〈全体の構成〉
図1は、本発明の実施例に係る遊技台としてのスロットマシン100の外観を示す正面図である。
図1に示すように、スロットマシン100の中央内部には、外周面に複数種類の絵柄(「7」、「Bar」、「ベル」、「リプレイ」等の文字や記号:図示省略)を配列した円筒状のリールが3個(左リール110、中リール111、右リール112)収納され、本体201の内部で回転できるように構成されている。本体201の両サイドには、取手部201cが設けられ、スロットマシン100の運搬の際に利用される。
前面扉101には、リール表示窓113が設けられており、リール110〜112を正面から眺めると、これに施された絵柄がリール表示窓113から縦方向に3つ見えるようになっている。つまり、全リール110〜112が停止した場合、遊技者は、3×3の合計9個の絵柄を見ることができる。これらのリール110〜112が回転し、停止することにより、様々な絵柄の組み合せがリール表示窓113に表示されることになる。なお、本実施例では、3個のリールを備えるものとしたが、リールの数やリールの設置位置はこれに限定されるものではない。
各リール110〜112の裏側には、リール表示窓113上に表示される個々の絵柄を照らすためのバックライト(図示せず)が配置されている。バックライトは、例えば、7色(赤、緑、青紫の三原色と、白色等をはじめとするこれらの混合色)の光を発することが可能であり、各原色に対応したLED等を含んで構成される。
入賞ライン表示ランプ120は、遊技毎に有効となる入賞ライン114を示すランプである。有効となる入賞ライン114は、スロットマシン100に投入された遊技媒体(本実施例ではメダルを想定する。)の枚数によって変化する。例えば、図1に示すように5本の入賞ライン114を有する場合、メダルを1枚投入したときは中段の水平入賞ライン、2枚投入したときは、上段の水平入賞ラインおよび下段の水平入賞ラインを加えた3つの入賞ライン、3枚投入したときは更に2本の斜めの入賞ラインを加えた5ラインが有効となり、有効な入賞ライン114上に揃った絵柄の組み合せにより入賞が判断されることとなる。勿論、入賞ラインの数は5本に限定されるものではない。
スタートランプ121は、リール110〜112が回転することができる状態にあることを遊技者に知らせるランプである。再遊技ランプ122は、入賞役である再遊技に入賞したとき(例えば、リプレイ−リプレイ−リプレイの再遊技絵柄の組み合せが入賞ライン114上に揃ったとき)、遊技者へ次の遊技が再遊技であることを知らせるランプである。再遊技の場合、次遊技において遊技媒体であるメダルの投入が免除される。
告知ランプ123は、特別な入賞役(例えば、ビッグボーナス(BB)やレギュラーボーナス(RB))に内部当選した状態にあることを遊技者に報知するランプである。メダル投入ランプ124は、遊技開始にあたって遊技者にメダルの投入が必要であることを報知するランプである。
メダル投入枚数表示ランプ125は、遊技者が投入したメダル枚数を表示するランプである。本実施例では、1回の遊技に最大3枚までメダル投入できるので、縦に配置した3つのランプを用いてメダル投入枚数を表示している。無論、ランプで表示する他に7セグメント表示器等で直接メダル投入枚数を表示しても良い。
払出枚数表示器126は、メダルの払い出しのある何らかの入賞役に入賞したとき、遊技者へ払い出されるメダルの枚数を表示する表示器である。遊技回数表示器127は、ビッグボーナスゲーム中の一般ゲームの回数等を表示する表示器である。貯留枚数表示器128は、電子的に貯留(クレジット)しているメダルの枚数を表示する表示器である。
メダル投入ボタン131,132は、貯留されたメダルをスロットマシン100へ電子的に投入するための投入ボタンであり、いわゆるベットボタンと呼ばれているものである。本実施例では、3枚メダル投入ボタン131(最大枚数のメダルを投入できる、いわゆるマックスベットボタン)と、1回押下するごとに1枚のメダルを投入する1枚メダル投入ボタン132とを有し、これらのボタンのいずれかを押下することにより遊技に必要な1〜3枚のメダルがスロットマシン100へ電子的に投入される。2枚のメダルを投入する場合は、1枚メダル投入ボタン132を2回押下することとなる。投入されたメダル枚数分は、現在の貯留枚数から減算されて残枚数が貯留枚数表示器128に表示される。
メダル投入口133は、遊技を開始するに当たって遊技者が直接メダルを投入するための開口を有する。メダルを直接投入した際に、メダル投入口直下にあるメダルセレクターユニット(図示せず)内にメダルが詰まってしまった場合は、メダルキャンセルスイッチ133aを操作することによってメダルの詰まりを解消させる。スタートレバー135は、遊技の開始操作として、リール110〜112の回転を開始させるレバー型のスイッチである。
ストップボタンユニット136には、3つのストップボタンが設けられている。各ストップボタンは、押下することによって対応するリール110〜112を停止させるボタン型のスイッチである。具体的には、左側のストップボタンを操作することによって左リール110が、中央のストップボタンを操作することによって中リール111が、右側のストップボタンを操作することによって右リール112がそれぞれ停止する。
各ストップボタンの内部にはランプ(図示せず)が設けられており、スタートレバー135が操作された後、リール110〜112の停止操作が可能な状態になると全ランプが点灯し、遊技者に停止操作が可能になったことを報知する。各ストップボタンのランプは各ストップボタンが押下される毎に消灯する。無論、停止操作可能な状態とその他の状態とでランプの発光色を変化させるように構成することもできる。
精算ボタン138は、遊技者が獲得したメダルを精算して排出する精算処理を行う場合に押下されるボタンである。
