JP4467684B2 - ピリジン誘導体の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はピリジン誘導体、特にアミノ−2−オキシピリジン誘導体の製造方法に関する。本発明により得られるピリジン誘導体は医薬、農薬、染料などの合成中間体として有用であり、また、例えば5−アミノ−2−メトキシピリジンは、そのリン酸塩が脱臭剤としても有用である(特開平9−56800号公報参照)。
【0002】
【従来の技術】
従来、アミノ−2−オキシピリジン誘導体、例えば5−アミノ−2−メトキシピリジンの製造方法としては、▲1▼2−アミノピリジンの5位をまずニトロ化し、次いで2位のアミノ基をジアゾ化し、得られるジアゾニウム塩を加水分解して2位を水酸基へと変換した後、該水酸基をオキシ塩化リンおよび五塩化リンで塩素化し、さらにメトキシ基へと変換してから5位のニトロ基を還元する方法[ジャーナル オブ アメリカン ケミカル ソサエティー(J.Am.Chem.Soc.)、第64巻、1695頁(1942年);ジャーナル オブ ケミカルソサエティー(J.Chem.Soc.)、9頁(1941年);ジャーナルオブ アメリカン ケミカル ソサエティー(J.Am.Chem.Soc.)、第69巻、1204頁(1947年)参照]、▲2▼2−メトキシピリジンにメタクロロ過安息香酸を作用させて2−メトキシピリジンN−オキシドの塩酸塩を得、次いで5位をニトロ化し、さらにこのニトロ基を還元する方法[ジャーナルオブ ヘテロサイクリック ケミストリー(J.Heterocycl.Chem.)、第24巻、145頁(1985年)参照]が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記▲1▼の方法は多工程が必要なこと、5位のニトロ化の際に有害物質である濃硫酸および濃硝酸を用いる必要があり、かつ総収率は40%程度と低いこと、さらに2位の塩素化の際にも有害物質であるオキシ塩化リンおよび五塩化リンを用いる必要があることなどの種々の問題点を有する。また、▲2▼の方法は酸化剤として爆発性のある過酸化物を用いる必要があること、ニトロ化の際に有害物質である濃硫酸および濃硝酸を用いる必要があり、さらにニトロ基がピリジン環の4位に導入された異性体が生成し選択性が低いうえ、これらの異性体の分離が困難であるなどの問題点を有する。したがって、▲1▼の方法および▲2▼の方法はいずれもアミノ−2−オキシピリジン誘導体の優れた製造方法とは言い難い。
しかして、本発明の目的は、アミノ−2−オキシピリジン誘導体を簡便かつ好収率で、工業的に有利に製造する方法を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、上記の目的は
(1)一般式(I)
【0005】
【化12】
【0006】
(式中、R1はアルキル基、シクロアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基または置換基を有していてもよいアラルキル基を表し、X1、X2、X3およびX4(以下、これらをXnで総称し、nは1〜4の整数を表す。)の少なくとも1つはハロゲン原子を表し、他は水素原子またはアルキル基を表す。)
で示されるハロゲノ−2−スルホニルピリジン誘導体(以下、ハロゲノ−2−スルホニルピリジン(I)と略記する)を一般式(II)
【化13】
(式中、R2およびR3は水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基または置換基を有していてもよいアラルキル基を表すか、またはR2とR3はその結合する窒素原子と一緒になって環を形成していてもよい。)
で示されるアミン(以下、アミン(II)と略記する)と反応させて一般式(III)
【0007】
【化14】
【0008】
(式中、R1は前記定義のとおりであり、Y1、Y2、Y3およびY4(以下、これらをYnで総称し、nは前記定義のとおりである。)はXnに対応して、Xnがハロゲン原子である場合にはYnは−NR2R3で示されるアミノ基を表し、Xnが水素原子またはアルキル基である場合にはYnはXnと同一であり、R2およびR3は前記定義のとおりである。)
で示されるアミノ−2−スルホニルピリジン誘導体(以下、アミノ−2−スルホニルピリジン(III)と略記する)を得、得られたアミノ−2−スルホニルピリジン誘導体に、一般式(IV)
【0009】
【化15】
【0010】
(式中、R4はアルキル基、シクロアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基または置換基を有していてもよいアラルキル基を表し、Mはアルカリ金属またはアルカリ土類金属を表し、pはMが表すアルカリ金属またはアルカリ土類金属の価数であり、1または2を表す。)
で示される求核剤(以下、求核剤(IV)と略記する)を作用させることを特徴とする一般式(V)
【0011】
【化16】
【0012】
(式中、Y1、Y2、Y3、Y4およびR4は前記定義のとおりである。)
で示されるアミノ−2−オキシピリジン誘導体(以下、アミノ−2−オキシピリジン誘導体(V)と略記する)の製造方法、
(2)ハロゲノ−2−スルホニルピリジン(I)をアミン(II)と反応させることを特徴とするアミノ−2−スルホニルピリジン(III)の製造方法、および(3)アミノ−2−スルホニルピリジン(III)に求核剤(IV)を作用させることを特徴とするアミノ−2−オキシピリジン誘導体(V)の製造方法を提供することにより達成される。
【0013】
【発明の実施の形態】
上記一般式中、R1、R2、R3、R4、X1、X2、X3、X4、Y1、Y2、Y3およびY4が表すアルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基などの直鎖状または分岐鎖状のアルキル基が挙げられる。
【0014】
R1、R2、R3およびR4が表すシクロアルキル基としては、例えばシクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロオクチル基などが挙げられる。
【0015】
R1、R2、R3およびR4が表すアリール基としては、例えばフェニル基、ナフチル基などが挙げられ、アラルキル基としては、例えばベンジル基、フェネチル基などが挙げられる。これらのアリール基およびアラルキル基は置換基を有していてもよく、かかる置換基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基などのアルキル基;メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基などのアルコキシル基;フッ素原子、塩素原子、臭素原子などのハロゲン原子;メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基などのアルコキシカルボニル基;シアノ基;ニトロ基などが挙げられる。
【0016】
R2とR3がそれらが結合する窒素原子と一緒になって形成してもよい環の具体例としては、例えばアジリジン環、アゼチジン環、ピロリジン環、ピペリジン環、ピロリン環、ピロール環、イミダゾール環、ピラゾール環、プリン環、カルバゾール環などが挙げられる。これらの環は置換基を有していてもよく、かかる置換基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基などのアルキル基;メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基などのアルコキシル基;フッ素原子、塩素原子、臭素原子などのハロゲン原子;メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基などのアルコキシカルボニル基;シアノ基;ニトロ基などが挙げられる。
【0017】
X1、X2、X3およびX4が表すハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子などが挙げられる。
Mが表すアルカリ金属としては、リチウム、ナトリウム、カリウムなどが挙げられ、アルカリ土類金属としては、マグネシウム、カルシウムなどが挙げられる。
【0018】
以下、各工程について説明する。
【0019】
(1)ハロゲノ−2−スルホニルピリジン(I)をアミン(II)と反応させてアミノ−2−スルホニルピリジン(III)を製造する工程
【0020】
アミン(II)としては、例えばメチルアミン、エチルアミン、n−プロピルアミン、イソプロピルアミン、n−ブチルアミン、イソブチルアミン、sec−ブチルアミン、tert−ブチルアミン、シクロプロピルアミン、シクロペンチルアミン、シクロヘキシルアミン、アニリン、ナフチルアミン、o−トルイジン、o−アニシジン、o−クロロアニリン、o−ブロモアニリン、o−ニトロアニリン、ベンジルアミン、フェネチルアミンなどの1級アミン;ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジn−プロピルアミン、ジイソプロピルアミン、ジn−ブチルアミン、ジイソブチルアミン、ジsec−ブチルアミン、ジtert−ブチルアミン、ジシクロプロピルアミン、ジシクロペンチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、メチルエチルアミン、n−プロピルメチルアミン、ジフェニルアミン、ジナフチルアミン、N−メチルアニリン、ジベンジルアミン、ジフェネチルアミン、アジリジン、アゼチジン、ピロリン、ピロリジン、ピペリジンなどの2級アミン;ピロール、イミダゾール、ピラゾール、プリン、カルバゾールなどの複素環化合物;アンモニアなどが挙げられる。これらの中でも、反応の円滑な進行、工業的な入手および取り扱いの容易さの観点から、ベンジルアミンが特に好ましい。アミン(II)の使用量に厳密な意味での制限はないが、通常ハロゲノ−2−スルホニルピリジン(I)に対して1〜10モル倍の範囲が好ましく、1〜3モル倍の範囲がより好ましい。
【0021】
反応は、溶媒の存在下に行うことが好ましい。使用できる溶媒としては、反応に関与しない限り特に制限はなく、例えばベンゼン、トルエン、キシレン、クメン、ヘキサン、ヘプタン、オクタンなどの炭化水素;ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン、1,1,2,2−テトラクロロエタン、クロロベンゼンなどのハロゲン化炭化水素;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタンなどのエーテル;アセトニトリル、プロピオニトリルなどのニトリル;N−メチルピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンなどが挙げられる。また、アミン(II)を溶媒として使用することもできる。溶媒の使用量に特に制限はないが、通常ハロゲノ−2−スルホニルピリジン(I)に対して0.5〜20重量倍の範囲が好ましく、0.5〜10重量倍の範囲がより好ましい。
【0022】
また、反応を促進する目的で反応系に塩基をさらに共存させてもよく、かかる塩基としては、例えばトリメチルアミン、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、N−メチルモルホリンなどの脂肪族3級アミン;ピリジン、2,6−ルチジン、γ−コリジン、4−(ジメチルアミノ)ピリジンなどの芳香族3級アミン;水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウムなどのアルカリ金属水酸化物;水酸化カルシウム、水酸化マグネシウムなどのアルカリ土類金属水酸化物;炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸リチウムなどのアルカリ金属炭酸塩;炭酸カルシウム、炭酸マグネシウムなどのアルカリ土類金属水酸化物などが挙げられる。塩基を共存させる場合、その使用量について特に制限はないが、通常ハロゲノ−2−スルホニルピリジン(I)に対して1〜2モル倍の範囲が好ましい。
【0023】
反応温度は50〜250℃の範囲が好ましく、80〜200℃の範囲がより好ましい。反応時間はハロゲノ−2−スルホニルピリジン(I)、アミン(II)、溶媒の種類や量、反応温度によっても異なるが、通常8時間以内の範囲である。
【0024】
反応は、例えばハロゲノ−2−スルホニルピリジン(I)を溶媒に溶解し、得られた溶液にアミン(II)および必要に応じて塩基を加え、所定温度で攪拌して行うのが好ましい。
【0025】
また、アミン(II)は反応系内で発生させてもよく、かかる方法としては、例えばハロゲノ−2−スルホニルピリジン(I)を溶媒に溶解し、得られた溶液に水、塩基および一般式(VI)
【0026】
【化17】
【0027】
(式中、R2およびR3は前記定義のとおりである。)
で示されるアミド(以下、アミド(VI)と略称する)を加えて、反応条件下でアミド(VI)が加水分解することにより発生するアミン(II)を反応させる方法が挙げられる。
この場合、アミド(VI)の使用量に厳密な意味での制限はないが、通常ハロゲノ−2−スルホニルピリジン(I)に対して1〜10モル倍の範囲が好ましく、1〜3モル倍の範囲がより好ましい。塩基としては、ハロゲノ−2−スルホニルピリジン(I)とアミン(II)の反応を促進する目的で共存させてもよい上述した塩基を、通常ハロゲノ−2−スルホニルピリジン(I)に対して1〜2モル倍の範囲で用いることができる。また、水の使用量に厳密な意味での制限はないが、通常ハロゲノ−2−スルホニルピリジン(I)に対して0.5〜20重量倍の範囲が好ましく、1〜5重量倍の範囲がより好ましい。
【0028】
このようにして得られたアミノ−2−スルホニルピリジン(III)は、通常の有機化合物の単離・精製に用いられる方法により単離・精製することができる。例えば、反応液を水にあけ、トルエン、酢酸エチルなどの有機溶媒で抽出し、抽出液を水、食塩水などで洗浄して無水硫酸ナトリウムなどで乾燥後、濃縮して得られる粗生成物を再結晶、蒸留、クロマトグラフィーなどで精製する。
【0029】
(2)アミノ−2−スルホニルピリジン(III)に求核剤(IV)を作用させてアミノ−2−オキシピリジン誘導体(V)を製造する工程
【0030】
求核剤(IV)としては、例えばリチウムメトキシド、ナトリウムメトキシド、カリウムメトキシド、リチウムエトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムエトキシド、ナトリウムイソプロポキシド、カリウムtert−ブトキシド、マグネシウムジメトキシド、カルシウムジメトキシドなどの金属アルコキシド;ナトリウムフェノキシド、カリウムフェノキシド、ナトリウムo−クロロフェノキシド、カリウムo−ニトロフェノキシドなどの金属アリールオキシド;ナトリウムベンジルオキシド、カリウムベンジルオキシド、ナトリウムp−ニトロベンジルオキシド、カリウムp−メトキシベンジルオキシド、ナトリウムα−フェネチルオキシドなどの金属アラルキルオキシドが挙げられる。これらの中でも、反応の円滑な進行、および安価で工業的に容易に入手可能な観点から、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、ナトリウムベンジルオキシドが好ましい。求核剤(IV)の使用量に厳密な意味での制限はないが、通常アミノ−2−スルホニルピリジン(III)に対して1〜10モル倍の範囲が好ましく、1〜3モル倍の範囲がより好ましい。
【0031】
反応は、溶媒の存在下に行うことが好ましい。使用できる溶媒としては、反応に関与しない限り特に制限はなく、例えばベンゼン、トルエン、キシレン、クメン、ヘキサン、ヘプタン、オクタンなどの炭化水素;ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン、1,1,2,2−テトラクロロエタン、クロロベンゼンなどのハロゲン化炭化水素;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタンなどのエーテル;アセトニトリル、プロピオニトリルなどのニトリル;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンなどが挙げられる。溶媒の使用量に特に制限はないが、通常アミノ−2−スルホニルピリジン(III)に対して0.5〜20重量倍の範囲が好ましく、0.5〜10重量倍の範囲がより好ましい。
【0032】
反応温度は50〜250℃の範囲が好ましく、80〜200℃の範囲がより好ましい。反応時間は、アミノ−2−スルホニルピリジン(III)、求核剤(IV)、溶媒の種類や量、反応温度によっても異なるが、通常8時間以内の範囲である。
【0033】
反応は、アミノ−2−スルホニルピリジン(III)を溶媒に溶解し、得られた溶液に求核剤(IV)を加え、所定温度で攪拌して行うのが好ましい。
【0034】
また、求核剤(IV)は反応系内で発生させてもよく、かかる方法としては、例えばアミノ−2−スルホニルピリジン(III)を溶媒に溶解し、得られた溶液に一般式(VII)
【0035】
【化18】
【0036】
(式中、R4は前記定義のとおりである。)
で示されるアルコール(以下、アルコール(VII)と略称する)および塩基を加えて、反応条件下でアルコール(VII)と塩基の作用により発生する求核剤(IV)を反応させる方法が挙げられる。
この場合、アルコール(VII)の使用量に厳密な意味での制限はないが、通常アミノ−2−スルホニルピリジン(III)に対して1〜10モル倍の範囲が好ましく、1〜3モル倍の範囲がより好ましい。また、使用する塩基としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウムなどのアルカリ金属水酸化物;水酸化カルシウム、水酸化マグネシウムなどのアルカリ土類金属水酸化物;炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸リチウムなどのアルカリ金属炭酸塩;炭酸カルシウム、炭酸マグネシウムなどのアルカリ土類金属水酸化物などを挙げることができ、これらを、通常アミノ−2−スルホニルピリジン(III)に対して1〜3モル倍の範囲で用いることが好ましい。
【0037】
このようにして得られたアミノ−2−オキシピリジン誘導体(V)は、通常の有機化合物の単離・精製に用いられる方法により単離・精製することができる。例えば反応液を水にあけ、塩酸水溶液などの酸性水溶液で中和し、トルエン、酢酸エチルなどの有機溶媒で抽出し、抽出液を水、食塩水などで洗浄して無水硫酸ナトリウムなどで乾燥後、濃縮して得られる粗生成物を再結晶、蒸留、クロマトグラフィーなどで精製する。
【0038】
なお、本発明で用いるハロゲノ−2−スルホニルピリジン(I)は、例えば一般式(VIII)
【0039】
【化19】
【0040】
(式中、X1、X2およびX3は前記定義のとおりであり、X41は水素原子またはアルキル基を表す)
で示されるα,β−不飽和カルボニル化合物を、一般式(IX)
【0041】
【化20】
【0042】
(式中、R1は前記定義のとおりである。)
で示される有機スルホニルシアニドと反応させることにより、3位、4位または5位にハロゲン原子を有するハロゲノ−2−スルホニルピリジン(I)を簡便に収率よく製造することができる。また、2,6−ジハロゲノピリジンを、四級アンモニウム塩の存在下にベンゼン−水の二相系で一般式(X)
【0043】
【化21】
【0044】
(式中、R1は前記定義のとおりである。)
で示されるナトリウムチオラートと反応させ、得られる6−ハロゲノ−2−スルフェニルピリジンを過酸化水素で酸化することによって、6位にハロゲン原子を有するハロゲノ−2−スルホニルピリジン(I)を製造することができる。[ジャーナル オブ ケミカル ソサエティー パーキン トランザクション I(J.Chem.Soc.,Perkin Trans.I)、1839頁(1984年)参照]。
【0045】
【実施例】
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではない。
【0046】
参考例1 2−ベンゼンスルホニル−5−クロロピリジンの合成
トルエン60mlを100℃に加熱し、これにベンゼンスルホニルシアニド30.0g(純度82%)をトルエン60mlに溶解させた溶液および2−クロロ−1,3−ブタジエニルアセテート39.6gを同時に30分間で滴下した。滴下終了後、反応混合物を100℃で7時間攪拌した。反応液を冷却し、減圧下に濃縮して得られた結晶を0℃に冷却したトルエン150mlで洗浄し、減圧乾燥することにより、下記の物性を有する2−ベンゼンスルホニル−5−クロロピリジン31.9gを得た(収率86%)。
【0047】
融点:155℃
1H−NMRスペクトル(270MHz、CDCl3、TMS、ppm) δ:
7.50−7.68(m,4H)、7.89(dd,J=2.3Hz,8.0Hz,1H)、8.02−8.09(m,2H)、8.16(d,J=8.0Hz,1H)、8.60(d,J=2.3Hz,1H)
【0048】
実施例1 5−ベンジルアミノ−2−ベンゼンスルホニルピリジンの合成
参考例1の方法で得られた2−ベンゼンスルホニル−5−クロロピリジン25.4gをN−メチルピロリドン100mlに溶解し、この溶液にベンジルアミン32.1gを加え、180℃に加熱して10時間攪拌した。反応液を室温まで冷却後、300mlのメタノールにあけ、−10℃で3時間冷却した。析出した結晶をろ別し、0℃に冷却したトルエンで洗浄し、減圧乾燥することにより、下記の物性を有する5−ベンジルアミノ−2−ベンゼンスルホニルピリジン27.5gを得た(収率85%)。
【0049】
融点:188℃〜187℃
1H−NMRスペクトル(270MHz、CDCl3、TMS、ppm) δ:
8.30(d、J=2.0Hz、1H)、8.11−8.19(m,3H)、7.80−7.96(m,4H)、7.50−7.62(m,4H)、7.27(dd,J=3.0,8.9Hz,1H)、4.63(d,J=5.9Hz,2H)
【0050】
実施例2 5−ベンジルアミノ−2−メトキシピリジンの合成
実施例1の方法で得られた5−ベンジルアミノ−2−ベンゼンスルホニルピリジン3.25gをN−メチルピロリドン10mlに溶解し、この溶液にナトリウムメトキシド0.81gを加え、140℃に加熱して15時間攪拌した。反応液を室温まで冷却後、水20mlを加え、次いで1N塩酸水溶液20mlで中和し、酢酸エチル30mlで3回抽出した。抽出液を合わせて飽和食塩水20mlで2回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後濃縮した。得られた濃縮物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することにより、下記の物性を有する5−ベンジルアミノ−2−メトキシピリジン1.56gを得た(収率74%)。
【0051】
融点:65℃〜66℃
1H−NMRスペクトル(270MHz、CDCl3、TMS、ppm) δ:
7.58(d、J=4.0Hz、1H)、7.38−7.27(m,5H)、6.98(dd,J=3.0,8.9Hz,1H)、6.60(d,J=8.9Hz,1H)、4.28(s、2H)、3.86(s、3H)
【0052】
実施例3 5−ジメチルアミノ−2−ベンゼンスルホニルピリジンの合成
参考例1の方法で得られた2−ベンゼンスルホニル−5−クロロピリジン1.64gをN,N−ジメチルホルムアミド22mlおよび水7mlの混合溶媒に溶解し、この溶液に水酸化ナトリウム0.84gを加え、100℃に加熱して11時間攪拌した。反応液を室温まで冷却後、水200mlを加え、トルエン100mlで抽出し、抽出液を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、濃縮した。得られた結晶をヘキサン10mlにて洗浄し、減圧乾燥することにより、5−ジメチルアミノ−2−ベンゼンスルホニルピリジン1.08gを得た(収率64%)。
【0053】
融点:168℃〜169℃
1H−NMRスペクトル(270MHz、CD3SOCD3、TMS、ppm) δ:
3.00(s,6H),6.63(dd,J=2.9Hz,9.1Hz,1H),7.05−7.20(m,3H),7.36−7.44(m,3H),7.61(d,J=2.9Hz,1H)
【0054】
実施例4 5−ジメチルアミノ−2−メトキシピリジンの合成
実施例3の方法で得られた5−ジメチルアミノ−2−ベンゼンスルホニルピリジン2.05gをN−メチルピロリドン10mlに溶解し、この溶液にナトリウムメトキシド1.27gを加え、140℃に加熱して15時間攪拌した。反応液を室温まで冷却後、水20mlを加え、次いで1N塩酸水溶液20mlで中和し、酢酸エチル30mlで3回抽出した。抽出液を合わせて飽和食塩水20mlで2回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後濃縮した。得られた濃縮物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することにより、下記の物性を有する5−ジメチルアミノ−2−メトキシピリジン0.98gを得た(収率82%)。
【0055】
1H−NMRスペクトル(270MHz、CDCl3、TMS、ppm) δ:
7.67(d、J=4.0Hz、1H)、7.15(dd,J=4.0,8.9Hz,1H)、6.66(d,J=8.9Hz,1H)、3.88(s、3H)、2.85(s、6H)
【0056】
【発明の効果】
本発明の方法によれば、アミノ−2−オキシピリジン誘導体を簡便かつ好収率で、工業的に有利に製造することができる。
Claims (2)
- 一般式(I)
- 一般式(III)
Priority Applications (1)
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