JP4467773B2 - 光導波回路 - Google Patents

光導波回路 Download PDF

Info

Publication number
JP4467773B2
JP4467773B2 JP2000370188A JP2000370188A JP4467773B2 JP 4467773 B2 JP4467773 B2 JP 4467773B2 JP 2000370188 A JP2000370188 A JP 2000370188A JP 2000370188 A JP2000370188 A JP 2000370188A JP 4467773 B2 JP4467773 B2 JP 4467773B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
optical waveguide
waveguide circuit
temperature control
control unit
substrate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2000370188A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2002169039A (ja
Inventor
克敏 甲本
宏治 大浦
健一郎 浅野
英行 細谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujikura Ltd
Original Assignee
Fujikura Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fujikura Ltd filed Critical Fujikura Ltd
Priority to JP2000370188A priority Critical patent/JP4467773B2/ja
Publication of JP2002169039A publication Critical patent/JP2002169039A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4467773B2 publication Critical patent/JP4467773B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Optical Integrated Circuits (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、基板上に設けた薄膜からなる温度制御部により光導波回路部を所定温度に保つことを可能とした光導波回路に関する。本発明は光導波回路の低消費電力化あるいは薄型化に寄与するものである。
【0002】
【従来の技術】
光導波回路とは、光波長多重通信などの技術分野で使用される回路であり、光信号を分岐あるいは増幅させながら適宜伝達する機能などを備えたものである。このような光導波回路の一例としては、図6に示すシリコン基板上に作製された石英系導波路からなり、光導波回路部をなすAWG(Arrayed Waveguide Grating) チップが挙げられる。AWGは、長さの異なる多数の導波路を格子状に規則的に整列させ、その入出力部にそれぞれプレーナ型光導波路部を設けた多光束干渉型の光分波器、アレイ導波路格子とも呼ばれる。まず、光は入力用導波路121を通して入力部プレーナ導波路119の中に導入される。入力部プレーナ導波路119から分配された多波長の光は導波路格子117を伝搬して光路長差を生じ、出力部プレーナ型光導波路120のところで干渉して波長が選択される。この波長が選択された光は出力用導波路122を通して外部へ導出される。
【0003】
図7は、光導波回路部104を構成するAWGチップに代えて導波路格子103が基板101上に設けられた様子を示す光導波回路100の概略図である。図7(a)は光導波回路100の模式的な斜視図であり、図7(b)は図7(a)のB−B’部分の断面図である。図7(a)に示すように、光導波回路100はシリコンからなる基板101上に、石英からなる薄膜102を設け、この薄膜102内の導波路パターン103aに従ってゲルマニウムをドープした部分103bとドープしない部分103cを形成することにより導波路格子103が設けられる。この場合、導波路格子103を含む薄膜102の部分が光導波回路部104をなす。
実際の光導波回路では、図7において、薄膜102内に形成された導波路格子103の位置とほぼ同様の位置、すなわち、薄膜102内でその膜厚方向の略中間付近の位置、かつ、薄膜102の表裏面とは略平行をなす位置に、例えばAWGチップ等が設置されて光導波回路部104をなす。
【0004】
図7に示すような光導波回路100を構成し、光信号を分岐あるいは増幅させながら適宜伝達する機能などを備えた光導波回路部104では、極めて温度に敏感であることから、光導波回路部104が正常にしかも安定に動作するためには、光導波回路部104が所望の温度範囲に常に保たれるように制御することが求められる。図11の構成からも明らかなように、実際の光導波回路100は、例えばシリコンからなる基板101とその上に設けられた石英系導波路を備えたAWGチップ等からなる光導波回路部104とで構成されるが、実使用の環境下ではシリコンと石英との熱膨張係数の差に起因して生じる歪みや石英の屈折率の温度依存性のため、光導波回路部104において例えば合分波される波長が周囲温度の変化に伴い変動するという不具合があった。
【0005】
この不具合を解消するためには、光導波回路部104を一定温度に制御する手段の設置が望ましく、従来は、図8に示すように温度制御部105を設けていた。つまり、温度制御部105は、石英系の導波路格子103を備えた光導波回路部104、例えばAWGチップからなる光導波回路部104を載置する基板101の裏面側に配置されていた。この温度制御部105としてはペルチェ素子あるいはヒーター等が用いられていた。例えば、サーミスタ等でAWGチップの温度を測定し、ペルチェ素子あるいはヒーター等からなる温度制御部105を用いてAWGチップ等からなる光導波回路部104が所定温度となるように温度制御する方式が一般的に採用されていた。その際、ペルチェ素子やヒーター等からなる温度制御部105は光導波回路部104が載置された基板101の裏面に接着剤等を用いて貼り付けることにより設けられていた。また、このとき、光導波回路部104の温度を均一化するため、ペルチェ素子やヒーター等からなる温度制御部105とAWGチップ等からなる光導波回路部104との間にアルミニウム等の熱伝導率の高い金属板からなる伝熱部(不図示)を設ける場合もあった。
【0006】
具体的には、温度制御部105として上記ペルチェ素子あるいはヒーター等を備えた光導波回路は、次のような使用状況にあった。
▲1▼温度制御部105をなすペルチェ素子は4mm程度あるいはヒーターは2mm程度の厚さがあり、また伝熱部をなす均熱用の金属板も1〜2mm程度の厚さがあり、光導波回路部104をなすAWGチップの厚さ1mm程度を合わせると7mm程度の厚さになる。更に、この厚さに断熱用の空気層とAWGチップを内蔵させる筐体などの厚みを考慮すると光導波回路の外形をなす厚さは10〜15mm程度となっていた。
▲2▼また、温度制御部105としてペルチェ素子やヒーター等を備える光導波回路では、光導波回路自体の低価格化が図れる上から、ペルチェ素子やヒーター等からなる温度制御部105は、長方形や正方形等のいわゆる四角形をなした形状のものが一般的に使われていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来の使用状況には以下に示すような課題があった。
(1)上記▲1▼の構成によれば、ペルチェ素子やヒーター等からなる温度制御部105は、光導波回路部104をなすAWGチップに比べて2倍から4倍程度の厚さを有しており、光導波回路100の外形厚さに占める割合が約1/3に達することから、光導波回路の薄型化を図る上で障害となっていた。
(2)上記▲2▼に示すとおり、入手の容易なペルチェ素子やヒーター等からなる温度制御部105は四角形からなる定形のものが大半であることから、光導波回路部104をなすAWGチップのうち、特に温度に対して敏感な領域である個別の部位、例えば導波路格子103が設けてある領域のみ均熱化を図ることはできず、これを達成するためには光導波回路部104をなすAWGチップが載置されている基板101の全体を均熱保持するしかなかった。つまり、従来はAWGチップを構成し温度に敏感な領域である個別の部位以外の部分も、同時に加熱する必要があり、温度制御に無駄な電力を要していた。
【0008】
なお、AWGチップを構成し温度に敏感な領域である個別の部位としては、図6における、入力部プレーナ型光導波路119、該入力部プレーナ型光導波路119から分配された多波長の光を伝搬させて光路長差を生じさせる導波路格子117、及び出力部プレーナ型光導波路120が挙げられる。
AWGチップを構成する入力用導波路121及び出力用導波路122が存在する領域には、必ずしも温度制御部を設ける必要はない。
したがって、光導波回路の薄型化と小電力化が図れ、基板型の光導波回路を構成する光導波回路部を効果的に温度制御できる温度制御部を備えた光導波回路の開発が期待されていた。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決して係る目的を達成するために、本発明に係る光導波回路は、基板と、該基板の表面に、該基板と重なるように順に積層された第一の温度制御部、光導波回路部および第二の温度制御部とを具備した光導波回路であって、前記第一の温度制御部および前記第二の温度制御部は薄膜からなり、前記光導波回路部を一定温度に制御するための手段であり、前記第一の温度制御部は前記基板の表面全域を覆うように設けられ、前記第二の温度制御部は前記光導波回路部を構成する入力部スラブ型光導波路、該入力部スラブ型光導波路から分配された多波長の光が伝搬して光路長差を生じるように機能する光路長の異なる複数のチャネル導波路が並列配置されてなるアレイ導波路、および、該アレイ導波路から出力された光が干渉して波長が選択されるように機能する出力部スラブ型光導波路を覆う領域にのみ設けられたことを特徴としている。
【0010】
そして、上記第一乃至第三の形態からなる温度制御部の望ましい構造としては、次の(d)〜(f)の三種類が挙げられる。
(d)温度制御部として望ましい第一の構造は、基板上に配設された光導波回路部を上空から見たとき細線状をなす構造である。
(e)温度制御部として望ましい第二の構造は、基板上に配設された光導波回路部を上空から見たとき網目状をなす構造である。
(f)温度制御部として望ましい第三の構造は、光導波回路部を内包する形状をなす構造である。この内包する形状の具体例としては、例えば筒状や螺旋状が挙げられる。
【0011】
また、上記構成からなる光導波回路における光導波回路部としては、次の(g)〜(j)の四種類が好適なものとして挙げられる。
(g)アレイド・ウェーブガイド・グレーティング(AWG:Arrayed Waveguide Grating)型の光合分波器。上述したAWGチップを指す。
