JPH11190772A - 追尾レーダ装置 - Google Patents

追尾レーダ装置

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Publication number
JPH11190772A
JPH11190772A JP36064397A JP36064397A JPH11190772A JP H11190772 A JPH11190772 A JP H11190772A JP 36064397 A JP36064397 A JP 36064397A JP 36064397 A JP36064397 A JP 36064397A JP H11190772 A JPH11190772 A JP H11190772A
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JP
Japan
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target
echo
phase period
relative
relative speed
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Application number
JP36064397A
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English (en)
Inventor
Shigeki Oshima
繁樹 大島
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Toyota Central R&D Labs Inc
Original Assignee
Toyota Central R&D Labs Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 より正しい補間を行うことにより、そのター
ゲットについての検出が再開された場合に別のターゲッ
トであると誤認される確率を低減する。 【解決手段】 その時刻までに時系列化された当該ター
ゲットの相対距離及び相対速度情報をデータベース5に
記憶しておく。そして、FMCWの受信が上りフェーズ
または下りフェーズにおいて受信できなかった場合に
は、ロスト補間部6は、当該ターゲットのその時刻より
も一時刻前の上りフェーズ期間または下りフェーズ期間
のエコーの情報を用いて現時刻において検出されている
当該フェーズ期間におけるエコーと比較判定を行い、ど
ちらかのフェーズにおいて有意に検出できたエコーがあ
ればそれをそのフェーズ期間の現時刻の当該ターゲット
のエコーと判断する。そして、(1)そのエコーと一時刻
前の同フェーズ期間のエコーとの相互比較、あるいは
(2)そのエコーと追尾手段で得られる速度または距離情
報に基づき、現時刻の当該ターゲットの距離または速度
情報を推定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、FM変調における
上りフェーズ期間と下りフェーズ期間のエコーのペアか
らターゲットとの相対速度及び相対距離を検出し、追尾
フィルタによってターゲットの挙動を監視する追尾レー
ダ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、ターゲットとの相対距離、相
対速度を検出するために各種レーダが利用されている。
例えば、道路における先行車両との相対距離、相対速度
の検出にもレーダが用いられている。このレーダの1つ
として、FMCW(周波数変調連続波)レーダがある。
このFMCWレーダは、連続波を用いるものであり、こ
の連続波の送信信号にFM変調を施している。
【0003】図1は、FMCWレーダによる相対距離及
び相対速度検出の原理を示すものである。例えば、送信
波を三角波で周波数変調する。これによって、送信波の
周波数は増加減少を順次繰り返す。この送信波がレーダ
から放射され、ターゲットで反射して受信されると、そ
の送信波と受信波の周波数は、図1(上)に示すような
関係となる。
【0004】伝搬遅延時間τは、送信波が受信される間
での時間であり、ターゲットまでの相対距離をR、光速
をcとするとτ=2R/cで表わされる。また、ターゲ
ットがレーダに対して相対速度を有するとドップラ周波
数fdだけ受信波の周波数がシフトする。
