JP4468035B2 - 積層フィルムまたは積層シートの製造方法およびその方法により製造される積層フィルムまたは積層シート - Google Patents

積層フィルムまたは積層シートの製造方法およびその方法により製造される積層フィルムまたは積層シート Download PDF

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Description

本発明は、例えば包装用途に用いられる積層フィルムまたは積層シートの製造方法およびその方法により製造される積層フィルムまたは積層シートに関する。
食品分野を筆頭に、押出ラミネート法による軟包装フィルムやそれを含むシートが盛んに生産されている。
軟包装フィルムとしては、具体的には醤油などの液体包装、わさびやみそ汁などの粘体物包装、漬け物などの水物包装、医薬品などの粉末包装、魚介乾燥品などの乾物包装、などの包装用フィルムが挙げられる。これらは二軸延伸ナイロン(以下、「ONy」ということがある。)や二軸延伸ポリエチレンテレフタレート(以下、「OPET」ということがある。)、二軸延伸ポリプロピレン(以下、「OPP」ということがある。)などを主とするプラスチック基材に、主としてヒートシール性に優れるポリエチレンを単層もしくは複層積層する構成を採っている。この際ポリエチレンと基材は異種材料であるために、接着するために主として基材側にアンカーコート剤を塗布することが行われている。
一方シートとしては、液体紙器が挙げられる。これはバリア層として無機蒸着ポリエチレンテレフタレートや有機コーティングフィルム、エチレン・ビニルアルコール共重合体(以下「EVOH」ということがある。)や塩化ビニリデンコートフィルム(以下、「Kコートフィルム」ということがある。)に、主としてポリエチレンを介して紙と積層する構成を採っている。用途は酒やジュースなどの食品パッケージが主であり、工業用オイルのパッケージとして使用される例もある。これらの液体紙器においても、ポリエチレンとバリア基材は異種材料の接着となるために、アンカーコート剤が使用される。
これらの積層方法としては、ドライラミネート法に代表される貼合ラミネート法も使用されるが、押出ラミネート法によることが多い。
ところが最近は、エコロジー性を重視する傾向や内容物への溶出など衛生性の問題、加工作業者の健康問題、さらには自治体による有機溶媒の排出規制条例の施行など、生産を行うには諸々の規制を受けやすい時勢となっている。
よって包装加工業者は水溶媒系アンカーコート剤への切替を迫られることになるが、耐ボイル性や接着強度の観点から、水溶媒系よりも有機溶媒系のアンカーコート剤の使用が主流である。しかしこの場合には上記問題に対処するためには、有機溶剤の完全除外装置の導入などの対応が必要となり、高額の出資が必要となる。その結果として、樹脂原料メーカーへのアンカーコート剤を使用せずに押出ラミネートが可能な樹脂または加工技術の開発が求められている。
本発明の課題は、アンカーコート剤を使用することなく、プラスチック基材とラミネート樹脂層との接着強度に優れた積層フィルムまたは積層シートの製造方法およびその方法により製造される積層フィルムまたは積層シートを提供することにある。
本発明は、下記積層フィルムまたは積層シートの製造方法およびその方法により製造される積層フィルムまたは積層シートに関する。
密度が910〜930(kg/m3)、メルトフローレートが0.1〜100(g/1
0分)の範囲にある高圧法低密度ポリエチレン(A):10〜99(wt%)と、密度が860〜890(kg/m3)、メルトフローレートが0.1〜100(g/10分)の
範囲にある低密度ポリエチレン(B):1〜90(wt%)からなり、結晶化度が25%〜60%の範囲にあるポリエチレン樹脂組成物を、下記工程(1)〜(3)を含む工程により、プラスチック基材(D)上に押出ラミネートし、アンカーコート剤を使用せずにラミネート樹脂層を形成することを特徴とする積層フィルムまたは積層シートの製造方法;(1)表面酸化処理工程:下記の式(C−1)または(C−2)を満たすように上記プラスチック基材の少なくとも一面に表面酸化処理を施す工程、
(C−1)プラスチック基材がポリエステル系樹脂の場合; △(O/C)≧0.08(C−2)プラスチック基材がポリエステル系樹脂以外の場合;△(O/C)≧0.05(但し、△(O/C)=(O/C)*−(O/C)0;ここで(O/C)0は表面酸化処理
を行っていないプラスチック基材の表面について、(O/C)*は表面酸化処理を行った
プラスチック基材の表面について、それぞれESCA(Electron Spectroscopy for Chemical Analysis)法により測定した酸素原子と炭素原子の各原子数の比を表す。)
(2)ガス処理工程:上記ポリエチレン組成物を180℃〜340(℃)の温度においてフィルム状に溶融押出し、該フィルムの少なくとも1面にガス処理を施す工程、
(3)圧着工程:上記表面酸化処理を行ったプラスチック基材の表面酸化処理面と、上記ガス処理を行ったフィルムのガス処理面とが接するように、プラスチック基材とフィルムとを接触させ、該プラスチック基材と該フィルムとを圧着する工程。
上記ポリエチレン樹脂組成物は、密度が910〜930(kg/m3)、メルトフローレートが0.1〜100(g/10分)の範囲にある高圧法低密度ポリエチレン(A):10〜30(wt%)と、密度が860〜890(kg/m3)、メルトフローレートが0.1〜100(g/10分)の範囲にある低密度ポリエチレン(B):30〜80(wt%)と、密度が890を超えて990(kg/m3)以下、メルトフローレートが0.1〜100(g/10分)の範囲にあるポリエチレン(C):10〜40(wt%)とからなっても良い。
上記ポリエチレン樹脂組成物と製造方法により製造される積層フィルムまたは積層シート。
その積層フィルムまたは積層シートを少なくとも1層含む、包装用積層フィルムまたは包装用積層シート。
上記表面酸化処理工程の前に、表面酸化処理工程に付すべきプラスチック基材を、40℃以上かつ基材の融点以下の温度で加熱する表面酸化前加熱工程を有する、積層フィルムまたは積層シートの製造方法。
上記圧着工程の後に、圧着工程で得られる積層フィルムまたは積層シートを、保温下、熟成する熟成工程を有する、積層フィルムまたは積層シートの製造方法。
上記熟成温度が30℃以上かつ50℃未満である、積層フィルムまたは積層シートの製造方法。
上記表面酸化処理工程の前に、表面酸化前加熱工程を有し、圧着工程の後に熟成工程を有する、積層フィルムまたは積層シートの製造方法。
上記表面酸化処理工程が、プラスチック基材の少なくとも一面にコロナ放電処理を施すコロナ放電処理工程である、積層フィルムまたは積層シートの製造方法。
上記コロナ放電処理工程におけるコロナ放電密度が40(W・分/m2)以上である、
積層フィルムまたは積層シートの製造方法。
上記表面酸化処理工程の前に、表面酸化前加熱工程を有し、上記表面処理工程がコロナ放電処理工程であり、かつ該コロナ放電処理におけるコロナ放電密度が10(W・分/m2)以上である、積層フィルムまたは積層シートの製造方法。
上記圧着工程の後に熟成工程を有し、上記表面酸化処理工程がコロナ放電処理工程であり、かつコロナ放電処理におけるコロナ放電密度が、10(W・分/m2)以上である、
積層フィルムまたは積層シートの製造方法。
上記表面酸化処理工程の前に表面酸化前加熱工程を有し、圧着工程の後に熟成工程を有し、上記表面酸化処理工程がコロナ放電処理工程であり、かつコロナ放電処理におけるコロナ放電密度が10(W・分/m2)以上である、積層フィルムまたは積層シートの製造
方法。
上記表面酸化処理工程が、プラスチック基材の少なくとも一面にプラズマ処理を施すプラズマ処理工程である、積層フィルムまたは積層シートの製造方法。
上記表面酸化処理工程が、プラスチック基材の少なくとも一面にフレームプラズマ処理を施すフレームプラズマ処理工程である、積層フィルムまたは積層シートの製造方法。
上記表面酸化処理工程が、プラスチック基材の少なくとも一面に電子線照射処理を施す電子線照射処理工程である、積層フィルムまたは積層シートの製造方法。
上記表面酸化処理工程が、プラスチック基材の少なくとも一面に紫外線照射処理を施す工程である、積層フィルムまたは積層シートの製造方法。
上記ガス処理工程がオゾン吹き付け処理であって、吹き付けるオゾン量が下式(C−3)を満たす、積層フィルムまたは積層シートの製造方法。
(C−3)1≦オゾン量(mg/m2)≦−0.5×Tx+170
(Txはオゾン処理を行うポリエチレン樹脂組成物のダイ直下樹脂温度、℃)
上記特定のポリエチレン樹脂組成物を用い、特定の工程を含む積層フィルムまたは積層シートの製造方法は、積層体をアンカーコート剤を使用せずに作製するのに好適である。
本発明に係る積層フィルムまたは積層シートの製造方法によると、アンカーコート剤を用いることなく、ポリエチレン樹脂組成物からなるラミネート樹脂層とプラスチック基材との接着強度に優れた積層フィルムまたは積層シートを得ることができる。
本発明に係る積層フィルムまたは積層シートは、ポリエチレン樹脂組成物からなるラミネート樹脂層とプラスチック基材との接着強度に優れる。
