以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。
<第1実施形態>
<全体構成>
図1は、本発明の一実施形態に係るスロットマシン100の外観斜視図である。スロットマシン100は、メダルの投入により遊技が開始され、遊技の結果によりメダルが払い出されるものである。
図1に示すように、スロットマシン100の中央内部には、外周面に複数種類の絵柄(「7」、「Bar」、「ベル」、「リプレイ」等:図示省略) を配列した円筒状のリールが3個(左リール110、中リール111、右リール112)収納され、本体201の内部で回転できるように構成されている。本体201の両サイドには、取手部201cが設けられ、スロットマシン100の運搬の際に利用される。本体内部の説明に関しては後述する。
前面扉101には、リール表示窓113が設けられており、リール110乃至112を正面から眺めると、これに施された絵柄がリール表示窓113から縦方向に3つ見えるようになっている。つまり、全リール110乃至112が停止した場合、遊技者は、3×3の合計9個の絵柄を見ることができる。これらのリール110乃至112が回転し、停止することにより、様々な絵柄の組み合せが表示されることになる。なお、本実施形態では、3個のリールを備えているが、リールの数やリールの設置位置はこれに限定されるものではない。
各リール110乃至112の裏側には、リール表示窓113上に表示される個々の絵柄を照らすためのバックライト(図示せず)が配置されている。バックライトは、例えば、7色(赤、緑、青紫の三原色と、白色等をはじめとするこれらの混合色)の光を発することが可能であり、各原色に対応したLED等を含んで構成される。
入賞ライン表示ランプ120は、遊技毎に有効となる入賞ライン114を示すランプである。有効となる入賞ライン114 は、スロットマシン100 に投入された遊技媒体(本実施形態ではメダルを想定する。)の枚数によって変化する。例えば、図1に示すように5本の入賞ライン114を有する場合、メダルを1枚投入したときは中段の水平入賞ライン、2枚投入したときは、上段の水平入賞ラインおよび下段の水平入賞ラインを加えた3つの入賞ライン、3枚投入したときは更に2本の斜めの入賞ラインを加えた5ラインが有効となり、有効な入賞ライン114上に揃った絵柄の組み合せにより入賞が判断されることとなる。勿論、入賞ラインの数は5本に限定されるものではない。
スタートランプ121は、リール110乃至112が回転することができる状態にあることを遊技者に知らせるランプである。再遊技ランプ122は、入賞役である再遊技に入賞したとき(例えば、リプレイ−リプレイ−リプレイの再遊技絵柄の組み合せが入賞ライン114上に揃ったとき)、遊技者へ次の遊技が再遊技であることを知らせるランプである。再遊技の場合、次遊技において遊技媒体であるメダルの投入が免除される。告知ランプ1 23は、特別な入賞役(例えば、ビッグボーナス(BB)やレギュラーボーナス(RB)) に内部当選した状態にあることを遊技者に報知するランプである。メダル投入ランプ12 4は、遊技開始にあたって遊技者にメダルの投入が必要であることを報知するランプである。メダル投入枚数表示ランプ125は、遊技者が投入したメダル枚数を表示するランプである。本実施形態では、1回の遊技に最大3枚までメダル投入できるので、縦に配置した3つのランプを用いてメダル投入枚数を表示している。無論、ランプで表示する他に7セグメント表示器等で直接メダル投入枚数を表示してもよい。
払出枚数表示器126は、メダルの払い出しのある何らかの入賞役に入賞したとき、遊技者へ払い出されるメダルの枚数を表示する表示器である。遊技回数表示器127は、ビッグボーナスゲーム中の一般ゲームの回数等を表示する表示器である。貯留枚数表示器1 28は、電子的に貯留(クレジット)しているメダルの枚数を表示する表示器である。演出用ランプ129は、遊技の興趣を高めるための演出に使用されるランプである。
メダル投入ボタン131、132は、貯留されたメダルをスロットマシン100へ電子的に投入するための投入ボタンであり、いわゆるベットボタンと呼ばれているものである。本実施形態では、最大メダル投入ボタン131(いわゆるマックスベットボタン)と、1回押下するごとに1枚のメダルを投入する1枚メダル投入ボタン132(いわゆるワンベットボタン)とを有し、これらのボタンのいずれかを押下することにより遊技に必要な1〜3枚のメダルがスロットマシン100へ電子的に投入される。2枚のメダルを投入する場合は、1枚メダル投入ボタン131を2回押下することとなる。投入されたメダル枚数分は、現在の貯留枚数から減算されて残枚数が貯留枚数表示器128に表示される。
メダル投入口ブロック133は、遊技を開始するに当たって遊技者が直接メダルを投入するための開口を有する。メダルを直接投入した際に、メダル投入口直下にあるメダルセレクターユニット(図示せず)内にメダルが詰まってしまった場合は、メダルキャンセルスイッチ134aを操作することによってメダルのつまりを解消させる。スタートレバー135は、遊技の開始操作として、リール110〜112の回転を開始させるレバー型のスイッチである。
ストップボタンユニット136には、3つのストップボタンが設けられている。各ストップボタンは、押下することによって対応するリール110乃至112を停止させるボタン型のスイッチである。各ストップボタンの内部にはランプ(図示せず)が設けられており、スタートレバー135が操作された後、リール110乃至112の停止操作が可能な状態になると全ランプが点灯し、遊技者に停止操作が可能になったことを報知する。各ストップボタンのランプは各ストップボタンが押下される毎に消灯する。無論、停止操作可能な状態とその他の状態とでランプの発光色を変化させるように構成することもできる。
精算ボタン138は、遊技者が獲得したメダルを精算して排出する精算処理を行う場合に押下されるボタンである。なお、精算ボタン138は、遊技者がメダル投入口ブロック133から投入したメダルのうち所定枚数(例えば3枚)以上のメダルまたは入賞により獲得したメダルを最大50枚まで貯留するか否かを切換える場合にも使用され、例えば、一回精算ボタン押下されて精算処理が行われると、非貯留モードが設定され、もう一度精算ボタン押下されると、貯留モードが設定される。ここに、メダルの貯留とは、メダルを直接払い出さずに、電子的にその枚数を後述する制御部に一時記憶しておくことを意味する。
キー孔139は、扉開閉用のキーを差し込む孔で、キーを差し込んで時計方向に回すとロックが解除され、スロットマシン100の前面扉101を開けることができる。タイトルパネル140は、そのスロットマシンの機種名や各種のデザインが描かれるパネルである。メダル排出口165は、メダルを排出するための開口であり、入賞時に払い出されるメダルはここから排出される。排出されたメダルは、受皿160に溜まるようになっている。
上部ランプ190、サイドランプ151及び152、中央ランプ153及び154、腰部ランプ155及び156、下部ランプ157及び158は、遊技を盛り上げるための演出用のランプであり、遊技状態に応じて点灯/消灯/点滅する。本実施形態では、受皿160を透光性材料で構成し、受皿取り付け面からランプ光を入射させることで上記演出用のランプと同様の効果を発揮させるように構成している。また、受皿160には、着脱可能に構成した灰皿ユニット170が設けられている。
ドットマトリクスLED 表示装置180は、複数のLEDを2次元に配置した表示装置であり、遊技に関する各種の情報(ゲームを盛り上げるためキャラクター等を登場させるゲーム画面、スロットマシンの内部で異常が発生した場合にエラーの内容を表示するエラー画面など)を表示することができる。ドットマトリクスLED表示装置180に代えて、演出用のリールを装備してもよい。演出用のリールは、リール110〜112に対応させて3つ設けるようにしてもよい。
上部ランプ190の近傍の左右にスピーカの音孔(図示せず)を設けている。また、ストップボタンユニット136の直下に背面スピーカからの効果音を出力するための音孔が設けられている。背面スピーカの音孔には、装飾が施されたスピーカカバー173が装着され、ここから遊技の効果音が出力される。
<本体内部構造>
次に、本実施形態のスロットマシン100の内部構成について説明する。
図2は、前面扉101を開いた状態(前面扉101は図示省略)にあるスロットマシン100の正面図であり、スロットマシン100の内部構成を示す図である。
図2に示すように、本体201は、キャビネット210内に、基板収納ケース500、リールユニット220、電源ユニット230、メダル払出装置240、補助収納ケース250、中央スピーカユニット260、副制御基板270、外部中継端子板290等が配設されている。
キャビネット210は、上部に排気口210aと下部に吸気口210bを有する木製の箱体である。キャビネット210内壁には、右側、左側、背面の各壁面にフレームグラウンド板212乃至216が設けられている。フレームグラウンド板212乃至216は、互いに電気的に接続され、キャビネット210内に配設された各装置のフレームグラウンドが接続される。これにより各装置のフレームグラウンドを同電位にするのと同時に、キャビネット内の各装置を静電気や電波と言った外部ノイズから保護することができる。キャビネット210内には、リールユニット220を在置するためのリールユニット固定板218が設けられている。リールユニット固定板218もフレームグウランド板212乃至216に電気的に接続されている。
リールユニット220は、樹脂製のケース内にステッピングモータで駆動されるリール110乃至112を個別に着脱可能に取り付けられている。樹脂ケースの上面には、他の制御部と接続するための中継基板290が装着されている。リールユニット220は、樹脂ケースで3本のリールをユニット化し、着脱を容易に行えるように構成している。
