JP4476486B2 - 4−カルボキシ−5,8,11−トリス(カルボキシメチル)−1−フェニル−2−オキサ−5,8,11−トリアザ−13−トリデカン酸の調製方法 - Google Patents

4−カルボキシ−5,8,11−トリス(カルボキシメチル)−1−フェニル−2−オキサ−5,8,11−トリアザ−13−トリデカン酸の調製方法 Download PDF

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Description

【0001】
本発明は、一般にBOPTAと称される、式(I)のキレート化剤4−カルボキシ−5,8,11−トリス(カルボキシメチル)−1−フェニル−2−オキサ−5,8,11−トリアザ−13−トリデカン酸の新規な調製方法に関する。
【0002】
【化3】
Figure 0004476486
【0003】
キレート化剤と特定の適当な金属との錯体が、X線画像診断法、核磁気共鳴画像診断法(MRI)及びシンチフォトグラフィーのような診断技術における造影剤としてすでに使用されている。
【0004】
特に、磁気共鳴画像診断法は、二価又は三価の常磁性金属イオンとアミノポリカルボン酸及び/又はそれらの誘導体もしくは類似体とのキレート化錯体を含むことが好ましい常磁性医薬組成物を主に使用する、医療で使用される有名で有効な診断法である(Stark, D. D., Bradley, W. G., Jr., Eds. “Magnetic Resonance Imaging” The C. V. Mosby Company, St. Louis, Missouri (USA), 1988)。
【0005】
それらの一部は現在、MRI造影剤として臨床的に使用されている(Gd−DTPA、ジエチレントリアミノペンタ酢酸とのガドリニウム錯体のN−メチルグルカミン塩、MAGNEVIST(登録商標)Schering、Gd−DOTA、1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1,4,7,10−テトラ酢酸とのガドリニウム錯体のN−メチルグルカミン塩、DOTAREM(登録商標)Guerbet)。
【0006】
上記に掲載され、市場に出ている造影剤は、全く汎用に設計されている。実際、投与ののち、MRI造影剤は、体の種々の部分の細胞外空間に分散したのち、排出される。この意味で、これらの造影剤は、X線医療診断に使用されるヨウ素化合物と類似した挙動を示す。
【0007】
現在、医療業務は、すでに市販されている普通の製品を用いても十分に視覚化することができない特定の臓器にねらいを定めた造影剤をますます必要としている。特に、ほぼ常に癌転移である腫瘍転移をとりわけ被りやすい臓器である肝臓のための造影剤の必要がある。開発中のMRI造影剤のうち、錯塩Gd−BOPTA−Dimegが、その汎用性に加え、胆汁を経由しても排出されることにおいて、肝組織の画像診断にも特に適していることがわかった(たとえばVittadini G., et al., Invest. Radiol., (1990), 25(Suppl. 1), S59-S60を参照)。
【0008】
常にジエチレントリアミンから出発する式(I)のキレート化剤の合成は、はじめてEP230893で開示され、さらに論文、Uggeri F., et al., Inorg. Chem., 1995, 34(3), 633-42に記載された。
【0009】
二つの引用例に開示された合成スキームは次のとおりである。
【0010】
【化4】
Figure 0004476486
【0011】
また、ジエチレントリアミン(DETA)(化学量論的量に対して約13倍の強い過剰)の第一級窒素を、水の存在下50℃で、2−クロロ−3−フェニルメトキシプロピオン酸で選択的にモノアルキル化することを含む。そして、式(III)の中間体N−〔2−〔(2−アミノエチル)アミノ〕エチル〕−O−(フェニルメチル)セリンを三塩酸塩として回収する。
【0012】
第二工程で、得られた中間体を、水中pH10で、ブロモ酢酸によって完全にカルボキシメチル化して、式(I)の化合物を得る。
【0013】
このタイプの方法で見られる問題点は次のとおりであった。
【0014】
Grassman et al., (Chem. Ber., 1958, 91, 538)に記載されている臭素誘導体の合成と同様に2−クロロ−3−(フェニルメトキシ)プロピオン酸の調製は、不十分な純度でしかない(HPLC検定:90〜92%)事前に蒸留した相当するエチルエステルの最終的な加水分解を含み、それが、最終化合物(I)に至る過程に影響する。
【0015】
アニオン樹脂からすべての化合物を押し退けるのに必要な塩酸の量が著しく多く、加熱下でのその濃縮が、酸性基と隣接するアミノ基との間で、六員ラクタムに相当する式(IV)の副生成物を生じさせる。
【0016】
【化5】
Figure 0004476486
【0017】
化合物(IV)の形成は、化合物(I)の調製中に、過剰なDETAを含有する水性溶出液からアニオン樹脂カラム上で10%の割合で回収された、縮合反応からの二次生成物としてすでに認められている。その後、上記生成物の形成を避けるように制御した温度(40℃)で酸溶出液の濃縮を実施しなければならなかった。
【0018】
したがって、工業規模でのこの方法の工業的応用は、大規模の調製から得られる、この方法を実施不可能にするような量の酸溶出液を制御された温度で濃縮することを要するであろう。110mol規模の実験では、熱的濃縮ののち、生成物の約70%がラクタム(IV)に転換されていた。
【0019】
そのうえ、前記引用例で証明されなかったある問題は、非経口投与及び投与量によってこのタイプの生成物がもたらす固有の危険を考慮しながら、要求基準(たとえばFederal Register, vol. 61, No. 3, Jan 4, 1996)ならびに種々の規制当局によって要求されるガイドライン(たとえばICH, Specifications test procedures and acceptance criteria for new drug substances and new drug procedures, Chem. Subst., July 16, 1996)を必ず満たさなければならない、得られる生成物の純度である。したがって、これらの要求基準は次のように要約することができる―化合物(I)の純度99%以上、含有不純物1%以下、単一不純物0.1%以下。
【0020】
この新規なMRI造影剤の市販化を考慮すると、上記収量しか与えない合成は工業的観点から全く不十分であり、したがって、化合物(I)の新規な調製方法が必要であることが明らかに理解されよう。
【0021】
したがって、本発明の目的は、以下のスキーム1で示される工程を含む、化合物(I)の新規な調製方法である。
【0022】
【化6】
Figure 0004476486
【0023】
式中、
工程a)で、式(II)の2−クロロ−3−(フェニルメトキシ)プロピオン酸カリウム塩を、水中50〜70℃で、アルカリ又はアルカリ土類金属(Me)酸化物又は水酸化物の添加による約12のpHで、(II)のモル量の6〜7倍の過剰なDETAと反応させて、相当する金属カチオンを有する式(III)の新規な化合物N−〔2−〔(2−アミノエチル)アミノ〕エチル〕−O−(フェニルメチル)セリン塩の水溶液を得る。
工程b)で、工程a)からの溶液をOH−形態の強アニオン樹脂に供給し、次に水及びNaCl/HCl溶液で溶離させ、次にポリスチレンベースのマクロ孔質吸着樹脂に供給し、ナノろ過によって脱塩し、熱的に蒸発させて化合物(III)中20〜50重量%の最終濃度に到達させる。これをそのまま工程c)で使用することができる。
工程c)で、工程b)からの溶液にpH11〜12でブロモ酢酸をゆっくりと加えて、粗化合物(I)の水溶液を得る。
工程d)で、工程c)からの化合物(I)の溶液を精製し、純度品質規格を満たす化合物(I)を単離する。
【0024】
本発明の方法は、以下の点で、従来技術の方法に伴う問題点を解消することを可能にした。
【0025】
2−クロロ−3−〔(フェニルメトキシ)メチル〕プロピオン酸カリウム塩の使用が、より高い純度(HPLC不純物≦1%)で生成物を単離することを可能にする。
【0026】
化合物(III)が、もはや三塩酸塩としては回収されず、アルカリ又はアルカリ土類金属塩、好ましくはナトリウム塩
【0027】
【化7】
Figure 0004476486
【0028】
として回収される。
【0029】
反応が、制御された塩基性pHで実施される。
【0030】
手順に対するこの変更は、驚くべきことに、化合物(IV)の副次形成を減らす。化合物(IV)は、従来技術を用いる場合によりもはるかに低い割合、すなわち0.8〜3%で形成される。
【0031】
さらには、本発明の方法によると、化合物(III)を回収するための酸性水溶液の熱的濃縮はもはや不要である。大部分の水は、実際、ナノろ過によって室温で除去され、わずかな量の残留水を除去するための熱的濃縮は、生成物が驚くほどさらに安定であるアルカリ性pHで実施される。
【0032】
本発明の手順による精製工程b)及びc)の導入は、薬局方規格に常に適合する最終生成物を非常に再現可能な方法で得ることを可能にする。
【0033】
工程a)は、DETA過剰での化合物(II)の反応を含む。最適比は1:5/1:8であり、したがって、上記引用例におけるよりも著しく低い。この工程の全体収率は80%にも及ぶことができる。
【0034】
DETA1gあたり0.1〜0.3gの範囲の量の水の存在で処理して反応を開始することが好ましい。
【0035】
試薬の冷温混合物に水を加える間、水中でのDETAの発熱性溶解の結果として反応温度が自然に50℃まで上昇する。
【0036】
温度が50℃を超えると反応が開始し、温度は、反応の発熱によってさらに上昇し、約60℃に調節して反応を完了させる。
【0037】
驚くべきことに、pH及び水の量が増すにつれ、ラクタム化速度が低下することがわかった。
【0038】
水の存在及び約12のpHがラクタム(IV)の形成の二次反応を実質的に抑止するが、OH-イオンによって誘発される置換及び除去に関連する副生成物は有意に増大しないことがわかった。使用することができる無機塩基は、アルカリ又はアルカリ土類金属水酸化物、好ましくは水酸化ナトリウム及びカリウムである。
【0039】
特に好ましいものは水酸化ナトリウムであり、使用される溶液は、好ましくは30重量%である。
【0040】
塩基性溶液は、化合物(II)1molあたりOH-約0.9molの量で加える。
【0041】
そして、溶液を25℃に冷却し、水で希釈し、精製工程b)に付す。
【0042】
工程b)で、上記引用例における記載と同様にして、溶液をまず、OH-形態の強アニオン樹脂にパーコレートする。使用することができるアニオン樹脂は、トリメチルアンモニウム又はトリエチルアンモニウム官能基を有することが好ましい強い樹脂からなる群より選択される。
【0043】
反応混合物中に存在する生成物及びアニオン不純物は樹脂によって吸着されるが、DETA、非アニオン不純物及びカチオン(ナトリウム、カリウム)は水で溶離する。
【0044】
この工程で、常に3重量%を超えない式(IV)の副生成物を除去することができる。
【0045】
次の処理工程は、塩化ナトリウム(約0.5N)及び塩酸(約0.3N)を含有する水溶液を用いる、樹脂からの目的生成物の溶離である。この混合物を調節して、過剰な酸なしで残留OH-サイトを飽和させると、それが、生成物を化合物(IV)に転換することになる。したがって、樹脂上の交換反応は、次のように表すことができる。
【0046】
【化8】
Figure 0004476486
【0047】
カラム出口で得られる実質的に中性又はわずかにアルカリ性の溶出液をpH11.5に調節し、マクロ孔質ポリスチレンベースの吸着樹脂に供給することができる。この樹脂が、生成物の親油性不純物を除去し、その中に、式(VIII)の化合物がある。
【0048】
【化9】
Figure 0004476486
【0049】
この目的に適した樹脂は、架橋度8〜80%のマクロ孔質ポリスチレンマトリックス樹脂からなる群より選択され、たとえばBayer OC 1062及びDiaion HP 21である。
【0050】
化合物(III)を塩化ナトリウムとともに含有する、吸着樹脂からの溶出液を最後にナノろ過によって濃縮し、脱塩する。
【0051】
次に、ラクタム化を防ぐためにpHを12に調節し、最終溶液を約50℃で、20〜50重量%、好ましくは40重量%の最終濃度まで熱的に濃縮し、NaOHでpHを12.5に調節する。
【0052】
得られた化合物(III)ナトリウム塩の水溶液は、25℃未満に維持し、分析し、以下の工程でそのまま使用することができる。
【0053】
工程c)で、工程b)からの化合物(III)ナトリウム塩の溶液を、ブロモ酢酸とで、55℃及び11〜12の塩基性pHで、化合物(III)1molに対しブロモ酢酸約6.7molの比でカルボキシメチル化反応に付す。
【0054】
これらの条件は、第四アンモニウム塩の過剰な形成を回避しながら、反応を完了させる。
【0055】
80重量%ブロモ酢酸溶液を、約4時間で、化合物(III)ナトリウム塩の溶液に滴下し、無機塩、特に30%NaOHの同時添加によってpHをアルカリ性に維持すると、それが、反応で形成するブロモ酢酸及び臭化物イオン(Br-)を塩化する。
【0056】
上記引用例で記載されている手順と比較すると、本発明の方法は、反応中に塩基性pHを維持しながら、反応体の添加順序を逆にする。これらの変形が、より良好な選択性のおかげで、より良好な再現性、より融通性の反応体添加時間及びより高い収率をもたらした。
【0057】
さらには、ブロモ酢酸の漸進的な添加は、反応発熱のより良好な制御を可能にし、それが転じて、より高い濃度で作業することを可能にする。
【0058】
pHは約11.5に維持され、それにより、低いpHでは化合物(I)の形成と競合的であるトリカルボキシメチル化化合物(III)の第四アンモニウム塩の形成を避ける。より高いpH値は、臭素の置換におけるOH-の競合により、多量のブロモ酢酸を要求する。
【0059】
反応は、約55℃で約5時間後に完了する。34重量%塩酸溶液の添加によって溶液のpHを約5に調節して、粗化合物(I)を含有する水溶液を得る。
【0060】
上記で引用した参考文献では、二つの工程
得られた溶液を強酸性カチオン交換体上にパーコレートし、水酸化アンモニウム溶液で溶離させたのち、濃縮し、塩酸で酸性化する工程と、
得られた残渣の非晶質固体を水からゆっくりと分離させて化合物(I)を得る工程と
からなる、生成物の精製及び回収の手順が報告されている。
【0061】
実際には、両工程とも、工業規模での製造には不適当であることがわかった。生成物を製造するために必要なカチオン樹脂の量が非常に多く、そのうえ、溶離工程に要する時間が著しく長く、したがって、工程の生産性は非常に低い。
【0062】
さらには、著しく多量のアンモニア溶出液を熱的に濃縮しなければならない。固体の分離工程では、油状の粘性相がまず分離し、それがやがて凝固して、後で機械的に変形しなければならない殻を形成する。
【0063】
したがって、工業的な開発にとってさらに好ましいかもしれない、化合物(I)の精製及び回収の代替方法が研究された。
【0064】
本発明方法は、工程d)における以下の追加工程
d.1 工程b)からの化合物(I)の最終溶液をクロマトグラフィー樹脂でさらに溶離させる工程、
d.2 ナノろ過によって濃縮し、脱塩する工程、
d.3 化合物(I)の結晶化工程で不溶化剤としてアセトンを添加する工程、
を含む回収及び精製手順において、上記で引用した方法とは実質的に異なる。
【0065】
本発明の方法の精製法は、従来技術の手法によって得ることができる品質と同等又はそれに優る品質の最終生成物を結晶形態で得ることを可能にする。
【0066】
したがって、本発明の処理手順は、カチオン交換体床の使用に関連する問題を解消し、遠心分離しやすく、動的乾燥機中で工業的規模で乾燥させるのに適した結晶形態の化合物(I)を提供する。
【0067】
工程d.1で、粗化合物(I)を含有する溶液をクロマトグラフィー樹脂上にパーコレートして、生成物を水で溶離させながら親油性不純物を除去する。
【0068】
限られた量の樹脂への最終溶液の溶離は、結晶化だけでは除去しにくい副生成物を劇的に減少させる。
【0069】
適当なクロマトグラフィー樹脂は、60%を超える架橋度のマクロ孔質ポリスチレンベースの樹脂からなる群より選択され、たとえばRohm & Haas XAD 1600もしくは1600T、Bayer OC 1064、Diaion Relite SP 800である。
【0070】
工程d.2は、溶出液を濃縮し、脱塩し、それを低分子量副生成物、たとえばグリコール酸、ブロモ酢酸及びベンジルアルコールから精製するためのナノろ過からなる。
【0071】
保持溶液を減圧下40〜60℃で熱的に濃縮して、粗化合物(I)の水溶液を得る。
【0072】
その後、これを45℃でpH2.0に酸性化し、工程d.3、すなわち化合物(I)の結晶化工程を開始する。
【0073】
驚くべきことに、適当な濃度、pH及び温度条件におけるアセトンの添加が、結晶形態の化合物(I)を得ることを可能にする。この化合物は、母液から分離されたのち、非常に砕けやすく、乾燥させやすい湿った沈殿物を与える。
【0074】
特に、指示されるよりも低いpH値を避けることが重要である。これは、粘着性で攪拌しにくい形態の生成物の沈澱を誘発し、それにより、結晶化の精製効果をあやうくするおそれがある。
【0075】
逆に、規定よりも高いpH値は、結果的に、単離収率における大きな低下をもたらすであろう。
【0076】
無水化合物(I)と、酸性化水溶液に加えられるアセトンとの重量比は、1:1.5である。
【0077】
溶媒中のアセトンの低すぎる割合は、粗生成物(I)の収率にマイナスの影響を与え、高すぎる量(27%まで)は無用である。
【0078】
アセトン及び化合物(I)の結晶を約41℃で加え、結晶化混合物を攪拌しながら同じ温度で少なくとも18時間維持したのち、約5時間で25℃まで、さらに24時間かけて17℃まで徐冷する。遠心分離によって得られる固体を10重量%アセトン水溶液で洗浄する。
【0079】
得られた生成物が求められる純度規格を満たさない場合、工程d.3を繰り返すこともできる。特に、三回の結晶化工程を実施することが好ましい。
【0080】
本発明のさらなる目的は、以下のスキーム2で表される工程を含む、中間体を単離することのない、2−クロロ−3−(フェニルメトキシ)プロピオン酸カリウム塩の調製である。
【0081】
【化10】
Figure 0004476486
【0082】
式中、
工程a′)で、触媒量のジメチルホルムアミドの存在下、メチルアクリレートを塩素化して、式(V)の2,3−ジクロロプロピオン酸メチルエステルを得る。
工程b′)で、まず、工程a′)からの溶液を、10℃以下で、ベンジルアルコールと水酸化ナトリウムとの反応によって調製したナトリウムベンジレート無水溶液に加え、続いて共沸蒸留によって脱水し、次に水酸化ナトリウムで処理して、式(VI)の2−クロロ−3−(フェニルメトキシ)プロピオン酸ナトリウム塩を含有する有機相を得る。
工程c′)で、工程b′)からの有機相を塩酸で酸性化して、式(VII)の2−クロロ−3−(フェニルメトキシ)プロピオン酸の水溶液を得る。
工程d′)で、工程c′)からの酸性水相を水酸化カリウムで中和し、sec−ブタノールを加えたのち、結晶化によって式(II)の2−クロロ−(フェニルメトキシ)プロピオン酸カリウム塩を回収する。
【0083】
工程a′)で、メチルアクリレートを、約3モル%の量の触媒としてのジメチルホルムアミドの存在下、化学量論的量の塩素と反応させる。塩素は、室温でメチルアクリレートとDMFとの反応溶液に通す。すぐには反応しない塩素が反応器の頂部を飽和させ、それにより、試薬交換を促進する。塩素流を供給することにより、内圧を最大で大気圧よりも0.1バール高く維持する。反応は発熱性であり、水冷によって温度を約45℃に制御する。供給した塩素の化学量論的量が吸収された時点で反応が完了したとみなす。
【0084】
低めの温度が塩素吸着速度を落とすことがわかった。
【0085】
触媒としてジメチルホルムアミドの使用は必須である。触媒なしで実施した試験は、塩素吸着に要する過度に長い時間のため、完了しなかった。
