JP4471422B2 - 折り畳み可能な椅子 - Google Patents
折り畳み可能な椅子 Download PDFInfo
- Publication number
- JP4471422B2 JP4471422B2 JP26220899A JP26220899A JP4471422B2 JP 4471422 B2 JP4471422 B2 JP 4471422B2 JP 26220899 A JP26220899 A JP 26220899A JP 26220899 A JP26220899 A JP 26220899A JP 4471422 B2 JP4471422 B2 JP 4471422B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- leg
- chair
- pair
- legs
- front leg
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Landscapes
- Special Chairs (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、軽量で持ち運び可能で折り畳み自在な椅子に関し、特に、不使用時に前後方向及び左右方向に同時にコンパクトに折り畳める椅子に関する。
【0002】
【従来の技術】
これまで種々の折り畳み自在な椅子が発表されている。例えば、アルミパイプを使用した軽量で持ち運び可能な事務用椅子は事務所、工場、会社、会議場、学校等において広く使用されている。また、車両に容易に積載出来るような折り畳み可能なレジャー用椅子は海岸やプール、又はキャンプ場等において有効に使用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
このように軽量で持ち運び可能な折り畳み自在な椅子は広い分野で非常に便利に使用されている。そしてこれらの椅子は不使用時には場所を取らないようにそれらを折り畳み、倉庫その他の場所へ収納している。
【0004】
しかるに、これまでの公知の折り畳み可能な椅子の多くは、座部を引き上げて椅子を前後方向に折り畳むものであるが、折り畳んだ椅子は自立性が無く、そのため、折り畳んだ椅子は部屋の壁その他の構造物へ寄り掛ける必要がある。このためしばしば構造物の壁綿等が傷付けられるという課題があった。
【0005】
更に、これまでの折り畳み可能な椅子においては当該椅子を前後方向に折り込むことが出来ても、更に同時に左右方向にも折り畳むということは出来ない。そのため、折り畳んで収納する場合の容積がかなり広く要求されるという課題があった。
【0006】
【課題を解決するための手段】
そこで本件発明においては、不使用時には、前後及び左右の両方向にコンパクトに折り畳むことが出来、更に折り畳んだ状態でも自立することが出来る折り畳み可能な椅子を提供することにより、上記課題を解消するものである。そのため、本件発明においては、一対の前脚と、一対の後脚と、前脚及び後脚を枢動可能に連結している一対の座杆と、一対の前脚を幅方向の折り畳み可能に連結している前脚連結手段と、一対の後脚を幅方向の折り畳み可能に連結している後脚連結手段と、1側の後脚下端と他側の前脚上端とを枢動可能に連結し互いにX形状に配置されている後方レバー手段と、を有し、後脚の上端部が前脚の上方部分に対して相対的に移動可能となっている手段を有している前後及び左右方向に折り畳み可能となっている椅子を提供する。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本件発明の実施例につき図面を参照しながら述べる。図1〜図3は本件発明の折り畳み可能な椅子10の具体的な構成について示している。以下の説明においては、本件発明の椅子の前方又は後方から見てその構造は実質的に左右対称となっているため、必要な場合以外は、一側の構成のみについて述べる。また、そのため、前後方向からの違いがより明確になるように図2においては、図面の中心線から左側には本件発明の椅子を前方から見た構造を示し、右側には本件発明の椅子を後方から見た構造を示す。
【0008】
本件発明にかかる椅子10は、左右一対の前脚11と、左右一対の後脚12と、左右一対の座杆13と、1側の前脚11と他側の座杆13とを連結しており互いにX状に配置されている前方レバー手段14と、一対の前脚11を互いに幅方向に連結している前脚連結手段15(図2参照)と、該前脚連結手段15と座杆13とを連結している一対の中間レバー手段16と、1側及び他側のそれぞれ前脚11と後脚12とを連結している一対の前後脚連結手段17と、1側の後脚12と他側の前脚11とを連結しており互いにX状に配置されている後方レバー手段18と、一対の後脚12を互いに幅方向に連結している後脚連結手段19(図2参照)と、折り畳み案内手段(図2参照)20と、により構成されている。
