械的特性が損なわれる場合がある。
さらに、本発明において使用される(A)脂肪族ポリアミドが、ポリアミド6、ポリアミド66等、ポリアミド反復単位中のアミド基1個あたりの炭素数が比較的少ない場合は、耐塩化カルシウム性を向上させるため、脂肪族ジアミンとテレフタル酸及び/又はイソフタル酸をポリアミド形成単位とするポリアミドを配合することが好ましい。ここで使用される、脂肪族ジアミンとしては、ポリアミド6やポリアミド66との相溶性を考慮した場合、1,6−ヘキサンジアミンが好ましく選択される。テレフタル酸とイソフタル酸とは、任意の割合で使用されるが、テレフタル酸/イソフタル酸=80/20〜20/80(重量比)であることが好ましい。
脂肪族ジアミンとテレフタル酸及び/又はイソフタル酸をポリアミド形成単位とするポリアミドは、上記ポリアミド形成単位が100重量%である重合体であってもよいが、該ポリアミド形成単位を85重量%以上と、他の成分、例えば、ラクタム、アミノカルボン酸、テレフタル酸及びイソフタル酸以外のジカルボン酸とジアミンにより導入されるポリアミド形成単位15重量%以下とからなる共重合体であってもよい。他の共重合単位として、特に、ヘキサメチレンアジパミド単位及び/又はカプロアミド単位から構成されるポリアミドであることが好ましい。
さらに、(A)脂肪族ポリアミドには、必要に応じて、酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、光安定化剤、滑剤、無機充填材、帯電防止剤、難燃剤、結晶化促進剤、着色剤、可塑剤等を添加してもよい。
(A)脂肪族ポリアミドの製造において使用される製造装置としては、バッチ式反応釜、一槽式ないし多槽式の連続反応装置、管状連続反応装置、一軸型混練押出機、二軸型混練押出機等の混練反応押出機等、公知のポリアミド製造装置が挙げられる。重合方法としては溶融重合、溶液重合や固相重合等の公知の方法を用い、常圧、減圧、加圧操作を繰り返して重合することができる。これらの重合方法は単独で、あるいは適宜、組合せて用いることができる。
また、(A)脂肪族ポリアミドのJIS K−6920に準拠して測定した相対粘度は、1.5〜5.0であることが好ましく、2.0〜4.5であることがより好ましい。(A)脂肪族ポリアミドの相対粘度が前記の値未満であると、得られる高温薬液及び/又はガス搬送用積層ホースの機械的性質が不十分な場合があり、また、前記の値を超えると、押出圧力やトルクが高くなりすぎて、高温薬液及び/又はガス搬送用積層ホースの製造が困難となる場合がある。
本発明において使用される(B)半芳香族ポリアミドとは、全ジアミン単位に対して、炭素数の脂肪族ジアミン単位を60モル%以上含むジアミン単位と、全ジカルボン酸単位に対して、テレフタル酸及び/又はナフタレンジカルボン酸単位を50モル%以上含むジカルボン酸単位よりなるポリアミドである(以下、半芳香族ポリアミドと称する場合がある)。
(B)半芳香族ポリアミド中の、テレフタル酸及び/又はナフタレンジカルボン酸からなる単位の含有量としては、全ジカルボン酸単位に対して、50モル%以上であり、60モル%以上であることが好ましく、75モル%以上であることがより好ましく、90モル%以上であることがさらに好ましい。テレフタル酸及び/又はナフタレンジカルボン酸単位の含有量が50モル%未満であると、得られる高温薬液及び/又はガス搬送用積層ホースの耐熱性、耐薬品性、薬液及び/又はガス透過防止性等の諸物性が低下する傾向がある。
ナフタレンジカルボン酸単位としては、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸から誘導される単位が挙げられる。これらは1種又は2種以上を用いることができる。上記ナフタレンジカルボン酸単位の中でも、2,6−ナフタレンジカルボン酸から誘導される単位が好ましい。
(B)半芳香族ポリアミド中のジカルボン酸単位は、本発明の高温薬液及び/又はガス搬送用積層ホースの優れた諸特性を損なわない範囲内であれば、テレフタル酸及び/又はナフタレンジカルボン酸から誘導される単位以外の他のジカルボン酸単位を含んでいてもよい。該他のジカルボン酸単位としては、マロン酸、ジメチルマロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、2−メチルアジピン酸、2,2,4/2,4,4−トリメチルアジピン酸、ピメリン酸、2,2−ジメチルグルタル酸、2,2−ジエチルコハク酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカンジカルボン酸、ドデカンジカルボン酸等の脂肪族ジカルボン酸、1,3−シクロペンタンジカルボン酸、1,3/1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環式ジカルボン酸、イソフタル酸、1,3/1,4−フェニレンジオキシジ酢酸、ジフェン酸、4,4’−オキシジ安息香酸、ジフェニルメタン−4,4’−ジカルボン酸、ジフェニルエタン−4,4’−ジカルボン酸、ジフェニルプロパン−4,4’−ジカルボン酸、ジフェニルスルホン−4,4’−ジカルボン酸、4,4’−ビフェニルジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸から誘導される単位が挙げられ、これらのうち1種又は2種以上を用いることができる。上記単位の中でも、芳香族ジカルボン酸から誘導される単位が好ましい。これら他のジカルボン酸単位の含有量は、50モル%以下であり、40モル%以下であることが好ましく、25モル%以下であるのがより好ましく、10モル%以下であるのがさらに好ましい。さらに、トリメリット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸等の多価カルボン酸を溶融成形が可能な範囲内で用いることもできる。
また、(B)半芳香族ポリアミド中の、炭素数の脂肪族ジアミン単位の含有量としては、全ジアミン単位に対して、60モル%以上であり、75モル%以上であることが好ましく、90モル%以上であることがより好ましい。炭素数9〜13の脂肪族ジアミン単位の含有量が60モル%未満であると、高温薬液及び/又はガス搬送用積層ホースの耐熱性、耐薬品性、耐衝撃性が低下する傾向がある。
炭素数の脂肪族ジアミン単位としては、1,9−ノナンジアミンから誘導される単位が挙げられる。炭素数が上記を満たす限り、直鎖状脂肪族ジアミン単位のみでなく、2,2,4/2,4,4−トリメチル−1,6−ヘキサンジアミン、2,2/2,3/2,4/2,5−ジメチル−ヘプタンジアミン、2/3/4−メチル−1,8−オクタンジアミ等の分岐状脂肪族ジアミンから誘導される単位を含有していても構わない。これらは1種又は2種以上を用いることができる。
上記、炭素数の脂肪族ジアミン単位の中でも、薬液及び/又はガス透過防止性の観点から、1,9−ノナンジアミン及び/又は2−メチル−1,8−オクタンジアミンから誘導される単位が好ましい。さらに、1,9−ノナンジアミン単位と2−メチル−1,8−オクタンジアミン単位とのモル比は、成形性及び耐衝撃性、共押出成形性のバランスの観点から、30:70〜98:2モル%であることが好ましく、40:60〜95:5モル%であることがより好ましい。
