JP4473678B2 - 濡れ広がり性を改善する半田粉の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、半田粉の製造方法に関し、詳しくは製造方法の観点から半田の濡れ広がり性を改善した発明である。
電子部品の実装工程における接合手段には半田付けが多く採用されている。例えば電子部品の基板への実装(半田付け)では、プリント配線基板上に「クリーム半田」と呼ばれるペースト状の半田(「半田ペースト」という。)をパターンに合わせて印刷し、その上に電子部品を実装してリフロー炉(電気炉の一種)内を通過させ、プリント基板が炉内を移動する過程で基板上の半田ペーストを加熱・溶融させ、電子部品を基板に接合するリフロー法が採用されている。
この種の用途に用いられる半田材料に関しては、加熱時の接合部分での半田の濡れ広がり性の良し悪しが問題となることが多い。特に電子部品の製造工程においては、電子部品のリードや電極への半田の濡れが悪く、所定のフィレットが形成されにくいばかりか、多数の接合箇所を瞬時に半田付けする中の1ヵ所でも半田の濡れが悪く接合不良の箇所があると回路基板全体が不良品となるため、電子部品の実装工程において鉛フリー半田の濡れ広がり性の問題は特に重要な課題となっている。
また、この種の半田付けには、従来、融点が低く、濡れ広がり性が比較的良好である点から錫-鉛系半田(Sn-Pb共晶半田)が用いられてきたが、近年、環境対応のため、鉛を含まない鉛フリー半田も使用されるようになって来ている。ところが、この鉛フリー半田はその組成成分に影響を受けることが多く、例えば錫−亜鉛系の鉛フリー半田の濡れ広がり性は、錫−鉛系共晶半田に比べて劣るものとされており、この観点からも半田の濡れ広がり性に関する課題の重要度は益々高くなってきている。
従来、半田の濡れ広がり性を改善する方法として、半田ペーストの成分であるフラックス成分を改良する方法や、窒素雰囲気中で接合作業(特にリフロー)を行うことによって基板の表面の酸化を抑制して半田の濡れ広がり性(濡れ性)を改善する方法、In、Bi、Sb、Ge、Te、P、Ga、Ni、Agなどの濡れ広がり性改善元素を半田合金組成に添加する方法(特許文献1〜6参照)、或いは、半田粒の表面にZnの反応を防止し且つ半田粒が溶融したときの濡れ広がり性を改善する被覆層を形成する方法(特許文献7〜8)などが開示されている。しかし、半田粉の製造方法に着目し、製造方法を工夫することで半田の濡れ広がり性を改善する旨の提案は見当たらなかった。
特開平9−70687号公報 特開2001−47276号公報 特開2001−191196号公報 特開2002−18589号公報 特開2002−321084号公報 特開2004−181485号公報 特開2002−120086号公報 特開2003−126991号公報
そこで本発明は、半田粉の製造方法に着目し、製造方法を工夫することで半田の濡れ広がり性、特に半田実装におけるリフロー後の濡れ広がり性を改善せんとするものである。
本発明は、半田合金原料を溶解し、半田合金溶湯の温度を当該半田合金の液相線温度(以下「半田合金液相線温度」という。)の+10〜+30℃に調整し、当該温度を保持した後、半田合金溶湯をアトマイズすることを特徴とする半田粉の製造方法を提案するものである。
本発明では、半田合金原料を溶解してから半田合金溶湯をアトマイズするまでの過程において、半田合金溶湯の温度を少なくとも一度、半田合金液相線温度の+10〜+30℃に調整し、当該温度で半田合金溶湯を適宜時間保持することが重要である。
また、半田合金溶湯の温度を半田合金液相線温度の+10〜+30℃に保持した後は、当該温度でアトマイズするようにしてもよいし、又、当該温度から溶湯温度を上昇させて半田合金溶湯をアトマイズするようにしてもよい。
本発明で採用可能なアトマイズの方法は、特に限定するものではない。例えばガスアトマイズ法、ディスクアトマイズ法、水アトマイズ法、油アトマイズ法、真空アトマイズ法、その他のアトマイズ法、超音波噴霧法など、溶融物を用いて乾式法により微粉化する処理であれば採用可能である。
なお、本発明が特定する数値範囲の上限値及び下限値は、特定する数値範囲から僅かに外れる場合であっても、当該数値範囲内と同様の作用効果を備えている限り本発明の範囲に含まれる。
本発明が提案する半田粉の製造方法によれば、半田の濡れ広がり性、特に半田実装におけるリフロー後の濡れ広がり性を有効に改善することができる。半田合金溶湯の温度を当該半田合金液相線温度の+10〜+30℃に保持すると、なぜ半田の濡れ広がり性が改善されるのか、その理由及びメカニズムは未だ不明であるが、工業的にも試験的にも半田の濡れ広がり性が改善されることが確認されている。
発明を実施するための形態
以下、実施形態の例に基づいて本発明を説明するが、本発明が下記実施形態に限定されるものではない。
ここでは、目標とする組成の各種金属原料を計量後に溶解して半田合金溶湯とし(溶解工程)、該半田合金溶湯の温度を当該半田合金液相線温度の+10〜+30℃に調整し(溶湯温度調整工程)、この温度を適宜時間維持するように溶湯を保持し(溶湯温度維持工程)、半田合金溶湯をアトマイズして(アトマイズ工程)半田粉を製造する実施形態について説明する。
以下、詳細に説明する。
(原料)
本実施形態に係る半田粉の原料組成は、半田合金組成を構成する地金等の金属原料の組合わせからなるものであれば特に限定するものではない。例えば、錫(Sn、融点:232℃)、鉛(Pb、融点327.5℃)、金(Au、融点1064℃)、銀(Ag、融点961.9℃)、鋼(Cu、融点1084.5℃)、亜鉛(Zn、融点419.6℃)、ビスマス(Bi、融点271.4℃)、インジウム(In、融点156.6℃)、アンチモン(Sb、融点630.5℃)等の元素のいずれか二種以上を組み合わせた半田合金、具体的には、Sn−Pb系合金、Sn−Sb系合金、Sn−Bi系合金、Sn−Zn系合金、Sn−Zn−Bi系合金、Sn−Ag系合金、或いはこれらの合金にAg、Sb、Bi、In、Ga、Ge、Zn、Cu、Zn等の他元素のいずれか一種又は二種以上を組み合わせた半田合金、その他を採用することができる。中でも、濡れ広がり性に劣るSn−Zn系半田合金は、本発明の対象として好適であり、濡れ広がり性の改善効果を十分に得ることができる。
各原料金属は、夾雑する不可避不純物成分がほとんど含まれていない純度99.95%以上、特に純度99.99%以上のものが好ましいが、本発明の製造方法では、夾雑する不可避不純物成分が比較的多く含まれている金属、例えば純度99.90%程度の原料金属であっても用いることができる。
また、目標とする組成の半田合金を一旦作製した後に分級によって除外されたような半田合金を原料中に添加してリサイクルすることも可能である。
(溶解工程)
金属原料の溶解は、溶解方法、溶解温度、溶解装置を特に限定するものではなく、従来採用されている方法、温度、装置を採用することができる。ただし、溶解温度は、金属原料を十分かつ効率良く溶解させるために、半田合金液相線温度の+150℃以上、特に半田合金液相線温度の+200℃以上とするのが好ましい。
なお、溶解の際には、異種金属同士が十分に混合するように攪拌しながら加熱溶解するのが好ましく、また、溶解の際に溶湯表面に浮上してくるドロスは除去するのが好ましい。
(溶湯温度調整工程)
溶解後は、半田合金溶湯の温度を当該半田合金液相線温度の+10〜+30℃、好ましくは+15〜+25℃に調整する。
半田合金溶湯の温度の調整手段は、自然冷却、強制冷却のいずれでもよい。
ここでの「自然冷却」とは、特に加熱手段及び冷却手段を使用せず、装置(炉)内でそのまま放置して自然に冷却させる冷却方法を意味し、他方の「強制冷却」とは、水冷、風冷など何らかの冷却手段を使用して前記自然冷却よりも短時間で冷却する冷却方法を意味している。
より具体的には、半田合金溶湯の温度の調整は、半田合金溶湯を溶解した装置内(例えば溶解炉)で自然冷却又は強制冷却してもよいし、半田合金溶湯を次の装置(例えば保持炉)に移して自然冷却又は強制冷却してもよいし、半田合金溶湯を滴下する装置(例えば滴下炉)に移して半田合金液相線温度の+10〜+30℃まで自然冷却又は強制冷却してもよい。さらに、半田合金溶湯を溶解した装置(例えば溶解炉)或いは次の装置(例えば保持炉)内で適宜温度まで自然冷却又は強制冷却した後、次の装置(例えば保持炉又は滴下炉)内で半田合金液相線温度の+10〜+30℃まで自然冷却又は強制冷却するようにしてもよい。
溶湯温度調整の基準となる半田合金の液相線温度(共晶組成の場合は共晶温度)は、半田合金組成によってそれぞれ異なる。例えば、Sn-Sb5では共晶温度235℃、Sn-Cu0.7では共晶温度227℃、Sn-Ag3.5では共晶温度221℃、Sn-Ag3-Cu0.5では液相線温度218℃、Sn-Ag3-Cu0.7では液相線温度219℃、Sn-Ag3.5-Cu0.5では液相線温度217℃、Sn-Ag2-Bi7.5-Cu0.5では液相線温度212℃、Sn-Ag3.5-Bi0.5-In3では液相線温度215℃、Sn-Ag3.5-Bi0.5-In4では液相線温度213℃、Sn-Ag3.5-Bi0.5-In8では液相線温度207℃、Sn-Zn9では共晶温度199℃、Sn-Zn8-Bi3では液相線温度197℃、Sn-Bi58では共晶温度139℃、Sn-Bi57-Ag1では液相線温度137℃、Sn-Pb37では共晶温度183℃などである。
(溶湯温度維持工程)
上記工程において半田合金溶湯の温度を当該半田合金液相線温度の+10〜+30℃に調整した後、半田合金溶湯の温度を当該半田合金液相線温度の+10〜+30℃、好ましくは+15〜+25℃を維持するように保持することが重要である。
保持する溶湯温度を半田合金液相線温度の+30℃より高くすると、半田の濡れ性改善効果を得ることが難しくなる一方、+10℃よりも低くすると、そのままの温度では溶湯の粘度が高まって滴下した際に頻繁にノズルが詰まるようになるため、再加熱する必要があるが、その再加熱する温度幅が大きくなり実用上好ましくなくなってしまう。
この際、保持時間としては、1分〜24時間、好ましくは1時間〜5時間の間で適宜調整すればよく、又、保持する雰囲気としては、大気中、不活性ガス雰囲気(例えば窒素)のいずれでもよい。
また、半田合金溶湯を半田合金液相線温度の+10〜+30℃で保持する間も、半田合金溶湯を攪拌しながら保持するのが好ましく、また、溶湯表面に浮上してくるドロスは除去するのが好ましい。
ちなみに、例えば下記実施例1等のように、連続的に安定してアトマイズするにはアトマイズ滴下量を一定にする必要があるため、溶解装置(溶解炉)から貯留装置(保持炉等)に溶湯を移してここで貯留し、ここから必要量をアトマイズ滴下装置(滴下炉)に送るようにしてアトマイズ滴下量を一定にするのが好ましいから、この場合には、貯留装置(保持炉等)にて溶湯を貯留する間に半田合金溶湯の温度を半田合金液相線温度の+10〜+30℃で保持するのが好ましい。
(アトマイズ工程)
上記の如く、半田合金溶湯の温度を当該半田合金液相線温度の+10〜+30℃に維持するように保持した後、半田合金溶湯をアトマイズして半田粉を製造すればよい。
この際、アトマイズする半田合金溶湯は、アトマイズし易い温度に溶湯を加熱するようにしてもよい。例えば、アトマイズ滴下装置(滴下炉)において溶湯を再加熱してからアトマイズ滴下するようにしてもよい。具体的には、滴下炉において再加熱した半田合金溶湯を、各種アトマイズ方法における噴霧手段(例えばディスクアトマイズ法であれば回転ディスク)が配設されたチャンバー内に滴下すればよい。
半田合金溶湯をアトマイズする温度、すなわち滴下温度は、特に限定するものではないが、半田合金液相線温度の+10℃以上(例えば+12℃、+24℃、+35℃、+45℃等)、特に+10〜+30℃に調整するのが好ましい。滴下温度を半田合金液相線温度の+10℃未満とすると、溶湯の粘度が高まり滴下する際にノズルが詰まり易くなる。
アトマイズ手段は特に限定されるものではなく、ガスアトマイズ法、ディスクアトマイズ法、水アトマイズ法、油アトマイズ法、真空アトマイズ法その他のアトマイズ方法を採用することができ、各アトマイズ法における各条件は通常半田粉の製造で採用されている条件をそのまま採用することができる。
なお、半田合金原料を溶解炉に投入し、溶解した後、溶湯を保持炉で貯留した後、滴下炉からチャンバー内に滴下する工程において、半田合金溶湯の温度を半田合金液相線温度の+10〜+30℃に調整するタイミングは、溶解後チャンバー内に滴下するまでの過程のいつでもよい。
また、半田合金溶湯の温度を半田合金液相線温度の+10〜+30℃に保持するタイミングも、溶解後チャンバー内に滴下するまでの過程であればいつでもよい。
本発明で得られる半田合金粉の形状は、真球、不定形のいずれでも良いし、半田合金粉の粒径も一般に使用されているレベルのものであれば特に限定するものではない。
また、本実施形態では、各種金属原料の溶解工程、溶湯温度調整工程、アトマイズ工程からなる製造方法であるが、他の工程を適宜挿入することは任意である。
(半田ペースト)
本発明で得られる半田合金粉は、特にリフローソルダリング用の半田合金粉として好適であり、フラックス等を加えて好適なリフローソルダリング用の半田ペーストを製造することができる。
本発明で得られる半田合金粉を用いて半田ペーストを作製するには、従来公知の方法を任意に採用することができる。
例えば、ロジン(松脂)、活性剤、増粘剤、溶剤などを混合して加熱溶解させ、自然放置若しくは攪拌しながら冷却してフラックスを調製した後、フラックスの温度が室温まで下がった時点で半田粉と混合及び攪拌して半田ペーストを製造することができる。
半田粉とフラックスの混合割合を特に限定するものではないが、半田粉とフラックスの合計量を100質量%として、半田粉80〜95質量%程度とフラックス5〜20質量%程度を混合するのが一般的である。
フラックスは、一般的に、フラックスベースとしてのロジン(松脂)、活性剤、増粘剤(チキソ剤)、溶剤などから調製することができる。代表的組成例としては、ロジン40〜60質量%、活性剤0.5〜3質量%、増粘剤(チキソ剤)3〜8質量%、溶剤30〜50質量%である。
フラックスベースとしては、例えば、ガムロジン、重合ロジン、水添ロジン、不均化ロジン、その他各種ロジン誘導体や、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、フェノキシ樹脂、テルペン樹脂等の合成樹脂等のいずれか、或いはこれら二種類以上の組合わせからなる混合物を用いることができる。その他、酸化膜が除去された半田粒子表面を外気から遮断して非酸化雰囲気を保持するために、半田ペースト用に配合される材料であればフラックスベースとして用いることができる。
活性剤としては、例えば、アミンハロゲン化水素酸塩(例、ジフェニルグアニジンHBr、ジエチルアミン臭化水素酸塩、ジフェニルグアニジンHBr、トリエタノールアミンHBr、シクロへキシルアミン塩酸塩等)などのアミンハロゲン化塩、或いは、蟻酸、酢酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、安息香酸、乳酸等の有機モノカルボン酸、シュウ酸、マロン酸、琥珀酸、アジピン酸、フマル酸、マレイン酸、グルタミン酸等の有機ジカルボン酸、或いはこれらの無水物、またハロゲン化炭化水素などの誘導体のいずれか、或いはこれら二種類以上の組合わせからなる混合物を用いることができる。
増粘剤(チキソ剤)としては、例えば、硬化ひまし油、蜜ロウ、カルナバワックス、ステアリン酸アミドなどの脂肪酸アミド、ヒドロキシステアリン酸エチレンビスアミド等のいずれか、或いはこれら二種類以上の組合わせからなる混合物を用いることができる。
その他、増粘目的で半田ペースト用に配合される材料であれば、チキソ剤として用いることができる。
溶剤としては、例えば、アルコール、ケトン、エステル、芳香族系の溶剤を用いることができる。例えばベンジルアルコール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、ブチルカルビトール、ターピネオール、トルエン、キシレン、テトラリン、プロピレングリコールモノフェニルエーテル、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテルなどの一種又はこれらの二種以上の組合わせから混合液を用いることができる。
その他、フラックスベース(ロジン)及び活性剤を溶解し得る媒体であれば、溶剤として用いることができる。
このようにして得られる半田ペーストは、常法にしたがって、例えばメタルマスク版を通して半田印刷機を用いて基板上に半田印刷し、電子部品、電子モジュール、プリント基板等の製造におけるリフローソルダリング用(リフロー工程半田付け用)の半田ペーストとして使用することができる。
(実施例1)
SnZn8Bi3の合金組成(液相線温度197℃)となるように、錫地金(品位99.95質量%)89質量部、亜鉛地金(品位99.99質量%)8質量部及びビスマス地金(品位99.99質量%)3質量部の割合で計量して溶解炉に投入し、溶解炉内で400℃で加熱溶解した後、攪拌しながら溶湯温度を240℃まで自然に低下させた。
次に、溶湯を保持炉に移し、保持炉内において、溶湯を攪拌しながら、熱センサ及び電気ヒータを使用して溶湯温度を207℃に調整し、滴下炉に送るまで溶湯温度を207℃に維持した。滴下炉内に貯留される保持時間(貯留時間)は平均5時間であった。
次に、保持炉内の溶湯を、保持炉底面部に設けられた移送管を介して順次滴下炉に移送し、滴下炉底部に設けた滴下口を介してチャンバー内の遠心アトマイズディスク上に滴下し噴霧した。滴下炉では、溶湯を加熱して滴下される溶湯の温度を219℃とした。
遠心アトマイズの条件は、ディスク回転速度:5万回転/分、チャンバー内雰囲気:窒素であった。
滴下速度などの滴下条件を一定にするため、滴下炉には滴下炉内の溶湯レベルを一定に保つためのレベルセンサが配設されており、このレベルセンサによって保持炉の底面に設けられた移送管の開閉弁が制御され、保持炉から滴下炉に送られる溶湯量が調整されるようになっている。
遠心アトマイズにより噴霧された半田合金粉は、篩によって25μm〜53μmの粉末に分級し、得られた半田合金粉について下記試験にて濡れ広がり性を評価した。
なお、溶解炉、保持炉、滴下炉のいずれにおいても、攪拌手段、熱センサ及びヒータが配設されており、溶湯を攪拌し、また、所望の温度に溶湯を調整し維持することができる。
また、溶解炉、保持炉、滴下炉のいずれの段階においても、溶湯表面に浮き上がってくるドロスはその都度掬い採って除去した。
(実施例2)
保持炉内で維持する溶湯温度を212℃に設定し、滴下温度を224℃に設定した以外の点は、実施例1と同様に半田合金粉を製造し、同様に半田合金粉の濡れ広がり性を下記試験で評価した。
(実施例3)
保持炉内で維持する溶湯温度を222℃に設定し、滴下温度を234℃に設定した以外の点は、実施例1と同様に半田合金粉を製造し、同様に半田合金粉の濡れ広がり性を下記試験で評価した。
(実施例4)
保持炉内で維持する溶湯温度を227℃に設定し、滴下温度を234℃に設定した以外の点は、実施例1と同様に半田合金粉を製造し、同様に半田合金粉の濡れ広がり性を下記試験で評価した。
(比較例1)
保持炉内で維持し滴下する溶湯温度を232℃に設定し、滴下温度を234℃に設定した以外の点は、実施例1と同様に半田合金粉を製造し、同様に半田合金粉の濡れ広がり性を下記試験で評価した。
(比較例2)
保持炉内で維持し滴下する溶湯温度を237℃に設定し、滴下温度を234℃に設定した以外の点は、実施例1と同様に半田合金粉を製造し、同様に半田合金粉の濡れ広がり性を下記試験で評価した。
(比較例3)
保持炉内で維持し滴下する溶湯温度を287℃に設定し、滴下温度を234℃に設定した以外の点は、実施例1と同様に半田合金粉を製造し、同様に半田合金粉の濡れ広がり性を下記試験で評価した。
(濡れ広がり性評価試験)
(1)実施例及び比較例で得られた半田合金粉(20〜53μm)を、フラックス(ロジン50wt%、チキソ剤5wt%、活性剤2wt%、溶剤43wt%)と90:10の質量割で混合して半田ペーストを作製した。
(2)網目状に縦横6×6の合計36(1区画1mm×3mm)に区画された銅配線テストパターンが印刷された銅板(基盤)上に、上記で得られた半田ペーストを厚さ200μmで印刷した。
(3)大気雰囲気中でリフロー(予備加熱150℃で60秒後、本加熱230℃で30秒)を行い、リフロー後の基盤断面の半田層の高さを測定することにより半田の濡れ広がり性を評価した。
(4)すなわち、半田の濡れ広がり性の評価は、36個の各区画ごとに、銅配線の両端部(36×2)から50μm置いた距離の半田層の高さを測定し、下記基準で評価した。
○:半田の高さが10μm以上。
×:半田の高さが10μm未満。
このようにして銅配線テストパターン36区画の両端部(36×2=72)毎に評価を行い、まとめた結果を下記表1に示す。
Figure 0004473678
以上の結果より、半田合金溶湯の保持温度が液相線温度の+30℃を超える場合(比較例1〜3)に比べ、半田合金溶湯の保持温度を液相線温度の+10℃〜+30℃の範囲に調整すると(実施例1〜4)、中でも+15℃〜+25℃の範囲に調整すると(実施例1〜3)、半田の濡れ性を顕著に優れたものとすることができることが判明した。この際、半田合金溶湯の保持温度を207℃(液相線温度の+10℃)に調整した場合(実施例1)、半田の濡れ性に関しては優れた効果を得られたが、滴下する半田合金溶湯に若干の粘りがあり若干扱い難い点があった。
また、滴下温度を234℃まで高めたとしても、半田合金溶湯を液相線温度の+10℃〜+30℃の範囲で保持すれば、半田の濡れ性を顕著に改良できることが判明した。



Claims (5)

  1. 半田合金原料を当該半田合金の液相線温度の+150℃以上で溶解した後、半田合金溶湯の温度を当該半田合金の液相線温度の+10〜+30℃に調整して当該温度を保持し、次に半田合金溶湯をアトマイズすることを特徴とする半田粉の製造方法。
  2. 半田合金溶湯の温度を当該半田合金の液相線温度の+10〜+30℃に調整して当該温度を保持した後、溶湯温度を当該温度から上昇させて半田合金溶湯をアトマイズすることを特徴とする請求項1に記載の半田粉の製造方法。
  3. 半田合金溶湯の温度を当該半田合金の液相線温度の+10〜+30℃に1〜5時間保持することを特徴とする請求項1又は2に記載の半田粉の製造方法。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法によって得られた半田粉。
  5. 請求項4に記載の半田粉とフラックスを含有してなるリフローソルダリング用半田ペースト。

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