JP4480632B2 - 車載レーダ装置 - Google Patents
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Description
そして、レーダ装置を搭載した車両と物標(他車両)のいずれか一方が移動していれば観測の条件が変化するために、このような干渉が長時間に渡って継続することはないが、レーダ装置を搭載した車両と物標の双方が停止している場合には、このような干渉が長時間に渡って継続し、このために長時間に渡って物標を検出できなくなってしまうことがある。
ここで、このような車載レーダ装置は、前記物標位置補完手段において、追尾していた物標の位置が前記レーダ測位手段によって計測されなくなった場合に、当該物標の位置が前記レーダ測位手段によって計測されなくなる以前に、前記レーダ測位手段によって当該物標の位置を所定回数以上計測できていた場合にのみ、前記レーダ測位手段が最後に計測した当該物標の位置を、当該物標の現在の位置として補完するようにすることが好ましい。
また、このような車載レーダ装置は、前記追尾手段において、追尾していた物標の位置が前記レーダ測位手段によって計測されなくなった場合に、前記物標位置補完手段によって当該物標の位置が補完されている場合には、当該物標の追尾を継続し、当該補完された位置、または、前記レーダ測位手段によって最後に計測した当該物標の位置から予測される当該物標の現在位置に近接する位置が、前記レーダ測位手段によって計測された場合に、当該位置を当該物標の位置と同定するようにするのが良い。
図1に、本実施形態に係る車載レーダシステムの構成を示す。
図示するように車載レーダシステムは、レーダ測位部1、物標検出部2、物標情報出力装置3、ECU4と含んで構成される。また、レーダ測位部1は、アンテナ11、送受信機12、レーダ計測信号処理部13とより構成される。また、物標検出部2は、物標追尾部21、物標管理メモリ22、物標位置予測部23、物標位置算出部24とを含んで構成される。
このような構成において、ECU4は、自動車の各状態の監視と制御を行い、車速などの自動車の状態を表す自動車状態情報を物標検出部2に出力する。レーダ計測信号処理部13は、送受信機12を介してアンテナ11を駆動し、定期的に、スキャン範囲内に存在する物標(他車両等)をスキャンし、スキャンの各回毎に、スキャンによって検出した各物標のレーダシステムに対する相対位置と相対速度を計測し、計測相対位置と計測相対速度として物標検出部2に出力する。物標検出部2は、レーダ計測信号処理部13が行うスキャンの各回毎に、レーダ計測信号処理部13から入力する各物標の計測相対位置と計測相対速度やECU4から自動車状態情報として取得した自車両の車速等に基づいて、スキャン範囲内に存在する各物標の追尾と、スキャン範囲内に存在する各物標の自車に対する相対位置や相対速度の算出を行い、算出した各物標の相対位置や相対速度等を物標情報出力装置3に出力する。物標情報出力装置3は、物標検出部2から通知された各物標の相対位置を表示したり、物標検出部2から通知された各物標の位置に応じた警報(たとえば、接近警報)を出力したり、物標検出部2から通知された各物標の位置に応じたECU4の制御(たとえば、自動制動)などを行う。
図示するように、物標管理テーブルは、レーダシステムが追尾している物標である追尾中物標毎に設けたエントリ(図の各行)を有する。そして、各エントリには、追尾中物標の識別子であるラベルが登録される。また、各エントリには、最終回のスキャン(t)から、n回前のスキャン(t-n)までの、各回のスキャンのそれぞれについて設けられたスキャン算出情報が登録される。そして、各スキャン算出情報には、当該回jのスキャンに対して算出された追尾中物標の相対位置P(j)と、当該回のスキャンに対して算出された追尾中物標の相対速度V(j)と、当該回のスキャンに対して算出された相対位置P(j)や相対速度V(j)が補完によって算出されたものであるか否かを表す補完中フラグFと、当該回jに物標が停止中であったかどうかを示す停車フラグSが登録される。
スキャンの各回毎に、物標位置予測部23は、物標管理テーブルにエントリが登録されている各追尾中物標について、当該エントリに登録されている過去の回のスキャン算出情報に登録されている相対位置P(j)、相対速度V(j)より、今回の追尾中物標の相対位置と相対速度を予測相対位置と予測相対速度として予測する。
すなわち、物標追尾部21は、物標追尾処理において、レーダ計測信号処理部13から計測相対位置と計測相対速度が入力された各物標について、計測相対位置と近似する予測相対位置が予測されている追尾中物標を探索し、探索が成功した場合には、この物標は探索した追尾中物標と同一の物標であるとして、物標管理テーブルの探索した追尾中物標のエントリに今回tのスキャン算出情報の相対位置P(t)、相対速度V(t)として、レーダ計測信号処理部13から入力された計測相対位置と計測相対速度を登録する。なお、この場合には、物標管理テーブルの探索した物標のエントリの今回のスキャン算出情報の補完フラグFは非補完を表す値に設定する。また、ECU4より取得した自動車状態情報が示す自車の車速と相対速度V(t)より、追尾中物標の絶対速度を求め、求めた絶対速度が0であれば、追尾中物標が停車中であるとして停車フラグSを停車を示す値にセットし、他の場合は、停車フラグSを非停車中または不明を示す値にセットする。
図3に、この物標位置算出処理の手順を示す。
図示するように、この処理では、スキャンが終了し、物標追尾部21の物標追尾処理が終了したならば(ステップ302)、追尾が成功した物標を探索する(ステップ304)。ここで、追尾が成功した物標とは、物標管理テーブルのエントリのうち、今回tのスキャン算出情報に相対位置P(t)と相対速度V(t)と非補完を表す補完フラグVとが設定されているエントリのラベルが表す追尾物標である。
また、次に、消失物標を探索する(ステップ308)。ここで、消失物標とは、物標管理テーブルのエントリのうち、今回tのスキャン算出情報に、相対位置P(t)と相対速度V(t)が、物標追尾処理によって登録されなかったエントリのラベルが表す追尾物標である。
すなわち、消失物標の前回のスキャンまでの過去一定期間内の追尾成功回数が、所定値m以上であるかどうかを調べる(ステップ212)。より具体的には、物標管理テーブルの、当該消失物標である追尾物標のラベルが登録されているエントリのスキャン算出情報のうちの、より後の回の一定数r(rはm以上の整数)のスキャン算出情報中に、相対位置P(j)と相対速度V(j)と非補完を表す補完フラグVとが設定されているスキャン算出情報がm個以上含まれているかどうかを調べる。
一方、ステップ312において、消失物標の前回のスキャンまでの過去一定期間内の追尾成功回数が、所定値m以上でないと判定された場合には、ECU4から入力する自動車状態情報が表す車速が0すなわち自車が停車中であるかどうか(ステップ314)と、消失物標である追尾物標の追尾に最後に成功した回のスキャン算出情報の停車フラグSが停車を示しているかどうか、すなわち消失物標である追尾物標が停車中であったかどうか(ステップ316)と、消失物標である追尾物標の追尾に最後に成功した回以前の一定期間中に、消失物標である追尾物標の追尾にk回以上成功しているかどうか(ステップ318)を調べる。なお、消失物標である追尾物標の追尾に最後に成功した回のスキャン算出情報とは、物標管理テーブルの当該追尾物標のエントリに登録されているスキャン算出情報のうち、相対位置P(j)と相対速度V(j)と非補完を表す補完フラグFが登録されている、最新のスキャン算出情報である。また、消失物標である追尾物標の追尾に最後に成功した回以前の一定期間中に、消失物標である追尾物標の追尾にk回以上成功しているかどうかは、物標管理テーブルの、当該消失物標である追尾物標のラベルが登録されているエントリの、消失物標である追尾物標の追尾に最後に成功した回のスキャン算出情報以前のスキャン算出情報のうちの、より後の回の一定数q(但し、qはk以上の整数)のスキャン算出情報中に、相対位置P(j)と相対速度V(j)と非補完を表す補完フラグVとが設定されているスキャン算出情報がk個以上含まれているかどうかを調べる。
以上、物標位置算出部24が行う物標位置算出処理について説明した。
なお、物標位置算出部24は、以上の処理の他、連続してL回以上、スキャン算出情報の相対位置P(j)と相対速度V(j)が登録されなかったエントリ、すなわち、レーダ計測信号処理部13において計測相対位置や計測相対速度が検出されず、かつ、物標位置算出処理のステップ330、322によって相対位置P(j)と相対速度V(j)の補完も行われなかった追尾物標のエントリを、物標管理テーブルから消去する処理なども行う。
図示した例は、 T1、T2、T3...T8の各時刻に各回のスキャンが順次行われた場合を示している。
いま、T1、T2において、物標A、Bの計測相対位置と計測相対速度がレーダ計測信号処理部13によって検出され、T3において、物標A、B、Cの計測相対位置と計測相対速度がレーダ計測信号処理部13によって検出されたものとする。
