JP2520126Y2 - 包装機の搬出装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は被包装物、特にトレーま
たは他の容器に入れられた食料品その他の製品を、伸張
可能なポリ塩化ビニリデン等のプラスチックフイルムい
わゆるストレッチフイルムで包装する包装機の搬出装置
に関する。

【０００２】

【従来の技術】一般にストレッチフイルムを用いた包装
機として、包装部に供給されかつ張られたフイルムに向
かって受台に供給された被包装物を押し上げることによ
り、被包装物をフイルムに押付けてフイルムを緊張状態
に保持しながら折込具によりフイルムを被包装物の下側
に折り込んで包装し、次いで包装した被包装物を搬出さ
せたものが提案されている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】ところで、このような
包装機においては特開昭５６−１３３０８号公報のよう
に、フイルム折り込み装置で包装された包装物を搬出す
る搬出ベルトと、この搬出ベルトの搬出側に移送コロを
設けた搬出装置が装備され、フイルムを被包装物の下側
に折り込んだ包装物が上記搬出ベルト上に移送され、そ
の後移送コロにより送り出されるようになっているが、
包装物の下側でその後端側に折り込まれたフイルムの端
片が突出することがあり、包装物が搬出ベルトから移送
コロへ移行する際に上記フイルム端片が搬出ベルト端に
巻き込まれて搬出動作に支障を来しやすい面を有してい
る。

【０００４】このような不具合を解決するために、搬出
ベルトから移送コンベヤへの橋渡しのために移送コロを
回転駆動することが考えられるが、単純に移送コロを回
転駆動する構成としたとしてもフイルム端片の巻き込み
を解決し難いという問題があった。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本考案はこれらの不都合
を解決することを目的とするもので、ロ−ル状のストレ
ッチフィルムを繰り出し包装部位置へ移送するフィルム
供給装置と、被包装物を受台上に移送する被包装物供給
装置と、上記受台を上記包装部の下方位置で上下動可能
とした受台昇降装置と、上記ストレッチフィルムを被包
装物の下側に折り込むフィルム折り込み装置と、包装物
の搬出装置とを備えた包装機において、上記搬出装置
は、上記フィルム折り込み装置によりフィルムを折り込
んだ包装物を搬出側に送り出す搬出ベルトと、この搬出
ベルトの搬出側でその搬出ベルトより低所に設けられた
移送コンベヤと、上記搬出ベルトの搬出端位置で搬出ベ
ルトとほぼ同高さに設けられ搬出ベルトの送り出し方向
と同方向で、かつ搬出ベルトの搬送速度より高速度に回
転駆動する搬出ロ−ラとを備えたことを特徴とする包装
機の搬出装置である。

【０００６】

【作用】フィルム折り込み装置によって被包装物の下側
にフィルムが折り込まれた包装物は、包装物の下側から
フィルム端片が垂れ下がり突出していたとしても、搬出
ベルトの搬出端位置で搬出ベルトとほぼ同高さに設けら
れ搬出ベルトの送り出し方向と同方向で、かつ搬出ベル
トの搬送速度より高速度に回転駆動する搬出ロ−ラによ
って、そのフィルム端片が搬出ベルトの端部に巻き込ま
れることなく搬出ベルトの送り速度に対して上記搬出ロ
−ラの送り速度を高めることで、上記フィルム端片を包
装物の底部に密着状態に案内しながら移送コンベヤ上に
包装物を送り出すことができる。

【０００７】

【実施例】図１および図２はストレッチフイルムの包装
機の全体構成の概要を示し、本体フレーム１の前部側に
は本体フレーム１のほぼ中間部分である包装部２位置の
下部まで被包装物３を移送するためのコンベヤ４を備え
た被包装物供給装置Ａが設けられている。

【０００８】上記コンベヤ４の供給側端部には上記コン
ベヤ４によって被包装物３が供給載置される受台５が配
設され、この受台５は適宜駆動部により上下作動するリ
フト６に連結し、かつ、受台５の上昇時にストレッチフ
イルムを伸張して保持する受台昇降装置Ｂを形成してい
る。

【０００９】本体フレーム１の後部側にはストレッチフ
イルム７がロール状に巻回されたロール体８が回転可能
に保持されており、そのロール体８より引き出されたス
トレッチフイルム７の両側端部を上下一対の無端状ベル
ト９に挾み込んで上記包装部２位置まで移送するフイル
ム供給装置Ｃが本体フレーム１の上部両側の前後方向に
配設されている。上記無端状ベルト９のストレッチフイ
ルム７の挿入側端部にはストレッチフイルム７の幅方向
にミシン目を入れるカッター10と、このカッター10の両
側に設けられるフイルム押え11とからなるフイルム切込
装置Ｄが設けられている。

【００１０】本体フレーム１の包装部２側にはフイルム
７の長さ方向に沿って往復動する後部折込体12とフイル
ム７の幅方向に沿って互いに開閉可能な左右折込体13と
が設けられ、各折込体12, 13の移動に連れてフイルム７
のミシン目位置から切断し、上記受台昇降装置Ｂによっ
て押し上げられた被包装物３の底面にフイルムを折り込
むフイルム折込装置Ｅが設けられている。

【００１１】本体フレーム１の上部側には包装物３ａの
上面側と接触して前方に送り出す無端状の送出ベルト１
４が設けられ、この送り出された包装物３ａを載置して
搬出しながら包装物３ａの底面に折り込まれたフイルム
７を加熱密着する搬出ベルト１５と、この搬出ベルト１
５から送り出された包装物３ａをさらに搬送する移送コ
ンベヤ１６とによって搬出装置Ｆを構成している。

【００１２】製品入りのトレー等の被包装物３は図５か
ら図８のように被包装物供給装置Ａのコンベヤ４により
本体フレーム１の前部側からほぼ中間部分の包装部２の
下方まで移送され受台５に供給載置される。この被包装
物３の移送と同時にフイルム供給装置Ｃによりロール体
８より引き出されたストレッチフイルム７が本体フレー
ム１の後部側から包装部２位置に向かって上下一対の無
端状ベルト９に挾み込まれながら移送され、移送途中で
フイルム切込装置Ｄのカッター10によりミシン目17が形
成され、このようにして、図５から図６のようにミシン
目17が形成された一連のストレッチフイルム７はさらに
移送されて包装部２位置まで移送される。

【００１３】このようにして図６のように被包装物３が
受台５上に供給され、ミシン目１７が入れられた一連の
ストレッチフイルム７が包装部２に供給された状態にお
いて、図７から図８のように受台昇降装置Ｂのリフト６
によって受台５は上昇し包装部２位置に供給したフイル
ム７を下から押し上げて伸張し、次いで後部折込体１２
と左右折込体１３とが押し上げられた被包装物３の底面
に沿って摺動してミシン目１７から切り離し、かつ、フ
イルム７の縁部を三方から折り込むとともに送出ベルト
１４によってヒーター１８により加熱された搬出ベルト
１５上に送られ、この移送によりフイルム７の前縁部が
トレー１９の下方に折り込まれ、次いで搬出ベルト１５
により加熱密着されながら搬出され、さらに移送コンベ
ヤ１６により包装物３ａが搬送される。なお、搬出ベル
ト１５はヒーター１８を内蔵した加熱板をとり巻くよう
に形成したものを図示したが、搬出ベルト１５自体にシ
ーズヒーターを内蔵してもよく、またストレッチフイル
ムの接着性を利用してヒーターを内蔵することなく、搬
出ベルト１５により単に移送コンベヤ１６側に送り出す
ようにしてもよい。

【００１４】本考案は搬出装置Ｆにおいて、図１〜図４
のように、上記搬出ベルト15の搬出側でその搬出ベルト
15と交差する方向に移送するようにして搬出ベルト15よ
り低所に移送コンベヤ16を設けて搬出ベルト15と移送コ
ンベヤ16間に段差21を設け、上記搬出ベルト15の搬出端
位置で回転するようにして搬出ベルト15とほぼ同高さで
搬出ベルト15の幅方向に搬出ロ−ラ20を設けている。22
は搬出ロ−ラ20の駆動モ−タであり、ベルト23を介して
回転が伝達しており、その搬出ロ−ラ20の回転速度は搬
出ベルト15の搬送速度より幾分高速度に設定している。

【００１５】移送コンベヤ16は搬出ベルト15と同方向に
包装物３ａを送るコロ24と包装物３ａを搬出ベルト15と
交差する方向に移送する移送爪25とを備えているが、ベ
ルトコンベヤ等でもよく、包装物３ａがコロ24により移
動し易いように傾斜してもよい。図中26はコロである。

【００１６】したがって、フイルム７によって包装され
た包装物３ａが搬出ベルト15の作動により移送される
と、包装物３ａは搬出ベルト15の搬出端位置に設けられ
た搬出ローラ20に乗り、この搬出ローラ20の回転駆動に
よって搬出側に円滑に搬出される。また移送コンベヤ16
を低所に備えることにより、搬出ローラ20によって搬出
された包装物３ａは図３および図４のように段差によっ
て傾斜して包装物３ａの後側が浮き上がって搬出ベルト
15のベルト面から離脱し、このようにして傾斜した状態
で搬出ローラ20の回転力とコロ24によって移送コンベヤ
16上に送られ、次いで移送爪25により搬出ベルト15と交
差方向に送られる。その場合コロ24を設けないで搬出ロ
ーラ20のみで送るようにしてもよい。

【００１７】上述したように、搬出ベルト15によって移
送された包装物３ａは、包装物３ａの下側からフィルム
端片27が垂れ下がり突出していたとしても、そのフィル
ム端片27が搬出ベルト15の端部に巻き込まれることなく
搬出ベルト15の送り速度に対して上記搬出ロ−ラ20の送
り速度を高めることで、上記フィルム端片27を包装物３
ａの底部に密着状態に案内しながら移送コンベヤ16上に
包装物３ａを送り出すことができる。さらに搬出ベルト
15の搬出端位置に設けられた搬出ロ−ラ20と移送コンベ
ヤ16との段差21によって包装物３ａが傾斜して包装物３
ａの後側が浮き上がり、その状態のまま搬出ロ−ラ20の
回転駆動によって送られるため包装物３ａの後側で下方
に突出したフィルム７の端片27が搬出ベルト15に巻き込
まれることを良好に防ぐこともできる。また包装機の全
体構成として図１および図２に一例を示したが、特公昭
５６−３５５７８号公報のようにフィルムをクランプし
て給出するフィルム供給装置あるいは実開昭５５−４７
９９２号公報，特公昭５６−３４４８４号公報などのフ
ィルム折り込み装置を用いてもよく、搬出装置として実
施例では搬出ベルト15に対して移送コンベヤ16を直交方
向に配列して設けていたが、搬出ベルトと移送コンベヤ
とを同方向に配列し、かつ搬出ベルトに対して移送コン
ベヤを低所に設けるようにしてもよい。

【００１８】以上詳述したように、本考案の搬出装置
は、フィルム折り込み装置によりフィルムを折り込んだ
包装物を搬出側に送り出す搬出ベルトと、この搬出ベル
トの搬出側でその搬出ベルトより低所に設けられた移送
コンベヤと、上記搬出ベルトの搬出端位置で搬出ベルト
とほぼ同高さに設けられ搬出ベルトの送り出し方向と同
方向で、かつ搬出ベルトの搬送速度より高速度に回転駆
動する搬出ロ−ラとを備えたことにより、フィルム折り
込み装置によって被包装物の下側にフィルムが折り込ま
れた包装物は、包装物の下側からフィルム端片が垂れ下
がり突出していたとしても、搬出ベルト上に乗せられた
包装物の搬送速度より高速度に回転駆動する搬出ロ−ラ
によって、フィルム端片が搬出ベルトの端部に巻き込ま
れることなく上記フィルム端片を包装物の底部に密着状
態に案内しながら移送コンベヤ上に包装物を送り出すこ
とができるものであり、これにより良好に搬出側に包装
物を受け渡すことが可能となる。また、搬出ベルトの作
動によって移送コンベヤに向かって包装物が移送される
と、搬出ベルトおよび搬出ベルトの搬出端位置に設けら
れた搬出ロ−ラと上記移送コンベヤとの段差によって包
装物が傾斜し、さらに包装物は搬出ロ−ラの回転駆動に
よって傾斜状態のまま移送されて移送コンベヤ上に送り
出され、包装物の後側が浮き上がることによりフィルム
端片を搬出ベルトの端部に巻き込まれる現象を未然に防
ぎつつ送り出すこともできるものであり、移送コンベヤ
によりストレッチフィルムで包装された包装物を良好に
搬送することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例を示す包装機の全体縦断面図
である。

【図２】本考案の一実施例を示す包装機の全体平面図で
ある。

【図３】本考案の一実施例を示す作用状態の断面図であ
る。

【図４】本考案の一実施例を示す作用状態の断面図であ
る。

【図５】本考案の一実施例の包装状態を示す作用状態図
である。

【図６】本考案の一実施例の包装状態を示す作用状態図
である。

【図７】本考案の一実施例の包装状態を示す作用状態図
である。

【図８】本考案の一実施例の包装状態を示す作用状態図
である。

【符号の説明】

２ 包装部 ３ 被包装物 ３ａ 包装物 12 折込体 13 折込体 15 搬出ベルト 16 移送コンベヤ 20 搬出ローラ 21 段差 Ａ 被包装物供給装置 Ｂ 受台昇降装置 Ｃ フイルム供給装置 Ｄ フイルム切込装置 Ｅ フイルム折込装置 Ｆ 搬出装置

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 ロ−ル状のストレッチフィルムを繰り出
   し包装部位置へ移送するフィルム供給装置と、被包装物
   を受台上に移送する被包装物供給装置と、上記受台を上
   記包装部の下方位置で上下動可能とした受台昇降装置
   と、上記ストレッチフィルムを被包装物の下側に折り込
   むフィルム折り込み装置と、包装物の搬出装置とを備え
   た包装機において、上記搬出装置は、上記フィルム折り
   込み装置によりフィルムを折り込んだ包装物を搬出側に
   送り出す搬出ベルトと、この搬出ベルトの搬出側でその
   搬出ベルトより低所に設けられた移送コンベヤと、上記
   搬出ベルトの搬出端位置で搬出ベルトとほぼ同高さに設
   けられ搬出ベルトの送り出し方向と同方向で、かつ搬出
   ベルトの搬送速度より高速度に回転駆動する搬出ロ−ラ
   とを備えたことを特徴とする包装機の搬出装置。