(h)グレーティングを形成した平面光波回路(PLC:Planer Lightwave Circuit)型光部品。
(i)非線形光学結晶(例えばLiNbO3 結晶)からなる基板を用いたY分岐型あるいはマッハ・ツェンダー(MZ:Mach-Zehnder)型の光スイッチ。
(j)マッハ・ツェンダー(MZ:Mach-Zehnder)型干渉系を用いた光合分波器。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下では、本発明に係る光導波回路について図1及び図2を参照して詳細に説明する。図1において、10は光導波回路、11は基板、12は光導波回路部、13は薄膜からなる温度制御部である。
本発明に係る光導波回路10は、図1に示すように、例えばシリコンからなる基板11上に、例えばAWGチップからなる光導波回路部12と、該光導波回路部12と重なる位置に設けられる薄膜からなる温度制御部13とを具備したことを特徴としている。
上記構成において、薄膜からなる温度制御部13が光導波回路部12と重なる位置に設けられるとは、上下関係が異なる2通りの場合、すなわち、▲1▼温度制御部13が光導波回路部12の上に配置される場合と、▲2▼温度制御部13が光導波回路部12の下に配置される場合とを意味する。
上記構成によれば、従来の数mmオーダーの厚さからなるペルチェ素子やヒーターに代えて、厚くてもμmオーダーの薄膜を温度制御部13として用いることから、光導波回路10の著しい薄型化が図れる。温度制御部13をなす薄膜の具体的な材料としては、例えば、ニッケルとクロムからなる合金、タングステン、金等の導電性に優れた材料が好ましい。
【0013】
また、光導波回路部12と同様の薄膜作製法で製造できることから、従来のようなペルチェ素子やヒーター等からなる温度制御部を基板裏面に貼り付ける等の工程が省略できるので、光導波回路の低コスト化も図れる。
さらに、上記構成によれば、基板11を介すことなく温度制御部13を光導波回路10に接触させた位置に設けることができるので、温度制御部13による光導波回路10の温度制御を高精度でかつ逐次行うことができ、基板11を介さないので消費電力のロスも大幅に低減できる。特に、従来は均熱化を図るために用いていた金属板などの手段も不要とすることができるので、本発明によれば光導波回路の低コスト化が図れると共に、光導波回路の薄型化も同時に達成できる。
さらには、本発明では、従来のペルチェ素子やヒーター等からなる温度制御部に代えて薄膜からなる温度制御部13を採用したことにより、温度制御部13で要する電力を大幅に減らすことができるので、光導波回路の低消費電力化が図れる。
【0014】
上記構成の光導波回路10において、薄膜からなる温度制御部13は、基板11の表面側で、かつ、光導波回路部12の基板側および/又は光導波回路部12の基板とは反対側に配設させることを特徴としている。
図1(a)は温度制御部13を基板11の表面側で、かつ、光導波回路部12の基板側に設けた場合であり、光導波回路10の構成が基板11/光導波回路部12/温度制御部13からなる場合を示す。図1(b)は温度制御部13を基板11の表面側で、かつ、光導波回路部12の基板11とは反対側に設けた場合であり、光導波回路10の構成が基板11/温度制御部13/光導波回路部12からなる場合を示す。図1(c)は温度制御部13を基板11の表面側で、かつ、光導波回路部12の基板11側および光導波回路部12の基板11とは反対側に設けた場合であり、光導波回路10の構成が基板11/第一の温度制御部13A/光導波回路部12/第二の温度制御部13Bからなる場合である。
図1(a)は、温度制御部13が光導波回路部12の基板11とは逆側に配置された場合であり、光導波回路部12上に薄膜からなる温度制御部13が設けられるので、光導波回路部12の上面のみならず、その側面や他の部分に対しても均一な厚みを有する加熱手段を一括して形成できる。従って、本構成によれば、例えば基板11まで含めた形で光導波回路部12を所望の温度に制御できる。
【0015】
また、薄膜からなる温度制御部13を作製する際に、通常の半導体薄膜の製造法で使われているマスキング法やエッチング法を適用すれば、温度制御部13を所望の領域にだけ被覆するように形成できる。従って、本構成によれば、例えば温度制御部13のうち温度変化に敏感な部位のみ局所的に被覆する温度制御部13を設けることにより、光導波回路の低消費電力化を一段と図ることができる。
一方、図1(b)は、温度制御部13が光導波回路部12の基板11側に配置された場合であり、温度制御部13の下面は基板11で、その上面は光導波回路部13で挟まれた状態となることから、温度制御部13が発する熱は他の部分に拡散すること無く、極めて効率良く光導波回路部12の温度制御に使用できる。図1(b)の構成では通常平板状で表面が平坦な基板11上に直接的あるいは間接的に、薄膜からなる温度制御部13が設けられるので、温度制御部13は基板11に対して優れた密着性が得られやすい。その際、温度制御部13上に良好な石英系の光導波回路を成長するために、温度制御部13と光導波回路部12との間に所望の絶縁体膜(不図示)を少なくとも一層設けた方が好ましい。このように絶縁体膜を設けた構成とする場合は、例えば、通常SOI(Silicon On Insulator)と呼称される薄膜形成技術を利用すればよい。
【0016】
