JP4470295B2 - ボールエンドミル - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、金型等を製作するための倣い加工等に好適なボールエンドミルに関する。
【0002】
【従来の技術】
ボールエンドミルは主に金型等の自由曲面の加工に用いられる。金型加工等に際して高精度に切削加工を行うためには、ボールエンドミルの先端半球状部に形成された円弧状の切刃である底刃がその全ての領域において高精度な円弧状を呈することが要求される。
このような用途に用いられるボールエンドミルとして、例えば図8に示す二枚刃のボールエンドミル1があり、その略半球状の先端面1aには底刃2、2がそれぞれ略4分の1円弧状に形成され、回転軸線Oに対して180°離れた位置に回転対称に形成されている。各底刃2は先端面1aのすくい面3の領域がギャッシュ4として大きくえぐられてすくい面3は回転方向前方を向いて形成されており、切屑排出溝5として回転軸線Oの基端側に向けて回転方向後方に捻れて形成されている。各底刃2の逃げ面6は球面形状に沿って一番逃げ面6aと二番逃げ面6bとで順次逃げ角が大きくなっている。
そして二枚の底刃2,2の各一番逃げ面6a,6aがほぼS字状をなすように中央部で接続されて両逃げ面6a、6aの接続部の稜線7が芯厚に形成され、これによって各底刃2,2は若干芯上がりとなるように回転軸線Oよりも回転方向前方にずれて位置することになる。
【0003】
このようなボールエンドミル1では、底刃2、2が先端面1aの中央部である回転軸線Oからずれているために一番逃げ面6a、6aが交差する稜線7で加工面を擦過することになり、加工面精度を低下させるという問題がある。
この問題を解決するために図9に示すように各底刃2,2を回転軸線Oで交差するように形成したボールエンドミル10も提案されている。この場合、回転軸線O上の一点で底刃2、2が交差するために強度は弱いが、底刃2、2を回転軸線Oまで到達させているためにこの先端部1aによるワークの加工面も真円に近くなり、高精度な加工を期待できる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら後者のボールエンドミル10を製作する場合、各底刃2、2の一番逃げ面6a、6aが点で交差する形状であるために逃げ面6、6の加工製作時にわずかな誤差で加工用の砥石が反対側の逃げ面6まで食い込んでしまったり、或いはギャッシュ4の加工時に加工誤差のために底刃2,2の交差点が分断されてしまったり、一番逃げ面6a、6a同士が面で接続されたりという問題が生じる。
また次のように逃げ面6で仕上げ面を擦過するという別の問題も生じる。
即ち、図10に示すように、直刃のボールエンドミル10を回転軸線Oを中心に時計回りに回転させながらワークWに対して平面X軸−Y軸のX軸方向に送り切削を行うとする。図11は図10で示すX軸−Y軸平面に直交する上方からボールエンドミル10の一の底刃2の軌跡を示す図である。
図11において円弧状の底刃2を直線で表しており、回転軸線Oに重なる底刃2の中央側端部がX軸上の原点Aにある時、底刃2は−X軸方向に延びて、点Bまで進んだ時に底刃2は工具本体の回転によってX軸に直交する+Y軸方向にある。点C、点Dでは底刃2はそれぞれ+X軸方向、−Y軸方向にあり、点A′まで進んだ時に底刃2が一回転したことになる。原点Aから点A′までのX軸上の距離がボールエンドミル1の1回転当たりの送り量fnとなる。
【0005】
図11において、Y>0の領域(図中、A−Cの範囲)では、ボールエンドミル10の送り方向(X軸方向)と底刃2が回転軸線O回りの回転によってすすむ方向とが同一方向であり、これを上向き削り(アップカット)という。これに対してY<0の領域(図中、C−A′の範囲)では、ボールエンドミル10の送り方向(X軸方向)に対して底刃2が回転軸線O回りの回転によってすすむ方向が逆方向であり、これを下向き削り(ダウンカット)という。
上向き削りと下向き削りのいずれの場合でも、ボールエンドミル10はすくい面3からワークWに当たるようにワークWに対してX軸方向に前進しつつ加工を行なうのが通常である。ところが、図9に示すボールエンドミル10のように底刃2が回転軸線Oまで延びている場合、図11で点C、A′、Eで囲まれた範囲に底刃2が実質的に後退しつつ切削する領域がある。これについて詳述する。
【0006】