(B)半芳香族ポリアミド中のジアミン単位は、本発明の高温薬液及び/又はガス搬送用積層ホースの優れた諸特性を損なわない範囲内であれば、炭素数9〜13の脂肪族ジアミンから誘導される単位以外の他のジアミン単位を含んでいてもよい。該他のジアミン単位としては、例えば、1,10−デカンジアミン、1,11−ウンデカンジアミン、1,12−ドデカンジアミン、1,13−トリデカンジアミン、2,4−ジエチル−1,6−ヘキサンジアミン、1,3/1,4/2,2/2,4/3,3/3,4/4,4/4,5−ジメチル−1,8−オクタンジアミン、5−メチル−1,9−ノナンジアミン、2/3−ブチル−1,8−オクタンジアミンなどの炭素数10〜13の脂肪族ジアミン、エチレンジアミン、1,3−プロピレンジアミン、1,4−ブタンジアミン、1,6−ヘキサンジアミン、1,8−オクタンジアミン、2−メチル−1,5−ペンタンジアミン、3−メチル−1,5−ペンタンジアミン等の脂肪族ジアミン、1,3/1,4−シクロヘキサンジアミン、1,3/1,4−シクロヘキサンジメチルアミン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)プロパン、ビス(3−メチル−4−アミノシクロヘキシル)メタン、ビス(3−メチル−4−アミノシクロヘキシル)プロパン、5−アミノ−2,2,4−トリメチル−1−シクロペンタンメチルアミン、5−アミノ−1,3,3−トリメチルシクロヘキサンメチルアミン、ビス(アミノプロピル)ピペラジン、ビス(アミノエチル)ピペラジン、ノルボルナンジメチルアミン、トリシクロデカンジメチルアミン等の脂環式ジアミン、パラフェニレンジアミン、メタフェニレンジアミン、パラキシリレンジアミン、メタキシリレンジアミン、1,4/1,5/2,6/2,7−ナフタレンジメチルアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)プロパン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル等の芳香族ジアミンから誘導される単位が挙げられ、これらは1種又は2種以上を用いることができる。これらの他のジアミン単位の含有量は、40モル%以下であり、25モル%以下であることが好ましく、10モル%以下であることがより好ましい。
(B)半芳香族ポリアミドのJIS K−6920に準拠して測定した相対粘度は、1.5〜4.0であることが好ましく、1.8〜3.5であることがより好ましく、2.0〜3.0であることがさらに好ましい。前記の値未満であると、得られる高温薬液及び/又はガス搬送用積層ホースの機械的性質が不十分な場合があり、また、前記の値を超えると、押出圧力やトルクが高くなりすぎて、高温薬液及び/又はガス搬送用積層ホースの製造が困難となる場合がある。
また、(B)半芳香族ポリアミドは、その分子鎖の末端が末端封止剤により封止されていることが好ましく、末端基の40%以上が封止されていることがより好ましく、末端基の60%以上が封止されていることがさらに好ましい。
末端封止剤としては、ポリアミド末端のアミノ基又はカルボキシル基と反応性を有する単官能性の化合物であれば特に制限はないが、反応性及び封止末端の安定性等の点から、モノカルボン酸又はモノアミンが好ましく、取扱いの容易さ等の点から、モノカルボン酸がより好ましい。その他、酸無水物、モノイソシアネート、モノ酸ハロゲン化物、モノエステル類、モノアルコール類等も使用できる。
末端封止剤として使用されるモノカルボン酸としては、アミノ基との反応性を有するものであれば特に制限はないが、例えば、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、カプリル酸、ラウリン酸、トリデシル酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ピバリン酸、イソブチル酸等の脂肪族モノカルボン酸、シクロヘキサンカルボン酸等の脂環式モノカルボン酸、安息香酸、トルイル酸、α−ナフタレンカルボン酸、β−ナフタレンカルボン酸、メチルナフタレンカルボン酸、フェニル酢酸等の芳香族モノカルボン酸が挙げられる。これらは1種又は2種以上を用いることができる。これらの中でも、反応性、封止末端の安定性、価格等の点から、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、カプリル酸、ラウリン酸、トリデシル酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、安息香酸がさらに好ましい。
末端封止剤として使用されるモノアミンとしては、カルボキシル基との反応性を有するものであれば特に制限はないが、例えば、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、ヘキシルアミン、オクチルアミン、デシルアミン、ステアリルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジブチルアミン等の脂肪族モノアミン、シクロヘキシルアミン、ジシクロヘキシルアミン等の脂環式モノアミン、アニリン、トルイジン、ジフェニルアミン、ナフチルアミン等の芳香族モノアミンが挙げられる。これらは1種又は2種以上を用いることができる。これらのなかでも、反応性、沸点、封止末端の安定性及び価格等の点から、ブチルアミン、ヘキシルアミン、オクチルアミン、デシルアミン、ステアリルアミン、シクロヘキシルアミン、アニリンがより好ましい。
(B)半芳香族ポリアミドを製造する際に用いられる末端封止剤の使用量は、最終的に得られるポリアミドの相対粘度及び末端基の封止率から決定される。具体的な使用量は、用いる末端封止剤の反応性、沸点、反応装置、反応条件等によって変化するが、通常、原料であるジカルボン酸とジアミンの総モル数に対して0.3〜10モル%の範囲内で使用される。
さらに、(B)半芳香族ポリアミドの製造装置としては、バッチ式反応釜、一槽式ないし多槽式の連続反応装置、管状連続反応装置、一軸型混練押出機、二軸型混練押出機等の混練反応押出機等、公知のポリアミド製造装置が挙げられる。重合方法としては溶融重合、溶液重合や固相重合等の公知の方法を用い、常圧、減圧、加圧操作を繰り返して重合することができる。これらの重合方法は単独で、あるいは適宜、組合せて用いることができる。
また、(B)半芳香族ポリアミドは、前記の他のポリアミド系樹脂又はその他の熱可塑性樹脂との混合物であってもよい。また、本発明で使用される、(A)脂肪族ポリアミドとの混合物であっても構わない。混合物中の(B)半芳香族ポリアミドの含有率は、80重量%以上であることが好ましい。
(B)半芳香族ポリアミドには、長期耐熱性を向上させるために、銅化合物を配合することが好ましい。銅化合物としては、塩化第一銅、塩化第二銅、臭化第一銅、臭化第二銅、ヨウ化第一銅、ヨウ化第二銅、硫酸第二銅、硝酸第二銅、リン酸第二銅、ピロリン酸第二銅、酢酸第一銅、酢酸第二銅、サリチル酸第二銅、ステアリン酸第二銅、安息香酸第二銅、前記無機ハロゲン化銅とキシリレンジアミン、2−メルカプトベンズイミダゾール、2−メルカプトベンズチアゾール、ベンズイミダゾール等との錯塩等が挙げられる。これらは1種又は2種以上を用いることができる。
