JP4474679B2 - グリース組成物及び軸受 - Google Patents
グリース組成物及び軸受 Download PDFInfo
- Publication number
- JP4474679B2 JP4474679B2 JP2004018396A JP2004018396A JP4474679B2 JP 4474679 B2 JP4474679 B2 JP 4474679B2 JP 2004018396 A JP2004018396 A JP 2004018396A JP 2004018396 A JP2004018396 A JP 2004018396A JP 4474679 B2 JP4474679 B2 JP 4474679B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- mass
- grease composition
- content
- succinic acid
- bearing
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Rolling Contact Bearings (AREA)
- Lubricants (AREA)
Description
上記のような条件下で使用されるグリースとして、高粘度精製鉱油を基油としたウレアグリースに有機系の防錆剤を添加したものが知られている(例えば、特許文献1〜3参照)。この場合、有機系の防錆剤が金属表面に吸着して水と酸素が金属に直接接触するのを防ぐことにより錆の発生を防止している。
しかしながら、連続鋳造設備のような腐食性のイオンを含む水が多量にグリース中に混入し、長期間軸受が放置される場合には、従来のグリースでは軸受の錆発生を抑えることができず、錆による軸受廃却率は大きな割合を占めている。
本発明の他の目的は、このようなグリース組成物を封入した防錆性に優れた軸受を提供することである。
1.下記の成分を含有するグリース組成物。
(a) 基油、
(b) 次式(1)で表されるジウレア系増ちょう剤、
(1) R1NH-CO-NH-C6H4-CH2-C6H4-NH-CO-NHR2
(式中、R1及びR2 は同一もしくは異なる、炭素原子数6〜30のアルキル基、炭素原子数6又は7のアリール基もしくはシクロヘキシル基である)
(c) 金属スルホネート、
(d) コハク酸及びコハク酸誘導体からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物、
(e) ナフテン酸塩、及び
(f) 界面活性剤。
2.金属スルホネートの含有量が0.1〜5質量%である上記1記載のグリース組成物。
3.コハク酸及びコハク酸誘導体からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物の含有量が0.1〜5質量%である上記1又は2記載のグリース組成物。
4.ナフテン酸塩の含有量が0.1〜5質量%である上記1〜3のいずれか1項記載のグリース組成物。
5.界面活性剤の含有量が0.1〜5質量%である上記1〜4のいずれか1項記載のグリース組成物。
6.R1及びR2が、炭素原子数6〜30のアルキル基及び/又は炭素原子数6又は7のアリール基であり、金属スルホネートの含有量が0.1〜5質量%であり、コハク酸及びコハク酸誘導体からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物の含有量が0.1〜5質量%であり、ナフテン酸塩の含有量が0.1〜5質量%であり、界面活性剤の含有量が0.1〜5質量%である上記1〜5のいずれか1項記載のグリース組成物。
7.上記1〜6のいずれか1項記載のグリース組成物を封入してなる軸受。
8.製鉄設備軸受である上記7記載の軸受。
9.連続鋳造設備軸受である上記7記載の軸受。
本発明に使用する成分(b)のジウレア系増ちょう剤は次式(1)で表されるものである。
(1) R1NH-CO-NH-C6H4-CH2-C6H4-NH-CO-NHR2
式中、R1及びR2 は同一もしくは異なる、炭素原子数6〜30のアルキル基、炭素原子数6又は7のアリール基もしくはシクロヘキシル基である。
このようなジウレア系増ちょう剤は、オクチルアミン、ステアリルアミン、ドデシルアミン、ヘキサデシルアミン等のアルキルモノアミン、アニリン、p−トルイジン等のアリールモノアミン、シクロヘキシルアミン等のモノアミンとジフェニルメタン−4,4'−ジイソシアネートとの反応によって得られる。特に好ましい増ちょう剤は、R1及びR2が、炭素原子数6〜30のアルキル基及び/又は炭素原子数6又は7のアリール基である式(1)のジウレア系化合物である。
成分(b)のジウレア系増ちょう剤のグリース組成物中の含有量は、好ましくは2〜20質量%、さらに好ましくは3〜15質量%である。
成分(c)の金属スルホネートのグリース組成物中の含有量は、好ましくは0.1〜5質量%、さらに好ましくは0.5〜2.5質量%である。
成分(d)のコハク酸及びコハク酸誘導体のグリース組成物中の含有量は、好ましくは0.1〜5質量%、さらに好ましくは1〜3質量%である。
成分(e)のナフテン酸塩のグリース組成物中の含有量は、好ましくは0.1〜5質量%、さらに好ましくは1〜3質量%である。
成分(e)の界面活性剤のグリース組成物中の含有量は、好ましくは0.1〜5質量%、さらに好ましくは0.5〜2質量%である。
(b)成分、(c)成分、(d)成分、(e)成分、(f)成分の含有量が0.1質量%未満では目的とする効果の発現が不十分な場合があり、一方、5質量%より多くなると潤滑剤組成物が軟化し、かつ効果の増大はなく、経済性に欠ける。
(1) 実施例1〜8および比較例1〜11のグリース
