JP4470447B2 - 樹脂組成物、接着剤層付き基材および多層プリント配線板 - Google Patents
樹脂組成物、接着剤層付き基材および多層プリント配線板 Download PDFInfo
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Description
前者の製造方法では、一般的に用いられる層間の電気的接続方式として、全層を貫く貫通孔を明けそこへ、スルーホールめっきする形で各層間を電気的に接続する手法が用いられる。しかし、この電気的接続方法では、加工方法が簡単ではあるが回路の設計上非常に制約が多くなる。また最も劣る点としては、貫通スルーホールめっきで全層を電気的に接続するため、最外層はスルーホールめっき接続ランドが多くなりまた占める面積割合も増えるため、部品の実装、回路配線に致命的となる回路実装密度を上げることができない。また、今後の市場要求が高まる高密度実装、高密度配線の作製が困難な仕様となる。
(1)多層配線板の層間接着用の樹脂組成物であって、カルボキシル基およびフェノール性ヒドロキシル基を有する化合物が樹脂固形分の5〜25重量%であり且つカルボキシル基およびフェノール性ヒドロキシル基を有する化合物としてサリチル酸、フェノールフタリンおよびバニリン酸から選ばれる一種と、ビスフェノール型エポキシ樹脂であるエポキシ樹脂、硬化剤として2核体が10%以下で且つフリーフェノールが0.1%以下であるノボラック型フェノール樹脂、数平均分子量が5000〜15000で且つ飽和吸水率が1%以下であるフェノキシ樹脂を含有することを特徴とする樹脂組成物。
(2)上記(1)に記載の樹脂組成物を離型可能な基材に塗工してなる接着剤層付き基材。
(3)前記離型可能な基材は、金属箔または樹脂フィルムである上記(2)に記載の接着剤層付き基材。
(4)上記(2)または(3)に記載の接着剤層付き基材を用いて、接着剤層のみを回路板の片面または両面に重ね合わせ、これらを熱圧着して積層、一体化し、半田バンプを溶融させて層間の電気的接合をおこなうようにした多層プリント配線板。
・はんだ接合部:はんだ接合部の断面を、顕微鏡を用いて目視で観察した。
・吸湿リフロー:30℃/60%/168時間処理後、最高温度260℃のはんだリフロ ーを3回通し剥離やデラミが無いものを合格とした。
・温度サイクル試験:−65℃/30分⇔125℃/30分、1000サイクル処理前後 の導通抵抗を確認し、変化率が10%以下の場合を合格とした。
・絶縁抵抗:30℃/85%/DC50V/240時間処理後の絶縁抵抗が108Ω以上 の場合を合格とした。
(多層フレキシブル配線板の作製)
1.外層片面配線板の作製
厚み25μmのポリイミドフィルムからなる支持基材102上に厚み12μmの銅箔101が付いたフレキシブル銅張り積層板110(宇部興産製 ユピセルN)を、支持基材102側の面から、UVレーザーにより100μm径の支持基材開口部103を形成し、過マンガン酸カリウム水溶液によるデスミアを施す。この支持基材開口部103内に電解銅メッキを施し銅箔のある反対面側の絶縁基材表面より高さ15μmとした後、はんだメッキを厚み15μmになるように施し、導体ポスト1045を形成する。次に、片面積層板110の銅箔101をエッチングし、配線パターン106を形成し、液状レジスト(日立化成製 SR9000W)を印刷し、表面被膜107を施す。次いで、本発明の厚み25μmのシート状還元機能付き接着剤層付き基材(自社開発品 DBF)111を真空ラミネーターにてラミネートすることにより形成した。最後に、積層部のサイズに外形加工し、外層片面配線板120を得た。
銅箔201が12μm、支持基材202がポリイミドフィルム厚み25μmの2層両面板210(三井化学製 NEX23FE(25T))を、ドリルによる穴明け後、ダイレクトメッキし、電解銅メッキによりスルーホール203を形成し表裏の電気的導通を形成した後、エッチングにより、配線パターン及び導体2層ポスト105を受けることができるパッド204を形成する。その後、フレキシブル部330に相当する部分の配線パターン205に、厚み12.5μmのポリイミド(鐘淵化学工業製 アピカルNPI)に厚み25μmの熱硬化性接着剤(自社開発材料)により表面被覆206を形成した。最後に、外形サイズに裁断し、内層フレキシブル配線板220を得た。
3.多層フレキシブル配線板の作製
外層片面配線板120を内層フレキシブル配線板220に、位置合わせ用のピンガイド付き治具を用いてレイアップした。その後、250℃のスポットヒーターにて部分的に位置決めのため仮接着した。次いで、真空式プレスにて100℃、0.1MPa、60秒で積層し、導体ポストを導体パッドに接触するまで成形することと、導体パッドがある内層フレキシブル配線板220の回路を成形埋め込みした。次いで、油圧式プレスで260℃、0.005MPaで60秒間プレスし、本発明の厚み25μmのシート状還元機能付き接着剤層付き基材(自社開発品 DBF)111を介して、導体ポスト1045が、内層フレキシブル配線板220のパッド204と半田熔融接合しはんだ接合及びはんだフィレットを形成し、層間を接合した。引き続き、接着剤を硬化させるために温度を180℃、60分間加熱し、層間を積層した多層フレキシブル配線板310を得た。
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(大日本インキ化学工業製 エピクロン840−S)を40重量部、ノボラック型フェノール樹脂(住友ベークライト製 PR−53647)を20重量部、フェノキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン製 YL−6954 数平均
分子量:14500)を20重量部、サリチル酸(関東化学製 試薬)を20重量部、アセトン100重量部を測り取り混合攪拌して溶解しワニスを得た。
ビスフェノールF型エポキシ樹脂(大日本インキ化学工業製 エピクロン830−S)を40重量部、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂(大日本インキ化学工業製 HP−7200)30重量部、ノボラック型フェノール樹脂(住友ベークライト製 NMD−101)を25重量部、フェノキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン製 YL−6954
YL−6954 数平均分子量:14500)を20重量部、サリチル酸(関東化学製 試薬)を5重量部、アセトン100重量部を測り取り混合攪拌して溶解しワニスを得た。それを実施例1と同様に接着剤厚みが25μmとなるようにコンマコーターにて塗工乾燥し、次いで多層フレキシブル配線板を作成、評価を行った。
実施例1のサリチル酸をフェノールフタリン(関東化学製 試薬)とした以外は同様
にして多層フレキシブル配線板を作成した。次いで先述した評価を行った。
実施例1のフェノキシ樹脂を数平均分子量が5500のもの(ジャパンエポキシレジン製 E5560)とした以外は同様にして多層フレキシブル配線板を作成した。次いで先述した評価を行った。
実施例1のフェノール性ヒドロキシル基を有する化合物として配合したサリチル酸を全く配合しない他は実施例1と同様にして多層フレキシブル配線板を作成、先述した評価を行った。
実施例1のフェノキシ樹脂を高分子量ビスフェノールAエポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン製 E1016B50 数平均分子量:2700)とした以外は同様にして多層フレキシブル配線板を作成、先述した評価を行った。
実施例1のフェノキシ樹脂を数平均分子量30000のものとした以外は同様にして多層フレキシブル配線板を作成、先述した評価を行った。
実施例1のノボラックフェノールによる硬化の代わりにテトラミンを使用してアミン硬化とした以外は同様にして多層フレキシブル配線板を作成、先述した評価を行った。
・シート状還元機能付き層間接着剤で接合した各層間の厚みを断面観察により測定し、基 板中央部と端部4箇所で比較し、その差が20%以内であれば合格とした。
・吸湿リフロー:30℃/60%/168時間処理後、最高温度260℃のはんだリフロ ーを3回通し剥離やデラミが無いものを合格とした。
・温度サイクル試験:−65℃/30分⇔125℃/30分、1000サイクル処理前後 の導通抵抗を確認し、変化率が10%以下の場合を合格とした。
・絶縁抵抗:30℃/85%/DC50V/240時間処理後の絶縁抵抗が108Ω以上 の場合を合格とした。
102、202:支持基材
106、205:配線パターン
107、206:表面被覆
108:表面被覆開口部
103:支持基材開口部
105:金属被覆層
104:銅ポスト
1045:導体ポスト
110:片面積層板
111:接着剤層
120:外層片面配線板
203:スルーホール
204:パッド
210:両面板
220:内層フレキシブル配線板
310:多層フレキシブル配線板(4層)
320:多層部
330:フレキシブル部
Claims (4)
- 多層配線板の層間接着用の樹脂組成物であって、カルボキシル基およびフェノール性ヒドロキシル基を有する化合物が樹脂固形分の5〜25重量%であり且つカルボキシル基およびフェノール性ヒドロキシル基を有する化合物としてサリチル酸、フェノールフタリンおよびバニリン酸から選ばれる一種と、ビスフェノール型エポキシ樹脂であるエポキシ樹脂、硬化剤として2核体が10%以下で且つフリーフェノールが0.1%以下であるノボラック型フェノール樹脂、数平均分子量が5000〜15000で且つ飽和吸水率が1%以下であるフェノキシ樹脂を含有することを特徴とする樹脂組成物。
- 請求項1に記載の樹脂組成物を離型可能な基材に塗工してなる接着剤層付き基材。
- 前記離型可能な基材は、金属箔または樹脂フィルムである請求項2に記載の接着剤層付き基材。
- 請求項2または3に記載の接着剤層付き基材を用いて、接着剤層のみを回路板の片面または両面に重ね合わせ、これらを熱圧着して積層、一体化し、半田バンプを溶融させて層間の電気的接合をおこなうようにした多層プリント配線板。
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