この場合、T1、T2においては、物標A、Bの計測相対位置と計測相対速度が、そのまま、物標A、Bの相対位置、相対速度として物標位置算出部24によって算出され、物標情報出力装置3に出力される。また、T3においても同様に、物標A、B、Cの計測相対位置と計測相対速度が、そのまま、物標A、B、Cの相対位置、相対速度として物標位置算出部24によって算出され、物標情報出力装置3に出力される。
さて、T4、T5において、物標A、B、Cがスキャン範囲内に存在するにもかかわらず、停車していない物標Bのみの計測相対位置と計測相対速度がレーダ計測信号処理部13によって検出された場合、物標Bについては、計測相対位置と計測相対速度が、そのまま、相対位置、相対速度として物標位置算出部24によって算出され、物標情報出力装置3に出力される。一方、物標Aについては、物標Aがレーダ計測信号処理部13によって検出されなくなる直前のT3において停車中であり、T3以前に所定回数以上検出されているので、物標位置算出部24によって、物標Aがレーダ計測信号処理部13によって検出されなくなる直前のT3における相対位置、相対速度が、T4、T5における相対位置、相対速度として算出され、物標情報出力装置3に出力される。一方、物標Cについては、物標Cがレーダ計測信号処理部13によって検出されなくなる直前のT3において停車中であるが、T3以前に所定回数以上検出されていないので、T4、T5における相対位置、相対速度の算出は行われず、その相対位置、相対速度は算出、出力されない。
以上のように、本実施形態によれば、追尾していた物標の位置がレーダによって計測されなくなった場合に、自車が停車しており、レーダによって当該物標の位置を最後に計測した時点において当該物標が停止していたときには、自車が停車している期間中、当該物標として物標追尾部21によって追尾できる物標の位置が前記レーダ計測信号処理部13によって計測されるまで、レーダによって最後に計測した当該物標の位置を、当該物標の現在の位置として算出する。
Claims (4)
- 自動車に搭載される車載レーダ装置であって、
当該車載レーダ装置が搭載された自動車の停車の有無を検出する停車有無検出手段と、
レーダを用いて物標の位置を計測するレーダ測位手段と、
レーダ測位手段が位置を計測した物標が停止しているかどうかを判定する物標停止判定手段と、
レーダ測位手段が位置を計測した物標を追尾する追尾手段と、
追尾していた物標の位置が前記レーダ測位手段によって計測されなくなった場合に、前記停車有無検出手段が停車を検出しており、物標停止判定手段が、前記レーダ測位手段が当該物標の位置を最後に計測した時点において当該物標が停止していると判定していたときには、前記停車有無検出手段が停車を検出している期間中、前記追尾手段によって当該物標として追尾される物標の位置が前記レーダ測位手段によって計測されるまで、前記レーダ測位手段が最後に計測した当該物標の位置を、当該物標の現在の位置として補完する物標位置補完手段とを有することを特徴とする車載レーダ装置。 - 請求項1記載の車載レーダ装置であって、
前記物標位置補完手段は、追尾していた物標の位置が前記レーダ測位手段によって計測されなくなった場合に、当該物標の位置が前記レーダ測位手段によって計測されなくなる以前に、前記レーダ測位手段によって当該物標の位置を所定回数以上計測できていた場合にのみ、前記レーダ測位手段が最後に計測した当該物標の位置を、当該物標の現在の位置として補完することを特徴とする車載レーダ装置。 - 請求項1または2記載の車載レーダ装置であって、
前記追尾手段は、追尾していた物標の位置が前記レーダ測位手段によって計測されなくなった場合に、前記物標位置補完手段によって当該物標の位置が補完されている場合には、当該物標の追尾を継続し、当該補完された位置、または、前記レーダ測位手段によって最後に計測した当該物標の位置から予測される当該物標の現在位置に近接する位置が、前記レーダ測位手段によって計測された場合に、当該位置を当該物標の位置と同定することを特徴とする車載レーダ装置。 - 自動車に搭載される車載レーダ装置において、周辺の物標の位置を算出する物標位置算出方法であって、
レーダを用いて物標の位置を計測するステップと、
位置を計測した物標を追尾するステップと、
追尾していた物標の位置が計測されなくなった場合に、当該車載レーダ装置を搭載した自動車が停車しており、当該物標の位置を最後に計測した時点において当該物標が停止していたときには、自車が停車している期間中、当該物標として追尾される物標の位置が計測されるまで、最後に計測した当該物標の位置を、当該物標の現在の位置として算出するステップとを有することを特徴とする物標位置算出方法。
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