【0086】
ナトリウムベンジレートは、ベンジルアルコールと30%NaOHとを反応させることにより、従来の方法で調製する。溶液は、不均質な水/ベンジルアルコール共沸混合物を真空下で蒸留し、湿ったベンジルアルコールを20mbar未満の圧力及び110℃の温度で蒸留することによって脱水する(残留水分含量0.4重量%未満、カールフィッシャー法)。
【0087】
メチルアクリレートに対する化学量論的量の120〜140%に等しい量のナトリウムベンジレート溶液を5℃に冷却したのち、10℃以下で、工程a′)からの溶液をその中に滴下する。最後に、混合物を5〜10℃で15〜30分間攪拌し、メチルアクリレートに対する化学量論的量の80〜100%に等しい量の30%NaOHを15℃以下でその中に滴下する。
【0088】
冷却を止め、水を加える。攪拌したのち、二相が完全かつ顕著に分離するまで混合物を静置する。
【0089】
主に水性の下相を捨てる。2−クロロ−3−ベンジルオキシプロピオン酸ナトリウム塩を含むベンジル上相に塩化ナトリウム溶液を加える。通常の処理ののち、二相が顕著かつ完全に分離し、下の酸性水相を捨てる。
【0090】
工程c′)で、有機相を20℃以下の温度で攪拌しながら34重量%HClでpH2.5に酸性化する。攪拌を中断し、二相が顕著かつ完全に分離するまで混合物を静置する。
【0091】
ステップd′)で、2−クロロ−3−ベンジルオキシプロピオン酸を含有する有機相を、50%KOHの添加によってpH7.2に調節する。
【0092】
カリウム塩の形成は発熱性であり、循環水によって簡便に温度を35℃未満に維持する。
【0093】
約20mbarの分圧及び55℃以下の温度での蒸留により、化合物(II)を含有する溶液を部分的に脱水する。水分含量は、4〜10重量%の範囲になるべきである。低すぎる又は高すぎる値は、水の添加又は蒸留の継続によって修正すべきである。
【0094】
2−ブタノールを50℃で加え、徐冷して目的生成物を結晶化させる。得られる湿った生成物を60℃及び減圧、好ましくは20mbarで乾燥させる。
【0095】
メチルアクリレートから出発する収率は約60〜70%である。
【0096】
以下の例は、本発明の方法を実施する最良の実験条件を示す。
【0097】
実験部
例1
EP230893及びUggeri F., et al, Inorg. Chem., 1995, 34(3), 633-42に記載の手順にしたがって調製した1−(アミノエチル)−2−オキソ−3−〔(フェニルメトキシ)メチル〕−ピペラジンの単離
【0098】
【化11】
Figure 0004476486
【0099】
2−クロロ−3−〔(フェニルメトキシ)メチル〕プロピオン酸42.9g(0.2mol)を、水400ml中50℃で、DETA268.g(2.58mol)と反応させ、溶液をAmberlite(登録商標)IRA 400カラム(1880ml)にパーコレートし、水洗し、塩基相を収集した。この塩基相は。過剰なDETA及び目的生成物を含有するものであった。溶液を37%HCl(465ml)で中和し、少量まで蒸発させたのち、37%HCl(365ml)でpH2に酸性化した。約800gに濃縮し、室温で一夜静置したのち、溶液をろ過し、無水エタノールで洗浄し、乾燥させて、DETA三塩酸塩(173.5g、0.81mol)を得た。母液を約450gに濃縮し、上記で使用した洗浄エタノール及び無水エタノール800mlにとり、0〜5℃で2時間後、ろ過し、無水エタノールで洗浄し、乾燥させて、DETA三塩酸塩(313.4g、1.47mol)を得た。結晶水及び洗液を合わせ、蒸発させて残渣を得て、それをエチルエーテルにとり、混練し、ろ過し、乾燥させて、DETA三塩酸塩と目的生成物との混合物を得た。次に、混合物を水80mlに溶解し、XAD 2 700mlカラムにパーコレートし、水洗した。約70mlの画分を収集し、TLC(Rf=0.38)に付した。目的生成物を含有する画分を収集し、蒸発させて残渣を得て、それを無水エタノールから結晶化させた。沈殿物をろ過し、無水エタノールで洗浄し、乾燥させて、目的生成物7.1g(0.021mol)を得た。
【0100】
収率:10.5%
融点:163℃
HPLC検定:95.8%(面積%)
元素分析 C H Cl N
計算値% 50.0 6.89 21.08 12.50
実測値% 49.64 6.73 21.24 12.72
TLC:固定相:シリカゲルプレート60F 254 Merck
溶離剤:CHCl3/AcOH/H2O=5/5/1
検出:1N NaOH中1%KMnO4f=0.38
1H−NMR、13C−NMR、IR及びMSスペクトルは、指示された構造と一致していた。
【0101】
例2
例1で引用した文献に記載されている手順による工業規模での化合物(III)の調製
従来手順にしたがって、水250リットル中、2−クロロ−3−(フェニルメトキシ)プロピオン酸23.7kg(110mol)をDETA149kg(1430mol)とともに使用して反応を実施した。最終溶液をAmberlite(登録商標)IRA 400カラム(1000リットル、OH-)にパーコレートし、1N HClで生成物を溶離させたのち、塩酸によって酸性化した水溶液を、2200リットルに等しい、約1mol/lの濃度まで蒸発させた。
【0102】
溶液を50℃で約15時間、少量まで濃縮した。得られた残渣を無水エタノールにとった。冷却すると、生成物が沈澱し、それをろ過し、無水エタノールで洗浄した。無水エタノールから結晶化させ、続いて乾燥させて、目的生成物24kg(71.5mol)を得た。
収率:65%
【0103】
化学物理的特性は、例1で述べたものと一致していた。
【0104】
例3
2−クロロ−3−(フェニルメトキシ)プロピオン酸
【0105】
【化12】
Figure 0004476486
【0106】
A)1,2−ジクロロプロピオン酸メチルエステルの調製
メチルアクリレート3.23kg及びジメチルホルムアミド0.096kgを真空下の反応器に装填した。作業を完了したのち、反応器を隔離し、減圧下に維持し、流量制御弁を備えた塩素シリンダに接続した。
【0107】
塩素を室温で反応溶液に通した。内圧をチェックして、最大で大気圧より0.1バール高くした。反応は発熱性であり、水冷によって温度を45℃に維持した。塩素2.66kgが供給され、吸収された時点で反応が完了したとみなした。処理は約2時間30分を要した。供給する塩素の量は、シリンダを計量することによって制御した。
【0108】
B)ナトリウムベンジレートのベンジルアルコール溶液の調製
ベンジルアルコール34.5kg及び30%NaOH6.7kgを、攪拌器を備え、真空下の蒸留のための装備を有するスチール製反応器に装填した。不均質な水/ベンジルアルコール共沸混合物を真空下で蒸留し、湿ったベンジルアルコールを20mbar未満の圧力及び110℃で蒸留することにより、溶液を乾燥させた。
【0109】
C)2−クロロ−3−(フェニルメトキシ)プロピオン酸カリウム塩の調製
ナトリウムベンジレート溶液を、攪拌器及び冷却ジャケットを備えたステンレススチール製反応器に入れ、5℃に冷却したのち、10℃以下で、1,2−ジクロロプロピオン酸メチルエステルをその中に滴下した。添加時間は、プラントが温度を所定の範囲内に維持する能力に依存する。添加時間が4時間を超えるべきでなく、超えるならば、著しく多量の望ましくない副生成物が形成する。添加が完了したのち、混合物を5〜10℃で15〜30分間攪拌した。その後、15℃以下で、30%NaOH4.4kgを滴下した。冷却を停止し、適量の水を加えた。攪拌を30分間継続したのち、停止し、二相が完全かつ顕著に分離するまで反応混合物を静置した。主に水性の下相を捨てた。2−クロロ−3−ベンジルオキシプロピオン酸ナトリウム塩を含むベンジル性上相にNaCl水溶液を加えて相の分離を促進し、下の水相を捨てた。有機相を20℃未満で攪拌し、34重量%HClでpH2.5〜3.0に調節した。相を分離させ、下の酸性水相を捨て、水を加え、再び相を分離させて、上の水相を除去した。2−クロロ−3−ベンジルオキシプロピオン酸を含有する有機相を50%KOHでpH7.2に調節した。反応は発熱性であり、循環水によって温度を35℃未満に維持した。目的化合物を含有する溶液を、約20mbarの分圧及び55℃以下の温度での蒸留により、部分的に乾燥させた。その後、カールフィッシャー法によって水分含量を測定し、5%に等しい値に調節した。
【0110】
得られた溶液に2−ブタノール54kgを50℃で加え、攪拌下に放置して自然に冷ました。ひとたび40℃に達したところで、溶液に種晶添加した。大部分の生成物は38〜30℃で結晶化した。温度が25℃に達すると、循環水で溶液を15℃に冷却し、この温度を1時間維持したのち、遠心分離し、2−ブタノールで洗浄して湿った生成物を得て、これを60℃及び20mbarの分圧で10時間乾燥させた。乾燥した生成物5.8kgを得た。
【0111】
収率:66%(出発メチルアクリレートのモル基準)
KF:3.0重量%
HPLC検定:100.0%(外部標準)
HPLC不純物:0.15%(面積%)
カラム:LiChrospher 100 RP8(5mm、25cm×4mm)
移動相:A)85重量%H3PO4を1.2ml/l含有する水溶液
:B)アセトニトリル
勾配 線形
t(分) %B(容量)
0 40
15 60
25 60
26 40
36 40
流量:1ml/min
温度:30℃
検出:UV、215nm

【0112】
化学物理的特性は、Aime S.による論文Inorg. Chem., 1992, 31, 1100で示されているものと合致していた。
【0113】
例4
DMFなしでの1,2−ジクロロプロピオン酸メチルエステルの調製
メチルアクリレート34.83gを、流量制御弁を備えた塩素シリンダに接続された真空下の反応器に装填した。
【0114】
塩素を室温で反応溶液に通した。塩素は非常にゆっくりと吸収された。混合物を40℃に加熱すると、2時間後、塩素12.5gが吸収されていた。さらに8時間後、さらに6gが吸収されていた。40℃で10時間の間、理論値の64%に等しい塩素18.5gしか吸収されなかった。
【0115】
例5
化合物(I)の調製
【0116】
【化13】
Figure 0004476486
【0117】
A)N−〔2−〔(2−アミノエチル)アミノ〕エチル〕−O−(フェニルメチル)セリンナトリウム塩の水溶液の調製
化合物(II)265kg(1.05kmol)を、水129kgの存在下、DETA758kg(7.35kmol)と反応させた。温度が自然に50℃まで上昇した。温度が50℃を超えると反応が開始し、反応の発熱によって温度はさらに上昇し、水冷によって約60℃に維持した。温度を60℃に維持する間、30重量%水酸化ナトリウム溶液の添加により、約10時間pHを約12に維持した。次に、溶液を25℃に冷却し、水で希釈し、OH-形態のポリスチレンマトリックス強アニオン樹脂1200リットルにパーコレートした。生成物及びアニオン不純物を樹脂によって吸着し、DETA、非アニオン不純物及びカチオン(ナトリウム、カリウム)を水で溶離させた。その後、塩化ナトリウム及び塩酸を含有する水溶液で生成物を溶離させ、溶出液をpH11.5に調節し、マクロ孔質ポリスチレン吸着樹脂210リットルを含有するカラムに供給し、それによって生成物のもっとも親油性の不純物を除去した。
【0118】
化合物(III)を塩化ナトリウムとともに含有する、吸着樹脂からの溶出液をナノろ過によって濃縮し、脱塩したのち、ラクタム化を防ぐためにpH12に調節し、減圧下で熱的に濃縮した。目的生成物の40重量%溶液650kgを得た(0.67kmol、化合物(II)からの収率63%)。
【0119】
そして、溶液を25℃未満で貯蔵し、分析し、そのまま以下の工程に使用した。
【0120】
B)化合物(I)の調製
化合物(III)ナトリウム塩の溶液195.4kg(0.20kmol)を55℃に加熱し、ゆっくりと加えた80%ブロモ酢酸水溶液136.2kgと反応させた。30重量%水酸化ナトリウム溶液でpHを11.6に維持した。反応は、約55℃及びpH11.2で約5時間で完了した。次に、溶液を25℃に冷却し、34重量%塩酸溶液でpHを約5.5に調節した。粗化合物(I)を含有する溶液をクロマトグラフィー樹脂(XAD 1600、150リットル)にパーコレートして、親油性不純物を除去した。生成物を水で溶離させ、溶出液をナノろ過によって濃縮し、部分的に脱塩した。
【0121】
保持溶液を減圧下で加熱濃縮して、化合物(I)/水を約1/6の比で有する粗溶液を得た。その後、pHを2.0に調節し、温度を45℃に調節した。アセトン及び化合物(I)の結晶を約41℃で加えた。結晶化混合物を同じ温度で少なくとも18時間、攪拌下に維持し、その後、約5時間で25℃まで、さらに24時間かけて17℃まで徐冷した。
【0122】
固体を遠心分離によって回収し、10重量%アセトン水溶液で洗浄したのち、粗生成物を約55℃で脱イオン水に溶解した。溶解が完了すると、溶液を約47℃に冷却し、種晶添加及びその後の結晶化の前手順を繰り返した。そして、得られた固体を再び約55℃で脱イオン水に溶解した。溶解が完了すると、溶液をろ過して粒子状物を除去し、部分的に蒸発させて、前二回の結晶化で使用したアセトンに含まれていた極微量の揮発性有機不純物を除去した。そして、溶液を47℃に冷却し、上記と同じ条件の下で結晶化させた。
【0123】
遠心分離によって湿った結晶質生成物127kgを回収し、35℃及び35mbarで乾燥させて、目的生成物68kg(0.121kmol)を得た。
【0124】
収率:化合物(II)から60.5%
KF:8重量%
力価:100.1%(外部標準)
HPLC不純物:0.15%

Claims (41)

  1. 以下のスキーム1で示される工程
    Figure 0004476486
    (式中、
    工程a)で、式(II)の2−クロロ−3−(フェニルメトキシ)プロピオン酸カリウム塩を、アルカリ又はアルカリ土類金属(Me)酸化物又は水酸化物の存在下、DETAと反応させて、相当する金属カチオンを有する式(III)のN−〔2−〔(2−アミノエチル)アミノ〕エチル〕−O−(フェニルメチル)セリン塩を得、
    工程b)で、化合物(III)を含有する溶液を精製し、濃縮し、
    工程c)で、pHを塩基性に維持しながら化合物(III)をブロモ酢酸と反応させ、
    工程d)で、化合物(I)を精製し、単離する)
    を含む、式(I)の化合物の調製方法。
  2. 工程a)の反応を水中で実施する、請求項1記載の方法。
  3. 水が、DETA1gあたり0.1〜0.3gの範囲の量で存在する、請求項2記載の方法。
  4. 工程a)の反応を50〜70℃で実施する、請求項1記載の方法。
  5. 温度が60℃である、請求項4記載の方法。
  6. 工程a)でpHを12に維持する、請求項1記載の方法。
  7. 化合物(II)1molあたりO - .9molの量の水酸化ナトリウムの添加によってpHを12に維持する、請求項6記載の方法。
  8. 工程a)のDETAを、(II)のモル量の6〜7倍の過剰で使用する、請求項1記載の方法。
  9. DETAと化合物(II)とのモル比が1:5〜1:8である、請求項記載の方法。
  10. 化合物(III)を含有する溶液の精製を、工程b)で、工程a)からの溶液をOH-形態の強アニオン樹脂で処理し、続いて水及びNaCl/HCl溶液で溶離させ、次に溶出液をマクロ孔質ポリスチレン吸着樹脂で処理し、ナノろ過によって脱塩することによって実施する、請求項1記載の方法。
  11. アニオン樹脂が、トリメチルアンモニウム及びトリエチルアンモニウム官能基を有する強い樹脂から選択され、マクロ孔質吸着樹脂が、架橋度8〜80%のポリスチレンマトリックス樹脂である、請求項10記載の方法。
  12. 化合物(III)を含有する溶液の濃縮を、工程b)で、熱的蒸発により、化合物(III)の最終濃度20〜50%に達するまで実施する、請求項1記載の方法。
  13. 工程c)の反応をpH11〜12で実施する、請求項1記載の方法。
  14. pHが11.5である、請求項13記載の方法。
  15. 水酸化ナトリウムの添加によってpHを維持する、請求項13又は14記載の方法。
  16. 工程c)の反応を55℃で実施する、請求項1記載の方法。
  17. 工程c)の反応をブロモ酢酸と化合物(III)とのモル比6.7:1で実施する、請求項1記載の方法。
  18. 工程d)を、化合物(I)を含有する溶液をクロマトグラフィー樹脂にパーコレートし、水で溶離させ、ナノろ過し、保持溶液を濃縮し、酸性化し、アセトンの添加によって結晶化することによって実施する、請求項1記載の方法。
  19. クロマトグラフィー樹脂が、架橋度が60%を超えるマクロ孔質ポリスチレン樹脂からなる群より選択される、請求項18記載の方法。
  20. 保持溶液の濃縮を減圧下40〜60℃で実施する、請求項18記載の方法。
  21. 酸性化をpH2.0及び45℃で実施する、請求項18記載の方法。
  22. 無水化合物(I)とアセトンとの重量比が1:1.5である、請求項18記載の方法。
  23. 結晶化工程を少なくとも三回繰り返す、請求項18記載の方法。
  24. 以下のスキーム2で示される工程
    Figure 0004476486
    (式中、
    工程a′)で、触媒量のジメチルホルアミドの存在下で、メチルアクリレートを塩素化して、式(V)の2,3−ジクロロプロピオン酸メチルエステルを得、
    工程b′)で、化合物(V)を無水ナトリウムベンジレートと反応させ、続いて水酸化ナトリウムで処理して、式(VI)の2−クロロ−3−(フェニルメトキシ)プロピオン酸ナトリウム塩を得、
    工程c′)で、工程b′)からの有機相を酸性化して、式(VII)の2−クロロ−3−(フェニルメトキシ)プロピオン酸の水溶液を得、
    工程d′)で、工程c′)からの酸性水相を水酸化カリウムで中和し、化合物(II)を回収する)
    を含む、中間体を単離することのない、2−クロロ−3−(フェニルメトキシ)プロピオン酸カリウム塩(II)の調製方法。
  25. 工程a′)を触媒量のジメチルホルムアミドの存在下で実施する、請求項24記載の方法。
  26. ジメチルホルムアミド触媒の量が3モル%である、請求項25記載の方法。
  27. 工程a′)を最大で大気圧よりも0.1バール高い内圧で実施する、請求項24記載の方法。
  28. 工程a′)を45℃で実施する、請求項24記載の方法。
  29. 工程b′)を10℃未満で実施する、請求項24記載の方法。
  30. ベンジルアルコールと水酸化ナトリウムとを反応させ、続いて共沸蒸留によって脱水することによって工程b′)のナトリウムベンジレートを得る、請求項24記載の方法。
  31. 工程b′)で使用されるナトリウムベンジレートが、0.4重量%未満の残留水分含量を有する溶液状態にある、請求項24記載の方法。
  32. 工程b′)で、請求項31のナトリウムベンジレート溶液を、メチルアクリレートに対する化学量論的量の120〜140%に等しい量で加える、請求項24記載の方法。
  33. 工程b′)で、メチルアクリレートに対する化学量論的量の80〜100%に等しい量の30%水酸化ナトリウムを使用する、請求項24記載の方法。
  34. 工程c′)の酸性化を34重量%HClでpH2.5まで実施する、請求項24記載の方法。
  35. 工程d′)の中和を50%KOHの添加によってpH7.2まで実施する、請求項24記載の方法。
  36. 工程d′)の化合物(II)の単離を結晶化によって実施する、請求項24記載の方法。
  37. 該単離を、化合物(II)を含有する溶液を部分的に脱水し、続いて、結晶化溶媒として2−ブタノールを添加することによって実施する、請求項36記載の方法。
  38. 部分的脱水を20mbarの分圧および55℃未満の温度での蒸留によって実施する、請求項37記載の方法。
  39. 蒸留を4〜10重量%の範囲の水分含量まで実施する、請求項38記載の方法。
  40. 2−ブタノールの添加を50℃で実施する、請求項37記載の方法。
  41. 請求項24〜40のいずれか1項記載の方法によって得られる化合物(II)を使用する、請求項1〜23記載の方法。
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