キー孔139は、扉開閉用のキーを差し込む孔で、キーを差し込んで時計方向に回すとロックが解除され、スロットマシン100の前面扉101を開けることができる。メダル排出口165は、メダルを排出するための開口であり、入賞時に払い出されるメダルはここから排出される。排出されたメダルは、受け皿160に溜まるようになっている。
上部ランプ190、サイドランプ151,152、中央ランプ153,154、腰部ランプ155,156、下部ランプ157,158は、遊技を盛り上げるための演出用のランプであり、遊技状態に応じて点灯/消灯/点滅する。また、図示を省略したタイトルパネルランプによりタイトルパネル140を照明する。更に、装飾を施したスピーカカバーが装着された中央スピーカの音孔173から遊技の効果音が出力される。
本実施例では、受皿160を透光性材料で構成し、受皿取り付け面からランプ光を入射させることで上記演出用のランプと同様の効果を発揮させるように構成している。また、受皿160には、着脱可能に構成した灰皿ユニット170が設けられている。
また、スロットマシンの上部(リール表示窓113の上方)中央部には、遊技に関する各種の情報(ゲームを盛り上げるためキャラクタ等を登場させるゲーム画面、スロットマシンの内部で異常が発生した場合にエラーの内容を表示するエラー画面など)を表示することができる液晶表示装置180が設けられており、この液晶表示装置180を用いて、各種スイッチ類(例えば、3枚メダル投入ボタン131や1枚メダル投入ボタン132,スタートレバー135,ストップボタンユニット136,精算ボタン138等)に生じた動作不良に関する情報も報知する。
次に、スロットマシン100における制御手段として機能する各制御部を詳細に説明する。図2は主制御部300の詳細を示すもので、図3は副制御部400の詳細を示すものである。
〈主制御部の構成〉
まず、図2を用いて、スロットマシン100の主制御部300について説明する。主制御部300は、主制御部300の全体を制御するための演算処理装置であるCPU310や、CPU310が各ICや各回路と信号の送受信を行うためのデータバス及びアドレスバスを備え、その他、以下に述べる構成を有する。
クロック補正回路314は、水晶発振器311から発振されたクロックを分周してCPU310に供給する回路である。例えば、水晶発振器311の周波数が12MHzの場合に、分周後のクロックは6MHzとなる。CPU310は、クロック補正回路314により分周されたクロックをシステムクロックとして受け入れて動作する。
また、CPU310には、後述するセンサやスイッチの状態を常時監視するための監視周期やモータの駆動パルスの送信周期を設定するためのタイマ回路315がバスを介して接続されている。CPU310は、電源が投入されると、データバスを介してROM312の所定エリアに格納された分周用のデータをタイマ回路315に送信する。
タイマ回路315は、受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに、割り込み要求をCPU310に送信する。CPU310は、この割込み要求を契機に、各センサ等の監視や駆動パルスの送信を実行する。例えば、CPU310のシステムクロックを6MHz、タイマ回路315の分周値を1/256、ROM312の分周用のデータを44に設定した場合、この割り込みの基準時間は、256×44÷6MHz=1.877msとなる。
また、CPU310には、各ICを制御するためのプログラム、入賞役の内部抽選時に用いる抽選データ、リールの停止位置等を記憶しているROM312や、一時的なデータを保存するためのRAM313が接続されている。これらのROM312やRAM313については他の記憶手段を用いてもよく、この点は後述する副制御部400においても同様である。
また、CPU310には、外部の信号を受信するための入力インタフェース360が接続され、割込み時間ごとに入力インタフェース360を介して、メダル受付センサ320、スタートレバーセンサ321、ストップボタンセンサ322、メダル投入ボタンセンサ323、精算ボタンセンサ324、リセットスイッチ326、メダル払出センサ327の状態を検出し、各センサを監視している。
メダル受付センサ320は、メダル投入口133の内部の通路に2個設置されており、メダルの通過有無を検出する。スタートレバーセンサ321は、スタートレバー135に設置されており、遊技者によるスタート操作を検出する。ストップボタンセンサ322は、各々のストップボタンに設置されており、遊技者によるストップボタンの操作を検出する。
メダル投入ボタンセンサ323は、メダル投入ボタン131、132のそれぞれに設置されており、RAM313に電子的に貯留されているメダルを遊技用のメダルとして投入する場合の投入操作を検出する。たとえば、CPU310は、メダル投入ボタン131に対応するメダル投入ボタンセンサ323がHレベルになった場合に、電子的に貯留メダルを3枚投入し、メダル投入ボタン132に対応するメダル投入ボタンセンサ323がHレベルになった場合に、電子的に貯留メダルを1枚投入する。なお、メダル投入ボタン131が押された際、貯留されているメダル枚数が2枚の場合は2枚投入され、1枚の場合は1枚投入される。
精算ボタンセンサ324は、精算ボタン138に設けられている。精算ボタン138が押されたことを精算ボタンセンサ324が検出すると、CPU310は、貯留記憶されている貯留メダルの枚数と、メダル投入口133から投入された投入メダルの枚数と、払出を保留されている払出保留メダルの枚数を全て積算して総メダル数を算出し、ホッパモータを駆動させてメダル払出装置から総メダル数分のメダルを払い出す精算処理を行う。なお、メダル払出装置の払出可能なメダル数が精算用の総メダル枚数に満たないために、途中でメダル払出装置が空になった場合、精算処理を中止して、メダル払出装置が空である旨のエラー報知を行う。
リセットスイッチ326は、エラー等の復旧後に操作されると、RAM313の特定エリアをクリアして通常稼働状態に復帰させるものである。メダル払出センサ327は、メダル払出装置によって払い出されたメダルを検出し、適正数の払出制御を行うためのものである。なお、以上の各センサは、非接触式のセンサであっても接点式のセンサであってもよい。
CPU310には、さらに、入力インタフェース361、出力インタフェース370、371がアドレスデコード回路350を介してアドレスバスに接続されている。CPU310は、これらのインタフェースを介して外部のデバイスと信号の送受信を行っている。
入力インタフェース361には、インデックスセンサ328が接続されている。インデックスセンサ328は、具体的には、各リール110〜112の取付台の所定位置に設置されており、リールに設けた遮光片がこのインデックスセンサ328を通過するたびにHレベルになる。CPU310は、この信号を検出すると、リールが1回転したものと判断し、リールの回転位置情報をゼロにリセットする。
出力インタフェース370には、リールを駆動させるためのリールモータ駆動部330と、メダル払出装置(バケットにたまっているメダルをメダル排出口165から払出すための装置。図示せず。)のホッパモータを駆動するためのホッパモータ駆動部331と、遊技ランプ340(具体的には、入賞ライン表示ランプ120、演出用ランプ等)と、払出枚数表示器126と、遊技回数表示器127と、貯留枚数表示器128とが接続されている。
また、CPU310には、乱数発生回路317がデータバスを介して接続されている。乱数発生回路317は、水晶発振器311及び水晶発振器316から発振されるクロックに基いて、一定の範囲内で値をインクリメントし、そのカウント値をCPU310に出力することのできるインクリメントカウンタであり、入賞役の内部抽選をはじめ各種抽選処理に使用される。
また、CPU310のデータバスには、副制御部400にコマンドを送信するための出力インタフェース371が接続されている。
〈副制御部の構成〉
次に、図3を用いて、スロットマシン100の副制御部400について説明する。副制御部400は、主制御部300より送信された主制御コマンド等に基づいて副制御部400の全体を制御する演算処理装置であるCPU410や、CPU410が各IC、各回路と信号の送受信を行うためのデータバス及びアドレスバスを備え、以下に述べる構成を有する。
クロック補正回路414は、水晶発振器411から発振されたクロックを補正し、補正後のクロックをシステムクロックとしてCPU410に供給する回路である。
また、CPU410にはタイマ回路415がバスを介して接続されている。CPU410は、所定のタイミングでデータバスを介してROM412の所定エリアに格納された分周用のデータをタイマ回路415に送信する。タイマ回路415は、受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに、割り込み要求をCPU410に送信する。CPU410は、この割込み要求のタイミングをもとに、各ICや各回路を制御する。
また、CPU410には、副制御部400の全体を制御するための命令及びデータ、バックライトの点灯パターンや各種表示器を制御するためのデータが記憶されたROM412や、データ等を一時的に保存するためのRAM413が各バスを介して接続されている。
また、CPU410には、外部の信号を送受信するための入出力インタフェース460が接続されており、入出力インタフェース460には、各リール110〜112の絵柄を背面より照明するためのバックライト420、RAM413のデータをクリアにするためのリセットスイッチ421等が接続されている。
CPU410には、データバスを介して主制御部300から主制御コマンドを受信するための入力インタフェース461が接続されており、入力インタフェース461を介して受信したコマンドに基づいて、遊技全体を盛り上げる演出処理等が実行される。
また、CPU410のデータバスとアドレスバスには、音源IC480が接続されている。音源IC480は、CPU410からの命令に応じて音声の制御を行う。また、音源IC480には、音声データが記憶されたROM481が接続されており、音源IC480は、ROM481から取得した音声データをアンプ482で増幅させてスピーカ483から出力する。
CPU410には、主制御部300と同様に、外部ICを選択するためのアドレスデコード回路450が接続されており、アドレスデコード回路450には、各種演出用のランプへ信号を出力するための出力インターフェース470、主制御部300からのコマンドを受信するための入力インタフェース461、液晶画面制御部500からの信号を入力するための入力インタフェース471、時計IC424、7セグメント表示器440への信号を出力するための出力インタフェース472が接続されている。
時計IC424が接続されていることで、CPU410は、現在時刻を取得することが可能である。7セグメント表示器440は、スロットマシン100の内部に設けられており、たとえば副制御部400に設定された所定情報を店の係員等が確認できるようになっている。
更に、出力インタフェース470には、デマルチプレクサ419が接続されている。デマルチプレクサ419は、出力インタフェース470から送信された信号を各表示部等に分配する。即ち、デマルチプレクサ419は、CPU410から受信したデータに応じて上部ランプ190、サイドランプ151,152、腰部ランプ155,156、下部ランプ157,158、リールパネルランプ145、タイトルパネルランプ140a、受皿ランプ160a、払出口ストロボ165aを制御する。
リールパネルランプ145は、リール110〜112を照明するランプであり、タイトルパネルランプ140aは、タイトルパネル140を照明するランプであり、受皿ランプ160aは、受皿160を照明するランプであり、払出口ストロボ165aは、メダル排出口165の内側に設置されたストロボタイプのランプである。
なお、CPU410は、液晶画面制御部500への信号送信は、デマルチプレクサ419を介して実施する。逆に、CPU410は、入力インタフェース471を介して液晶画面制御部500からの信号を受信する。すなわち、CPU410は、デマルチプレクサ419と入力インタフェース471を介して液晶画面制御部500と双方向通信を行う。この液晶画面制御部500は、液晶表示装置180の表示制御を行う装置である。
〈主制御部メイン処理〉
図4は、本実施例のスロットマシン100における遊技の基本的制御(主制御部メイン処理)を示すフローチャートである。遊技の基本的制御は、主制御部300のCPU310が中心になって行い、電源断等を検知しないかぎり、一連の処理を繰り返し実行する。また、このメイン処理の実行中、所定時間毎(例えば、1.877ms毎)にタイマ割込処理が実行され、各種表示の表示更新処理や各種検出器からの検出信号の受付処理などを行う。
ステップS101では、メダル投入およびスタート操作の受付処理を行う。ステップS102では、乱数発生回路317で発生させた乱数を取得する。ステップS103では、上記S102で取得した乱数値と、ROM312に格納されている入賞役抽選テーブルを用いて、入賞役の抽選を行う。なお、入賞役の種類は任意に採用することができるが、本実施例では、レギュラーボーナス(RB)、ビッグボーナス(BB)、小役、再遊技などが存在する。各入賞役には、設定値毎、投入枚数毎に、抽選データが設定されている。
ステップS104では、全リール110〜112の回転を開始させる。ステップS105では、ストップボタンの受け付けが可能になり、いずれかのストップボタンが押されると、押されたストップボタンに対応するリールを、S103の抽選結果に応じた絵柄で停止させる制御を行う。ステップS106では、入賞判定を行う。ここでは、有効化された入賞ライン114上に、入賞役に対応する絵柄組合せが表示された場合にその入賞役に入賞したと判定する。例えば、有効化された入賞ライン114上に、「ベル−ベル−ベル」が揃っていたならばベル入賞と判定する。また、「7−7−7」が揃っていたならばBB入賞と判定する。入賞結果は、入賞結果コードとして格納される。
ステップS107では、払い出しのある何らかの入賞役に入賞していれば、メダル払出装置を作動させて、その入賞役に対応する枚数のメダルを払い出す。ステップS108では、遊技状態制御処理を実行する。この遊技状態制御処理では、遊技の種類を移行させるための制御が行われ、例えば、BB入賞の場合には、次回からBBゲームを開始できるよう準備し、BBゲームの最終遊技では、次回から通常遊技が開始できるよう準備する。以上により1ゲームが終了し、以降これを繰り返すことにより遊技が進行することとなる。
遊技台の一例としてのスロットマシン100は、前記したように前面扉101と本体201とからなり、この本体201(以下、筐体200と呼ぶことがある。)の内部に、3個のリール110〜112、メイン制御基板301、サブ制御基板401、メダル払出装置510、電源装置600等の諸装置が収納されている。
筐体200、即ち本体201は、前面側が開放するやゝ縦長な箱状に形成され、例えば、木材やベニヤ合板、合成樹脂板、或いは木質繊維を合成樹脂で成形したファイバーボードと呼ばれる繊維板等、適宜な材質により形成されている。
箱状に形成した筐体200、即ち天面板210、底面板211、左右の側面板212、及び背面板213から箱状に形成した筐体200の内面、少なくとも背面板213の内面には、導電性を有する金属板220が添設してある。この金属板220は、例えば静電気による不都合の発生を防止したり、ノイズ対策用の遮蔽材、或いは部品等を取り付けるための構造材として機能する。
筐体200の背面板213には、種々の開口部を開設する。例えば、図5(b)の背面図に示すように、上縁付近には上部通風口231を、下縁付近には下部通風口232をそれぞれ開設し、中段部分の左側縁付近には、外部集中端子板511と接続するための信号コードを通すための外部集中端子板接続コード穴233と、メダルの残量を検出してメダルの補給信号を送信するため信号コードを通すためのメダル補給センサコード穴234が開設してある。
また、背面板213の下方部分には、後述する電源装置600に対応するように電源装置用通風口235が、横長な比較的大きなほゞ矩形に開設してある。更に、この電源装置用通風口235の上方には、効果音等を発生するためのスピーカ穴236が円形に開設され、スピーカーネット236aが装着されている。
上記スピーカーネット236aの側方位置には、メダルを補給するためのパイプ或いは樋を通すためのメダル補給用穴237が、必要に応じて開設される。このため、図示の実施例では、ほゞ方形のメダル補給用穴237を簡単に開設できるように、L字形の切断穴237aを四隅に配置してある。そこで、メダル補給用穴237が必要ならば、各切断穴237aの間に残っている連設部237bを切断すればよい。
更に、背面板213の下方隅部分には、後述する電源コード610を挿通させるための電源コード用穴238が開設してある。
背面板213の適所には、製造ナンバーを示す製造ナンバーシール541、製造元等を示す製造ステッカー542、或いは後述するコード処理手段の使用法、即ち電源コード610の処理方法を表示した説明ステッカー543等を適宜に貼付する。
筐体200の左右の側面板212には、取手部201cを形成するための取手穴209が開設してある。
図6(a)は、前面扉101を外した状態のスロットマシン100を示す正面図である。即ち、筐体200の内部には、上部通風口231と重ならない位置に、メイン制御基板301が配置され、このメイン制御基板301の下方に、3つのリール110〜112が配置されている。また、前記メイン制御基板301及びリール110〜112の側方、即ち向って左側の側面板212には、サブ制御基板401が配設してある。
そして、リール110〜112の下方には、メダル払出装置510が配設され、このメダル払出装置510の後方、即ち背面板213側には、電源基板601を有する電源装置600が配設される。また、電源装置600の上方には、スピーカ520が配設してある。更に、前記メダル払出装置510の右側には、メダル補助収納庫530が配設してある。尚、筐体200の内部には、電源スイッチ512及び設定スイッチ513が設けてある。
電源装置600には、電源コード610を接続する電源コード接続部602が設けてある。この電源コード接続部602は、電源コード610の一端に設けたACコネクタ611に対応するコネクタ受である。このコネクタ受は、使用する電源コード610に対応して設ければよく、図示の実施例では、電源コード610のコード本体612にアース線を含む三極コードを使用しているので、3つの刃部を有している。また、上記電源コード接続部602の下方には、他の装置のアース線を接続するためのアース部603が設けてある。
電源コード610は、図6(b)に示すように、コード本体612の一端にACコネクタ611を備え、他端にACプラグ613を備える。また、このコード本体612は、例えば、電気用軟銅線を撚り合せた導体を塩化ビニル等の絶縁体で被覆した3本の線材を、ビニールシースで被覆した断面ほゞ円形のコードであり、外径が約7mm程度のものである。勿論、所望の定格をクリアできれば、ビニル平行線等、他の電気コードを使用してもよいし、アース線を別個に設けるものでもよい。尚、遊技島に列設した各スロットマシン100と、遊技島に設置したコンセントとの距離は、各々のスロットマシン100によって異なり、電源コード610の長さは前記コンセントに届く長さがあればよいが、長さの異なる電源コード610を用意するのは煩雑である。そこで、コンセントから遠い位置にあるスロットマシン100であっても充分に届くように、2mまたは3mを定尺とする電源コード610が用いられている。
スロットマシン100では、電源装置600に接続された電源コード610が、筐体200の背面板213に開設した電源コード用穴238を通して外部に延出している。したがって、スロットマシン100の配置を変えるために遊技店内で移動させたり、一時保管しておく場合には、この電源コード610が邪魔になる。そこで、従来は、例えば図20に示すように、電源コード610が床を擦ることがないように、電源コード610をスタートレバー135に引っ掛けたり、粘着テープ590で筐体200の天面板210に仮止めして処理していた。また、電源コード610を丸めて筐体200の内部に収納することも行なわれていた。
そこで、本発明では、電源コード610を手軽且つ確実に処理可能なコード処理手段を設けている。このコード処理手段の具体的な一例は、例えば、図5に示すように、前記筐体200を構成する背面板213にコード止穴710を開設すると共に、このコード止穴710の縁部に電源コード610が係止可能なコード止凸部711を形成することにより構成する。
即ち、背面板213の上段部分において、前記した上部通風口231の下方に、左右ほゞ対称にコード止穴710を開設して、コード止凸部711を形成している。コード止穴710は、例えば、横向きのJ字状に開設したもので、即ち、ほゞ水平方向に位置する上側開口部710aと、この上側開口部710aの外端側から下方に延びる側方開口部710bと、該側方開口部710bの下端から背面板213の中央方向へほゞ水平に向う下側開口部710cとからなり、下側開口部710cは上側開口部710aよりも短く、上側開口部710aと下側開口部710cとの間にコード止凸部711が形成される(図8参照)。
コード止凸部711の突出量A及び開口部710aの幅Bは、電源コード610を複数回係止させることにより複数回巻き付け可能に設定してある。尚、筐体200の材質として中質繊維板(MDF:Medium density fiberbord)を用いる場合には、背面板213の肉厚Tは15mm程度になる。そこで、コード止凸部711の突出量A及び開口部710aの幅Bを、例えば、20mm程度にすれば、直径10mm前後の電源コード610を2回程度係止させることができ2回程度巻き付け可能になる。そして、電源コード610の先端、即ちACプラグ613側を、前記のようにして巻き付けた電源コード610に挟み込むようにするとよい(図7参照)。
前記したコード処理手段、即ち、コード止穴710及びコード止凸部711を設ける位置は、筐体200のどこに設けてもよいが、作業性を考慮すると、筐体200の上方に位置することが好ましい。そこで、筐体200の下方に配設した電源装置600に接続した電源コード610が、背面板213の下方隅部に開設した電源コード用穴238から、筐体200の外部に延出する。この外部に延出する電源コード610を、上方に引き上げて、前記したように背面板213の上方部分の左右に設けたコード止凸部711に順次係止させることにより、前記左右のコード止凸部711を支点に電源コード610をゆったりとした巻装状態に処理するのである。
例えば、図7(b)に示すように、電源コード用穴238から充分に離れた電源コード610の第1の地点を、向って左側のコード止凸部711に係止させ、次いで、前記第1の地点から左右のコード止凸部711の間隔よりも若干大きく離れた第2の地点を、向って右側のコード止凸部711に係止させ、更に、前記第1の地点と第2の地点との距離と同程度離れた第3の地点を、向って左側のコード止凸部711に係止させ、上記のような操作を左右のコード止凸部711に対して順次繰り返し行うことにより、電源コード610を左右のコード止凸部711を2つの支点とする巻装状態で処理する。尚、少なくとも一つの支点に対して、電源コード610上の複数の地点が、繰り返し係止或いは嵌着等している状態を巻装状態とする。従って、例えば、ほゞ円形の軌跡を描くように、電源コード610上のほゞ等間隔の地点を一つの支点に係止させれば、当該電源コード610を環状の巻装状態で処理することができるし、左右で折り返す軌跡を描くように、電源コード610上のほゞ等間隔の地点を左右2つの支点に係止させれば、当該電源コード610を折り返し状の巻装状態で処理することができる。また、途中で交差する軌跡を描くようにすれば、8字状或いは横8字状の巻装状態で処理することも可能である。
