JP4467458B2 - 容器入り二層ゼリー及びその製造方法。 - Google Patents

容器入り二層ゼリー及びその製造方法。 Download PDF

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Description

本発明は、上層のゲルと下層のゲルとの界面が明瞭でありながら、視覚的にも楽しめる容器入り二層ゼリー、及び、そのような容器入り二層ゼリーを、簡単な方法で、安定して得ることができる、容器入り二層ゼリーの製造方法に関する。
ゼリーは水分含量が高いため、滑らかで清涼感のある食感を有し、特にデザートとして夏季における人気は大変高い。また、各種ピューレやクリームを混合することで、色や風味、透明感のあるゲルからムース状の不透明なゲルまで様々なバリエーションを生み出すことができるため視覚的に楽しめる点でも人気が高い。
なかでも、2種の色や風味及び食感のゼリーを同時に楽しめる二層ゼリーは特に人気が高い。
この二層ゼリーの製造方法は各種のものがあるが、大きく分けて、次の3つの方法が知られている。
まず第1の方法としては、ゼリー容器に、ゲル化剤やゲル化素材を溶解した水溶液(以下ゼリー液と言う)を充填し、いったんゲル化させた後、その上面に別のゼリー液を積置し、ゲル化して、二層ゼリーを得る方法があげられる(例えば特許文献1参照)。
また、第2の方法としては、比重の異なる2種のゼリー液を用意し、これを順次ゼリー容器に、静かにまじりあわないように流し込んだ後、ゲル化し、二層ゼリーを得る方法があげられ、下層となるゼリー液を先に充填する方法(例えば特許文献2参照)と、上層となるゼリー液を充填した後、そのゼリー液中を通るかたちで下層となるゼリー液を流し込む方法(例えば特許文献3及び4参照)がある。
また、第3の方法としては、加熱により分離する水溶液をゼリー液に混合した後、加熱し、冷却して、ゲル化することで、自然に分離させて、二層ゼリーを得る方法があげられる(例えば特許文献5及び6参照)。
しかし、上記第1の方法(特許文献1の方法)は、2回に分けてゲル化するため、2回目のゼリー液が固化するまで静置状態を保つ必要があり、製造時間が長い上に、慎重な取り扱いを有するという問題があった。そのため、その改良法として、下層のゼリー液の表面のみをゲル化した後、上層のゼリー液を積置する方法(例えば特許文献7参照)があるが、この方法では、上層と下層との界面となる固化層が脆く、慎重に上層のゼリー液を積置しないと下層のゼリー液と混濁してしまうため、二層ゼリーを安定して製造することができない問題があった。
また、上記第2の方法は、ゼリー液を慎重に充填したとしても、上層となるゼリー液と下層となるゼリー液が界面で混濁してしまうため、明瞭な界面が得られない問題があった。特に特許文献3及び4の方法は、明瞭な界面が得られないことに加え、下層となるゼリー液を上層となるゼリー液中に通すため両者の比重差を大きくとらねばならず、さらに慎重な注ぎ込みが必要とされ、安定した製造が極めて難しいという問題があった。そのため、その改良法として、細分化した熱可逆性のゲル化物と、該ゲル化物とは比重が異なるゼリー液とを容器内に充填した後、ゲル化する方法(例えば特許文献8参照)があるが、この方法では、あらかじめゲル化・細分化する必要があり、製造時間が長いという問題があった。
また、上記第3の方法(特許文献5及び6の方法)は、酸度や乳化剤やpHをきめこまかに設定する必要があり一般的ではないことに加え、上層のゲルと下層のゲルとの界面は混濁した状態となり、明瞭な界面を有するものではなかった。さらにこの方法で得られる二層ゼリーは、上層のゲルと下層のゲルとの界面が必ず平面になり、側面から見た場合に直線的に層状ゼリーが分断されているため、視覚的に面白味のないものであった。
最近の洋菓子は、高級化に伴い、味、食感や香りだけでなく、視覚的にも面白味のあるものが求められているが、二層ゼリーにおいては、従来の製造方法では、2種以上の層をさらに重層する方法や、二層の色のコントラストを高めるなどの方法でしかバリエーションが得られず、更なる新しい視覚上のバリエーションを有する二層ゼリー、またそのような二層ゼリーを生み出すことの可能な新しい二層ゼリーの製造方法が求められている。
特開昭48−72362号公報 特開昭61−128846号公報 特開昭50−36652号公報 特開昭47−39565号公報 特開平8−242786号公報 特開2004−229531号公報 特開昭53−12463号公報 特開平10−150932号公報
従って、本発明の目的は、上層のゲルと下層のゲルとの界面が明瞭でありながら、視覚的にも楽しめる容器入り二層ゼリー、及び、そのような容器入り二層ゼリーを、簡単な方法で、安定して得ることができる、容器入り二層ゼリーの製造方法を提供することにある。
本発明者等は、上記目的を達成すべく種々検討した結果、従来の発想とは全く異なり、二層ゼリー製造の際に、ゼリー容器の内底面を利用することで上記課題を解決可能なことを知見した。
本発明は、上記知見に基づいてなされたもので、上層のゲルと下層のゲルとの界面が、ゼリー容器の内底面と略同一形状であり、該ゼリー容器の内底面が平面ではなく、かつ、上記上層のゲルの比重が、上記下層のゲルの比重より小であることを特徴とする容器入り二層ゼリーを提供するものである。
また、本発明は、第1のゼリー液を、ゼリー容器に充填した後ゲル化して、上層となる第1のゲルを得た後、該第1のゲルより比重が大である第2のゼリー液を、該ゼリー容器に投入し、該第2のゼリー液で該第1のゲルを押し上げて、該第2のゼリー液を、該第1のゲルの下方に充填した後ゲル化して、下層のゲルとする、ことを特徴とする容器入り二層ゼリーの製造方法を提供するものである。
本発明の容器入り二層ゼリーは、上層のゲルと下層のゲルとの界面が明瞭でありながら、視覚的にも楽しめるものである。
また、本発明の容器入り二層ゼリーの製造方法によれば、上層のゲルと下層のゲルとの界面が明瞭でありながら、視覚的にも楽しめる容器入り二層ゼリーを、簡単に、安定して得ることができ、また、ゼリー容器の内底面の形状を変えることで様々なバリエーションの容器入り二層ゼリーを製造することが可能である。
以下、本発明の容器入り二層ゼリー及びその製造方法について詳述する。
本発明におけるゼリーとは、ゲル化剤やゲル化素材を使用して得られたゲルのことであり、各種の呈味や呈色成分を含有した、例えば、ゼリー、ムース、ババロア、パンナコッタ、プディング、羊羹、外郎、にこごり、ヨーグルトなどを含むものである。
また、本発明における二層ゼリーとは、呈味や呈色の異なる2種のゲルが上下に一つの界面をもって接しているものであり、ゼリーの中に小片状のゼリーの小片が分散しているものについては含まれない。
また、本発明において、下層のゲルとは、ゼリー容器の内底面に接しているゲルのことを指し、上層のゲルとは、もう一方のゲルを指す。
本発明の二層ゼリーに使用する原料については、通常のゼリー製造に使用するものであればよく、水、牛乳、煉乳、果汁、クリームなどの水性原料と、寒天、カラギーナン、ファーセルラン、タマリンド種子多糖類、タラガム、カラヤガム、ペクチン、キサンタンガム、アルギン酸ナトリウム、トラガントガム、グアーガム、ローカストビーンガム、プルラン、ジェランガム、アラビアガム、ゼラチン、澱粉などのゲル化剤や全卵、卵白などのゲル化素材を主原料とし、さらに必要により、乳化剤、酸化防止剤、糖類及び糖アルコール、澱粉、小麦粉、無機塩及び有機酸塩、カカオ及びカカオ製品、コーヒー及びコーヒー製品、その他の各種食品素材全般、着香料、調味料などの呈味成分、着色料、保存料、pH調整剤などのその他の成分を適宜使用することができる。
本発明の二層ゼリーに使用するゼリー容器は、通常のゼリー製造に使用するものであればよいが、該ゼリー容器の内底面の形状が、本発明の二層ゼリーにおける上層のゲルと下層のゲルとの界面の形状となるため、それを想定して選定することが必要である。
ここで、ゼリー容器の内底面とは、ゼリー容器の内側における、最深部を含む底面の一部又は全部のことであり、さらに側面と底面の境界が明瞭でない場合は一部側面の下方を含むものである。
なお、通常のゼリー容器は、容器を保存する際の省スペース化の要請から、あるいは、容器から剥がして使用するゼリーの場合のいわゆる型抜き性の面から必ず上方に向かって外傾したテーパーが設けられている。本発明では、このテーパーのない容器をゼリー容器として使用することも可能であるが、迅速に安定して二層ゼリーを製造するためには使用しないことが好ましい。さらには、逆テーパー(上方に向かって内傾した容器)を有する容器を使用することも可能であるが、その場合、二層ゼリーの最上面が逆テーパー部より下方となるようにゼリー容量を決定することが好ましい。
上記ゼリー容器の素材は、通常のゼリー製造に使用するものであればよく、ガラス、プラスティック、陶器、シリコ−ン、ゴム、金属など、特に限定なく使用することが可能であるが、ゼリー容器を通して上層のゲルと下層のゲルとの界面を側方から見ることが可能な点で、ガラス、プラスティックなどの透明性の高い素材を使用することが好ましい。また、ゲルが熱凝固性のものである場合には、耐熱性の高い素材を使用するのはもちろんである。
本発明に使用するゼリー容器は、ゼリー容器の内底面が一個の平面から構成されるものではなく、曲面であることが、より面白みがある外観が得られる点で好ましい。
上記の曲面とは、一個の平面から構成されるものではないという意味であり、例えば平面に突起や凹面が存在するものや、複数の平面から構成される形状のものも含むものである。
例えば、二層ゼリーを側面から見て面白い外観を求める場合は、例えば底面がわん状、球面状、波状などの立体で構成された容器や、側面のテーパーが曲線となっている容器などを使用すると、二層ゼリーを側面から見た場合に、上層のゲルと下層のゲルとの界面が波状を呈していたり、グラデーション状を呈するなど、極めて面白く斬新な外観の二層ゼリーを得ることができる。
また、二層ゼリーを上面や底面から見て面白い外観を求める場合は、例えば底面に文字や絵画が刻印された容器を使用することで、上方又は下方から見た場合に、すかし状に文字や絵画が浮かぶなど、極めて面白く斬新な外観の二層ゼリーを得ることができる。
なお、ゼリー容器の内底面とは、ゼリー容器の内底面自体の形状を含むほか、非食性の物質、例えば比重の極めて重たい金属による図柄や文字状に成形した金属をゼリー容器の内底面に置く場合や、可食性のものであっても、ゲルには付着しないが内底面に付着しやすい固形物やペースト状物質等(マジパン、フラワーペースト、カラメル)をゼリー容器の内底面に置く場合は、その表面を含めてゼリー容器の内底面とする。
本発明の二層ゼリーは、上層のゲルの比重が下層のゲルの比重より小であることが、製造時の安定性が良好な点及び保存時の層構造の安定性が良好な点で好ましい。
上層のゲルの比重が下層のゲルの比重より小とする方法としては、下層のゼリー液に上層のゼリー液よりも多量の糖など、水溶性物質を溶解させて比重を大とする方法、上層のゼリー液に水よりも比重の軽い油脂を含有する食品素材、例えば生クリームや濃縮乳などを使用するか、上層のゼリー液に気相を含有させて上層のゼリーの比重を小とする方法などがあげられ、その1種又は2種以上の方法を組み合わせて使用することができる。
上層のゲルと下層のゲルとの比重差は、0.03以上あることが好ましく、より好ましくは0.07以上、さらに好ましくは0.1〜1.0である。
本発明の容器入り二層ゼリーを得るためには、上層のゲルを製造した後、下層のