JP3985783B2 - 目標検出装置およびこれを用いた航空管制システム - Google Patents

目標検出装置およびこれを用いた航空管制システム Download PDF

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Description

この発明は、レーダ装置等を用いて車両、航空機等の移動目標物を検出し、当該移動目標物の位置情報、追尾結果等を表示装置において表示させる目標検出装置およびこれを用いた航空管制システムに関する。
従来、車両等の移動する移動目標物に対して実施される追尾処理は、レーダ装置等を介して目標検出情報(以下、プロット情報という。)が最初に検出されると、そのプロット情報を「準仮航跡」へ初期登録し、以後、この登録されたプロット情報と相関のある時系列のプロット情報を用いて移動目標物に対する追尾処理を「仮航跡」として継続していく。このような処理は特定周期で繰り返し実施され、「仮航跡」の追尾処理が所定回数を超えると「仮航跡」から「本航跡」へ昇格させ、本航跡へと登録した時点から目標シンボルとして画面表示を開始する。例えば、複数の異なる移動目標物に対するプロット情報が検出され、これらが本航跡として登録されると、これら複数の目標シンボル及びその追尾結果がそれぞれ表示モニタ等の表示装置に表示される。
しかし、レーダ装置によって得られる観測範囲内の受信信号には、いわゆるクラッタやマルチパスエコーと呼ばれるノイズ信号が含まれる場合があり、これらと目標信号との識別が不十分である場合には、移動目標物が存在しないにもかかわらず目標シンボルを表示したり、追尾処理の精度が劣化する等の不具合が生じる。
例えば、空港面の航空機等を探知する空港面探知システム等においては、このようなノイズ信号の影響を防止する手法として、クラッタやマルチパスエコー等が多発する領域を予め初探知禁止(Non Automatic Intiation)領域(以下、NAI領域という。)として設定し、初探知目標信号の発生位置がNAI領域内にあると判定したときには、その目標信号は偽目標信号であると擬制し、このような偽目標信号の初探知を禁止して虚偽シンボルの表示等を防止することが提案されている。
特開昭64−3580号公報(第1頁右欄−第2頁左欄、第1図)
しかし、従来の目標検出装置は以上のように構成されていたので、NAI領域において発生するクラッタやマルチパスエコー等の影響を防止してより正確な目標シンボルの表示等が可能となるものの、NAI領域のようなクラッタやマルチパスエコー等が多発する領域においては、上述したように目標信号とノイズ信号との識別が困難であり、例えば、移動目標物がこのようなNAI領域に進入した場合にそのような領域において通常の追尾処理を実行したとしても、目標信号の追尾が不安定となり、追尾精度が劣化するという問題点があった。
例えば、目標信号が移動してノイズ信号と近接するような場合、このようなノイズ信号を目標信号であると認識してしまい、このノイズ信号と過去の目標信号について追尾処理を行う結果、いわゆる追尾はずれ等の現象が発生し、実際の移動目標物の移動状態とは異なる追尾結果が表示装置に表示されてしまうという問題点があった。
近年、航空管制業務等においては、航空機利用の拡大に伴い飛行便数がますます増加する傾向にあり、各航空機間の位置関係を正確に把握することが航空管制の安全性を確保する上で重要な課題となっており、より正確な目標検出処理の実現が要請されている。
この発明は上記のような課題を解消するためになされたものであり、移動目標物がクラッタやマルチパスエコー等が多発する領域に侵入した場合であっても、移動目標物とマルチパスエコー等とを正確に識別することができ、偽目標物が検出される観測範囲における目標検出率の低下を防止してより正確な追尾結果等を表示することができる新規な目標検出装置を提供することを目的とする。
また、このような目標検出率の低下を防止することができる一方、より迅速かつ正確な移動目標物の追尾処理を行うことができ、そのような追尾処理の結果等をモニタ等の表示装置に表示することができる新規な目標検出装置およびこれを用いた航空管制システムを提供することを目的とする。
この発明に係る目標検出装置は、目標検出手段と、この目標検出手段を介して検出した既存目標が移動目標物又は偽目標物のいずれであるか判定する目標判定手段と、この目標判定手段の判定結果に応じて既存目標を追尾処理する追尾手段と、この追尾手段の追尾結果を表示する表示装置とを備え、前記目標判定手段は、偽目標物が検出される観測範囲(例えば、クラッタやマルチパスエコー等が多発する領域)内のうち移動目標物が含まれると予想される観測範囲を予め既存目標の状態判定領域に設定し、その既存目標の状態判定領域の観測範囲において検出された既存目標については、偽目標物であると擬制せずに移動目標物であるか偽目標物であるか未判定と識別する領域判定処理部、及びその未判定と識別された既存目標の移動距離又は追尾信頼度が移動目標物の条件を満たすか否か判定し、移動目標物の条件を満たすときは前記未判定と識別された既存目標を移動目標物であると判定し、一定時間を経過しても移動目標物としての条件を満たさないときは前記未判定と識別された既存目標を偽目標物であると判定する状態判定処理部を有するものである。
この発明に係る航空管制システムは、請求項1〜3のいずれかに記載の目標検出装置を備えたものである。
この発明によれば、ラッタやマルチパスエコー等が多発する領域における目標検出率の低下を防止することができ、より正確な目標物の追尾処理の結果を表示装置に表示することができる。
また、他の発明によれば、目標信号とクラッタやマルチパスエコー等に起因する偽目標信号との正確な識別が可能となるので、より安定した追尾処理を実現することができ、航空管制の安全性を向上させることができる。
この発明に係る目標検出装置は、目標物の移動距離又は追尾信頼度が所定条件を満たすときは移動目標物と判定し、前記移動距離又は追尾信頼度が一定時間を経過しても所定条件を満たさないときは偽目標物と判定する状態判定手段と、この状態判定手段の判定結果に応じて前記状態判定領域にあると判定された目標物の追尾処理を行う追尾手段とを備え、この追尾手段の処理結果を表示装置に表示するものである。
以下、この発明の実施例1について図1乃至図7を用いて説明する。図1はこの発明の一実施例による目標検出装置を示すブロック構成図、図2は図1に示す目標検出処理装置7の具体的構成を示す部分ブロック構成図である。なお、この実施例では航空管制の場合を例として説明するが、これに限られるものではなく、種々のシステムへの適用が可能であるものである。
図1において、1はアンテナ部1a、送受信機1bから構成されるレーダ装置、2はレーダ装置1により受信された受信信号のうち予め設定された所定レベル以上の受信信号を検出する信号処理手段、3は信号処理手段2により検出された各受信信号が既存のものであるか新規に検出されたものであるかを識別し、新規に検出されたもの(以下、新規目標という。)であるときは初期登録し、既に初期登録されたもの(以下、既存目標という。)であるときは後述する目標判定手段4の処理に基づいて追尾処理を実施する追尾手段、4は追尾手段3において既存目標であると識別された受信信号の領域判定、さらに状態判定等の処理を行い、その既存目標が航空機、車両等の移動目標物であるか、クラッタやマルチエコー等の偽目標物であるかを判定する目標判定手段である。
また、5は追尾手段3の処理結果や目標判定手段4の処理結果等が入力され、これらを表示装置6の表示方式に対応した表示信号に変換する表示処理手段、6は表示処理手段5から出力された表示信号に応じて航空機、車両等のシンボル信号(目標シンボル)、追尾手段3の追尾結果等を表示する表示装置である。
なお、実施例1の目標検出装置では、目標検出手段としてレーダ装置を用いているが、ライダ装置等のように目標検出が可能な手段であればいずれの手段を用いてよい。また、目標検出処理装置7は、追尾手段3において新規目標であるか既存目標既存であるかを識別する構成としているが、目標判定手段4にそのような識別機能を設けてもよく、目標検出処理装置7としては、図3に示すような各処理を実現するものであればよい。
また、図2において、8は信号処理手段2により検出された受信信号と過去に検出された受信信号との相関処理を実施し、その受信信号が既存目標であるか新規目標であるかを識別する相関処理部、9は目標判定処理手段4において移動目標物であるか偽目標物であるか判定された既存目標について追尾処理を行う追尾処理手段、10は相関処理部8により既存目標と識別された受信信号の位置情報からその既存目標が観測範囲内のいずれの領域において検出されたものであるか判定し、その判定された領域に応じて移動目標物、偽目標物又はいずれか判別できないものとして未判定であると判定する領域判定処理部、11は領域判定部10において未判定と判定された既存目標の移動距離等を監視し、所定の条件を満たした既存目標を移動目標物であると判定する状態判定処理部である。なお、未判定の状態が長く継続するとその後の追尾処理が遅延する等の影響を及ぼすため、状態判定処理部11は一定時間を経過しても所定の条件を満たさない既存目標については偽目標物であると判定する。
次に、動作について説明する。まずレーダ装置1及び信号処理手段2の動作について簡単に説明する。レーダ装置1は、アンテナ部1aからレーダ電波を送信して目標物等からの反射電波を受信する。航空管制システムの場合は空港面に対してレーダ電波の送受信を行う。アンテナ部1aに受信された反射電波は送受信機1bにより受信処理され信号処理手段2に出力される。信号処理手段2には予め所定レベル以上の受信信号を検出するために閾値を設けており、レーダ装置1から出力された受信信号のうち所定レベル以上の受信信号を検出して追尾手段3に出力する。なお、レーダ装置1はレーダ電波の送受信方向を変化させて観測範囲全体の観測を行うので、1回の観測周期で複数の移動目標物からの反射電波やクラッタ等を受信する場合があるが、この場合、信号処理手段2からは複数の受信信号が検出されて追尾手段3に出力される。
このようなレーダ電波の送受信動作を所定回数繰り返すことによって各観測周期毎に受信信号を検出することができ、これら時系列の受信信号から観測範囲内における移動目標物等の位置、移動状態等を検出することができる。なお、レーダ電波の送受信回数を増やせば追尾手段3における追尾精度等を向上させることが可能であるが、その分、レーダ装置1の観測周期を長く設定しなればならず、また追尾手段3等の処理能力も高速化する必要等があり、レーダ装置1の1回の観測周期(観測時間)をどの程度に設定するかは、本装置が適用されるシステムの観測範囲、運用条件等に応じて適宜設定する。
次に、図3乃至図5を用いて追尾手段3及び目標判定手段4の動作を詳細に説明する。図3は図1に示す目標検出装置の処理内容を示すフローチャート図であって、追尾手段3から表示装置6までの一連の処理内容を示すフローチャート図である。信号処理手段2から出力された新たな受信信号はまず相関処理部8によって処理される。相関処理部8は、新たに入力された受信信号と初期登録された既存目標との相関処理を実施し、いずれかの既存目標と相関がある場合は相関ありと判定し、いずれの既存目標とも相関がない場合は相関なしと判定する(S01)。相関ありと判定された受信信号は既に初期登録された既存目標であり、目標判定手段4の領域判定処理部10に出力される。相関なしと判定された受信信号は新規に検出された新規目標であり、追尾手段3等に設けられた記憶部(図示省略)に初期登録される(S02)。このようにして信号処理手段2により検出されたすべての受信信号について相関処理が実施される。
領域判定処理部10は、信号処理手段2によって検出された受信信号の位置情報から相関処理部8により処理された既存目標が観測範囲内のいずれの領域に位置しているか判定する。具体的には、この目標検出装置の観測範囲をクラッタやマルチパスエコーが多発する領域(以下、マルチパス領域という。)、クラッタやマルチパスエコーが多発する領域であるが移動目標物が含まれている可能性が高いと予想される領域であって、後述する状態判定処理部11の処理を実施する領域(以下、エコー領域という。)及びそれ以外の領域(以下、ターゲット領域という。)に予め区別しており、既存目標と識別された受信信号の位置情報からその既存目標がマルチパス領域、エコー領域及びターゲット領域のいずれの領域に位置しているかを判定する(S03)。
ここで、航空管制の場合を例として、マルチパス領域、エコー領域及びターゲット領域について説明する。図4はこれら領域の例を説明するための説明図であって、空港面の様子を模式的に示す領域説明図である。図4において、12は滑走路、13は空港ターミナル、14は滑走路12と空港ターミナル13との間のエプロンと呼ばれる部分、15は滑走路12とエプロン14との間の誘導路、16は航空機である。そして、17は滑走路12と空港ターミナル13との間におけるエプロン14及び誘導路15を含むように設けられたマルチパス領域(従来技術のNAI領域に相当する。)、18はマルチパス領域17内のエプロン14に設けたエコー領域である。空港面においては、エプロン14等付近においてクラッタやマルチパスエコーが多発し易くそのような部分をマルチパス領域17として設定し、そのうち航空機等が移動するエプロン14、誘導路15等の部分をエコー領域として設定する。それ以外のクラッタ、マルチパスエコーによる影響が小さい部分はターゲット領域とする。
領域判定処理部10は、既存目標がターゲット領域にあると判定したときは、通常の追尾条件に基づく追尾処理を追尾処理部9に指示し、既存目標がマルチパス領域(正確にはマルチパル領域であって、エコー領域外:以下、単にマルチパス領域という。)にあると判定したときは、追尾処理部9に対して追尾条件の変更を指示する(S04)。追尾処理部9は、既存目標がターゲット領域にあると判定されたときは航空機、車両等の移動目標物用の追尾条件による追尾処理を行い、既存目標がマルチパス領域にあると判定されたときは、マルチパス用の追尾条件に変更して既存目標の追尾処理を実施する(S05)。
既存目標がクラッタやマルチパスエコー等の場合は移動をしないため、追尾対象を静止目標物とみなして調整することにより、クラッタやマルチパスエコー等の偽目標物を安定して追尾することができる。このように、実施例1による目標検出装置では、マルチパス領域からの反射信号に基づく受信信号をクラッタやマルチパス等の偽目標信号であると擬制せず、各既存目標に対応した追尾処理を行うようにしたので、後述するように、移動目標物が移動してクラッタと近接するような場合であっても、移動目標物に対する追尾はずれ等の発生を防止することがきる。
なお、既存目標がエコー領域にあると判定したときは、いずれの反射信号に基づく既存目標であるかは未判定とし、さらに状態判定処理部11による判定処理を行う。すなわち、エコー領域にあると判定された既存目標は、マルチパス領域からの反射信号であっても移動目標物からの反射信号に基づく既存目標である可能性があり、そのような既存目標についてよりより正確に移動目標物であるか否かを判定するために状態判定処理部11による判定処理を実施する。
次に、状態判定処理部11の処理内容について説明する。状態判定処理部11は、領域判定部10においてエコー領域にあると判定された既存目標の移動距離等を判定し、その移動距離等が所定の条件を満たす場合には移動目標物からの反射信号に基づく既存目標であると判定し、所定の条件を満たさない場合には未判定の状態を継続する。状態判定処理部11の判定処理によってもいずれの反射信号に基づく既存目標であるかを識別することができなかった既存目標については、その後の追尾処理等は行わず、次の観測周期で得られた受信信号の判定処理までその状態を保持する。なお、一定時間を経過しても所定の条件を満たさない場合には、クラッタやマルチパスエコー等からの反射信号に基づく既存目標であると判定する(S06)。
ここで、図3に示す状態判定処理部11の分岐条件(S06)について詳細に説明する。状態判定処理部11はエコー領域にあると判定された既存目標について、例えば、以下に示す各パラメータの判定処理を実施する。
既存目標の初探からの移動距離 ≧一定距離(パラメータ1)
既存目標の追尾信頼度(Track Quality)≧一定値 (パラメータ2)
既存目標の初探からの経過時間 ≧一定時間(パラメータ3)
そして、既存目標の移動距離(パラメータ1)及び追尾信頼度(以下、TQという。)(パラメータ2)のいずれもが一定値を越えている場合は所定条件を満たしていると判断し、その既存目標は移動目標物からの反射信号に基づく既存目標であると判定する。また、各パラメータのいずれか一方あるいは両方が一定値以下の場合は未判定の状態を継続し、その状態で一定時間が経過した場合は(パラメータ3)、タイムアウトであると判断し、クラッタやマルチパスエコー等からの反射信号に基づく既存目標であると判定する。
これは、例えば、安定した速度で動く既存目標が一定距離を移動した時点で航空機等の移動目標物であると判定される一方、不安定な動き方をしたり、移動しなかったりする既存目標については一定時間経過後にマルチパスエコー等の偽目標物であると判定されることを示しており、実施例1では、目標識別の精度を向上させるため移動距離(パラメータ1)及びTQ(パラメータ2)のいずれもが一定値を越えている場合を所定条件としたが、いずれか一方を満たす場合を所定条件としてもよい。
なお、各パラメータの値は、本装置が適用されるシステムのマルチパス領域、エコー領域等の規模、移動目標物の移動速度等に応じて適宜設定するものとし、例えば、航空管制システムに適用する場合は、パラメータ1を50m、パラメータ2をTQ=5、パラメータ3を20秒等とする。
そして、クラッタやマルチパスエコー等からの反射信号に基づく既存目標であると判定したときは、追尾処理部9に対して当該既存目標についての追尾条件の変更を指示し(S04)、移動目標物からの反射信号に基づく既存目標であると判定したときは、移動目標物用の追尾条件に基づく追尾処理を追尾処理部9に指示する。追尾処理部9は、既存目標が移動目標物である判定されたときは移動目標物用の追尾条件による追尾処理を行い、既存目標がクラッタやマルチパスエコー等の偽目標物であると判定されたときは、追尾条件をマルチパス用の追尾条件に変更して既存目標の追尾処理を実施する(S05)。
なお、航空機等の移動目標物が図4に示すエコー領域18において一定時間を経過しても静止しているような場合は、状態判定処理部11においてマルチパスエコーによる偽目標物と判定されてしまう場合があるが、この場合は、移動目標物が動き始めれば、静止目標とみなして調整されている追尾パラメータのために、追尾が目標の動きに追従できずに追尾はずれが生じ、再探知されることによって、状態判定処理部11による判定処理を再度受けることができる。
追尾処理部9の処理結果は表示処理手段5に出力される。表示処理部5には追尾処理部9の処理結果だけでなく、目標判定手段4の処理結果等も入力される。表示処理部5は、それらの処理結果が移動目標物に対するものであるか偽目標物に対するものであるかを識別し(S07)、移動目標物に対する追尾結果等については表示信号に変換して表示装置6に出力する。一方、クラッタやマルチパスエコー等の偽目標物に対する処理結果等の場合は非表示とする処理を行う(S08)。表示装置6は、表示処理部5から出力された表示処理信号に基づいて移動目標物に対する追尾処理の結果等をモニタ等の表示部(図示省略する。)に表示する(S09)。
また、図5は図3に示す一連の処理に伴う受信信号の状態遷移を示す状態遷移図であり、図5を用いて相関処理部8において識別された受信信号の状態遷移について説明する。図5において、C1は初期状態であるINIT(状態C1)、C2は航空機等の移動目標物かマルチパスエコー等による偽目標物か未判定の状態であるECHO(状態C2)、C3は航空機等の移動目標物と判定された状態であるTARGET(状態C3)、C4はマルチパスエコー等の偽目標物と判定された状態であるMULTIPATH(状態C4)であり、これらの状態遷移は追尾手段3における追尾計算の直後に行われる。図5に示すように、本発明に係る状態遷移モデルは4状態で構成されており、全ての受信信号は、初期状態であるINIT(状態C1)から始まる。
INIT(状態C1)は追尾開始時の1回で終わるものであり、初回の追尾計算後に既存目標と識別されて他のいずれかの状態へ遷移する。例えば、領域判定処理部10においてNAI領域、すなわちマルチパス領域外であると判定された既存目標は、航空機等の移動目標物であると判定されてTARGET(状態C3)に遷移するが、マルチパス領域内であって、かつ、エコー領域以外であると判定された既存目標はMULTIPATH(状態C4)に遷移する。そして、エコー領域内であると判定された既存目標はECHO(状態C2)に遷移する。
ECHO(状態C2)とは、既存目標が航空機等の移動目標物かマルチパスエコーによる偽目標物であるか未判定の状態であり、本実施例による目標検出装置では、領域判定処理部10においてECHO(状態C2)と判定された既存目標についてさらに状態判定処理部11による判定処理を実施する。そして、この状態判定処理部11の判定処理によって所定の条件を満たす既存目標はTARGET(状態C3)に遷移し、その後の追尾処理が実施される。所定の条件を満たさない既存目標はECHO(状態C2)が継続され、一定時間経過してもECHO(状態C2)が継続する場合にはMULTIPATH(状態C4)に遷移する。なお、TARGET(状態C3)及びMULTIPATH(状態C4)から他の状態へ遷移することはなく、追尾削除が実施されるまで継続される。
最後に、図6及び図7を用いて図1に示す目標検出装置において表示される表示画面について簡単に説明する。図6及び図7において、19はレーダエコー、20はプロット情報、21は表示シンボル、t1,t2はそれぞれ既存目標であり、これら19乃至21はレーダ装置1の観測周期毎に得られる。図6は表示装置6において表示された追尾処理結果等の表示画面例を示す表示画面説明図であって、ほぼ安定した速度で動く既存目標t1が、一定距離以上を移動した時点で航空機等の移動目標物と判定されてシンボル表示されている様子を示している。すなわち、追尾手段3等において初期登録された既存目標t1、t2のうち、既存目標t1については、状態判定処理部11による判定処理の結果、上述したような所定条件を満たすものと判断されてその追尾結果等がシンボル表示されているが、既存目標t2については、一定時間が経過しても所定の条件を満たしておらず、タイムアウトであると判断されて非表示の状態となっている。
また、図7は表示装置6において表示された追尾処理結果等の表示画面例を示す表示画面説明図であって、移動目標物である既存目標t1が偽目標物である既存目標t2の近くを通過する状況であっても、既存目標t1の追尾がマルチパスエコー等の既存目標t2のプロット情報へ乗移ることなく安定して追尾処理を継続している様子を示している。上述したように、追尾処理部9においては、移動目標物からの反射信号に基づく既存目標及びクラッタやマルチパスエコー等からの反射信号に基づく既存目標のいずれについても追尾処理を継続しており、このような各既存信号の追尾処理の結果をも考慮して相関処理部8による相関処理を実施することにより、既存目標t1の追尾がマルチパスエコー等の既存目標t2のプロット情報へ乗移ることなく安定して追尾処理を継続することができる。
このように、移動目標物の追尾処理を継続する(シンボルは表示する)一方で、偽目標物の追尾処理をも継続することによって(シンボルは表示しない)、航空機、車両等の移動する移動目標物がマルチパスエコー発生付近を通過するような場合においても、移動目標物及び偽目標物のそれぞれにおいて互いの影響をそれぞれ加味して相関計算を実施するので、移動目標物の追尾処理がマルチパスエコーによる偽目標物のプロット情報へ乗移ってしまうという追尾はずれ等の現象が軽減され、結果として、安定した追尾処理を実施することができる。
以上のように、実施例1による目標検出装置においては、既存目標の位置情報だけでなく、その動作状態をも考慮して航空機、車両等の移動目標物であるか否かを識別するように構成したので、航空機や車両等の移動目標物がクラッタやマルチパスエコーが多発する領域に侵入したような場合であって移動目標物であるか否かをより正確に識別することができ、目標信号の失探等の発生を回避して目標検出率の低下を防止することができると共に、このようなクラッタやマルチパスエコーが多発する領域においてより正確かつ効率的な移動目標物の追尾処理を行うことができ、そのような正確かつ効率的な追尾処理の結果等を表示装置6に表示することができる。
以下、この発明の実施例2による航空管制システムについて説明する。この発明に係る航空管制システムは、例えば、図1及び図2に示すような目標検出装置を適用したシステムであり、詳細な説明については省略する。この場合、図1に示すレーダ装置1は空港面全体の観測ができるように設置され、また、表示装置6は管制業務を行う管制室等に設置する。そして、レーダ装置1によって観測された空港面を移動する航空機、車両等の目標シンボル、移動状況等を管制室等に設置された表示装置6に表示させ、管制官による管制業務を支援する。
実施例1では、空港面監視装置等の航空管制システムの場合を例として説明したが、海上捜索、対空捜索等、他の監視装置にも適用することことが可能であり、その場合には、適用するシステムに対応して各種パラメータ、観測周期、追尾条件等を適宜設定するものである。
この発明の一実施の形態による目標検出装置を示すブロック構成図である。 図1に示す目標検出処理装置7の具体的構成を示す部分ブロック構成図である。 図1に示すような本発明に係る目標検出装置の処理内容を示すフローチャート図である。 図4はマルチパス領域、エコー領域及びターゲット領域の内容について説明するための説明図であって、例えば空港面の様子を模式的に示す領域説明図である。 図3に示す一連の処理に伴う受信信号の状態遷移を示す状態遷移図である。 表示装置6において表示された追尾処理結果等の表示画面例を示す表示画面説明図である。 表示装置6において表示された追尾処理結果等の表示画面例を示す表示画面説明図である。
符号の説明
1 レーダ装置、2 信号処理手段、3 追尾手段、4 目標判定手段、
5 表示処理手段、6 表示装置、7 目標検出処理装置、8 相関処理部、
9 追尾処理部、10 領域判定処理部、11 状態判定処理部、
17 マルチパス領域、18 エコー領域。

Claims (4)

  1. 目標検出手段と、この目標検出手段を介して検出した既存目標が移動目標物又は偽目標物のいずれであるか判定する目標判定手段と、この目標判定手段の判定結果に応じて既存標を追尾処理する追尾手段と、この追尾手段の追尾結果を表示する表示装置とを備え、前記目標判定手段は、偽目標物が検出される観測範囲内のうち移動目標物が含まれると予想される観測範囲を予め既存目標の状態判定領域に設定し、その既存目標の状態判定領域の観測範囲において検出された既存目標については、偽目標物であると擬制せずに移動目標物であるか偽目標物であるか未判定と識別する領域判定処理部、及びその未判定と識別された既存目標の移動距離又は追尾信頼度が移動目標物の条件を満たすか否か判定し、移動目標物の条件を満たすときは前記未判定と識別された既存目標を移動目標物であると判定し、一定時間を経過しても移動目標物としての条件を満たさないときは前記未判定と識別された既存目標を偽目標物であると判定する状態判定処理部を有する目標検出装置。
  2. 前記目標検出手段は、レーダ装置である請求項1に記載の目標検出装置。
  3. 前記表示装置は、前記移動目標物と判定された既存標の追尾結果を表示し、前記偽目標物と判定された既存標の追尾結果を非表示とする請求項1又は2に記載の目標検出装置
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の目標検出装置を備えた航空管制システム。
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