基板収納ケース500は、キャビネット210内の背面上部に取り付けられている透明な樹脂ケースで、内部空間にスロットマシン100の全体的な制御を行う主制御部300を構成する電気部品を実装した主制御基板503を収納している。基板収納ケース500の詳細については後述する。
電源ボックス230は、キャビネット210の背面の壁面に装着された金属製のケース内にスロットマシン100の各駆動部や制御部へ必要な電力を供給するための電源基板(図示せず)を収納している。また、電源ボックス230の電源スイッチ232、すなわちスロットマシン100の電源スイッチ232は、本実施形態ではリールユニット固定板218の下部に別体で固定されている。電源スイッチ232と併せて設定値変更許可スイッチ234も併設されている。これは、各スイッチが操作し易いよう配慮してのことである。
設定値変更許可スイッチ234 は、いわゆるキースイッチであり、キー孔に所定のキーを挿入して、時計回りに90度回転させるとオン状態となり、キーを戻して初期状態にするとオフ状態になる。電源スイッチ232は、つまみを上に向けると、オン状態になり、つまみを戻すとオフ状態になる。また、電源ボックス230の上端部には、コネクタを接続可能な受け口(図示せず)が複数個設けられている。受け口から接続ケーブルを介して、電力を各部に供給する。
また、キャビネット210の背面壁には、電源ボックス230とほぼ同形の通気孔が、キャビネット210の背面を貫通するように形成されている。更に、電源ボックス230 の通気孔に対応する背面は、電源ボックス230の内部で発生した熱を外部へ効率よく排出できるような部材(本実施形態ではパンチメタル)で構成されている。
メダル払出装置240は、メダルを払い出すための装置(いわゆるホッパー)である。メダル払出装置240は、DCモーターで駆動されメダルを1枚ずつ払い出すとともにメダルを払い出す毎に検出信号を出力する払出装置本体と、払出装置本体にメダルを供給するとともにメダルを蓄積するタンクとで構成されている。メダル払出装置240の横には、補助収納ケース250が置かれている。メダル払出装置240がメダルでいっぱいになると、余分なメダルは流れ落ち、補助収納ケース250内に蓄積される。
また、メダル払出装置240は、キャビネット210の底部に装着されたレール板上にスライド可能に設置されている。レール板のキャビネット210背面壁側にはコネクタが設けられている。コネクタには、メダル払出装置240に対する電力の供給や制御信号の送受信を目的としたケーブルが接続される。メダル払出装置240の背面には、このコネクタに接続可能なコネクタが配設されている。メダル払出装置240は、レール板の上を前後方向にスライドさせることが可能で、メダル払出装置240をレール板に沿って奥まで押し込むと、メダル払出装置240のコネクタがレール板のコネクタに接続されるようになっている。
背面スピーカユニット260は、キャビネット210の背面壁に設けられたスピーカと、スピーカからの効果音を前面扉101のスピーカカバー173まで案内するためのスピーカダクトとで構成されている。スピーカから出力される中低音は、スロットマシン100の背面から出力されるとともにスピーカダクトを介してスピーカカバー173からも出力される。
副制御基板270は、キャビネット210の側面に装着され、効果音、演出用ランプ、リールバックランプ、演出表示部等で実行される演出を制御する副制御部400を構成する電気部品を実装した制御基板である。副制御基板270は、後述の基板収納ケースに収納された主制御基板503の送信する制御コマンドに従って演出を制御する。
外部集中端子板290は、スロットマシン100から出力される遊技情報をホールコンピュータに送信するためのインターフェース基板である。外部集中端子板290から出力される遊技情報は、ホールコンピュータに送られて集計される。
<制御部>
次に、図3及び図4を参照して、スロットマシン100の制御部の回路構成について詳細に説明する。スロットマシン100の制御部は、大別すると、遊技の中枢部分を制御する主制御部300と、主制御部300より送信された制御コマンド(以下、コマンドと略称)に応じて各種機器を制御する副制御部400と、から構成されている。
<主制御部>
まず、図3を参照して、スロットマシン100の主制御部300について説明する。主制御部300は、主制御部300の全体を制御するための演算処理装置であるCPU310や、CPU310が各ICや各回路と信号の送受信を行うためのデータバス及びアドレスバスを備え、その他、以下に述べる構成を有する。クロック補正回路314は、水晶発振器311から発振されたクロックを分周してCPU310に供給する回路である。例えば、水晶発振器311の周波数が12MHzの場合に、分周後のクロックは6MHzとなる。CPU310は、クロック補正回路314により分周されたクロックをシステムクロックとして受け入れて動作する。