コード止凸部711に電源コード610を係止させる際には、図9(a)に示すように、電源コード保持凸部720を設けて、この電源コード保持凸部720に係止させることもできる。即ち、コード止凸部711の裏側、言い換えると筐体200の内部になる背面板213の内側に、例えばボス部材をネジ止めして電源コード保持凸部720を形成する。この場合には、コード止凸部711の長さが多少短くても、電源コード610を確実に係止させることができる。
また、図9(b)に示すように、コード止凸部711に、電源コード610の外形寸法、丸型コードならば外径、平型コードならば横幅に対応する凹溝を形成し、この凹溝を電源コード保持凹部730とし、電源コード610を嵌着することにより電源コード610を巻装状態で処理するようにしてもよい。このようにすれば、巻き付けた電源コード610がほどけることがなく、巻装状態での処理が確実になる。
更に、前記した電源コード保持凸部720に替えて、筐体200の内面に添設した金属板220によって、ストッパ部740を形成することもできる。即ち、前記したように、背面板213の内面に添設してある金属板220の先端を、筐体200の内部に向くように起立させて、ストッパ部740とするのである。このようにしても、電源コード610の係止が確実になり、ほどけることがない。
ところで、巻き付けた電源コード610の先端には、ACプラグ613が存在する。例えば、図7ではこのACプラグ613は、電源コード610の間に差し込んで、挟み込むように処理しているが、このACプラグ613が電源コード610の間から抜け落ちると、電源コード610が解け落ちてしまうおそれがある。そこで、例えば左側のコード止部の下方に近傍に、ACプラグ613を挿入可能であると共に当該ACプラグ613の肩部631aが係止するプラグ用穴750を開設しておくとよい。即ち、例えば図9(d)、(e)に示すように、大径の上穴部750aと小径の下穴部750bとを繋げた、所謂ダルマ穴を設け、大径の上穴部750aからACプラグ613を筐体200の内部に挿入し、コード本体612の部分を下穴部750bに位置させて引き戻せば、図9(e)に示すように、挿入したACプラグの肩部631aが下穴部750bの縁に係止して抜けなくなる。このようにすれば、電源コード610の先端部分であるACプラグ613を、簡単に処理することができ、邪魔になったり、破損することもない。
上記したプラグ用穴750の形状は、上記に限ることなく、ACプラグ613の姿勢によって通過可能な位置と、通過不可能な位置とを取り得ればよい。即ち、電源コード610の先端に形成したACプラグ613が所定の姿勢にあるときは通過可能であると共に他の姿勢にあるときは係止するように、ACプラグ613の最大長より長い長大部と、ACプラグ613の最小長より短いが電源コード610の径よりは長い短小部とを複合させた接続端部通過口を、筐体200の背面板213に設ければよい。
上記したようなACプラグ用穴750は、筐体200のどこに設けてもよいが、電源コード用穴238が、背面板213の下方右側の隅部分に設けてある場合は、この電源コード用穴238と、対角線上に位置するように、左側のコード止穴710の近傍に設けると、作業性が向上し、扱い易くなる。
上記した説明では、コード止穴710及びコード止凸部711を、左右2個所に設けて、電源コード610を左右のコード止凸部711に係止させることによりゆったりと巻き付ける場合を説明したが、コード止穴710及びコード止凸部711は、2個所以上設けることもできる。即ち、コード止穴710及びコード止凸部711を3個所に設ければ、前記各コード止凸部711を支点として電源コード610をほゞ3角形状に巻き付けることになるし、コード止凸部711を4個所に設ければ、各コード止凸部711を支点としてほゞ矩形に巻き付けることになる。
一方、コード止穴710を1個所とすることもできる。即ち、図10に示すように、左右のコード止穴710の、上側溝712を連通させても、電源コード610をコード止凸部711に係止させることによりゆったりと巻き付けることができる。
また、図示していないが、電源コード610を筐体200の外部に引き出すための電源コード用穴238と、コード止穴710とを兼用とすることもできる。即ち、コード止穴710をACプラグ613を通過可能な大きさに開設し、電源装置600に接続した電源コード610のACプラグ613をコード止穴710に通し、当該電源コード610を筐体200の外部に延出させる。そして、この外部に延出する電源コード610を、コード止凸部711に係止させることによりゆったりと巻き付けるようにしてもよい。
本発明におけるコード処理手段は、筐体200の背面板213ばかりではなく、背面板213に添設する金属板220に形成することもできる。即ち、筐体200の背面板213には、前記したように金属板220が、例えば図11(a)に示すように、ネジ581により背面板213に止着され、この金属板220に対してメイン制御基板301が、係止爪301aを金属板220に設けた係止穴582に係止させる係止手段により、着脱可能に取り付けられている。
金属板220には、前記した背面板213の上部通風口231に対応する位置に、複数の小通風口221が開設してある。そこで、この小通風口221の一部を切り起こして、コード係止部760を構成することができる。即ち、隣り合う小通風口221の間に位置する縦長な帯板部761の上端付近を切断すると共に、下端付近を筐体200の外側へ向くように屈曲させ、切り離した帯板部761の上端と、背面板213の上部通風口231の下面との間に、電源コード610を挿通可能な空間部762を形成する。このとき、図11(c)に示すように、屈曲させた帯板部761と背面板213の外面とが、ほゞ揃うようにすると、コード係止部760が背面板213の外側に突出し難くなる。
また、金属板220を切断したままにしておくと、作業者が負傷する恐れも有るので、例えば図11(b)に示すような、保護カバー763を被着するとよい。尚、この保護カバー763は、例えば合成樹脂で成形することができる。
そして、保護カバー763を被着すると、帯板部761、即ちコード係止部760の上端部分が被覆されることになるので怪我を防止するばかりではなく、この拡大した部分がストッパとして機能するので電源コード610が不用意に外れることを防止可能である。
尚、図11に示した実施例では、隣り合う2個所の帯板部761を切り起こし、これらの帯板部761に電源コード610を係止させることにより、両帯板部761を支点とする環状にゆったりとした巻装状態で処理しているが、離れた位置の帯板部761を切り起こして、例えば図7に示した前記実施例のように、離れた位置にある帯板部761を左右の支点として係止させることにより、ゆったりとした巻装状態で処理することもできる。
本発明では、コード処理手段を、電源コード610側に設けることもできる。即ち、図12に示すように、電源コード610の途中に、コード処理手段を構成する嵌着部材630を設け、この嵌着部材630を筐体200の背面板213に設けた嵌着受部材640に嵌着するようにすればよい。
即ち、例えば図12(b)に示すように、鍔部631の前後にコード装着部632と係止部633とを有する嵌着部材630を、図12(c)に示すような嵌着受部材640に着脱可能に嵌着すればよい。具体的には、平板状の鍔部631の一方側、図面では下側に、電源コード610を挿通可能な挿通孔632aを備えるコード装着部632を形成すると共に、前記鍔部631の反対側、図面では上側に、先端に係止爪633aを備えると共に、縮径方向に弾性変形可能に割溝634を設けた係止部633を形成する。
一方、上記嵌着部材630に対応する嵌着受部材640は、図12(c)に示すように、フランジ部641の一側に円筒部642が突設してあり、この円筒部642には前記嵌着部材630の係止爪633aが係止可能な断付き係止穴643が設けてある。また、フランジ部641には、止ネジを挿通する止穴644が設けてある。
そして、予め上記したような嵌着受部材640を背面板213の適宜な位置に取り付けておき、図12(a)に示すように電源コード610の適宜な位置に装着した嵌着部材630を、前記背面板213の嵌着受部材640に嵌着して、図12(d)に示すように、電源コード610を嵌着部材630及び嵌着受部材640を頂点とする環状にゆったりとした巻装状態で処理する。
尚、嵌着受部材640を介することなく背面板213に開設した取付孔(図示せず)に、嵌着部材630を直接嵌着するようにしてもよいし、移動時等には通常使用しない他の目的で開設した開口を利用するようにしてもよい。例えば、信号線を引き出すために開設した外部集中端子板接続コード穴233やメダル補給センサコード用穴を利用可能である。
本発明におけるコード処理手段は、前記した背面板213に開設した通風口を利用して形成することもできる。即ち、図13に示すように、先ず、上部通風口231の上縁と下縁とを結ぶ架橋部241を形成し、或いは比較的短尺な小開口部242を横方向に隣接して開設するといってもよい。尚、上記上部通風口231には、金属板220に複数開設した小通風口221が臨んでいる。
上記架橋部241、即ち背面板213として残存している部分に、電源コード610の外径に対応する幅aの溝ないし切欠243を水平方向に設け、左右に隣接する小開口部242、242を連通させることによって、コード処理手段を形成する。尚、溝ないし切欠243は、電源コード610を嵌着可能な幅とし、例えば外径が10mmの電源コード610を使用する場合には、9.5mm程度とし、板厚15mmの背面板213を使用していれば、二回り電源コード610を嵌着可能になる。
図13に示す実施例では、左右2個所に架橋部241を設けており、これらの架橋部241に形成したコード処理手段としての切欠243に、電源コード610の適宜個所を順番に嵌着することによって、図13(d)に示すように、左右の切欠243を支点とするほゞ楕円形に、当該電源コード610をゆったりとした巻装状態で処理している。
また、この実施例では、電源コード610のシースが備える弾性によって、電源コード610を保持しているが、電源コード610に負担をかけることなく当該コードを保持するようにすることもできる。例えば、架橋部241に設けた溝ないし切欠243に、ゴム製のコードストッパ244を装着するのである。例えば、図13(e)に示すように、ほゞL字形に形成した弾性を有するゴム製のコードストッパ244を架橋部241にネジ止めすることにより、前記溝ないし切欠243の端面を覆ってしまう。
このようにすれば、コードストッパ244の弾性によって、電源コード610を保持することができる。尚、図示の説明では、下側にのみコードストッパ244を設けているが、上側に設けてもよいし、上下双方に設けてもよい。また、ゴム製のコードストッパ244に替えて、バネ板等、電源コード610を保持するに足りる弾性を有するものならばどのような構成を備えるものであってもよい。
本発明におけるコード処理部は、筐体200の背面板213ばかりではなく、天面板210に形成することもできる。即ち、図14(a)に示すように、筐体200の天面板210の後縁に近い位置において、左右の側縁から内向きに且つ奥へ進むほど浅くなるように係止溝部250を切り出し状に設けている。尚、上記天面板210の後縁に近い位置は、遊技台を遊技店の島に配置した場合に、島内に収まり、遊技者から隠れる位置である。
そして、天面板210の左右に設けた係止溝部250を利用して、図14(b)に示すように、電源コード610を筐体200の上角部に、床に届かないようにゆったりと環状に巻き付ける。このようにすれば、遊技台を移動する際など、電源コード610を一時的に収納したい場合に、左右の係止溝部250を支点として巻装状態で簡単に処理することができ、電源コード610が邪魔になることがない。
本発明は、例えば、図15に示すように、電源コード610を筐体200内に収納させて処理することもできる。即ち、例えば図15(a)、(b)に示すように、電源コード610を収納可能な解放口261を有した収納ケース260を筐体200の内部に設け、電源コード610を前記収納ケース260に収納させるための開口部270を、筐体200を構成する背面板213に前記解放口261に対応して開設することにより、コード処理手段を構成するのである。
即ち、図15(b)に示すように、筐体200の背面板213に適宜な大きさのコード用開口部270を開設し、この開口部270の後方に、電源コード収納ケース260を取り付ける。この収納ケース260は、例えば前面側が開放する解放口261を備える箱枠状であって、解放口261の上縁及び下縁には取付片262が延設してあり、この取付片262に通したビス263により、背面板213に取り付けてある(図15(c)参照)。
そこで、電源コード610が不要な場合には、筐体200の外部に延出している電源コード610を、背面板213に開設した開口部270から収納ケース260に押し込めばよい。したがって、移動などの際に、電源コード610が邪魔にならない。尚、開口部270を閉止する蓋体を開閉可能に設けるようにしてもよい。
コード処理手段は、使用時にのみ出現させることもできる。例えば、図16に示すように、筐体200の背面板213に、コード止部収納口280を開設し、このコード止部収納口280の中に、回動軸281を支点に回動可能なコード係止腕282を設ける。このコード係止腕282は、通常、前記コード止部収納口280内に収まっているが、必要なときに引き起こせば、コード処理手段として機能する。尚、回動軸281は、収納口280の端部付近に位置しており、係止腕282が引き起こされて回動したときに、係止腕282の背面が収納口280の内面に当接して、係止腕282のストッパとなる。
上記のようなコード係止腕282を左右に一対設け、必要なときに、それぞれの係止腕282を引き起こして、背面板213の表面から突出させ、この突出した左右の係止腕282に電源コード610を係止させることによりゆったりと巻き付ければよい。
上記した実施例では、一対の係止腕282を、筐体200の背面板213に直接回動可能に設けているが、一対の係止腕282を取付基板283上に回動可能に設け、この取付基板283を背面板213に取り付けてもよい。この場合であっても、電源コード610が不要なときには、当該電源コード610を引き起こした一対の係止腕282に係止させることにより巻き付けることができる。また、取付基板283を取り外し可能に設ければ、遊技台を交換した際にも、リサイクル使用が可能になり、資源の有効活用が可能である。
本発明におけるコード処理手段を、バンド材290により形成することもできる。即ち、図17に示すように、両端部に設けた係止軸291を、背面板213に取り付けた取付部材292に開設した長穴293に遊合させて、背面板213との間隔を可変可能に設けたバンド材290によりコード処理手段を形成するのである。
この実施例においては、バンド材290を手前に引き出して、背面板213との間隔を拡げ、この間隔内に巻き取った電源コード610を差し込んで、挟み込めばよい。このようにすれば、簡単に電源コード610を処理することができ、邪魔になることがない。また、バンド材290を使わないときには、このバンド材290が背面板213とほゞ密接状態になるので、前記バンド材290自体が、邪魔になることもない。尚、バンド材自身にバネ性を持たせておけば、挟み込んだ電源コード610が弛むことがない。
本発明は、遊技台としてスロットマシンばかりではなく、パチンコ機800にも適用できる。例えば、図18に示すように、パチンコ機800を構成する木枠810の縦材811に、逆L字状のコード止穴710を切り欠いてコード止凸部711を形成することにより、コード処理手段を構成する。
そして、電源コード610を、床に届かない適宜な大きさの環状に前記コード止凸部711に係止させることにより、ゆったりとした巻装状態に処理すればよい。尚、コード止穴710が大きいと、この穴から不正行為が行なわれる恐れがあるので、この穴は可能な限り小さい方が好ましい。また、コード止穴710は、パチンコ機800を遊技店の島に配設したときには、島内に隠れる位置である。
パチンコ機800では、コード処理手段を、球を貯留するタンク部820に形成することもできる。即ち、図19に示すように、タンク部820の対向する側縁821の上縁部分を切り欠いて係止溝822を形成することにより、コード処理手段を構成することができる。
そして、対向する係止溝822、即ちコード処理手段に、電源コード610を係止させながら、当該電源コード610でタンク部820をゆったりと巻くようにすればよい。このようにすれば、電源コード610を邪魔にならないように簡単に巻装状態に処理することができ、パチンコ機800を移動させるような場合に、きわめて有効である。
以上、本発明を図示の実施例について説明したが、本発明は前記した各実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した構成を変更しない限り適宜に実施できる。例えば、前記した実施例では、電源コードを接続コードの一例として説明したが、接続コードは電源コードばかりではなく、遊技台と管理装置との間で通信を行う信号ケーブル等であってもよい。