JP4480462B2 - 工具落下防止具 - Google Patents

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本発明は、例えば工事現場等で使用される各種工具に用いられ、工具の落下を防止するための工具落下防止具に関するものである。
一般に、建設工事現場等の作業者は、所定の作業を行うための各種の工具を所持しており、工具を使用しないときは作業者の身体に装着したホルダ等に収納している。しかしながら、作業中等に誤って工具を落下させる場合があるため、例えば両端にそれぞれフックを有するロープの一端を作業者の身体側に連結し、ロープの他端を工具に連結することにより、万一工具を落下させた場合でも工具をロープによって作業者に繋ぎ止めるようにしている(例えば、特許文献1参照。)。
特開2002−262919号公報
しかしながら、前述のようにロープを用いて工具を連結する場合、ロープのフックは作業者の身体側の連結部(例えば、安全帯の環状金具等)に連結することができるが、工具によってはロープのフックを連結可能な環状部分を有していないものが多く、このような工具にはロープのフックを直接連結することができないという問題点があった。
本発明は前記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、ロープ状部材の一端を直接連結可能な部分を有していない工具であっても、ロープ状部材を確実に連結することのできる工具落下防止具を提供することにある。
本発明は前記目的を達成するために、一端側に工具使用者の把持する把持部を備えた工具に装着され、工具使用者の身体側にロープ状部材を介して連結される工具落下防止具において、前記ロープ状部材が一端に連結され、工具の把持部の外周面に被着可能な筒状の工具連結部を備え、工具連結部を、軸方向に収縮すると径方向に拡大し、径方向に拡大させた状態から軸方向の収縮状態を解除すると、弾性により軸方向に伸長して径方向に縮小することにより工具の把持部の外周面に被着するワイヤネットによって形成している。
これにより、ロープ状部材が連結される筒状の工具連結部に工具の把持部を挿入し、工具連結部を把持部の外周面に被着させることにより工具と工具連結部とが連結されることから、ロープ状部材の一端を直接連結する部分を有しない工具であっても、工具連結部を介してロープを連結することが可能となる。この場合、工具連結部は、軸方向に収縮すると径方向に拡大し、径方向に拡大させた状態から軸方向の収縮状態を解除すると、弾性により軸方向に伸長して径方向に縮小することにより工具の把持部の外周面に被着するワイヤネットによって形成されていることから、工具連結部を径方向に拡大させることによって工具との着脱を容易に行うことができとともに、把持部の外径寸法が異なる他の種類の工具にも使用することが可能である。また、工具連結部は筒状に形成されていることから、工具の把持部を工具連結部の上から違和感なく把持することができる。
本発明の工具落下防止具によれば、ロープ状部材の一端を直接連結する部分を有しない工具であってもロープを連結することができるので、このような工具の落下を確実に防止することができる。この場合、工具との着脱を容易に行うことができるとともに、把持部の外径寸法が異なる他の種類の工具にも使用することができるので、汎用性が高いという利点がある。また、工具に装着しても工具の把持部を違和感なく把持することができるので、工具の取扱性を損なうことがないという利点もある。
図1乃至図5は本発明の一実施形態を示すもので、図1は工具落下防止具を用いて工具を胴ベルトに連結した状態を示す図、図2は工具落下防止具の側面図、図3は図2のA−A線矢視方向断面図、図4は工具落下防止具の工具への装着方法を示す側面図、図5はその横断面図である。
本実施形態の工具落下防止具は、工事現場等で使用される工具1に装着され、工具1をロープ2を介して作業者の胴ベルト3に連結するためのものである。
工具1は、例えば周知の結束工具(いわゆるハッカー)であり、鉄筋固定用の結束線を結束するために用いられる。即ち、この工具1は、作業者の把持する棒状の把持部1aと、把持部1aの一端に回動自在に取付けられた可動部1bとからなり、可動部1bの先端に設けた爪状部1cを鉄筋に巻き掛けた結束線(図示せず)に係止して可動部2bを回転させるように使用される。
ロープ2は工具連結用に用いられる周知のもので(例えば、従来例参照。)、その両端にはそれぞれ連結用のフック2aが取付けられている。また、ロープ2の一部は伸縮自在なコイル状に形成されている。
胴ベルト3は、例えば工事現場等において作業者が装着する安全帯に用いられるもので、安全帯用のロープ(図示せず)等を連結するためのD形のリング3aが取付けられている。また、胴ベルト3には工具2を収納するためのホルダ3bが設けられている。
同図に示す工具落下防止具10は、工具1の把持部1aに連結される工具連結部11と、工具連結部11を工具1の把持部1aに固定する一対の固定部材12とを備え、工具連結部11の一端にはロープ2の一端が連結されるようになっている。
工具連結部11は工具1の把持部1aの外周面に被着可能な筒状のワイヤネットからなり、ワイヤネットには金属製のワイヤが用いられている。この場合、工具連結部11はワイヤネットによって径方向に伸縮自在に形成されており、軸方向に収縮すると径方向に拡大し、径方向に拡大させた状態ではワイヤの弾性により径方向に縮小するようになっている。また、工具連結部11の軸方向一端にはロープ2のフック2aを連結可能な連結部11aが設けられ、連結部11aはワイヤネットの一部のワイヤを環状に形成することにより工具連結部11と一体に設けられている。
各固定部材12は把持部1aの周方向に延びるベルト状部材からなり、それぞれ工具連結部11の軸方向両端に取付けられている。工具連結部11は把持部1aの外周面を巻回可能な長さに形成され、その両端部を着脱自在な周知のファスナ12aによって結合可能に構成されている。また、固定部材12は、例えば帯状のゴム紐等、長手方向に弾性を有する部材によって形成されている。
以上のように構成された工具落下防止具10を工具1に連結する場合には、図4(a) に示すように工具落下防止具10の工具連結部11を軸方向に収縮することにより、図5(a) に示すように工具1の把持部1aを挿入可能な大きさまで径方向に拡大させ、図4(b) に示すように工具連結部11を工具1の把持部1aに挿入した後、工具連結部11の軸方向の収縮状態を解除する。これにより、工具連結部11がワイヤネットの復元力により軸方向に伸長して径方向に収縮し、図5(b) に示すように工具1の把持部1aに被着する。次に、各固定部材12を工具1の把持部1aを巻回するようにその両端部をファスナ12aで結合することにより、工具連結部11の両端が各固定部材12によって工具1に固定される。その際、固定部材12を長手方向に伸ばしながらファスナ12aで結合することにより、固定部材12がその弾性力によって確実に固定される。
また、工具落下防止具10を装着された工具1を使用する場合は、工具落下防止具10の連結部11aにロープ2の一端側のフック2aを連結し、ロープ2の他端側のフック2aを胴ベルト3のリング3aに連結する。これにより、作業者が誤って工具1を落下させた場合でも、工具1がロープ2及び工具落下防止具10によって作業者に繋ぎ止められることから、例えば高所からの工具1の落下や工具1の紛失を防止することができる。その際、工具落下防止具10の工具連結部11にロープ2側から軸方向の引張力が加わると、工具連結部11が径方向に収縮することから、ロープ2の引張力によって工具連結部11と工具1との結合力が増大する。
本実施形態の工具落下防止具10によれば、ロープ2が連結される筒状の工具連結部11に工具1の把持部1aを挿入し、工具連結部11を把持部1aの外周面に被着させることにより工具1と工具連結部11とを連結するようにしたので、ロープ2のフック2aを直接連結する環状部分を有しない工具1であっても工具連結部11を介してロープ2を連結することができ、工具1の落下を確実に防止することができる。この場合、工具連結部11は把持部1aの径方向に伸縮自在に形成されているので、工具連結部11を径方向に拡大させることによって工具1との着脱を容易に行うことができるとともに、把持部の外径寸法が異なる他の種類の工具にも使用することができるので、汎用性が高いという利点がある。また、工具連結部11は筒状に形成されているので、工具1の把持部1aを工具連結部11の上から違和感なく把持することができ、工具1の取扱性を損なうことがないという利点もある。
また、工具連結部11を径方向に弾性を有する部材によって形成したので、径方向への収縮力により工具連結部11を工具1の把持部1aに確実に被着させることができ、工具連結部11と工具1とを強固に連結することができる。
更に、工具連結部11を筒状のワイヤネットによって形成したので、径方向に伸縮可能な工具連結部11を簡単な構造により形成することができ、製造コストの低減を図ることができる。この場合、工具連結部11が網状に形成されることから、把持部1aの滑り止めになるという利点もある。
また、工具連結部11の軸方向両端に工具1の把持部1aに固定可能な固定部材12を設けたので、工具連結部11の把持部1aへの被着のみならず、各固定部材12によっても工具連結部11と工具1とを連結することができ、工具連結部11からの工具1の脱落を確実に防止することができる。
この場合、各固定部材12を把持部1aの周方向に延びるベルト状によって形成し、その両端をファスナ12aによって互いに着脱自在に形成したので、各固定部材12の着脱を極めて容易に行うことができる。
また、各固定部材12を把持部1aの周方向に弾性を有する部材によって形成したので、各固定部材12の弾性力によって固定部材12を工具に確実に固定することができる。
尚、前記実施形態では、工具1として鉄筋固定用の結束工具を示したが、工具連結部11に挿入可能な把持部を有するものであれば、例えはハンマー、ドライバー等、他の工具に用いることができる。
また、前記実施形態では、工具連結部11に筒状のワイヤネットを用いたものを示したが、径方向に伸縮可能な筒状の部材であれば、例えばゴム製のチューブ等、他の形状または材質の部材を用いることが可能である。この場合、ワイヤネットは化学繊維のワイヤを用いたものであってもよい。
更に、前記実施形態では、ロープ2をフック2aを介して工具連結部11の連結部11aに連結するようにしたものを示したが、フックを用いずに直接ロープの一端が連結部11aに連結されたものであってもよく、或いは工具連結部11に連結部11aを設けずに工具連結部11の一端にロープが一体に設けられているものであってもよい。
また、前記実施形態では、固定部材12としてファスナ12aを有するベルト状のものを示したが、他の固定部材として、例えば無端状のゴムリングや粘着テープを用いたものであってもよい。
本発明の一実施形態に係る工具落下防止具を用いて工具を胴ベルトに連結した状態を示す図 工具落下防止具の側面図 図2のA−A線矢視方向断面図 工具落下防止具の工具への装着方法を示す側面図 工具落下防止具の工具への装着方法を示す横断面図
符号の説明
1…工具、1a…把持部、2…ロープ、10…工具落下防止具、11…工具連結部、12…固定部材。

Claims (4)

  1. 一端側に工具使用者の把持する把持部を備えた工具に装着され、工具使用者の身体側にロープ状部材を介して連結される工具落下防止具において、
    前記ロープ状部材が一端に連結され、工具の把持部の外周面に被着可能な筒状の工具連結部を備え、
    工具連結部を、軸方向に収縮すると径方向に拡大し、径方向に拡大させた状態から軸方向の収縮状態を解除すると、弾性により軸方向に伸長して径方向に縮小することにより工具の把持部の外周面に被着するワイヤネットによって形成した
    ことを特徴とする工具落下防止具。
  2. 前記工具連結部を工具に固定可能な固定部材を備えた
    ことを特徴とする請求項1記載の工具落下防止具。
  3. 前記固定部材を把持部の周方向に延びるベルト状に形成し、その両端部を互いに着脱自在に形成した
    ことを特徴とする請求項記載の工具落下防止具。
  4. 前記固定部材を把持部の周方向に弾性を有する部材によって形成した
    ことを特徴とする請求項記載の工具落下防止具。
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