【0009】
左右一対の前脚11には、その上下端部に緩衝部材21、22が取り付けてある。この取り付け部材は例えばゴム、コルクその他の材料により形成されており、前脚端部の変形及び滑りを防止し、更に使用者が該前脚端部に触れたときに怪我をしないように使用者を保護すると共に、椅子へ弾性を付与する機能を有している。前脚11はほぼ直線状態をなしているが、実施例に示すように折り畳んで自立した時の椅子の容積減少を考慮してその中間部を僅かに曲げることも可能である。
【0010】
左右一対の後脚12には、下端部に前脚の端部と同様の機能を有する取り付け部材23が取り付けてある。また後脚12の上端部は、前脚12の上方直線部分に沿って滑動するように該前脚11を包囲しているスライダー24へ対して、ピン25によって枢着されている。このスライダー24は例えば図4に示すように、前脚11が貫通する孔26と、後脚12の上端部を受け入れる空所と、前記孔26へ対して交差する方向に伸びており該空所へ後脚12の上端部を受け入れそこに枢支ためのピン25が貫通する孔27と、を一体的に有しているプラスチック製品とすることが出来る。スライダー24は図1に実線で示す拡開位置から破線で示す下方の折り畳み位置まで前脚11に沿って移動可能となっている。
【0011】
両側方にある一対の座杆13は、図1において、前後方向に伸長するように配置されている。座杆13の一方の端部即ち一端(後端)は後脚12の中間部へピン28により枢着されている。座杆13の他端(先端)に近い部分には案内部材29がピン30によって枢支されている。案内部材29は例えば図5に示すように、概ねH形状をなしており、座杆13を受け入れる上方凹みと、前方レバー手段14を後述のように受け入れる下方凹みと、前記ピン30を受け入れるため上方凹みを貫通している孔31と、下方凹みを貫通している孔32と、を一体的に有しているプラスチック製品とすることが出来る。更に該座杆13の中間部はピン33によって前脚11の中間部へ枢着されている。座杆13がアルミニュームパイプ等から形成される場合には、座杆同士の左右の幅方向寸法を幾分でも広くしかつ組み付け作業を容易にするため該座杆の前記ピン33が枢着されるパイプの中間部分34を幾分平坦になるように加工することが望ましい。
【0012】
前方レバー手段14は、それぞれ1側(他側)の前脚11と他側(1側)の座杆13とを連結しており互いにX状に配置されている一対のレバー14a、14bにより構成されている。各レバー14a、14bの下端部は、例えば図6に示すような概ねU字形状を有する取り付け部材35により取り付けられている。即ち、該U字形状取り付け部材35はその底部に設けた孔36及び前脚11に設けた開口を介して伸びているピン37によって当該前脚11へ対して枢着されている。更に該U字形状取り付け部材35の対向する面であって各レバー14a、14bの下端部を挟持している面には孔38が設けてあり、これらの孔38を介して伸びているピンによって各レバー14a、14bの下端部が、該取り付け部材35を介して前脚11へ枢着されている。一方、各レバー14a、14bの上端部は、案内部材29の下方凹みへ孔32(図5)を介して貫通しているピンによって座杆13へ対して枢着されている。また、各レバー14a、14bがパイプ材料によって構成されている場合にはその中間部が互いに押し潰されかつ互いにピン39により枢支されている。
【0013】
前脚連結手段15(図2参照)は、両側の前脚11を互いに幅方向に連結している一対の連結杆15a、15bから構成されている。各連結杆15a、15bの外側端部は、ピン40によって、前脚11へ枢着されている図6に示すと概ね同様の形状を有する取り付け部材によって該前脚11へ対して枢支されている。更に、各連結杆15a、15bの内側端部は、例えば図7に示すようなトンネル形状の連接部材41によって互いに連接されている。即ち、連接部材41の両端部には各連結杆15a、15bの内側端部を受け入れそこへそれぞれピンによって枢支するための孔42、43が設けてある。こうして該一対の連結杆15a、15bの内側端部は上方へは回転出来ないが下方へは自由に回転出来るように取り付けてある。勿論この連接部材41は、例えば先に同一出願人が開示した特願平9−280253号、同10−163301号、同10−163302号、同10−289057号等に開示したと同様の部材によって代替出来ることは当業者に明らかなところである。
【0014】
中間レバー手段16は、それぞれ、1側(他側)の連結杆15a(15b)の中間部と、他側(1側)の座杆13のピン28と33との間の位置と、に枢着されている一対の互いに交差しているレバー部材16a、16bにより構成されている。このレバー部材は、折り畳み時に連結杆15a、15bを折り畳むための機能と、幅方向の補強の機能とを提供しているものであり、前者の機能は連結杆15a、15bの長さを予め特定することにより、また後者の機能は前方レバー手段14及び後述する後方レバー手段18によって十分達成することが出来るので、該中間レバー手段16は削除することも出来る。尚、この中間レバー手段16においては、レバー部材16a、16bの交差部を枢着することはしない。これらのレバー部材は針金材料によって構成されることが出来る。
【0015】
1側又は他側において、それぞれ前脚11と後脚12とを連結している一対の前後脚連結手段17は、それぞれ前方連結杆17aと後方連結杆17bとにより構成されている。前方連結杆17aの前方端部はピン40によって前脚11へ枢支されている。また後方連結杆17bの後方端部はピン44によって後脚12へ枢支されている。更に前脚連結杆17aの後方端部と後方連結杆17bの前方端部とはピン45によって互いに回転可能に連結されている。これらの連結杆はパイプ若しくは板状部材によって構成されることが出来る。
【0016】
後方レバー手段18は、互いにX状に配置されている一対のレバー18a、18bにより構成されている。各レバー18a、18bは上端部がそれぞれ1側(他側)の前脚11の上方部分へ、下端部がそれぞれ他側(1側)の後脚12の下方部分へ、例えば、図6に示すと同様の取り付け部材46、47を介して枢着されている。更にこれらのレバー18a、18bの中間付近であって互いに交差する部分はピン48によって枢支されている。尚、レバー18a、18bがパイプ材料によって構成されている場合には、望ましくは図2に示すように、互いに交差する中間部を平坦に変形してピン48で枢支されている交差部が面接触をするようにし、これにより該レバーの上下端部の取り付け位置が両側の前脚及び後脚において実質的に同一位置となるようにしている。
【0017】
後脚連結手段19(図2参照)は一対の後脚12を互いに幅方向に連結している連結杆19a、19bにより構成されている。連結杆19a、19bの外方端は各後脚12へ対してピン49によって枢着されている。このピン49は好ましくは、取り付け部材47を後脚12へ枢支しているピンとすることが出来る。また連結杆19a、19bの内方端は互いにピン50によって枢支されている。このとき、連結杆19a、19bの内方端は前脚連結手段15と同様に、図7に示すような連結部材によって連結することも可能である。
【0018】
更に折り畳み案内手段(図2参照)20は、外端部がそれぞれ後方レバー手段18のレバー18a、18bへピン51、52によって枢着され、内端部が互いにピン53によって枢着されている一対の案内レバー20a、20bと、上端部が図8に示すような樹脂製止具55によって該案内レバー20a、20bの内端部へ前記ピン53によって取り付けられ下端部が図9に示すような同様に樹脂製止具56によって後脚連結手段19の連結杆19a、19bの内端部へ前記ピン50によってそれぞれ取り付けてある案内ベルト54と、により構成されている。案内ベルト54は例えば布又は合成樹脂により形成される。前記止具55は案内レバー20a、20bの内端部を受け入れる溝部57と、ピン53を受け入れる孔58と、該折り畳み案内手段20を操作するフランジ状の操作片59と、を一体的に有している。又、前記止具56は連結杆19a、19bの内端部を受け入れる溝部60と、ピン50を受け入れる孔61と、該折り畳み案内手段20の案内ベルト54の下端部を受け入れるベルト受け入れ部62と、を一体的に有している。勿論、ベルト54はこれ以外の方法によっても取付けることができる。
【0019】
本件発明の折り畳み可能な椅子10では、左右の一対の座杆13には、椅子使用者が着座するための座部(図示なし)が折り畳み可能な布製又は樹脂製の材料によって構成されている。同様に、左右の一対の前脚11の上方部分には、椅子使用者が着座したときに背中をもたれるための背当部(図示なし)が折り畳み可能な布製又は樹脂製の材料によって構成されている。
【0020】
しかして、図1に示す拡開位置においては、図2に示すように、折り畳み案内手段20の案内レバー20a、20bが、それらの内方端部を互いに衝接し、止具55が当該案内レバー20a、20bの内端部を互いに死点を越えた位置へ配置しており、こうして椅子を安定した組立位置へ保持している。使用者は左右の座杆13間へ設けた座部へ着座し、更に左右の前脚11間へ形成した背当部へ背中を当てて休むことが出来る。この場合、使用者の荷重は、座杆13から前脚11、後脚12、前方レバー手段14、前脚連結手段15、前後脚連結手段17、後方レバー手段18、後脚連結手段19を介して床面又は地面へ逃がされる。ここで、前後脚連結手段17は前脚11と後脚12とが前後方向へ広がるのを制限している。更に、X状に配置されている前方レバー手段14及び後方レバー手段18は椅子の横揺れを防止している。また前脚連結手段15及び後脚連結手段19は前脚11と後脚12とが左右方向へ広がるのを制限している。こうして、本件発明の椅子は、全く揺れをない安定した椅子を提供する。
【0021】
不使用時に当該椅子を折り畳むためには、初めに止具55の操作片59を上方へ持ち上げる。これにより折り畳み案内手段20を構成している案内レバー20a、20bの内端部が上方へ移動する。同時に後脚連結手段19の中央部が案内ベルト54によって上方へ引き上げられる。このため後方レバー手段18の作用により左右の後脚12が互いに接近する。同時に左右の前脚11も互いに接近する。これに伴い、前方レバー手段14の作用により座杆13がピン28の回りに回転し該座杆13の前方端部が上方へ持ち上げられる。ついで後脚12の上端部へ取り付けたスライダー24が前脚11に沿ってスライドする。中間レバー手段16が前脚連結手段15の中間部を引き上げる。スライダー24が前脚11に沿って最終的に図1の破線位置までスライドする。こうして椅子10は完全に前後方向及び幅方向に折り畳まれ、図3の位置をとる。この位置で、本件の椅子は図3に示すように極めて狭い範囲で安定した自立状態を維持する。必要に応じて、この位置を保持するためのストッパー(図示なし)を設けることが出来る。
【0022】
一方、椅子10を図3の折り畳み位置から図1の拡開位置まで広げるためには、単に該ストッパーを開放した後、前脚11の上端部を把持して該前脚11を互いに横方向に拡開する。これにより折り畳み作用と反対の作動により、スライダー24が前脚11に沿って上方へ移動し、椅子10は容易に前後方向及び幅方向に同時に広がり、図1の位置を提供する。
【0023】
図10〜図12は、本件発明の椅子の第2の実施例を示す。この実施例が図1〜図9に示す第1の実施例と大きく異なる点は、第1の実施例では、後脚12の上端部が、ピン25によってスライダー24へ枢着され、該スライダー24が前脚11に沿ってスライドすることにより各部材の折り畳みを可能としているのに対して、第2の実施例では、後脚の上端部が、ピンによって前脚へ枢着された部材へ設けられた溝内を滑動することにより各部材の折り畳みを可能としているものである。即ち第1実施例においては、後脚がピン連結されているスライダーが、前脚に沿って滑動するのに対して、第2実施例においては、前脚へピン連結された部材内部を後脚が滑動するものである。以下において第1の実施例と異なる点について重点的に説明する。
【0024】
第2の実施例にかかる椅子70は、一対の前脚71と、一対の後脚72と、一対の座杆73と、左右の前脚71を互いに幅方向に連結している前脚連結手段74であって一対の連結杆74a、74bから構成されている前脚連結手段74(図11参照)と、1側(他側)の連結杆74a(74b)と1側(他側)の座杆73(73)とを連結しているレバー75a、75bより構成されている前方レバー手段75と、1側の後脚72の下方部分と他側の前脚71の上方部分とを連結しており互いにX状に配置されている後方レバー手段76と、一対の後脚72を互いに幅方向に連結している後脚連結手段77であって一対の連結杆77a、77bから構成されている後脚連結手段77(図11参照)と、各前脚71の上方部分へ取り付けられている背当て杆78と、折り畳み案内手段(図11参照)79と、により構成されている。
【0025】
前脚71には、その上下端部に例えばゴム、コルクその他の材料により形成されている緩衝部材が取り付けてある。前脚71はほぼ直線状態をなしているが、実施例に示すように折り畳んで自立した時の椅子の容積減少及び安定性を考慮してその中間部を僅かに曲げることも可能である。この前脚71の上方位置には、枢動部材80がピン81によって枢着されている。該枢動部材80は内部に長い滑動溝82が形成されている樹脂成形製品とすることが出来る。滑動溝82の断面形状は後脚72を収容出来るような形状となっている。
【0026】
後脚72には、下端部に前脚の端部と同様の取り付け部材が取り付けてある。後脚72の上端部は、前記枢動部材80の滑動溝82内に収容されている。
両側方にある一対の座杆73は、図10において、前後方向に伸長するように配置されている。座杆73の一方の端部即ち一端(後端)は後脚72の中間部へピン83により枢着されている。座杆73の中間部分はピン84によって前脚71の中間部へ枢着されている。
【0027】
前脚連結手段74(図11参照)は、両側の前脚71を互いに幅方向に連結している一対の連結杆74a、74bから構成されている。各連結杆74a、74bの外側端部は、第1実施例と同様に、前脚71へ枢着されている。更に、各連結杆74a、74bの内側端部は、第1実施例と同様の手段によって、互いに連接されている。
【0028】
前方レバー手段75は、それぞれ、下端部を1側(他側)の連結杆74a(74b)の中間部と、上端部を1側(他側)の座杆73のピン83と84との間の位置と、に枢着されている一対のレバー部材75a、75bにより構成されている。この前方レバー手段75は、折り畳み時に連結杆74a、74bを折り畳むための機能と、幅方向の補強の機能と、前脚と後脚との広がり防止機能と、を提供しているものである。これらのレバー部材は針金材料によって構成されることが出来る。
【0029】
後方レバー手段76は、互いにX状に配置されている一対のレバー76a、76bにより構成されている。各レバー76a、76bは上端部がそれぞれ1側(他側)の前脚71の上方部分へ、下端部がそれぞれ他側(1側)の後脚72の下方部分へ、第1実施例に示したと同様の手段によって枢着されている。更にこれらのレバー76a、76bの中間付近であって互いに交差する部分はピン85によって枢支されている。尚、レバー76a、76bがパイプ材料によって構成されている場合には、望ましくは図11に示すように、互いに交差する中間部を平坦に変形してピン85で枢支されている交差部が面接触をするようにし、これにより該レバーの上下端部の取り付け位置が両側の前脚及び後脚において実質的に同一位置となるようにすることは前述と同様である。
【0030】
後脚連結手段77(図11参照)は一対の後脚72を互いに幅方向に連結している連結杆77a、77bにより構成されている。連結杆77a、77bの外方端は各後脚72へ対して枢着されている。また連結杆77a、77bの内方端は互いにピン86によって枢支されている。
【0031】
また背当て杆78は止め金によって前脚の上方部分へ固定されている。しかし、この背当て杆78は、前脚71を幾分長く形成することによって、不要とすることも可能である。
【0032】
折り畳み案内手段(図11参照)79は、第1実施例においては詳述したものと実質的に同一であるので詳述しない。
本件発明の折り畳み可能な椅子70では、左右の一対の座杆73には、椅子使用者が着座するための座部(図示なし)が折り畳み可能な布製又は樹脂製の材料によって構成されている。同様に、左右の一対の背当て杆78には、椅子使用者が着座したときに背中をもたれるための背当部(図示なし)が折り畳み可能な布製又は樹脂製の材料によって構成されている。
【0033】
しかして、図10に示す拡開位置においては、図11に示すように、折り畳み案内手段79の案内レバーが、それらの内方端部を互いに衝接し、止具が当該案内レバーの内端部を互いに死点を越えた位置へ配置しており、こうして椅子を安定した組立位置へ保持している。使用者は左右の座杆73間へ設けた座部へ着座し、更に左右の背当て杆78間へ形成した背当部へ背中を当てて休むことが出来る。この場合、使用者の荷重は、座杆73から前脚71、後脚72、前脚連結手段74、前方レバー手段75、後方レバー手段76、後脚連結手段77を介して床面又は地面へ逃がされる。ここで、前方レバー手段75は前脚71と後脚72とが前後方向へ広がるのを制限している。更に、該前方レバー手段75とX状に配置されている後方レバー手段76は椅子の横揺れを防止している。また前脚連結手段74及び後脚連結手段77は前脚71と後脚72とが左右方向へ広がるのを制限している。こうして、本件発明の椅子は、全く揺れをない安定した椅子を提供する。
【0034】
不使用時に当該椅子を折り畳むためには、初めに止具の操作片を上方へ持ち上げる。これにより折り畳み案内手段79を構成している案内レバーの内端部が上方へ移動する。同時に後脚連結手段77の中央部が案内ベルトによって上方へ引き上げられる。このため後方レバー手段76の作用により左右の後脚72が互いに接近する。同時に左右の前脚71も互いに接近する。これに伴い、前方レバー手段75の作用により座杆73がピン83の回りに回転し該座杆73の前方端部が上方へ持ち上げられる。ついで後脚72の上端部が枢動部材80の滑動溝82内をスライドする。前方レバー手段75が前脚連結手段74の中間部を引き上げる。後脚72の上端部が枢動部材80の滑動溝82内を下方に移動し、最終的に図12の破線位置まで移動する。こうして椅子70は完全に前後方向及び幅方向に折り畳まれ、図12の位置をとる。この位置で、本件の椅子は図12に示すように極めて狭い範囲で安定した自立状態を維持する。必要に応じて、この位置を保持するためのストッパー(図示なし)を設けることが出来る。
【0035】
一方、椅子70を図12の折り畳み位置から図10の拡開位置まで広げるためには、単に該ストッパーを開放した後、前脚71若しくは背当て杆78の上端部を把持してこれを互いに横方向に拡開する。これにより折り畳み作用と反対の作動により、後脚72の上端部が枢動部材80の滑動溝82に沿って上方へ移動し、椅子70は容易に前後方向及び幅方向に同時に広がり、図10の位置を提供することが出来る。
【0036】
本件発明において、第2実施例に記載の構造を第1実施例に記載の構造と比較した場合に、第2実施例においては、第1実施例に記載のX形状の前方レバー手段14及び前後脚連結手段17が削除され、さらに、前方レバー手段75の取り付け方がX形状をなしていない点が異なっている。このため、第2実施例の椅子70は、第1実施例の椅子10に比較して部品点数が少なく、幾分安価に製造出来るが、多少安定性に欠ける。しかし、実際の使用上においては安定性の点においてさほど多きな差異はない。即ち、両者の違いは、単に、折り畳む際に、後脚が前脚に沿って移動するスライダーへ枢着されているか、後脚が前脚に枢着した枢動部材内を滑動するかの違いである。このため、もし望まれるなら、両実施例において、スライド若しくは滑動する構造を除き、他の構造を同一にしても同様の機能が得られることは当業者に明らかである。
【0037】
【発明の効果】
本件発明においては、前後左右何れの方向にも安定した構造を有する椅子であって、不使用時には、前後及び左右の両方向にコンパクトに折り畳むことが出来、更に折り畳んだ状態で自立することが出来る折り畳み可能な椅子を提供することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本件発明の第1実施例を示す折り畳み可能な椅子の拡開時の側面図である。
【図2】左半分が図1に示す椅子を前方から見た正面図であり、右半分が図1に示す椅子を後方から見た正面図である。
【図3】本件発明の第1実施例を示す折り畳み可能な椅子の折込時の側面図である。
【図4】図1に示す椅子に使用されるスライダーを示す斜視図である。
【図5】図1に示す椅子に使用される案内部材を示す斜視図である。
【図6】図1に示す椅子に使用される取り付け部材を示す斜視図である。
【図7】図1に示す椅子に使用される連結部材を示す斜視図である。
【図8】図1に示す椅子に使用される上方の止具を示す斜視図である。
【図9】図1に示す椅子に使用される下方の止具を示す斜視図である。
【図10】本件発明の第2実施例を示す折り畳み可能な椅子の拡開時の側面図である。
【図11】左半分が図10に示す椅子を前方から見た正面図であり、右半分が図10に示す椅子を後方から見た正面図である。
【図12】本件発明の第2実施例を示す折り畳み可能な椅子の折込時の側面図である。
【符号の説明】
10:椅子 11:前脚
12:後脚 13:座杆
14:前方レバー手段 15:前脚連結手段
16:中間レバー手段 17:前後脚連結手段
18:後方レバー手段 19:後脚連結手段
20:折り畳み案内手段 24:スライダー
29:案内部材 35:取り付け部材
41:連接部材 54:案内ベルト
55、56:止具 57:溝部
59:操作片 60:溝部
62:受入れ部 70:椅子
71:前脚 72:後脚
73:座杆 74:前脚連結手段
75:前方レバー手段 76:後方レバー手段
77:後脚連結手段 78:背当て杆
79:折り畳み案内手段 80:枢動部材
82:滑動溝
Claims (5)
- 一対の前脚と、
一対の後脚と、
前脚及び後脚を枢動可能に連結している一対の座杆と、
一対の前脚を幅方向の折り畳み可能に連結している前脚連結手段と、
一対の後脚を幅方向の折り畳み可能に連結している後脚連結手段と、
1側の後脚下端と他側の前脚上端とを枢動可能に連結し互いにX形状に配置されている後方レバー手段と、を有しており、
後脚の上端部が前脚の上方部分に対して相対的に移動可能となっている手段を有し、
前記後方レバー手段を折り畳む一対の案内レバーと前記後脚連結手段を折り畳む案内ベルトとにより構成される折り畳み案内手段をさらに備え、
前記案内レバーは、外端部がそれぞれ前記後方レバー手段の上方部分に枢着され、内端部が互いに枢着され、
前記案内ベルトは、上端部が前記案内レバーの内端部に取り付けられ、下端部が前記後脚連結手段に取り付けられる前後及び左右方向に折り畳み可能となっている椅子。 - 1側の前脚下端と他側の座杆の前方部分とを枢動可能に連結し互いにX形状に配置されている前方レバー手段を更に有している、請求項1の前後及び左右方向に折り畳み可能となっている椅子。
- 前脚連結手段が一対の連結杆からなり、各連結杆の1端が各前脚へ枢着され他端が互いに枢動可能に連結されており、1側の連結杆と1側の座杆及び他側の連結杆と他側の座杆を互いに枢動可能に連結している前方レバー手段を更に有している、請求項1の前後及び左右方向に折り畳み可能となっている椅子。
- 後脚の上端部が前脚の上方部分に対して相対的に移動可能となっている手段が、前脚の上方部分に沿って滑動可能でありかつ後脚の上端部が枢着されているスライダーである請求項1〜3の何れ1に記載の前後及び左右方向に折り畳み可能となっている椅子。
- 後脚の上端部が前脚の上方部分に対して相対的に移動可能となっている手段が、前脚の上方部分に枢着されておりかつ後脚の上端部が滑動可能となっている枢動部材である請求項1〜3の何れ1に記載の前後及び左右方向に折り畳み可能となっている椅子。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26220899A JP4471422B2 (ja) | 1999-09-16 | 1999-09-16 | 折り畳み可能な椅子 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26220899A JP4471422B2 (ja) | 1999-09-16 | 1999-09-16 | 折り畳み可能な椅子 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001078851A JP2001078851A (ja) | 2001-03-27 |
JP4471422B2 true JP4471422B2 (ja) | 2010-06-02 |
Family
ID=17372589
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP26220899A Expired - Fee Related JP4471422B2 (ja) | 1999-09-16 | 1999-09-16 | 折り畳み可能な椅子 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4471422B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101739180B1 (ko) * | 2014-11-14 | 2017-05-24 | 테-룽 첸 | 접이식 의자 프레임 |
Families Citing this family (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2014040285A1 (zh) * | 2012-09-17 | 2014-03-20 | Pao Chih-Ting | 拐杖椅 |
EP3737264B1 (en) | 2018-01-12 | 2023-09-13 | Yeti Coolers, LLC | Portable chair |
USD912423S1 (en) | 2019-01-14 | 2021-03-09 | Yeti Coolers, Llc | Portable chair |
USD911731S1 (en) | 2019-01-14 | 2021-03-02 | Yeti Coolers, Llc | Portable chair |
USD903305S1 (en) | 2019-01-14 | 2020-12-01 | Yeti Coolers, Llc | Bag |
-
1999
- 1999-09-16 JP JP26220899A patent/JP4471422B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101739180B1 (ko) * | 2014-11-14 | 2017-05-24 | 테-룽 첸 | 접이식 의자 프레임 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2001078851A (ja) | 2001-03-27 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US5499857A (en) | Folding chair | |
US6082813A (en) | Foldable chair | |
US7698756B1 (en) | Simple and strong foldable bed | |
US20150282625A1 (en) | Collapsible and portable rocking chair | |
US10405662B2 (en) | Folding X-frame chair with extended backrest | |
US20070216201A1 (en) | Seating device with a foldable table | |
JPH0510103B2 (ja) | ||
JP4471422B2 (ja) | 折り畳み可能な椅子 | |
JP3690310B2 (ja) | 折り畳み椅子 | |
JPS5917315A (ja) | 折りたたみ式椅子 | |
KR100364558B1 (ko) | 쇼핑 카트와 같은 형태를 가지는 노인차 | |
JP2002165667A (ja) | 折り畳み式椅子 | |
US4577878A (en) | Folding wheelchair | |
US5588695A (en) | Foldable beach chair | |
CA2235952C (en) | A reclinable outdoor chair | |
US4699422A (en) | Reclining and swingable chair | |
JP3017441U (ja) | 折り畳み式腰掛 | |
GB2303058A (en) | Folding chair | |
US20020125744A1 (en) | Foldable chair with armrests | |
JP2000210153A (ja) | 折畳み椅子 | |
US11659931B1 (en) | Foldable chair | |
JP2002165666A (ja) | 木製折畳み椅子 | |
JP3070001U (ja) | 折畳み式ゆり椅子 | |
JPH077545U (ja) | 折り畳み椅子 | |
KR20130028631A (ko) | 접이식 의자 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20060822 |
|
A711 | Notification of change in applicant |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711 Effective date: 20081030 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821 Effective date: 20081030 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20091118 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20100113 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20100209 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20100302 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130312 Year of fee payment: 3 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130312 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140312 Year of fee payment: 4 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |