JP4474787B2 - 可変抵抗器 - Google Patents

可変抵抗器 Download PDF

Info

Publication number
JP4474787B2
JP4474787B2 JP2001102878A JP2001102878A JP4474787B2 JP 4474787 B2 JP4474787 B2 JP 4474787B2 JP 2001102878 A JP2001102878 A JP 2001102878A JP 2001102878 A JP2001102878 A JP 2001102878A JP 4474787 B2 JP4474787 B2 JP 4474787B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
rotor
slider
contact
contact arm
main body
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2001102878A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2002299108A (ja
Inventor
文年 増田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Murata Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Murata Manufacturing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Murata Manufacturing Co Ltd filed Critical Murata Manufacturing Co Ltd
Priority to JP2001102878A priority Critical patent/JP4474787B2/ja
Publication of JP2002299108A publication Critical patent/JP2002299108A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4474787B2 publication Critical patent/JP4474787B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は補聴器、計測器、通信機器、センサその他の産業機器などに使用される可変抵抗器、特に小型の可変抵抗器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、上面に集電電極とこの集電電極を中心とする円弧状の抵抗体とが形成された基板と、基板の上面に回動可能に配置されたロータと、ロータの下面に取り付けられる本体部と、上記集電電極に接する第1コンタクトアームと、上記抵抗体に接する第2コンタクトアームとを一体に形成した摺動子と、上記基板、ロータおよび摺動子を収容し、ロータを回転可能に保持するケースとを備えた可変抵抗器が提案されている(例えば特開平11−238607号公報)。
この種の可変抵抗器では、電気的な接点を構成する摺動子と基板の集電電極および抵抗体が密閉されたケース内に収容されるので、外部からの湿気や実装時のフラックスなどの侵入を防止でき、信頼性の高い可変抵抗器を構成できる。
【0003】
ところで、可変抵抗器も小型化が要求され、2mm×2mm程度の小型の可変抵抗器が実現されている。このような小型の可変抵抗器では、当然ながらケースの中に収容される摺動子はさらに小さくなる。しかし、摺動子は個別部品であるから、ロータに回転方向の位置合わせを行って精度よく組み付けるには、1個ずつピンセットなどでつまんで組み付ける必要があり、手間がかかるという問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、複数の摺動子を1枚の金属板から連結部を介して連続体に連結された状態で形成し、この連結部に折曲切離容易部を形成し、摺動子を連続体に連結した状態で抵抗基板に取り付けた後、折曲切離容易部によって連続体から切離して構成した可変抵抗器が提案されている(実開昭56−34302号公報)。
この場合には、複数の摺動子を所定ピッチ間隔で連続的に形成しておき、これら摺動子を複数個並べた抵抗基板に取り付けた後に、切り離せばよいので、摺動子の自動組立が可能となる。上記構造を摺動子をロータに取り付ける場合に適用すれば、組立精度および組立性に優れた可変抵抗器を実現できる。
【0005】
ところで、ロータの下面に環状の壁部を突設し、これら壁部を基板の上面に接触させることで、摺動子のコンタクトアームの撓み代を規制したり、あるいは、上記壁部と基板の上面との間にパッキングを介装し、両者の間をシールすることで、電気的接点を構成する第1コンタクトアームと集電電極、および第2コンタクトアームと抵抗体との接点の劣化を防止するものがある。このようにロータの下面に環状の壁部を形成すると、壁部の内側に摺動子の本体部が取り付けられるので、切離容易部の位置によっては、その切れ残り部分が壁部より突出して基板に接触する可能性がある。そのため、基板の抵抗体を損傷したり、電気的特性が変化するという問題が発生する。
【0006】
そこで、本発明の目的は、摺動子を連続体から連結部を介して一体に形成し、これをロータと組み付けた状態で連結部を切り離すことで組立性を向上させるとともに、切離しを容易にし、かつ切れ残り部分が基板と干渉するのを防止できる可変抵抗器を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的は請求項1に記載の発明によって達成される。すなわち、請求項1に記載の発明は、上面に集電電極とこの集電電極を中心とする円弧状の抵抗体とが形成された基板と、基板の上面に回動可能に配置されたロータと、ロータの下面に取り付けられる本体部と、上記集電電極に接する第1コンタクトアームと、上記抵抗体に接する第2コンタクトアームとを一体に形成した摺動子と、上記基板、ロータおよび摺動子を収容し、ロータを回転可能に保持するケースとを備えた可変抵抗器において、上記ロータの下面で、かつ摺動子取付部より外周側に環状の壁部が設けられ、上記摺動子の本体部は連結部を介して連続体に一定間隔で連結された状態に形成され、上記連結部はロータの壁部を迂回するように段差状に折り曲げられ、上記連結部の本体部との近傍部であって、上記環状の壁部より内側の部位に、折り曲げることにより容易に切離される切離容易部が形成されていることを特徴とする可変抵抗器を提供する。
【0008】
この可変抵抗器を組み立てる場合には、まず1枚の金属板から複数の摺動子を一定間隔で連続的に打ち抜き形成する。摺動子には、本体部と第1,第2コンタクトアームとが形成され、本体部は連続体と連結部を介して連結されている。連結部の本体部との近傍部には、折り曲げることにより容易に切離される切離容易部が形成されている。
次に、摺動子の本体部を連続体に連結した状態のままロータの下面に取り付ける。ロータの下面には環状の壁部が形成されているので、摺動子をこの壁部の内側の領域に取り付けるため、連続体と本体部とをつなぐ連結部は、壁部を迂回するように段差状に折り曲げられている。このように摺動子を連続体に連結した状態のままロータに取り付けることができるので、摺動子をロータに対して自動組立することが可能となり、小型の摺動子でも組立性が向上する。
摺動子をロータに取り付けた後、切離容易部で連結部を切り離すことにより、摺動子はロータに組み付けられる。もし、金型などを用いて連結をカットした場合には、その切れ残り部がロータの環状壁部より外方へ突出し、基板やケースと干渉する可能性がある。これに対し、本発明では、切離容易部が、連結部の本体部との近傍部であって、環状壁部より内側の部位に形成されているので、切離容易部の切れ残り部は環状壁部の内側に残り、壁部より下方へ突出することがない。そのため、摺動子を取り付けたロータを基板とともにケースの中に収容したとき、切れ残り部が基板に接触することがなく、信頼性の高い可変抵抗器を得ることができる。
【0009】
請求項2のように、第1コンタクトアームおよび第2コンタクトアームは、本体部の異なる部位から半径方向外方へ延び、かつ本体部の下方へ折り返されたものとするのがよい。
小型の可変抵抗器の場合、集電電極および抵抗体に接触する摺動子のコンタクトアームのばね性が問題となる。摺動子のばね力が不足すると、長期間の間に接触信頼性が低下し、所望の特性が得られなくなる。そこで、集電電極に接触する第1コンタクトアームと抵抗体に接触する第2コンタクトアームとを摺動子の本体部から外方へ突設し、これらコンタクトアームを本体部の下方へ折り返すことにより、小型の摺動子でもコンタクトアームのばね性を確保することができる。
【0010】
請求項3のように、第1コンタクトアームは、本体部から半径方向外方へ略直線状に延び、かつその先端部に単一の接点部が形成されており、第2コンタクトアームは、本体部から半径方向外方へ略円弧状に延び、かつその先端部に複数の接点部が形成されている構成としてもよい。
抵抗体に摺接する第2コンタクトアームの形状として、例えば特開平11−238607号のように、両端支持構造としてもよいが、幅狭とする関係で、抵抗体と多点で接触させることが難しい。そこで、請求項3では第2コンタクトアームを円弧状に形成するとともに、その先端部に複数の接点部を形成し、これを本体部の下方へ折り曲げることにより、マルチコンタクト型の摺動子を構成している。この場合には、第2コンタクトアームが片持ち構造のため、ばね係数を低くでき、しかもマルチコンタクト型のため、接触安定性が高い。一方、第1コンタクトアームは集電電極とほぼ一点で接触するので、ばね係数が高くても問題がなく、そのためほぼ直線形状としてある。
【0011】
請求項4のように、連結部は折り返し前の第1コンタクトアームと平行に延び、当該アームを形成するための抜き部を介してその両側に形成され、第1コンタクトアームおよび第2コンタクトアームが本体部に対して下方へ折り返された後、摺動子の本体部は連続体に連結された状態でロータに取り付けられ、その後上記連結部が切り離されるようにしてもよい。
摺動子を構成する金属板は非常に薄く、かつばね性を有するので、摺動子の支持強度が低く、位置が安定しない。そのため、ロータに組み付ける際の組立精度が悪化しやすい。請求項4では、連結部が2本設けられ、しかも第1コンタクトアームとほぼ平行に延びるので、第1コンタクトアームは勿論、第2コンタクトアームとも干渉せずに、短い連結部を介して摺動子を連結することができる。そのため、連結部の支持強度が高くなり、摺動子をロータと組み付ける際の組立精度が高くなる。
【0012】
請求項5のように、第1コンタクトアームを形成するための抜き部を、連結部より長くし、連続体の位置まで伸びるようにするのがよい。
これによって、連結部の長さを一層短くでき、支持強度が向上する。
【0013】
請求項6のように、ロータの壁部は環状のパッキングを介して基板の上面の抵抗体より外周部に接しているのがよい。
すなわち、可変抵抗器は、外部からの湿気やはんだフラックスの侵入を防止できるよう、電気接点部分をシールする必要があるが、請求項6のようにロータに形成した環状壁部と基板の上面との間にパッキングを介装すれば、集電電極と第1コンタクトアームとの接触部、および抵抗体と第2コンタクトアームの接触部を外部からシールすることができ、信頼性が向上する。
【0014】
請求項7のように、ロータの下面には複数の突起が形成され、摺動子の本体部には上記突起が嵌合する複数の穴が形成され、摺動子の穴をロータの突起に嵌合させた状態で、少なくとも1つの突起をカシメることにより、摺動子をロータの下面に固定するのがよい。
摺動子をロータの下面に固定する方法として、接着剤などを用いてもよいが、カシメであれば、固定強度が高く、しかも接着剤が接点部などに付着することもないので、信頼性が高くなる。
【0015】
【発明の実施の形態】
図1〜図8は本発明にかかる可変抵抗器の一例を示す。
この可変抵抗器は、ケース1、抵抗基板10、パッキング20、リード端子30、ロータ40、摺動子50および金属カバー60などで構成されている。
【0016】
ケース1は、はんだ付けの熱に耐え、高温雰囲気で安定動作を可能にするため、例えば46ナイロン等の耐熱性の高いポリアミド系やポリフェニレンサルファイド、ポリブチレンテレフタレート、液晶ポリマー等の熱可塑性樹脂、あるいはエポキシ、ジアリルフタレート、不飽和ポリエステル等の熱硬化性樹脂にて製作される。ケース1は上下両方向に開口する筒形に形成され、上部には円形の上部開口部2が、下部には角形の下部開口部3がそれぞれ形成されている。ケース1の内面で、かつ上下方向の中間部には、ロータ40と抵抗基板10との間にパッキング20を配置するための一定の隙間を確保する環状のスペーサ部4が突設されている。また、ケース1の対向する2つの外側面にはガイド溝5が形成されている。
【0017】
ケース1の下部開口部3には抵抗基板10が嵌合されている。抵抗基板10は、例えばアルミナ等のセラミック材料やポリフェニレンサルファイド,液晶ポリマー等の耐熱性樹脂で角板状に形成されている。図5に示すように、抵抗基板10の上面には、例えばサーメット抵抗やカーボン抵抗よりなる略C字形の抵抗体11がスクリーン印刷や転写等の方法によって形成されている。抵抗体11の両端部は、基板10上に形成された個別電極12,13を介して基板10の一方の側縁に引き出されている。また、基板10の上面には抵抗体11の中心位置に位置する集電電極14が形成され、この集電電極14は基板10の他方の側縁へ引き出されている。抵抗基板10の上面はケース1の内面に形成されたスペーサ部4の下面に当接することで、嵌合深さが規定されている(図3,図4参照)。
【0018】
抵抗基板10の上面には、はんだ付けの熱や使用温度の変化に対し安定したパッキング効果を発揮するとともに電気的絶縁性に優れたパッキング20が環状に形成されている。具体的には、シリコーンゴムやフッ素ゴム、フロロシリコーンゴムなどが抵抗基板10の上面でかつ抵抗体11の周囲を取り囲むように、直接塗布され、硬化されている。
【0019】
抵抗基板10の個別電極12,13および集電電極14が引き出された両側縁部には、3本のリード端子30,31,32が溶接,ヒータチップによる熱圧着,はんだ付け等により取り付けられ、電極12,13,14と電気的に接続されている。特に、リード端子32は二股状に形成され、集電電極14の引出し部に2箇所で接続されている。リード端子30〜32の外部接続部30a〜32aは、ケース1のガイド溝5が設けられた側面とは異なる面から引き出されており、ケース1の外側面に沿って上方へ折り曲げられている。外部接続部30a〜32aを折り曲げやすくするため、外部接続部には穴30b〜33bが形成されている。なお、外部接続部30a〜32aを折り曲げずに水平方向に引き出してもよい。
【0020】
ロータ40は、例えばポリフェニレンサルファイド,液晶ポリマー等の耐熱性樹脂によって略円柱形状に形成されており、ケース1の上部開口部3に回転可能に嵌合される。ロータ40の上面中央部には円柱形のボス部41が突設され、このボス部41上面にドライバなどの工具が係合する十字状の工具係合溝42が形成されている。ボス部41の外周には環状溝43が形成され、環状溝43の所定位置にストッパ44が形成されている。ロータ40の下面中央部には位置決め用突起45が突設され、下面の偏心位置には回り止め用突起46(図6参照)が突設されている。さらに、ロータ40の下面には、上記突起45,46を取り囲むように環状壁部47が突設されている。この環状壁部47は抵抗基板10上に形成されたパッキング20に接触し、ロータ40と抵抗基板10との間に密閉空間21(図3,図4参照)を形成する役割を有する。特に、ロータ40をケース1の上部開口部3に嵌合させたとき、ロータ40の下面がケース1のスペーサ部4の上面に当接することで、ロータ40と抵抗基板10との間隔が一定になり、後述する摺動子50およびパッキング20の圧縮代が一定になる。
【0021】
摺動子50は、バネ性と導電性とに優れた材料、例えば銅合金、不錆鋼、貴金属系合金などによって製作され、その上側には略円盤状のベース部(本体部)51が設けられている。ベース部51には、図8に示すようにロータ40の突起45,46と嵌合する穴52,53が形成され、摺動子50はロータ40に対して回り止めされて取り付けられる。なお、この実施例では摺動子50の穴52,53をロータ40の突起45,46に嵌合させた後、突起46をカシメ(例えば熱カシメ)ることで、摺動子50を固定してある。ベース部51の外周部には、略直線状の第1コンタクトアーム54と円弧状の第2コンタクトアーム55とが一体に形成され、これらコンタクトアーム54,55はベース部51の下面側に折り返されている。第1コンタクトアーム54の先端部には抵抗基板10の集電電極14に弾性的に接触する単一の接点部54aが形成されている。第2コンタクトアーム55の先端部は櫛歯状に別れており、その先端部に抵抗基板10の抵抗体11と弾性的に摺接する複数の接点部55aが形成されている。なお、図8において、二点鎖線はコンタクトアーム54,55の自由位置を示し、実線は抵抗基板10に圧接したときの位置を示す。
なお、摺動子50は1枚の金属板から複数個連結した状態で打ち抜かれ、ロータ40に取り付けられた後、切り離される。その組付方法については、図9〜図14を参照して後述する。
【0022】
金属カバー60は防錆効果および非はんだ濡れ性を持つステンレススチールや洋白などの銅合金で製作されている。カバー60には、ケース1の上面に配置されてロータ40の浮き上がりを規制する天板部61が設けられ、その中央にロータ40の円柱状ボス部41が露出する円形の窓穴62が形成されている。窓穴62の内縁部63は下方へ折り曲げられており、ロータ40の環状溝43に挿入されている。内縁部63の一部には下方へ長く突出するストッパ片64が形成され、このストッパ片64が環状溝43のストッパ部44に当たることでロータ40の回転角度が規制される。天板部61の両側部には同一幅のスカート部65が延設され、このスカート部65の下縁から舌片状の脚部66が下方へ突設されている。カバー60をケース1に被せた時、脚部66はケース1のガイド溝5に係合し、ケース1の底面より下方へ突出する。そこで、脚部66の先端部をケース1の底面に沿って内側へ折り曲げることで、カバー60はケース1に取り付けられる。この実施例では、脚部66を内側に折り曲げやすくするため、脚部66には穴67が形成されている。
【0023】
ここで、上記摺動子50の製造方法およびロータ40への組付方法について、図9〜図14を参照して説明する。
図9は一枚の金属板から連続体部56と摺動子50とを連結部57を介して連結した状態で打ち抜いた状態を示す。連続体部56にはパイロット穴56aが一定ピッチPで形成され、このピッチPと同一間隔で複数の摺動子50が形成されている。連結部57は折り返し前の第1コンタクトアーム54とほぼ平行に延び、このアーム54を形成するための抜き部58を介してその両側に形成されている。抜き部58は、連結部57より長く、かつ連続体部56の中まで延びている。また、第2コンタクトアーム55は、第1コンタクトアーム54および連結部57に対してほぼ直交方向に延びている。
【0024】
図10は、図9における破線L1,L2にそって、第1コンタクトアーム54と第2コンタクトアーム55とをベース部51の下面側に折り返した状態を示す。このとき、第1コンタクトアーム54の接点部54aがベース部51のほぼ中心部に位置し、第2コンタクトアーム55の外周縁がベース部51の外周縁にほぼ一致する。
【0025】
図11は、図10における破線L3,L4にそって、連結部57を段差状に折り曲げた状態を示す。連結部57の段差Hは、環状壁部47を迂回するように、ロータ40の環状壁部47の高さより高く形成されている。なお、連結部57を折り曲げた際に、ベース部51近傍の折り曲げ部の外面に、図12に示すようなウイークポイント(切離容易部)57aが形成される。このウイークポイント57aは、折り曲げることにより容易に切離されるよう薄肉に形成されている。ウイークポイント57aは、図12の(a)のようなノッチ形状であってもよいし、図12の(b)のような半せん断形状でもよい。
【0026】
図13は、上記のように形成した摺動子50を、連続体部56に連結された状態でロータ40に取り付ける状態を示す。このとき、ベース部51はロータ40の下面、特に環状壁部47によって囲まれた内側部に配置され、ベース51に形成された穴52,53がロータ40の突起45,46に嵌合される。そして、突起46をカシメることで、摺動子50はロータ40に固定される。
【0027】
図14は、ロータ40に固定された摺動子50を、連続体部56から切り離すため、連結部57を板厚方向に複数回折り曲げを行う状態を示す。上記のように、連結部57のベース部51の近傍部にウイークポイント57aが形成されているので、このウイークポイント57aで連結部57は容易に破断される。破断後の端部は、環状壁部47の内側に位置しており、環状壁部47より下方へ突出する恐れがないので、後述するように抵抗基板10とともにケース1に組み込まれた際、破断後の端部が抵抗基板10と接触する恐れがない。
【0028】
次に、上記実施例よりなる可変抵抗器の組立方法を説明する。
まず、ケース1の下部開口部3に抵抗基板10を嵌合させる。抵抗基板10には事前にリード端子30〜32を取り付けるとともに、パッキング20を塗布しておく。次に、ケース1の上部開口部2にロータ40を嵌合させる。このとき、ロータ40の下面には摺動子50が取り付けられているので、ロータ40はケース1から浮き上がった位置にある。
【0029】
次に、上方より金属カバー60をケース1に被せ、カバー60の脚部66をケース1の側面のガイド溝5によって挿入する。そして、ケース1の下端面より下方へ突出した脚部66を内側へ折り曲げることで、脚部66をケース1の下面に係止させる。これによって、カバー60の天板部61がロータ40の上面を押え、ロータ40の下面をスペーサ部4の上面に当接またはほぼ当接状態とするとともに、脚部66が抵抗基板10の底面を支え、抵抗基板10の上面をスペーサ部4の下面に押し付ける。そのため、ケース1に対してロータ40、抵抗基板10などの各部品が一体的に組み付けられるとともに、ロータ40と抵抗基板10の間隔がほぼ一定に維持され、摺動子50およびパッキング20の圧縮代が一定になる。すなわち、パッキング20のシール圧が一定となることで、シール性のバラツキを解消できるとともに、摺動子50のばね圧も一定となり、安定した電気的特性が得られる。
【0030】
こうして組み立てられた可変抵抗器は、ロータ40の工具係合溝42にドライバの先端部を係合させてロータ40を回動させることにより、中心接点部54aが集電電極14に接触したまま、摺動接点部55aが抵抗体11上を摺動する。そのため、端子30と端子32との間の抵抗値あるいは端子31と端子32との間の抵抗値を変化させることができる。そして、所望の位置でロータ40を停止させれば、パッキング20の摩擦力によってロータ40の回転が規制されるので、抵抗体11と摺動接点部55aとの接触位置のずれが抑えられ、抵抗値が安定する。
【0031】
なお、本発明にかかる可変抵抗器は上記実施例に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々に変更することができる。
上記実施例では、抵抗基板10上にパッキング20を取り付ける例を示したが、これに限らず、例えばロータ40の環状壁部47の下端部にOリングを嵌合保持させ、このOリングを抵抗基板10に対して圧接させることでシールしてもよい。
また、ロータ40の環状壁部47と基板10との間に、必ずしもシール部材を介装する必要はなく、摺動子50のコンタクトアーム54,55の撓み代を規制するため、環状壁部47が基板10の表面に直接接触してもよい。
上記実施例では、抵抗基板10にリード端子30〜32を固定し、表面実装型の可変抵抗器を構成したが、リード端子を下方へ突出させ、リード端子付きの可変抵抗器としてもよい。また、電極12〜14を基板10の底面側まで引き出すことにより、リード端子を省略してもよい。
さらに、ロータ40に形成した工具係合溝42は十字状に限らず、マイナス状であってもよい。
【0032】
【発明の効果】
以上の説明で明らかなように、請求項1に記載の発明によれば、摺動子を連続体から連結部を介して一体に形成し、これをロータに取り付けた状態で連結部を切り離すようにしたので、小型の可変抵抗器であっても、組立性が向上し、組立精度も向上する。
また、連結部に設けた切離容易部で折り返すことにより、連結部を簡単に切り離すことができるので、工程が簡単になり、コストを低減できる。特に、切離容易部が段差状に折り曲げられた連結部の本体部との近傍部であって、ロータの環状壁部より内側の部位に形成されているので、切れ残り部が環状壁部より下方へ突出せず、基板と干渉するのを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる可変抵抗器の一例の分解斜視図である。
【図2】図1の可変抵抗器の平面図,正面図および底面図である。
【図3】図2のX−X線断面図である。
【図4】図2のY−Y線断面図である。
【図5】抵抗基板の平面図である。
【図6】ロータの平面図,Z−Z断面図および底面図である。
【図7】ロータに摺動子を取り付けた状態の底面図である。
【図8】摺動子の平面図,正面図,左側面図および右側面図である。
【図9】摺動子を連続体部と連結状態で形成した状態の正面図および側面図である。
【図10】摺動子のコンタクトアームを折り返した状態の正面図および側面図である。
【図11】摺動子の連結部を段差状に折り曲げた状態の正面図および側面図である。
【図12】切離容易部の2つの例の拡大側面図である。
【図13】摺動子をロータに組み付けた状態の正面図および側面図である。
【図14】摺動子の連結部を切り離す状態の正面図および側面図である。
【符号の説明】
1 ケース
10 抵抗基板
11 抵抗体
14 集電電極
20 パッキング
40 ロータ
47 環状壁部
50 摺動子
51 ベース部(本体部)
54 第1コンタクトアーム
55 第2コンタクトアーム
56 連続体部
57 連結部
58 抜き部
60 金属カバー

Claims (7)

  1. 上面に集電電極とこの集電電極を中心とする円弧状の抵抗体とが形成された基板と、
    基板の上面に回動可能に配置されたロータと、
    ロータの下面に取り付けられる本体部と、上記集電電極に接する第1コンタクトアームと、上記抵抗体に接する第2コンタクトアームとを一体に形成した摺動子と、
    上記基板、ロータおよび摺動子を収容し、ロータを回転可能に保持するケースとを備えた可変抵抗器において、
    上記ロータの下面で、かつ摺動子取付部より外周側に環状の壁部が設けられ、
    上記摺動子の本体部は連結部を介して連続体に一定間隔で連結された状態に形成され、
    上記連結部はロータの壁部を迂回するように段差状に折り曲げられ、
    上記連結部の本体部との近傍部であって、上記環状の壁部より内側の部位に、折り曲げることにより容易に切離される切離容易部が形成されていることを特徴とする可変抵抗器。
  2. 第1コンタクトアームおよび第2コンタクトアームは、本体部の異なる部位から半径方向外方へ延び、かつ本体部の下方へ折り返されたものであることを特徴とする請求項1に記載の可変抵抗器。
  3. 上記第1コンタクトアームは、本体部から半径方向外方へ略直線状に延び、かつその先端部に単一の接点部が形成されており、
    上記第2コンタクトアームは、本体部から半径方向外方へ略円弧状に延び、かつその先端部に複数の接点部が形成されていることを特徴とする請求項2に記載の可変抵抗器。
  4. 上記連結部は折り返し前の第1コンタクトアームとほぼ平行に延び、当該アームを形成するための抜き部を介してその両側に形成され、
    上記第1コンタクトアームおよび第2コンタクトアームが本体部に対して下方へ折り返された後、上記摺動子の本体部は連続体に連結された状態でロータに取り付けられ、その後上記連結部が切り離されることを特徴とする請求項2または3に記載の可変抵抗器。
  5. 第1コンタクトアームを形成するための抜き部は、連結部より長く、かつ連続体の中まで延びていることを特徴とする請求項4に記載の可変抵抗器。
  6. 上記ロータの壁部は環状のパッキングを介して基板の上面の抵抗体より外周部に接していることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の可変抵抗器。
  7. 上記ロータの下面には複数の突起が形成され、
    上記摺動子の本体部には上記突起が嵌合する複数の穴が形成され、
    上記摺動子の穴をロータの突起に嵌合させた状態で、少なくとも1つの突起をカシメることにより、摺動子はロータの下面に固定されていることを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の可変抵抗器。
JP2001102878A 2001-04-02 2001-04-02 可変抵抗器 Expired - Fee Related JP4474787B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001102878A JP4474787B2 (ja) 2001-04-02 2001-04-02 可変抵抗器

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001102878A JP4474787B2 (ja) 2001-04-02 2001-04-02 可変抵抗器

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2002299108A JP2002299108A (ja) 2002-10-11
JP4474787B2 true JP4474787B2 (ja) 2010-06-09

Family

ID=18956017

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001102878A Expired - Fee Related JP4474787B2 (ja) 2001-04-02 2001-04-02 可変抵抗器

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4474787B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007134682A (ja) * 2005-10-14 2007-05-31 Murata Mfg Co Ltd 可変抵抗器
JPWO2016067769A1 (ja) * 2014-10-31 2017-07-27 株式会社村田製作所 回転型可変抵抗器およびその製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2002299108A (ja) 2002-10-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3557978B2 (ja) 可変抵抗器
US4430634A (en) Rotary potentiometer with molded terminal package
KR100718787B1 (ko) 액면검출장치
KR100287482B1 (ko) 가변저항기
JP4474787B2 (ja) 可変抵抗器
JP4174222B2 (ja) 回転型センサ
JPH0571161B2 (ja)
JP4945848B2 (ja) 可変抵抗器
JP4170023B2 (ja) 回転型センサ
US6744347B2 (en) Variable resistor
JP3367844B2 (ja) 可変抵抗器
JP3458779B2 (ja) 可変抵抗器
JP3367787B2 (ja) 可変抵抗器
JPH11345706A (ja) 回転操作型可変抵抗器およびその製造方法
JP2531012B2 (ja) 可変抵抗器
JP3823442B2 (ja) 可変コンデンサ
US6933830B2 (en) Variable resistor
JPS6244496Y2 (ja)
JPS603526Y2 (ja) 可変抵抗器
JPS61133606A (ja) 可変抵抗器
JPH0756844B2 (ja) 可変抵抗器
JP3510078B2 (ja) 電気部品
JP3764802B2 (ja) 可変抵抗器
JP3667486B2 (ja) 摺動板の取付構造
JPH0756845B2 (ja) 可変抵抗器

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20071029

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100205

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100216

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100301

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4474787

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130319

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130319

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140319

Year of fee payment: 4

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees