JP4469738B2 - 削孔装置 - Google Patents
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Description
このようにスピンドルおよびスピンドルの外側におけるドリルヘッドの部分を打撃するのでは、打撃力(衝撃力)はスピンドルを介しチャック機構からドリルロッドに伝達されるため、途中で打撃エネルギーが減衰され打撃効率が悪い課題がある。
また、スピンドルやドリルヘッドの他の部分を打撃するのでは打撃による衝撃がドリルヘッド内の装置や部品に直接伝達され、ドリルヘッド内の装置や部品が破壊されやすく、また故障の原因にもなる課題がある。
(1)中空パーカッションシリンダでは、中空ピストンの作動に油圧を使用するため、油圧回路等を設ける構成となり、構造が複雑となるし、高価となる。
(2)中空パーカッションシリンダや油圧ポンプ等が必要となり、設備費用が嵩む。
(3)打撃力は、中空パーカッションシリンダの中空ピストンの打撃で生ずるため、1回の打撃で大きな打撃力は望めない。そこで、中空ピストンでの打撃回数を多くして、削孔することになるが、それでは打撃で生ずる騒音の発生が多くなるし、打撃による衝撃数が多くなりドリルヘッド内の装置や部品が破壊されやすく、また、故障の原因にもなる。
チャック機構は、回転可能な筒状のスピンドルにチャックピースが設けられ、このチャックピースがスピンドル内を貫通する削孔ロッドの外周を把持する構成としてなり、
削孔ロッドに回転力を与える駆動機構は、前記スピンドルに伝動機構を介してモータが連結され、スピンドル内を貫通しチャックピースで把持した削孔ロッドを、モータで駆動するスピンドルの回転で回転駆動させる構成としてなり、
打撃機構は、削孔ロッドが貫通する中空のウエイトハンマが、前記スピンドルと同心上に摺動自在に設けられ、このウエイトハンマの全部又は一部が、前記スピンドル内で内周面に沿って進退し、前記削孔ロッドを把持するチャックピースを軸方向に打撃する構成であって、該ウエイトハンマに付勢力を付与するばねと、回転することによって原位置から前記ウエイトハンマを係止して前記ばねの付勢力が増大する方向に移動させると共に所定位置で係止を解除する係止爪が設けられた回転体とを具備し、
前記回転体の係止爪は、回転体の胴部の両端に、径方向に外出して設けられ、ウエイト ハンマの回転体のそれぞれの係止爪が係止する部分はそれぞれ切欠きされた切欠部に形成 され、回転体の両端の係止爪は、ウエイトハンマの切欠部に位置しウエイトハンマの一部 を両側から挟む格好でウエイトハンマを係止し、ばねの付勢力が増大する方向に移動させ る構成であって、
回転体の回転でウエイトハンマを係止してばねの付勢力が増大する方向に移動させ、所定位置で係止を解除することによってウエイトハンマがその重力とばねの付勢力とによって原位置方向に移動し、ウエイトハンマの重力とばねの付勢力との加重された打撃力により削孔ロッドを把持したチャックピースを打撃することを特徴とする。
また、削孔ロッドをチャック(把持)しているチャックピースを直接打撃するので、打撃力が削孔ロッドに伝達されるまでに打撃エネルギーの減衰がほとんどなく打撃効率がきわめてよい。
また、削孔ロッドをチャックしているチャックピースを直接打撃するので、ドリルヘッド内部の装置や部品に打撃エネルギーが直接伝達しない。従って、打撃によるドリルヘッドの装置や部品の破壊が防止されるし、故障もなくなるものである。
さらに、回転体の係止爪は、ウエイトハンマの一部を両側から挟む格好で係止して持ち 上げ、落下させるので、ウエイトハンマが軸廻りに回転したり、位置の乱れがなく、精度 のよい作動が可能となる。
これにより前記作用の他にウエイトハンマがスピンドルの内周面と同一面か、内周面より引っ込んだ位置で進退することとなるため、貫通された削孔ロッドの通過に邪魔にならないし、削孔ロッドと接触しないので故障の原因にもならず、また、ウエイトハンマの動きもスムーズとなる。
これにより前記作用効果の他に打撃力、給進力および回転力の削孔ロッドへの伝達をより確実とすることができる。
(1)打撃力としてウエイトハンマの自由落下による重力とばねの付勢力が加重される。従って、大きな打撃力を付与できると共に、打撃力を、ウエイトハンマの重量及び持ち上げの高さ(落下させる高さ)だけでなく、ばねでもコントロールできる。ウエイトハンマの自由落下より落下スピードが速くなるので打撃回数をふやすことができるし、削孔効率を向上させることができる。
(3)回転体の回転でウエイトハンマの持ち上げ、落下を行うので、所定時間内の打撃回数の増減の調整が容易となるし、回転体の1回転でウエイトハンマでの打撃回数を複数とすることができるし、回転体の回転速度でも打撃回数の調整ができるので、ウエイトハンマの落下スピードが速くなるのと相俟って打撃回数を増やすことができる。
(5)ウエイトハンマにはばねの付勢力が作用するので、打撃力は垂直方向だけでなく斜め方向にも付与することができる。
(6)打撃力、回転力および給進力を選択的に付与できるし、打撃力の大きさの増減、打撃回数、回転数、等の調整が可能である。
(7)回転体の係止爪は、ウエイトハンマの一部を両側から挟む格好で係止して持ち上げ、落下させるので、ウエイトハンマが軸廻りに回転したり、位置の乱れがなく、精度のよい作動が可能となる。
(9)また、削孔ロッドをチャックしているチャックピースを直接打撃するので、ドリルヘッド内部の装置や部品に打撃エネルギーが直接伝達しない。従って、打撃によるドリルヘッドの装置や部品の破壊が防止されるし、故障もなくなるものである。
(10)打撃がスピンドルの内部で行われるので、打撃による騒音が外部に漏れ難く、騒音公害もほとんどない。
リーダ2には、スライドテーブル7がリーダ2に沿って摺動自在に設けられ、このスライドテーブル7にドリルヘッド3が固設される。このスライドテーブル7には、給進装置8が連結され進退される。この給進装置8としては、油圧シリンダ又は駆動モータからのスプロケットを介して駆動伝達されるフィールドチェーン等を例示することができる。
スピンドル13は、削孔ロッド9が貫通する中空円筒状であって、ヘッド本体3a内に回転可能で一定距離の進退が可能に取付けられる。このスピンドル13の下方には、復元用のばね23が配設され、打撃により移動した後には外力が取り除かれると元の位置に復帰する構成となっている。このばね23は緩衝の役目も担う。本例では、ばね23として板ばねを例示している。チャックピース14は、このスピンドル13に中心に向かって進退可能に設けられ、スピンドル13内を貫通する削孔ロッド9を把持する構成となっている。チャックピース14は、1箇所でもよいが、通常はスピンドル13の円周方向に、所定の間隔をおいて複数が設けられる。例えば、スピンドル13の円周方向に120度の間隔で3個が設けられ、削孔ロッド9は円周上の3箇所で把持される。チャックピース14の進退駆動は従来公知の手段が採用できる。例えば、チャックピース14の外側の傾斜面14aに、油圧でクサビ片を進退させチャックピースを進退させる構成を例示できる。
なお、チャックピース14は、スピンドル13に上下の位置を異にして、削孔ロッド9に打撃力と給進力を伝達する打撃・給進用チャックピースと、削孔ロッド9に回転力と伝達する回転伝達用チャックピースとを設ける構成としてもよい。このようにすると、チャックピース14を機能に対応した構成とすることができるし、チャックピース14の機能低下の発生も少なくなり、打撃力、給進力および回転力の削孔ロッド9への伝達をより確実とすることができるので好ましい。
スピンドルギア15は、スピンドル13の外周にスプライン結合16して設けられているので、両者は相対移動が可能となっている。従って、スピンドル13が進退する移動をしてもスピンドルギア15は、ギア18との噛合位置を維持することができる。
スピンドル13内を貫通する削孔ロッド9は、スピンドル13に設けたチャックピース14に把持されているので、モータ17の駆動によりギア18、15の伝動機構を介してスピンドル13を回転させることによって削孔ロッド9に回転力を伝達させることができ、それにより回転駆動させることができる。
また、ウエイトハンマ19に付勢力を付与するばね(本例では圧縮ばね)20は、図3に示すようにウエイトハンマ19とヘッド本体3aの天板3bとの間に設けられている。
また、回転体21の係止爪22は、図4に示すように回転体21の胴部21aの両端に、径方向(放射方向)に外出して設け、ウエイトハンマ19の回転体21のそれぞれの係止爪22、22が係止する部分は、それぞれ切欠きされた切欠部19a、19aに形成し、回転体21の両端の係止爪22は、ウエイトハンマ19の切欠部19aに位置し(即ち、切欠部19aに入り込んで)ウエイトハンマ19の一部19b(図4参照)を両側から挟む格好でウエイトハンマ19を係止し、ばね20の付勢力が増大する方向に移動させる構成とすると、ウエイトハンマ19の軸廻りの回転を防止できるし、位置ずれが生じないので好ましい。このように回転体21に設ける係止爪22は、単数でも複数でもよく、また、係止爪14を備える回転体21も単数でも複数でもよい。これに対応しウエイトハンマ19の切欠部19aも増減されるし、切欠部19aを設ける位置も変化する。
この時、モータ17の駆動を停止(OFF)してスピンドル13の回転を止め、打撃機構12だけの駆動でウエイトハンマ19だけを作動させウエイトハンマ19の打撃力と給進装置8の給進力だけを付与することも、また、打撃機構12の駆動を止め、モータ17の駆動によりスピンドル13だけを回転させ、回転力と給進力だけを付与することも可能である。
この実施例のドリルヘッド3は、削孔ロッド9を把持するチャック機構10、削孔ロッド9に回転力を与える駆動機構11および削孔ロッドに打撃力を与える打撃機構12を内蔵する。このドリルヘッド3が給進装置によりリーダに沿って進退するスライドテーブルに固設されていることはいうまでもない。
削孔ロッド9に回転力を与える駆動機構11は、スピンドル13に、スピンドルギア15,ギア18を介してモータ17が連結され、スピンドル13内を貫通しチャックピース14で把持した削孔ロッド9を、モータ17の駆動によるスピンドル13の回転で回転駆動させる構成としてなり、
打撃機構12は、削孔ロッド9が貫通する中空のウエイトハンマ19が、前記スピンドル13直上でスピンドル13と同心上に摺動自在に設けられ、このウエイトハンマ19の下方がスピンドル13内に挿入されスピンドル13内で内周面に沿って進退し、前記削孔ロッド9を把持するチャックピース14を軸方向に打撃する構成としてなる。
しかして、この図5および図6に示す実施例のドリルヘッド3においても、前記図1乃至図3に示したドリルヘッドと同様の作用をする。この図5および図6は、実施例としての具体例であるので、具体的な部材が表示されているが、図2および図3と対応して参照するとよく理解できる。
2 リーダ
3 貫通型ドリルヘッド
3a ヘッド本体
7 スライドテーブル
8 給進装置
9 削孔ロッド
10 チャック機構
11 駆動機構
12 打撃機構
13 スピンドル
14 チャックピース
15 スピンドルギア
17 モータ
18 ギア
19 ウエイトハンマ
19a 切欠部
20 ばね(圧縮ばね)
21 回転体
22 係止爪
Claims (3)
- ベースマシンに起倒自在に立設されたリーダに、給進装置によりリーダに沿って進退するスライドテーブルが摺動自在に設けられ、このスライドテーブルには貫通型ドリルヘッドが固設され、このドリルヘッドは、削孔ロッドを把持するチャック機構、削孔ロッドに回転力を与える駆動機構及び削孔ロッドに打撃力を与える打撃機構を内蔵し、チャック機構で把持した削孔ロッドに回転力、打撃力および給進力を与える削孔装置において、
チャック機構は、回転可能な筒状のスピンドルにチャックピースが設けられ、このチャックピースがスピンドル内を貫通する削孔ロッドの外周を把持する構成としてなり、
削孔ロッドに回転力を与える駆動機構は、前記スピンドルに伝動機構を介してモータが連結され、スピンドル内を貫通しチャックピースで把持した削孔ロッドを、モータで駆動するスピンドルの回転で回転駆動させる構成としてなり、
打撃機構は、削孔ロッドが貫通する中空のウエイトハンマが、前記スピンドルと同心上に摺動自在に設けられ、このウエイトハンマの全部又は一部が、前記スピンドル内で内周面に沿って進退し、前記削孔ロッドを把持するチャックピースを軸方向に打撃する構成であって、該ウエイトハンマに付勢力を付与するばねと、回転することによって原位置から前記ウエイトハンマを係止して前記ばねの付勢力が増大する方向に移動させると共に所定位置で係止を解除する係止爪が設けられた回転体とを具備し、
前記回転体の係止爪は、回転体の胴部の両端に、径方向に外出して設けられ、ウエイト ハンマの回転体のそれぞれの係止爪が係止する部分はそれぞれ切欠きされた切欠部に形成 され、回転体の両端の係止爪は、ウエイトハンマの切欠部に位置しウエイトハンマの一部 を両側から挟む格好でウエイトハンマを係止し、ばねの付勢力が増大する方向に移動させ る構成であって、
回転体の回転でウエイトハンマを係止してばねの付勢力が増大する方向に移動させ、所定位置で係止を解除することによってウエイトハンマがその重力とばねの付勢力とによって原位置方向に移動し、ウエイトハンマの重力とばねの付勢力との加重された打撃力により削孔ロッドを把持したチャックピースを打撃することを特徴とする削孔装置。 - 前記スピンドルは、ウエイトハンマの全部又は一部が位置する内径を径大部とし、ウエイトハンマの全部又は一部は、そのスピンドル内径の径大部に配設されてスピンドルの内周面に沿って摺動し、削孔ロッドを把持するチャックピースを軸方向に打撃するよう設けられていることを特徴とする請求項1記載の削孔装置。
- 前記チャックピースは、削孔ロッドに打撃力と給進力を伝達する打撃・給進用チャックピースと、削孔ロッドに回転力を伝達する回転伝達用チャックピースとで構成されていることを特徴とする請求項1または2記載の削孔装置。
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