更に、図1(c)は、温度制御部13が光導波回路部12を挟むように、光導波回路部12の上下面に配置された場合であり、光導波回路部12の下面側に設けた方が第一の温度制御部13A、光導波回路部12の上面側に設けた方が第二の温度制御部13Bである。図1(c)の構成によれば、上述した図1(a)と図1(b)の両方の作用・効果を同時に得られる。その際、第一の温度制御部13Aと第二の温度制御部13Bを設ける領域は同一である必要は無い。例えば、第一の温度制御部13Aは基板11の表面全域を覆うように配置し、第二の温度制御部13Bは光導波回路部12を構成する温度変化に敏感な部位のみ覆うように設けても構わない。つまり、図1(c)の構成は、図1(a)や(b)の構成に比べて、光導波回路部12に対して一段と細やかな温度制御を実現できるという利点を有する。
【0017】
図2は、本発明に係る光導波回路の一実施形態を示す概略図であり、図2(a)は模式的な斜視図を、図2(b)は図2(a)のA−A’部分の断面図である。図2は図1(a)の構成からなる光導波回路を示す図面であり、10は光導波回路、11は基板、12は光導波回路部、13は温度制御部を表し、図2(b)における12Baはゲルマニウムをドープした部分、12Bbはドープしない部分を示す。図2は、薄膜12A中の導波路パターンに沿って形成された導波路格子12Bを設けてなる光導波回路部12が、基板11上に配設された様子を示す光導波回路10の概略図である。つまり、図2は、従来例に係る図11に対応する図面であり、図11と異なると箇所は温度制御部13を備えている点である。
図1を用いた上記説明でも簡単には触れたが、基板11の表面側を全て覆うように温度制御部13を、光導波回路部12の基板11側および/又は光導波回路部12の基板11とは反対側に配置する形態以外に、温度制御部13を基板11の表面上で局所的に配置しても構わない。
【0018】
つまり、本発明に係る温度制御部13は、基体11全面に渡って線状に配置する、光導波回路部12が存在する領域若しくはその近傍まで含めた領域のみを面状に被覆するように配置する、又は、光導波回路部12が存在する領域のみを線状に被覆するように設ける、など光導波回路が均一にかつ所定の温度で保持できるならば如何なる配置形態であっても構わない。何れの配置形態とした場合でも、光導波回路部12の厚み方向において温度制御部13を設ける位置は、光導波回路部12の基板11側、基板11とは反対側、あるいは基板11側と反対側の両方、の何れであってもよい。
【0019】
言い換えれば、本発明に係る光導波回路部12が備える温度制御部13の具体的な配置形態は、次のようなものが挙げられる。
(1)基板11表面の全面と重なるように設ける。
(2)光導波回路部12が配置された領域の全面と重なるように設ける。
(3)光導波回路部12が配置された領域部分の一部と重なるように設ける。
(4)基板11上に設けた光導波回路部12を上空から見たとき平面状に設ける。
(5)基板11上に設けた光導波回路部12を上空から見たとき細線状に設ける。
(6)光導波回路部12を内包する形状に設ける。この場合、内包する形状としては筒状や螺旋状が好ましい。
【0020】
図3は本発明に係る光導波回路で用いる温度制御部13の概略図であり、図3(a)は温度制御部13が基板11上に配設された光導波回路部12を上空から見たとき細線状である場合を、図3(b)は温度制御部を基板11上に配設された光導波回路部12を上空から見たとき網目状である場合を、図3(c)と(d)は温度制御部13が光導波回路部12を内包する形状である場合を示す。そして、図3(c)は内包する形状が筒状である場合を、図3(d)は内包する形状が螺旋状である場合を各々示している。
図3(a)の13aは細線状の温度制御部、図3(b)の13bは網目状の温度制御部、図3(c)の13cは内包する形状であり筒状の温度制御部、図3(d)の13dは内包する形状であり螺旋状の温度制御部である。また、図3(a)〜(d)において、13a’〜13d’は光導波回路の外部に設けられる不図示の電源系と接続する端子を示す。
【0021】
また、図3(a)〜(d)におけるα方向に、光導波回路部12の温度変化に敏感な部位が延びる方向を合わせて、各温度制御部13を配置すればよい。図3(a)におけるβの距離は、覆うべき光導波回路部12の温度変化に敏感な部位の幅に合わせて自由に設計してよい。
なお、前述したように、温度制御部13の具体的な配置形態を述べた(1)〜(5)は光導波回路の基板側、基板とは逆側、あるいは基板側と逆側の両方、の何れでも構わない。また、温度制御部13の配置形態は上記(1)〜(5)の配置と上記(7)又は(8)の配置とを組み合わせてもよいことは、言うまでもない。
本発明に係る光導波回路部12としては、アレイド・ウェーブガイド・グレーティング(AWG)型の光合分波器、グレーティングを形成したPLC型光部品、LiNbO3 等からなる光スイッチ、マッハ・ツェンダー干渉型の光合分波器等が好適である。
【0022】
図4は、本発明に係る光導波回路を構成する光導波回路部12としてアレイド・ウェーブガイド・グレーティング(AWG)型の光合分波器を用いた一例を示す模式的な平面図であり、光導波回路部12の上に温度制御部13を局所的に設けた場合を示す。
一方、図5は、本発明に係る光導波回路を構成する光導波回路部12としてアレイド・ウェーブガイド・グレーティング(AWG)型の光合分波器を用いた他の一例を示す模式的な平面図であり、光導波回路部12の下に温度制御部13を局所的に設けた場合を示す。
図4及び図5において、13は温度制御部、17は導波路格子、19は入力部プレーナ型光導波路、20は出力部プレーナ型光導波路、21は入力用導波路、22は出力用導波路である。
【0023】
本発明に係る図4と図5に示す光導波回路と従来例に係るAWG型の光合分波器例との違いは、光導波回路部12の上下何れかに薄膜からなる温度制御部13を設けた点にある。
図4および図5の温度制御部13は、AWG型の光合分波器を構成している熱的変動に大きく左右される部位、すなわち入力部プレーナ型光導波路19、入力部プレーナ型光導波路19から分配された多波長の光が伝搬して光路長差を生じるように機能する導波路格子17、及び、導波路格子17から出力された光が干渉して波長が選択されるように機能する出力部プレーナ型光導波路20、を少なくとも覆う領域に設けた場合を示す。
図4又は図5に示すように温度制御部13を設けることにより、本発明に係る光導波回路を構成するAWG型の光合分波器は、実使用の環境下において従来より著しく所定温度に維持できるので、光導波回路部12において例えば合分波される波長が周囲温度の変化に伴い変動するという不具合を解消できる。その結果、従来より熱的な安定性を向上させた光導波回路が得られる。
【0024】
また、本発明に係る光導波回路を構成する光導波回路部12としては、図4及び図5で用いたAWG型の光合分波器に代えて、グレーティングを形成したPLC型光部品や、Y分岐型の光スイッチ、マッハ・ツェンダー型の光スイッチ、マッハ・ツェンダー型干渉系を用いた光合分波器、等を適用してもAWG型の光合分波器と同様の作用・効果が得られる。つまり、これらの光導波回路部を構成する熱的変動を受けやすい部位の上下何れかの面に、あるいは上下面の両方に、本発明に係る薄膜からなる温度制御部を設けることで、当該熱的変動を受けやすい部位を所望の温度に保つことが可能となる。
以上、本発明に係る光導波回路を構成する光導波回路部12の好適な事例として、アレイド・ウェーブガイド・グレーティング(AWG)型の光合分波器、グレーティングを形成したPLC型光部品、LiNbO3 等からなる光スイッチ、マッハ・ツェンダー干渉型の光合分波器を取り上げて述べたが、光導波回路部12がその中に熱的変動を受けやすい部位を有するものであれば、本発明に係る光導波回路を構成する光導波回路部12はこれらに限定されるものではない。
【0025】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る光導波回路によれば、基板型の光導波回路において、基板11上に光導波回路部12と厚くてもμmオーダーの薄膜からなる温度制御部13とを具備したことにより、従来必要とされた基板の裏面側に配置される厚さが数mmオーダーの温度制御部105が不要となる。従って、本発明によれば、光導波回路部の熱的安定性を保つ手段を備えながら、従来に比べて著しく薄型化を図ることが可能な光導波回路を提供できる。
また、本発明に係る光導波回路を構成する温度制御部13は薄膜からなるので、光導波回路部12と同様の薄膜作製法で製造できる。従って、従来必要とされたペルチェ素子やヒーター等からなる温度制御部を基板裏面に貼り付ける等の工程が省略できるので、光導波回路の低コスト化も図れる。
【0026】
さらに、上記構成によれば、基板11を介すことなく温度制御部13を光導波回路10に接触させた位置に設けることができるので、温度制御部13による光導波回路10の温度制御を高精度かつ逐次行うことができ、基板11を介さないので消費電力のロスも大幅に低減できる。また、従来は均熱化を図るために用いていた金属板などの手段も不要とすることができるので、本発明によれば低コスト化を一段と図ることが可能な光導波回路を提供できる。
さらには、本発明に係る光導波回路では、従来のペルチェ素子やヒーター等からなる温度制御部に代えて薄膜からなる温度制御部13を採用しているので、温度制御部13で要する電力を大幅に低減できる。従って、本発明は熱的安定性に優れた光導波回路の顕著な低消費電力化に寄与する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る光導波回路の模式的な断面図である。
【図2】 本発明に係る光導波回路の一実施形態を示す概略図である。
【図3】 本発明に係る光導波回路で用いる温度制御部の概略図である。
【図4】 本発明に係る光導波回路を構成する光導波回路部としてアレイド・ウェーブガイド・グレーティング型の光合分波器を用いた一実施形態を示す模式的な平面図である。
【図5】 本発明に係る光導波回路を構成する光導波回路部としてアレイド・ウェーブガイド・グレーティング型の光合分波器を用いた他の一実施形態を示す模式的な平面図である。
【図6】 従来の光導波回路を構成する光導波回路部の一例を示す模式的な平面図である。
【図7】 従来の光導波回路の一実施形態を示す概略図である。
【図8】 従来の光導波回路の他の一実施形態を示す概略図である。
【符号の説明】
10 光導波回路、
11 基板、
12 光導波回路部、
12A 薄膜、
12B 導波路格子、
12Ba ドープした部分、
12Bb ドープしない部分、
13 温度制御部、
13A 第一の温度制御部、
13B 第二の温度制御部、
13a 細線状の温度制御部、
13b 網目状の温度制御部、
13c 内包する形状であり筒状の温度制御部、
13d 内包する形状であり螺旋状の温度制御部、
13a’〜13d’ 端子、
17 導波路格子、
19 入力部プレーナ型光導波路、
20 出力部プレーナ型光導波路、
21 入力用導波路、
22 出力用導波路、
100 光導波回路、
101 基板、
102 薄膜、
103 導波路格子、
103a 導波路パターン、
103b ドープした部分、
103c ドープしない部分、
104 光導波回路部、
105 温度制御部、
117 導波路格子、
119 入力部プレーナ型光導波路、
120 出力部プレーナ型光導波路、
121 入力用導波路、
122 出力用導波路。

Claims (3)

  1. 基板と、該基板の表面に、該基板と重なるように順に積層された第一の温度制御部、光導波回路部および第二の温度制御部とを具備した光導波回路であって、
    前記第一の温度制御部および前記第二の温度制御部は薄膜からなり、前記光導波回路部を一定温度に制御するための手段であり、
    前記第一の温度制御部は前記基板の表面全域を覆うように設けられ、前記第二の温度制御部は前記光導波回路部を構成する入力部スラブ型光導波路、該入力部スラブ型光導波路から分配された多波長の光が伝搬して光路長差を生じるように機能する光路長の異なる複数のチャネル導波路が並列配置されてなるアレイ導波路、および、該アレイ導波路から出力された光が干渉して波長が選択されるように機能する出力部スラブ型光導波路を覆う領域にのみ設けられたことを特徴とする光導波回路。
  2. 前記第一の温度制御部および前記第二の温度制御部は、前記基板上に配設された光導波回路部を上空から見たとき細線状であることを特徴とする請求項1に記載の光導波回路。
  3. 前記第一の温度制御部および前記第二の温度制御部は、前記基板上に配設された光導波回路部を上空から見たとき網目状であることを特徴とする請求項1に記載の光導波回路。
JP2000370188A 2000-12-05 2000-12-05 光導波回路 Expired - Fee Related JP4467773B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000370188A JP4467773B2 (ja) 2000-12-05 2000-12-05 光導波回路

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000370188A JP4467773B2 (ja) 2000-12-05 2000-12-05 光導波回路

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2002169039A JP2002169039A (ja) 2002-06-14
JP4467773B2 true JP4467773B2 (ja) 2010-05-26

Family

ID=18840112

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000370188A Expired - Fee Related JP4467773B2 (ja) 2000-12-05 2000-12-05 光導波回路

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4467773B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JP2002169039A (ja) 2002-06-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100890882B1 (ko) 가변 광 제어 디바이스 및 가변 광 제어 방법
US7585117B2 (en) Optical module
US6498878B1 (en) Arrayed waveguide grating
JP2000206348A (ja) 光導波路回路の光透過波長の補償方法
JP4467773B2 (ja) 光導波回路
JP2000249853A (ja) 光モジュール
JP2003228031A (ja) 光回路部品
JP2000292632A (ja) 温度無依存導波路
JP2000075152A (ja) 光モジュール
KR100416993B1 (ko) 평면 광도파로 소자 모듈의 일체형 열전달 장치
JP2006003651A (ja) 光モジュール及び光モジュールの製造方法
JP4100923B2 (ja) 光モジュール
JP3857930B2 (ja) 光導波路モジュール
JP4084050B2 (ja) 光モジュール
JP2000147277A (ja) 光モジュール
US8098999B2 (en) Multiple channel power monitor
JP2002250903A (ja) 光導波路素子
JP3869284B2 (ja) 光導波路モジュール
JP2004004342A (ja) 光導波路デバイス及びその製造方法
JP4454817B2 (ja) 導波路型光モジュール
JP4699435B2 (ja) 光モジュール
JPH11326658A (ja) 光モジュール
JP4667565B2 (ja) Awgモジュールおよびその光学特性の調整方法
JP4219672B2 (ja) 光モジュール
JP2003050326A (ja) 光導波路部品

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070615

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090424

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090428

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090622

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090825

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20091026

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20091124

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100121

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100216

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100224

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130305

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130305

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140305

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees