JP4472545B2 - タイル取付け構造 - Google Patents

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Description

本発明は、構築物の壁面にタイルを長期的に安定して固定し、かつ改修時や解体時には容易にタイルを脱着できる、タイルの施工が容易でかつ脱落しないタイルの取付け構造に関する。
鉄骨構造や木造など軸組の外壁にタイルを取り付け施工する場合、または改修工事や外断熱工法などでタイルを外壁に施工する場合は、金属板、合板、窯業系板などで下地板を組み、これにタイルを取り付ける必要がある。これらの下地板は鉄筋コンクリート壁などに比べて壁面に直角方向の外力が加わったときの変形が大きいので、タイルが剥落しやすい。そのため、下地板が変形してもタイルが剥落しないように、タイルを下地板に係止して固定する施工方法が実施されている。
従来、この下地板にタイルを固定する方法としては、(1)タイルを下地板に接着剤で貼る方法、(2)鉤状のレールや溝を設けた下地板に、これらレールや溝と係合する溝や突起を裏面に形成したタイルを引掛けて係止した後、タイルの縦目地や横目地に接着剤を設けて固定する方法(特許文献1参照)、(3)鉤状のレールのついた金属板にこれと係合する溝を付けたタイルを嵌め込み、レールとタイルの間に金属バネを挿入して固定する方法、また(4)大型タイルの場合にはタイルをレールに係合させた後、固定治具をタイルの溝に嵌合しビスや接着剤で該固定治具を下地板に固定する方法などが知られている。
実開平6−62072号公報(第8頁、図6)
しかしながら、上記(1)の方法では、接着剤の経年劣化や施工時の接着不良などにより脱落の危険がある。(2)の方法では、タイルが下地板に係合されているため脱落の危険は(1)の接着剤だけで固定する場合に比べて少なくなるが、接着剤の劣化が進むと接着力が弱化または消失し、地震時や強風時にタイルが脱落する危険があるために、接着剤が劣化する前に補修が必要となる。また、これら両方法とも接着剤を使用しているため、タイル取付けの作業性が悪いばかりでなく、改修等で取り壊す必要が生じた場合に、タイルと下地板を分別しようとしてもタイルを下地板から分離し難いため、再利用が困難である。
さらに、(3)の方法では、タイルとレール間の隙間に挿入した金属バネが地震時などに外れる可能性があるほか、金属バネを前記隙間に挿入し難いという欠点があり、(4)の方法では固定治具を取り付けし下地板に固定するのに手間を要するという問題がある。
本発明は、上記した従来の施工方法における接着剤の経時劣化や作業性などの問題を解決するため、タイルを係止するためのガイドレールを備えるタイル配設基板にタイルを長期的に安定して固定し、かつ改修時や解体時には容易にタイルをタイル配設基板から脱着できるタイル取付け構造を提供することを目的とする。
また、本発明は、上記タイル取付け構造に使用されるタイル配設基板を提供することを目的とする。
本発明は、上記目的を達成するためになされたもので、以下のタイル取付け構造およびタイル配設基板を提供する。
(1)躯体に取り付けられたタイル配設基板に、タイルを取り付けるためのガイドレールが水平方向に所定の間隔で配設されており、タイルを該ガイドレールに固定することによりタイル配設基板に取り付けするタイル取付け構造であって、前記ガイドレールの下側には板ばねからなるタイル固定治具を懸架するための係合溝が設けられており、前記板ばねは円弧状に湾曲させた金属板からなり、該金属板は中央部の幅が広くなっており、この部分を前記ガイドレールの係合溝に挿通して板ばねが該係合溝に懸架されており、タイルの下端を下段のガイドレールに係止し、係止したタイルの上端を上段のガイドレールの係合溝に懸架した前記板ばねにより押えて固定することを特徴とするタイル取付け構造。
(2)前記タイル配設基板が、アルミニウムまたはプラスチックの押出し成形材である上記1に記載のタイル取付け構造。
(3)前記タイルの上部には仕上げ面側を切り欠いて段部が設けられており、タイルの仕上げ面側の下部には前垂れ部が設けられており、下端をガイドレールで係止し上端を直上のガイドレールに懸架したタイル固定治具で固定したタイルの前記段部に、上段のタイルの前垂れ部を整合することにより、該タイルの段部を仕上げ面側から保持し、かつ前記タイル固定治具で固定している部分を隠蔽する上記1または2に記載のタイル取付け構造。
本発明によれば、タイル配設基板に配設したガイドレールでタイルの下端を係止し、係止したタイルの上端を、直上のガイドレールの下側に設けた係合溝に懸架されたタイル固定治具で押えて固定しているので、従来の接着剤による固定のように経時劣化することなく、タイルを長期的に安定して固定し、かつ改修時や解体時には容易にタイルをタイル配設基板から脱着できる。
しかも、タイル固定治具はガイドレールの係合溝に挿通するだけで簡単に取り付けでき、かつ該タイル固定手段のみでタイルを固定できるので、タイル取付け施工の作業性が改善される。
また、タイル配設基板に取り付けされたタイルは、弾性を有するタイル固定治具によって上部が常時押え付けられているので、タイル面に外力が作用しても動き難く、タイル配設基板との接触による騒音や雑音を発生しない優れた壁面を得ることができる。
さらに、タイルの固定に接着剤を使用していないので、改修時や解体時にタイルをタイル配設基板から容易に脱着できるばかりでなく、タイル配設基板とタイルとの分別が容易となり再使用が可能となる。
本発明のタイル取付け構造は、構築物などの壁面に代表される躯体の表面にタイル配設基板(以下、配設基板とする)を取り付け、該配設基板に配設されているガイドレールに下端が係止されたタイルを、該タイルの直上に配設されているガイドレールに懸架したタイル固定具で固定してなる。前記構築物としては、コンクリート、鉄骨造、木造のいずれであってもよく、配設基板はこれら躯体に従来に実施されている方法によって取り付けできる。例えば、配設基板を躯体の表面に直接ビスや釘あるいはアンカーボルトなどにより取り付けるか、または躯体との間に胴縁を介在させて取り付ける。
本発明において、ガイドレールは配設基板のタイル配設面に複数本が水平方向に配設されており、その上側でタイルの下端を係止し、下側にタイル固定治具を懸架するための係合溝を有する構造になっている。すなわち、前記ガイドレールは配設基板のタイル配設面側に突出しており、この突出部の上側にはタイルの下端を係止するための係合リブがレールに沿って形成されており、またガイドレールの下側にはタイル固定治具を端部から挿入し懸架できる係合溝が形成されていて、ガイドレールの前記係合リブで下端を係止したタイルを、該タイルの直上に位置するガイドレールの係合溝に懸架したタイル固定治具で押えて固定できるようになっている。このガイドレールの構造によりタイルを配設基板に固定し躯体に取り付けできる。
上記配設基板は、複雑な断面形状と寸法精度が要求されるため、アルミニウム等の金属やプラスチックの押出し成形品が好ましい。また、押出しセメント板でも形状によっては製作可能である。このような押出し成形材であれば、配設基板本体とガイドレールとを一体成形することが容易となり、配設基板を低コストで製造できる。しかし、コストは高くなるが金属板を曲げたり、溶接したりして作製することも可能である。さらに、これらを組み合わせてもよい。
また、該配設基板に取り付けるタイルとしては、陶磁製、セラミックス製、ガラス製等の各種タイルが挙げられるが、通常は陶磁製のものが汎用される。
本発明において、配設基板の大きさおよび配設基板に配設するガイドレールの本数(段数)は限定されない。配設基板の大きさは、躯体に取り付けする時の作業性や取り付けするタイルの大きさなどにより、また配設基板に配設するガイドレールの本数(段数)は配設基板の大きさやタイル寸法などによって適宜きめる。
前記タイル固定治具は、タイルを緩みなく固定するために、板バネが好ましく使用できる。タイル固定治具の長さは特定されないが、3cm〜3m程度のものが好ましい。短いものは1個のタイルを例えば1〜2個のタイル固定治具で固定し、長いものは連続して1個のタイル固定治具で複数個のタイルを固定する。短いものは全体として材料の使用量が減るので材料費を節減でき、長いものはガイドレールの係合溝に挿入する回数がへるため、作業性の向上が期待できる。
次に、本発明のタイル取付け構造について図面を参照して更に具体的に説明する。図面は、本発明の好ましい実施形態を例示したものであり、本発明はこれに限定されない。
図1は、本発明に係わるタイル取付け構造により仕上げられた壁面の正面図であり、図2は図1のタイル取付け構造における配設基板にタイルを取り付けしたときの斜視図、図3は該配設基板を用いて施工されるタイル取付け構造の縦断面図である。なお、本例では図1に示すように上下のタイルの位置をずらして配列しているが、タイルを縦方向にも整列させて配置できる。
本例の配設基板2は、図2に示すようにタイル配設面に3本のガイドレール3が所定の間隔で水平方向に配設されている。そして、ガイドレール3の上側には、タイル1の下端を係止するための係合リブ5が形成されており、該係合リブ5をタイル1の下端に形成した溝7に嵌合することにより、タイル1をガイドレール3に係止できる。係合リブ5の位置は、タイル1の溝7と対応していればよく、ガイドレール3の上側において適宜変えられる。例えば、もっとタイル配設面側に寄せて設けてもよいし、更にガイドレール3の上側に位置しタイルの下端を係止できればガイドレールに近い配設基板に設けてもよい。
一方、ガイドレール3の下側には、端部からタイル固定治具4を挿入し懸架するための係合溝6が設けられている。この係合溝6は、タイル固定治具4の頭部を挿入できる中空部6’とタイル固定治具4を挟持できる開口部6”とを有する鉤型をしており、該係合溝6の端部から挿入したタイル固定治具4を開口部6”の両側で保持して懸架できるようになっている。
図4はタイル1を例示したもので、図示されている面がタイル仕上げ面である。図4に示すようにタイル1の上部には、タイル上端8の仕上げ面側の角部を切り欠いて段部9が設けられている。また、タイル1の下部にはガイドレール3の前記係合リブ5と嵌合するための溝7と、仕上げ面側の下部を下方に延在させた前垂れ部10とが形成されている。該前垂れ部10は、図3に示すように下段のガイドレールに下端が係止されたタイル1の前記段部9に整合し、該タイル1の段部9を外側から押えて保持する。さらに、このように下段のタイルの段部9に重ね合わせられた上段のタイルの前垂れ部10は、タイルの上端を固定しているタイル固定治具部分を隠蔽すると共に、両タイルの継ぎ目からの風雨の浸入を防ぐ。
タイルの高さは、配設基板に配設されたガイドレール間隔と相関し、タイルをガイドレールに嵌合した状態で、上段ガイドレールの下端とタイル上端との間に3〜10mmの隙間が空くのが好ましい。この隙間が狭すぎるとガイドレールにタイルを掛けるとき、係合リブが邪魔して引掛けられなくなるおそれがある。また、間隔が広すぎるとタイル固定治具を必要以上に大きくしなければならない。
図5は、前記ガイドレール3の係合溝6に懸架するタイル固定治具4を示す。本例のタイル固定治具4は、断面が8字形の中空弾性材の胴部に括れ部11を有する弾性条で、例えばウレタンゴム製の長い紐状として成形できる。タイル固定治具として使用するときは、この紐状の弾性条を例えばガイドレール3の長さ、または1個のタイルを1個または2個のタイル固定治具で固定できる長さに切断して用いる。該弾性条の括れ部11から上の頭部をガイドレール3の端部から前記係合溝6の中空部6’に挿入すると、括れ部11が開口部6”で挟持され、タイル固定治具(弾性条)4は括れ部11より下の部分を外に出した状態で、ガイドレール3の鉤型の係合溝6に懸架され、懸架された後は脱落しない。
また、弾性条を本例のように中空構造にすることにより、容易に弾性変形して使いやすいタイル固定治具を得ることができ、さらに材料の使用量が減少するため軽量化とコストの低減を図ることができる。しかし、弾性条はこのような中空構造のものに限定されない。特に、ガイドレール3の鉤型の係合溝6に挿入する部分は、係合溝6に挿入しやすく弾性条を懸架できればその形状は自由である。また、弾性条の係合溝6に挿入する部分とその他の部分とは異なる材料または形態であってもよい。例えば、タイルを固定する部分は弾性発泡材料にできる。
次に、本例のタイルを基板に取り付ける作業手順について説明する。図3に示すように構築物の躯体12の表面に直接にまたは図示しない胴縁を介在させて、タイル配設面にガイドレール3が水平方向に配設されている配設基板2(図2参照)を、例えばビス(図示せず)にて取り付ける。この場合、複数枚の配設基板2を横方向に並べて取り付けるときは、隣接する配設基板2のガイドレール3の位置が上下方向にずれないように揃える。ついで、取り付けた配設基板2の端部からタイル固定治具4の括れ部11より上部分を各ガイドレール3の鉤型の係合溝6に挿入し、挿入されたタイル固定治具4を該係合溝6のリブで保持しながらガイドレール3に沿って動かし、タイル固定治具4をガイドレール3に懸架する。これにより、ガイドレール3の実質的に全長に連続してタイル固定治具4を懸架できる。
次に、このようにタイル固定治具4が懸架されたガイドレール3に、タイル1を取り付ける。タイル1の取り付けは、躯体12に取り付けされた配設基板2の下部から上方に向かって次のように行う。タイル上端8をガイドレール3に懸架されているタイル固定治具4に押し当て、この状態でタイル1を持ち上げて弾性材料からなるタイル固定治具4を圧縮変形さることによりタイル1の下端を上昇させ、ガイドレール3の係合リブ5を乗り越えさせて該係合リブ5にタイル1の下端に設けた溝7を嵌合する。この嵌合によりタイル1の下端は該ガイドレール3に係止される。それと同時に該タイル1の上端は、圧縮が復元したタイル固定治具4により押え付けられる。下端がガイドレール3に係止された前記タイル1は、このタイル固定治具4により強固に固定される。
同じ手順で上段のガイドレールに順次タイルを取り付けると、取り付けされた該タイルの前垂れ部10が下段のタイル1の段部9に整合し、該段部9に重ね合わさった上段タイルの該前垂れ部10が、前記したように下段タイルの上部を前方から保持すると同時に、タイル固定治具で固定している部分を隠蔽する。この作業を繰り返し行うことにより、配設基板の全体にタイル施工することができ、平らで良好なタイル仕上げ面が形成できる。
なお、躯体のタイル配設面の上部や端部において、配設基板2が半端のサイズであるときは、該配設基板2に取り付けるすべてのタイルをタイル固定治具で固定することが困難な場合がある。このような部分のタイルの取り付けは、例えば接着剤で固定する従来の方法で適宜行う。
図6は、躯体の表面に複数枚の配設基板を横方向に並べて取り付けするときの好ましい実施形態で、配設基板のガイドレールと直交する端面(縦端面)の接続部の拡大平面図を示す。図の15は2枚の配設基板2の接続部である。端面がガイドレール3に対し直角に切断されている配設基板2を横方向に接続すると、両配設基板に配設されているガイドレールは、図6に仮想線16で示すように端面同士が隣接して連続するガイドレールを形成する。そのため、該ガイドレール3の係合溝にタイル固定治具を挿入するには、開放されている端部のみから全てのタイル固定治具を挿通しなければならない不都合が生じる。
図6は、このような不都合を解消するための好ましい方法である。すなわち、この方法は、図6に示すごとく配設基板2のガイドレール3と直交する端面を、配設基板同士を突き付けて取り付けたときの目地部がタイル配設側から見て開先となるよう、角度θ斜めに切断するものである。これにより、目地部ではガイドレール3がこの部分で不連続となり切欠部17が得られる。そして、この切欠部17が形成された配設基板2の端部から、タイル固定治具を係合溝に挿入できる。これにより、ガイドレール3が横方向に長く連続していても、タイル固定治具を途中に設けた切欠部17から係合溝に挿入できるので、タイル固定治具の移動を少なくし作業効率を向上できる。
さらに、後日タイルが割れるなど補修が必要になった場合でも、この切欠部17を利用することでタイルの部分的な取り外しが容易になる。また、配設基板の目地(図6の接続部15)から水が浸入するのを防ぐためにコーキングをする場合においても、本来なら突出し邪魔になるガイドレールが欠けているので、コーキング作業が行いやすい。これらの効果は、特に配設基板の幅が大きくガイドレールが長い場合に大きく、またタイル固定治具の種類に関係なく共通で、後述のタイル固定治具でも同様に得られる。
上記において、角度θとしては通常35°〜55°の範囲が好ましく、40°〜50°の範囲がより好ましい。θが35°未満では、充分な広さの切欠部17が得られず、タイル固定治具を円滑に挿通し難くなる。また、θが55°より大きくなると、ガイドレール3の切欠き部分が増大し、タイルをガイドレールに安定して取り付けるのに支障が生じるので好ましくない。
なお、配設基板に配設されるガイドレールが長い場合には、必要に応じて該ガイドレールの中途を同様に切り欠いて、この部分からタイル固定治具を係合溝に挿入することもできる。
次に、タイル固定治具が板バネである実施形態を図7〜図9に基づいて説明する。なお前記と同じ構成部材には、理解しやすいように同一符号を付してその説明を省略する。
本例は、タイル固定治具として図7に例示するような板バネ13を使用する。該板バネ13は、図7(B)に示す如く円弧状に湾曲させた金属板からなり、該金属板は中央部14の両側に先部18を有している。中央部14の幅は図7(A)に示すように先部18より幅が広くなっていて、この部分をガイドレールの係合溝に係合させて懸架できるように形成されている。
図8は、かかる板バネ13で取り付けたタイル取付け部の一部を切り欠いて示した正面図、図9は図8のA−A部の断面説明図である。板バネ13を懸架する配設基板2のガイドレール3は、前記した弾性条のガイドレールと実質的に同じ構造のものが使用でき、該ガイドレールの係合溝6に板バネ13の前記中央部14を配設基板2の端部から挿入して懸架する。すなわち、板バネ13の先部18の幅は、ガイドレール3の係合溝6の開口部6”に円滑に挿通できるよう該開口部6”の幅より小さくなっており、一方中央部14の幅は開口部6”を挿通できないように開口部6”の幅より大きくなっている。これにより、ガイドレール3の端部から板バネ13の中央部14を鉤型の係合溝6内に挿入すると、下方に湾曲している先部18は開口部6”を挿通してそのほとんどが係合溝6の外側に出るが、該中央部14は開口部6”より広幅になっているため開口部6”によって係止される。
このようにガイドレール3の端部から広幅の中央部14が係合溝内に挿入された板バネ13は、ガイドレール3に沿って移動させて所定の位置に懸架できる。この場合、板バネ13の先部18をできるだけ係合溝6の外部に出すために、係合溝6の空間部(図2の6’)は、図9に示すように板バネ13の移動を妨げない範囲で小さいスペースが好ましい。
なお、中央部14も湾曲させている本例の板バネ13は、板バネ全体の弾性を利用してタイルを固定できる点で優れているが、中央部14は平坦にして先部18のみを湾曲させてもよく、円弧状に湾曲させた金属板とはこのような形体も含んでいる。さらに、板バネはガイドレールの係合溝に懸架できるものであれば、その形状は限定されずその他のバネ形状であってもよい。
次に、上記板バネ13で実際にタイル1を固定する手順を説明する。ガイドレール3が水平方向に配設された配設基板2を躯体のタイル配設面に取り付けし、ついで取り付けされた配設基板2の端部から、タイルを固定するのに必要な個数の板バネ13を該ガイドレール3の係合溝6に前記方法で挿入し、タイル設置箇所に移動させておく。本例では、図8に示すように2個の板バネ13で1個のタイル1を固定するように設定している。この場合、ガイドレール3に板バネ13の設置位置をあらかじめ印しておくと作業がしやすくなる。
次に、タイル上端を板バネに押し当てて上に持ち上げ、タイル1の下端の溝に下段ガイドレールの係合リブを嵌合させて係止する。このとき板バネ13は弾性を有しているので、タイル1で下から押し上げられると縮み、それによりタイルの下端をガイドレールに嵌合し、嵌合した後は板バネ13の弾性力の復元でタイルを強固に固定する。
図10は、本発明の他の実施形態であるタイル取付け構造の断面説明図である。本例は、タイル固定治具としてガイドレールの係合溝に嵌挿できるジョイナーを用い、下端を係止したタイルの上端を該ジョイナーで押えて固定する。具体的には、図10に示すように配設基板2に配設されたガイドレール3の下側に、のこぎり刃状の断面を有する係合溝6を形成し、該係合溝6に例えばL字型の一方の脚片に前記断面と嵌合するのこぎり刃状の突起20を設けたジョイナー19を挿入し、下端を係止したタイル1の上端を該ジョイナー19の他方の脚片で押えて固定するものである。
係合溝6に挿入されたジョイナー19は、突起の形状が上向きののこぎり刃状になっており、下から力を加えてもジョイナー19の突起20が係合溝6に嵌合するため上方には動かないが、下方向にはジョイナー19の突起20が係合溝6の凹凸面からの力で容易に変形して動くようになっている。このようなジョイナー19の特性は、ジョイナー19の上向きののこぎり刃形状と適度の柔軟性とによって得ることができる。そのため、ジョイナー19の材質としては、強靭性と適度の柔軟性および弾性を有する、例えば塩化ビニル、ポリエチレンなどが好ましい。
上記ジョイナー19でタイル1を固定する際には、ジョイナー19を予め配設基板2の端部からガイドレール3の係合溝6に挿入してタイル1の取付け位置に移動させておき、該ジョイナー19の下に位置するガイドレール3の係合リブでタイル1の下端を係止した後、前記ジョイナー19を例えばドライバーをのこぎり刃状の凹凸部に引っ掛けてタイル1の上端に接触するまで押し下げてタイル1を固定する。下方に押し下げられたジョイナー19は上方には動かないので、タイル1はジョイナー19によって長期にわたりしっかり固定される。
なお、本発明においてタイルの形状はタイルをガイドレールに係止するための溝が下端に1つあるものの他、図11の例示のように2本の溝を設けたタイルも使用できる。この場合はタイル配設基板2の係止リブも該タイルの溝に整合した形状になる。すなわち、このような2本の溝を有するタイルでは、1本の溝はタイルの下部に設けられるが、他はタイル背面の高さ方向のほぼ中央または中央より上部分に位置するのが好ましく、この位置に合わせて係止リブ21が配設基板2に設けられる。これにより、タイルを上下の2箇所で係止できるので、負圧の風荷重などタイル配設基板に垂直な力が加わる場合にタイルを安定して固定できる。
さらに、図11に示すように係止したタイルの背面上部に当接するように、受けリブ22を配設基板2に設けておくと、係止したタイルの上部の仕上げ面側を上段のタイルの前垂れ部10で、また背面側を該受けリブ22でそれぞれ支持できるので、タイルの上部を両側から保持して配設基板の受けリブ22によって定められる位置に安定して取り付けできる。
(例1)
図2のような断面を有する幅140mm、長さ2mのアルミニウム製の配設基板を胴縁にビスで固定した。この配設基板には3本のガイドレールが水平方向に設けてあり2段分のタイルを係止できる。この配設基板を下から順に取り付けることで多段にタイルを配設できる。次に“8の字”型の断面(図5参照)を有する長さ70mmの塩化ビニル製のタイル固定治具を、ガイドレールの下側に設けた係合溝に、取り付けるタイルと同数をガイドレール端部から挿入した後、移動させてタイル1個につきタイル固定治具1個が割り当たるように配置した。
次に、最下段の端から順番にガイドレールと係合するように溝を設けた図2に示すような断面のタイル(高さ73mm、長さ220mm)を、タイル上端を前記タイル固定治具の下端に押し当て、上に押し上げながらタイル下端をガイドレールに嵌合した。タイル固定治具はタイルとガイドレールで上下から押されつぶれた形状になっており、タイルは該タイル固定治具の復元力で強固に固定できた。この作業を繰り返し、最下段のタイルを全て取り付けた後、上段のタイル取り付けを行った。このようにして、タイルを下方から順番に作業効率よく確実に配設基板に取り付けることができた。
(例2)
例1と同様にアルミニウム製の配設基板を取り付け、図7に示す形状のステンレス製板バネ(長さ:75mm,中央部の幅:7mm,先部の幅:5mm)を作り、板バネ中央部の幅広の部分が、前記配設基板のガイドレールの係合溝に掛かるようにガイドレールの端部からタイルの数に相当する個数だけ挿入した。板バネの中央部が幅広くなっているので、挿入された板バネが係合溝から落下することはなかった。
次に、板バネを各タイルの中央部に位置するように移動し、例1と同じタイルのタイル上端を板バネに押し当て、上に押し上げながらタイルの下端を下段のガイドレールに嵌合し取り付けた。タイルをガイドレールに嵌合した後に、タイルとガイドレールの間にバネを挿入する従来の方法に比べて、作業性が向上しかつバネが外れる心配がなく確実に係止できた。
(例3)
図10のような断面を有するプラスチック製の配設基板(幅140mm、長さ2m)のガイドレールの下側にのこぎり刃状の断面の係合溝を設け、該係合溝と嵌合するようL字型の一方の脚にのこぎり刃状の突起を設けた塩化ビニル製のジョイナーを挿入した。このジョイナーは突起の形状が上向きののこぎり状になっており、力を加えても上方向には動かないが、下方向には容易に動くようになっている。挿入されたジョイナーを配設基板のタイル取付け位置に配置しておき、タイルの下端をガイドレールに係止した後、ジョイナーをドライバーで下方に押し下げてタイルの上端を押えて固定した。ジョイナーは上方に動かないので、タイルはしっかり固定できた。
本発明は、構築物の壁面にタイルを長期的に安定して固定し、かつ改修時や解体時には容易にタイルを脱着できる、タイルの施工が容易でかつ脱落しないタイルの取付け構造が得られるので、乾式のタイル取付け施工に適用できる。
本発明のタイル取付け構造に基づく施工壁の正面図。 本発明のタイル取付け構造の好ましい実施形態におけるタイル配設基板の斜視図。 図2のタイル配設基板で施工されたタイル取付け構造の断面図。 図3のタイル取付け構造におけるタイルの斜視図。 図3のタイル取付け構造におけるタイル固定治具の斜視図。 本発明の好ましい実施形態における、タイル配設基板の接続部の平面図。 (A)は好ましい板バネの平面図、(B)は正面図。 本発明の他の実施形態であるタイル取付け構造の一部を切り欠いた正面図。 図8のA−A部における断面図。 本発明の他の実施形態であるタイル取付け構造の断面図。 本発明の更に他の実施形態であるタイル取付け構造の断面図。
符号の説明
1:タイル、 2:タイル配設基板、
3:ガイドレール、 4:タイル固定治具、
5:係合リブ、 6:係合溝、
6’:空間部、 6”:開口部
7:溝、 8:タイル上端、
9:段部、 10:前垂れ部、
11:括れ部、 12:躯体、
13:板バネ、 14:中央部、
15:接続部、 16:仮想線、
17:切欠き部、 18:先部、
19:ジョイナー、 20:突起、
21:係止リブ、 22:受けリブ、

Claims (3)

  1. 躯体に取り付けられたタイル配設基板に、タイルを取り付けるためのガイドレールが水平方向に所定の間隔で配設されており、タイルを該ガイドレールに固定することによりタイル配設基板に取り付けするタイル取付け構造であって、前記ガイドレールの下側には板ばねからなるタイル固定治具を懸架するための係合溝が設けられており、前記板ばねは円弧状に湾曲させた金属板からなり、該金属板は中央部の幅が広くなっており、この部分を前記ガイドレールの係合溝に挿通して板ばねが該係合溝に懸架されており、タイルの下端を下段のガイドレールに係止し、係止したタイルの上端を上段のガイドレールの係合溝に懸架した前記板ばねにより押えて固定することを特徴とするタイル取付け構造。
  2. 前記タイル配設基板が、アルミニウムまたはプラスチックの押出し成形材である請求項1に記載のタイル取付け構造。
  3. 前記タイルの上部には仕上げ面側を切り欠いて段部が設けられており、タイルの仕上げ面側の下部には前垂れ部が設けられており、下端をガイドレールで係止し上端を直上のガイドレールに懸架したタイル固定治具で固定したタイルの前記段部に、上段のタイルの前垂れ部を整合することにより、該タイルの段部を仕上げ面側から保持し、かつ前記タイル固定治具で固定している部分を隠蔽する請求項1または2に記載のタイル取付け構造。
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