図12に示すように底刃2上でX軸上の回転軸線Oから任意の距離m離れた点Pに着目する。ボールエンドミル10の中心である回転軸線Oは送り速度VfでX軸方向に移動し、同時に回転軸線Oを中心として時計回りに角速度ωで回転している。ボールエンドミル10の回転軸線Oが原点Aにあった位置からある時間でAa点まで移動すると共に底刃2が回転した角度をθとする。ボールエンドミル10の回転(角速度ω)により生じる点Pの速度をVcとすると、ボールエンドミル10の回転による速度Vcと送り速度Vfにより、点PとワークWとの間には合成切削速度Veが生じる。
点Pにおける合成切削速度Veの底刃2に垂直な成分をuとすると、
u=Vf・sinθ+Vc
=Vf・sinθ+mω (1)
となる。
そして図12で回転軸線OがCa点まで移動すると、回転による切削速度Vcは送り速度Vfに対してほぼ反対の向きとなり、特にVc<Vf|sinθ|の場合、両者を重ね合わせた合成切削速度Veは本来の切削方向(すくい面が前進する方向)と逆向きになる。この状態で合成切削速度Veの底刃2に垂直な成分uは切削速度Vcと反対方向を向くために負になる。
【0007】
底刃2の1回転当たりの送り量をfnとすると、
fn/Vf=2π/ω (2)
となる。(2)式を(1)式に代入してVfを消去すると、
u={(fn/2π)sinθ+m }ω (3)
となる。ωは正なので、uの正負は(3)式のかっこ内の正負と同じになる。
即ち、
m>−(fn/2π)sinθ (4)
の範囲では切削速度uは正である。しかし
m<−(fn/2π)sinθ (5)
の範囲では負になる。具体的には、上向き削りの範囲では0<θ<πであり、(4)、(5)式の右辺は負になる。mは正または0なので(4)式は常に成立し、uが負になることはない。これに対して下向き削りの範囲ではπ<θ<2πであり、(4)、(5)式の右辺は正になる。そのため、mが−(fn/2π)sinθより小さいときにuは負になる。
θ=3π/2のとき、(4)、(5)の右辺は最大となり、fn/2πとなる。つまり底刃2は中心(回転軸線O)からの距離がfn/2π以内の部分では合成切削速度Veが底刃2の回転方向と反対方向を向き底刃2が逃げ面を切削方向前方に向けて相対移動する場合がある。本明細書ではこのような底刃2の移動を逆行という。これとは逆に中心からの距離がfn/2πを越える部分では底刃2は常にすくい面を切削方向前方に向けて相対移動する。これを前進という。
【0008】
底刃2が前進する場合と逆行する場合について図13及び図14により更に説明する。各図ですくい角αpを10°、逃げ角βpを20°とした。底刃2が前進する場合、底刃2により図13に示すようにすくい角αpを以て通常の切削が行われる。
ところが上述のように底刃2の中心から点Pまでの距離(fn/2π)の範囲内で底刃2が逆行する場合、ボールエンドミル10の回転による切削速度Vcよりも送り速度Vfの影響が大きいために図14で示すように本来逃げ面6となる面がすくい面になってしまい、すくい角は絶対値の大きな負角(βp−90°=)−70°となってしまう。
この場合、切削抵抗が大きく、特に底刃2の刃先が仕上げ面から離れる方向に働く力(背分力)が大きくなってしまうので、工具やワークWが弾性変形してしまい、加工精度を低下させることになる。
また既に生成した切屑kが加工面に残って再び底刃2に当たった場合、図15に示すようにすくい面3から当たれば切屑kを加工面からはね飛ばすことができるが、図16に示すように逃げ面6から当たると切屑kを底刃逃げ面6と仕上げ面Waの間に挟み込んでしまうことになる。一般的に切屑kは加工硬化により元のワークWよりも硬くなっているため、切屑kで仕上げ面を傷つけてしまうという問題がある。
【0009】
本発明は、このような実情に鑑みてなされたもので、中心部の切刃強度を向上させたボールエンドミルを提供することを目的とする。
また本発明の他の目的は、中心部の切屑排出性を向上させたボールエンドミルを提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明によるボールエンドミルは、回転軸線回りに回転する工具本体の先端に略円弧状の切刃を備えているボールエンドミルにおいて、切刃は回転軸線を通過して延びていて、切刃を挟んですくい面と逃げ面が形成されていると共に切刃に沿う面にすくい面と逃げ面が稜線を形成することなく滑らかに連続して形成されていることを特徴とする。
切刃が工具本体の先端に連続して延びていると共に切刃に沿ってすくい面と逃げ面とが稜線を形成することなく滑らかに連続して形成されているから、ボールエンドミルを製作加工する際に加工が容易で円弧状の切刃に回転軸線付近などに不連続点が生じることがなくなり、切刃強度が高く良好な円弧状の切刃を容易に加工できる。
【0011】
また切刃に沿う両側の面はそれぞれ回転軸線付近を境に連続する滑らかな曲面上ですくい面から逃げ面に或いは逃げ面からすくい面にかわるようにしてもよい。
切刃の両側の面にすくい面と逃げ面とが連続して形成されるから加工が容易ですくい面や逃げ面の加工時に切刃が誤って不連続になることもない。
すくい面は回転軸線付近から外周方向に向けて漸次すくい角が増大するようにしてもよい。
回転軸線付近の工具本体中心部ですくい角が小さいからこの領域の刃物角が大きく切刃強度を確保でき、高速切削を行う外周側ですくい角が大きいから切れ味がよく加工精度が高い。
またすくい面を工具本体中心部から外周側に向けて漸次幅広に設定したから、生成する切屑が工具本体中心部から外周側に向けて漸次増大しても排出性が良い。
また逃げ面は回転軸線付近から外周方向に向けて漸次逃げ角が減少するようにしてもよい。
回転軸線付近の工具本体中心部で逃げ角が大きいから、送り方向と回転方向が逆になる下向き削りの際に中心部側で切刃が逆行することになると逃げ面がすくい面として作用するが、切刃が被削材の仕上げ加工面から離れる方向の背分力が小さく工具本体や被削材が弾性変形するのを抑え、加工硬化した切屑を切刃の逃げ面と仕上げ加工面との間に挟み込むことを抑制してはね飛ばすことができ、良好な仕上げ加工面を得られる。この点で切屑排出性が向上する。
しかも切刃の両側ですくい角が大きい場合には逃げ角が小さく、逃げ角が大きい場合にはすくい角が小さいから、刃物角を上記角度範囲の最小値より大きく設定して切刃の延在方向で刃物角の大きさの変化を抑えて安定的に設定できる。
【0012】
また回転軸線を含む切刃直交断面において、回転軸線とすくい面または逃げ面とのなす角度は20°〜50°の範囲としてもよい。
また切刃の刃物角は40°〜130°の範囲に設定されていてもよい。
中心部ですくい面と逃げ面とでなす刃物角は40°未満になることがないから切刃強度を確保できる。中心部での切刃の刃物角は40°以上になる。
また切刃は回転軸線に到達する4分の1円弧に加えて回転軸線を5°以上越えて延びる略円弧状を形成していてもよい。
これによって確実に略半球状の加工面を形成できる。
【0013】
また切刃は同一平面内に設けた円弧状に形成されていてもよい。
切刃を単純な円弧面状に形成すればよいから、切刃の製作が容易である。
また切刃は回転軸線を中心にして工具本体の回転方向前方または後方にねじれていてもよい。
切削加工時に切刃全体で一度に切削加工せず順次切削を行うから切削時の衝撃を分散でき、特に食い付き時の衝撃が小さい。
また切刃とすくい面及び逃げ面は回転軸線を中心とした回転対称であってもよく、ボールエンドミルの製作が容易になると共に重心が回転軸線上にあるため回転時のバランスがよい。
【0014】
【発明の実施の形態】
次に本発明の実施の形態を添付図面により説明する。
図1乃至図4は本発明の第一の実施形態によるボールエンドミルを示すもので、図1はボールエンドミルの先端部斜視図、図2はボールエンドミルの底面図、図3(a)はボールエンドミルの正面図、(b)は側面図、(c)は底面図、(d)は(a)の先端部形状を示す底刃に沿う各断面図、図4(a)は図3(a)に示す正面図の拡大図、(b)は(a)におけるO−H線の断面図である。
図1乃至図4に示す本実施の形態によるボールエンドミル20は略円柱状をなす工具本体22の先端部22aが略半球状を呈しており、回転軸線Oを中心に回転可能とされている。このボールエンドミル20の刃部24は回転軸線Oを含む仮想の平面と工具本体22の外表面との交差稜線上に形成され、先端部22aでは略半円状に形成された底刃(切刃)25とされ、更に底刃25の両端の境界Ta、Tbから工具本体22の長手方向に沿って基端側に延びて直線状に形成された一対の外周刃26a、26bとされている。そして外周刃26a、26bと底刃25とが滑らかに接続されて同一平面上に形成されている。
底刃25は先端部22aの中心部をなす回転軸線Oを境にそれぞれ同一半径rを有する略4分の1円弧の一対の円弧刃25a、25bで構成されている。
【0015】
第一の円弧刃25aのすくい面28Aは可変のすくい角αa(図では負の角度)を有する凹曲面状に形成されており、この円弧刃25aに沿って回転軸線付近Oから外周刃26aに向けて漸次幅が増大するように形成され、外周刃26aの領域では工具本体22の長手方向に沿って同一幅で回転軸線Oに直交する断面視で同一の凹曲線をなすように連続してすくい面29Aが形成されている。
また第一の円弧刃25aの逃げ面30Bも可変の逃げ角βaを有する凹曲面状に形成されており、この円弧刃25aに沿って回転軸線Oから外周刃26aに向けて漸次幅が減少するように形成され、外周刃26aの領域では、逃げ面31Bは工具本体22の長手方向に沿って基端側で同一幅で断面視同一の凹曲線をなすように形成されている。
【0016】
そして図3において、略半球面をなす先端部22aについて半球面の半径rの中心点をO2として、中心点O2を含み回転軸線Oに直交し且つ第二の円弧刃25bに直交する線A−O2断面を基準として、底刃25の延在方向に30°間隔で順次B−O2断面、C−O2断面、D−O2断面、E−O2断面、F−O2断面、G−O2断面をとるとそれぞれ図3(d)で示す形状になる。
しかも図4(a)示すように中心点O2を含み回転軸線Oに直交し且つ第一の円弧刃25aに直交する線G−O2を基準として、任意の角度φを以て第一の円弧刃25aから中心点O2まで延ばした第一の円弧刃25aに直交する線H−O2に沿う断面視で、図4(b)に示すように、第一の円弧刃25aから下ろしたすくい面28Aの接線Laと第一の円弧刃25aに直交する軸線O1とでなす肉厚角度をαとする。
そのため第一の円弧刃25aのすくい角αaは負角(−α)となる。しかも第一の円弧刃25aのすくい角αaはこの円弧刃25aに沿って回転軸線Oから外周刃26aに向けて漸次増大するように形成され、そのために肉厚角度αは回転軸線Oから外周刃26aに向けて漸次減少するように形成されている。外周刃26aの領域ではすくい角αaは一定角度に設定されている。
【0017】
しかも図4(b)の断面図で示すように第一の円弧刃25aから延ばした逃げ面30Bの接線Lbと第一の円弧刃25aに直交する軸線O1とでなす肉厚角度をβとする。そのため第一の円弧刃25aの逃げ角βaは正角(90°−β)となる。
また図3(d)のD−O2断面で示す回転軸線Oを含む底刃25の直交断面(切刃直交断面)において、回転軸線O及びすくい面28A(逃げ面28B)でなす肉厚角度αと、回転軸線O及び逃げ面30B(すくい面30A)でなす肉厚角度βとは、それぞれ20°〜50°の範囲に設定されている。尚、この図で肉厚角度αとβは等しい角度に設定されている。
そして第一の円弧刃25aと回転軸線Oを挟んで対称に形成された第二の円弧刃25bのすくい面30Aは、第一の円弧刃25aのすくい面28Aと回転軸線Oを中心に180°回転対称に形成され、同時に第二の円弧刃25bの逃げ面28Bは第一の円弧刃25aの逃げ面30Bと回転軸線Oを中心に180°回転対称に形成されている。また外周刃26bのすくい面31Aと逃げ面29Bはそれぞれ外周刃26aのすくい面29Aと逃げ面31Bと180°回転対称に形成されている。
しかも半円状の底刃25に対して一方の側に隣接する面28として、第一の円弧刃25aのすくい面28Aから第二の円弧刃25bの逃げ面28Bにかけて凹曲線が滑らかに接続されて連続しており、外周刃26aと第一の円弧刃25aとの境界の点Taから第二の円弧刃25bと外周刃26bとの境界の点Tbまですくい面28Aと逃げ面28Bの幅が漸次減少して形成されている。
【0018】
また底刃25に対して他方の側に隣接する面30として第二の円弧刃25bのすくい面30Aから第一の円弧刃25aの逃げ面30Bにかけて凹曲線が滑らかに接続されて連続しており、外周刃26bと第二の円弧刃25bとの境界Tbから第一の円弧刃25aと外周刃26aとの境界Taまですくい面30Aと逃げ面30Bの幅が漸次減少して形成されている。
工具本体22の各半面28、30に設けられたすくい面28A、29A及び逃げ面28B、31Bとすくい面30A、31A及び逃げ面30B、29Bで仕切られた一対の領域は、それぞれ略球面の一部をなす部分と円柱周面の一部をなす外周面32A、32A、32B、32Bとされ、互いに回転軸線Oを中心にして回転対称に形成されている。
【0019】
また図4(b)において任意の位置での肉厚角度(α+β)は底刃25の直角刃物角γを構成することになる。
γ=α+β (6)
ここで各肉厚角度αとβとは例えばそれぞれ10°〜70°の範囲に設定されている。
ここで図4(b)において、G−O2線を基準として任意の角度φの底刃25の直交断面でみて、角度αとβを次式で表されるように設定し、これによって底刃25の両側に設けたすくい面28A及び逃げ面28Bとすくい面30A及び逃げ面30Bとは回転軸線O付近の中心部での連結が滑らかに行われることになる。
α=10×(1−k)+70×k (7)
β=10×k+70×(1−k) (8)
但し
k={1−sin(90×cosφ)}/2 (9)
(角度の単位は度)
【0020】
また外周刃26a,26bのすくい角(αa)と逃げ角(βa)は上記(7)式と(8)式においてφ=0°、φ=180°の値を工具本体22の長手方向基端側に連続して一定に構成させている。(9)式により、kはφ=0°の場合に0、φ=90°の場合に1/2、φ=180°の場合に1となっている。
数値例として、略半円状の底刃25の存在範囲に亘って、φを0°〜180°まで変化させた場合、刃物角を構成する肉厚角度αとβは下記表1の通りに滑らかに変化する。
【0021】
【表1】
【0022】
表1において、一方の面28における肉厚角度αは第一の円弧刃25a及び外周刃26aの境界Taから第二の円弧刃25b及び外周刃26bの境界Tbに向けて漸次増大するため、すくい面28Aのすくい角αa(=−α)は境界Taから回転軸線Oに向けて漸次小さくなり、回転軸線O付近で逃げ面28Bに変わり、その逃げ角βa(=90°−α)は回転軸線Oから境界Tbに向けて、単純に連続して減少するように形成されている。回転軸線O付近でのすくい面28Aのすくい角αaと逃げ面28Bの逃げ角βaとは肉厚角度αが等しいために滑らかに接続される。
また他方の面30における肉厚角度βは境界Tbから境界Taに向けて漸次増大するため、すくい面30Aのすくい角αa(=−β)は境界Tbから回転軸線Oに向けて漸次小さくなり、回転軸線O付近で逃げ面30Bに変わり、その逃げ角βa(=90°−β)は回転軸線Oから境界Taに向けて、単純に連続して減少するように形成されている。回転軸線O付近でのすくい面30Aのすくい角αaと逃げ面30Bの逃げ角βaとは肉厚角度βが等しいために滑らかに接続される。
【0023】
φ=0°及びφ=180°の場合、
dk/dφ=d2k/dφ2=0
となっているために、同一の箇所で
dα/dφ=d2α/dφ2=dβ/dφ=d2β/dφ2=0
となり、境界Ta、Tbですくい面28A、30A及び逃げ面28B、30Bは外周刃26a,26bのすくい面29A、31A及び逃げ面29B、31Bとそれぞれ滑らかに連結されている。
【0024】
本実施の形態によるボールエンドミル20は上述の構成を有しているから、ワークWの切削加工に当たって例えば図10に示すようにボールエンドミル20を回転軸線Oを中心に時計回りさせつつX軸方向に送り速度Vfで送って切削を行う。この時、底刃25を構成する第一及び第二の円弧刃25a、25bではそれぞれその回転角θが0≦θ≦πの間で、任意の点Pでの合成切削速度Veは底刃25が前進する向きになる即ちすくい面28A、30Aが切削方向を向いて正常にワークWの切削が行われる。
この場合、回転軸線Oに近い中心側では円弧刃25a、25bの周速は小さいが、すくい角αaは負(−α、−β)であるので切刃強度が高く、周速が高くなる外周側に向かうに従ってすくい角αaが大きくなる(負角の絶対値が小さくなる)ので漸次切れ味が良くなり高精度な切削加工を行える。
【0025】
特に円弧刃25a、25bの肉厚角度α、βはいずれの位置であっても10°未満になることはなく、外周刃26a、26bとの境界Ta、Tbですくい面28A、30Aの肉厚角度α、βは最小値(10°)になっても、底刃25を挟んだ逃げ面30B、28Bの肉厚角度β、αは最大値70°で逃げ角βa(=90°−β、90°−α)が小さいために(α+β)で構成される刃物角は確実にある大きさ(約80°)に維持される。
中心部付近では底刃25を挟んで逃げ角βaは大きいがすくい角αa(=−α,−β)が小さいために結局刃物角(α+β)の変化は小さい。そのため、底刃25、外周刃26a,26bの全長に亘って切刃強度が高く維持された刃物角(α+β)を確保できることになる。
そして、第一及び第二の円弧刃25a、25bはその回転角θがπ<θ<2πの下向き削りで回転中心Oから距離(fn/2π)以内の領域で底刃25が逆行する場合があり、そのため、この領域では逃げ面28B、30Bがすくい面になる。
そして距離(fn/2π)を越える領域では合成切削速度Veは常に底刃25が回転切削方向即ち前進方向を向くことになり、前進方向にすくい面28A、30Aを向けて正常な切削が行われる。
【0026】
このような下向き削りの場合、ボールエンドミル20の逆行領域では、円弧刃25a、25bの逃げ面28B、30Bは逃げ角βaが中心側で大きく外周側に向けて漸次小さくなり、且つ肉厚角度βは中心部で20°〜50°の範囲に設定されているために、実質的にすくい面となる逃げ面28B、30Bのすくい角は−50°より大きく底刃25が逆行した場合でも切削抵抗はそれほど高くはなく、特に刃先が仕上げ面から離れる方向に作用する背分力が小さく工具本体22やワークWの弾性変形を抑制できる。また先に生成して加工硬化した切屑に再び刃先や逃げ面28B、30Bが衝突しても逃げ角が約40°以上であるから、切屑を仕上げ面との間に挟みにくく周囲にはね飛ばすことができる。そのため仕上げ面を傷つけることが少なく加工精度の低下を来たし難い。
しかも円弧刃25a、25bにおいて、回転中心Oから距離(fn/2π)を越える切刃領域では、上向き切削時はもちろんのこと下向き切削においても底刃25が逆行することはなく、この領域での逃げ面28B、30Bの肉厚角度α,βが大きく逃げ角βaを小さくすることができて切刃強度を向上できる。
また底刃25及び外周刃26a、26bで生成される切屑は、すくい面28A、30Aでは中心側から外周に向けてすくい角αaと幅が漸次増大し、外周刃のすくい面29A、31Aで一定とされているから、先端部22aの中心側から外周側に向けて切屑が増大してもすくい面の幅が次第に増大するからスムーズに切屑を走行させて基端側に排出できる。
【0027】
またボールエンドミル20の製造時に工具本体22の先端部22aに底刃25やすくい面28A、30A、逃げ面28B、30Bを砥石等で研削加工する場合、底刃25や外周刃26a,26bは同一線状に連続して形成され、その両側で外周側の一端から他端まですくい角の大きなすくい面28A、30Aから先端部22aの回転軸線O付近に向けて漸次すくい角αaが小さくなるように連続して研削加工し、そして回転軸線Oを越えると逃げ面28B、30Bとして更に逃げ角βaが小さくなるように同一方向の傾斜面として連続して形成できる。
そのため、従来のボールエンドミルと比較して容易且つ単純に切刃等の研削加工が行える。
【0028】
上述のように本実施の形態によれば、下向き削りで逆行する底刃25の中心側領域での背分力による工具本体22やワークWの弾性変形を防ぐと共に、加工硬化した切屑の挟み込みによる仕上げ面の劣化を抑えて加工精度の低下を効果的に抑えることができる。更に底刃25や外周刃26での刃物角γを確保して切刃強度を確保できる。しかも先端中心側から外周側に向けてすくい面28A、30Aのすくい角αaと幅が増大するから切屑排出性が良くなる。
また先端部22aの製作加工に当たっては底刃25、外周刃26を連続して形成できて不連続がなくその両側のすくい面と逃げ面の角度を全体に一様に増減変化させることで、研削加工が容易になって面28,30をそれぞれ連続して加工でき、底刃25のRを精密に加工できる。
【0029】
尚、上述の実施の形態では、工具本体22の略半球状の先端部22aに形成した底刃25は半円形状を呈しており、角度φが0°〜180°までの範囲に亘って延在してその両端の境界Ta、Tbから直線状の外周刃26a、26bに接続された構成とされているが、本発明によるボールエンドミルはこのような構成に限定されない。
例えば実施の形態に示すボールエンドミル20において、図4(a)に示すように略半球状の先端面22aの中心点O2を通って回転軸線Oに直交する線A−O2−Gを基準線として底刃25に直交して中心点O2を通過する仮想線Hとの角度をφとした時、底刃25を形成する範囲を基準線A−O2またはG−O2から角度φ=95°以上の範囲まで円弧刃を形成すればよい。
φが95°未満であると良好な球面状の加工面を形成できない。φ=95°の場合、底刃25は外周刃26との接続点から回転軸線Oを反対側に5°越える範囲にまで延在していれば回転軌跡が略半球面状になり、回転切削した際に良好な球面状の加工面を形成できることになる。
また底刃25を形成する角度φの範囲が180°を越えても良い。例えば−5°から185°までの範囲に亘って円弧刃が形成されていてもよい。この場合には円弧刃の範囲は半円を越えて形成され工具本体22の外径即ち外周刃26a,26bの回転軌跡よりも円弧刃の外径の方が大きくなる。
【0030】
また第二の変形例として、底刃25及び外周刃26a、26bを回転軸線Oを中心にしてねじってもよい。この変形例を図5及び図6により説明する。
図5及び図6に示すボールエンドミル40において、回転軸線Oを中心にしてねじられて底刃25A及び外周刃26A、28Bが形成されている。底刃25A及び外周刃26A、26Bのねじれる方向はボールエンドミル40の回転軸線Oを第一の円弧刃25Aが通過するとして、回転軸線Oを基準としてそこから離間するにつれて工具本体22の回転方向後方(または前方)に漸次ずれるように捻れるものとする。
この場合、すくい面28A、30A、29A、31Aや逃げ面28B、30B、29B、31B等の構成は上述の実施の形態と同一であるから、これらすくい面と逃げ面も捻れて構成されることになる。
このような構成にすれば、ワークWに対する食い付きが回転軸線O側から漸次外周側に時間差を以て生じるために、切削加工時の衝撃が分散され切削抵抗を低減できる。
尚、一例を挙げれば、図5においてボールエンドミル40は回転軸線Oを中心にして回転軸線Oと底刃25Aとの交点をOaとし、交点Oaから回転軸線O上の基端側に距離L(図示せず)だけ離間した位置で底刃25aにつながる外周刃26A、26Bが交点Oaから1回転する比率でねじられている。
ここで、外周刃26A、26Bのねじれ角を例えば15°とすると距離Lは次式で求まる。
L=2πr×cot15°
但しrはボールエンドミル40の軸部22及び先端部22aの半球面の半径である。
【0031】
次に第三の変形例を図7により説明する。
図7に示すボールエンドミル50はろう付けタイプの切刃チップ52を工具本体22に装着したものである。このボールエンドミル50では切刃チップ52は略半円板状を呈しており、円弧状の底刃25Bは中心点O2を中心として210°の範囲に亘って形成されている。底刃25Bは基準線A−O2−Gに示す180°の範囲に加えて工具本体22の基端側両側にそれぞれ例えば角度15°づつ拡大してA′−O2、G′−O2の範囲にまで延びている。
そして底刃25Bの両側にそれぞれその延在方向に同一幅とされたすくい面54A、56Aと逃げ面54B、56Bとが連続して形成され、すくい面54A、56Aのすくい角αaは外周側から回転軸線Oに向けて漸次小さくなり回転軸線O付近で逃げ面54B、56Bに変わって更に逃げ角βaが漸次小さくなって外周側に延びるように構成されている構成は上述した実施の形態と同一である。
切刃チップ52の底刃25B、すくい面54A、56A及び逃げ面54B、56Bを挟んで板厚方向に対向する二つの平面57、58に工具本体22の端部がホルダー等を介してろう付けされて固定されることになる。
このボールエンドミル50によれば、底刃25Bが210°の範囲に亘って形成されているために15°以内の逆テーパ部の切削加工が可能になる。またすくい面54A、56Aの幅は底刃25Bの延在方向に同一であるが、すくい角αaが上述の実施の形態のボールエンドミル20同様に変化するので切れ味と切屑排出性は同様である。
【0032】
尚、上述の各実施の形態ではすくい角αaを負角(ネガ)に設定したが、正角(ポジ)に設定してもよく、この場合刃物角γは(β−α)になる。
上述の説明では、ボールエンドミル20,40,50の切刃についてソリッドタイプろう付けタイプのものを説明したが、これに限定されることなくスローアウェイチップをネジなどで装着するスローアウェイタイプであってもよい。
また上述の実施の形態等では2枚刃タイプのボールエンドミルについて説明したが、これに限定されることなく、2枚刃の間に子刃を装着して3枚、4枚刃等適宜の複数枚切刃の構成も採用できる。
【0033】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によるボールエンドミルは、切刃が回転軸線を通過して延びていて、切刃を挟んですくい面と逃げ面が形成されていると共に切刃に沿う面にすくい面と逃げ面が稜線を形成することなく滑らかに連続して形成されているから、ボールエンドミルを製作加工する際に加工が容易で円弧状の切刃に回転軸線付近などに不連続点が生じることがなくなり、良好な円弧状の切刃を容易に加工できる。
【0034】
また切刃に沿う両側の面はそれぞれ回転軸線付近を境に連続する滑らかな曲面上ですくい面から逃げ面に或いは逃げ面からすくい面にかわるようにしたから、加工が容易ですくい面や逃げ面の加工時に切刃が誤って不連続になることもない。
すくい面は回転軸線付近から外周方向に向けて漸次すくい角が増大するようにしたから、回転軸線付近の工具本体中心部ですくい角が小さくこの領域の刃物角が大きくて切刃強度を確保でき、高速切削を行う外周側ですくい角が大きいから切れ味と切屑排出性がよく加工精度が高い。
また逃げ面は回転軸線付近から外周方向に向けて漸次逃げ角が減少するようにしたから、送り方向と回転方向が逆になる下向き削りの際に中心部側で切刃が逆行する場合に実質的にすくい面になる中心部側の逃げ面のすくい角は大きく、切刃が被削材の仕上げ加工面から離れる方向の背分力が小さく工具本体や被削材が弾性変形するのを抑え、加工硬化した切屑を切刃の逃げ面と仕上げ加工面との間に挟み込むことを抑制してはね飛ばすことができ、良好な仕上げ加工面を得られる。
【0035】
また回転軸線を含む切刃直交断面において、回転軸線とすくい面または逃げ面とのなす角度は20°〜50°の範囲としたから、すくい面と逃げ面とでなす刃物角を所定の大きさにできて切刃強度を確保でき、しかも切刃の両側ですくい角が大きい場合には逃げ角が小さく、逃げ角が大きい場合にはすくい角が小さいから、刃物角を上記角度範囲の最小値より大きく設定して切刃の延在方向で刃物角の大きさの変化を抑えて安定的に設定できる。
また切刃は回転軸線に到達する4分の1円弧に加えて回転軸線を5°以上越えて延びる略円弧状を形成しているから、最小限の長さの切刃で確実に略半球状の加工面を形成できる。
【0036】
また切刃は同一平面内に設けた円弧状に形成されているから、切刃を単純な円弧面に沿って形成すればよく切刃の製作が容易である。
また切刃は回転軸線を中心として工具本体の回転方向前方または後方にねじれているから、 切削加工時に切刃全体で一度に切削加工せず順次切削を行うから切削時の衝撃を分散でき、特に食い付き時の衝撃が小さい。
また切刃とすくい面及び逃げ面は回転軸線を中心とした回転対称であるから、ボールエンドミルの製作が容易である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態によるボールエンドミルの要部斜視図である。
【図2】 実施の形態によるボールエンドミルの底面図である。
【図3】 図3(a)はボールエンドミルの正面図、(b)は側面図、(c)は底面図、(d)は(a)の先端部形状を示す各断面図である。
【図4】 図4(a)は図3(a)に示す正面図の拡大図、(b)は(a)におけるO2−H線の断面図である。
【図5】 実施の形態によるボールエンドミルの第二の変形例を示す要部斜視図である。
【図6】 図5に示すボールエンドミルの底面図である。
【図7】 (a)は第三の変形例によるボールエンドミルの切刃チップの正面図、(b)は切刃チップの底面図、(c)は(a)におけるO2−A′、O2−A、O2−B、O2−C、O2−D、O2−E、O2−F、O2−G、O2−G′線の各断面図である。
【図8】 従来のボールエンドミルの底面図である。
【図9】 別の従来例のボールエンドミルの底面図である。
【図10】 ボールエンドミルによるX軸方向への送り切削加工状態を示す図である。
【図11】 図10に示す送り切削状態での円弧刃の挙動を示す説明図である。
【図12】 図11の円弧刃について所定角度回転した位置での送り速度と合成切削速度を示す図である。
【図13】 切刃による正常な切削状態を示す図である。
【図14】 下向き削りにおける逆行時の切削速度でのボールエンドミルによる切削加工状態を示す図である。
【図15】 正常な切削状態における切屑の処理状態を示す図である。
【図16】 下向き削りにおける逆行時の切屑の処理状態を示す図である。
【符号の説明】
20、40、50 ボールエンドミル
22 工具本体
25、25A、25B 底刃(切刃)
25a 第一の円弧刃(切刃)
25b 第二の円弧刃(切刃)
26a、26b、26A、26B 外周刃
28A、30A、29A、31A、54A、56A すくい面
28B、30B、29B、31B、54B、56B 逃げ面
28,30 面
52 切刃チップ
Claims (10)
- 回転軸線回りに回転する工具本体の先端に略円弧状の切刃を備えているボールエンドミルにおいて、
前記切刃は回転軸線を通過して延びていて、前記切刃を挟んですくい面と逃げ面が形成されていると共に前記切刃に沿う面にすくい面と逃げ面が稜線を形成することなく滑らかに連続して形成されていることを特徴とするボールエンドミル。 - 前記切刃に沿う両側の面はそれぞれ回転軸線付近を境に連続する滑らかな曲面上ですくい面から逃げ面に或いは逃げ面からすくい面にかわるようにしたことを特徴とする請求項1記載のボールエンドミル。
- 前記すくい面は回転軸線付近から外周方向に向けて漸次すくい角が増大するようにしたことを特徴とする請求項1または2記載のボールエンドミル。
- 前記逃げ面は回転軸線付近から外周方向に向けて漸次逃げ角が減少するようにしたことを特徴とする請求項1から3のいずれか記載のボールエンドミル。
- 回転軸線を含む切刃直交断面において、前記回転軸線と前記すくい面または逃げ面とのなす角度は20°〜50°の範囲としたことを特徴とする請求項1から4のいずれか記載のボールエンドミル。
- 前記切刃の刃物角は40°〜130°の範囲に設定されていることを特徴とする請求項1から5のいずれか記載のボールエンドミル。
- 前記切刃は回転軸線に到達する4分の1円弧に加えて回転軸線を5°以上越えて延びる略円弧状を形成していることを特徴とする請求項1から6のいずれか記載のボールエンドミル。
- 前記切刃は同一平面内に設けた円弧状に形成されていることを特徴とする請求項1から7のいずれか記載のボールエンドミル。
- 前記切刃は回転軸線を中心として工具本体の回転方向前方または後方にねじれていることを特徴とする請求項1から7のいずれか記載のボールエンドミル。
- 前記切刃とすくい面及び逃げ面とは回転軸線を中心とした回転対称であることを特徴とする請求項1から9のいずれか記載のボールエンドミル。
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