JP4470290B2 - ヒートシール装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、商品の底部に折り込まれた包装フィルムを加熱することで底シールするヒートシール装置であって、特にストレッチ包装機の搬出部に配置されて好適なヒートシール装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のストレッチ包装機におけるヒートシール装置は、包装部で包装された商品を包装機から搬出する搬出手段を兼用するよう構成され、コンベア搬送面の下部に熱板を配置したヒータコンベアにより商品を搬送しながらヒートシールする構成が一般的であった。
しかるに、従来装置のように、単に包装済みの商品をヒータコンベアに載置し搬送するだけの構成では、商品の大きさや重量、あるいは搬送状態によってヒートシールの状態にバラツキを生じ、安定したヒートシールを行えない不都合があった。
ヒートシールが不完全であると、パックセンターのように包装後の商品を店舗に輸送して配達する際に、シール部が剥がれてしまうことがあった。また、ヒートシールを完全にするために熱板の温度を高くすると、トレイを使用する商品の場合には該トレイを変形させたり商品を変質させてしまう問題がある。
【0003】
そのため、ヒータコンベアの上部に弾性体からなる押圧部材(押圧ローラ)を配設し、該押圧ローラで商品をヒータコンベア上に押圧することによりヒートシールをより確実に行うようにする装置も実用されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来装置では、コンベア上で商品を搬送中に押圧しヒートシールするため、商品によっては押圧ローラに衝突し搬送姿勢が乱れてヒートシールを良好に行えない場合があった。
また、商品の高さにより商品にかかる押圧力が変化するため、高さの高い商品や低い商品を混在して処理する場合には、ヒートシールを安定して行うことができない不具合があった。また、従来装置においては、ヒータコンベアを常時回転させる構成であり、そのためヒートシールの熱効率が低いという問題があった。
さらに、包装機の処理速度を大きくした場合には、ヒータコンベアの搬送速度も速くする必要があり、搬送速度を速くした場合には、安定したヒートシールを行うためにヒータコンベアを長くしなければならず包装機が大型化する問題もあった。
【0005】
本発明は、上記従来事情に鑑みその不具合を解消して、従来に比べヒートシールを安定かつ良好な状態に仕上げることができるとともに熱効率を高め、また、ストレッチ包装機に組み込んだ場合に該包装機を小型化可能なヒートシール装置を提供せんとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明のヒートシール装置は、熱源を有するヒータコンベアの搬送面の上部に押圧手段を上下動可能に配設し、包装後の商品が前記押圧手段の下部に位置したときに該コンベアの駆動を停止させ、静止した商品の上面に向け前記押圧手段を下動させて商品をヒータコンベアに押圧することを特徴とする(請求項1)。
上記ヒータコンベアとは、搬送面を加熱するための熱源を有するベルトコンベア等のコンベアをいい、その構造に限定されるものではないが、簡素な構造として好ましくは、コンベア搬送面の下部に熱板を配置して構成する(請求項2)。
斯る本発明によれば、ヒータコンベアは従来と違い常時回転ではなく商品を一時停止させる間欠回転であり、該コンベアの停止によって静止した商品に押圧手段を下動させることにより、当該商品をヒータコンベアに押圧して包装フィルムのヒートシールを完全ならしめる。
【0007】
そして、上記ヒータコンベアの間欠回転動作は、前記商品がヒータコンベア上の所定位置に搬送されたことを検出する検出手段と、前記検出手段が商品を検出したときにヒータコンベアの駆動を停止する停止手段とにより一時停止が制御され(請求項3)、前記押圧手段が下動した所定時間経過後に、前記押圧手段の上動と共に前記ヒータコンベアの駆動を再起動させることによって回転起動が制御されるようにする(請求項4)。
【0008】
また、上記押圧手段の好ましい構成は、上下動可能な昇降部材に取り付けた弾性体からなる押圧部材と、前記昇降部材を上下動させる駆動機構とにより構成され、その駆動機構は、前記昇降部材と係脱可能に連係し、下動する押圧部材が商品の上面に当接したときに駆動機構が昇降部材から離脱するようにする(請求項5)。
それによれば、押圧部材が商品の上面に当接した時点で駆動機構と昇降部材との係合が外れて、押圧部材に駆動機構の動力荷重がかからないので、商品にかかる押圧力は常に一定、すなわち押圧部材及び昇降部材の自重になる。
上記昇降杆とその駆動機構とを係脱可能とするためには各種の構成を採用できるが、最も簡易な形態として、前記昇降部材が、前記駆動機構の作用部に分離可能に載接された構成とする(請求項6)。それによれば、昇降部材は、その上動時に前記駆動機構の動力で押し上げられ、下動時には昇降部材及び押圧部材の自重により前記作用部に追従して下動し、押圧部材が商品の上面に当接したときに前記作用部から分離する。
なお、上記駆動機構の作用部は、回転するカム部材、あるいは上下動するシリンダロッドなど何れであってもよい。
【0009】
上記押圧部材は、スポンジ等の弾性体により形成されたものであるが、その中央部を商品の上面形状に沿った下向き凹状に形成すれば(請求項7)、トレイに山形に盛付けられた商品に対する押圧力を軽減することができる。
また、押圧部材を、前記ヒータコンベアの搬送方向へ揺動自在に取り付けることにより(請求項8)、あるいは前記ヒータコンベアの搬送方向と直交する方向へ揺動自在に取り付けることにより(請求項9)、上面が平坦でない商品の場合でも安定した押圧力をかけることができる。
【0010】
さらに、上記ヒータコンベア上における商品の停止位置、すなわちヒータコンベアの駆動を停止させるタイミングは、商品底部に折り込んだ包装フィルムの搬送方向前側折り代の略1/2が前記熱板の中心に位置したときが好ましい(請求項10)。
その場合、上記ヒータコンベアが、搬入した商品をエレベータ機構により押し上げ包装するストレッチ包装機の搬出部に配置されている場合は、そのストレッチ包装機は、搬入した前記商品をエレベータヘッド上において搬入方向の前端又は後端の一端基準で位置決めすることがよい(請求項11)。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を説明すれば、図1は、従来知られた計量包装値付け装置であるストレッチ包装機Aの概要を示し、このストレッチ包装機Aにおける包装済み商品の搬出部にヒートシール装置Bを配置した場合を例示する。
【0012】
ストレッチ包装機Aは、機枠15の前方に被包装物である商品G’を載置する商品載置部12が配置され、該商品載置部12に載せた商品G’をプッシャコンベア1により機枠内部に設けたエレベータ2まで搬送する。なお、商品G’は容器であるトレイG1に収容された状態で搬送される場合を例示し、また、商品載置部12は計量部13の計量皿として構成されている。
上記エレベータ2の上方には包装部3が設けられ、その包装部3の側方(プッシャコンベアと直角に交差した方向)にフィルムロール配置部4とそのフィルムロール配置部4にセットされたフィルムロール5から繰り出されるフィルム5’の先端を保持するフィルム保持部(図示せず)が設けられ、そのフィルム保持部で保持されたフィルム5’の先端を挟持して引き出し包装部3まで移送するフィルムフィード機構7が前記フィルム保持部の先端に接近させて配置される。
【0013】
また、フィルム保持部とフィルムフィード機構7との間には、該フィルムフィード機構7で挟持され引き出されたフィルム5’を所定長さに切断するカッター(図示せず)が配置され、フィルムフィード機構7の上方には、左右折り込み板9,9’と後折り込み板10、排出プッシャ11及び前折り込みローラ14が配設されている。
なお、図中の符号20は表示操作部、符号21は商品G’の幅方向に移動可能な反射型光センサーからなる商品幅検出センサー、同22は商品高さ検出センサー、符号23は商品長さ検出センサーであり、また、符号24はラベル印字貼付器である。
【0014】
上記ストレッチ包装機Aにおいては、エレベータ2上に搬送された商品G’がエレベータ2の上昇により包装部3に張架されたフィルム5’に対して突き上げられ、商品G’の上面を覆ったフィルム5’の端部は、左右折り込み板9,9’と後折り込み板10とにより商品の底面側に折り込まれる。
次に、排出プッシャ11により商品G’を搬出部16へ向けて水平に押動しながら前記フィルム5’の前側端部を前折り込みローラ14で商品G’の底面に折り込んで包装済みの商品Gが得られる。また、搬出部16へ押動される商品Gは、その途中で上面にラベル印字貼付器24により所定のラベルが貼付され、そして、搬出部16に配置されたヒートシール装置Bにより、底部に折り込まれたフィルム部分がヒートシールされる。
【0015】
なお、上記ストレッチ包装機Aは、エレベータ2上に搬入される商品G’の前端をストッパ6に突き当て停止させて位置決めし、また包装後の商品を包装機の後方へ搬出する方式、すなわち、商品を前端基準で位置決めし後方搬出する態様を例示するものである。
【0016】
上記ヒートシール装置Bの詳細を図2〜図4により説明する。
ヒートシール装置Bは、包装機Aの前記機枠15と一体又は別体に構成した機枠30に、熱板32を内設したヒータコンベア31を配設し、押圧部材34を取り付けた昇降部材33を上下動可能に配設するとともに該昇降部材33を上下動させる駆動機構35を配設したものである。
【0017】
ヒータコンベア31は、プーリ36a,36b間にガラス繊維等からなる無端状ベルト31aを巻回して、前記前折り込みローラ14の後部に水平状に配置され、その一方のプーリ36aに駆動源であるステッピングモータM1の動力を伝達するよう構成する。
なお、他方のプーリ36bと前記前折り込みローラ14との間には受渡しローラ37を介在させ、該ローラ37は、ベルト伝達37aによりプーリ36bに連動して回転するようにするが、プーリー36bと同方向の一方向のみ回転可能とする。
熱板32は、前記ヒータコンベア31の搬送面すなわち上側ベルトの下部に配置され、電気的に加熱されてヒータコンベアの熱源となる。
【0018】
昇降部材33は、ヒータコンベア31のベルト31a中間部の左右両側に突出する2本の昇降杆33aと、両昇降杆の下部を接続する連結杆33bとからなるH形部材であって、前記機枠30に上下動可能に取り付ける。具体的には、機枠30の左右両側内面にそれぞれ上下に延びるガイドレール38を取り付け、両レール38に前記昇降杆33aを滑動可能に嵌め合って上下動可能とする。
昇降部材33は、その昇降杆33a,33aの上端に押圧部材34を取り付ける。
【0019】
押圧部材34は、スポンジ等の弾性体を矩形長尺状に形成したものであって、その上面部を支持板39に固着するとともに、該支持板39に設けた枢軸40の左右両端を前記昇降杆33a,33aに回動自在に取り付ける。
この押圧部材34は、前記ヒータコンベア31の上部にその搬送方向に直交するように架設され、前記枢軸40により搬送方向へ揺動自在に取り付けられている。
また、押圧部材34は、その搬送方向の長さを前記熱板32と同等又はそれ以上とし、中央部には下向き凹状とした凹陥部41を形成し、全体を樹脂フィルム等の外皮42により被覆する。
上記昇降部材33の連結杆33bは、その下面にパッド43を一体的に取り付け、該バッド43の中央部を前記駆動機構35の作用部44上に載接した状態に配置される。
【0020】
駆動機構35は、機枠30の下部にステッピングモータM2及びそれにより回転する回転板45を設置し、その回転板45にカムアーム46を一体的に軸着するとともに、該アーム46の回転板45より突出した先端部にローラを回転自在に取り付けて前記作用部44を構成する。
回転板45は、前記作用部44を上限に位置した状態が初期位置であり、前記モータM2により適時に回転するものであり、前記初期位置から180度回転した位置、すなわち作用部44の下限位置に達した後に反転して初期位置へ復帰する。なお、作用部44が下限位置に達した時点で時間調整のために所定時間一時停止させることもよい
また、回転板45には、検出杆47を設けて前記作用部44が初期位置(上限位置)に復帰した時点を位置センサ48により検出し、それによりモータM2を停止させて反転する回転板45が初期位置で停止するようにする。
【0021】
上記作用部44は、前記初期位置において上面に昇降部材33の連結杆33bの中央部が載接され、したがって、回転板45の回転により作用部44が円弧動しながら下降すれば、それに載接支承された昇降部材33が下動し、それに伴い押圧部材34がヒータコンベア31上で下動する。一方、回転板45の反転時には上昇する作用部44が連結杆33bを押し上げるので、昇降部材33と共に押圧部材34も上動する。
そして、押圧部材34の下動途中で該押圧部材34が商品Gに当接すれば、押圧部材34が昇降部材33と共に商品G上に残り、駆動機構35の作用部44のみが下動する、すなわち、駆動機構35は、前記昇降部材33と係脱可能に連係するものである。
なお、図中における符号50は、ヒータコンベア31へ搬出される商品Gの先端を検出するセンサである。
【0022】
而して、上記ヒートシール装置Bのヒートシール動作を図5〜図8により説明する。
上記包装機Aの前折り込みローラ14によりフィルム5’の前側端部を底面に折り込まれた包装済み商品Gは、排出プッシャ11により受渡しローラ37を介してヒータコンベア31の後端に搬出されるが(図5参照)、前記ヒータコンベア31の停止状態にあって、商品Gの先端を前記センサ50が検出すると、モータM1により前記コンベア31を駆動させる(図6参照)。
なお、ヒータコンベア31および商品Gは、搬送又は搬入方向側を前側、前端、先端とし、その逆方向を後側、後端として説明する。
【0023】
このヒータコンベア31は、その駆動により商品Gを搬送し、前記センサ50の検出動作後の所定時間Tを経過後に停止して、商品Gを熱板32上の所定位置で停止させるようにする。この商品Gの停止位置は、商品Gの底面に折り込んだフィルム5’の前側折り代5a’の中心(搬送方向長さの1/2)が熱板32の略中心に一致するように制御する(図7参照)。
上記ストレッチ包装機Aは、前述のように、商品を前端基準で位置決めし後方搬出する態様としているので、商品Gの長さが異なった場合には、フィルム5’の後側折り代5b’が変化するが前側折り代5a’は変化しない。
したがって、前端基準で商品Gを停止制御すれば、商品の長さにかかわらず、前記の条件で停止させることができる。すなわち、T=(X+L1/2)/Vにより制御すればよい。なお、上式中のXは前記センサ50と熱板32中心との間の距離、L1は前側折り代5a’の長さ(一定)、Vはヒータコンベア31の搬送速度である。
【0024】
次いで、上記駆動機構35のモータM2により回転板45を駆動させると、カムアーム46の作用部44の下降と共に押圧部材34が下動し、ヒートコンベア31上で静止している商品G上面に当接して該商品Gを押圧する(図7参照)。
押圧部材34が商品Gの上面に当接することにより、押圧部材34が昇降部材33と共に商品G上に残ってそれらの自重により商品Gを押圧する。
一方、駆動機構35の作用部44のみが下動して下限位置に達した後に反転して上昇し、その上昇途中で作用部44が昇降部材33の連結杆33bに係合することにより、前記昇降部材33と共に押圧部材34を上動させて商品Gから離反させ初期位置へ復帰させる(図8参照)。
そして、上記昇降部材33及び押圧部材34が上動を開始したときに前記モータM2を再起動させ、ヒータコンベア31の搬送動作を再開させて商品Gを搬出部16から排出する(図8参照)。
【0025】
したがって、上記商品Gは、ヒータコンベア31上の熱板32上ヘ搬送され、該熱板32上で静止した状態で押圧部材により所定時間押圧された後に排出される間に底面に折り込まれたフィルム5’の前側折り代5a’と後側折り代5a’がヒートシールされる。
なお、上記押圧部材34による商品Gの押圧時間、すなわち駆動機構35の作用部44が昇降部材33の連結杆bから離脱した後に再び係合するまでの時間は所定時間、例えば0.5秒になるよう制御する。
【0026】
なお、上記例示装置においては、ヒータコンベア31のプーリ36bと前記前折り込みローラ14との間に一方向回転の受渡しローラ37を介在させた構造としたので、商品長さがフィルム5’に対して極端に短く、後側折り代5b’にさらに後向きの折返し残部が形成された場合でも、当該商品をヒータコンベア31に搬出する際には該コンベア31へ確実に乗り移らせることができる。すなわち、フィルム5’の後側折り代5b’が受渡しローラ37に乗り上げたときに、折り代5b’の前記折返し残部も前記ローラ37に引き込まれるので、前記前折り込みローラ14に呼び戻されることなくヒータコンベア31へ乗り移る。
【0027】
次に、ヒータコンベア31の制御に関する他の実施の形態を説明する。
(他の実施の形態1)
上記実施の形態は、センサ50をヒータコンベア31上の商品入口端側に配置して、商品Gがヒータコンベア31へ搬出される際に前記コンベア31を駆動するが、商品Gが排出プッシャ11によりヒータコンベア31へ搬出された後に該コンベアを駆動してもよい。
その場合には、前記センサ50を熱板32上の定位置を検出するように配置して、その検出によりヒータコンベア31を駆動させて短い所定時間後に停止させればよい。
【0028】
(他の実施の形態2)
この実施の形態2は、前記センサ50を配置せずに商品G(トレイG1)の搬入方向の長さLについてのデータを使用してヒータコンベア31の駆動時間Tを制御する場合である。
商品Gの長さLは、前記表示操作部20に予めプリセットされていてもよいし、あるいは搬入する商品を前記長さ検出センサー23により検出するようにしてもよく、いずれにしても包装機Aを制御するために必要であってヒートシート装置Bへ搬出される際には知られたデータである。
【0029】
上記商品長さLに基づき前記時間Tを制御するには、図9から知れるように、T={(X’+L1/2)−L}/Vにより行えばよい。
すなわち、排出プッシャ11により商品Gがヒータコンベア31に押出され、該コンベア31が駆動された後に前記時間T秒後に停止させると、フィルム5’の前側折り代5a’の中心を熱板32の略中心に一致させることができる。
この実施の形態によれば、ヒータコンベア31に前記センサ50を設ける必要がない。なお、上式において、X’はヒータコンベア31の商品搬入端から熱板32の中心までの距離である。
【0030】
(他の実施の形態3)
上述したストレッチ包装機Aは、前述のように、商品を前端基準で位置決めし後方搬出する態様としているが、この実施の形態3は、前記ストッパ6(図1参照)を配置せずに、エレベータ2上に搬入される商品G’をプッシャコンベア1のプッシャにより位置決めする方式、すなわち後端基準で位置決めする態様である。
この実施の形態は、商品長さLにバラツキが少ない商品を処理する場合に適しており、その場合は、前記ヒータコンベア31の駆動時間Tを一定としても前記条件、すなわちフィルム5’の前側折り代5a’の中心と熱板32の略中心が一致した状態が得られる。
【0031】
なお、前示の実施の形態においてストレッチ包装機Aは、計量部13及びラベル印字貼付器24を備えた計量包装値付け機を例示したが、それによれば、包装済み商品Gの上面にラベル印字貼付器24によりラベルを貼付し、その後に押圧部材34により押圧するので、ヒートシール効果と併せてラベル押し付け作用も付与することができる。しかし、ストレッチ包装機はそれに限定されるものではなく、通常の包装機の場合であってもよい。
また、上記実施の形態においては、ヒータコンベア31の搬送速度Vを一定とした場合で説明したが、該速度Vを可変とすることも任意である。例えば、商品長さLに応じて速度Vを変化させることにより、前端基準で位置決めしてもヒータコンベア31の駆動時間Tを一定にすることが可能である。その場合の駆動速度Vは、V={(X’+L1/2)−L}/Tにより制御すればよい。
【0032】
上記実施の形態において、押圧部材34は商品の搬送方向へ揺動自在に取り付けた場合のみを説明したが、搬送方向と直交する方向へ揺動自在にすること、及び両方向へ揺動自在にすることもよい。
そして、前記押圧部材34で商品Gを押圧し該押圧部材34が上動した後にヒータコンベア31を再起動させているが、押圧部材134をローラ状に形成すれば(図10参照)、該押圧部材134が商品Gを押圧したままでヒータコンベア31を再起動させることができる。それにより、処理時間を短縮することができる。
また、押圧部材の位置や形状、大きさも上記実施の形態に限定されるものではない。例えば、押圧部材134’を上下動自在な複数の押圧片134aに分割した構造であって、それらを並列状に組み合わせてもよい(図10参照)。
さらに、上記実施の形態ではヒータコンベア31としてベルトコンベアの場合を例示したが、ローラコンベア、プッシャコンベア等で構成することも自由であり、また、熱板32の位置や形状、大きさも実施の形態に限定されるものではなく、商品のサイズに応じて加熱部分を増減可能に制御するようにしてもよい。
【0033】
【発明の効果】
本発明によれば、商品がヒータコンベア上の所定位置に位置したときに該コンベアを停止し、押圧手段で押圧してヒートシールするので、商品のサイズ等に拘わらずヒートシールを常に安定して確実良好に行うことができる。したがって、ヒートシール不良によりシール部が移送中に剥がれるおそれがない。
また、商品が所定位置で停止したときに、押圧手段が下動して静止する当該商品を押圧するので、商品の先端が押圧手段に衝突して搬送状態が乱れることがなく、安定したヒートシールを行うことができる。
さらに、上記ヒータコンベアを一時停止させる間欠回転方式としたので、従来の常時回転に比べてヒータコンベアの熱効率が向上し、しかもヒータコンベアの長さを短縮できるので、ストレッチ包装機全体の小型化が可能となる。
【0034】
そして、請求項5,6によれば、押圧部材が商品の上面に当接した時点で駆動機構と昇降部材との係合が外れて、押圧部材に駆動機構の動力荷重がかからないので、商品の高さが異なる場合でも常に押圧力が一定となる。したがって、高さが異なる商品でもヒートシールを安定良好に行うことができる。
また、請求項7によれば、押圧部材の凹状形状により押圧部材は主として商品の両側部分を押圧し、商品の中央にかかる押圧力が減少するので、柔らかい商品を過度に圧迫したり、汁入り商品の場合に汁の拡散や漏れなど商品の損傷を防止することができる。
さらに、請求項8,9によれば、商品の上面形状に沿って押圧部材が揺動するので、商品の上面が平坦でない場合でも商品に無理な押圧力を加えることなく安定して押圧することができる。
【0035】
また、請求項10によれば、商品の長さが異なる場合でも、当該商品を熱板の位置との関係で最適な位置に停止させて理想的な条件でヒートシールすることができる。
さらに、請求項11によれば、ストレッチ包装機において、長さの異なる商品を先端または後端の一端基準により位置決めし包装することで、その包装済みの商品を安定して良好にヒートシールすることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のヒートシール装置を組み込んだストレッチ包装機の概要を示す側面図である。
【図2】 本発明のヒートシール装置を拡大側面図である。
【図3】 図2の断面正面図である。
【図4】 図2の平面図である。
【図5】 包装済み商品を包装部からヒータコンベアへ搬出する状態を説明する側面図である。
【図6】 前記ヒータコンベアの駆動を説明する側面図である。
【図7】 前記コンベアが停止し商品を停止させて押圧部材により押圧する状態を説明する側面図である。
【図8】 ヒータコンベアを再起動させる状態を説明する側面図である。
【図9】 他の実施の形態2を説明する側面図である。
【図10】 押圧部材の変形例を示す側面図である。
【符号の説明】
A:ストレッチ包装機 G:包装済み商品 2:エレベータ
5’:フィルム 5a’:フィルムの前側折り代
B:ヒートシール装置 31:ヒータコンベア 32:熱板
33:昇降部材 34:押圧部材 35:駆動機構
M1:ヒータコンベアのモータ M2:昇降部材のモータ
40:枢軸 41:凹嵌部 44:作用部
45:回転板 46:カムアーム 50:センサ
Claims (11)
- 熱源を有するヒータコンベアを備えて、商品の底部に折り込まれた包装フィルムを前記ヒータコンベア上でシールするヒートシール装置において、
前記ヒータコンベアの搬送面の上部に押圧手段を上下動可能に配設し、包装後の商品が前記押圧手段の下部に位置したときに該コンベアの駆動を停止させ、静止した商品の上面に向け前記押圧手段を下動させて商品をヒータコンベアに押圧することを特徴とするヒートシール装置。 - 熱源を有するヒータコンベアを備えて、商品の底部に折り込まれた包装フィルムを前記ヒータコンベア上でシールするヒートシール装置において、
前記ヒータコンベアが、コンベア搬送面の下部に熱板を配置して構成され、
該コンベアの搬送面および前記熱板の上部に押圧手段を上下動可能に配設し、
前記コンベアで搬送された包装後の商品が熱板の上部に位置したときにコンベアの駆動を停止させ、静止した商品の上面に向け前記押圧手段を下動させて搬送面を介し商品を前記熱板に押圧することを特徴とするヒートシール装置。 - 熱源を有するヒータコンベアを備えて、商品の底部に折り込まれた包装フィルムを前記ヒータコンベア上でシールするヒートシール装置において、
前記商品がヒータコンベア上の所定位置に搬送されたことを検出する検出手段と、
前記検出手段が商品を検出したときにヒータコンベアの駆動を停止する停止手段と、
前記ヒータコンベアの上部に上下動可能に配設され、静止している商品の上面に向け下動して商品をヒータコンベアに押圧する押圧手段と、
を備えたヒートシール装置。 - 上記押圧手段が下動した所定時間経過後に、前記押圧手段を上動させるとともに前記ヒータコンベアの駆動を再起動させることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項記載のヒートシール装置。
- 上記押圧手段は、上下動可能な昇降部材に取り付けた弾性体からなる押圧部材と、前記昇降部材を上下動させる駆動機構とにより構成され、
その駆動機構は、前記昇降部材と係脱可能に連係し、下動する押圧部材が商品の上面に当接したときに駆動機構が昇降部材から離脱することを特徴とする請求項1〜4の何れか1項記載のヒートシール装置。 - 上記昇降部材が、前記駆動機構の作用部に分離可能に載接されていることを特徴とする請求項5記載のヒートシール装置。
- 上記押圧部材は、中央部が下向き凹状に形成されていることを特徴とする請求項5又は6記載のヒートシール装置。
- 上記押圧部材は、前記ヒータコンベアの搬送方向へ揺動自在に取り付けられていることを特徴とする請求項5〜7の何れか1項記載のヒートシール装置。
- 上記押圧部材は、前記ヒータコンベアの搬送方向と直交する方向へ揺動自在に取り付けられていることを特徴とする請求項5〜8の何れか1項記載のヒートシール装置。
- 請求項2又は3記載において、商品底部に折り込んだ包装フィルムの搬送方向前側折り代の略1/2が前記熱板の中心に位置したときにコンベアの駆動を停止させることを特徴とするヒートシール装置。
- 請求項10記載において、上記ヒータコンベアが、搬入した商品をエレベータ機構により押し上げ包装するストレッチ包装機の搬出部に配置され、そのストレッチ包装機は、搬入した前記商品をエレベータヘッド上において搬入方向の一端基準で位置決めすることを特徴とするヒートシール装置。
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