銅化合物の配合量は、(B)半芳香族ポリアミド成分100重量部に対して、0.01〜3重量部であることが好ましく、0.02〜1重量部であることがより好ましい。銅化合物の配合量が前記の値未満であると、得られる高温薬液及び/又はガス搬送用積層ホースの耐熱性が十分でない場合があり、前記の値を超えると、高温薬液及び/又はガス搬送用積層ホースの溶融成形時に、金属塩の遊離が発生し、着色により製品の価値が損なわれる場合がある。
また、(B)半芳香族ポリアミドには、前記銅化合物と併用する形で、ハロゲン化アルカリ金属化合物を添加することも可能である。ハロゲン化アルカリ金属化合物としては、塩化リチウム、臭化リチウム、ヨウ化リチウム、フッ化リチウム、塩化ナトリウム、臭化ナトリウム、ヨウ化ナトリウム、塩化カリウム、臭化カリウム、ヨウ化カリウム、フッ化カリウム等が挙げられる。これらは1種又は2種以上を用いることができる。これらの中でも、ヨウ化カリウムがより好ましい。また、これらのハロゲン化アルカリ金属化合物の配合量は、(B)半芳香族ポリアミド成分100重量部に対して、0.01〜10重量部であることが好ましく、0.02〜3重量部であることがより好ましく、かつ前記銅化合物100重量部に対して、100〜1000重量部であることがさらに好ましい。
さらに、前記(A)脂肪族ポリアミドに対しても、長期耐熱性を向上させる目的で、上記の銅化合物、ハロゲン化アルカリ金属化合物を配合することも好ましい。また、(A)脂肪族ポリアミドがポリアミド6、ポリアミド66等、ポリアミド反復単位中のアミド基1個あたりの炭素数が比較的少ない場合、耐塩化カルシウム性を向上させる目的で、(B)半芳香族ポリアミドを配合してもよい。
さらに、(B)半芳香族ポリアミドには、必要に応じて、酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、光安定化剤、滑剤、無機質充填材、帯電防止剤、難燃剤、結晶化促進剤、可塑剤、着色剤、潤滑剤、衝撃改良材等を添加してもよい。(B)半芳香族ポリアミドの耐衝撃性改良のため、衝撃性改良材を添加することが好ましく、耐衝撃改良材としては、(A)脂肪族ポリアミド中に記載した、ASTMD−790に準拠して測定した曲げ弾性率が500MPa以下のゴム状重合体を添加することがより好ましい。
本発明に係わる高温薬液及び/又はガス搬送用積層ホースは、(A)脂肪族ポリアミドからなる(a)層、及び(B)全ジアミン単位に対して、炭素数の脂肪族ジアミン単位を60モル%以上含むジアミン単位と、全ジカルボン酸単位に対して、テレフタル酸及び/又はナフタレンジカルボン酸単位を50モル%以上含むジカルボン酸単位よりなる半芳香族ポリアミドからなる(b)層を含む、少なくとも2層以上の層から構成される。
好ましい実施様態としては、(B)半芳香族ポリアミドからなる(b)層が最内層に配置され、(A)脂肪族ポリアミドからなる(a)層が(b)層に対して外側に配置される。耐熱水性、薬液及び/又はガス透過防止性、耐薬品性等の面から、(B)半芳香族ポリアミドからなる(b)層が最内層に、低温耐衝撃性を含むホース物性のバランスの面から、(A)脂肪族ポリアミドからなる(a)層が最外層に配置された構造であることがさらに好ましい。また、高温下での使用を考慮した場合、(B)半芳香族ポリアミドからなる(b)層が最内層及び最外層に、(A)脂肪族ポリアミドからなる(a)層が中間層に配置された3層以上の構造であってもよい。図1及び図2に、このような本発明に係わる高温薬液及び/又はガス搬送用積層ホースの例を横断面図で示す。図1は2層積層ホースであり、図3は3層積層ホースである。図1において、参照番号1は外側層としての(a)層、2は内側層としての(b)層を示す。図2において、参照番号5は最外層としての(b)層、6は最内層としての(b)層であり、7は中間層としての(a)層を示す。
本発明の高温薬液及び/又はガス搬送用積層ホースにおいて、(B)半芳香族ポリアミドからなる(b)層を含むことは必須であり、(B)半芳香族ポリアミドからなる(b)層が配置されることにより、薬液及び/又はガス透過防止性に優れる高温薬液及び/又はガス搬送用積層ホースを得ることが可能である。
本発明の高温薬液及び/又はガス搬送用積層ホースでは、各層の厚さは特に制限されず、各層を構成する重合体の種類、高温薬液及び/又はガス搬送用積層ホースにおける全体の層数等に応じて調節し得るが、それぞれの層の厚みは、高温薬液及び/又はガス搬送用積層ホースの低温耐衝撃性、柔軟性等の特性を考慮して決定され、一般には、(a)層、(b)層の厚さは、高温薬液及び/又はガス搬送用積層ホース全体の厚みに対して、それぞれ3〜97%であることが好ましい。薬液及び/又はガス透過防止性を考慮して、(b)層の厚みは高温薬液及び/又はガス搬送用積層ホース全体の厚みに対して、5〜80%であることがより好ましく、10〜50%であることがさらに好ましい。
また、本発明の高温薬液及び/又はガス搬送用積層ホースは、各種薬液配管ホース等に使用された場合、配管内を循環する薬液の内部摩擦あるいは管壁との摩擦によって発生した静電気が蓄積して、薬液に引火することを防止するため、導電性フィラーを配合した樹脂組成物からなる層が、最内層に配置されることが好ましい。これにより、薬液等の流体の搬送時に発生する静電気による爆発防止が可能となる。その際、導電性を有さない層が、前記導電層に対して外側に配置されることにより、低温耐衝撃性、導電性を両立することが可能であり、また経済的にも有利である。
導電性フィラーとは、樹脂に導電性能を付与するために添加されるすべての充填材が包含され、粒状、フレーク状及び繊維状フィラー等が挙げられる。
粒状フィラーとしては、カーボンブラック、グラファイト等が挙げられる。フレーク状フィラーとしては、アルミフレーク、ニッケルフレーク、ニッケルコートマイカ等が好適に使用できる。また、繊維状フィラーとしては、炭素繊維、炭素被覆セラミック繊維、カーボンウィスカー、カーボンナノチューブ、アルミ繊維、銅繊維、黄銅繊維、ステンレス繊維等の金属繊維等が挙げられる。これらの中では、カーボンナノチューブ、カーボンブラックが好ましい。
カーボンナノチューブは、中空炭素フィブリルと称されるものであり、該中空炭素フィブリルは、規則的に配列した炭素原子の本質的に連続的な多数層からなる外側領域と、内部中空領域とを有し、各層と中空領域とが該フィブリルの円柱軸の周囲に実質的に同心に配置されている本質的に円柱状のフィブリルである。更に、上記外側領域の規則的に配列した炭素原子が黒鉛状であり、上記中空領域の直径が2〜20nmであることが好ましい。カーボンナノチューブの外径は、3.5〜70nmであることが好ましく、4〜60nmであることがより好ましい。外径が前記の値未満であると、樹脂中への分散性に劣る場合があり、前記の値を超えると得られる樹脂成形体の導電性が劣る場合がある。カーボンナノチューブのアスペクト比(長さ/外径の比をいう)は、5以上であることが好ましく、100以上であることがより好ましく、500以上であることがさらに好ましい。該アスペクト比を満たすことにより、導電性ネットワークを形成しやすく、少量添加で優れた導電性を発現することができる。