容器に基油1316gとジフェニルメタン−4,4'−ジイソシアネート138gをとり、混合物を70〜80℃に加熱した。別容器に基油1400gとオクチルアミン146g及びアニリン20gをとり、70〜80℃に加熱後、先の容器に加えた。混合物をよく攪拌しながら、180℃まで昇温し、放冷し、ベースウレアグリースを得た。このベースウレアグリースに適宜基油を加え得られた混合物を三段ロールミルにてちょう度330に調整し、グリースAを得た。グリースAに表1及び2に示す配合で添加剤を添加し適宜基油を加え、得られた混合物を三段ロールミルにてちょう度350に調整した。
上記実施例及び比較例において、いずれもグリースの基油しては、以下の特性を有する鉱油を使用した。
粘度 40℃ 436.2mm2/s
100℃ 31.4mm2/s
比較例11は、市販の製鉄設備軸受用グリース(コハク酸誘導体を含有する)である。
1.軸受防錆試験
ASTM D 1743 の軸受防錆試験方法に用いる装置を使用して、グリース中に腐食水を30%含ませたものを試料として、軸受1000kgf・cmのトルクをかけ、温度80℃で48時間放置後、軸受の発錆状態を観察し、以下の基準により評価した。
#1:外輪レース面に発錆全くなし
#2:外輪レース面に小錆3点以内
#3:外輪レース面に小錆4点以上
IP220に準じて、規定の自動調心玉軸受(1306K)にグリース10gを充填する。回転数800rpmで30分間のならし運転後、20mlの腐食水を入れ、80rpmで8時間運転、16時間停止の操作を2回繰り返す。さらに8時間運転後108時間放置し、発錆状態を観察し、以下の基準により評価した。
0:発錆なし
1:発錆が3点以内
2:発錆が表面の1%未満
3:発錆が表面の1%〜5%未満
4:発錆が表面の5%〜10%未満
5:発錆が表面の10%以上
Cl-:150ppm、SO4 2-:150ppm、HCO3 -:150ppm、Na+:225ppm、F-:40ppm
結果を以下の表1及び表2に示す。表中の各成分の数値は質量%である。
界面活性剤:ノニオン系界面活性剤
これに対して成分(c)の金属スルホネートを含まない比較例1のグリース組成物、成分(d)のコハク酸誘導体を含まない比較例2〜4のグリース組成物、成分(e)のナフテン酸塩を含まない比較例5のグリース組成物、成分(f)の界面活性剤を含まない比較例6のグリース組成物は、防錆性が劣り、実用的ではない。
また、成分(c)〜(f)の2種以上を含まない比較例7〜10のグリース組成物及び比較例11の市販グリースの防錆性も劣っている。
Claims (9)
- 下記の成分を含有するグリース組成物。
(a) 基油、
(b) 次式(1)で表されるジウレア系増ちょう剤、
(1) R1NH-CO-NH-C6H4-CH2-C6H4-NH-CO-NHR2
(式中、R1及びR2 は同一もしくは異なる、炭素原子数6〜30のアルキル基、炭素原子数6又は7のアリール基もしくはシクロヘキシル基である)
(c) アルキル芳香族スルホン酸の金属塩、
(d) コハク酸及びコハク酸誘導体からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物、
(e) ナフテン酸塩、及び
(f) ノニオン系界面活性剤。 - アルキル芳香族スルホン酸の金属塩の含有量が0.1〜5質量%である請求項1記載のグリース組成物。
- コハク酸及びコハク酸誘導体からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物の含有量が0.1〜5質量%である請求項1又は2記載のグリース組成物。
- ナフテン酸塩の含有量が0.1〜5質量%である請求項1〜3のいずれか1項記載のグリース組成物。
- ノニオン系界面活性剤の含有量が0.1〜5質量%である請求項1〜4のいずれか1項記載のグリース組成物。
- R1及びR2が、炭素原子数6〜30のアルキル基及び/又は炭素原子数6又は7のアリール基であり、アルキル芳香族スルホン酸の金属塩の含有量が0.1〜5質量%であり、コハク酸及びコハク酸誘導体からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物の含有量が0.1〜5質量%であり、ナフテン酸塩の含有量が0.1〜5質量%であり、ノニオン系界面活性剤の含有量が0.1〜5質量%である請求項1〜5のいずれか1項記載のグリース組成物。
- 請求項1〜6のいずれか1項記載のグリース組成物を封入してなる軸受。
- 製鉄設備軸受である請求項7記載の軸受。
- 連続鋳造設備軸受である請求項7記載の軸受。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004018396A JP4474679B2 (ja) | 2004-01-27 | 2004-01-27 | グリース組成物及び軸受 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004018396A JP4474679B2 (ja) | 2004-01-27 | 2004-01-27 | グリース組成物及び軸受 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2005213289A JP2005213289A (ja) | 2005-08-11 |
JP4474679B2 true JP4474679B2 (ja) | 2010-06-09 |
Family
ID=34902929
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2004018396A Expired - Fee Related JP4474679B2 (ja) | 2004-01-27 | 2004-01-27 | グリース組成物及び軸受 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4474679B2 (ja) |