以下、本発明に係る積層フィルムまたは積層シートの製造方法およびその方法により製造される積層フィルムまたは積層シートについて具体的に説明する。
本発明に係る積層フィルムまたは積層シートの製造方法は、高圧法低密度ポリエチレン(A)と、低密度ポリエチレン(B)とからなり、結晶化度が25%〜60%の範囲にあるポリエチレン樹脂組成物、または高圧法低密度ポリエチレン(A)と、ポリエチレン(C)と、必要により低密度ポリエチレン(B)とからなり、:10〜90(wt%)と、(B)密度が860〜890(kg/m3)、メルトフローレートが0.1〜100(g
/10分)の範囲にある:0〜80(wt%)と、結晶化度が25%〜60%の範囲にあるポリエチレン樹脂組成物を、下記工程(1)〜(3)を含む工程により、プラスチック基材(D)上に押出ラミネートし、アンカーコート剤を使用せずにラミネート樹脂層を形成する。
[高圧法低密度ポリエチレン(A)]
本発明で用いられる高圧法低密度ポリエチレン(A)は、エチレンをラジカル重合触媒の存在下、高圧の下で製造したポリエチレンであって、必要に応じ他のビニルモノマーが少量共重合されていてもよい。
重合に用いる反応器としては、オートクレーブ型反応器でもチューブラー型反応器でも良い。オートクレーブ型反応器で重合される場合、一般にチューブラー型反応器による重合品よりも溶融張力が高くなるために、押出ラミネーションには好適である。一方チューブラー型反応器でも、重合条件によって押出ラミネーションに適する高い溶融張力を得ることも出来る。
本発明で用いられる高圧法低密度ポリエチレン(A)は、密度(ASTM D 1505)が91
0〜930(kg/m3)、好ましくは915〜925(kg/m3)の範囲にある。密度が上記範囲にある高圧法低密度ポリエチレン(A)を用いると、耐ブロッキング性および押出加工性に優れたポリエチレン樹脂組成物が得られる。
なお密度は、190℃における2.16kg荷重でのメルトフローレート(MFR)測定時に得られるストランドを沸騰水で30分熱処理し、1時間かけて室温まで徐冷したのち、密度勾配管で測定する。
また、この高圧法低密度ポリエチレン(A)のメルトフローレート(MFR、ASTM D 1238,190℃、荷重2.16kg)は、0.1〜100(g/10分)、好ましくは1
〜30(g/10分)の範囲にある。メルトフローレートが上記範囲にある高圧法低密度ポリエチレン(A)を用いると、押出加工性が向上する。
[低密度ポリエチレン(B)]
低密度ポリエチレン(B)は、メタロセン系、チタン系、クロム系、フェノキシイミン系等のオレフィン重合用触媒を用いて調製されたエチレン単独重合体、またはエチレンと炭素原子数3〜20のα−オレフィンとを共重合して得られるエチレン・α−オレフィン共重合体である。このエチレン・α−オレフィン共重合体は、直鎖状あるいは分岐状低密度ポリエチレンであってもよい。
低密度ポリエチレン(B)は、特にメタロセン系オレフィン重合用触媒を用いて調整すると、分布の狭い重合体が得られるために低分子量低密度成分の生成が少なく、本願に関する用途には有効である。
(メタロセン系触媒)
メタロセン系触媒は、通常、シクロペンタジエニル骨格を有する配位子を少なくとも1個有する周期表第4族の遷移金属化合物からなるメタロセン化合物(a1)、有機アルミニウムオキシ化合物(b)、微粒子状担体(c)、および必要に応じて有機アルミニウム化合物(d)、イオン化イオン性化合物(e)から形成される。
本発明で好ましく用いられるメタロセン化合物(a1)としては、シクロペンタジエニル骨格を有する配位子を少なくとも1個有する周期表第4族の遷移金属化合物がある。このような遷移金属化合物としては、たとえば下記の一般式(I)で示される遷移金属化合物が挙げられる。
ML1 x ・・・(I)
式中、xは、遷移金属原子Mの原子価である。
Mは、周期表第4族から選ばれる遷移金属原子であり、具体的には、ジルコニウム、チタン、ハフニウムである。中でも、ジルコニウムが好ましい。
1は、遷移金属原子Mに配位する配位子であり、これらのうち、少なくとも1個の配
位子L1は、シクロペンタジエニル骨格を有する配位子である。上記のような遷移金属原
子Mに配位するシクロペンタジエニル骨格を有する配位子L1としては、具体的には、シ
クロペンタジエニル基、アルキル置換シクロペンタジエニル基、あるいはインデニル基、4,5,6,7−テトラヒドロインデニル基、フルオレニル基などが挙げられる。これらの
基は、ハロゲン原子、トリアルキルシリル基などで置換されてもよい。
上記一般式[I]で表される化合物がシクロペンタジエニル骨格を有する基を2個以上含む場合には、そのうち2個のシクロペンタジエニル骨格を有する基同士は、エチレン、プロピレンなどのアルキレン基;シリレン基;ジメチルシリレン基、メチルフェニルシリレン基などの置換シリレン基などを介して結合されていてもよい。
メタロセン系触媒に用いられる有機アルミニウムオキシ化合物(b)としては、アルミノオキサンが好ましい。具体的には、式
−Al(R)O− [但し、Rはアルキル基である]
で表される繰り返し単位が通常3〜50程度のメチルアルミノオキサン、エチルアルミノオキサン、メチルエチルアルミノオキサンなどが用いられる。
メタロセン系触媒に用いられる微粒子状担体(c)は、無機または有機の化合物であって、粒径が通常10〜300μm程度であり、好ましくは20〜200μmの顆粒状ないし微粒子状の固体である。無機担体としては多孔質酸化物が好ましく、具体的にはSiO2、Al23、MgO、ZrO2、TiO2等を例示することができる。
メタロセン系触媒において必要に応じて用いられる有機アルミニウム化合物(d)としては、具体的には、トリメチルアルミニウム等のトリアルキルアルミニウム、ジメチルアルミニウムクロリド等のジアルキルアルミニウムハライド、メチルアルミニウムセスキクロリド等のアルキルアルミニウムセスキハライド等を例示することができる。
メタロセン系触媒に用いられるイオン化イオン性化合物(e)としては、たとえばUSP5,321,106号公報に記載されたトリフェニルボロン、MgCl2、Al23、S
iO2−Al23などのルイス酸;トリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオ
ロフェニル)ボレート等のイオン性化合物;ドデカボラン、ビス−n−ブチルアンモニウム(1−カルベドデカ)ボレート等のカルボラン化合物が挙げられる。
(チタン系触媒)
チタン系触媒としては、炭化水素不溶性の固体担体に担持されたチタン系固体触媒と有機アルミニウム化合物からなる触媒が挙げられる。
チタン系固体触媒としては、ハロゲン化マグネシウム、特に塩化マグネシウムまたは酸化マグネシウムを含有する化合物に担持されたチタン系触媒であって、Cl/Ti(重量比)が好ましくは5〜150、Ti/Mg(モル比)が好ましくは3〜90の範囲にあり、表面積が70m2/g以上、好適には150m2/g以上であるものを用いることが望ましい。
チタン系触媒に用いられる有機アルミニウム化合物としては、実験式 RnAlX3-n (但し、Rはアルキル基などの炭化水素基、1≦n≦3、Xは水素、塩素、炭素数2〜4のアルコキシ基)で示される有機アルミニウム化合物が共触媒として好ましく用いられる。
平均組成がこれらの実験式になる限り、2以上の混合物であってもよい。
(フェノキシイミン系触媒)
フェノキシイミン系触媒としては、(A)下記一般式(II)で表される遷移金属化合物と、必要に応じて(B)(B−1)有機金属化合物、(B−2)有機アルミニウムオキシ化合物、および(B−3)遷移金属化合物と反応してイオン対を形成する化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物とからなる。
遷移金属化合物(A)は、例えば下記に記載する一般式(II)で表される。
Figure 0004468035
式中、Mは周期表第4〜5族の遷移金属原子を示し、具体的にはチタン、ジルコニウム、ハフニウム、バナジウム、ニオブ、タンタルなどであり、好ましくはチタン、ジルコニウム、ハフニウムであり、特に好ましくはジルコニウムである。
なお、N……Mは一般的には配位していることを示すが、本発明においては配位していてもしていなくてもよい。
1は芳香族炭化水素基もしくは脂環式炭化水素基で置換されていてもよい脂肪族炭化
水素基であって総炭素原子数5以上、好ましくは5〜30の基、または、芳香族炭化水素基もしくは脂肪族炭化水素基で置換されていてもよい脂環式炭化水素基であって総炭素原子数7以上、好ましくは7〜30の基を示す。
2〜R5は、互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、炭化水素基、炭化水素置換シリル基、酸素含有基、窒素含有基またはイオウ含有基を示す。
6は、炭化水素基または炭化水素置換シリル基を示し、具体的には上記R2〜R5とし
て例示したものと同様のものが挙げられる。
2〜R6は、これらのうちの2個以上の基、好ましくは隣接する基が互いに連結して脂肪環、芳香環または、窒素原子などの異原子を含む炭化水素環を形成していてもよく、これらの環はさらに置換基を有していてもよい。
mは、1または2を示し、好ましくは2である。mが2の場合には、いずれか1つの配位子に属するR2〜R6で示される基のうちの少なくとも1個の基と、他の配位子に属するR2〜R6で示される基のうちの少なくとも1個の基とが連結されていてもよく、またmが2の場合には、R1同士、R2同士、R3同士、R4同士、R5同士、R6同士は、互いに同一でも異なっていてもよく、nはMの価数を満たす数であり、具体的には2〜4の整数であり、好ましくは2である。
Xは水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、酸素含有基、イオウ含有基、窒素含有基、ホウ素含有基、アルミニウム含有基、リン含有基、ハロゲン含有基、ヘテロ環式化合物残基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基またはスズ含有基を示す。
フェノキシイミン系触媒に用いられる(B−1)有機金属化合物として、具体的には下記のような周期表第1、2族および第12、13族の有機金属化合物が挙げられる。
(B-1a) 一般式 Ra m Al(ORb)npq
(式中、Ra およびRb は、互いに同一でも異なっていてもよく、炭素原子数が1〜15、好ましくは1〜4の炭化水素基を示し、Xはハロゲン原子を示し、mは0<m≦3、nは0≦n<3、pは0≦p<3、qは0≦q<3の数であり、かつm+n+p+q=3である。)
で表される有機アルミニウム化合物。
(B-1b) 一般式 M2 AlRa 4
(式中、M2 はLi、NaまたはKを示し、Ra は炭素原子数が1〜15、好ましくは1〜4の炭化水素基を示す。)
で表される1族金属とアルミニウムとの錯アルキル化物。
(B-1c) 一般式 Rab3
(式中、Ra およびRb は、互いに同一でも異なっていてもよく、炭素原子数が1〜15、好ましくは1〜4の炭化水素基を示し、M3 はMg、ZnまたはCdを示す。)
で表される2族または12族金属のジアルキル化合物。
フェノキシイミン系触媒に用いられる(B−2)有機アルミニウムオキシ化合物は、従来公知のアルミノキサンであってもよく、また特開平2−78687号公報に例示されているようなベンゼン不溶性の有機アルミニウムオキシ化合物であってもよい。
フェノキシイミン系触媒に用いられる遷移金属化合物(A)と反応してイオン対を形成する化合物(B−3)としては、特開平1−501950号公報、特開平1−502036号公報、特開平3−179005号公報、特開平3−179006号公報、特開平3−207703号公報、特開平3−207704号公報、USP−5321106号明細書などに記載されたルイス酸、イオン性化合物、ボラン化合物およびカルボラン化合物などを挙げることができる。さらに、ヘテロポリ化合物およびイソポリ化合物も挙げることができる。
エチレンとの共重合に用いられる炭素原子数3〜20のα−オレフィンとしては、具体的には、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセンなどが挙げられる。これらの中では、炭素原子数3〜10のα−オレフィン、特に炭素原子数4〜8のα−オレフィンが好ましい。上記のようなα−オレフィンは、単独で、または2種以上組合わせて用いることができる。
本発明で用いられる低密度ポリエチレン(B)は、エチレンから導かれる構成単位が86モル%〜92モル%、好ましくは86モル%〜89モル%の量で存在し、炭素原子数3〜20のα−オレフィンから導かれる構成単位が8モル%〜14モル%、好ましくは11モル%〜14モル%の量で存在することが望ましい。
本発明で用いられる低密度ポリエチレン(B)は、密度(ASTM D 1505)が860〜8
90(kg/m3)、好ましくは860〜875(kg/m3)である。密度が上記範囲にある低密度ポリエチレン(B)を用いると、ブレンド後の樹脂組成物の結晶化度が低下し
、良好な接着強度が得られる。
エチレ・α−オレフィン共重合体の密度はα−オレフィン含量に依存しており、α−オレフィン含量が少ないほど密度は高く、α−オレフィン含量が多いほど密度は低くなる。また、エチレン・α−オレフィン共重合体中のα−オレフィン含量は、重合系内におけるα−オレフィンとエチレンとのガス組成比(α−オレフィン/エチレン)により決定されることが知られている(例えばWalter Kaminsky, Makromol.Chem. 193, p.606(1992))。このため、α−オレフィン/エチレン比を増減させることで、請求範囲の下限・上限の密度を有するポリエチレンを製造することが可能である。
なお密度は、190℃における2.16kg荷重でのメルトフローレート(MFR)測定時に得られるストランドを金属板に受け取り、密度勾配管で測定する。
また、この低密度ポリエチレン(B)のMFR(ASTM D 1238,190℃、荷重2.1
6kg)は、通常0.1〜100(g/10分)、好ましくは1〜30(g/10分)の範囲にある。
メルトフローレート(MFR)は分子量に強く依存しており、メルトフローレート(MFR)が小さいほど分子量は大きく、メルトフローレート(MFR)が大きいほど分子量は小さくなる。また、エチレン系重合体の分子量は、重合系内における水素とエチレンとのガス組成比(水素/エチレン)により決定されることが知られている(例えば、Kazuo Soga, KODANSHA"CATALYTIC OLEFIN POLYMERIZATION",p376(1990))。このため、水素/エチレン比を増減させることで、請求範囲の上限・下限のメルトフローレート(MFR)を有するポリエチレンを製造することが可能である。
上記のような低密度ポリエチレン(B)は、たとえば特開平6−9724号公報、特開平6−136195号公報、特開平6−136196号公報、特開平6−207057号公報等に記載されているメタロセン触媒成分を含む、いわゆるメタロセン系オレフィン重合用触媒の存在下に、エチレンと炭素原子数3〜20のα−オレフィンとを共重合させることによって製造することが好ましい。
低密度ポリエチレン(B)の製造を行う重合反応器については、有機溶媒に重合生成物を溶解させながら重合を行う「溶液法」や、溶媒を用いない「気相法(連続流動床方式、高圧イオン重合法)」が好適である。有機溶媒を用いながら重合生成物を溶解させずに重合させる「スラリー法」は、低密度ポリエチレン(B)の密度が低いために一般には適用が困難である。しかしスラリー法においても、重合条件を調整して、例えば非常な低温度で重合するなどの手法で低密度ポリエチレン(B)を得ることが出来れば、本発明に使用することは問題はない。
[ポリエチレン(C)]
ポリエチレン(C)は、上述したようなメタロセン系やチタン系、クロム系およびフェノキシイミン系等のオレフィン重合用触媒を用いて調製したエチレン単独重合体、またはエチレンと炭素原子数3〜20のα−オレフィンとを共重合して得られる高密度エチレン・α−オレフィン共重合体である。この高密度エチレン・α−オレフィン共重合体は、直鎖状あるいは分岐状高密度ポリエチレンであってもよい。但しポリエチレン(C)は高圧法低密度ポリエチレン(A)とは異なり、例えば(C)としては(A)より密度が小さいもの、またはMFRの値が高いものが用いられる。
ポリエチレン(C)の製造に用いる触媒や方法については、低密度ポリエチレン(B)の項に記載した内容と同一の手法を採ることができる。
但し、ポリエチレン(C)の製造を行う重合反応器については、有機溶媒に重合生成物
を溶解させながら重合を行う「溶液法」や、溶媒を用いない「気相法(連続流動床方式、高圧イオン重合法)」、有機溶媒を用いながら重合生成物を溶解させずに重合させる「スラリー法」など、上記触媒や方法を満たしていれば、いずれの重合反応器による重合品でも本発明に使用することは問題はない。
同じく密度やMFRの調整についても、低密度ポリエチレン(B)の項に記載した内容と同一の手法を取ることができる。
エチレンとの共重合に用いられる炭素原子数3〜20のα−オレフィンの具体例としては、上述した低密度ポリエチレン(B)の具体例と同様のα−オレフィンを挙げることができ、中でも、炭素原子数3〜10のα−オレフィン、特に炭素原子数4〜8のα−オレフィンが好ましい。上記のようなα−オレフィンは、単独で、または2種以上組合わせて用いることができる。
ポリエチレン(C)は、エチレンから導かれる構成単位が92モル%〜100モル%、好ましくは92モル%〜100モル%未満、さらに好ましくは92モル%〜98モル%で存在し、炭素原子数3〜20のα−オレフィンから導かれる構成単位が0モル%〜8モル%、好ましくは0モル%を超えて8モル%以下、さらに好ましくは2モル%〜8モル%の量で存在することが望ましい。
ポリエチレン(C)は、密度(ASTM D 1505)が890を超えて990(kg/m3)以下、好ましくは890を超えて945(kg/m3)以下であり、さらに好ましくは89
0を超えて925(kg/m3)以下である。密度が上記範囲にあるポリエチレン(C)
を用いると、フィルム強度など機械物性に優れるポリエチレン樹脂組成物が得られる。
また、このポリエチレン(C)のMFR(ASTM D 1238,190℃、荷重2.16kg
)は、通常0.1〜100(g/10分)、好ましくは1〜30(g/10分)の範囲にある。
なお密度は、190℃における2.16kg荷重でのメルトフローレート(MFR)測定時に得られるストランドを沸騰水で30分熱処理し、1時間かけて室温まで徐冷したのち、密度勾配管で測定する。
[ポリエチレン樹脂組成物]
本発明で用いられるポリエチレン樹脂組成物は、上記高圧法低密度ポリエチレン(A):10〜99(wt%)、上記低密度ポリエチレン(B):1〜90(wt%)からなり、結晶化度が25%〜60%の範囲にあり、好ましくは上記高圧法低密度ポリエチレン(A):10〜99(wt%)、上記低密度ポリエチレン(B):1〜90(wt%)からなり、結晶化度が30%〜40%の範囲にある。
または、本発明で用いられるポリエチレン樹脂組成物は、上記高圧法低密度ポリエチレン(A):10〜90(wt%)、上記低密度ポリエチレン(B):0〜80(wt%)、上記ポリエチレン(C):10〜90(wt%)からなり、結晶化度が25%〜60%、好ましくは30%〜40%である。
各成分の配合をこの様な割合とすることで結晶化度が適当な値となり、かつ溶融張力も適当な値となるために押出ラミネート適性も得られ、アンカーコート剤を使用せずに異種材料に直接ラミネート成形を行うに優れるポリエチレン樹脂組成物となる。
ポリエチレン樹脂組成物の結晶化度を選定することで、冷却工程時のポリエチレン樹脂組成物の収縮を抑制してラミネート界面の歪みを抑えることが可能となり、組成物からな
るラミネート樹脂層と基材間の接着強度が向上する。
結晶化度が60%を超えると、アンカーコート剤を使用せずに異種プラスチック基材に押出ラミネートしたときに接着強度が得られないことがある。これは結晶化による収縮が大きいためである。
一方結晶化度が25%より下がると、低分子量低密度成分が多く含まれる。この低分子量低密度成分はアンカーコート剤を使用せずに押出ラミネートした基材との界面にブリードして蓄積されるために、やはり接着強度が低下する。
また低密度ポリエチレン(B)は、特にメタロセン系オレフィン重合用触媒を用いて調整すると分布の狭い重合体が得られるために低分子量低密度成分の生成が少なく、同様の理由で本願に関する用途には有効である。
高圧法低密度ポリエチレン(A)と低密度ポリエチレン(B)から成るポリエチレン樹脂組成物では、高圧法低密度ポリエチレン(A)の効果によって、特に加工性に優れる特徴が得られる。
高圧法低密度ポリエチレン(A)と低密度ポリエチレン(B)およびポリエチレン(C)から成るポリエチレン樹脂組成物では、ポリエチレン(C)の効果によって、特に積層フィルムや積層シートに仕上げた際の機械物性に優れる特徴が得られる。例えば破袋強度や耐突き刺し強度、耐ピンホール性などに優れることが挙げられる。
結晶化度は、樹脂組成物を構成する(A)〜(C)のポリエチレンの密度と混合比によって、調整することができる。
本発明で用いられるポリエチレン樹脂組成物は、高圧法低密度ポリエチレン(A)と低密度ポリエチレン(B)、または高圧法低密度ポリエチレン(A)とポリエチレン(C)と必要により低密度ポリエチレン(B)を、必要により用いられる酸化防止剤、滑剤、帯電防止剤などの上記添加剤とともに、バンバリーミキサー、ヘンシェルミキサー、V型ブレンダーまたは押出機等の混合装置を用いて、常温〜250℃で混合することにより得られる。この際窒素シールや真空シールを実施することで、ポリエチレンの劣化に由来するゲルの発生を防ぐことができる。
また、ポリエチレン樹脂組成物には、必要に応じて、従来公知のアンチブロッキング剤、防曇剤、静電防止剤、酸化防止剤、耐候安定剤、熱安定剤、滑剤などの添加剤を、本発明の目的を損なわない範囲で配合することができる。
(結晶化度)
ポリエチレン樹脂組成物の結晶化度は、以下の手法、条件にて測定される。
1.装置仕様
システム:理学電機株式会社製 X線回折装置 RINT2500VHF/PC
測定装置:縦型WAXDゴニオメータ
フォーカス:ラインフォーカス
検出器:シンチレーションカウンタ
モノクロメータ:湾曲グラファイトモノクロメータ
管球:Cu
スリット系:発散・散乱スリット…可変スリット、受光スリット…0.8mm
2.測定条件
管電圧値/管電流値=50kV/100mA
測定範囲(2θ)=5度〜35度
スキャンスピード=1度/分
サンプリング幅=0.004度
3.解析方法
S.L.Aggarwal、G.P.Tilleyの方法による(Journal of Polymer Sciense No.XVIII.p.17〜26、1955)
4.試料作製条件
プレスシート:設定温度=150℃、予熱時間=5分、加圧時間=5分、
加圧=50kgf/cm2、厚み=1mmt
冷却方法:25℃冷却水循環の冷却プレスにて5分間冷却
[プラスチック基材(D)]
本発明で用いられるプラスチック基材とは、熱可塑性または熱硬化性の高分子からなるフィルムまたはシートをいい、熱可塑性樹脂からなるものが好ましい。プラスチック基材に用いられる樹脂としては、例えばナイロン系樹脂、ポリエステル系樹脂、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリビニルアルコール、ポリプロピレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、エチレン系共重合体、アイオノマー樹脂、セロハン、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、ポリウレタン、フッ素樹脂、ポリアクリロニトリル、ポリブテン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアリレート樹脂、アセチルセルロースなどが挙げられ、ナイロン、PET(ポリエチレンテレフタレート)、ポリプロピレン等が好ましい。
プラスチック基材は、上記樹脂の単体およびこれらの積層フィルムまたは積層シート、さらにその延伸物、塗工物、織物、不織布などが用いられる。また、これらの樹脂の(積層)フィルムまたは(積層)シートとアルミニウム、鉄、紙などとの貼合品であって、これら樹脂を接合面に設けた積層体などが用いられる。
上記樹脂の塗工物であるフィルムまたはシートとして、塗工前の基材の片面もしくは両面に無機蒸着を施してその蒸着面の表面に上記プラスチック基材と同様のプラスチック材料によって薄層コート(プライマー処理)を施した無機蒸着バリアフィルムや、塗工前の基材の片面もしくは両面に上記プラスチック基材と同様のプラスチック材料によって薄層コートが形成されその内部には精密に配向制御された無機薄層結晶板が含まれるナノコンポジット有機コーティングバリアフィルムを用いることもできる。これらプラスチック基材には予め印刷が施されていてもよい。
本発明で用いられるプラスチック基材についてさらに具体的に説明すると、プラスチック基材が二種類以上の異種材料から構成されている積層体(以下、「プラスチック積層基材」ということがある。)としては、例えば表面酸化処理を施す面がキャスト法やテンター法、およびインフレーション法などのフィルム成形法で成形されたものや、他のプラスチック基材と、例えばドライラミネーション法やウェットラミネーション法などの貼合ラミネーション法で積層されたものなどが挙げられる。具体的には、二軸延伸ポリプロピレンフィルムとエチレン−ビニルアルコール共重合体フィルムのドライラミネートフィルム(以下、「OPP/EVOH」ということがある。)や、二軸延伸ポリエステルフィルムと二軸延伸ナイロンフィルムのドライラミネートフィルム(以下、「PET/ONy」ということがある。)などの二層となったプラスチック積層基材が挙げられる。
また押出ラミネーション加工法による、主繰り出しから繰り出されたプラスチック基材に、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、エチレン系共重合体などのポリオレフィン系樹脂、アイオノマー系樹脂、ポリエステル系樹脂、ナイロン系樹脂、エチレン−ビニルアルコール共重合体などの糊層(または中間層、一度貼り層)と称される層が押出ラミネートされたプラスチック積層基材が挙げられる。
このような方法で積層された二層からなるプラスチック積層基材としては、例えば二軸
延伸ナイロンフィルム、二軸延伸ポリエステルフィルム、二軸延伸ポリプロピレンフィルム、二軸延伸エチレン−ビニルアルコール共重合体フィルムなどにポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、エチレン系共重合体などのポリオレフィン系樹脂が押出ラミネーション法で積層されたプラスチック積層基材などが挙げられる。
さらに、三層からなるプラスチック積層基材としては、OPPとEVOHのドライラミネートフィルム、PETとONyのドライラミネートフィルム、ONyとEVOHのドライラミネートフィルムなどの二層からなる積層体に、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、エチレン系共重合体などのポリオレフィン系樹脂が押出ラミネーション法で積層された三層からなるプラスチック積層基材などが挙げられる。
また、プラスチック材料と紙、アルミニウム箔などのプラスチック材料以外の包装材料とが、二層以上で積層された積層体を用いることもできる。このような積層体としては、例えば紙やアルミニウム箔基材上に樹脂が押出ラミネーション法で積層された少なくとも二層からなるプラスチック積層基材が挙げられる。
このような方法で積層された少なくとも二層からなるプラスチック積層基材としては、例えば紙基材にポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、エチレン系共重合体などのポリオレフィン系樹脂やアイオノマ系樹脂、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ナイロン系樹脂、ポリエステル系樹脂などが押出ラミネーション法で積層されたプラスチック積層基材が挙げられる。また、アルミニウム箔基材にポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、エチレン系共重合体などのポリオレフィン系樹脂やアイオノマ系樹脂などが押出ラミネーション法で積層されたプラスチック積層基材が挙げられる。
また、押出ラミネーション法以外で、プラスチック材料と紙、アルミニウム箔などのプラスチック材料以外の包装材料とが、二層以上で積層された積層体としては、例えばドライラミネーション法やウェットラミネーション法などの貼合ラミネーション法で積層されたプラスチック積層基材が挙げられ、具体的にはアルミニウム箔と二軸延伸ポリエステルフィルムのドライラミネートフィルム(以下、「AL/PET」ということがある。)や、アルミニウム箔と二軸延伸ナイロンフィルムのドライラミネートフィルム(以下、「AL/ONy」ということがある。)などの二層となったプラスチック積層基材が挙げられる。
さらに、押出ラミネーション法以外で二層以上で積層された積層体として、上記プラスチック基材を形成する樹脂と同様のプラスチック材料を、上記プラスチックの片面もしくは両面に設けられた無機蒸着層の表面にコート(プライマー処理)した、無機蒸着バリアフィルムが挙げられる。また上記プラスチック基材を形成する樹脂と同様のプラスチック材料を上記プラスチック基材の片面もしくは両面に薄層コートして、その薄層コートの内部に精密に配向制御された無機薄層結晶板を含有するナノコンポジット有機コーティングバリアフィルムが挙げられる。
プラスチック基材の肉厚は押出ラミネート加工が可能であれば特に制約を受けるものではないが、好ましくは1〜10000μm、さらに好ましくは5〜500μmの範囲がよい。
[成形方法]
本発明においては、上記ポリエチレン樹脂組成物を使用するとともに下記(1)〜(3)の工程を含む成形方法を併用することで、押出ラミネートにおける良好な接着強度が得られる。
[(1)表面酸化処理工程]
表面酸化処理工程は、プラスチック基材の少なくとも一面に表面酸化処理を施すことにより、基材の接着面に一定レベル以上の酸化活性化点を発生させ、強固な接着を可能にする工程である。表面酸化処理工程は、具体的には、コロナ放電処理工程、プラズマ処理工程、フレームプラズマ処理工程、電子線照射処理工程、紫外線照射処理工程などにより実施される。以下に、表面酸化処理工程の具体的実施態様について説明する。
コロナ放電処理工程は、プラスチック基材の少なくとも一面にコロナ放電処理を施す工程である。コロナ放電処理は、例えば公知のコロナ放電処理器を用い、発生させたコロナ雰囲気にプラスチック基材を通過させることにより行われる。ここで、接着強度を高水準に維持するという観点からは、コロナ放電密度は、40(W・分/m2)以上が好ましく
、さらに好ましくは50(W・分/m2)以上である。コロナ放電密度の上限は特にない
が、経済性の観点から200(W・分/m2)以下が好ましい。ただし、表面酸化前加熱
工程(後述)および/または熟成工程(後述)を用いる場合の好ましいコロナ放電密度は、10(W・分/m2)以上である。
プラズマ処理工程は従来公知の方法により実施することができ、例えば、アルゴン、ヘリウム、クリプトン、ネオン、キセノン、水素、窒素、空気などの単体または混合気体をプラズマジェットで電子的に励起せしめた後、帯電粒子を除去し、電気的に中性とした励起不活性ガスを、プラスチック基材の表面に吹き付けることにより実施できる。
フレームプラズマ処理工程は従来公知の方法により実施することができ、例えば、天然ガスやプロパンなどの可燃性ガスを燃焼させた時に生じる火炎内のイオン化したプラズマを、プラスチック基材の表面に吹き付けることにより実施できる。
電子線照射処理工程は従来公知の方法により実施することができ、例えば、プラスチック基材の表面に、電子線加速器により発生させた電子線を照射することにより行われる。電子線照射装置としては、例えば、線状のフィラメントからカーテン状に均一な電子線を照射できる装置「エレクトロンカーテン」(商品名)を使用することができる。
紫外線照射処理工程は従来公知の方法により実施することができ、例えば、例えば200〜400μmの波長の紫外線を、プラスチック基材の表面に照射することにより実施される。
以上の表面酸化処理工程の中で、コロナ放電処理工程が好ましい。
本発明では上述したような表面酸化処理は、プラスチック基材の圧着に付す面が下記式で表される関係を満たすように施される。
(C−1)プラスチック基材がポリエステル系樹脂の場合
△(O/C)≧0.08
(C−2)プラスチック基材がポリエステル系樹脂以外の場合
△(O/C)≧0.05
また、好ましくは、下記式で表される関係を満たすように施される。
(C−1−2)プラスチック基材がポリエステル系樹脂の場合
△(O/C)≧0.10
(C−2−2)プラスチック基材がポリエステル系樹脂以外の場合
△(O/C)≧0.07
但し、△(O/C)=(O/C)*−(O/C)0であり、ここで(O/C)0は表面酸
化処理を行っていない面のプラスチック基材表面について、ESCA法により測定した酸素原子と炭素原子の各原子数の比を表し、(O/C)*は上記表面酸化処理を行った面の
プラスチック基材表面について、ESCA法により測定した酸素原子と炭素原子の各原子
数の比を表す。
プラスチック基材の(O/C)0の定義について具体例を挙げて説明する。一般に市販
のプラスチック基材は、予め基材メーカーで既に少なくとも片面にコロナ放電処理などの表面酸化処理が施されている場合が多い。例えば、表面酸化処理が片面にのみ施されたプラスチック基材を用いる場合は、表面酸化処理が施されていない面を該基材の基準面とし、この面についてESCA法により測定した酸素原子と炭素原子の比で表された(O/C)を該基材の(O/C)0とする。
また、表面酸化処理が両面に施されたプラスチック基材を用いる場合は、該プラスチック基材と同一基材メーカーであって、かつ同一組成の原料および同一方法から製造される、少なくとも片面が表面酸化処理されていないプラスチック基材の、該処理が施されていない面についてESCA法により測定された酸素原子と炭素原子の比で表された(O/C)を該基材の(O/C)0とする。
次に、プラスチック基材が二種類以上の異種材料から構成されている積層体(プラスチック積層基材)を用いる場合、(O/C)0は上記と同様に定義される。すなわち、プラ
スチック積層基材の場合であっても、表面酸化処理を施す面のプラスチック基材単体を取り上げて考える。つまり、該プラスチック基材が表面酸化処理を片面にのみ施されたプラスチック基材である場合は前述した通り、表面酸化処理が施されていない面を該基材の基準面とし、この面についてESCA法により測定した酸素原子と炭素原子の比で表された(O/C)が該基材の(O/C)0となる。
また、プラスチック基材の両面が既にコロナ放電処理などの表面酸化処理が施されている場合であっても前述と同様に、該プラスチック基材と同一基材メーカーであって、かつ、同一組成の原料および同一方法から製造される片面にのみ表面酸化処理が施されている基材表面の内、該処理が施されていない面についてESCA法により測定した酸素原子と炭素原子の比で表された(O/C)が該基材の(O/C)0 とする。
また押出ラミネーション加工法による、主繰り出しから繰り出されたプラスチック基材に、糊層(または中間層、一度貼り層)と称される層が押出ラミネートされたプラスチック積層基材についても、同様に定義される。
このように、プラスチック基材上に樹脂が押出ラミネーション法で積層された少なくとも二層以上からなるプラスチック積層基材の場合は、押出ラミネーション法によって成形された樹脂表面について考える。つまり、本発明の表面酸化処理を施していない該樹脂表面が基準面となり、この面についてESCA法により測定した酸素原子と炭素原子の比で表された(O/C)が該基材の(O/C)0となる。
さらにプラスチック材料と紙、アルミニウム箔などのプラスチック材料以外の包装材料とが、二層以上で積層されたプラスチック積層基材の場合は、前述した通り押出ラミネーション法によって成形された樹脂表面について考える。つまり、本発明の表面酸化処理を施していない該樹脂表面が基準面となり、この面についてESCA法により測定した酸素原子と炭素原子の比で表された(O/C)が該基材の(O/C)0 となる。
また、押出ラミネーション法以外でプラスチック材料と紙、アルミニウム箔などのプラスチック基材以外の包装材料とが、二層以上で積層された積層体、例えばドライラミネーション法やウェットラミネーション法などの貼合ラミネーション法で積層されたプラスチック積層基材の場合も上記と同様に、本発明の表面酸化処理を施していない面が該基材の基準面となり、この面についてESCA法により測定した酸素原子と炭素原子の比で表さ
れた(O/C)が該基材の(O/C)0となる。
なお、(O/C)*は、樹脂を押出ラミネートし、貼合後30分経過時の測定値である
。但し、実際の測定は、押出ラミネート用樹脂を貼合しないプラスチック基材を別に準備しておき、その基材を貼合に付す基材と同様に表面酸化処理し、その表面について行う。
ここで、ESCAとはElectron Spectroscopy for Chemical Analysisを意味し、(O
/C)*および(O/C)0は次の通り求める。すなわち、O1SおよびC1Sのそれぞれのピーク強度の面積に各ピークの相対感度を掛けた値の比から酸素と炭素の存在比(O/C)を求める(詳細は、例えば筏義人編、「高分子表面の基礎と応用(上)」、化学同人発行、1986年、第4章参照)。
(表面酸化処理工程)
本発明においては、接着強度を一層向上させる観点から、表面酸化処理工程の前に、表面酸化処理工程に付すべき基材を40℃以上に加熱する、表面酸化前加熱工程を設けることが好ましい。なおプラスチック基材の場合には、温度は融点以下とする必要がある。
加熱温度は、40℃以上、好ましくは60℃以上である。かつプラスチック基材の場合には融点以下の温度であり、好ましくは基材の融点より30℃低い温度以下である。ここで、該温度は基材の表面温度を指し、例えば接触式温度計により測定することができる。
加熱温度が低過ぎると得られる積層フィルムまたは積層シートにおける基材と押出ラミネート樹脂との接着強度の改善が不十分であることがあり、一方高過ぎると基材の収縮やカールなどの問題が発生することがある。
基材の加熱は遠赤外線ヒーターや加熱ロールなどを用いることにより最適に行われる。例えば、基材を表面酸化処理工程へ搬送する過程で遠赤外線ヒーターの下を通過させれば良く、例えば基材巾500mmの材料であれば遠赤外線ヒーターの出力としては1〜30kW程度のもの(複数のヒーターを用いる場合はその合計出力)を用い、ヒーターと基材表面の距離を1〜30cm程度に保ち、0.05〜5秒程度加熱すればよい。
[(2)ガス処理工程]
ガス処理工程としては、シランガスやオゾンなどの接触物を酸化させる機能を有するガスを使用するが、オゾン処理が好適である。
オゾン処理工程は、ポリエチレン樹脂組成物をフィルム状に溶融押出し、該フィルムの少なくとも一面にオゾン処理を施す工程である。オゾン処理は、例えばTダイ下エアーギャップ間に設けたノズルまたはスリット状の吹出し口からオゾンを含ませた気体(空気など)を、溶融フィルムに吹き付けることにより行われる。なお、オゾンノズルがTダイ下に設置できない場合は、圧着ラミネートする直前のプラスチック基材上に吹きつけてもよい。吹き付けるオゾンの量は溶融フィルムの通過単位面積に対し1〜30mg/m2が好
ましく、さらに好ましくは2〜12mg/m2である。なお、押出ラミネート用樹脂をフ
ィルム状に溶融押出しする温度は180〜340℃、好ましくは280〜338℃、さらに好ましくは316〜336℃である。該温度が180℃未満では、樹脂の延展性が不良となり、肉厚が均一な溶融薄膜を得ることが困難であるばかりか、プラスチック基材との接着強度が不十分となる。一方、340℃を超えると、溶融押出樹脂の表面の酸化が多くなって臭気が悪化したり、溶融押出樹脂自身の架橋劣化によるゲルの発生や分解劣化による溶融樹脂の安定成形性の低下(膜揺れ、耳揺れ)が発生したりすることがある。
また、溶融押出樹脂の温度が280〜338℃の条件においては、吹き付けるオゾン量
が下式(C−3)を満たすことが好適である。
(C−3) 1≦オゾン量(mg/m2)≦−0.5×Tx+170
(Txはオゾン処理を行うポリエチレン樹脂組成物のダイ直下樹脂温度、℃)
ここで溶融押出樹脂の温度は、市販の接触温度計を用いて、樹脂が押し出されるTダイのリップ出口(ダイ下0mm)で測定される値である。
本発明では上記表面酸化処理工程の前に表面酸化前加熱工程を有し、表面酸化処理工程がコロナ放電処理工程であり、かつコロナ放電処理におけるコロナ放電密度が10(W・分/m2)以上であることが好ましい。
[(3)圧着工程]
圧着工程は、例えば冷却ロールとゴムロールを設置し、ゴムロール側より表面酸化処理された基材を導入し、次いでガス処理された溶融押出樹脂を導入して前記のように各処理面を貼合し、直後にゴムロールによって冷却ロール圧着する。溶融押出樹脂を導入する位置は、冷却ロールと圧着される点より20mm以内であり、好ましくは5mm以内である。冷却ロールに溶融押出樹脂が基材より前に接触すると瞬時に保有熱量が下がるために粘度が向上し、十分な接着強度は得られないことがある。
上記のように本発明においては、表面酸化処理工程および圧着工程をインラインに設け、表面酸化処理工程後の基材を直ちに圧着工程に付すことが好ましい。これにより、より高水準の接着強度が発現され、かつ好ましくない基材フィルムのブロッキングが防止される。なお、上記の「圧着工程をインラインに設け、表面酸化処理工程後の基材を直ちに圧着工程に付す」とは、押出ラミネート加工において、基材の繰出し工程、表面酸化処理工程、圧着工程および製品巻取り工程が基材の流れ方向に沿って同一ライン上に順次設置された装置を用い、これらの工程を速やかに一連の作業で行うことを意味する。すなわちこの一連の作業は、公知の押出ラミネーターを使用することができる。
(熟成工程)
本発明では接着強度を一層向上させる観点から、圧着工程の後に、圧着工程で得られる積層フィルムまたは積層シートを、保温条件下で熟成する工程である、熟成工程を設けることが好ましい。なお、本発明においての熟成工程とは、圧着工程で得られる積層フィルムまたは積層シートを一定温度で一定時間保持する工程を指す。
熟成温度は、通常30℃以上かつ50℃未満であり、好ましくは40〜45℃である。熟成温度が低過ぎる場合は接着強度の改善が不十分であることがあり、一方高過ぎる場合は、ラミネートした樹脂のヒートシール性能やホットタック性能の低下を招くことがある。さらにラミネートフィルムがカールしたり、スリット工程や内容物の充填工程で不都合を生じたりすることがあり、またラミネート樹脂が変質し、臭気問題を生じることがある。
熟成時間は、通常1〜192時間、好ましくは10〜120時間である。熟成時間が短か過ぎる場合は接着強度の改善が不十分であることがあり、一方、長過ぎる場合は、押出ラミネートした樹脂が変質することがあり、また生産性の点でも不利である。
熟成工程を実施するには、通常のオーブンまたは温度調整が可能な部屋を用いればよい。
本発明では、上記表面酸化処理工程の前に表面酸化前加熱工程を有し、かつ圧着工程の後に熟成工程を有していてもよい。
また本発明では、上記圧着工程の後に熟成工程を有し、表面酸化処理工程がコロナ放電
処理工程であり、かつコロナ放電処理におけるコロナ放電密度が、10(W・分/m2
以上であることが好ましい。
さらに本発明では上記表面酸化処理工程の前に表面酸化前加熱工程を有し、圧着工程の後に熟成工程を有し、表面酸化処理工程がコロナ放電処理工程であり、かつコロナ放電処理におけるコロナ放電密度が10(W・分/m2)以上であることが好ましい。
本発明においては、表面酸化前加熱工程、表面酸化処理工程、オゾン処理工程、圧着工程および熟成工程のすべてを組み合わせて実施することにより、一層強固な接着強度を実現することができる。
本発明においては、基材上に押出ラミネートした樹脂を積層フィルムまたはシートのヒートシール層に適用することや、また積層フィルムまたはシートの中間層に適用することもできるが、それらは樹脂のもつ機能、例えば易ヒートシール性、防湿性などによって使い分けされる。また、本発明においては、サンドイッチ押出ラミネーション法においても適用できる。
[実施例]
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明は、これら実施例により限定されるものではない。
なお、実施例、比較例で得られた積層フィルムについて、耐ボイル性(製袋品蒸気滅菌法、フィルム浸漬法)、基材への接着強度の試験を、次の方法に従って行った。
<試験方法>
(1)耐ボイル性:製袋品蒸気滅菌法
(i)構成(積層手順は後述する)
ポリエチレン樹脂組成物またはポリエチレン(20μm)/各種基材
(ii)製袋方法
袋の大きさ:90mm×120mm
シール条件:160℃、2kg/cm2、0.5秒、
製袋手順:三方シール袋に製袋して下記内容物を充填し、シール部に内容物の残留や汚れのないことを目視で確認し、中の空気を極力残らないように排出して、上記シール条件にて四方シール袋に仕上げる
内容物:上水
内容量:100ml
(iii)耐熱性試験条件
熱処理温度:115℃(高圧滅菌装置使用/スチーム)
熱処理時間:30分
評価方法:熱処理後、外観をチェックして剥離の有無を確認、
剥離なし:○、剥離あり:×
(2)耐ボイル性:フィルム浸漬法
(i)構成(積層手順は後述する)
ポリエチレン樹脂組成物またはポリエチレン(20μm)/各種基材
(ii)耐熱性試験条件
熱処理温度:90℃(高圧滅菌器使用、但し加圧とスチームはなし)
熱処理時間:30分
評価方法:熱処理後、外観をチェックして剥離の有無を確認、
剥離なし:○、剥離あり:×
(3)接着強度
(i)構成(積層手順は後述する)
[ONy/ウレタン系アンカーコート剤/LLDPE(25μm)]/ポリエチレン樹脂組成物またはポリエチレン(20μm)/各種基材
(ii)評価条件
評価位置:ポリエチレン樹脂組成物またはポリエチレン/各種基材の層間
評価機械:東洋精機社製引張試験機
剥離角度:180度
剥離速度:300mm/分
以下実施例、比較例で使用するポリエチレンは、前記ポリエチレン(A)、(B)および(C)の製法に従っていれば、既成の製造プラントによる製品で良く、各プラントの重合反応器の形状や撹拌方法などは制限されない。
[実施例1]
オートクレーブ型重合反応器による高圧法低密度ポリエチレン(A−1):密度=917(kg/m3)、MFR=7.2(g/10分)と、気相法重合反応器による低密度ポ
リエチレン(B−1):密度=870(kg/m3)、MFR=7.0(g/10分)、
コモノマー=1−ブテンを、ヘンシェルミキサ=によって70wt%/30wt%の比率で撹拌混合し、さらに65mmφの単軸スクリューによる押出混練機にて180℃の温度で溶融混合し、ポリエチレン樹脂組成物<1>を用意した。
ポリエチレン樹脂組成物<1>の結晶化度は、理学電機株式会社製X線回折装置:RINT2500VHF/PCによって上記手法によって測定した結果、35.8%であった。
ポリエチレン樹脂組成物<1>を押出ラミネーターに投入し、評価用フィルムを作製した。押出ラミネーターには、住友重機(株)製ラミネーター(65mmφ、800mm幅)を使用した。
以下、評価用フィルムの作製手順を記述する。
基材をライン速度=80m/分にて繰り出し、押出ラミネート部にて溶融押出樹脂に接触する前に、コロナ放電処理によって表面酸化処理を行った。コロナ放電密度とΔ(O/C)は以下の通りである。但し基材は予めコロナ放電処理を施されていない面を、コロナ放電処理を受けて溶融押出樹脂に接触する側に使用した。Δ(O/C)(および表1〜20の(O/C)*と(O/C)0)は、FI Surface Science System社製 ESCALABMK-IIによって上記手法によって測定した。
・ONy:ユニチカ、エンブレムON、15μm、
コロナ放電密度=143W・分/m2
・PET:東レ、ルミラーP60M、12μm、
コロナ放電密度=71W・分/m2
・ナノコンポジット有機コーティングバリアフィルム:日本エコラップ、Y−PET、12μm
コロナ放電密度=143W・分/m2
ポリエチレン樹脂組成物<1>を押出ラミネーターに付属する押出機によって溶融混練し、Tダイより押し出して320℃の溶融押出樹脂フィルムとし、ダイスの下を流れる基材に接触する前にオゾンによってガス処理を行った。オゾン吹き付けバー(吹き付け用スリット入り)はダイスリップ下150mmに設置し、吹き付けたオゾン量は8.1mg/m2である。
コロナ処理を受けた基材とオゾン処理を受けた溶融押出樹脂フィルムを、接触直後に冷却ロールとシリコンゴム製ニップロールで圧着し、幅500mmの基材/ポリエチレン樹脂組成物<1>(20μm)の積層フィルムを得た。この積層フィルムを用いて、耐熱性を評価した。
また接着強度測定用の評価試料は、上記圧着時に、上記基材と溶融押出樹脂フィルムを挟んだ反対側から、多層フィルムを導入して作製した。導入する多層フィルムは予め同押出ラミネーターで準備したもので、ONy(ユニチカ、エンブレムOMN、15μm)/ウレタン系アンカーコート剤/LLDPE(三井住友ポリオレフィン、UZ20100W、25μm)の構成であり、溶融押出樹脂側にLLDPE層が接触するように繰り出した。
[実施例2]
オートクレーブ型重合反応器による高圧法低密度ポリエチレン(A−1):密度=917(kg/m3)、MFR=7.2(g/10分)と、気相法重合反応器による低密度ポ
リエチレン(B−1):密度=870(kg/m3)、MFR=7.0(g/10分)、
コモノマー=1−ブテンと、溶液法重合反応器によるポリエチレン(C−1):密度=915(kg/m3)、MFR=12.0(g/10分)、コモノマー=4−メチル−1−
ペンテンを、ヘンシェルミキサ=によって30wt%/30wt%/40wt%の比率で撹拌混合し、さらに65mmφの単軸スクリューによる押出混練機にて180℃の温度で溶融混合し、ポリエチレン樹脂組成物<2>を用意した。
ポリエチレン樹脂組成物<2>の結晶化度は、理学電機株式会社製X線回折装置:RINT2500VHF/PCによって上記手法によって測定した結果、34.3%であった。
ポリエチレン樹脂組成物<2>を、実施例1と同じ加工機、樹脂温度、ライン速度、コート厚み、基材(ナノコンポジット有機コーティングフィルムは除く)および基材への表面酸化処理、溶融押出樹脂へのガス処理、評価装置および評価方法によって、耐熱性と接着強度測定用積層フィルムを作製した。
[実施例3]
実施例1に記載のポリエチレン樹脂組成物<1>を使用し、実施例2と同じ加工機において、コロナ放電処理の前に表面酸化前加熱工程を施した。すなわち、遠赤外線ヒーター(出力9.6KW)を用い、ヒーターと基材表面の距離を10cmに保ち加熱した。このときの基材表面の温度は90℃(表面接触式温度計により測定した)であった。表面酸化前加熱工程を加えたこと以外は、樹脂温度、ライン速度、コート厚み、基材および基材への表面酸化処理、溶融押出樹脂へのガス処理、評価装置および評価方法を実施例2と同じにして、耐熱性と接着強度測定用積層フィルムを作製した。
[実施例4]
実施例1に記載のポリエチレン樹脂組成物<1>を使用し、実施例2と同じ加工機、樹脂温度、ライン速度、コート厚み、基材および基材への表面酸化処理、溶融押出樹脂へのガス処理、評価装置および評価方法によって、耐熱性と接着強度測定用積層フィルムを作製した。得られた積層フィルムを、熱風乾燥器(オーブン)によって40℃で72時間の熟成を行った。
[実施例5]
実施例3で得られた積層フィルムを、熱風乾燥器(オーブン)によって40℃で72時間の熟成を行った。
[実施例6]
実施例1に記載のポリエチレン樹脂組成物<1>を使用し、実施例3と同じ表面酸化前加熱工程を加えた加工法で、コロナ放電処理条件を変更、コロナ放電密度を29W・分/m2として、耐熱性と接着強度測定用積層フィルムを作製した。樹脂温度、ライン速度、コ
ート厚み、基材、溶融押出樹脂へのガス処理、評価装置および評価方法は、実施例2と同じである。
[実施例7]
実施例1に記載のポリエチレン樹脂組成物<1>を使用し、実施例2の加工法においてコロナ放電処理条件を変更、コロナ放電密度を29W・分/m2として、耐熱性と接着強度
測定用積層フィルムを作製し、熱風乾燥器(オーブン)によって40℃で72時間の熟成を行った。樹脂温度、ライン速度、コート厚み、基材、溶融押出樹脂へのガス処理、評価装置および評価方法は、実施例2と同じである。
[実施例8]
実施例6で得られた積層フィルムを、熱風乾燥器(オーブン)によって40℃で72時間の熟成を行った。
[比較例1]
実施例1において、ポリエチレン樹脂組成物<1>を、オートクレーブ型重合反応器による高圧法低密度ポリエチレン(A−1):密度=917(kg/m3)、MFR=7.2
(g/10分)を100wt%とし、実施例1と同じ加工機、樹脂温度、ライン速度、コート厚み、基材および基材への表面酸化処理、溶融押出樹脂へのガス処理、評価装置および評価方法によって、耐熱性と接着強度測定用積層フィルムを作製した。
高圧法低密度ポリエチレン(A−1)の結晶化度は、理学電機株式会社製X線回折装置:RINT2500VHF/PCによって上記手法によって測定した結果、44.8%であった。
[比較例2]
オートクレーブ型重合反応器による高圧法低密度ポリエチレン(A−1):密度=917(kg/m3)、MFR=7.2(g/10分)と、気相法重合反応器による低密度ポ
リエチレン(B−1):密度=870(kg/m3)、MFR=7.0(g/10分)、
コモノマー=1−ブテンと、溶液法重合反応器によるポリエチレン(C−1):密度=970(kg/m3)、MFR=15.0(g/10分)、コモノマー=なし、をヘンシェ
ルミキサ=によって10wt%/10wt%/80wt%の比率で撹拌混合し、さらに65mmφの単軸スクリューによる押出混練機にて180℃の温度で溶融混合し、ポリエチレン樹脂組成物<3>を用意した。
ポリエチレン樹脂組成物<3>の結晶化度は、理学電機株式会社製X線回折装置:RINT2500VHF/PCによって上記手法によって測定した結果、71.9%であった。
ポリエチレン樹脂組成物<3>を、実施例2と同じ加工機、樹脂温度、ライン速度、コート厚み、基材および基材への表面酸化処理、溶融押出樹脂へのガス処理、評価装置および評価方法によって、耐熱性と接着強度測定用積層フィルムを作製した。
[比較例3]
実施例1に記載のポリエチレン樹脂組成物<1>を用い、実施例2と同じ加工機において、基材の表面酸化処理を行わずに、耐熱性と接着強度測定用積層フィルムを作製した。表面酸化処理を行わないこと以外は、樹脂温度、ライン速度、コート厚み、基材、溶融押出樹脂へのガス処理、評価装置および評価方法は実施例2と同じである。
[比較例4]
実施例6において、コロナ放電出力とライン速度を調整し、コロナ放電密度を8W・分/m2として、耐熱性と接着強度測定用積層フィルムを作製した。樹脂温度、コート厚み
、基材、溶融押出樹脂へのガス処理、評価装置および評価方法は、実施例2と同じである。
[比較例5]
実施例7において、コロナ放電出力とライン速度を調整し、コロナ放電密度を8W・分/m2として、耐熱性と接着強度測定用積層フィルムを作製した。樹脂温度、コート厚み
、基材、溶融押出樹脂へのガス処理、評価装置および評価方法は、実施例2と同じである。
[比較例6]
比較例4で得られた積層フィルムを、熱風乾燥器(オーブン)によって40℃で72時間の熟成を行った。
以上の結果を下記表に示す。
Figure 0004468035
Figure 0004468035
Figure 0004468035
Figure 0004468035
Figure 0004468035
Figure 0004468035

Claims (18)

  1. 密度が910〜930(kg/m3)、メルトフローレートが0.1〜100(g/10分)の範囲にある高圧法低密度ポリエチレン(A):10〜99(wt%)と、密度が860〜890(kg/m3)、メルトフローレートが0.1〜100(g/10分)の範囲にある低密度ポリエチレン(B):1〜90(wt%)からなり、結晶化度が25%〜60%の範囲にあるポリエチレン樹脂組成物を、下記工程(1)〜(3)を含む工程により、プラスチック基材(D)上に押出ラミネートし、アンカーコート剤を使用せずにラミネート樹脂層を形成することを特徴とする積層フィルムまたは積層シートの製造方法;
    (1)表面酸化処理工程:
    下記の式(C−1)または(C−2)を満たすように上記プラスチック基材の少なくとも一面に表面酸化処理を施す工程、
    (C−1)プラスチック基材がポリエステル系樹脂の場合; △(O/C)≧0.08
    (C−2)プラスチック基材がポリエステル系樹脂以外の場合;△(O/C)≧0.05
    (但し、△(O/C)=(O/C)*−(O/C)0;ここで(O/C)0は表面酸化処理を行っていないプラスチック基材の表面について、(O/C)*は表面酸化処理を行ったプラスチック基材の表面について、それぞれESCA(Electron Spectroscopy for Chemical Analysis)法により測定した酸素原子と炭素原子の各原子数の比を表す。)
    (2)ガス処理工程:上記ポリエチレン組成物を180℃〜340(℃)の温度においてフィルム状に溶融押出し、該フィルムの少なくとも1面にガス処理を施す工程、
    (3)圧着工程:上記表面酸化処理を行ったプラスチック基材の表面酸化処理面と、上記ガス処理を行ったフィルムのガス処理面とが接するように、プラスチック基材とフィルムとを接触させ、該プラスチック基材と該フィルムとを圧着する工程。
  2. 密度が910〜930(kg/m3)、メルトフローレートが0.1〜100(g/10分)の範囲にある高圧法低密度ポリエチレン(A):10〜30(wt%)と、密度が860〜890(kg/m3)、メルトフローレートが0.1〜100(g/10分)の範囲にある低密度ポリエチレン(B):30〜80(wt%)と、密度が890を超えて990(kg/m3)以下、メルトフローレートが0.1〜100(g/10分)の範囲にあるポリエチレン(C):10〜40(wt%)とからなり(但し(C)は(A)とは異なる。)、
    結晶化度が25%〜60%の範囲にあるポリエチレン樹脂組成物を、下記工程(1)〜(3)を含む工程により、プラスチック基材(D)上に押出ラミネートし、アンカーコート剤を使用せずにラミネート樹脂層を形成することを特徴とする積層フィルムまたは積層シートの製造方法;
    (1)表面酸化処理工程:下記の式(C−1)または(C−2)を満たすように上記プラスチック基材の少なくとも一面に表面酸化処理を施す工程、
    (C−1)プラスチック基材がポリエステル系樹脂の場合; △(O/C)≧0.08(C−2)プラスチック基材がポリエステル系樹脂以外の場合;△(O/C)≧0.05(但し、△(O/C)=(O/C)*−(O/C)0;ここで(O/C)0は表面酸化処理を行っていないプラスチック基材の表面について、(O/C)*は表面酸化処理を行ったプラスチック基材の表面について、それぞれESCA(Electron Spectroscopy for Chemical Analysis)法により測定した酸素原子と炭素原子の各原子数の比を表す。)
    (2)ガス処理工程:上記ポリエチレン組成物を180℃〜340(℃)の温度においてフィルム状に溶融押出し、該フィルムの少なくとも1面にガス処理を施す工程、
    (3)圧着工程:上記表面酸化処理を行ったプラスチック基材の表面酸化処理面と、上記ガス処理を行ったフィルムのガス処理面とが接するように、プラスチック基材とフィルムとを接触させ、該プラスチック基材と該フィルムとを圧着する工程。
  3. 請求項1または2に記載の方法で製造されることを特徴とする、積層フィルムまたは積層シート。
  4. 請求項3に記載の積層フィルムまたは積層シートを少なくとも1層含むことを特徴とする、包装用積層フィルムまたは包装用積層シート。
  5. 上記表面酸化処理工程の前に、下記表面酸化前加熱工程を有することを特徴とする、請求項1または2に記載の積層フィルムまたは積層シートの製造方法;
    表面酸化前加熱工程:表面酸化処理工程に付すべきプラスチック基材を、40℃以上かつ基材の融点以下の温度で加熱する工程。
  6. 上記圧着工程の後に、下記熟成工程を有することを特徴とする、請求項1または2に記載の積層フィルムまたは積層シートの製造方法;
    熟成工程:圧着工程で得られる積層フィルムまたは積層シートを、保温下、熟成する工程。
  7. 上記熟成温度が30℃以上かつ50℃未満であることを特徴とする、請求項6記載の積層フィルムまたは積層シートの製造方法。
  8. 上記表面酸化処理工程の前に請求項5記載の表面酸化前加熱工程を有し、かつ上記圧着工程の後に請求項6記載の熟成工程を有することを特徴とする、請求項1または2に記載の積層フィルムまたは積層シートの製造方法。
  9. 上記表面酸化処理工程が、下記コロナ放電処理工程であることを特徴とする、請求項1または2に記載の積層フィルムまたは積層シートの製造方法;
    コロナ放電処理工程:プラスチック基材の少なくとも一面にコロナ放電処理を施す工程。
  10. 上記コロナ放電処理におけるコロナ放電密度が40(W・分/m2)以上であることを特徴とする、請求項9記載の積層フィルムまたは積層シートの製造方法。
  11. 上記表面酸化処理工程の前に請求項5記載の表面酸化前加熱工程を有し、上記表面酸化処理工程が請求項9記載のコロナ放電処理工程であり、かつコロナ放電処理におけるコロナ放電密度が10(W・分/m2)以上であることを特徴とする、請求項1または2に記載の積層フィルムまたは積層シートの製造方法。
  12. 上記圧着工程の後に請求項6記載の熟成工程を有し、上記表面酸化処理工程が請求項9記載のコロナ放電処理工程であり、かつコロナ放電処理におけるコロナ放電密度が、10(W・分/m2)以上であることを特徴とする、請求項1または2に記載の積層フィルムまたは積層シートの製造方法。
  13. 上記表面酸化処理工程の前に請求項5記載の表面酸化前加熱工程を有し、上記圧着工程の後に請求項6記載の熟成工程を有し、上記表面酸化処理工程が請求項9記載のコロナ放電処理工程であり、かつコロナ放電処理におけるコロナ放電密度が10(W・分/m2)以上であることを特徴とする、請求項1または2に記載の積層フィルムまたは積層シートの製造方法。
  14. 上記表面酸化処理工程が下記のプラズマ処理工程であることを特徴とする、請求項1または2に記載の積層フィルムまたは積層シートの製造方法;
    プラズマ処理工程:プラスチック基材の少なくとも一面にプラズマ処理を施す工程。
  15. 上記表面酸化処理工程が下記のフレームプラズマ処理工程であることを特徴とする、請求項1または2に記載の積層フィルムまたは積層シートの製造方法。
    フレームプラズマ処理工程:プラスチック基材の少なくとも一面にフレームプラズマ処理を施す工程。
  16. 上記表面酸化処理工程が下記の電子線照射処理工程であることを特徴とする、請求項1または2に記載の積層フィルムまたは積層シートの製造方法;
    電子線照射処理工程:プラスチック基材の少なくとも一面に電子線照射処理を施す工程。
  17. 上記表面酸化処理工程が下記の紫外線照射処理工程であることを特徴とする、請求項1または2に記載の積層フィルムまたは積層シートの製造方法。
    紫外線照射処理工程:プラスチック基材の少なくとも一面に紫外線照射処理を施す工程。
  18. 上記ガス処理工程がオゾン吹き付け処理工程であって、吹き付けるオゾン量が下式(C−3)を満たすことを特徴とする、請求項1または2に記載の積層フィルムまたは積層シートの製造方法;
    (C−3)1≦オゾン量(mg/m2)≦−0.5×Tx+170
    (Txはオゾン処理を行うポリエチレン樹脂組成物のダイ直下樹脂温度、℃)。
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