JP4475367B2 - 共役ジエン系ブロック共重合体およびその水添物の製造法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、共役ジエン系ブロック共重合体およびその水添物の製造法に関する。さらに詳しくは、耐摩耗性、耐候性、低発熱性、破壊強度、加工性に優れたタイヤ、ベルトなどのゴム用途、耐候性、透明性、耐衝撃性に優れた履き物、プラスチックの改質、アスファルト、粘接着剤、シート、フィルム、射出成形品などに広く利用できる、上記共重合体およびその水添物の製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ジエン系ブロック共重合体は多くの方法により製造されている。なかでもアニオン重合開始剤を用いる方法は広く使用されている。例えばヘキサン、シクロヘキサンのような不活性溶媒中、重合開始剤として有機リチウムを用いる方法が一般的である。
【0003】
ジエン系ブロック共重合体のビニル含量を変量することでガラス転移温度や硬度が変化する。またポリブタジエンの水添物においてはビニル含量が0%の場合結晶性を有するポリエチレンとなり、ビニル含量100%の場合はポリブテンとなる。
【0004】
ビニル含量を調節するためにはビニル含量調節剤を重合時に添加する。ビニル含量調節剤としてはルイス塩基性化合物であるエーテル化合物、アミン化合物が一般的に使用されている。例えばテトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、および1,4−ジオキサンのような環状エーテル、ジエチルエーテル、ジブチルエーテルおよびエチレングリコールジエチルエーテルのような直鎖状エーテル、ジフェニルエーテルおよびアニソールのような芳香族エーテル、トリエチルアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミンのようなアミン化合物である。
【0005】
これらビニル含量調節剤の多くは高いビニル含量を有する共役ジエンブロック共重合体を製造する際には多量に使用されねばならない。また少量の添加で効果のあるN,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミンの場合、溶剤除去後の共役ジエンブロック共重合体中に微量ではあるが残存し臭気の問題を生ずる。またエチレングリコールジエチルエーテルの場合、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミンと同様に少量でビニル含量調節の効果があるがシクロヘキサンなどの重合溶媒からの分離が困難であるという欠点がある。
【0006】
特開平9−328504号公報には、ビニル含量の低い共役ジエン系ブロック共重合体を製造するに際し、プロピレングリコールジエチルエーテルをビニル含量調節剤として使用する例が記載されているが、プロピレングリコールジエチルエーテルはビニル含量の低い領域の共役ジエン系ブロック共重合体を製造する際には極微量の変化でビニル含量を変化させるので、目的のビニル含量を有する共役ジエン系ブロック共重合体を得ることが困難である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、共役ジエン系ブロック共重合体の製造法を提供することにある。
【0008】
本発明の他の目的は、ビニル含量の低い領域でさえビニル含量の調節が容易に行える共役ジエン系ブロック共重合体の製造法を提供することにある。
【0009】
本発明のさらに他の目的は、上記本発明方法により製造された共役ジエン系ブロック共重合体の水添物を製造する方法を提供することにある。
【0010】
本発明のさらに他の目的および利点は、以下の説明から明らかになろう。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、本発明の上記目的および利点は、第1に、主として共役ジエン重合単位からなる重合体ブロックを含有する共役ジエン系ブロック共重合体の製造方法であって、主として共役ジエンからなるモノマーを、炭化水素溶媒中、有機リチウム化合物からなる触媒および分子中に1つの酸素原子を含む環状エーテル化合物の存在下に、重合せしめて主として共役ジエン重合単位からなる重合体ブロックを生成せしめ、次いで反応系に主として共役ジエンからなるモノマーと分子中に2つ以上の酸素原子を含む直鎖状エーテル化合物を添加して上記重合体ブロック分子中に1つの酸素原子を含む環状エーテル化合物および分子中に2つ以上の酸素原子を含む直鎖状エーテル化合物の存在下に上記主として共役ジエンからなるモノマーを重合せしめる、ことを特徴とする共役ジエン系ブロック共重合体の製造方法によって達成される。
【0012】
また、本発明の上記目的および利点は、第2に、本発明の上記方法で得られた共役ジエン系ブロック共重合体を水素添加せしめることを特徴とする水添ジエン系ブロック共重合体の製造方法によって達成される。
【0013】
以下、本発明の詳細を説明する。
【0014】
本発明では、分子中にO原子を1個含む環状エーテル化合物および分子中にO原子を2個以上含む直鎖状エーテル化合物がビニル調節剤として用いられる。
【0015】
分子中にO原子を1個含む環状エーテル化合物としては、具体的にテトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン等を好ましいものとして挙げることができる。
【0016】
また、分子中にO原子を2個以上含む直鎖状エーテル化合物としては、例えばプロピレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールエチルプロピルエーテル、プロピレングリコールジプロピルエーテル等を好ましいものとして挙げることができる。
【0017】
好ましいビニル調節剤は、例えばテトラヒドロフランとプロピレングリコールジエチルエーテルおよび/またはプロピレングリコールエチルプロピルエーテルの組合せであり、最も好ましくはテトラヒドロフランとプロピレングリコールエチルプロピルエーテルの組合せである。
【0018】
共役ジエンとしては、例えば1,3−ブタジエン、イソプレン、ピペリレン、メチルペンタジエン、フェニルブタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエン等が用いられる。これらのうち1,3−ブタジエンおよびイソプレンが好ましく、とりわけ1,3−ブタジエンが好ましい。
【0019】
芳香族ビニル化合物としては、スチレン、アルキルスチレン、2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン、ビニルナフタレンなどを挙げることができる。これらのうちスチレンが好ましい。
【0020】
炭化水素溶媒としては、例えばブタン、ペンタン、ヘキサン、イソペンタン、ヘプタン、オクタンなどの脂肪族炭化水素、シクロペンタン、メチルシクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサンなどの脂環式炭化水素、あるいはベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、キシレン等の芳香族炭化水素が使用できる。これらは1種のみならず2種以上混合使用してもよい。
【0021】
本発明に用いられる有機リチウム化合物としては、具体的にはエチルリチウム、プロピルリチウム、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、t−ブチルリチウム、ヘキシルリチウム、sec−ブチルリチウムとジイソプロペニルベンゼンもしくはトリイソプロペニルベンゼンとの反応物であるジリチウム、トリリチウムなど、ジビニルベンゼンとアルキルリチウムとの反応物であるポリリチウムを挙げることができる。これらのうちn−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、ジリチウムおよびポリリチウムが好ましい。
【0022】
本発明方法では共役ジエン系ブロック共重合体を製造することを目的とするが、このブロック共重合体は主として共役ジエン重合単位からなる重合体ブロックを含有する。
【0023】
そして、本発明方法は、この重合体ブロックを、上記のとおり、炭化水素溶媒中、有機リチウム化合物からなる触媒、分子中に1つのO原子を含有する環状エーテル化合物および分子中に2つ以上のO原子を含有する直鎖状エーテル化合物の存在下で、モノマーを重合させて製造することを特徴とする。上記モノマーとしては、主として共役ジエン重合単位からなる重合体ブロックを与える主として共役ジエンからなるモノマーが用いられる。
【0024】
本発明方法で製造される共役ジエン系ブロック共重合体は、上記の如くして製造される重合体ブロックを含有するが、この重合体ブロック以外の他の重合体ブロックの製造方法は特に限定されない。
【0025】
例えば、他の重合体ブロックは、主としてビニル芳香族炭化水素重合単位からなることができ、主として共役ジエン重合単位からなることができ、あるいは主としてビニル芳香族炭化水素重合単位と共役ジエン重合単位からなることができるが、これらの他の重合体ブロックはエーテル化合物の非存在下、あるいは上記環状エーテル化合物および直鎖状エーテル化合物のいずれか一方の存在下で同様にアニオン重合せしめることにより製造することができる。
【0026】
本発明方法は、主として共役ジエンからなるモノマーを先ず環状エーテル化合物の存在下に重合せしめて主として共役ジエン重合単位からなる重合体ブロックを生成せしめ、次いでこの反応系に主として共役ジエンからなるモノマーと直鎖状エーテル化合物を添加して、上記重合体ブロック、環状エーテル化合物および直鎖状エーテル化合物の存在下に上記主として共役ジエンからなるモノマーを重合せしめることで行われる。
【0027】
分子中の1つの酸素原子を含む環状エーテル化合物および分子中に2つ以上の酸素原子を含む直鎖状エーテル化合物のそれぞれは、使用する炭化水素溶媒に対する重量基準で、5ppm〜1%および1〜3,000ppmで存在させる、のが好ましく、同じ基準で、5〜5,000ppmおよび1〜2,000ppmで存在させるのがさらに好ましい。
【0028】
また、分子中に1つの酸素原子を含む環状エーテル化合物としては、テトラヒドロフランが好ましく、分子中に2つ以上の酸素原子を含む直鎖状エーテル化合物としてはプロピレングリコールジエチルエーテルおよび/またはプロピレングリコールエチルプロピルエーテルが好ましい。
【0029】
さらに、分子中に1つの酸素原子を含む環状エーテル化合物がテトラヒドロフランでありそして分子中に2つ以上の酸素原子を含む直鎖状エーテル化合物がプロピレングリコールエチルプロピルエーテルであるのが特に好ましい。
【0030】
本発明の方法においてブロック共重合体お製造する際の重合温度は一般的に0〜120℃、好ましくは0〜100℃である。重合に要する時間は条件によって異なるが、通常は10時間以内であり、特に好適には0.5〜5時間である。また、重合系の雰囲気は窒素ガスなどの不活性ガスなどをもって置換するのが好ましい。重合圧力は、上記重合温度範囲でモノマーおよび溶媒を液層に維持するに十分な圧力の範囲で行えば良く、特に制限されるものではない。さらに重合系内には触媒およびリビングポリマーを不活性化させるような不純物、例えば水、酸素、炭酸ガス等が混入しないよう留意する必要がある。
重合プロセスはバッチ重合でも連続重合でも任意の方法で製造できる。
【0031】
本発明により製造しうる共役ジエンブロック共重合体は特開平11−130828号公報、特開平3−166242号公報、特開平2−133406号公報、特開平3−128957号公報、特開平3−74409号公報、特開平3−72512号公報、特開平5−170844号公報、特開平7−118335号公報および特開平7−268173号公報に記載されたような共役ジエンブロック共重合体を包含する。このなかで特開平2−133406号公報、特開平3−128957号公報および特開平5−170844号公報に記載のようなブロック共重合体すなわち下記式
A−B−A、A−B−C、(C−B)nXまたは(C−B−A)mX
(ここで、Aは主としてビニル芳香族炭化水素重合単位からなる重合体ブロックであり、Bは主として共役ジエン重合単位からなり且つビニル含量が30〜80重量%である重合体ブロックであり、Cは主として共役ジエン重合単位からなり且つビニル含量が25重量%以下である重合体ブロックであり、nおよびmは1〜10の数であり、そしてXはカップリング剤もしくは変性剤の残基である、但しA、BおよびCのブロックの境界は必ずしも明瞭に区別されるものではない)で表わされる共役ジエン系ブロック共重合体が好ましい。
【0032】
これらのうち、ブロック共重合体中にビニル含量の異なるブロックを包含する、A−B−C、(C−B)nXまたは(C−B−A)mX(ここでA、B、C、X、nおよびmの定義は上記のとおりである)で表わされるブロック共重合体が好ましい。
【0033】
重合体ブロックBのビニル含量は35〜80重量%が好ましく、また重合体ブロックCのビニル含量は20重量%以下が好ましい。
【0034】
上記製造法において、重合体ブロックBを製造する際には、分子中に1個の酸素原子を含む環状エーテル化合物を1,000ppm以下で存在させるのが好ましく、また重合体ブロックCを製造する際には、分子中に2個以上の酸素原子を含む直鎖状エーテル化合物を100ppm以上で存在させるのが好ましい。Xはカップリング剤もしくは変性剤の残基である。残基Xを与えるカップリング剤または変性剤としては、例えばテトラクロロシラン、トリクロロシラン、ジクロロシラン、四塩化錫、、ジビニルベンゼン、エポキシ化大豆油、エポキシ化アマニ油、エポキシ化ポリブタジエン、アジピン酸ジエチル、1,2−ジブロモベンゼンなどがあげられ、変性剤としてはジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジブチルアミン、ジペンチルアミン、ジヘキシルアミン、ジオクチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、N−メチルベンジルアミン、モルホリン、ピペラジン、2,6−ジメチルモルホリン、2,6−ジメチルピペラジン、1−エチルピペラジン、2−メチルピペラジン、1−ベンジルピペラジン、ピペリジン、3,3−ジメチルピペリジン、2,6−ジメチルピペリジン、1−メチル−4−(メチルアミノ)ピペリジン、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、2,5−ジメチルピロリジン、2,5−ジメチル−3−ピロリジン、アゼチジン、ヘプタメチレンイミン、N,N−ジメチル−O−トルイジン、N,N−ジエチル−O−トルイジン、N−メチル−N−エチル−O−トルイジン、N,N−ジプロピル−O−トルイジン、N,N−ジブチル−O−トルイジンテトラヒドロフルフリルアルコール、フルフリルアルコール、3−メチル−テトラヒドロフルフリルアルコール、4−エチル−テトラヒドロフルフリルアルコール、テトラヒドロフルフリルアルコールのオリゴマー、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、N,N−ジメチルエタノールアミン、N,N−ジエチルエタノールアミン、N,N−ジブチルエタノールアミン、N,N−ジフェニルエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、N−ブチルジエタノールアミン、N−フェニルジエタノールアミン、N,N−ジメチルプロパノールアミン、N,N−ジブチルプロパノールアミン、N−メチルジプロパノールアミン、N−エチルジプロパノールアミン、1−(2−ヒドロキシエチル)ピロリジン、2−メチル−1−(2−ヒドロキシエチル)ピロリジン、2−メチル−1−(3−ヒドロキシプロピル)ピロリジン、1−ピペリジンエタノール、2−フェニル−1−ピペリジンエタノール、2−エチル−1−ピペリジンプロパノール、N−β−ヒドロキシエチルモルホリン、2−エチル−N−β−ヒドロキシエチルモルホリン、1−ピペラジンエタノール、1−ピペラジンプロパノール、N,N’−ビス(β−ヒドロキシエチル)ピペラジン、N,N’−ビス(γ−ヒドロキシプロピル)ピペラジン、2−(β−ヒドロキシエチル)ピリジン、2−(γ−ヒドロキシプロピル)ピリジン、2,4−トリレンジイソシアナート、2,6−トリレンジイソシアナート、ジフェニルメタンジイソシアナート、ポリメリックタイプのジフェニルメタンジイソシアナート、(C−MDI)、フェニルイソシアナート、イソホロンジイソシアナート、ヘキサメチレンジイソシアナート、ブチルイソシアナート、1,3,5−ベンゼントリイソシアナート、フェニルイソチオシアナート、フェニル−1,4−ジイソチオシアナート、 N,N−ジメチルホルムアミド、アセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、アミノアセトアミド、N,N−ジメチル−N’,N’−ジメチルアミノアセトアミド、N,N−ジメチルアミノアセトアミド、N,N−エチルアミノアセトアミド、N,N−ジメチル−N’−エチルアミノアセトアミド、アクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジメチルメタクリルアミド、ニコチンアミド、イソニコチンアミド、ピコリン酸アミド、N,N−ジメチルイソニコチンアミド、コハク酸アミド、フタル酸アミド、N,N,N’,N’−テトラメチルフタル酸アミド、オキサミド、N,N,N’,N’−テトラメチルオキサミド、2−フランカルボン酸アミド、N,N−ジメチル−2−フランカルボン酸アミド、キノリン−2−カルボン酸アミド、N−エチル−N−メチル−キノリンカルボン酸アミドなどのアミド化合物、コハク酸イミド、N−メチルコハクイミド、マレイミド、N−メチルマレイミド、フタルイミド、N−メチルフタルイミド、1,3−ジエチル−2−イミダゾリジノン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、1,1−ジプロピル−2−イミダゾリジノン、1−メチル−3−エチル−2−イミダゾリジノン、1−メチル−3−プロピル−2−イミダ ゾリジノン、1−メチル−3−ブチル−2−イミダゾリジノン、1−メチル−3−(2−メトキシエチル)−2−イミダゾリジノン、1−メチル−3−(2−エトキシエチル)−2−イミダゾリジノン、1,3−ジ−(2−エトキシエチル)−2−イミダゾリジノン、メチル−2−ピリジルケトン、メチル−4−ピリジルケトン、プロピル−2−ピリジルケトン、ジ−4−ピリジルケトン、プロピル−3−ピリジルケトン、2−ベンゾイルピリジン、2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン、 N−メチル−2−ピロリドン、2−ピペリドン、N−メチル−2−ピペリドン、2−キノロン、N−メチル−キノロン、 N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、ニコチンアミド、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、好ましくはテトラクロロシラン、トリクロロシラン、ジクロロシラン、四塩化錫、、ジビニルベンゼンである)のジエン系ブロック共重合体の製造に好適である。
【0036】
このようにして得られたブロック共重合体の重量平均分子量は、一般的に10,000〜1,000,000、好ましくは30,000〜500,000である。またブロック共重合体溶液中の炭化水素溶媒の量は、一般にブロック共重合体100重量部に対して50重量部〜2,000重量部である。
【0037】
本発明のブロック共重合体の水添物は水添反応(水素添加反応)により本発明のブロック共重合体を部分的にあるいは選択的に水添して製造することができる。水添反応に際し、ブロック共重合体溶液の活性末端は、必要により、反応停止剤を添加する工程により不活性化してもよいし、活性末端のままで行ってもよい。
【0038】
本発明の水添反応の水添率は任意に選択することができ、未水添ブロック共重合体の特性を維持しながら耐熱劣化性等を向上させようとする場合には、共役ジエンに基づく不飽和二重結合を3%以上80%未満、好ましくは5%以上75%未満水添するのが好ましい。また耐熱劣化性および耐候性を向上させようとする場合には、好ましくは80%以上、より好ましくは90%以上水添するのがよい。
【0039】
水添反応に使用される触媒としては、例えばジシクロペンタジエニルチタンハライド、シクロペンタジエニルチタンハライド、ジシクロペンタジエニルチタンアルコキシハライド、ジシクロペンタジエニルチタンジアルコキシ、ジシクロペンタジエニルチタンジアルキル置換フェニル、ジシクロペンタジエニルチタンジアルキル、ジシクロペンタジエニルチタンジアルキル置換フェノール、ジインデニルチタンハライド、インデニルチタンハライド、ジインデニルチタンジアルキル置換フェニル、ジインデニルチタンジアルキル、ジインデニルチタンジアルキル置換フェノール、有機カルボン酸ニッケル、有機カルボン酸コバルトなどと周期律表第I〜III族の有機金属化合物とからなる水素化触媒、カーボン、シリカ、ケイソウ土などで担持されたニッケル、白金、パラジウム、ルテニウム、レニウム、ロジウム金属触媒、コバルト、ニッケル、ロジウム、ルテニウム錯体などの金属触媒が挙げられる。また、リチウムアルミニウムハイドライド、p−トルエンスルホニルヒドラジドなどの水素化化合物、さらにはZr−Ti−Fe−V−Cr合金、Zr−Ti−Nb−Fe−V−Cr合金、LaNi5などの水素吸蔵合金を用いた水素化反応なども、本発明に用いられる水添ブロック共重合体の製造方法として用いられる。具体的には特開平1−2756505号公報、特開平3−223305号公報、特開平11−165075号公報および特開平11−292924号公報に記載された方法により不活性溶媒中で水素添加触媒の存在下に水素添加してブロック共重合体の水添物を得ることができる。
【0040】
共役ジエン部分の水添率は、水素化触媒、水素化化合物の添加量または水添反応時における水素圧力、反応時間を変えることにより調節される。
【0041】
本発明のジエン系ブロック共重合体およびその水添物は、熱可塑性樹脂と配合して樹脂組成物とすることができる。
【0042】
熱可塑性樹脂としては、特に限定されないが、例えばポリエチレン、高分子量ポリエチレン、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、ポリプロピレン、ポリブテン−1、ポリイソブチレン、ハイインパクトポリスチレン(HIPS)、ポリスチレン、ポリメチレン、ポリ−4−メチル−ペンテン−1、ポリヘキセンなどの非極性の熱可塑性樹脂、およびABS樹脂、アクリル樹脂、ポリアクリルアミド、ポリメタクリルアミド、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸メチル、ポリアクリル酸エチルなどのポリアクリル酸アルキルエステル、ポリメタクリル酸、ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチルなどのポリメタクリル酸アルキルエステル、ポリアクリロニトリル、ポリメタクリロニトリル、アセタール樹脂、ポリオキシメチレン、塩素化ポリエチレン、クマロン・インデン樹脂、セルロース、セルロースエステル、セルロースエーテル、カルボキシメチルセルロース、セルロースエーテルエステル、フッ素樹脂、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリフッ化ビニル、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン6、ナイロン6,10、ナイロン6,12、ナイロン6,6、ナイロン4,6などの脂肪族ポリアミド、ポリフェニレンイソフタルアミド、ポリフェニレンテレフタルアミド、ポリメタキシリレンジアミンなどの芳香族ポリアミド、ポリイミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンスルフィド、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリスルホンアミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリアミドイミド、ポリアリレート、ポリカーボネート、ポリビニルアルコール、ポリビニルエステル、ポリ酢酸ビニル、ポリメチルビニルエーテル、ポリイソブチレンビニルエーテル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデンなどの極性の熱可塑性樹脂が挙げられる。これらの熱可塑性樹脂は、1種単独であるいは2種以上併用することができる。
【0043】
これらのうち、好ましい熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリアミド、ポリアセタール、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンスルフィド、ポリスルホン、ポリカーボネートを挙げることができる。
【0044】
本発明のジエン系ブロック共重合体およびその水添物を配合した樹脂組成物は必要に応じて、任意の添加剤を配合することができる。添加剤の種類はプラスチックの配合に一般的に用いられるものであれば特に制限はないが、例えば、ガラス繊維、ガラスビーズ、シリカ、炭カル、タルク等の無機補強剤、有機繊維、クマロンインデン樹脂等の有機補強剤、有機パーオキサイド、無機パーオキサイド等の架橋剤、チタン白、カーボンブラック、酸化鉄等の顔料、染料、難燃剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、滑剤、可塑剤、その他の増量剤あるいはこれらの混合物があげられる。
【0045】
本発明において、ジエン系ブロック共重合体およびその水添物と熱可塑性樹脂とを配合した組成物は従来公知のあらゆる配合方法によって製造することができる。例えば、各種押出機、バンバリーミキサー、ニーダー、ロールなどで一般的な混和機を用いた溶融混練方法、各成分を溶剤に溶解または分散混合後溶剤を加熱除去する方法などが用いられる。
【0046】
【実施例】
以下実施例を挙げ、本発明を説明するが、本発明の主旨を越えない限り、実施例に限定されるものではない。実施例中、実施例1、6はいずれも参考例である。また、実施例中の各種の測定は下記の方法に拠った。なお、実施例中の部および%は、特に断らない限り重量基準である。
(1)共重合体のミクロ構造は、赤外吸収スペクトル法(モレロ法)によって求めた。
(2)結合スチレン含量は、赤外吸収スペクトル法により、検量線を作成し求めた。
(3)重量平均分子量(以下「分子量」ともいう)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー〔GPC、カラム;東ソー(株)製、GMHHR−H〕を用いて、ポリスチレン換算で求めた。
(4)カップリング効率はカップリング剤添加前後の分子量変化から求められ、カップリングされた重合体が全重合体のうちどれだけ含まれているかを表わしている。
(5)水添率は、四塩化エチレンを溶媒に、100MHz、1H−NMRスペクトルから算出した。
【0047】
《ジエン系ブロック共重合体の製造》
実施例1
10リットルのオートクレーブに脱気・脱水したシクロヘキサン5kg、スチレン150gを仕込んだのち、テトラヒドロフラン30g、プロピレングリコールエチルプロピルエーテル10.3gおよびn−ブチルリチウム1.50gを加え50℃で重合を開始した。重合転化率がほぼ100%となったのち、反応液を20℃に冷却し、1,3−ブタジエン700gを加え、昇温重合を行った。さらに重合転化率がほぼ100%となったのち、スチレン150gを加え重合を行った。
【0048】
得られたポリマーの重量平均分子量は12.9万であった。ブタジエン部分の1,2ービニル結合含量は81%であり、スチレン含量は30.1%であった。このブロック共重合体をG−1とする。
【0049】
実施例2
10リットルのオートクレーブに脱気・脱水したシクロヘキサン5kg、ブタジエン300gを仕込んだのち、テトラヒドロフラン0.25gおよびn−ブチルリチウム1.00gを加え重合温度を70℃として重合を開始した。重合転化率がほぼ100%となったのち、反応液を20℃に冷却し、プロピレングリコールエチルプロピルエーテル6.87g、1,3−ブタジエン700gを加え、昇温重合を行った。さらに重合転化率がほぼ100%となったのち、メチルジクロロシラン0.72g添加して20分間反応させた。
【0050】
得られたポリマーの重量平均分子量は27万であった。1段目ブタジエン重合時のブタジエン部分の1,2−ビニル結合含量は13.5%であった。トータルのブタジエン部分の1,2−ビニル結合含量が60.2%であるため2段目ブタジエン重合時のブタジエン部分の1,2−ビニル結合含量は80.2%であった。。カップリング率は80%であった。このブロック共重合体をG−2とする。
【0051】
実施例3
10リットルのオートクレーブに脱気・脱水したシクロヘキサン5kg、ブタジエン150gを仕込んだのち、テトラヒドロフラン0.25gおよびn−ブチルリチウム1.00gを加え重合温度を70℃として重合を開始した。重合転化率がほぼ100%となったのち、反応液を20℃に冷却し、プロピレングリコールエチルプロピルエーテル6.87g、1,3−ブタジエン700gを加え、昇温重合を行った。さらに重合転化率がほぼ100%となったのち、スチレン150gを加え重合を行った。
【0052】
得られたポリマーの重量平均分子量は13.2万であった。1段目ブタジエン重合時のブタジエン部分の1,2−ビニル結合含量は14.2%であった。トータルのブタジエン部分の1,2−ビニル結合含量が67.8%であるため2段目ブタジエン重合時のブタジエン部分の1,2−ビニル結合含量は79.3%であった。。カップリング率は80%であった。このブロック共重合体をG−3とする。
【0053】
実施例4
10リットルのオートクレーブに脱気・脱水したシクロヘキサン5kg、ブタジエン300gを仕込んだのち、テトラヒドロフラン0.25gおよびn−ブチルリチウム1.50gを加え重合温度を70℃として重合を開始した。重合転化率がほぼ100%となったのち、反応液を20℃に冷却し、プロピレングリコールジエチルエーテル2.06g、1,3−ブタジエン700gを加え、昇温重合を行った。さらに重合転化率がほぼ100%となったのち、テトラクロロシラン0.53g添加して20分間反応させた。
【0054】
得られたポリマーの重量平均分子量は24万であった。1段目ブタジエン重合時のブタジエン部分の1,2−ビニル結合含量は13.8%であった。トータルのブタジエン部分の1,2−ビニル結合含量が50.5%であるため2段目ブタジエン重合時のブタジエン部分の1,2−ビニル結合含量は66.2%であった。。カップリング率は81%であった。このブロック共重合体をG−4とする。
【0055】
実施例5
10リットルのオートクレーブに脱気・脱水したシクロヘキサン5kg、ブタジエン300gを仕込んだのち、テトラヒドロフラン0.25gおよびn−ブチルリチウム1.00gを加え重合温度を70℃として重合を開始した。重合転化率がほぼ100%となったのち、反応液を20℃に冷却し、プロピレングリコールジエチルエーテル0.62g、1,3−ブタジエン700gを加え、昇温重合を行った。さらに重合転化率がほぼ100%となったのち、メチルジクロロシラン0.72g添加して20分間反応させた。
【0056】
得られたポリマーの重量平均分子量は26.5万であった。1段目ブタジエン重合時のブタジエン部分の1,2−ビニル結合含量は13.6%であった。トータルのブタジエン部分の1,2−ビニル結合含量が35.4%であるため2段目ブタジエン重合時のブタジエン部分の1,2−ビニル結合含量は44.8%であった。。カップリング率は80%であった。このブロック共重合体をG−5とする。
【0057】
【表1】
【0058】
実施例6
10リットルのオートクレーブに脱気・脱水したシクロヘキサン5kg、スチレン150gを仕込んだのち、テトラヒドロフラン30g、プロピレングリコールエチルプロピルエーテル6.87gおよびn−ブチルリチウム1.0gを加え50℃で重合を開始した。重合転化率がほぼ100%となったのち、反応液を20℃に冷却し、1,3−ブタジエン700gを加え、昇温重合を行った。さらに重合転化率がほぼ100%となったのち、スチレン150gを加え重合を行った。
【0059】
重合が完結した後、リビングLi量を測定したところ、12.5ミリモルであった。この系内にベンゾフェノン2.28gを添加し、10分間撹拌した。ポリマー液の色の変化から、リビングアニオンとして生きているポリマー末端リチウムがないことを確認した。
【0060】
次に、20mlのシクロヘキサンに溶かしたベンゾフェノン0.52gとn−ブチルリチウム0.17gを窒素雰囲気下であらかじめ10分間反応させた反応生成物を仕込み、さらにビス(シクロペンタジエニル)チタニウムジクロライド0.36gと10mlのトルエンに溶かした1.31gのジエチルアルミニウムクロライドを窒素雰囲気下であらかじめ混合した成分をオートクレーブ内に仕込み撹拌した。水素ガスを8kg/cm2Gの圧力で供給し、90℃で1.5時間水素添加反応を行った。
【0061】
得られた水添ポリマーの水添率は98%であった。この水添ブロック共重合体をH−1とする。
【0062】
実施例7
10リットルのオートクレーブに脱気・脱水したシクロヘキサン5kg、ブタジエン300gを仕込んだのち、テトラヒドロフラン0.25gおよびn−ブチルリチウム1.00gを加え重合温度を70℃として重合を開始した。重合転化率がほぼ100%となったのち、反応液を25℃に冷却し、プロピレングリコールエチルプロピルエーテル6.87g、1,3−ブタジエン700gを加え、昇温重合を行った。さらに重合転化率がほぼ100%となったのち、メチルジクロロシラン0.72g添加して20分間反応させた。
【0063】
重合が完結した後、リビングLi量を測定したところ、1.1ミリモルであった。この系内にベンゾフェノン0.20gを添加し、10分間撹拌した。ポリマー液の色の変化から、リビングアニオンとして生きているポリマー末端リチウムがないことを確認した。
【0064】
次に、20mlのシクロヘキサンに溶かしたベンゾフェノン3.79gとn−ブチルリチウム1.33gを窒素雰囲気下であらかじめ10分間反応させた反応生成物を仕込み、さらにビス(シクロペンタジエニル)チタニウムジクロライド0.52gと10mlのトルエンに溶かした1.89gのジエチルアルミニウムクロライドを窒素雰囲気下であらかじめ混合した成分をオートクレーブ内に仕込み撹拌した。水素ガスを8kg/cm2Gの圧力で供給し、90℃で1.5時間水素添加反応を行った。
【0065】
得られた水添ポリマーの水添率は98.5%あった。この水添ブロック共重合体をH−2とする。
【0066】
実施例8
10リットルのオートクレーブに脱気・脱水したシクロヘキサン5kg、ブタジエン150gを仕込んだのち、テトラヒドロフラン0.25gおよびn−ブチルリチウム1.00gを加え重合温度を70℃として重合を開始した。重合転化率がほぼ100%となったのち、反応液を20℃に冷却し、プロピレングリコールエチルプロピルエーテル6.87g、1,3−ブタジエン700gを加え、昇温重合を行った。さらに重合転化率がほぼ100%となったのち、スチレン150gを加え重合を行った。
【0067】
重合が完結した後、リビングLi量を測定したところ、10.9ミリモルであった。この系内にベンゾフェノン1.86gを添加し、10分間撹拌した。ポリマー液の色の変化から、リビングアニオンとして生きているポリマー末端リチウムがないことを確認した。
【0068】
次に、20mlのシクロヘキサンに溶かしたベンゾフェノン1.52gとn−ブチルリチウム0.49gを窒素雰囲気下であらかじめ10分間反応させた反応生成物を仕込み、さらにビス(シクロペンタジエニル)チタニウムジクロライド0.44gと10mlのトルエンに溶かした1.60gのジエチルアルミニウムクロライドを窒素雰囲気下であらかじめ混合した成分をオートクレーブ内に仕込み撹拌した。水素ガスを8kg/cm2Gの圧力で供給し、90℃で1.5時間水素添加反応を行った。
【0069】
得られた水添ポリマーの水添率は98%であった。この水添ブロック共重合体をH−3とする。
【0070】
実施例9
10リットルのオートクレーブに脱気・脱水したシクロヘキサン5kg、ブタジエン300gを仕込んだのち、テトラヒドロフラン0.25gおよびn−ブチルリチウム1.50gを加え重合温度を70℃として重合を開始した。重合転化率がほぼ100%となったのち、反応液を20℃に冷却し、プロピレングリコールジエチルエーテル2.06g、1,3−ブタジエン700gを加え、昇温重合を行った。さらに重合転化率がほぼ100%となったのち、テトラクロロシラン0.80g添加して20分間反応させた。
【0071】
重合が完結した後、リビングLi量を測定したところ、2.5ミリモルであった。この系内にベンゾフェノン0.46gを添加し、10分間撹拌した。ポリマー液の色の変化から、リビングアニオンとして生きているポリマー末端リチウムがないことを確認した。
【0072】
次に、20mlのシクロヘキサンに溶かしたベンゾフェノン3.54gとn−ブチルリチウム1.24gを窒素雰囲気下であらかじめ10分間反応させた反応生成物を仕込み、さらにビス(シクロペンタジエニル)チタニウムジクロライド0.52gと10mlのトルエンに溶かした1.89gのジエチルアルミニウムクロライドを窒素雰囲気下であらかじめ混合した成分をオートクレーブ内に仕込み撹拌した。水素ガスを8kg/cm2Gの圧力で供給し、90℃で1.5時間水素添加反応を行った。
【0073】
得られた水添ポリマーの水添率は98%であった。この水添ブロック共重合体をH−4とする。
【0074】
実施例10
10リットルのオートクレーブに脱気・脱水したシクロヘキサン5kg、ブタジエン300gを仕込んだのち、テトラヒドロフラン0.25gおよびn−ブチルリチウム1.00gを加え重合温度を70℃として重合を開始した。重合転化率がほぼ100%となったのち、反応液を20℃に冷却し、プロピレングリコールジエチルエーテル0.62g、1,3−ブタジエン700gを加え、昇温重合を行った。さらに重合転化率がほぼ100%となったのち、メチルジクロロシラン0.72g添加して20分間反応させた。
【0075】
重合が完結した後、リビングLi量を測定したところ、1.5ミリモルであった。この系内にベンゾフェノン0.27gを添加し、10分間撹拌した。ポリマー液の色の変化から、リビングアニオンとして生きているポリマー末端リチウムがないことを確認した。
【0076】
次に、20mlのシクロヘキサンに溶かしたベンゾフェノン3.72gとn−ブチルリチウム1.31gを窒素雰囲気下であらかじめ10分間反応させた反応生成物を仕込み、さらにビス(シクロペンタジエニル)チタニウムジクロライド0.52gと10mlのトルエンに溶かした1.89gのジエチルアルミニウムクロライドを窒素雰囲気下であらかじめ混合した成分をオートクレーブ内に仕込み撹拌した。水素ガスを8kg/cm2Gの圧力で供給し、90℃で1.5時間水素添加反応を行った。
【0077】
得られた水添ポリマーの水添率は98%であった。この水添ブロック共重合体をH−5とする。
【0078】
【表2】
【0079】
比較例1
2段目ブタジエン重合時のプロピレングリコールエチルプロピルエーテルに変えてテトラヒドロフランを10000ppm添加する以外は実施例2と同様の方法で行った。得られたポリマーの重量平均分子量は27.1万であった。1段目ブタジエン重合時のブタジエン部分の1,2−ビニル結合含量は14.5%であった。トータルのブタジエン部分の1,2−ビニル結合含量が60.5%であるため2段目ブタジエン重合時のブタジエン部分の1,2−ビニル結合含量は79.5%であった。このブロック共重合体をI−1とする。
【0080】
比較例2
10リットルのオートクレーブに脱気・脱水したシクロヘキサン5kg、ブタジエン300gを仕込んだのち、プロピレングリコールエチルプロピルエーテル0.05gおよびn−ブチルリチウム1.00gを加え重合温度を70℃として重合を開始した。重合転化率がほぼ100%となったのち、反応液を20℃に冷却し、プロピレングリコールエチルプロピルエーテル6.87g、1,3−ブタジエン700gを加え、昇温重合を行った。さらに重合転化率がほぼ100%となったのち、メチルジクロロシラン0.72g添加して20分間反応させた。
【0081】
得られたポリマーの重量平均分子量は27万であった。1段目ブタジエン重合時のブタジエン部分の1,2−ビニル結合含量は18.5%であった。トータルのブタジエン部分の1,2−ビニル結合含量が61.3%であるため2段目ブタジエン重合時のブタジエン部分の1,2−ビニル結合含量は79.6%であった。カップリング率は79%であった。このブロック共重合体をI−2とする。
【0082】
比較例3
10リットルのオートクレーブに脱気・脱水したシクロヘキサン5kg、ブタジエン300gを仕込んだのち、n−ブチルリチウム1.00gを加え重合温度を70℃として重合を開始した。60分後、重合転化率がほぼ100%となった。反応液を20℃に冷却し、プロピレングリコールエチルプロピルエーテル6.87g、1,3−ブタジエン700gを加え、昇温重合を行った。さらに重合転化率がほぼ100%となったのち、メチルジクロロシラン0.72g添加して20分間反応させた。
【0083】
得られたポリマーの重量平均分子量は27万であった。1段目ブタジエン重合時のブタジエン部分の1,2−ビニル結合含量は10.5%であった。トータルのブタジエン部分の1,2−ビニル結合含量が62.0%であるため2段目ブタジエン重合時のブタジエン部分の1,2−ビニル結合含量は79.0%であった。カップリング率は81%であった。このブロック共重合体をI−3とする。
【0084】
【表3】
【0085】
実施例1〜5は、本発明の共役ジエン系ブロック共重合体であり、ビニル調節が目標のビニルの±1.5%以内で製造できた。実施例6〜10は実施例1〜5と同様の方法で得た共役ジエン系ブロック共重合体の水素添加品であり直鎖状エーテル化合物の量に関係なく高水添率が得られた。
【0086】
比較例1は、2段目ブタジエン重合時に本発明の範囲外のO原子を1個含む環状エーテルのみの例であり、分子中に二つ以上の酸素原子を含む直鎖状エーテル化合物を使用したときより7倍の量を必要とし、重合溶媒からの分離に時間を要する。
【0087】
比較例2は1段目ブタジエン重合時に本発明の範囲外の分子中に二つ以上の酸素原子を含む直鎖状エーテル化合物を用いたときの例である。1段目ビニル値が目標通りに得られなかった。
【0088】
比較例3は1段目ブタジエン重合時に分子中にO原子を1個含む環状エーテル化合物を添加しなかった例であり、1段目ビニル値が目標通りに得られなかった。
Claims (8)
- 主として共役ジエン重合単位からなる重合体ブロックを含有する共役ジエン系ブロック共重合体の製造方法であって、主として共役ジエンからなるモノマーを、炭化水素溶媒中、有機リチウム化合物からなる触媒および分子中に1つの酸素原子を含む環状エーテル化合物の存在下に、重合せしめて主として共役ジエン重合単位からなる重合体ブロックを生成せしめ、次いで反応系に主として共役ジエンからなるモノマーと分子中に2つ以上の酸素原子を含む直鎖状エーテル化合物を添加して上記重合体ブロック分子中に1つの酸素原子を含む環状エーテル化合物および分子中に2つ以上の酸素原子を含む直鎖状エーテル化合物の存在下に上記主として共役ジエンからなるモノマーを重合せしめる、ことを特徴とする共役ジエン系ブロック共重合体の製造方法。
- 請求項1に記載の方法で得られた共役ジエン系ブロック共重合体を水素添加せしめることを特徴とする水添ジエン系ブロック共重合体の製造方法。
- 分子中に1つの酸素原子を含む環状エーテル化合物および分子中に2つ以上の酸素原子を含む直鎖状エーテル化合物のそれぞれを、使用する炭化水素溶媒に対する重量基準で、5ppm〜1%および1〜3,000ppmで存在させる、請求項1に記載の方法。
- 分子中に1つの酸素原子を含む環状エーテル化合物および分子中に2つ以上の酸素原子を含む直鎖状エーテル化合物のそれぞれを、使用する炭化水素溶媒に対する重量基準で、5〜5,000ppmおよび1〜2,000ppmで存在させる請求項1に記載の方法。
- 分子中に1つの酸素原子を含む環状エーテル化合物がテトラヒドロフランである請求項1、3または4に記載の方法。
- 分子中に2つ以上の酸素原子を含む直鎖状エーテル化合物がプロピレングリコールジエチルエーテルおよび/またはプロピレングリコールエチルプロピルエーテルである請求項1、3または4に記載の方法。
- 分子中に1つの酸素原子を含む環状エーテル化合物がテトラヒドロフランでありそして分子中に2つ以上の酸素原子を含む直鎖状エーテル化合物がプロピレングリコールエチルプロピルエーテルである請求項1、3または4に記載の方法。
- 下記式
A−B−C、(C−B)nXまたは(C−B−A)mX
ここで、Aは主としてビニル芳香族炭化水素重合単位からなる重合体ブロックであり、Bは主として共役ジエン重合単位からなり且つビニル含量が30〜80重量%である重合体ブロックであり、Cは主として共役ジエン重合単位からなり且つビニル含量が25重量%以下である重合体ブロックであり、nおよびmは1〜10の数であり、そしてXはカップリング剤もしくは変性剤の残基である、但しA、BおよびCのブロックの境界は必ずしも明瞭に区別されるものではない、
で表わされる共役ジエン系ブロック共重合体を製造する請求項1に記載の方法。
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