JP4473842B2 - マルテンサイト系ステンレス鋼およびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、かみそり刃、外科用刃および類似の刃の製造に用いられる、耐食性および耐焼結性を改善したマルテンサイト系ステンレス鋼および当該鋼の製造方法に関するものである。
炭素を約1.3重量%、クロムを0.4重量%未満含有する高炭素低合金鋼は、元来のかみそり刃製造用材料であった。これらの刃は、適切な硬化および焼もどしを行えば、研磨により研ぐことに優れた応答をする非常に高い硬さを示した。これらの鋼の主な欠点は、水環境での耐食性の低さと、テフロン被覆の適用中に用いられる焼結工程にさらされたときに許容不可レベルにまで軟化する傾向があったことである。
かみそり刃の使用環境には、通常長期にわたる水溶液への曝露が含まれており、またかみそり刃はしばしば、暖かく湿潤な状態、すなわち浴室に保管される。これらの作用状態は、低合金高炭素鋼にとってはしばしば攻撃的すぎるものであり、腐食が発生する。さらに、テフロン焼結中にしばしば発生する軟化によって、その刃の鋭い刃先の維持機能が低下する。
クロム13重量%、炭素0.7重量%のステンレスかみそり鋼(商品名「Silver Fox 100」)は、これら両方の問題を克服するために開発されたものである。比較的に高いクロムおよび炭素含有量によって、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)焼結中のマルテンサイト系ステンレス鋼の過度の硬さ低下を防止することが可能であり、またクロム含有量によって、上述の環境中におけるより広範な用途に対する十分な耐食性がもたらされる。
かみそり刃の市場が急速に拡大するにつれ、耐久性および剃り心地に関する刃の性能は、窒化クロム、白金、クロム、ダイヤモンドなどの表面被覆を追加することにより改善された。これらの被覆には、刃先の近辺の耐食性および耐摩耗性を向上させる効果があったが、刃自体は、被覆によって可能になった長い使用期間に依然として腐食を受けやすかった。さらに、この市場拡大の期間中に、需要は、使い捨てのカートリッジ型のかみそりに移行していった。これら使い捨てのカートリッジ型かみそりの設計においては、時に割れ目が設けられたが、これは、腐食攻撃を加速させる場所となりうる。
UDDEHOLMS AKTIBOLAGが1971年に出願した特許文献1には、かみそり刃用鋼の領域において、酸化物含有物を最小化するエレクトロスラグ再溶解に基づく方法が詳述されている。また、この特許文献1には、PTFE被覆の焼結時における刃物用鋼の硬さ低下の緩和を目的としたケイ素付加についても述べられている。
川崎製鉄株式会社が出願し、1986年に公開された特許文献2には、刃先の破損を最小にし、熱間加工性および冷間加工性を最大にするために共晶炭化物形成物の形成を避けた鋼が同定されている。この鋼は、従来の刃物用鋼と比較して、窒素およびアルミニウムを付加するとともに、炭素の割合を減らして含んでいた。
VEREINIGTE SCHMEIDEWERKE GmbHが出願した特許文献3には、主にポリ塩化ビニール(PVC)製造用材料を意図したものではあるが、かみそり刃用としての使用可能性が確認された冷間加工マルテンサイト鋼が詳述されている。
WILKINSON SWORD GmbHと日立金属株式会社が共同出願した特許文献4には、従来のかみそり刃用鋼からの変形が含まれる。特許文献4には、より耐食性の高い刃物用鋼および製造方法が詳述されている。この合金の組成は、炭素含有量がより少なく、モリブデンが付加されている点において、従来の刃物用鋼と相違している。
英国特許出願公開第1400412号明細書 特開昭61-34161号公報 独国特許第3901470号明細書 欧州特許出願公開第485641号明細書
本発明の目的は、従来技術の欠点を解消し、改善したマルテンサイト系ステンレス鋼およびその製造方法を達成することである。
本発明は上述の課題を解決するために、かみそり刃、外科用刃および類似の刃、あるいはその他の切断器具の製造に用いられるマルテンサイト系ステンレス鋼において、この鋼は、炭素を0.40〜0.55重量%、ケイ素を0.8〜1.5重量%、マンガンを0.7〜0.85重量%、クロムを13.0〜14.0重量%、モリブデンを1.0〜1.5重量%、ニッケルを0.2〜0.4重量%、窒素を0.02〜0.04重量%含有し、鋼の残余は、鉄および不可避の不純物であることを特徴とする。
また、溶鋼の鋳造、熱間圧延、焼なまし、冷間圧延、硬化および焼もどしを含む、かみそり刃、外科用刃および類似の刃、あるいはその他の切断器具の製造に用いられるマルテンサイト系ステンレス鋼の製造方法において、冷間圧延された鋼は、1150℃と1200℃との間の温度範囲で硬化され、硬化された鋼は、130℃と280℃との間の温度範囲で焼きもどされ、焼きもどされた鋼は、700と780との間のビッカース硬さHv1を有することを特徴とする。
本発明のものは、優れた耐食性および耐焼結性を有するかみそり用刃、外科用刃および類似の刃のための材料として用いられる。
本発明の1つの実施の形態においては、かみそり刃、外科用刃および類似の刃、あるいはその他の切断器具の製造に用いられるマルテンサイト系ステンレス鋼は、炭素を0.40〜0.55重量%、ケイ素を0.8〜1.5重量%、マンガンを0.7〜0.85重量%、クロムを13.0〜14.0重量%、モリブデンを1.0〜1.5重量%、ニッケルを0.2〜0.4重量%、窒素を0.02〜0.04重量%含有し、鋼の残余は、鉄および不可避の不純物である。本発明のマルテンサイト系ステンレス鋼は、任意選択により、スズ、チタン、およびホウ素の群のうちの少なくとも一つの元素も合金成分として少量含有してもよい。
本発明の他の実施の形態においては、かみそり刃、外科用刃および類似の刃、あるいはその他の切断器具の製造に用いられるマルテンサイト系ステンレス鋼は、炭素を0.45〜0.55重量%、ケイ素を1.0〜1.5重量%、マンガンを0.7〜0.85重量%、クロムを13.0〜13.5重量%、モリブデンを1.0〜1.5重量%、ニッケルを0.25〜0.35重量%、窒素を0.02〜0.04重量%、ホウ素を0〜0.002重量%含有し、鋼の残余は、鉄および不可避の不純物である。本発明のマルテンサイト系ステンレス鋼は、任意選択により、チタンおよびスズの群のうちの少なくとも一つの元素も、チタン含有量が0.010重量%と0.015重量%との間で、スズ含有量が0.010重量%と0.030重量%との間で合金成分として少量含有してもよい。
下記の表1において、本発明による含有量A、B、C、およびDの鋼と、従来技術による商品名Silver Fox 77 ”SF77”およびSilver Fox 100 ”SF100”との比較を行う。
Figure 0004473842
本発明による鋼と従来技術による鋼とを比較するとき、耐食性改善の見地から見た合金元素の重要な変更は、炭素の減量とケイ素およびモリブデンの増量である。かみそり刃完成品の到達可能硬さを補強する元素は、ケイ素、窒素、およびホウ素である。
本発明のマルテンサイト系ステンレス鋼は、注意深く選別された鉄くずなどの原材料から、電気アーク炉と二次精錬炉の組み合わせで製造された好ましい1つの実施の形態によるものであり、これは、インゴットあるいは連続鋳造のいずれかにより鋳造しうる。もちろん、本発明の鋼の原材料は、その溶鋼が、その後、インゴットあるいは連続鋳造のいずれかにより鋳造される一次鋼精錬所でも製造可能である。鋳造製品の冷却速度は制御され、熱衝撃が回避される。鋳造製品の圧延は、1200℃と1,300℃との間の温度範囲で圧延可能な熱間圧延機によって直接に実施される。
熱間圧延した本発明のステンレス鋼の焼なましは、連続式あるいはバッチ式熱処理炉で実施される。要求される焼なましは、925℃〜975℃の温度範囲まで制御した加熱と、その後の長い均熱と、制御した冷却を必要とする。十分に焼なました製品は、ビッカース硬さが約Hv250に達し、そのため、初期冷間圧延に適している。
鋼の冷間圧延には、注意深い蛇行制御および形状制御をともなう圧延ミルの使用を必要とする。延性を回復させるため、通常のサブクリティカル焼なましが必要である。サブクリティカル焼なましの温度は、硬さを約Hv280まで回復させる675℃と750℃との間の温度範囲にあるべきである。
本発明の鋼は、種々の溶接法によって容易に溶接可能である。得られた溶接部は、圧延に十分な強度であり、とくに焼なまし後は十分な強度である。
ストリップ形状の本発明の鋼の最終冷間圧延では、かみそり製造過程での穿孔に好適な範囲の硬さ、および急速硬化可能な放射率を有する表面仕上げを達成する必要がある。0.07mmと0.15mmとの間の冷間圧延ゲージは、精密ゲージ許容差内で可能である。さらに、本発明の鋼は、標準的な回転式スリッタによって、精密巾許容差内で350mmと3mmとの間の巾に切断可能である。
本発明のマルテンサイト系ステンレス鋼は、過度のまくれや変形なしに、標準的な刃物穿孔装置で穿孔することも可能である。本発明の鋼は、比較的高い耐食性によってさび止め油の塗布を必要としないため、穿孔中には潤滑油の添加を要することがある。
本発明の鋼は、標準的なかみそり刃硬化ラインを使用して、1150℃と1200℃との間の温度範囲で硬化される。硬化後、硬化された鋼は130℃と280℃との間の温度範囲で焼もどされる。硬化された鋼に対して採用すべき焼もどし温度は、必要とされる延性の程度に大きく左右される。本発明の鋼で可能なビッカース硬さの範囲は、従来の鋼と同様の残留オーステナイトレベルが20%±5%でHv1700〜780の範囲である。焼もどし温度を注意深く選定すれば、本発明の鋼は、予期せぬ割れを発生することなく刃に加工するに十分な延性を有しており、従来の鋼に対して一般的に用いられるどのような方法による分離にも適している。
本発明の鋼は、研磨して、少なくとも従来の鋼と同じように優れた切削力値を持つ非常に優れた刃先とすることが可能である。さらに、本発明の鋼は、後続の加工中における硬さの低下に対する抵抗性が、より大きく、完成した刃の硬さは代表的にはHv1600〜680の範囲にある。このわずかな硬さの低下は、刃先の耐久性には有意の影響を及ぼさない。
添付図面を参照して本発明を、より詳細に説明する。図1の塩水噴霧腐食試験は、温度20℃、5%NaCl水溶液で6時間行った。図1中の試験試料「Silver Fox XL」は、本発明のマルテンサイト系ステンレス鋼を示し、試験試料「従来鋼」は、従来技術による「Silver Fox 100」を示す。図1により、本発明の鋼が、従来の鋼と比較して明らかに性能が改善されていることがわかる。
図2には、耐食性についてのより定量的な測定手段である相対孔食電位を、本発明のマルテンサイト系ステンレス鋼「Silver Fox XL」、従来技術による「Silver Fox 100」、そして参考として他の標準的なステンレス鋼グレードについて示す。本発明の鋼「Silver Fox XL」については、冷間圧延後の「Silver Fox XL圧延」と硬化および焼なまし後の「Silver Fox XL H&T」の二つの形態について示している。鋼試料の相対孔食電位は、適切な電気伝導度を確保するための酢酸ナトリウムあるいは酢酸緩衝液を含み、pH値が7である0.01%塩化物電解液を用い、フラットセルで測定した。2分間回路を開放した後、800から900μA/cm2の電流密度が達成されるまで、電位を1mV/sの割合で傾斜させた。その後、鋼試料の孔食を調べた。本発明の冷間圧延鋼「Silver Fox XL圧延」の孔食電位Ep500は0.358Vであり、また本発明の焼なまし鋼「Silver Fox XL H&T」の孔食電位Ep500は0.510Vである。したがって、本発明のマルテンサイト系ステンレス鋼の孔食電位Ep500は、0.35Vと0.52Vとの間にある。
図2から、焼なまし状態における本発明の鋼「Silver Fox XL H&T」の孔食電位は、前の結果によっても示されるように、焼なまし状態の同等の従来の鋼「Silver Fox 100 H&T」の孔食電位0.286Vより明らかに高い。図2の孔食電位の測定で、より印象的なのは、本発明の焼なまし鋼「Silver Fox XL」の孔食電位は、AISI 409およびAISI 430などの標準的なフェライト系ステンレス鋼より高いものの、AISI 304およびAISI 316などの標準的なオーステナイト系ステンレス鋼よりは依然として低いことである。