Families Citing this family (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5224571B2 (ja) * | 2006-10-26 | 2013-07-03 | 協同油脂株式会社 | グリース組成物及び軸受 |
JP5349412B2 (ja) * | 2010-06-29 | 2013-11-20 | 日本グリース株式会社 | グリース組成物および該グリース組成物を封入した軸受 |
CN102041149B (zh) * | 2011-01-13 | 2013-04-24 | 上海锦海特种润滑油厂 | 薄层防锈油及其制备方法 |
JP6683484B2 (ja) * | 2016-01-22 | 2020-04-22 | シェルルブリカンツジャパン株式会社 | グリース組成物 |
WO2018006275A1 (zh) * | 2016-07-05 | 2018-01-11 | 深圳市恒兆智科技有限公司 | 一种防锈剂、金属工件及其防锈处理方法 |
JP6660836B2 (ja) * | 2016-07-15 | 2020-03-11 | 協同油脂株式会社 | 難燃性グリース組成物 |
-
2004
- 2004-01-27 JP JP2004018396A patent/JP4474679B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2005213289A (ja) | 2005-08-11 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5224571B2 (ja) | グリース組成物及び軸受 | |
JP4883920B2 (ja) | グリース組成物および軸受 | |
JP4761658B2 (ja) | グリース組成物 | |
KR20150093706A (ko) | 저온 프레팅 개선 그리스 조성물 | |
WO2010079743A1 (ja) | 潤滑剤組成物および潤滑液組成物 | |
CN104140867A (zh) | 一种润滑脂组合物及其制备方法 | |
CN107406791A (zh) | 高温润滑剂 | |
JP2007070461A (ja) | 耐水性グリース組成物 | |
JP5766425B2 (ja) | グリース組成物 | |
JP3527093B2 (ja) | グリース組成物 | |
JP4474679B2 (ja) | グリース組成物及び軸受 | |
WO2020184430A1 (ja) | 錆止め油組成物及びその製造方法 | |
WO2011059097A1 (ja) | 難燃性グリース組成物 | |
JP4641336B2 (ja) | グリース組成物 | |
JP5349412B2 (ja) | グリース組成物および該グリース組成物を封入した軸受 | |
WO2020184436A1 (ja) | 錆止め油組成物及びその製造方法 | |
JP3819579B2 (ja) | 生分解性グリース組成物 | |
WO2012001760A1 (ja) | グリース組成物及び機械部品 | |
WO2010013708A1 (ja) | グリース組成物及び軸受 | |
JPH1135963A (ja) | 潤滑グリース組成物 | |
JP5634035B2 (ja) | グリース組成物及び機械部品 | |
CN107418688A (zh) | 一种润滑油 | |
JP3752280B2 (ja) | リチウムコンプレックスグリース組成物 | |
CN115698238B (zh) | 润滑剂组合物 | |
WO2021200930A1 (ja) | ラックアシストタイプ電動パワーステアリングのボールねじ部用グリース組成物 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20070124 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20091019 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20091216 |
|
A711 | Notification of change in applicant |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711 Effective date: 20091228 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821 Effective date: 20091228 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20100215 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20100228 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 4474679 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130319 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130319 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140319 Year of fee payment: 4 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |