JP4475802B2 - 緑内障の局所治療用フルナリジンの使用法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、緑内障の局所治療用フルナリジンの使用法に関する。さらに詳しくは、本発明は、フルナリジンの使用法に関し、このフルナリジンは、脳および末梢血管拡張薬として、新しい適応症では眼の局所治療用抗緑内障薬として、公知公用であるカルシウムチャネル遮断薬である。
【0002】
【従来の技術】
周知のとおり、緑内障は現在その基本的な原因がよく理解されていない眼の病的状態である。通常この状態は眼内圧の漸進的増加で表され、眼球構造の重大な損傷に至り、特に視神経円板に対する損傷や視野の減少に至り、遂には視神経萎縮が生じる。例えば眼房水の産生量および強膜静脈圧などの他の原因が眼内圧調節に影響するにもかかわらず、一般にこの病気は、眼からの不十分な房水拍出量に関連があると見られている。
【0003】
現在使用されている薬理学療法の理論的根拠は眼内圧を下げることにある。現在この目的のために使用されている薬剤は、その作用メカニズムに応じて複数個に分類されており、ベータ遮断薬(チモロール、ベタキソロール、レボブノロールなど)、交感神経作用薬(エピネフリンやデピベフリン)、副交感神経作用薬または縮瞳薬(ピロカルピンおよびアセチルコリンなど)、および炭酸脱水酵素阻害薬(アセタゾラミドやジクロルフェナミドなど)である。使用が十分に確立している前記薬剤のほかに、副作用が少なく、より長い持続活性を有する薬剤の調査が、ごく最近になって、カルシウム遮断薬など他の分類の薬剤を緑内障治療に使用することの可能性の評価に結びついた。そのカルシウム遮断薬は、カルシウムエントリー遮断薬またはカルシウム拮抗薬として知られており、現在、血管拡張薬として、また心臓疾患の治療薬として使用されている。このような適応症に備えて、最も普及しているカルシウム拮抗薬は、例えば、ニフェジピン、ジルチアゼムおよびベラパミルである。
【0004】
眼房水の産生量や拍出量もカルシウムで調節されることが知られているにもかかわらず、眼房水の動力学や眼内圧の制御におけるカルシウムの役割は、これまでに十分に解明されてこなかった。眼房水の形成に関しては、留意すべきことは、先ず、カルシウム拮抗薬の公知の系統的血管作用により確認されているように、動脈圧および毛様体に供給する血管の圧力による静水学的成分はカルシウム依存性を示すことである。エイバルソンらが推測したように、非色素性毛様体上皮のレべルでのイオン分泌による浸透圧はカルシウムでモジュール化できそうである(エイバルソンM.B., ギルバトC.M., スミスL.M., カルシウムチャネル遮断薬ベラパミルによるヒト眼内圧の持続的減少、アメリカンジャーナル眼科学 105;155(1988))。
【0005】
眼房水拍出量に関するかぎり、カルシウムイオンが強膜血管の圧力の調節に直接関与し、ある種の研究によれば、カルシウムがその拍出量を左右し、線維柱帯やシュレム管外壁の構造的統合性を維持するとされている。
【0006】
前記した示唆にもかかわらず、動物モデルや臨床モデルに関し、また系統的投与および局所的投与を含む実験研究によれば、緑内障の治療においてカルシウムチャネル遮断薬の活性について矛盾する報告がなされた。例えば、モニカら(モニカM.L., ヘシR.J., メサリF.H., カルシウムチャネル遮断薬の眼内圧に及ぼす影響、アメリカンジャーナル眼科学 96;814(1983))の報告によれば、並みの高血圧と標準眼内圧を有する患者にニトレンジピンを口腔投与することによりその眼内圧がわずかに低下した。一方、ビーテイと共同研究者(ビーテイJ.F., クルーピンT., ニカラスP.F., カルシウム遮断薬による眼内圧の上昇、大眼科学 102; 1072、(1984))によれば、ベラパミルのウサギへの口腔投与においてなんらの影響も立証されていないし、局所投与時に眼内圧が上昇することさえ報告されている。ごく最近では、例えば、ペイネと共同研究者(ペイネL.J., スレイグレT.M., チークスL.T, カルシウムチャネル遮断薬の眼内圧への影響、眼研究22;337、(1990))によれば、ウサギへのベラパミルまたはニフェジピンの系統的投与において眼内圧が減少しているが、局所経路による類似薬やジルチアゼムの局所投与においてなんらかの重大な影響も検出されていない。
【0007】
しかしながら、一般に、少なくともベラパミルに関するかぎり、通常、この薬剤を人に投与すれば、眼内圧が減少すると言ってもよい。特にエットルら(エットルA., ダクサーA., ホフマンU., 低張力かつ開放隅角緑内障の処置におけるカルシウム遮断薬、アメリカンジャーナル眼科学 116; 778,(1993))の研究により、局所投与におけるより着実な減少が明らかになった。前記著者らがウサギの眼で検出したところ、ベラパミルのレベルは系統的投与で得られるレベルより200倍も高かった。
【0008】
従って、高眼圧症の治療におけるベラパミルの使用は、エイバルソン(すなわち前記した第一著者)らが出願した国際特許出願WO92/07563号の課題である。同著者の名前で後日公開されたものは国際特許出願WO96/03986号であり、特殊な緑内障の治療に関するものであり、それは低張力緑内障と言われている。この病理学の特徴は、その他の緑内障の兆候がすべて現れているにもかかわらず、眼内圧がほとんど標準であるということにある。後者の文献では、一般に、治療計画はすべてのカルシウム拮抗薬に及んでおり、その薬例の多くが予備一覧表に挙げられている。しかしながら本文献で開示され実験データで支持されている唯一の活性薬剤はベラパミルである。
【0009】
特許文献で、高眼圧症の治療用に特別に提案されてきたカルシウム遮断薬として、その他にジルチアゼムがある(仏国特許第2593395号、1987年公開)。一方、100種を越えるカルシウム拮抗薬の一覧表が国際特許出願 WO93/23082号に公開されている。後者は緑内障の治療用であり、眼内圧を下げる化合物(すなわち従来型の抗緑内障薬)とカルシウムチャネル遮断薬の組み合わせに関するものである。この開示内容にはより好ましい組み合わせ例もいずれかの組み合わせの活性に関するなんらかの実験詳細も含まれていない。
【0010】
ある種のベラパミルに関する実験試行により、この薬剤を眼に適用すると角膜の好ましからざる腫脹が引き起こされることも確認できた(グリーンK., チークスL., ハルD.S., ウサギの角膜の内皮機能に対するカルシウムチャネル遮断薬の影響、現代眼研究13; 401−408,(1994))。現実に緑内障がおかれているような慢性状態の治療に使用することを考えるならば、これは特に重要である。
【0011】
すでに緑内障の治療において全類のカルシウム拮抗薬の潜在的使用法が検討されてきたが、この型式の病理学に対する、前記類に属する特種な薬剤、すなわちフルナリジンの特別な活性を立証してきたようには見えない。いまでは次ぎのことが明らかになり、それが本発明の主題である。つまり、眼の局所経路を介して投与する場合、緑内障の治療用に提案され試験されてきたかぎりでは、特殊なカルシウム拮抗薬であるフルナリジンは、他のカルシウム拮抗薬よりも驚くほど顕著に眼内圧を下げることができる。
【0012】
本発明に関連する研究の枠内で、σ受容体と言われるある種の公知の受容体が眼区域に集中し、特に毛様体や虹彩の中に集中しており、σ−作用薬活性を有するある特殊な配位子が際立って眼圧を下げることが明らかになった。フルナリジンが他のカルシウム拮抗薬よりもはるかに高いσ−作用薬活性を示すことが実験的に明らかになったので、他のカルシウム遮断薬とは少なくとも部分的に異なる作用メカニズムに従って、このような活性が発揮されると仮定すれば、フルナリジンのこの特性により、眼内圧を下げる際のフルナリジンの予期せざる大きな活性が説明できる。
【0013】
眼におけるσ受容体部位の存在を確かめるために、受容体結合技術が開発されてきた。この技術は虹彩−毛様体複合体から得られる細胞膜について利用されてきた。ニュージランド品種のオスのアルビノウサギを犠牲にしてそこからの虹彩−毛様体複合体を体外培養してきた。この組織を緩衝液中で均質化し、遠心分離法により細胞膜蛋白質に富んだフラクションを単離・入手した。全蛋白質濃度をラウアリー法で評価した(ラウアリー、ジャーナル バイオロジカル ケミストリー 193; 265(1951))。300μgの全蛋白質を含むホモジネートの前記フラクションのアリコートをスカラー量の(σ配位子として実験のためにのみ使用される)[3H](+)−ペンタゾシンで培養した。この反応を37℃で150分間行い、次に濾過を行い、フィルター上に残った放射能を液体シンチレーション法により測定した。見掛けの解離定数(Kd)および全受容体数を測定した。このようにして[3H](+)−ペンタゾシンがウサギの虹彩−毛様体区域に存在する受容体部位に選択的に結合することが確かめられた。既存の科学知識によれば、前記受容体はσ−1型であるらしい。
【0014】
さらに、一定量の[3H](+)−ペンタゾシンとスカラー量の(σ配位子として実験のためにのみ使用される)(+)−N−アリル−ノル−メタゾシン(NANM)で競合結合アッセイにより、これにより後者が放射性配位子を受容体部位からシフトさせることが明らかになった。同様にヒル係数を分析して気づいたことは、NANMがσ受容体部位のうちただ一つの類と作用し合うということである。
【0015】
同じ研究の枠内で明らかになったことは、σ−作用薬剤が眼抗高血圧活性を示すことである。(基準)眼内圧を測定した後、ニュージランド品種のオスのアルビノウサギの右眼の結膜円蓋にNANMの1%プレパラートを(50μl)投与した。点滴60分後、120分後、180分後から240分後、眼内圧を再度測定したとき確かめられたのは、その賦形剤を含むだけのその処方と比べて、点滴60分後は眼内圧が顕著に減少した(p<0.01)ことであった。
【0016】
最後に、これまでに指摘したように、(そのうちのあるものは後で提示する)フルナリジンで実施される受容体結合の研究が示すところによれば、フルナリジンにはσ−受容体に対する親和性があり、その親和性は試験されたその他のカルシウムチャネル遮断薬が示す親和性にまったく匹敵しないということである。
【0017】
これまでに明らかにされたように、緑内障の局所治療に関するかぎり、フルナリジンを提案済みのその他のカルシウムチャネル遮断薬から区別するその他の利点は、フルナリジンが角膜腫脹という副作用をなんら示さないということである。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の課題は、特に、緑内障の治療及び/又は予防のための局所眼薬製造において、選択的に医薬基準に合った塩の形態で、緑内障の局所治療用フルナリジンを使用する方法、すなわち、フルナリジンまたは医薬基準に合ったフルナリジン塩を使用した医薬品の製造方法を提供することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】
一般に、水溶液または懸濁液の形態、または医薬基準に合った眼賦形剤中のゲル、軟膏もしくは乳脂の形態、または被侵食性眼挿入物もしくは高分子膜を有する保有システムの形態で、プレパラートを使用して結膜嚢の中に入れることによりフルナリジンの局所投与を行ってもよい。
【0020】
【発明の実施の形態】
眼賦形剤中のフルナリジン濃度は10μg/ml〜5mg/ml、すなわち0.001〜0.500重量%の範囲であってもよい。先ず投与する量に基づいて最適濃度を選択する。例えば、点眼液形態で使用する場合、それなりにまたは2回の点滴(すなわち2滴)で効果が得られる、十分な量のフルナリジンをその1滴中に包含させるべきである。濃度選択のためのその他の基準は眼耐性(眼プレパラートを点滴する結膜嚢には限界容量があることを考慮すべきである)および活性成分の安定性である。水溶液処方(点眼液)の好ましい濃度は0.050重量%であり、好ましくはその製品は関連する塩酸塩(フルナリジン塩酸塩の最適濃度:0.052%)の形態で存在する。
【0021】
本発明の特に好ましい実施例によれば、提案された眼プレパラートの抗緑内障活性は、フルナリジンと併用する有効量のベータ遮断薬の存在により、さらに高いものになる。前記したベータ遮断薬の類(またはβ−交感神経遮断薬)は、抗緑内障薬の最も広く行き渡った類の年代を表わしている。この薬剤は慢性開放隅角緑内障の局所治療に使用され、またさらに広く眼内高血圧症の治療に使用される。その作用メカニズムにより主として眼房水の産生量が減少し、その結果、(眼房水の拍出量の増加において活性を示すことが明らかになっている)フルナリジンとベータ遮断薬の提案された併用の予期しえない高い活性は、その2つの作用の相補性の点から見て合理的に説明できる。
【0022】
好ましくは、本発明に従った併用におけるベータ遮断薬の濃度は0.1〜2.5重量%であり、最も好ましくは前記ベータ遮断薬はチモロールまたは医薬基準に合ったそのものの塩である。
【0023】
本発明に従った点眼液プレパラートに採用される賦形剤は、0.9重量%の塩化ナトリウムを含む単純な生理的食塩水溶液である。このような溶液は涙液と等張性を示し、その結果、その溶液は眼が十分に耐性を示すものである。しかしながら、眼組織が低張溶液または低張懸濁液のプレパラートに十分に耐性を示すことが知られているので、この低張溶液または低張懸濁液も同様に採用することができる。
【0024】
その溶液または懸濁液の張性を調整するために他の賦形剤を本発明の組成物に添加し、活性成分を安定化させプレパラートの耐性を増加させてもよい。特には、どのような緩衝液もそのpHを4〜8の範囲内で維持すべきである。例えば、リン酸塩緩衝液、またはトリズマ緩衝液(例えば、トリ−ヒドロキシメチルアミノメタン)などの、眼製剤技術でよく知られているいずれかの緩衝液で前記食塩水溶液の酸性度を調節し、7.0〜7.4の範囲内の生理的pHを得てもよい。さらにその溶液は生理的範囲(295〜305mOsm/l)内の容量オスモル濃度を有してもよい。これによりよりよい眼耐性が得られる。更に、没食子酸塩、アスコルビン酸、超酸化物ジスムターゼ(SOD)、BHT、メタ重亜硫酸ナトリウム、トコフェロール、BHA、ノルジヒドログアヤレット酸、アスコルビン酸エステル、ジメチルチオウレアなどの抗酸化剤をその処方に都合よく混入させてもよい。
【0025】
サイクロデキストリン、ポリソルベート80(またはトウィーン80)、デキストラン、(例えば、デキストラン70)、ポリエチレングリコール(例えば、PEG400)、ポロキサマーやその他の類似薬剤などの他の賦形剤でその耐性をさらに高めてもよい。その活性成分の眼生体利用性、安定性および耐性を高めるために、その処方にはメチルセルロース、ポリビニルアルコール、グルコサミングルカン、ポリビニルピロリドンなどの粘稠化薬を混入してもよい。
【0026】
ジメチルスルホキシド、タウロコール酸塩、膜リン脂質、塩化ベンザルコニウム、およびその他の眼表面活性剤(例えば、ラウリルスルホコハク酸二ナトリウム)などの薬剤の眼浸透性を増加させる物質を添加してフルナリジンの眼生体利用性をさらに高めてもよい。
【0027】
最後に、その製品の汚染を防止するために、多用量ビンに詰めるプレパラートの中に抗菌活性を有する保存薬を添加しなければならない。製剤技術でこのように使用することが十分に知られている保存薬の中からそのような薬剤を選んでもよい。
【0028】
カルボキシメチルセルロースなどのような適当な薬剤を懸濁液の形態で投与する製品に混入させなければならない。そのプレパラートを眼軟膏、ゲルまたは乳脂の形態で採用する場合には、ポリエチレングリコール、ポリアクリル酸塩、ポリエチレンオキサイド、脂肪酸、アルコールまたはラノリン、パラフィンおよびその他の類似製品などの担体をフルナリジンと混合する。エマルジョンまたはミクロエマルジョンを産生するための適当な成分は以下の物質の中から選択してもよい。例えば、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジ(エチレングリコール)ブチルエーテル、カプリル酸エチルエステル、オレイン酸エチルエステル、ダイズ油、ヘキサデカン、トリブチレン、エチレングリコールモノブチルエーテル、1−ヘキサデセン、n−ヘプタン、1−ヘプテン、トウィーン80、PEG、ポロキサマー、ポリオキシエチレンエーテルなどである。
【0029】
局所経路で投与する本発明の主たる活性成分の投与量は、1日につき、1眼当たり、約20μg〜約200μgの範囲で変化させてもよい。フルナリジンを基剤とする眼プレパラートの処方量は、治療効果を達成するために必要とされる一日量に、および、自明なことに、採用する特殊な処方に依存する。1日につき1〜4回の眼溶液または眼懸濁液の点滴が必要であり、軟膏、ゲルおよび乳脂の場合は1回または1回の適用が必要であり、生分解性の有無にかかわりなく、高分子マトリックスを有する固体挿入物の場合は、1日につきただ1回の投与が必要である。
【0030】
本発明はさらに、局所眼経路を通じてフルナリジンの投与を可能にする組成物、並びに活性成分として、治療に有効な量のフルナリジンからなり、緑内障の治療及び/又は予防に使用される特殊な眼組成物に関する。好ましい組成物群は以下の処方を有する(全量が重量%で表示される)。
【0031】
フルナリジン塩酸塩 0.059 %
(フルナリジン0.05%に対応する)
塩化ナトリウム 0.10〜0.80 %
トリズマ緩衝液 0.02〜0.20 %
PEG400 1.00〜6.00 %
トウィーン80 2.00〜12.00%
メタ重亜硫酸ナトリウム 0.01〜0.20 %
没食子酸プロピル 0.01〜0.50 %
EDTA 0.005〜0.20%
純水 十分〜100 %
さらに選択的に医薬基準に合った成分から構成される。
【0032】
本発明の特に好ましい実施例では、緑内障の治療及び/又は予防に使用される組成物には、ベータ遮断薬が0.1〜2.5重量%含まれる。その遮断薬は好みによりチモロールまたはマレイン酸チモロールなどの医薬基準に合ったチモロールの塩である。
【0033】
本発明の特殊な例をいくつか単なる例示を目的として以下に記載する。その際、その他のカルシウム遮断薬を伴う比較例を含めて、提案された抗緑内障薬について実施する実験研究の結果を付帯させる。
【0034】
【実施例】
実施例1
フルナリジンを基剤とする眼溶液
本発明に従った組成物で特に有効であることが判明したもの(さらに部分的に報告するようにその性能が実験的に評価された)は以下の組成を有する(重量%で表示する)。
【0035】
フルナリジン塩酸塩 0.059 %
(フルナリジン0.050%に対応する)
塩化ナトリウム 0.485 %
トリズマ緩衝液 0.100 %
PEG400 2.500 %
トウィーン80 5.000 %
メタ重亜硫酸ナトリウム 0.050 %
没食子酸プロピル 0.050 %
EDTA 0.010 %
純水 十分〜100%
前記組成物は単用量容器に詰めるのに適している。多用量詰めの希望がある場合、(例えば、塩化ベンザルコニウムなどの)保存薬を添加して、全使用期間中、その製品の無菌状態を維持しなければならない。
【0036】
実施例2
フルナリジンを基剤とする眼ミクロエマルジョン
眼軟膏として使用に適した組成物を下記の処方(重量%)に従って調製した。
【0037】
フルナリジン塩酸塩 0.059 %
(フルナリジン0.050%に対応する)
トリズマ緩衝液(pH7.20へ) 0.100 %
PEG400 10.000 %
ダイズ油 2.00 %
トウィーン80 20.000 %
メタ重亜硫酸ナトリウム 0.050 %
ソルビトール 2.057 %
没食子酸プロピル 0.050 %
純水 十分〜100%
張性調整剤として、100mlにつき455mgの塩化ナトリウム(すなわち0.455重量%)を前記ソルビトールの代わりに使用してもよい。
【0038】
実施例3
フルナリジンを基剤とする眼エマルジョン
以下の処方(重量%)に従って、その組成物からダイズ油を除いて、前記した例で示される製品に類似するが、粗粒液滴の状態にある分散層を有する眼製品を得た。
【0039】
フルナリジン塩酸塩 0.059 %
(フルナリジン0.050%に対応する)
トリズマ緩衝液(pH7.20へ) 0.100 %
PEG400 2.000 %
トウィーン80 7.000 %
メタ重亜硫酸ナトリウム 0.050 %
ソルビトール 2.014 %
没食子酸プロピル 0.050 %
純水 十分〜100%
張性調整剤としてソルビトールの代わりに、100mlにつき433mgの塩化ナトリウム(すなわち0.433重量%)をその組成物に混入させてもよい。
【0040】
実施例4
フルナリジンとチモロールの組み合わせを基剤とする眼溶液
全組成物中のチモロール濃度0.5重量%(マレイン酸チモロール約0.68重量%に対応する)を達成するために、十分な量のマレイン酸チモロールを実施例1の処方に添加して、本発明に従った特に好ましい組成物を得た。その他の成分濃度は実施例1で特記したとおりとした。
【0041】
同様に、実施例2および実施例3で示された処方も適正な量のマレイン酸チモロールを添加して変更することができる。この場合にも全組成物中のチモロール濃度0.5重量%を得ることが好ましい。
【0042】
実験結果
実施例1の処方に従って酸濃度を調整し粘度を増加させたもので、フルナリジン濃度が(0.01重量%〜0.1重量%の範囲で)変動する等張性溶液を、一般に、その結果を以下に記載する実験研究の中ではMEG01と称した。また、その実験では、実施例4でチモロールに関して示したように、処方済みのフルナリジンとベータ遮断薬の組み合わせを考慮した。フルナリジンとチモロールの組み合わせをMEG02と称した。また、前記実験結果のなかには添付する図中のグラフで示したものがある。
【0043】
各図について後記する。
【0044】
薬理動力学的研究
a.標準眼内圧を有するウサギに関する研究
偽薬の作用およびその他の種々のカルシウムチャネル遮断薬の作用との比較において、標準基線としての眼内圧を示すウサギの眼内圧に対する本発明の薬剤の影響を評価した。ヴィエナ ブルー品種のメスの色素沈着ウサギ(カルコのチャールス リバー イタリアーナ(CO)から供給された)を使用した。実験を開始した時点でのその動物の年齢は9週間であり、その体重は2.0〜2.5kgであった。
【0045】
色素沈着した虹彩を有する種を選択したのは、後者が試験中の製品により引き起こされる眼内圧の起こり得る変更の評価に備えた信頼できるモデルを代表するという事実によるものである。一般に、一つの動物とその他の動物の間の生物学的特性の差を最小値に制限するように、その選択された品種の範囲を定める。
【0046】
温度と湿度が一定に制御されている部屋にその動物を入れておいた。その部屋は1日につき12時間人工照明で照らし、その空気は連続して換気した。その餌は一定の既知の組成物を有する標準飼料から構成され、全試験期間中、餌と水は任意量手に入れることができた。ウサギの十分な馴化を可能にしその健康状態を適正に評価するために、試験開始前、21日間、そのウサギを小屋にいれておいた。各実験グループは4羽の動物から構成され、各動物は無作為に治療グループに配分されていた。
【0047】
動物の各実験グループは、右結膜円蓋における点滴で、下記製品を50μl受け入れた。
【0048】
a)フルナリジン0.050重量%(0.052重量%フルナリジン塩酸塩)を含むMEG01の点眼液
b)偽薬溶液(MEG01の賦形剤など)
c)MEG01の賦形剤中にベラパミル0.056重量%を含む点眼液
d)MEG01の賦形剤中にジルチアゼム0.051重量%を含む点眼液
e)MEG01の賦形剤中にニフェジピン0.043重量%を含む点眼液
試験下にある各種薬剤の重量濃度が同一モル濃度に相当するように選択する。
【0049】
扁平眼圧計(登録商標トノペンXL、メンター)で点眼液の点滴15分前(時間0)、次に点滴30分後、60分後、90分後、120分後、180分後および240分後に治療した眼の圧力を測定した。各測定を実施する5分前、局所麻酔薬として、オキシブプロカイン塩酸塩(登録商標ノベシン、ザンドーツ)を0.4%含む市販されている眼溶液を25μl点滴した。測定を実施するために、そのウサギを適正に設計されたかごに入れ、試験下、その動物が突然動くのを防止した。
【0050】
前記した各動物についてまた各定時間に、3つ続いた測定値の平均値を算出し記録した。前記測定はおのおの先行する測定から1分後に実施した。種々の時間における眼内圧を学生の“t”試験でその治療前に得た数値と比較した。分散分析法(ANOVA)で、また可能であれば、2つの異なる実験グループを比較するための学生の“t”試験でそのデータを処理して異なるグループ間の比較を行った。p<0.05である数値は統計学的に重要であると見なした。
【0051】
次の表1は、各試験グループ(±標準偏差)の平均値と同様に、治療した各動物について測定した眼内圧値を示す。
【0052】
【表1】
前記表で示すごとく、MEG01点眼液(フルナリジンを0.050%含有する)のおかげで、投与から1時間後、眼内圧が顕著に減少した。一方、フルナリジンを含むことなく対応する賦形剤から構成される製品によって、眼内圧の大きな変動が引き起こされることはなかった。後者の場合、点眼液の投与に際し測定された圧力値が、点滴前(時間0;投与15分前)に記録された値から統計学的に異なることはない。
【0053】
さらに、MEG01と同じ賦形剤を用いるベラパミル処方によってもジルチアゼム処方によっても、その偽薬に関するいかなる眼内圧の低下ももたらされていない。ニフェジピンの投与でわずかな減少が検出されたが、この効果はフルナリジン0.050重量%を含むMEG01で得られる応答と比較すれば、無視できそうである。
【0054】
標準的な基準眼内圧を有するウサギについてさらに別の一連の試験を行い、フルナリジンの活性とフルナリジンとベータ遮断薬の提案された組み合わせの活性、およびベータ遮断薬のみによる活性を比較した。
【0055】
次のよく知られているベータ遮断薬を試験した。
【0056】
チモロール(非選択的ベータ遮断薬であり、β1およびβ2アドレナリン受容体の双方に対して活性を示す)
ベタキソロール(心選択性ベータ遮断薬であり、β1アドレナリン受容体に対してのみ活性を示す)、および
カーテオロール(非選択性であるが、本質的に交感神経作用活性が付与されている)
前記した同一の実験実施要綱に従って試験を行い、以下の組成物で種々の動物のグループを治療した。
【0057】
f)フルナリジン0.050重量%(フルナリジン塩酸塩0.052重量%)をチモロール0.5重量%(マレイン酸チモロール0.68重量%)と組み合わせた状態で含むMEG02の点眼液
g)MEG02の賦形剤の中にフルナリジン0.050重量%とベタキソロール0.5重量%を含む点眼液
h)MEG02の賦形剤の中にフルナリジン0.050重量%とカーテオロール2.0重量%を含む点眼液
表1に示す結果と同じ方法でこの一連の試験の結果を得て処理した。その結果を表2に表す。比較を容易にするために、フルナリジン単独および偽薬で得られたデータ、例えば、前記実験の動物a)とb)のグループで得たデータは、次の表2に再度示してある。
【0058】
【表2】
前記表2の実験結果から、一方では、その試験条件において、フルナリジン単独はチモロール単独よりも眼内圧の低下という点ですぐれた性能を持っていた。他方、フルナリジン単独の場合よりその結合によりさらに優れた性能が得られているように、その処方の中にチモロールを添加することによりフルナリジンの活性がさらに向上したことがそのデータから明らかになった。
【0059】
b.高眼圧症にかかったウサギに関する研究
前記したセクションで記載したウサギと同一種のウサギを以下の試験で使用した。同じ方法でそのウサギを予備治療して、同じ条件で小屋に入れた。
【0060】
α−キモトリプシンを投与して眼内圧を実験的に増加させた。ウサギの場合、後眼房にこの酵素を注入することにより、投与1月後、高眼圧症の影響が出る。この実験モデルは広く使用され、種々の抗緑内障薬の活性を評価するためにしばしば採用されてきた。
【0061】
隔離期間の終わりに、塩酸ケタミンとキシラジン塩酸塩(RBI)の筋肉内投与により、そのウサギに麻酔をかけた。麻酔薬としてオキシブプロカインを含む点眼液(登録商標)ノベシン25μlを点滴後、その右眼を静かに外のほうへ押した。次に、30G無菌針で右眼の後眼房にα−キモトリプシンの無菌溶液(SIGMA、ミラン;生理無菌溶液100μl中に150単位)を注入した。眼組織を損傷する微量のα−キモトリプシンさえ完全に取り除くために、その酵素の投与後、その眼を生理無菌溶液で完全に洗浄した。次に、市販されている眼抗生物質溶液(登録商標コルビオシン、SIFI S.p.A.、クロラムフェニコール、ロリテトラサイクリン、コリスチンメタンスルホネートを含む)を2滴だけ点滴した。α−キモトリプシンを投与後1週間、1日につき3回(午前8時、午前12時および午後6時)その治療を実施した。その酵素により高眼圧症を引き起こしてから1月後、そのウサギをその試験で採用した。
【0062】
同様にこの場合も動物4羽のグループに分割されるそのウサギの右結膜円蓋に試験中のその製品50μlを点滴して治療した。最初の実験では、採用された薬剤は前記のとおり(フルナリジン0.050重量%を含むMEG01点眼液、偽薬、それぞれベラパミル0.056%、ジルチアゼム0.051%、およびニフェジピン0.043%を含む点眼液)報告された第一試験の薬剤と同じであった。
【0063】
点眼液の点滴15分前、点滴30分後、60分後、90分後、120分後、180分後および240分後、前記した試験と同じ方法に従ってその治療した眼の眼内圧を測定した。得られた値は前記したとおりの基準に従って統計学的に分析した。
【0064】
次の表3は、試験グループ毎に、個々の眼内圧応答とその平均値(±標準偏差)の双方を示している。パーセントで表した眼内圧減少の平均値も図1のグラフで略図化して説明する。
【0065】
【表3】
表3によれば、賦形剤の投与のみが眼内圧の大きな変化をもたらし、他方、MEG01(フルナリジン0.050%含有)の投与により、試験を行った他のカルシウム拮抗薬を投与した場合よりも、眼内圧が顕著に減少した。表からMEG01と同一の賦形剤の中に等量のベラパミル、ジルチアゼム、またはニフェジピンを含む眼溶液で治療した後の高眼圧症にかかっているウサギの眼内圧値には大きな減少は認められない。
【0066】
同一処置段階を含む第二シリーズの試験では、フルナリジンの濃度を変えて、すなわち0.1重量%と0.01重量%の活性成分濃度で、本発明に従った眼溶液の試験を行った。その目的は、そのようにして得られた応答と0.05重量%のフルナリジンを含むMEG01点眼液で観察された応答を比較することであった。その結果を次の表4に示す。同様にその結果を(検出された眼内圧減少の平均パーセント量として)図2のグラフで示す。
【0067】
【表4】
前記表4から観察されることは、眼内圧の最大パーセント減少量はフルナリジンを0.05%含むMEG01プレパラートで示されるものであり、一方、その最大濃度(0.1%)を有するプレパラートは0.05%プレパラートの活性に匹敵する活性を示した。このことはさらに明瞭に図2のグラフで示されている。
【0068】
後続するシリーズの試験では、高眼圧症にかかっているウサギについてフルナリジンとベータ遮断薬の組み合わせの活性試験を行った。実験条件は前記したものと全く同一とした。前記セクションのf)、g)およびh)で定義した組成物で3グループの動物を治療した。得られた結果は次の表5にまとめてある。この場合も、容易に比較できるように、フルナリジン単独および偽薬の同一実験条件ですでに得られているデータを反復表示している。
【0069】
【表5】
表5で報告されたデータによりおよびさらに明瞭には図3の線図により、フルナリジンとチモロールの組み合わせの顕著な活性および一般にはフルナリジンとベータ遮断薬の組み合わせの良好な性能が立証されている。この場合も、フルナリジン単独の場合、チモロール単独に匹敵するかまたはそれを上回る有効性が示された。
【0070】
毒性の研究
a.角膜腫張の評価
UBMシステム840(ハンフリー インストルメント、サン レアンドロ、CA、USA)で生態線図を用いて角膜厚みの評価を実施した。その装置には50MHzの探針が装備され、約504の解像度と映像化視野5×5mmを有するデスプレイ上で映像を視覚化させることができる。組み込まれたソフトウエアにより超音波ビームの局部深さを変更して、その増幅を変えながらその映像を捉えることができる。
【0071】
本試験で採用された動物は前記した動物と同一の型のものであり、同様に治療を受けた。その動物に(塩酸ケタミンと塩酸キシラジンで)麻酔をかけた後、結合手段(超音波ゲル)を充填した微小陥凹をその眼球に接触配置させることによりその試験を実施した。そのウサギの右眼に薬理学研究で採用されたものと同じ各薬剤の滴下物(50μl)を入れた。
【0072】
a)フルナリジン0.050%を含むMEG01点眼液
b)ベラパミル0.056重量%を含む点眼液
c)ジルチアゼム0.051重量%を含む点眼液
d)ニフェジピン0.043重量%を含む点眼液
そのウサギの左眼には、等量の偽薬(活性成分を含まないMEG01の賦形剤)を点滴した。
【0073】
次の表6が示すものは、点滴前、点滴後固定時間経過後、4羽のウサギのそれぞれのグループについて検出した角膜厚みである。
【0074】
【表6】
前記したデータから観察されるように、本発明に従った製品の使用により、全試験期間中、角膜厚みの変化は検出されなかった。それどころか、ベラパミル0.056%を含む眼溶液により角膜の腫張が引き起こされ、その厚みの増加速度は15〜20μm/hであった。ジルチアゼム(わずかに腫張)またはニフェジピンを含む点眼液については大きな影響は観察されなかった。
【0075】
b.急性耐性
局所的に眼に適用した場合の本発明に従ったカルシウムチャネル遮断薬の耐性を評価するために、初期順化期間後、(前記実験において採用したものと同種の)ウサギを後記のごとく治療した。第一日目は、右結膜円蓋に、各回0.05mlとして合計12回、MEG01(0.05%)を30分間隔で点滴した。反対側の眼は偽薬で治療して対照とした。
【0076】
ドレイズの変更試験に従ってその眼組織の状態を観察した(スパンピナトS.、マリノA.、ブコロC.、カノッサM.、バチェリT.、マンギアフィコS.、アラキドン酸ナトリウムで誘導された眼炎症に対するナプロキセンナトリウムの影響、ジャーナル眼薬理学、7(2);125−133,(1991))。その試験は最初の投与に始まり1時間毎に7時間、次に虹彩と角膜の最後の治療後24時間後、48時間後および72時間後に実施され、眼瞼および延髄結膜の種々の面に任意の評価点がついた。
【0077】
全試験期間中、MEG01点眼液(フルナリジン0.05重量%)で治療した眼と偽薬で治療した眼において、その結膜の際立った充血状態は観察されなかった。試験した眼のいずれにおいても浮腫は検出されなかった。さらに、虹彩を含めて治療した眼のいずれにおいてもなんの変化も認められなかったし、排出材の存在は標準水準で維持された。角膜組織にはなんらの損傷も検出されなかったし、わずかに2眼においてのみすこしばかりの上皮除去が認められた。
【0078】
得られた結果から示されるのは、結膜円蓋に反復点滴した後のウサギの眼がフルナリジン0.05%を基剤とするMEG01眼溶液に対して十分に耐性を示すことである。
【0079】
結合研究
ニュージランド品種のメスのアルビノウサギを犠牲にしてそこから外植した虹彩−毛様体複合体から得られた細胞膜について受容体結合技術を実施した(カルコのチャールス リバー イタリアーナ(CO))。その組織を緩衝液中で均質化して、細胞膜蛋白質に富むフラクションP2を分離した。文献に記載された遠心分離法により前記フラクションを得た(マーチR.H.、スミスC.R.、チルダーS.R.、イボガインにはシグマ2受容体に対する選択的親和性がある。ライフ サイエンス 57(4);57−62)。そのLa全蛋白質濃度をラウアリー法で測定した。
【0080】
試験中のスカラー量のカルシウム拮抗薬(例えば、フルナリジン、ベラパミル、ニフェジピンおよびニモジピンなど)と既知量の3H(+)−N−アリル−ノル−メタゾシン(SKF)(実験上σ配位子として使用する)を含むポリプロピレン試験管中で、全蛋白質300μgを含む個々のホモジネートのP2フラクションの部分標本を培養した。その非特殊結合をハロペリドールの存在下で評価した。
【0081】
全試験を繰り返し実施した。その反応を37℃で150分間維持し、その後ホワットマンGF/Bフィルター上で濾過した。そのフィルター上に残された放射能を液体シンチレーション分光測定法で測定した。そのIC50を測定し、得られた結果を次の表7に示す。
【0082】
【表7】
前記データから確認されるのは、本発明に通じる研究の所見であり、その所見は本イントラダクションで議論済みである。例えば、そのデータから示されるのは、その他のよく知られ研究されたベラパミル、ニフェジピンやジルチアゼムなどのカルシウム遮断薬とは対照的に、フルナリジンにはσ−1受容体に対する親和性があるということである。この所見から示唆されるものは、フルナリジンが眼内圧を低下させるメカニズムにσ−1受容体が関与していることであり、この特性により局所抗緑内障薬としてのフルナリジンが驚くほど高い活性を示すということである。
【0083】
本発明をその特殊な実施例を参照して開示してきたが、この分野の当業者により特許請求の範囲に規定された範囲を逸脱することなくそのものを変更させたり変化させたりすることができる。
【0084】
【発明の効果】
本発明によれば、緑内障の治療及び/又は予防のための局所眼薬製造において、選択的に医薬基準に合った塩の形態で、緑内障の局所治療用フルナリジンの使用法、すなわち、フルナリジンの使用法、または医薬基準に合ったそのものの塩の使用法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】偽薬の点滴およびその他のカルシウム拮抗薬の点滴で得られた眼内圧の減少と比較しつつ、高眼圧症を示すウサギの眼にフルナリジンを点滴した場合に得られる眼内圧の減少パーセントを示す。
【図2】高眼圧症を示すウサギの眼に種々の濃度のフルナリジンを点滴した場合に得られる眼内圧の減少パーセントを示す。
【図3】高眼圧症を示すウサギの眼に種々のベータ遮断薬と組み合わせたフルナリジンを点滴した場合に得られる眼内圧の減少パーセントを示す。
Claims (8)
- 高眼圧症を低減させる局所眼薬の製剤におけるフルナリジンまたは医薬基準に合ったフルナリジン塩を使用した医薬品の製造方法。
- 前記局所眼薬が水溶液もしくは懸濁液の形態、医薬基準に合った眼賦形剤中のゲル、軟膏または乳剤の形態にあり、結膜嚢内に配置されることを特徴とする請求項1に記載の医薬品の製造方法。
- 前記眼薬中の前記フルナリジン濃度が0.001〜0.500重量%である請求項1または2に記載の医薬品の製造方法。
- 前記フルナリジン濃度が0.050重量%である請求項3に記載の医薬品の製造方法。
- フルナリジンがその塩酸塩の形態にある前記眼薬中に存在することを特徴とする前記請求項のいずれかに記載の医薬品の製造方法。
- 前記局所眼薬が水溶液の形態にあり、さらに1種またはそれを上回る種類の張性調整薬、1種またはそれを上回る種類の緩衝液および1種またはそれを上回る種類の抗酸化剤を含むことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の医薬品の製造方法。
- 前記眼薬が、シクロデキストリン、ポリソルベート80(またはトウィーン80)、デキストラン、ポリエチレングリコールまたはポロキサマーから選択され、1種またはそれを上回る種類の賦形剤をさらに含むことを特徴とする請求項6に記載の医薬品の製造方法。
- 前記局所薬剤がさらに1種またはそれを上回る種類の保存薬または抗菌薬を含むことを特徴とする請求項6または7に記載の医薬品の製造方法。
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