また、CPU310には、後述するセンサやスイッチの状態を常時監視するためのタイマ割り込み処理の周期やモータの駆動パルスの送信周期を設定するためのタイマ回路315がバスを介して接続されている。CPU310は、電源が投入されると、データバスを介してROM312の所定エリアに格納された分周用のデータをタイマ回路315に送信する。タイマ回路315は、受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに、割り込み要求をCPU310に送信する。CPU310は、この割込み要求を契機に、各センサ等の監視や駆動パルスの送信を実行する。例えば、CPU310のシステムクロックを6MHz、タイマ回路315の分周値を1/256、ROM312の分周用のデータを44に設定した場合、この割り込みの基準時間は、256×44÷6MHz=1.877msとなる。
また、CPU310には、各ICを制御するためのプログラム、入賞役の内部抽選時に用いる抽選データ、リールの停止位置等の各種データを記憶しているROM312や、一時的なデータを保存するためのRAM313が接続されている。これらのROM312やRAM313については他の記憶手段を用いてもよく、この点は後述する副制御部400においても同様である。また、CPU310には、外部の信号を受信するための入力インタフェース360が接続され、割込み時間ごとに入力インタフェース360を介して、メダル投入センサ320、スタートレバーセンサ321、ストップボタンセンサ322、メダル投入ボタンセンサ323、精算/貯留スイッチ324、メダル払い出しセンサ326の状態を検出し、各センサを監視している。
メダル投入センサ320は、メダル投入口に投入されたメダルを検知するセンサである。スタートレバーセンサ321はスタートレバー135の操作を検知するためのセンサである。ストップボタンセンサ322はストップボタンユニット136のいずれかのストップボタンが押された場合、どのストップボタンが押されたかを検知するためのセンサである。メダル投入ボタンセンサ323はメダル投入ボタン131及び132のいずれかが押下された場合、どのメダル投入ボタンが押されたかを検知するためのセンサである。精算/貯留スイッチ324は、精算ボタン138が一回押されると、精算可能なメダルが払い出されることになる。メダル払い出しセンサ326は、払い出されるメダルを検知するためのセンサである。
CPU310には、さらに、入力インタフェース361、出力インタフェース370、371がアドレスデコード回路350を介してアドレスバスに接続されている。CPU310は、これらのインタフェースを介して外部のデバイスと信号の送受信を行っている。入力インタフェース361には、インデックスセンサ325が接続されている。インデックスセンサ325は、各リール110乃至112の取付台の所定位置に設置されており、リールに設けた遮光片がこのインデックスセンサ325を通過するたびにHレベルになる。CPU310は、この信号を検出すると、リールが1回転したものと判断し、リールの回転位置情報をゼロにリセットする。出力インタフェース370には、リールを駆動させるためのモータを制御するリールモータ駆動部330と、メダル払出装置250のモータを駆動するためのホッパーモータ駆動部331と、遊技ランプ340(具体的には、入賞ライン表示ランプ120、スタートランプ121、再遊技ランプ122、告知ランプ123、メダル投入ランプ124等)と、7セグメント(SEG)表示器341(払出枚数表示器126、遊技回数表示器127、貯留枚数表示器128等)が接続されている。
また、CPU310には、乱数発生回路317がデータバスを介して接続されている。乱数発生回路317は、水晶発振器311及び水晶発振器316から発振されるクロックに基づいて、一定の範囲内で値をインクリメントし、そのカウント値をCPU310に出力することのできるインクリメントカウンタであり、入賞役の内部抽選をはじめ各種抽選処理に使用される。本発実施形態における乱数発生回路317は、2つの乱数カウンタを備えている。CPU310のデータバスには、副制御部400にコマンドを送信するための出力インタフェース371が接続されている。主制御部300と副制御部400との情報通信は一方方向の通信であり、主制御部300は副制御部400へコマンドを送信するが、副制御部400から主制御部300へ何らかのコマンド等を送信することはできない。
<副制御部>
次に、図4を参照して、スロットマシン100の副制御部400について説明する。副制御部400は、主制御部300より送信された主制御コマンド等に基づいて副制御部400の全体を制御する演算処理装置であるCPU410や、CPU410が各IC、各回路と信号の送受信を行うためのデータバス及びアドレスバスを備え、以下に述べる構成を有する。クロック補正回路414は、水晶発振器411から発振されたクロックを補正し、補正後のクロックをシステムクロックとしてCPU410に供給する回路である。また、CPU410にはタイマ回路415がバスを介して接続されている。CPU410は、所定のタイミングでデータバスを介してROM412の所定エリアに格納された分周用のデータをタイマ回路415に送信する。タイマ回路415は、受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに、割り込み要求をCPU410に送信する。CPU410は、この割込み要求のタイミングをもとに、各ICや各回路を制御する。
また、CPU410には、副制御部400の全体を制御するための命令及びデータ、バックライトの点灯パターンや各種表示器を制御するためのデータが記憶されたROM412や、データ等を一時的に保存するためのRAM413が各バスを介して接続されている。また、CPU410には、外部の信号を送受信するための入出力インタフェース460が接続されており、入出力インタフェース460には、各リール110乃至112の絵柄を背面より照明するためのバックライト420、前面扉101の開閉を検出するための扉センサ421、RAM413のデータをクリアにするためのリセットスイッチ422が接続されている。
CPU410には、データバスを介して主制御部300から主制御コマンドを受信するための入力インタフェース461が接続されており、入力インタフェース461を介して受信したコマンドに基づいて、遊技全体を盛り上げる演出処理等が実行される。また、CPU410のデータバスとアドレスバスには、音源IC480が接続されている。音源IC480は、CPU410からの命令に応じて音声の制御を行う。また、音源IC480には、音声データが記憶されたROM481が接続されており、音源IC480は、ROM481から取得した音声データをアンプ482で増幅させてスピーカ483から出力する。CPU410には、主制御部300と同様に、外部ICを選択するためのアドレスデコード回路450が接続されており、アドレスデコード回路450には、主制御部300からのコマンドを受信するための入力インタフェース461、液晶画面制御部500からの信号を入力するための入力インタフェース471、時計IC423、7セグメント表示器440への信号を出力するための出力インタフェース472等が接続されている。
時計IC423が接続されていることで、CPU410は、現在時刻を取得することが可能である。7セグメント表示器440は、スロットマシン100の内部に設けられており、たとえば副制御部400に設定された所定の情報を店の係員等が確認できるようになっている。更に、出力インタフェース470には、デマルチプレクサ419が接続されている。デマルチプレクサ419は、出力インタフェース470から送信された信号を演出用ランプ490(具体的には、上部ランプ190、サイドランプ151及び152、中央ランプ153及び154、腰部ランプ155及び156、下部ランプ157及び158等)に送信する。なお、CPU410は、液晶画面制御部500への信号送信は、デマルチプレクサ419を介して実施する。液晶画面制御部500は、図1のドットマトリクスLED表示装置180の液晶画像を制御する制御部である。
<遊技の基本的制御>
図5は、本実施形態のスロットマシン100における遊技の基本的制御を示すフローチャートである。遊技の基本的制御は、主制御部300のCPU310が中心になって行い、電源断等を検知しないかぎり、同図の遊技処理を繰り返し実行する。
ステップS101では、メダル投入処理として、メダルの投入数に応じた入賞ライン表示ランプの点灯等を行う。本実施形態においてメダルの投入(遊技媒体の投入)とは、ベットボタンによる投入とメダル投入口からの投入のいずれも含む意味である。
ステップS102では、遊技のスタート操作に関する処理を行う。スタートレバー135が操作された場合、投入されたメダル枚数を確定して、有効な入賞ライン114を確定する。
ステップS103では、乱数発生回路317で発生させた乱数を取得する。
ステップS104では、ROM312に格納されている抽選データテーブルと、ステップS103で取得した乱数値を用いて、入賞役の内部当選の当否を定める内部抽選を行う。なお、抽選データテーブルには、あらかじめ、BB、RB、小役等の抽選確率に応じたデータが格納されている。
ステップS105では、ステップS103で取得した乱数値を用いて、リール停止制御テーブルを選択し、リール110乃至112の回転を開始させる。
ステップS106では、ストップボタンの受け付けが可能になり、いずれかのストップボタンが押されると、押されたストップボタンに対応するリールを、ステップS105で選択したリール停止制御テーブルに基づいて停止させる。
ステップS107では、入賞判定を行う。ここでは、有効化された入賞ライン114上に、入賞役に対応する絵柄組み合せが表示された場合にその入賞役に入賞したと判定する。例えば、有効化された入賞ライン114上に、例えば「ベル−ベル−ベル」が揃っていたならばベル入賞と判定する。また、例えば「青7−青7−青7」が揃っていたならばBB入賞と判定する。
ステップS108では、払い出しのある何らかの入賞役に入賞していれば、その入賞役に対応する枚数のメダルを払い出す。
ステップS109では、遊技状態を制御する。例えば、BB入賞時には、次の遊技からBBゲームが開始されるように準備をし、BB終了時には、次の遊技から通常の遊技が開始されるように準備させる。
<基板収納ケース>
次に、本実施形態のスロットマシン100の基板収納ケース500について詳細に説明する。
図6(a)及び図6(b)は、スロットマシン100のキャビネット210内に設けられた基板収納ケース500の外観斜視図及び正面図であり、図6(c)は、図6(b)に示す基板収納ケース500のB方向の断面図である。
基板収納ケース500は、前面カバー501、背面カバー502、主制御基板503、及び後述する溶解接合体504で構成されている。基板収納ケース500は、本実施形態では透光性樹脂を用いて成型されている。このため基板収納ケース500の外部から内部に収納されている主制御基板503が視認可能になっている。
前面カバー501と背面カバー502とは、組み合せることによって主制御基板503 を収納するための空間を形成する箱体となっている。そして、前面カバー501及び背面カバー502の内側の外周にはそれぞれ、棒状の溶解接合体504を配置するための溝550(断面が半円)が設けられている。このため、溶解接合体504を溝550に配置後、前面カバー501及び背面カバー502を組み合わせて、溶解接合体504を溶解させると、前面カバー501及び背面カバー502は一体として接合されるようになっている。尚、図6(c)においては、溝550は、前面カバー501及び背面カバー502の双方に設けられているが、前面カバー501及び背面カバー502のいずれか一方だけに設けられていてもよいものである。また、溝550の断面形状も、図6(c)に示すような円に限定されず、溶解接合体504の断面形状に合わせて、溶解接合体504が前面カバー501及び背面カバー502と配置一体化できる空間が形成されていれば、どのような形状であってもよい。
具体的には、溶解接合体504の一部は、電熱線506を熱可塑性樹脂505の内部に埋設しており、電熱線506に通電することにより、電熱線506が発熱し、これにより、熱可塑性樹脂506が溶解して、前面カバー501と背面カバー502とが接着固定されるものである。
次に、本実施形態の基板収納ケース500の分解斜視図である図7を用いて、基板収納ケース500の各構成を説明する。
前面カバー501には、主制御基板503のコネクタ部531と接続するための孔部510が複数(具体的には、3箇所)設けられている。孔部510から接続コネクタを主制御基板503に接続し、主制御基板503と外部機器との接続を図っている。また、通気孔511が複数設けられており、主制御基板503で発生した熱を外部に放出するようになっている。ヒューズ確認窓512は、溶解接合体504のヒューズ507を外部から確認できるように設けられた窓である。
背面カバー502には、溶解接合体504の電源接続端子508が後述する電気供給装置560と接合するための電源孔部521が設けられている。
また、前面カバー501及び背面カバー502の内側にはそれぞれ、図6(c)に示したように、外周に沿って溝550が設けられており、これにより、溝550と同径に形成された溶解接合体504を配置することができるようになっている。
さらに、前面カバー501及び背面カバー502の内側には、主制御基板503を位置決めするための位置決めピン520が複数(具体的には、6箇所)設けられ、主制御基板503に設けられた位置決め孔532に挿通されることにより位置決めされ、固定されるようになっている。
主制御基板503は、主制御部300を構成する回路基板530上に電子部品を実装して構成されている。回路基板530には、基板収納ケース500内部の所定の位置に固定されるように、位置決め孔532が複数(具体的には、6箇所)設けられているとともに、回路基板530には、外部機器との接続のためのコネクタ部531が複数(具体的には、3箇所)設けられている。
溶解接合体504は、正確には、内部に電熱線506を含んだ熱可塑性樹脂505、電熱線506と接続されたヒューズ507、及び電源接続端子508を備えており、溝550に配置可能となるように矩形状に形成されている。そして、電気供給装置560から電源接続端子508を介して通電されると、上述したように電熱線506の発熱により、熱可塑性樹脂505は溶解して、前面カバー501と背面カバー502は接着固定されるとともに、さらに電流を流し続けると、ヒューズ507の可溶体が溶断して、回路を遮断するようになっている。即ち、一度、溶解接合体504が溶けて基板収納ケース500が一体化されると、ヒューズ507の回路遮断機能により、再び、溶解接合体504に電流が流れることがないので、再度、同様の方法により通電したとしても、基板収納ケース500を開封することはできない。
尚、本実施形態においては、電熱線506としてニクロム線を用いるが、電熱線506はこれに限定されるものではなく、タングステン線等であってもよく、その他、電流が流れると熱を発生する金属であれば何であってもよい。
