JP2001078851A - 折り畳み可能な椅子 - Google Patents

折り畳み可能な椅子

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JP2001078851A JP26220899A JP26220899A JP2001078851A JP 2001078851 A JP2001078851 A JP 2001078851A JP 26220899 A JP26220899 A JP 26220899A JP 26220899 A JP26220899 A JP 26220899A JP 2001078851 A JP2001078851 A JP 2001078851A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 前後左右に折り畳み可能とし、収納スペース
を小さくする。 【解決手段】 前脚11及び後脚12を枢動可能に連結
している一対の座杆13、一対の前脚11を幅方向の折
り畳み可能に連結している前脚連結手段、一対の後脚1
2を幅方向の折り畳み可能に連結している後脚連結手
段、1側の後脚12下端と他側の前脚11上端とを枢動
可能に連結し、互いにX形状に配置されている後方レバ
ー手段18、並びに後脚12の上端部が前脚11の上方
部分に対して相対的に移動可能となっている手段24を
備え、前後及び左右方向に折り畳み可能とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、軽量で持ち運び可
能で折り畳み自在な椅子に関し、特に、不使用時に前後
方向及び左右方向に同時にコンパクトに折り畳める椅子
に関する。
【0002】
【従来の技術】これまで種々の折り畳み自在な椅子が発
表されている。例えば、アルミパイプを使用した軽量で
持ち運び可能な事務用椅子は事務所、工場、会社、会議
場、学校等において広く使用されている。また、車両に
容易に積載出来るような折り畳み可能なレジャー用椅子
は海岸やプール、又はキャンプ場等において有効に使用
されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このように軽量で持ち
運び可能な折り畳み自在な椅子は広い分野で非常に便利
に使用されている。そしてこれらの椅子は不使用時には
場所を取らないようにそれらを折り畳み、倉庫その他の
場所へ収納している。
【0004】しかるに、これまでの公知の折り畳み可能
な椅子の多くは、座部を引き上げて椅子を前後方向に折
り畳むものであるが、折り畳んだ椅子は自立性が無く、
そのため、折り畳んだ椅子は部屋の壁その他の構造物へ
寄り掛ける必要がある。このためしばしば構造物の壁綿
等が傷付けられるという課題があった。
【0005】更に、これまでの折り畳み可能な椅子にお
いては当該椅子を前後方向に折り込むことが出来ても、
更に同時に左右方向にも折り畳むということは出来な
い。そのため、折り畳んで収納する場合の容積がかなり
広く要求されるという課題があった。
【0006】
【課題を解決するための手段】そこで本件発明において
は、不使用時には、前後及び左右の両方向にコンパクト
に折り畳むことが出来、更に折り畳んだ状態でも自立す
ることが出来る折り畳み可能な椅子を提供することによ
り、上記課題を解消するものである。そのため、本件発
明においては、一対の前脚と、一対の後脚と、前脚及び
後脚を枢動可能に連結している一対の座杆と、一対の前
脚を幅方向の折り畳み可能に連結している前脚連結手段
と、一対の後脚を幅方向の折り畳み可能に連結している
後脚連結手段と、1側の後脚下端と他側の前脚上端とを
枢動可能に連結し互いにX形状に配置されている後方レ
バー手段と、を有し、後脚の上端部が前脚の上方部分に
対して相対的に移動可能となっている手段を有している
前後及び左右方向に折り畳み可能となっている椅子を提
供する。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本件発明の実施例につき図
面を参照しながら述べる。図1〜図3は本件発明の折り
畳み可能な椅子10の具体的な構成について示してい
る。以下の説明においては、本件発明の椅子の前方又は
後方から見てその構造は実質的に左右対称となっている
ため、必要な場合以外は、一側の構成のみについて述べ