【0005】ここで、参照波(送信波)で受信波を同期
検波することにより、送信周波数と受信周波数の差の周
波数成分を持つ図1(下)に示すビート信号が得られ
る。このビート信号は、送信波の周波数が増加している
上りフェーズ期間において相対速度0のターゲットのビ
ート周波数frにドップラ周波数fdだけ加算されたも
のになり、送信波の周波数が減少している下りフェーズ
期間においてビート周波数frからドップラ周波数fd
だけ減算されたものになる。従って、このビート信号の
ビート周波数上りフェーズ期間及び下りフェーズ期間の
周波数からドップラシフトが求められ、これからターゲ
ットの相対速度が求められる。
【0006】ここで、相対速度0のターゲットのビート
周波数frは、FMの繰り返し周波数(図1における三
角波の周波数)をfm、FMの周波数偏移幅(参照波の
周波数の変化幅)をΔf、ターゲットの相対距離をR、
光速をcとすると、 fr=4R・fm・Δf/c で表される。従って、frが求まれば、相対距離Rが決
定される。
【0007】そして、上りフェーズ期間及び下りフェー
ズ期間におけるビート周波数fbu、fbdは、上述の
通り、それぞれ fbu=fr+fd fbd=fr−fd である。そこで、上りフェーズ期間及び下りフェーズ期
間のビート周波数fbu、fbdを個別に求めれば、相
対距離を表すビート周波数fr、相対速度を表すドップ
ラ周波数fdが求められる。
【0008】ここで、送信波を反射するターゲットは一
つとは限らない。例えば、自動車の場合先行車両の他に
道路構造物等からの反射が存在する場合も多い。
【0009】図2は、二つのターゲットからの反射波
(エコー)を受信した時のビート信号をフーリエ変換し
た結果の例である。f1は相対速度が0のターゲットで
あり、上りフェーズ期間のエコーと下りフェーズ期間の
エコーは同一周波数である。これに対して、相対速度を
有するターゲットf2は、上りフェーズ期間と下りフェ
ーズ期間とで異なる周波数(f2u,f2d)を持つエ
コーとなる。そして、上述のようにこのビート周波数
は、ターゲットの相対速度に応じて変化する。例えば、
ターゲットが遠ざかっていく場合、図において→で示し
たように下りフェーズ期間のビート周波数f2dがf1
に近づいてくる。そして、両者の周波数が非常に近くな
ると、これを分離して検出することが不可能になる。す
なわち、複数のターゲットのエコーが存在すると、上り
フェーズ期間または下りフェーズ期間の一方が受信でき
なくなる場合が生じる。
【0010】特開平5−150035号公報には、ター
ゲットからのエコーが検出できなかった場合に、過去の
検出データに基づき、相対速度を一定とするという仮定
をして、現時点での位置を推定することが示されてい
る。すなわち、相対速度が前の測定の時と同一であると
仮定すれば、ドップラ周波数fdが決定され、これに応
じてビート周波数frが決定され相対距離が決定され
る。従って、この公報に記載の技術によれば、検出エコ
ーに欠損がある場合においても、相対速度及び相対距離
を補間により補充することができる。また、過去の複数
の相対距離、相対速度データから線形予測することにつ
いても開示がある。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来例で
は、相対速度が一定として、補間処理を行っている。従
って、ターゲットが検出されていない期間に相対速度が
変化した場合には、正しい予測ができない。特に、車両
による先行車両検出においては、相対速度を大きく変化
する場合も多い。従って、相対速度が変化するターゲッ
トについて検出ができなくなった場合には、次にそのタ
ーゲットについて検出が再開された場合にも同一のター
ゲットであるとの認識ができなくなってしまう等の問題
があった。
【0012】本発明は、より正しい補間を行うことによ
り、そのターゲットについての検出が再開された場合に
別のターゲットであると誤認される確率を低減できる追
尾レーダ装置を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】FM変調における上りフ
ェーズ期間と下りフェーズ期間のエコーペアからターゲ
ットの相対速度及び相対距離を検出し、追尾フィルタに
よりターゲットの挙動を監視する追尾レーダ装置におい
て、上りフェーズ期間及び下りフェーズ期間の各エコー
を複数期間にわたって記憶する記憶手段と、上り及び下
りの各フェーズ期間のいずれかにおけるエコーの欠落に
よりペアが抽出できない場合、その時刻での前記追尾フ
ィルタの追尾情報より一時刻前の上りフェーズ期間及び
下りフェーズ期間のターゲットのエコーのペアを抽出
し、該抽出されたペアと現時刻に検出された上り及び下
りの各フェーズ期間におけるエコーとを比較し、比較の
結果有意に検出されたエコーを現時刻のターゲットのエ
コーとして出力するエコー判別手段と、前記エコー判別
手段から出力される現時刻のターゲットのエコーと前記
記憶されているエコーとに基づき現時刻のターゲットと
の相対距離及び相対速度を推定し、または、前記現時刻
のターゲットのエコーと前記追尾フィルタから出力され
る相対速度とに基づき現時刻のターゲットとの相対距離
を推定する推定手段と、を含むことを特徴とする。追尾
レーダにおいて、ターゲットからのエコーを検出してい
ると、他のターゲットのエコーとの重なりにより、どち
らかのフェーズ期間のエコーのベアが有意に検出でき
ず、ターゲットの相対速度及び位置が検出できない場合
が生ずる。この場合に、その時刻までに時系列化された
当該ターゲットの追尾情報から、当該ターゲットのその
時刻よりも一時刻前の上りフェーズ期間および下りフェ
ーズ期間のエコーの情報のペアを取り出す。次に、取り
出したエコーのペアを用いてその時刻において検出され
ている各フェーズ期間におけるエコーと比較判定を行
い、どちらかのフェーズ期間における有意に検出できた
エコーをそのフェーズ期間の現時刻の当該ターゲットの
エコーと判断する。
【0014】そして、(1)そのエコーと前(例えば、1
処理サイクル前の時点)の同フェーズ期間のエコーとの
相互比較、あるいは(2)そのエコーと追尾手段で得られ
る相対速度及情報に基づき、現時刻の当該ターゲットの
相対距離、相対速度情報を推定する。
【0015】例えば、現時点のターゲットの相対速度と
前のターゲットの相対速度はこの2点においてのみ等し
いと仮定する。すると、エコーの周波数成分の内、ドッ
プラ周波数成分は互いに等しいため、その周波数の差は
相対距離が変わったことに起因するもののみとなる。よ
って、この周波数差を相対距離に換算し、それをデータ
の比較している2回の測定の時間間隔(1処理サイクル
の時間)で割ることでこの2点に関する相対速度が求め
られる。そして、この得られた相対速度に対応したドッ
プラ周波数成分を現時刻のエコーの周波数から除去する
ことで相対距離のみに依存する周波数成分が得られる。
これを相対距離に換算することにより、結果としてター
ゲットの相対距離と相対速度が求められる。
【0016】また、追尾フィルタにおいて一時刻前の相
対速度の予測値すなわち現時点における相対速度の推定
値を得、この値をターゲット相対速度として用いること
も好適である。その後は、上述の場合と同様にして、現
時点における相対速度及び相対距離を算出することがで
きる。追尾フィルタが出力する相対速度は推定値ではあ
るが平滑化されているため、2点間の相対速度を求める
のに比べ、安定した補間が行え、追尾フィルタ動作を安
定させることができる。
【0017】以上のように、本発明によれば、最初に比
較する2点における相対速度を一定とし、相対距離を求
めるが、求められた相対距離の差に基づき相対速度を計
算し直す。従って、相対速度の変化に追従することがで
き、より正確なデータの補間が行える。そこで、ターゲ
ットの検出が再開されたときに、他のターゲットとご認
識する可能性を低減することができる。
【0018】本発明をより具体的にした構成は次のとお
りである。
【0019】FMCW変調の上りフェーズ期間と下りフ
ェーズ期間各々において検出されたエコーから同一ター
ゲットによるエコーのペアを抽出し、ターゲットとの相
対距離及び相対速度を検出して追尾フィルタによってタ
ーゲットの挙動を監視する追尾レーダ装置において、ビ
ート信号を上りフェーズ期間及び下りフェーズ期間毎に
フーリエ変換して周波数スペクトルによるエコーを生成
するフーリエ変換部と、上りフェーズ期間及び下りフェ
ーズ期間におけるエコーの中から、与えられた閾値以上
の強度を有するエコーを検出する手段と、上りフェーズ
期間及び下りフェーズ期間のエコーにおいて、与えられ
た判定条件を満たすエコーのペアを同一ターゲットによ
るエコーのペアとして抽出し、ターゲットとの相対距離
及び相対速度を検出する手段とを含むターゲット検出部
と、ターゲット検出部で上りフェーズ期間及び下りフェ
ーズ期間において検出された、前記の与えられた閾値以
上の強度を有するエコーを記憶する一次データベース部
と、ターゲット検出部で検出されたターゲットの相対距
離及び相対速度の更新情報に基づき、ターゲットを追尾
する追尾フィルタ部と、現在追尾しているターゲットに
関して追尾フィルタが出力する相対距離及び相対速度、
並びにそのターゲットの付随情報としてターゲット検出
部から追尾フィルタ部に入力される相対距離、相対速度
及びエコーのペアの情報を記憶する二次データベース部
と、追尾フィルタで追尾しているターゲットにより生じ
た現時刻のエコーのペアがターゲット検出部で抽出でき
ない場合、二次データベース部に記憶されているターゲ
ットの上り及び下りの各フェーズ期間の過去のエコーを
読み出し、該エコーを一次データベース部に記憶されて
いる現時刻において検出されたエコーと上り及び下りの
各フェーズ毎に比較して、上りあるいは下りフェーズ期
間の何れかにおいてターゲットに対する過去及び現時刻
のエコーの組を判別し、出力する判別手段と、前記判別
された過去及び現時刻のエコーの組から現時刻のターゲ
ットの相対距離及び相対速度を推定する手段、あるいは
前記判別された現時刻のエコーと追尾フィルタ部から出
力される現時刻の推定相対速度を用いてターゲットの現
時刻の相対距離を推定する手段を含むロスト補間部とを
有することを特徴とする。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態(以下
実施形態という)について、図面に基づいて説明する。
【0021】図3は、本発明の実施形態の一つの構成を
示している。検波によって得られたビート信号は、フー
リエ変換部1に入力される。このフーリエ変換部1は、
ビート信号を各フェーズ期間毎に離散フーリエ変換す
る。これによって、各時点における上りフェーズ期間及
び下りフェーズ期間のエコー情報、すなわち時系列エコ
ー情報が得られる。このエコー情報は、ターゲット検出
部2に入力される。ターゲット検出部2は、エコー情報
の中から定められた条件(例えば振幅がある閾値以上の
大きさを有する等)を満たすエコーをターゲットについ
てのエコーとして選別する。また、この段階でデータベ
ース4にデータを送り、その時点の上りフェーズ及び下
りフェーズにおけるエコーの周波数fiと振幅Aiが記録さ
れる。すなわち、図4に示すように、選別されたN個の
ターゲットからのエコー情報が記録される。
【0022】また、選別されたエコーは上りフェーズ期
間および下りフェーズ期間のデータ間で定められた条件
(例えば、振幅差がある閾値以下である等)を満たすも
のをペアリングする。そして、FMCW方式の原理に従
ってエコーの周波数の和及び差から各ターゲットの相対
距離と相対速度情報を得る。
【0023】これらの相対距離、相対速度情報は追尾フ
ィルタ3に送られる。追尾フィルタ3は、入力された相
対距離、相対速度情報を所定の条件下で平滑化した後、
ターゲット情報として出力する。この時、追尾フィルタ
は追尾しているターゲットの平滑化された相対距離及び
相対速度情報,そしてターゲット検出部2からそのター
ゲット用に入力された相対距離及び相対速度の情報とそ
の基となったエコー情報をデータベース5に記録する。
すなわち、図5に示すように、入力された相対距離R
i、相対速度Viを平滑化して、相対距離R^i、相対
速度V^iとして出力する。ここで、^は、R,Vの上
につけるものであるが、明細書の記載では、変数の後に
^を記載している。
【0024】ターゲットからのエコーが上りフェーズ期
間及び下りフェーズ期間共に検出され,ペアリングが正
常に行われてターゲット追尾が正常に行われている間
は,データベース4、5には、単にデータが記載される
だけであって、演算には使用されない。なお、これらデ
ータベース4、5は、少なくとも一時刻前のデータを記
憶するが、所定の複数のデータを常に記憶していてもよ
い。
【0025】そして、複数のターゲットからのエコー同
士が重なるなどして、反射波がうまく受信できず、ター
ゲット検出部2においてペアリングができなかった場合
には、追尾しているターゲットの相対距離および相対速
度の更新情報が追尾フィルタ3に入力されなくなる。こ
の場合には、追尾フィルタ3は、データベース5に指示
を出し、ロスト補間部6に更新情報が途切れたターゲッ
トの一時刻前の情報を送る。また、ロスト補間部6は、
ターゲット検出部2からデータベース4に供給記憶され
た今回のエコー情報を取り出す。
【0026】ロスト補間部6は、まずデータベース5か
らの一時刻前の情報からエコー情報を取り出す。そし
て、この一時刻前のエコー情報と、データベース4から
取り込んだ現時点のエコー情報との比較判定を(1)式を
用いて各フェーズ期間毎に実施する。
【0027】
【数1】 ここで、f4 i,A4 iはデータベース4の現時点のデー
タ、f5 j,A5 jはデータベース5の一時刻前のデータで
ある。また、εf,εAはそれぞれ周波数差許容値,振幅
差許容値である。一組のf5 j,A5 jに対してこの条件を
満たすf4 i,A4 iが複数組存在する場合は,(2)式で定
義されるノルムが最小のものを選ぶ。
【0028】
【数2】 この判定によって選ばれたエコーの対を用いて、まず相
対速度を求める。通常のFMCW方式では、相対速度は
上りフェーズ期間のエコーと下りフェーズ期間のエコー
の周波数差から求めるが,ここではどちらか片方のフェ
ーズ期間のデータしか有効でないものが存在する。
【0029】そこで、この片方のフェーズ期間のデータ
しか有さないものについて、次のような計算を行う。
【0030】まず、現時点のターゲットの相対速度と一
時刻前のターゲットの相対速度はこの2点においてのみ
等しいと仮定する。これによって、エコーの周波数成分
の内、ドップラ周波数成分は互いに等しいとおける。従
って、片方のフェーズ期間のエコーデータにおける相対
距離にのみ依存する周波数成分が決定される。次に、得
られた現時点における相対距離にのみ依存する周波数成
分と、一時刻前の相対距離についての周波数成分を比較
すると、この相対距離についての周波数成分の差は相対
距離が変わったこと、すなわちターゲットの相対的な移
動相対距離である。従って、この周波数差を相対距離に
換算し、それをデータの更新時間間隔(現時刻と一時刻
前との差時間)で割ることで、一時刻前から現時点まで
の相対速度が求められる。そこで、このようにして求め
られた相対速度を現時点における相対速度とする。そし
て、得られた相対速度に対応したドップラ周波数成分を
現時刻のエコーの周波数から除去することで、現時点に
おける相対距離のみに依存する周波数成分が得られ、こ
れから相対距離が求められる。このようにして、ターゲ
ットの相対距離及び相対速度が求められる。
【0031】そこで、得られた相対距離及び相対速度の
情報をデータベース5にフィードバックし追尾ターゲッ
トの入力値として登録する。さらに、追尾フィルタ3に
この情報を渡すことで追尾が継続される。
【0032】図6は、ロスト補間部6のデータ補間の様
子を示すものである。図6における(上)は時刻t0〜
t4における周波数と及び周波数変化を示し、(中)は
各時刻における算出結果の相対速度、(下)は各時刻算
出結果の距離を示している。
【0033】ここで、時刻t0まではターゲットが正常
に検出されていたとし、t1以降はロスト補間部6によ
る補間動作によるものとする。時刻t1では、データベ
ース5に追尾しているターゲットの更新情報が登録され
ないため、ロスト補間部6に対してターゲットの時刻t
0の情報を出力する。
【0034】ロスト補間部6はデータベース4から時刻
t1のエコー情報を取り出し、上記判定により追尾して
いるターゲットの時刻t1の上り下りどちらかのフェー
ズ期間のエコーf1を選び出す。このエコーと同じフェ
ーズ期間の時刻t0のエコーf0との周波数差Δf1を
相対距離に換算してデータ更新時間間隔Δtで商を計算
すると相対速度V1が求まる。
【0035】また、この相対速度V1に対応するドップ
ラ周波数成分をf1から除去し、相対距離に換算するこ
とで相対距離R1が得られる。エコー同士の重なりは片
一方のフェーズ期間で連続して起きるのが通常であるた
め、重なりが生じているフェーズ期間そのものが途中で
入れ替わることはない。このため、これ以降同様の手順
で相対速度と相対距離を求めていく。この様にすること
で、補間を実施している間に相対速度変化があってもそ
れに対応して補間動作を行うため、再びターゲットを正
常に検出した時において、同一ターゲットを別のターゲ
ットと誤判定する可能性を低減できる。
【0036】「変形例」前記実施形態の変形例の構成を
図7に示す。図に示すように、この例においては、追尾
フィルタ3からの出力である一時刻前の相対速度がロス
ト補間部6に入力される。そして、この相対速度を上述
のターゲット相対速度の代わりに用いる。その後は同じ
で、その相対速度に対応するドップラ周波数成分を計算
し、これを減算した周波数より相対距離を演算し、相対
距離の差を更新周期で除算して相対速度を求める。
【0037】前記実施形態との相違は、上述のエコー間
の差分による相対速度推定では、受信信号のS/Nが悪
い場合は得られた相対速度の値の変動が大きいため、追
尾フィルタが正常に動作しない場合が生じる。これに対
して、追尾フィルタが出力する相対速度は推定値ではあ
るが平滑化されているため、ロスト補間部6がフィード
バックするターゲット情報に基づいて、追尾フィルタ動
作を安定に行うことができるという効果が得られる。
【0038】さらに、上述の例においては、最初に相対
速度が一定であると仮定した。しかし、FMCWの場
合、相対速度と相対距離はそのいずれかを決定すれば他
方が決まる。そこで、最初に相対距離が一定であると仮
定し、周波数の差は相対速度変化に起因するものとし
て、現時点での相対速度を決定し、対応する現時点にお
ける相対距離を求めてもよい。
【0039】「全体システム」本発明のFMCWレーダ
は、車両に搭載され、先行車両との相対距離、相対速度
を検出する装置に好適である。この場合、経時的に電圧
が増減する三角波を電圧制御発振器(VCO)に入力す
ることにより、周波数が周期的に増減する信号を発生
し、これを増幅器を介し、送信アンテナに供給すること
によりFMCWの送信を行う。送信アンテナは、指向方
向の異なるものを複数設け随時切り替えることにより、
前方のある程度の視野を確保することができる。
【0040】そして、ターゲット(先行車)からの反射
波は、2つの受信アンテナで受信し、位相モノパルス方
式で、方位角を検出することが好ましい。すなわち、2
つの受信アンテナの配置位置を異ならせることによっ
て、反射波における経路長が異なり、これが位相差にな
る。従って、位相差を検出することで、方位を検出する
ことができる。なお、相対距離及び相対速度について
は、両受信アンテナにおいて受信した信号に基づき独立
して演算が可能であり、両検出値を用いてより精度の高
い測定が行える。
【図面の簡単な説明】
【図1】 FMCWレーダの原理を示す送受信周波数及
びビート周波数の変化を示す図である。
【図2】 受信波の周波数特性を示す図である。
【図3】 実施形態の構成を示すブロック図である。
【図4】 データベース4におけるデータの構成を示す
図である。
【図5】 データベース5におけるデータの構成を示す
図である。
【図6】 周波数、速度、距離の変化を示す図である。
【図7】 変形例の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 フーリエ変換部、2 ターゲット検出部、3 追尾
フィルタ、4,5 データベース、6 ロスト補間部。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 FM変調における上りフェーズ期間と下
    りフェーズ期間のエコーペアからターゲットの相対速度
    及び相対距離を検出し、追尾フィルタによりターゲット
    の挙動を監視する追尾レーダ装置において、 上りフェーズ期間及び下りフェーズ期間の各エコーを複
    数期間にわたって記憶する記憶手段と、 上り及び下りの各フェーズ期間のいずれかにおけるエコ
    ーの欠落によりペアが抽出できない場合、その時刻での
    前記追尾フィルタの追尾情報より一時刻前の上りフェー
    ズ期間及び下りフェーズ期間のターゲットのエコーのペ
    アを抽出し、該抽出されたペアと現時刻に検出された上
    り及び下りの各フェーズ期間におけるエコーとを比較
    し、比較の結果有意に検出されたエコーを現時刻のター
    ゲットのエコーとして出力するエコー判別手段と、 前記エコー判別手段から出力される現時刻のターゲット
    のエコーと前記記憶されているエコーとに基づき現時刻
    のターゲットとの相対距離及び相対速度を推定し、また
    は、前記現時刻のターゲットのエコーと前記追尾フィル
    タから出力される相対速度とに基づき現時刻のターゲッ
    トとの相対距離を推定する推定手段と、を含む追尾レー
    ダ装置。
JP36064397A 1997-12-26 1997-12-26 追尾レーダ装置 Pending JPH11190772A (ja)

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