また、本実施形態においては、熱可塑性樹脂505として、融点が高いポリエチレンが好適であるが、熱可塑性樹脂505はこれに限定されず、ポリプロピレン、塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリアミド、ナイロン、ABS等に添加剤を混合したものであってもよい。本実施形態において他の熱可塑性樹脂に比べて融点が高いポリエチレンを選択したのは、不正防止の観点によるものであり、基板収納ケース500の外部から再加熱開封しようと試みた場合に、主制御基板503に実装された電子部品に何ら影響を及ぼすことのない温度で容易に開封されることがなく、また、開封までにある程度の時間を要するようにする等を配慮したためである。
また、本実施形態のヒューズ507は、過電流が流れたときに自己発熱して溶断し、回路を遮断する保護装置としての電流ヒューズであれば何であってもよいが、熱可塑性樹脂505の融点より高い温度で溶断することが望ましい。これは、熱可塑性樹脂505が溶けて、基板収納ケース500を接着した後に、回路を遮断させるためである。
また、本実施形態においては、電源接続端子508の材質として、二酸化ケイ素を用いているが、外部機器との接続端子としての機能を有するのであれば、その他の金属であってもよい。
さらに、本実施形態においては、図8(a)に示すように、熱可塑性樹脂505の中に電熱線506を埋め込む構成としたが、溶解接合体504としてはこの構成に限定されるものではなく、電熱線506の発熱が熱可塑性樹脂505に伝わるような構成であれば何であってもよく、例えば、図8(b)に示すように、熱可塑性樹脂505と電熱線506が隣接するような構成にしてもよい。また、溶解接合体504としては、電熱線506を用いなくてもよく、例えば、熱可塑性樹脂505の中に導電性の粒子を混入させるようにして、熱可塑性樹脂505と、通電して発熱する物質を混在一体化としたような構成とし、溶解接合体504自体が、電流が流れることにより発熱し、該発熱によって溶解し、前面カバー501及び背面カバー502を接着させるものであってもよい。
次に、本実施形態のスロットマシン100の基板収納ケース500の組み立て方法について説明する。
図9は、基板収納ケース500を組み立てる際に用いられる電気供給装置560の外観斜視図である。電気供給装置560は、基板収納ケース500を内接可能とする収容孔を設けた固定台561、基板収納ケース500の電源接続端子508と接続可能な接続端子部563、及び接続端子部563を介して基板収納ケース500に電気を供給する電気供給部562を具備する構成となっている。
基板収納ケース500を組み立てる際は、まず、前面カバー501及び背面カバー502の中に主制御基板503及び溶解接合体504を配置し、前面カバー501と背面カバー502を組み合わせた状態で、基板収納ケース500全体を固定台561の収容孔に配置固定する。
次に、基板収納ケース500の配置固定により、基板収納ケース500の電源接続端子508と電気供給装置560の接続端子部563が接続されるので、これを契機に電気供給装置560の電気供給部562から基板収納ケース500に対して通電が行われる。尚、通電は、接続を契機に自動的に行われるようになっているが、手動により通電するようにしてもよい。
この結果、基板収納ケース500の溶解接合体504においては、熱可塑性樹脂505が溶解し、前面カバー501及び背面カバー502が接着される。さらに、通電が続くと、ヒューズ507の溶断が発生するので、基板収納ケース500には、これ以上電流は流れない。以上の工程により、基板収納ケース500が組み立てられる。
尚、電気供給部562にタイマー機能を具備させ、通電後、一定の時間が経過すると、アラーム音又はアラーム表示を出力し、これにより、組み立て処理の終了を作業者に報知するようにしてもよい。また、作業時間が気温差等によって左右されないよう、通電量を調整できるような調整機能を具備させてもよい。
従って、本実施形態によれば、基板収納ケース500の前面カバー501及び背面カバー502の接合部に溶解接合体504を配置し、溶解接合体504に通電して熱を発生させて、溶解接合体504を溶解させ、前面カバー501及び背面カバー502を接着固定することにより、基板収納ケース500を組み立てるので、人的に依存する工程が少なく、基板収納ケース500の組み立て作業を効率よく行うことができ、量産性に優れるという効果を得ることができる。
<その他の実施の形態>
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、本発明の実施の形態に対して種々の変形や変更を施すことができる。例えば、溶解接合体504の熱可塑性樹脂505及び電熱線506の配置形態においては、種々の変形が可能である。
図10は、溶解接合体504の配置形態の変形例1を示している。上記実施形態の溶解接合体504は、熱可塑性樹脂505、電熱線506、ヒューズ507及び電源接続端子508が物理的に一体となっていたが、変形例1の溶解接合体504においては、熱可塑性樹脂505と電熱線506は物理的に一体となっていない。即ち、図10(a)に示すように、背面カバー502の溝550には、予め電熱線506及びヒューズ507が備え付けられており(図示しないが、電源接続端子508も背面カバー502に備え付けられている)、この溝550の上に、図10(b)に示すような熱可塑性樹脂505を配置するものである。図10(c)は、図10(b)に示す熱可塑性樹脂505のA方向の断面図であるが、熱可塑性樹脂505だけから構成されていることを示している。このように変形例1においても、電熱線506に通電があると、電熱線506と熱可塑性樹脂505は接しているので、電熱線506の発熱により、熱可塑性樹脂505は溶解し、前面カバー501と背面カバー502は接着固定するようになっている。
尚、変形例1においては、背面カバー502の溝550に予め電熱線506及びヒューズ507を備え付けるようにしていたが、前面カバー501に溝550を設け、この溝550に予め電熱線506及びヒューズ507を備え付けるようにしてもよい。
また、溶解接合体504の配置形態の変形例2としては、図11(a)に示すように、背面ケース502に熱可塑性樹脂505で形成された溝550を予め備え付けてもよく、この場合には、変形例1とは逆に、図11(b)に示す電熱線506(電熱線506に電源接続端子508も備え付けられている)、及びヒューズ507(図11(a)に示すように、ヒューズ507を格納する凹部も背面カバー502に予め設けられている)をこの溝550の上に配置するものである。変形例2においても、電熱線506に通電があると、電熱線506と熱可塑性樹脂505は接しているので、電熱線506の発熱により、熱可塑性樹脂505は溶解し、前面カバー501と背面カバー502は接着固定されるようになっている。
尚、変形例2においても、背面カバー502ではなく、前面カバー501に熱可塑性樹脂505で形成された溝550を予め設けるようにしてもよい。
また、溶解接合体504の配置形態の変形例3としては、基板収納ケース500の周囲全体を熱可塑性樹脂505で接着するのではなく、図12(a)に示すように、基板収納ケース500の周囲の一部を接着するようにしてもよい。ここで、図12(a)においては、基板収納ケース500の外周のうち、2辺が接着固定されるようになっている。
また、図12(a)に示すように、ヒューズ507及び電源接続端子508を複数設けるようにしてもよい。電源接続端子508が複数ある場合には、電熱線506が加熱する時間を短縮することができる。
また、溶解接合体504の配置形態の変形例4としては、ヒューズ507を用いずに、通電すると発熱を伴うとともに、自己の発熱により、溶断する金属を電熱線506’として用いてもよい。図12(b)は、この一例を示すものであるが、溶解接合体504に通電すると、熱可塑性樹脂505が配置された一辺は、溶解して、前面カバー501と背面カバー502が接着するが、電熱線506’が配置された一辺は、上記接着後、自己の発熱により、溶断するので、ヒューズ507を用いる場合と同一の機能を有するものである。尚、電熱線506’の溶断する温度は、熱可塑性樹脂505の融点より高いものである。
さらには、溶解接合体504の配置形態の変形例5としては、図12(c)に示すように、背面カバー502の周囲に2重に溝550A及び550Bを設け、2つの溶解接合体504A及び504Bを溝550A及び550Bの上にそれぞれ配置するようにしてもよい。この場合においては、一度、基板収納ケース500を外側の溶解接合体504Bにより接着固定した後、検査等により基板収納ケース500を開封する(例えば、ドライバー等でこじ開ける)ことがあったとしても、さらに内側の溶解接合体504Aを用いれば、再度、基板収納ケース500を接着固定することができる。
尚、図12(c)においては、溶解接合体504を2つ配置するようにしたが、3つ以上の溶解接合体504を配置するようにしてもよいものである。また、他の変形例と同様、背面カバー502でなく、前面カバー501に同様の溝550A及び550Bを設けてもよい。さらには、図12(c)においては、基板収納ケース500の外周の内側と外側というように溶解接合体504を2重化したが、多重化のバリエーションはこれに限定されず、例えば、溶解接合体504で構成された四辺形を複数の箇所に区分けして、各箇所ごとに溶解可能とするような多重化構成も可能である。このように、変形例5は、複数回の接着固定に対応可能な構成となっている。
また、上記実施形態及び上記変形例においては、1色の熱可塑性樹脂505を用いたが、複数の色を備えた熱可塑性樹脂505を採用してもよく、これにより、溶解すると複数の色が混ざり合うので、確実に基板収納ケース500を接着した履歴を残すことができる。例えば、図10(d)に示すように、上述した変形例1において、例えば、赤色及び白色の熱可塑性樹脂505a及び505bを用いると、溶解後は、赤色及び白色の二色が混ざり合った色となって固着するので、接着作業の有無を把握することが容易となる。
さらには、上記実施形態及び上記変形例においては、基板収納ケース500は、主制御基板503に対して適用したが、本発明はこれに限定されず、副主制御基板270に対して適用してもよいものである。