る。また、そのため、前後方向からの違いがより明確に
なるように図2においては、図面の中心線から左側には
本件発明の椅子を前方から見た構造を示し、右側には本
件発明の椅子を後方から見た構造を示す。
【0008】本件発明にかかる椅子10は、左右一対の
前脚11と、左右一対の後脚12と、左右一対の座杆1
3と、1側の前脚11と他側の座杆13とを連結してお
り互いにX状に配置されている前方レバー手段14と、
一対の前脚11を互いに幅方向に連結している前脚連結
手段15(図2参照)と、該前脚連結手段15と座杆1
3とを連結している一対の中間レバー手段16と、1側
及び他側のそれぞれ前脚11と後脚12とを連結してい
る一対の前後脚連結手段17と、1側の後脚12と他側
の前脚11とを連結しており互いにX状に配置されてい
る後方レバー手段18と、一対の後脚12を互いに幅方
向に連結している後脚連結手段19(図2参照)と、折
り畳み案内手段(図2参照)20と、により構成されて
いる。
【0009】左右一対の前脚11には、その上下端部に
緩衝部材21、22が取り付けてある。この取り付け部
材は例えばゴム、コルクその他の材料により形成されて
おり、前脚端部の変形及び滑りを防止し、更に使用者が
該前脚端部に触れたときに怪我をしないように使用者を
保護すると共に、椅子へ弾性を付与する機能を有してい
る。前脚11はほぼ直線状態をなしているが、実施例に
示すように折り畳んで自立した時の椅子の容積減少を考
慮してその中間部を僅かに曲げることも可能である。
【0010】左右一対の後脚12には、下端部に前脚の
端部と同様の機能を有する取り付け部材23が取り付け
てある。また後脚12の上端部は、前脚12の上方直線
部分に沿って滑動するように該前脚11を包囲している
スライダー24へ対して、ピン25によって枢着されて
いる。このスライダー24は例えば図4に示すように、
前脚11が貫通する孔26と、後脚12の上端部を受け
入れる空所と、前記孔26へ対して交差する方向に伸び
ており該空所へ後脚12の上端部を受け入れそこに枢支
ためのピン25が貫通する孔27と、を一体的に有して
いるプラスチック製品とすることが出来る。スライダー
24は図1に実線で示す拡開位置から破線で示す下方の
折り畳み位置まで前脚11に沿って移動可能となってい
る。
【0011】両側方にある一対の座杆13は、図1にお
いて、前後方向に伸長するように配置されている。座杆
13の一方の端部即ち一端(後端)は後脚12の中間部
へピン28により枢着されている。座杆13の他端(先
端)に近い部分には案内部材29がピン30によって枢
支されている。案内部材29は例えば図5に示すよう
に、概ねH形状をなしており、座杆13を受け入れる上
方凹みと、前方レバー手段14を後述のように受け入れ
る下方凹みと、前記ピン30を受け入れるため上方凹み
を貫通している孔31と、下方凹みを貫通している孔3
2と、を一体的に有しているプラスチック製品とするこ
とが出来る。更に該座杆13の中間部はピン33によっ
て前脚11の中間部へ枢着されている。座杆13がアル
ミニュームパイプ等から形成される場合には、座杆同士
の左右の幅方向寸法を幾分でも広くしかつ組み付け作業
を容易にするため該座杆の前記ピン33が枢着されるパ
イプの中間部分34を幾分平坦になるように加工するこ
とが望ましい。
【0012】前方レバー手段14は、それぞれ1側(他
側)の前脚11と他側(1側)の座杆13とを連結して
おり互いにX状に配置されている一対のレバー14a、
14bにより構成されている。各レバー14a、14b
の下端部は、例えば図6に示すような概ねU字形状を有
する取り付け部材35により取り付けられている。即
ち、該U字形状取り付け部材35はその底部に設けた孔
36及び前脚11に設けた開口を介して伸びているピン
37によって当該前脚11へ対して枢着されている。更
に該U字形状取り付け部材35の対向する面であって各
レバー14a、14bの下端部を挟持している面には孔
38が設けてあり、これらの孔38を介して伸びている
ピンによって各レバー14a、14bの下端部が、該取
り付け部材35を介して前脚11へ枢着されている。一
方、各レバー14a、14bの上端部は、案内部材29
の下方凹みへ孔32(図5)を介して貫通しているピン
によって座杆13へ対して枢着されている。また、各レ
バー14a、14bがパイプ材料によって構成されてい
る場合にはその中間部が互いに押し潰されかつ互いにピ
ン39により枢支されている。
【0013】前脚連結手段15(図2参照)は、両側の
前脚11を互いに幅方向に連結している一対の連結杆1
5a、15bから構成されている。各連結杆15a、1
5bの外側端部は、ピン40によって、前脚11へ枢着
されている図6に示すと概ね同様の形状を有する取り付
け部材によって該前脚11へ対して枢支されている。更
に、各連結杆15a、15bの内側端部は、例えば図7
に示すようなトンネル形状の連接部材41によって互い
に連接されている。即ち、連接部材41の両端部には各
連結杆15a、15bの内側端部を受け入れそこへそれ
ぞれピンによって枢支するための孔42、43が設けて
ある。こうして該一対の連結杆15a、15bの内側端
部は上方へは回転出来ないが下方へは自由に回転出来る
ように取り付けてある。勿論この連接部材41は、例え
ば先に同一出願人が開示した特願平9−280253
号、同10−163301号、同10−163302
号、同10−289057号等に開示したと同様の部材
によって代替出来ることは当業者に明らかなところであ
る。
【0014】中間レバー手段16は、それぞれ、1側
(他側)の連結杆15a(15b)の中間部と、他側
(1側)の座杆13のピン28と33との間の位置と、
に枢着されている一対の互いに交差しているレバー部材
16a、16bにより構成されている。このレバー部材
は、折り畳み時に連結杆15a、15bを折り畳むため
の機能と、幅方向の補強の機能とを提供しているもので
あり、前者の機能は連結杆15a、15bの長さを予め
特定することにより、また後者の機能は前方レバー手段
14及び後述する後方レバー手段18によって十分達成
することが出来るので、該中間レバー手段16は削除す
ることも出来る。尚、この中間レバー手段16において
は、レバー部材16a、16bの交差部を枢着すること
はしない。これらのレバー部材は針金材料によって構成
されることが出来る。
【0015】1側又は他側において、それぞれ前脚11
と後脚12とを連結している一対の前後脚連結手段17
は、それぞれ前方連結杆17aと後方連結杆17bとに
より構成されている。前方連結杆17aの前方端部はピ
ン40によって前脚11へ枢支されている。また後方連
結杆17bの後方端部はピン44によって後脚12へ枢
支されている。更に前脚連結杆17aの後方端部と後方
連結杆17bの前方端部とはピン45によって互いに回
転可能に連結されている。これらの連結杆はパイプ若し
くは板状部材によって構成されることが出来る。
【0016】後方レバー手段18は、互いにX状に配置
されている一対のレバー18a、18bにより構成され
ている。各レバー18a、18bは上端部がそれぞれ1
側(他側)の前脚11の上方部分へ、下端部がそれぞれ
他側(1側)の後脚12の下方部分へ、例えば、図6に
示すと同様の取り付け部材46、47を介して枢着され
ている。更にこれらのレバー18a、18bの中間付近
であって互いに交差する部分はピン48によって枢支さ
れている。尚、レバー18a、18bがパイプ材料によ
って構成されている場合には、望ましくは図2に示すよ
うに、互いに交差する中間部を平坦に変形してピン48
で枢支されている交差部が面接触をするようにし、これ
により該レバーの上下端部の取り付け位置が両側の前脚
及び後脚において実質的に同一位置となるようにしてい
る。
【0017】後脚連結手段19(図2参照)は一対の後
脚12を互いに幅方向に連結している連結杆19a、1
9bにより構成されている。連結杆19a、19bの外
方端は各後脚12へ対してピン49によって枢着されて
いる。このピン49は好ましくは、取り付け部材47を
後脚12へ枢支しているピンとすることが出来る。また
連結杆19a、19bの内方端は互いにピン50によっ
て枢支されている。このとき、連結杆19a、19bの
内方端は前脚連結手段15と同様に、図7に示すような
連結部材によって連結することも可能である。
【0018】更に折り畳み案内手段(図2参照)20
は、外端部がそれぞれ後方レバー手段18のレバー18
a、18bへピン51、52によって枢着され、内端部
が互いにピン53によって枢着されている一対の案内レ
バー20a、20bと、上端部が図8に示すような樹脂