カーボンブラックは、導電性付与に一般的に使用されているカーボンブラックがすべて包含され、好ましいカーボンブラックとしては、アセチレンガスを不完全燃焼して得られるアセチレンブラックや、原油を原料にファーネス式不完全燃焼によって製造されるケッチェンブラック、オイルブラック、ナフタリンブラック、サーマルブラック、ランプブラック、チャンネルブラック、ロールブラック、ディスクブラック等が挙げられるが、これらに限定されない。これらの中でも、アセチレンブラック、ファーネスブラック(ケッチェンブラック)がより好ましい。
また、カーボンブラックは、その粒子径、表面積、DBP吸油量、灰分等の特性の異なる種々のカーボン粉末が製造されている。本発明で用いることのできるカーボンブラックは、これら特性に特に制限は無いが、良好な鎖状構造を有し、凝集密度の大きいものが好ましい。カーボンブラックの多量配合は耐衝撃性の面で好ましくなく、より少量で優れた電気伝導度を得る観点から、平均粒径は500nm以下であることが好ましく、5〜100nmであることがより好ましく、10〜70nmであることがさらに好ましく、表面積(BET法)は、10m/g以上であることが好ましく、300m/g以上であることがより好ましく、500〜1500m/gであることがさらに好ましく、DBP(ジブチルフタレート)吸油量は、50ml/100g以上であることが好ましく、100ml/100g以上であることがより好ましく、300ml/100g以上であることがさらに好ましい。また灰分は0.5重量%以下であることが好ましく、0.3重量%以下であることがより好ましい。ここでいうDBP吸油量とは、ASTM D−2414に定められた方法で測定した値である。また、カーボンブラックは、揮発分含量が1.0重量%未満であることがより好ましい。
これら、導電性フィラーはチタネート系、アルミ系、シラン系等の表面処理剤で表面処理を施されていても良い。また溶融混練作業性を向上させるために造粒されたものを用いることも可能である。
導電性フィラーの配合量は、用いる導電性フィラーの種類により異なるため、一概に規定はできないが、導電性と流動性、機械的強度等とのバランスの点から、樹脂成分100重量部に対して、一般に3〜30重量部であることが好ましい。
また、かかる導電性フィラーは、十分な帯電防止性能を得る意味で、溶融押出物の表面固有抵抗値が10Ω/square以下であることが好ましく、10Ω/square以下であることがより好ましい。但し上記導電性フィラーの配合は強度、流動性の悪化を招きやすい。そのため目標とする導電レベルが得られれば、上記導電性フィラーの配合量はできるだけ少ない方が望ましい。
また、本発明の高温薬液及び/又はガス搬送用積層ホースにおける全体の層数は特に制限されず、(A)脂肪族ポリアミドからなる(a)層、(B)半芳香族ポリアミドからなる(b)層とを含む、少なくとも2層以上である限りは何層であってもよい。さらに本発明の高温薬液及び/又はガス搬送用積層ホースは、さらなる機能の付与、あるいは経済的に有利な積層ホースを得るために、他の熱可塑性樹脂からなる層を1層又は2層以上を有していてもよい。
他の熱可塑性樹脂からなる層における他の熱可塑性樹脂としては、高密度ポリエチレン(HDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)、ポリプロピレン(PP)、エチレン/プロピレン共重合体(EPR)、エチレン/ブテン共重合体(EBR)、エチレン/酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン/酢酸ビニル共重合体鹸化物(EVOH)、エチレン/アクリル酸共重合体(EAA)、エチレン/メタクリル酸共重合体(EMAA)、エチレン/アクリル酸メチル共重合体(EMA)、エチレン/メタクリル酸メチル共重合体(EMMA)、エチレン/アクリル酸エチル共重合体(EEA)等のポリオレフィン系樹脂、及びこれらのポリオレフィン系樹脂がアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、クロトン酸、メサコン酸、シトラコン酸、グルタコン酸、シス−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸、エンドビシクロ−[2.2.1]−5−ヘプテン−2,3−ジカルボン酸等のカルボキシル基及びその金属塩(Na、Zn、K、Ca、Mg)、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸、エンドビシクロ−[2.2.1]−5−ヘプテン−2,3−ジカルボン酸無水物等の酸無水物、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、エタクリル酸グリシジル、イタコン酸グリシジル、シトラコン酸グリシジル等のエポキシ基等を有する化合物等で変性されたポリオレフィン系樹脂、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンイソフタレート(PEI)、PET/PEI共重合体、ポリアリレート(PAR)、ポリブチレンナフタレート(PBN)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、液晶ポリエステル(LCP)等のポリエステル系樹脂、ポリアセタール(POM)、ポリフェニレンオキシド(PPO)等のポリエーテル系樹脂、ポリサルホン(PSF)、ポリエーテルスルホン(PES)等のポリサルホン系樹脂、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリチオエーテルサルホン(PTES)等のポリチオエーテル系樹脂、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリアリルエーテルケトン(PAEK)等のポリケトン系樹脂、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリメタクリロニトリル、アクリロニトリル/スチレン共重合体(AS)、メタクリロニトリル/スチレン共重合体、アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン共重合体(ABS)、メタクリロニトリル/スチレン/ブタジエン共重合体(MBS)等のポリニトリル系樹脂、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)、ポリメタクリル酸エチル(PEMA)等のポリメタクリレート系樹脂、ポリ酢酸ビニル(PVAc)等のポリビニルエステル系樹脂、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、ポリ塩化ビニル(PVC)、塩化ビニル/塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニリデン/メチルアクリレート共重合体等のポリ塩化ビニル系樹脂、酢酸セルロース、酪酸セルロース等のセルロース系樹脂、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリフッ化ビニル(PVF)、エチレン/テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、エチレン/クロロトリフルオロエチレン共重合体(ECTFE)、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体(TFE/HFP,FEP)、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン/ビニリデンフルオライド共重合体(TFE/HFP/VDF,THV)、テトラフルオロエチレン/フルオロ(アルキルビニルエーテル)共重合体(PFA)等のフッ素系樹脂、ポリカーボネート(PC)等のポリカーボネート系樹脂、熱可塑性ポリイミド(PI)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリエーテルイミド等のポリイミド系樹脂、熱可塑性ポリウレタン系樹脂、ポリメタキシリレンアジパミド(ポリアミドMXD6)、ポリメタキシリレンスベラミド(ポリアミドMXD8)、ポリメタキシリレンアゼラミド(ポリアミドMXD9)、ポリメタキシリレンセバカミド(ポリアミドMXD10)、ポリメタキシリレンドデカミド(ポリアミドMXD12)、ポリメタキシリレンテレフタラミド(ポリアミドMXDT)、ポリメタキシリレンイソフタラミド(ポリアミドMXDI)、ポリメタキシリレンナフタラミド(ポリアミドMXDN)、ポリビス(4−アミノシクロヘキシル)メタンドデカミド(ポリアミドPACM12)、ポリビス(4−アミノシクロヘキシル)メタンテレフタラミド(ポリアミドPACMT)、ポリビス(4−アミノシクロヘキシル)メタンイソフタラミド(ポリアミドPACMI)、ポリビス(3−メチル−4−アミノシクロヘキシル)メタンドデカミド(ポリアミドジメチルPACM12)、ポリイソホロンアジパミド(ポリアミドIPD6)、ポリイソホロンテレフタラミド(ポリアミドIPDT)、ポリヘキサメチレンテレフタラミド(ポリアミド6T)、ポリヘキサメチレンイソフタラミド(ポリアミド6I)、ポリノナメチレンイソフタラミド(ポリアミド9I)、ポリノナメチレンヘキサヒドロテレフタラミド(ポリアミド9T(H))、ポリデカメチレンイソフタラミド(ポリアミド10I)、ポリデカメチレンヘキサヒドロテレフタラミド(ポリアミド10T(H))、ポリウンデカメチレンイソフタラミド(ポリアミド11I)、ポリウンデカメチレンヘキサヒドロテレフタラミド(ポリアミド11T(H))、ポリドデカメチレンイソフタラミド(ポリアミド12I)、ポリドデカメチレンヘキサヒドロテレフタラミド(ポリアミド12T(H))やこれらを形成するポリアミド原料モノマーを数種用いた共重合体等、本発明に規定された(A)脂肪族ポリアミド、(B)半芳香族ポリアミド以外のポリアミド系樹脂が挙げられる。これらの中でも、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリチオエーテル系樹脂、フッ素系樹脂が好ましく、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、フッ素系樹脂がより好ましく、ポリアミド系樹脂、フッ素系樹脂がさらに好ましい。
また、熱可塑性樹脂以外の任意の基材、例えば、紙、金属系材料、無延伸、一軸又は二軸延伸プラスチックフィルム又はシート、織布、不織布、金属綿、木材等を積層することも可能である。金属系材料としては、アルミニウム、鉄、銅、ニッケル、金、銀、チタン、モリブデン、マグネシウム、マンガン、鉛、錫、クロム、ベリリウム、タングステン、コバルト等の金属や金属化合物及びこれら2種類以上からなるステンレス鋼等の合金鋼、アルミニウム合金、黄銅、青銅等の銅合金、ニッケル合金等の合金類等が挙げられる。
本発明の高温薬液及び/又はガス搬送用積層ホースの層数は2層以上であるが、高温薬液及び/又はガス搬送用積層ホース製造装置の機構から判断して7層以下であることが好ましく、2層〜5層であることがより好ましく、2層〜4層であることがさらに好ましい。また、本発明の高温薬液及び/又はガス搬送用積層ホースは、層間接着性向上の観点から、(a)層および(b)層が隣接していることが好ましい。
高温薬液及び/又はガス搬送用積層ホース製造法としては、層の数もしくは材料の数に対応する押出機を用いて、溶融押出し、ダイ内あるいは外において同時に積層する方法(共押出法)、あるいは、一旦、単層ホースあるいは、上記の方法により製造された高温薬液及び/又はガス搬送用積層ホースを予め製造しておき、外側に順次、必要に応じては接着剤を使用し、樹脂を一体化せしめ積層する方法(コーティング法)が挙げられる。本発明の高温薬液及び/又はガス搬送用積層ホースにおいては、(A)脂肪族ポリアミドと(B)半芳香族ポリアミドとを溶融状態で共押出成形し、両者を熱融着(溶融接着)して一段階で積層構造のホースを製造する共押出法により製造されることが好ましい。
また、得られる高温薬液及び/又はガス搬送用積層ホースが複雑な形状である場合や、成形後に加熱曲げ加工を施して成形品とする場合は、成形品の残留歪みを除去するために、上記の高温薬液及び/又はガス搬送用積層ホースを形成した後、前記ホースを構成する樹脂の融点のうち最も低い融点未満の温度で、0.01〜10時間熱処理して目的の成形品を得る事も可能である。
高温薬液及び/又はガス搬送用積層ホースにおいては、波形領域を有するものであってもよい。波形領域とは、波形形状、蛇腹形状、アコーディオン形状、又はコルゲート形状等に形成した領域である。波形領域は、高温薬液及び/又はガス搬送用積層ホース全長にわたり有するものだけではなく、途中の適宜の領域に部分的に有するものであってもよい。波形領域は、まず直管状のホースを成形した後に、引き続いてモールド成形し、所定の波形形状等とすることにより容易に形成することができる。かかる波形領域を有することにより、衝撃吸収性を有し、取り付け性が容易となる。さらに、必要な部品を付加したり、曲げ加工によりL字、U字の形状等にする事が可能である。
このように成形した高温薬液及び/又はガス搬送用積層ホースの外周の全部又は一部には、石ハネ、他部品との摩耗、耐炎性を考慮して、エピクロルヒドリンゴム(ECO)、アクリロニトリル/ブタジエンゴム(NBR)、NBRとポリ塩化ビニルの混合物、クロロスルホン化ポリエチレンゴム、塩素化ポリエチレンゴム、アクリルゴム(ACM)、クロロプレンゴム(CR)、エチレン/プロピレンゴム(EPR)、エチレン/プロピレン/ジエンゴム(EPDM)、NBRとEPDMの混合物ゴム、塩化ビニル系、オレフィン系、エステル系、アミド系等の熱可塑性エラストマー等から構成するソリッド又はスポンジ状の保護部材(プロテクター)を配設することができる。保護部材は既知の手法によりスポンジ状の多孔体としてもよい。多孔体とすることにより、軽量で断熱性に優れた保護部を形成できる。また、材料コストも低減できる。あるいは、ガラス繊維等を添加してその強度を改善してもよい。保護部材の形状は特に限定されないが、通常は、筒状部材又は該積層ホースを受け入れる凹部を有するブロック状部材である。筒状部材の場合は、予め作製した筒状部材に積層ホースを後で挿入したり、あるいは該積層ホースの上に筒状部材を被覆押出しして両者を密着して作ることができる。両者を接着させるには、保護部材内面あるいは前記凹面に必要に応じ接着剤を塗布し、これに該積層ホースを挿入又は嵌着し、両者を密着することにより、積層ホースと保護部材の一体化された構造体を形成する。また、金属等で補強する事も可能である。
高温薬液及び/又はガス搬送用積層ホースの外径は、循環薬液及び/又はガス(例えばエンジン冷却液)等の流量を考慮し、肉厚は薬液及び/又はガスの透過性が増大せず、また、通常のホースの破壊圧力を維持できる厚さで、かつ、ホースの組み付け作業容易性及び使用時の耐振動性が良好な程度の柔軟性を維持することができる厚さに設計されるが、限定されるものではない。外径は4〜200mm、内径は2〜160mm、肉厚は0.5〜20mmであることが好ましい。
本発明に係わる積層ホースは、高温下での薬液及び/又はガス透過防止性、耐熱性に優れるため、高温薬液及び/又はガス搬送用ホースとして有用である。本発明において、高温薬液及び/又はガスとは、50℃以上の状態の薬液及び/又はガスを指し、積層ホース内をこれらの温度以上にて瞬間、あるいは継続的に流動、循環する薬液及び/又はガスを指す。
薬液としては、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、フェノール、クレゾール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のアルコール、フェノール系溶媒、ジメチルエーテル、ジプロピルエーテル、メチル−t−ブチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒、クロロホルム、塩化メチレン、トリクロロエチレン、二塩化エチレン、パークロルエチレン、モノクロルエタン、ジクロルエタン、テトラクロルエタン、パークロルエタン、クロルベンゼン等のハロゲン系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、アセトフェノン等のケトン系溶媒、尿素溶液、ガソリン、灯油、ディーゼルガソリン、含アルコールガソリン、含酸素ガソリン、含アミンガソリン、サワーガソリン、ひまし油ベースブレーキ液、グリコールエーテル系ブレーキ液、ホウ酸エステル系ブレーキ液、極寒地用ブレーキ液、シリコーン油系ブレーキ液、鉱油系ブレーキ液、パワーステアリングオイル、含硫化水素オイル、エンジン冷却液、ウインドウォッシャ液、医薬剤、インク、塗料等が挙げられる。また、本発明においては、上記例示の薬液を成分とする水溶液も本発明の薬液に内包されるものとする。
ガスとしては、フロン−11、フロン−12、フロン−21、フロン−22、フロン−113、フロン−114、フロン−115、フロン−134A、フロン−32、フロン−123、フロン−124、フロン−125、フロン−143A、フロン−141b、フロン−142b、フロン−225、フロン−C318、フロン−502、塩化メチル、塩化エチル、空気、酸素、水素、窒素、二酸化炭素、メタン、プロパン、イソブタン、n−ブタン、アルゴン、ヘリウム、キセノン等が挙げられる。
本発明に係わる高温薬液及び/又はガス搬送用積層ホースは、フィードホース、リターンホース、エバポホース、フューエルフィラーホース、ORVRホース、リザーブホース、ベントホース、オイルホース、ディーゼルガソリンホース、石油掘削ホース、含アルコールガソリンホース、ブレーキホース、ウインドウォッシャー液用ホース、エンジン冷却液(LLC)ホース、リザーバータンクホース、尿素溶液搬送用ホース、冷却水、冷媒等用クーラーホース、エアコン冷媒用ホース、ヒーターホース、ロードヒーティングホース、床暖房ホース、インフラ供給用ホース、消火器及び消火設備用ホース、医療用冷却機材用ホース、インク、塗料散布ホース、その他薬液、ガスホースとして使用することが可能である。
特に、過酷な条件下での使用が想定される、エンジン冷却液(LLC)ホース、ディーゼルガソリンホース、石油掘削ホース、含アルコールガソリンホース、尿素溶液搬送用ホース、ヒーターホース、リザーバータンクホース、ロードヒーティングホース、床暖房ホースとして有用である。
以下に実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
なお、実施例及び比較例における分析及び物性の測定は次のように行った。
[相対粘度]
JIS K−6920に準拠して、96%の硫酸中、ポリアミド濃度1%、温度25℃の条件下で測定した。
[物性評価]
(引張伸度)
SAE J−2260 7.15に記載の方法で評価した。
(低温耐衝撃性)
DIN 73378 6.4.6に記載の方法で評価した。
(破壊圧強度)
SAE J−2260 7.1に記載の方法で評価した。
(層間接着性)
200mmにカットしたホースをさらに縦方向に半分にカットし、テストピースを作製した。テンシロン万能試験機を用い、50mm/分の引張速度にて180℃剥離試験を実施した。S−Sカーブの極大点から剥離強度を読み取り、層間接着性を評価した。
(耐エンジン冷却液(LLC)性)
200mmにカットしたホースの片端を密栓し、内部にエンジン冷却液(LLC、エチレングリコール/水=50/50重量比)を入れ、残りの端部も密栓した。次いで試験ホースを120℃のオーブンに入れ、3000時間処理した。処理後のホースについて、上記の方法に従い、引張伸度、低温耐衝撃性、破壊圧強度、剥離強度を測定した。引張伸度については下記の式により、保持率を算出した。
(保持率)=(処理後ホースの引張伸度)/(処理前ホースの引張伸度)×100 (%)
(尿素溶液透過防止性)
200mmにカットしたホースの片端を密栓し、内部に尿素溶液(尿素/水=32.5/67.5重量比)を入れ、残りの端部も密栓した。その後、全体の重量を測定し、次いで試験ホースを110℃のオーブンに入れ、1日毎の重量変化を測定した。1日あたりの重量変化をホースの内層表面積で除して、尿素溶液透過量(g/m・day)を算出した。
[実施例及び比較例で用いた材料]
(A)脂肪族ポリアミド
(A−1)ポリアミド12樹脂組成物の製造
ポリアミド12(宇部興産(株)製、UBESTA3030U、相対粘度2.27)に衝撃改良材として、無水マレイン酸変性エチレン/プロピレン共重合体(JSR(株)製、JSR T7712SP)をあらかじめ混合し、二軸溶融混練機((株)日本製鋼所製、型式:TEX44)に供給する一方、該二軸溶融混練機のシリンダーの途中から、可塑剤として、ベンゼンスルホン酸ブチルアミドを定量ポンプにより注入し、シリンダー温度180〜260℃で溶融混練し、溶融樹脂をストランド状に押出した後、これを水槽に導入し、冷却、カット、真空乾燥して、ポリアミド12樹脂85重量%、衝撃改良材10重量%、可塑剤5重量%よりなるポリアミド12樹脂組成物のペレットを得た(以下、このポリアミド樹脂組成物を(A−1)という)。
(A−2)ポリアミド66樹脂組成物の製造
ポリアミド66(宇部興産(株)製、UBE Nylon 2026B、相対粘度3.36)に衝撃改良材として、無水マレイン酸変性エチレン/プロピレン共重合体(JSR(株)製、JSR T7712SP)、耐塩化カルシウム性改良材として、ヘキサメチレンテレフタラミド/ヘキサメチレンイソフタラミド共重合体(ポリアミド6T/6I)(エムス・昭和電工(株)製、Grivory G21)をあらかじめ混合し、二軸溶融混練機((株)日本製鋼所製、型式:TEX44)に供給し、シリンダー温度200〜290℃で溶融混練し、溶融樹脂をストランド状に押出した後、これを水槽に導入し、冷却、カット、真空乾燥して、ポリアミド66樹脂65重量%、衝撃改良材15重量%、耐塩化カルシウム性改良材20重量%よりなるポリアミド66樹脂組成物のペレットを得た(以下、このポリアミド樹脂組成物を(A−2)という)。
(A−3)ポリアミド6樹脂組成物の製造
(A−2)ポリアミド66樹脂製造物の製造において、ポリアミド66(宇部興産(株)製、UBE Nylon 2026B、相対粘度3.36)をポリアミド6(宇部興産(株)製、UBE Nylon 1030B、相対粘度4.08)に変え、シリンダー温度200〜260℃で溶融混練した以外は、(A−3)ポリアミド6樹脂組成物の製造と同様の方法にて、ポリアミド6樹脂65重量%、衝撃改良材15重量%、耐塩化カルシウム性改良材20重量%よりなるポリアミド6樹脂組成物のペレットを得た(以下、このポリアミド樹脂組成物を(A−3)という)。
(B)半芳香族ポリアミド
(B−1)半芳香族ポリアミドの製造
テレフタル酸32927g(198.2モル)、1,9−ノナンジアミン15829g(100モル)、2−メチル−1,8−オクタンジアミン15829g(100モル)、安息香酸439.6g(3.6モル)、次亜リン酸ナトリウム一水和物65g(原料に対して0.1重量%)及び蒸留水40Lをオートクレーブに入れ、窒素置換した。
100℃で30分間攪拌し、2時間かけて内部温度を210℃に昇温した。この時、オートクレーブは2.2MPaまで昇圧した。そのまま1時間反応を続けた後230℃に昇温し、その後2時間、230℃に温度を保ち、水蒸気を徐々に抜いて圧力を2.2MPaに保ちながら反応させた。次に、30分かけて圧力を1.0MPaまで下げ、更に1時間反応させて、プレポリマーを得た。これを、100℃、減圧下で12時間乾燥し、2mm以下の大きさまで粉砕した。これを230℃、0.013kPa下にて、10時間固相重合し、融点が265℃、相対粘度が2.80のポリアミドを得た(以下、この半芳香族ポリアミドを(B−1)という)。
(B−2)半芳香族ポリアミドの製造
(B−1)半芳香族ポリアミドの製造において、1,9−ノナンジアミン15829g(100モル)、2−メチル−1,8−オクタンジアミン15829g(100モル)を、1,12−ドデカンジアミン40073g(200モル)に変えた以外は、(B−1)半芳香族ポリアミドの製造と同様の方法にて、融点が301℃、相対粘度が2.55のポリアミドを得た(以下、この半芳香族ポリアミドを(B−2)という)。
(B−3)半芳香族ポリアミドの製造
(B−1)半芳香族ポリアミドの製造において、テレフタル酸32927g(198.2モル)を、2,6−ナフタレンジカルボン酸42848g(198.2モル)に変えた以外は、(B−1)半芳香族ポリアミドの製造法と同様の方法にて、融点が275℃、相対粘度が2.82の半芳香族ポリアミドを得た(以下、この半芳香族ポリアミドを(B−3)という)。
(B−4)半芳香族ポリアミドの製造
アジピン酸29230g(200モル)、メタキシリレジアミン27376g(201モル)、安息香酸122.1g(1.0モル)、次亜リン酸ナトリウム一水和物57g(原料に対して0.1重量%)及び蒸留水40Lをオートクレーブに入れ、窒素置換した。
100℃で30分間攪拌し、2時間かけて内部温度を220℃に昇温した。この時、オートクレーブは1.9MPaまで昇圧した。そのまま3時間反応を続けた後、1時間かけて、常圧に戻すと同時に265℃まで昇温し、内部温度が265℃に到達した時点で、減圧を開始し、27kPaにて2時間反応させた。その後、復圧し、オートクレーブ底部より溶融ポリマーを抜き出し、冷却しペレット化し、融点が237℃、相対粘度が2.42のポリアミドを得た(以下、この半芳香族ポリアミドを(B−4)という)。
(C)ポリオレフィン
(C−1)架橋性ポリエチレン 住友ベークライト(株)製 モルデークス S−141
(C−2)変性ポリオレフィン 三井化学(株)製 アドマー NF−500
(D)ポリフェニレンスルフィド
(D−1)ポリフェニレンスルフィド(PPS) 東レ(株)製 トレリナ A670X01
(D−2)接着性樹脂組成物の製造
(A)ポリアミド12(宇部興産(株)製、UBESTA3030U、相対粘度2.27)に、(D)ポリフェニレンスルフィド(D−1)(東レ(株)製 トレリナ A670X01)、エチレン/グリシジルメタクリレート共重合体(日本ポリオレフィン(株)製 レクスパーRA3150)をあらかじめ混合し、二軸溶融混練機((株)日本製鋼所製、型式:TEX44)に供給し、シリンダー温度180〜300℃で溶融混練し、溶融樹脂をストランド状に押出した後、これを水槽に導入し、冷却、カット、真空乾燥して、ポリアミド12/ポリフェニレンスルフィド/変性ポリオレフィン=40/55/5(重量%)よりなる接着性樹脂組成物のペレットを得た(以下、この接着性樹脂組成物を(D−2)という)。
実施例1
上記に示す(A)ポリアミド12樹脂組成物(A−1)、(B)半芳香族ポリアミド(B−1)とを使用して、Plabor(プラスチック工学研究所(株)製)2層ホース成形機にて、(A)を押出温度250℃、(B)を押出温度300℃にて別々に溶融させ、吐出された溶融樹脂をアダプターによって合流させ、積層管状体に成形した。引き続き、寸法制御するサイジングダイにより冷却し、引き取りを行い、(A)ポリアミド12樹脂組成物(A−1)からなる(a)層(外層)、(B)半芳香族ポリアミド(B−1)からなる(b)層(内層)としたときの、層構成が(a)/(b)=0.75/0.25mmで内径6mm、外径8mmの積層ホースを得た。当該積層ホースの物性測定結果を表1に示す。
実施例2
実施例1において、(B)半芳香族ポリアミド(B−1)を(B−2)に変え、(B)を押出温度320℃にて溶融させた以外は、実施例1と同様の方法にて表1に示す層構成の積層ホースを得た。当該積層ホースの物性測定結果を表1に示す。
実施例3
実施例1において、(B)半芳香族ポリアミド(B−1)を(B−3)に変え、(B)を押出温度310℃にて溶融させた以外は、実施例1と同様の方法にて表1に示す層構成の積層ホースを得た。当該積層ホースの物性測定結果を表1に示す。
実施例4
実施例1において、(A)脂肪族ポリアミド(A−1)を(A−2)に変え、(A)を押出温度280℃にて溶融させた以外は、実施例1と同様の方法にて表1に示す層構成の積層ホースを得た。当該積層ホースの物性測定結果を表1に示す。
実施例5
実施例1において、(A)脂肪族ポリアミド(A−1)を(A−3)に変え、(A)を押出温度260℃にて溶融させた以外は、実施例1と同様の方法にて表1に示す層構成の積層ホースを得た。当該積層ホースの物性測定結果を表1に示す。
実施例6
上記に示す(A)ポリアミド12樹脂組成物(A−1)、(B)半芳香族ポリアミド(B−1)とを使用して、Plabor(プラスチック工学研究所(株)製)3層ホース成形機にて、(A)を押出温度250℃、(B)を押出温度300℃にて別々に溶融させ、吐出された溶融樹脂をアダプターによって合流させ、積層管状体に成形した。引き続き、寸法制御するサイジングダイにより冷却し、引き取りを行い、(A)ポリアミド12樹脂組成物(A−1)からなる(a)層(中間層)、(B)半芳香族ポリアミド(B−1)からなる(b)層(外層、内層)としたときの、層構成が(b)/(a)/(b)=0.125/0.75/0.125mmで内径6mm、外径8mmの積層ホースを得た。当該積層ホースの物性測定結果を表1に示す。
比較例1
実施例1において、(B)半芳香族ポリアミド(B−1)を使用しない以外は、実施例1と同様の方法にて表1に示す層構成の単層ホースを得た。当該単層ホースの物性測定結果を表1に示す。
比較例2
実施例1において、(A)ポリアミド12樹脂組成物(A−1)を使用しない以外は、実施例1と同様の方法にて表1に示す層構成の単層ホースを得た。当該単層ホースの物性測定結果を表1に示す。
比較例3
実施例5において、(B)半芳香族ポリアミド(B−1)を(B−4)に変えた以外は、実施例5と同様の方法にて表1に示す層構成の積層ホースを得た。当該積層ホースの物性測定結果を表1に示す。
比較例4
上記に示す、(A)ポリアミド12樹脂組成物(A−1)、(C)架橋性ポリオレフィン(C−1)、変性ポリオレフィン(C−2)とを使用して、Plabor(プラスチック工学研究所(株)製)3層ホース成形機にて、(A)を押出温度250℃、(C)を押出温度200℃にて別々に溶融させ、吐出された溶融樹脂をアダプターによって合流させ、積層管状体に成形した。引き続き、寸法制御するサイジングダイにより冷却し、引き取りを行い、150℃、圧力0.4MPaに設定した水蒸気槽に3分間浸漬して水架橋処理を行い、(A)ポリアミド12樹脂組成物(A−1)からなる(a)層(外層)、(C)変性ポリオレフィン(C−2)からなる(c)層(中間層)、(C)架橋性ポリエチレン(C−1)からなる(c’)層(内層)としたときの、層構成が(a)/(c)/(c’)=0.65/0.10/0.25mmで内径6mm、外径8mmの積層ホースを得た。当該積層ホースの物性測定結果を表1に示す。
比較例5
上記に示す(A)ポリアミド12樹脂組成物(A−1)、(D)ポリフェニレンスルフィド(D−1)、(D)接着性樹脂組成物(D−2)とを使用して、Plabor(プラスチック工学研究所(株)製)3層ホース成形機にて、(A)を押出温度250℃、(D)を押出温度300℃にて別々に溶融させ、吐出された溶融樹脂をアダプターによって合流させ、積層管状体に成形した。引き続き、寸法制御するサイジングダイにより冷却し、引き取りを行い、(A)ポリアミド12(A−1)樹脂組成物からなる(a)層(外層)、(D)接着性樹脂組成物(D−2)からなる(d)層(中間層)、(D)ポリフェニレンスルフィド(D−1)からなる(d’)層(内層)としたときの、層構成が(a)/(d)/(d’)=0.75/0.10/0.15mmで内径6mm、外径8mmの積層ホースを得た。当該積層ホースの物性測定結果を表1に示す。
Figure 0004480718
本発明に係わる積層ホースは、高温下での薬液及び/又はガス透過防止性、耐熱性に優れるため、高温薬液及び/又はガス搬送用ホースとして有用である。本発明に係わる高温薬液及び/又はガス搬送用積層ホースは、特に、過酷な条件下での使用が想定される、エンジン冷却液(LLC)ホース、ディーゼルガソリンホース、石油掘削ホース、含アルコールガソリンホース、尿素溶液搬送用ホース、ヒーターホース、リザーバータンクホース、ロードヒーティングホース、床暖房ホースとして有用である。
本発明による高温薬液及び/又はガス搬送用積層ホースの例を示す横断面図である。 本発明による高温薬液及び/又はガス搬送用積層ホースの例を示す横断面図である。

Claims (7)

  1. (A)脂肪族ポリアミドからなる(a)層、及び
    (B)全ジアミン単位に対して、炭素数の脂肪族ジアミン単位を60モル%以上含むジアミン単位と、全ジカルボン酸単位に対して、テレフタル酸及び/又はナフタレンジカルボン酸単位を50モル%以上含むジカルボン酸単位よりなる半芳香族ポリアミドからなる(b)層
    を含む、少なくとも2層以上からなる、高温薬液及び/又はガス搬送用積層ホース。
  2. 前記積層ホースにおいて、(B)全ジアミン単位に対して、炭素数の脂肪族ジアミン単位を60モル%以上含むジアミン単位と、全ジカルボン酸単位に対して、テレフタル酸及び/又はナフタレンジカルボン酸単位を50モル%以上含むジカルボン酸単位よりなる半芳香族ポリアミドからなる(b)層が最内層に配置され、(A)脂肪族ポリアミドからなる(a)層が(b)層に対して外側に配置される、請求項1に記載の高温薬液及び/又はガス搬送用積層ホース。
  3. 前記積層ホースにおいて、(A)脂肪族ポリアミドが、ポリカプロアミド(ポリアミド6)、ポリヘキサメチレンアジパミド(ポリアミド66)、ポリヘキサメチレンドデカミド(ポリアミド612)、ポリウンデカンアミド(ポリアミド11)、ポリドデカンアミド(ポリアミド12)よりなる群より選ばれる少なくとも一種の単独重合体、又はこれらを形成する原料モノマーを数種用いた共重合体である、請求項1又は2のいずれかに記載の高温薬液及び/又はガス搬送用積層ホース。
  4. 前記積層ホースにおいて、(B)半芳香族ポリアミドが、全ジアミン単位に対して、1,9−ノナンジアミン及び/又は2−メチル−1,8−オクタンジアミン単位、又は1,12−ドデカンジアミン単位を60モル%以上含むジアミン単位と、全ジカルボン酸単位に対して、テレフタル酸及び/又は2,6−ナフタレンジカルボン酸単位を50モル%以上含むジカルボン酸単位よりなるポリアミドである、請求項1から3のいずれかに記載の高温薬液及び/又はガス搬送用積層ホース。
  5. 前記各層が共押出成形されてなる、請求項1から4のいずれかに記載の高温薬液及び/又はガス搬送用積層ホース。
  6. 前記積層ホースが、エンジン冷却液(LLC)ホース、ディーゼルガソリンホース、石油掘削ホース、含アルコールガソリン搬送用ホース、尿素溶液搬送用ホースのいずれかである、請求項1から5のいずれかに記載の高温薬液及び/又はガス搬送用積層ホース。
  7. 前記積層ホースにおいて、(a)層と(b)層が隣接している、請求項1から6のいずれかに記載の高温薬液及び/又はガス搬送用積層ホース。
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