本発明の鋼は、その耐食性により、優れた腐食性能を必要とするかみそり刃用として理想的であるが、ドクタブレード、フラッパ弁、刃物類、および他の切断器具などの現在フェライト系あるいはマルテンサイト系ステンレス鋼が使用されている他の多くの用途にも好適である。
図1は、本発明によるマルテンサイト系ステンレス鋼と、従来技術による鋼との比較塩水噴霧腐食試験例を示す。 図2は、本発明による鋼と種々の標準的なステンレス鋼グレードとの相対孔食電位の比較を示す。

Claims (9)

  1. 刃物用マルテンサイト系ステンレス鋼において、該鋼は、炭素を0.40〜0.55質量%、ケイ素を0.8〜1.5質量%、マンガンを0.7〜0.85質量%、クロムを13.0〜14.0質量%、モリブデンを1.0〜1.5質量%、ニッケルを0.2〜0.4質量%、窒素を0.02〜0.04質量%含有し、該鋼の残余は、鉄および不可避の不純物であることを特徴とするマルテンサイト系ステンレス鋼。
  2. 請求項1に記載のマルテンサイト系ステンレス鋼において、該鋼は、炭素を0.45〜0.55質量%、ケイ素を1.0〜1.5質量%、マンガンを0.7〜0.85質量%、クロムを13.0〜13.5質量%、モリブデンを1.0〜1.5質量%、ニッケルを0.25〜0.35質量%、窒素を0.02〜0.04質量%、ホウ素を0〜0.002質量%含有し、該鋼の残余は、鉄および不可避の不純物であることを特徴とするマルテンサイト系ステンレス鋼。
  3. 請求項1または2に記載のマルテンサイト系ステンレス鋼において、該鋼は、さらにチタンを0.010〜0.015質量%含有することを特徴とするマルテンサイト系ステンレス鋼。
  4. 請求項1、2または3に記載のマルテンサイト系ステンレス鋼において、該鋼は、さらにスズを0.010〜0.030質量%含有することを特徴とするマルテンサイト系ステンレス鋼。
  5. 溶鋼の鋳造、熱間圧延、焼なまし、冷間圧延、硬化および焼もどしを含む、刃物用マルテンサイト系ステンレス鋼の製造方法において、該鋼は、炭素を0.40〜0.55質量%、ケイ素を0.8〜1.5質量%、マンガンを0.7〜0.85質量%、クロムを13.0〜14.0質量%、モリブデンを1.0〜1.5質量%、ニッケルを0.2〜0.4質量%、窒素を0.02〜0.04質量%含有し、該鋼の残余は、鉄および不可避の不純物であり、前記冷間圧延された鋼は、1150℃と1200℃との間の温度範囲で硬化され、該硬化された鋼は、130℃と280℃との間の温度範囲で焼きもどされ、該焼きもどされた鋼は、700と780との間のビッカース硬さHv1を有することを特徴とするマルテンサイト系ステンレス鋼の製造方法。
  6. 請求項5に記載のマルテンサイト系ステンレス鋼の製造方法において、該鋼は、炭素を0.45〜0.55質量%、ケイ素を1.0〜1.5質量%、マンガンを0.7〜0.85質量%、クロムを13.0〜13.5質量%、モリブデンを1.0〜1.5質量%、ニッケルを0.25〜0.35質量%、窒素を0.02〜0.04質量%、ホウ素を0〜0.002質量%含有し、該鋼の残余は、鉄および不可避の不純物であることを特徴とするマルテンサイト系ステンレス鋼の製造方法。
  7. 請求項5に記載のマルテンサイト系ステンレス鋼の製造方法において、該鋼は、さらにチタンを0.010〜0.015質量%含有することを特徴とするマルテンサイト系ステンレス鋼の製造方法。
  8. 請求項5に記載のマルテンサイト系ステンレス鋼の製造方法において、該鋼は、さらにスズを0.010〜0.030質量%含有することを特徴とするマルテンサイト系ステンレス鋼の製造方法。
  9. 請求項5に記載のマルテンサイト系ステンレス鋼の製造方法において、孔食電位Ep500は、0.35Vと0.52Vとの間であることを特徴とするマルテンサイト系ステンレス鋼の製造方法。
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