製止具55によって該案内レバー20a、20bの内端
部へ前記ピン53によって取り付けられ下端部が図9に
示すような同様に樹脂製止具56によって後脚連結手段
19の連結杆19a、19bの内端部へ前記ピン50に
よってそれぞれ取り付けてある案内ベルト54と、によ
り構成されている。案内ベルト54は例えば布又は合成
樹脂により形成される。前記止具55は案内レバー20
a、20bの内端部を受け入れる溝部57と、ピン53
を受け入れる孔58と、該折り畳み案内手段20を操作
するフランジ状の操作片59と、を一体的に有してい
る。又、前記止具56は連結杆19a、19bの内端部
を受け入れる溝部60と、ピン50を受け入れる孔61
と、該折り畳み案内手段20の案内ベルト54の下端部
を受け入れるベルト受け入れ部62と、を一体的に有し
ている。勿論、ベルト54はこれ以外の方法によっても
取付けることができる。
【0019】本件発明の折り畳み可能な椅子10では、
左右の一対の座杆13には、椅子使用者が着座するため
の座部(図示なし)が折り畳み可能な布製又は樹脂製の
材料によって構成されている。同様に、左右の一対の前
脚11の上方部分には、椅子使用者が着座したときに背
中をもたれるための背当部(図示なし)が折り畳み可能
な布製又は樹脂製の材料によって構成されている。
【0020】しかして、図1に示す拡開位置において
は、図2に示すように、折り畳み案内手段20の案内レ
バー20a、20bが、それらの内方端部を互いに衝接
し、止具55が当該案内レバー20a、20bの内端部
を互いに死点を越えた位置へ配置しており、こうして椅
子を安定した組立位置へ保持している。使用者は左右の
座杆13間へ設けた座部へ着座し、更に左右の前脚11
間へ形成した背当部へ背中を当てて休むことが出来る。
この場合、使用者の荷重は、座杆13から前脚11、後
脚12、前方レバー手段14、前脚連結手段15、前後
脚連結手段17、後方レバー手段18、後脚連結手段1
9を介して床面又は地面へ逃がされる。ここで、前後脚
連結手段17は前脚11と後脚12とが前後方向へ広が
るのを制限している。更に、X状に配置されている前方
レバー手段14及び後方レバー手段18は椅子の横揺れ
を防止している。また前脚連結手段15及び後脚連結手
段19は前脚11と後脚12とが左右方向へ広がるのを
制限している。こうして、本件発明の椅子は、全く揺れ
をない安定した椅子を提供する。
【0021】不使用時に当該椅子を折り畳むためには、
初めに止具55の操作片59を上方へ持ち上げる。これ
により折り畳み案内手段20を構成している案内レバー
20a、20bの内端部が上方へ移動する。同時に後脚
連結手段19の中央部が案内ベルト54によって上方へ
引き上げられる。このため後方レバー手段18の作用に
より左右の後脚12が互いに接近する。同時に左右の前
脚11も互いに接近する。これに伴い、前方レバー手段
14の作用により座杆13がピン28の回りに回転し該
座杆13の前方端部が上方へ持ち上げられる。ついで後
脚12の上端部へ取り付けたスライダー24が前脚11
に沿ってスライドする。中間レバー手段16が前脚連結
手段15の中間部を引き上げる。スライダー24が前脚
11に沿って最終的に図1の破線位置までスライドす
る。こうして椅子10は完全に前後方向及び幅方向に折
り畳まれ、図3の位置をとる。この位置で、本件の椅子
は図3に示すように極めて狭い範囲で安定した自立状態
を維持する。必要に応じて、この位置を保持するための
ストッパー(図示なし)を設けることが出来る。
【0022】一方、椅子10を図3の折り畳み位置から
図1の拡開位置まで広げるためには、単に該ストッパー
を開放した後、前脚11の上端部を把持して該前脚11
を互いに横方向に拡開する。これにより折り畳み作用と
反対の作動により、スライダー24が前脚11に沿って
上方へ移動し、椅子10は容易に前後方向及び幅方向に
同時に広がり、図1の位置を提供する。
【0023】図10〜図12は、本件発明の椅子の第2
の実施例を示す。この実施例が図1〜図9に示す第1の
実施例と大きく異なる点は、第1の実施例では、後脚1
2の上端部が、ピン25によってスライダー24へ枢着
され、該スライダー24が前脚11に沿ってスライドす
ることにより各部材の折り畳みを可能としているのに対
して、第2の実施例では、後脚の上端部が、ピンによっ
て前脚へ枢着された部材へ設けられた溝内を滑動するこ
とにより各部材の折り畳みを可能としているものであ
る。即ち第1実施例においては、後脚がピン連結されて
いるスライダーが、前脚に沿って滑動するのに対して、
第2実施例においては、前脚へピン連結された部材内部
を後脚が滑動するものである。以下において第1の実施
例と異なる点について重点的に説明する。
【0024】第2の実施例にかかる椅子70は、一対の
前脚71と、一対の後脚72と、一対の座杆73と、左
右の前脚71を互いに幅方向に連結している前脚連結手
段74であって一対の連結杆74a、74bから構成さ
れている前脚連結手段74(図11参照)と、1側(他
側)の連結杆74a(74b)と1側(他側)の座杆7
3(73)とを連結しているレバー75a、75bより
構成されている前方レバー手段75と、1側の後脚72
の下方部分と他側の前脚71の上方部分とを連結してお
り互いにX状に配置されている後方レバー手段76と、
一対の後脚72を互いに幅方向に連結している後脚連結
手段77であって一対の連結杆77a、77bから構成
されている後脚連結手段77(図11参照)と、各前脚
71の上方部分へ取り付けられている背当て杆78と、
折り畳み案内手段(図11参照)79と、により構成さ
れている。
【0025】前脚71には、その上下端部に例えばゴ
ム、コルクその他の材料により形成されている緩衝部材
が取り付けてある。前脚71はほぼ直線状態をなしてい
るが、実施例に示すように折り畳んで自立した時の椅子
の容積減少及び安定性を考慮してその中間部を僅かに曲
げることも可能である。この前脚71の上方位置には、
枢動部材80がピン81によって枢着されている。該枢
動部材80は内部に長い滑動溝82が形成されている樹
脂成形製品とすることが出来る。滑動溝82の断面形状
は後脚72を収容出来るような形状となっている。
【0026】後脚72には、下端部に前脚の端部と同様
の取り付け部材が取り付けてある。後脚72の上端部
は、前記枢動部材80の滑動溝82内に収容されてい
る。両側方にある一対の座杆73は、図10において、
前後方向に伸長するように配置されている。座杆73の
一方の端部即ち一端(後端)は後脚72の中間部へピン
83により枢着されている。座杆73の中間部分はピン
84によって前脚71の中間部へ枢着されている。
【0027】前脚連結手段74(図11参照)は、両側
の前脚71を互いに幅方向に連結している一対の連結杆
74a、74bから構成されている。各連結杆74a、
74bの外側端部は、第1実施例と同様に、前脚71へ
枢着されている。更に、各連結杆74a、74bの内側
端部は、第1実施例と同様の手段によって、互いに連接
されている。
【0028】前方レバー手段75は、それぞれ、下端部
を1側(他側)の連結杆74a(74b)の中間部と、
上端部を1側(他側)の座杆73のピン83と84との
間の位置と、に枢着されている一対のレバー部材75
a、75bにより構成されている。この前方レバー手段
75は、折り畳み時に連結杆74a、74bを折り畳む
ための機能と、幅方向の補強の機能と、前脚と後脚との
広がり防止機能と、を提供しているものである。これら
のレバー部材は針金材料によって構成されることが出来
る。
【0029】後方レバー手段76は、互いにX状に配置
されている一対のレバー76a、76bにより構成され
ている。各レバー76a、76bは上端部がそれぞれ1
側(他側)の前脚71の上方部分へ、下端部がそれぞれ
他側(1側)の後脚72の下方部分へ、第1実施例に示
したと同様の手段によって枢着されている。更にこれら
のレバー76a、76bの中間付近であって互いに交差
する部分はピン85によって枢支されている。尚、レバ
ー76a、76bがパイプ材料によって構成されている
場合には、望ましくは図11に示すように、互いに交差
する中間部を平坦に変形してピン85で枢支されている
交差部が面接触をするようにし、これにより該レバーの
上下端部の取り付け位置が両側の前脚及び後脚において
実質的に同一位置となるようにすることは前述と同様で
ある。
【0030】後脚連結手段77(図11参照)は一対の
後脚72を互いに幅方向に連結している連結杆77a、
77bにより構成されている。連結杆77a、77bの
外方端は各後脚72へ対して枢着されている。また連結
杆77a、77bの内方端は互いにピン86によって枢
支されている。
【0031】また背当て杆78は止め金によって前脚の
上方部分へ固定されている。しかし、この背当て杆78
は、前脚71を幾分長く形成することによって、不要と
することも可能である。
【0032】折り畳み案内手段(図11参照)79は、
第1実施例においては詳述したものと実質的に同一であ
るので詳述しない。本件発明の折り畳み可能な椅子70
では、左右の一対の座杆73には、椅子使用者が着座す
るための座部(図示なし)が折り畳み可能な布製又は樹
脂製の材料によって構成されている。同様に、左右の一
対の背当て杆78には、椅子使用者が着座したときに背
中をもたれるための背当部(図示なし)が折り畳み可能
な布製又は樹脂製の材料によって構成されている。
【0033】しかして、図10に示す拡開位置において
は、図11に示すように、折り畳み案内手段79の案内
レバーが、それらの内方端部を互いに衝接し、止具が当
該案内レバーの内端部を互いに死点を越えた位置へ配置
しており、こうして椅子を安定した組立位置へ保持して
いる。使用者は左右の座杆73間へ設けた座部へ着座
し、更に左右の背当て杆78間へ形成した背当部へ背中
を当てて休むことが出来る。この場合、使用者の荷重
は、座杆73から前脚71、後脚72、前脚連結手段7
4、前方レバー手段75、後方レバー手段76、後脚連
結手段77を介して床面又は地面へ逃がされる。ここ
で、前方レバー手段75は前脚71と後脚72とが前後
方向へ広がるのを制限している。更に、該前方レバー手
段75とX状に配置されている後方レバー手段76は椅
子の横揺れを防止している。また前脚連結手段74及び
後脚連結手段77は前脚71と後脚72とが左右方向へ
広がるのを制限している。こうして、本件発明の椅子
は、全く揺れをない安定した椅子を提供する。
【0034】不使用時に当該椅子を折り畳むためには、
初めに止具の操作片を上方へ持ち上げる。これにより折
り畳み案内手段79を構成している案内レバーの内端部
が上方へ移動する。同時に後脚連結手段77の中央部が
案内ベルトによって上方へ引き上げられる。このため後
方レバー手段76の作用により左右の後脚72が互いに
接近する。同時に左右の前脚71も互いに接近する。こ
れに伴い、前方レバー手段75の作用により座杆73が
ピン83の回りに回転し該座杆73の前方端部が上方へ
持ち上げられる。ついで後脚72の上端部が枢動部材8
0の滑動溝82内をスライドする。前方レバー手段75
が前脚連結手段74の中間部を引き上げる。後脚72の
上端部が枢動部材80の滑動溝82内を下方に移動し、
最終的に図12の破線位置まで移動する。こうして椅子
70は完全に前後方向及び幅方向に折り畳まれ、図12
の位置をとる。この位置で、本件の椅子は図12に示す
ように極めて狭い範囲で安定した自立状態を維持する。
必要に応じて、この位置を保持するためのストッパー
(図示なし)を設けることが出来る。
【0035】一方、椅子70を図12の折り畳み位置か
ら図10の拡開位置まで広げるためには、単に該ストッ
パーを開放した後、前脚71若しくは背当て杆78の上
端部を把持してこれを互いに横方向に拡開する。これに
より折り畳み作用と反対の作動により、後脚72の上端
部が枢動部材80の滑動溝82に沿って上方へ移動し、
椅子70は容易に前後方向及び幅方向に同時に広がり、
図10の位置を提供することが出来る。
【0036】本件発明において、第2実施例に記載の構
造を第1実施例に記載の構造と比較した場合に、第2実
施例においては、第1実施例に記載のX形状の前方レバ
ー手段14及び前後脚連結手段17が削除され、さら
に、前方レバー手段75の取り付け方がX形状をなして
いない点が異なっている。このため、第2実施例の椅子
70は、第1実施例の椅子10に比較して部品点数が少
なく、幾分安価に製造出来るが、多少安定性に欠ける。
しかし、実際の使用上においては安定性の点においてさ
ほど多きな差異はない。即ち、両者の違いは、単に、折
り畳む際に、後脚が前脚に沿って移動するスライダーへ
枢着されているか、後脚が前脚に枢着した枢動部材内を
滑動するかの違いである。このため、もし望まれるな
ら、両実施例において、スライド若しくは滑動する構造
を除き、他の構造を同一にしても同様の機能が得られる
ことは当業者に明らかである。
【0037】
【発明の効果】本件発明においては、前後左右何れの方
向にも安定した構造を有する椅子であって、不使用時に
は、前後及び左右の両方向にコンパクトに折り畳むこと
が出来、更に折り畳んだ状態で自立することが出来る折
り畳み可能な椅子を提供することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本件発明の第1実施例を示す折り畳み可能な椅
子の拡開時の側面図である。
【図2】左半分が図1に示す椅子を前方から見た正面図
であり、右半分が図1に示す椅子を後方から見た正面図
である。
【図3】本件発明の第1実施例を示す折り畳み可能な椅
子の折込時の側面図である。
【図4】図1に示す椅子に使用されるスライダーを示す
斜視図である。
【図5】図1に示す椅子に使用される案内部材を示す斜
視図である。
【図6】図1に示す椅子に使用される取り付け部材を示
す斜視図である。
【図7】図1に示す椅子に使用される連結部材を示す斜
視図である。
【図8】図1に示す椅子に使用される上方の止具を示す
斜視図である。
【図9】図1に示す椅子に使用される下方の止具を示す
斜視図である。
【図10】本件発明の第2実施例を示す折り畳み可能な
椅子の拡開時の側面図である。
【図11】左半分が図10に示す椅子を前方から見た正
面図であり、右半分が図10に示す椅子を後方から見た
正面図である。
【図12】本件発明の第2実施例を示す折り畳み可能な
椅子の折込時の側面図である。
【符号の説明】
10:椅子 11:前脚 12:後脚 13:座杆 14:前方レバー手段 15:前脚連結手段 16:中間レバー手段 17:前後脚連結手
段 18:後方レバー手段 19:後脚連結手段 20:折り畳み案内手段 24:スライダー 29:案内部材 35:取り付け部材 41:連接部材 54:案内ベルト 55、56:止具 57:溝部 59:操作片 60:溝部 62:受入れ部 70:椅子 71:前脚 72:後脚 73:座杆 74:前脚連結手段 75:前方レバー手段 76:後方レバー手
段 77:後脚連結手段 78:背当て杆 79:折り畳み案内手段 80:枢動部材 82:滑動溝

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一対の前脚と、一対の後脚と、前脚及び
    後脚を枢動可能に連結している一対の座杆と、一対の前
    脚を幅方向の折り畳み可能に連結している前脚連結手段
    と、一対の後脚を幅方向の折り畳み可能に連結している
    後脚連結手段と、1側の後脚下端と他側の前脚上端とを
    枢動可能に連結し互いにX形状に配置されている後方レ
    バー手段と、を有しており、 後脚の上端部が前脚の上方部分に対して相対的に移動可
    能となっている手段を有している前後及び左右方向に折
    り畳み可能となっている椅子。
  2. 【請求項2】 1側の前脚下端と他側の座杆の前方部分
    とを枢動可能に連結し互いにX形状に配置されている前
    方レバー手段を更に有している、請求項1の前後及び左
    右方向に折り畳み可能となっている椅子。
  3. 【請求項3】 前脚連結手段が一対の連結杆からなり、
    各連結杆の1端が各前脚へ枢着され他端が互いに枢動可
    能に連結されており、1側の連結杆と1側の座杆の前方
    部分及び他側の連結杆と他側の座杆の前方部分を互いに
    枢動可能に連結している前方レバー手段を更に有してい
    る、請求項1の前後及び左右方向に折り畳み可能となっ
    ている椅子。
  4. 【請求項4】 後脚の上端部が前脚の上方部分に対して
    相対的に移動可能となっている手段が、前脚の上方部分
    に沿って滑動可能でありかつ後脚の上端部が枢着されて
    いるスライダーである請求項1〜3の何れ1に記載の前
    後及び左右方向に折り畳み可能となっている椅子。
  5. 【請求項5】 後脚の上端部が前脚の上方部分に対して
    相対的に移動可能となっている手段が、前脚の上方部分
    に枢着されておりかつ後脚の上端部が滑動可能となって
    いる枢動部材である請求項1〜3の何れ1に記載の前後
    及び左右方向に折り畳み可能となっている椅子。
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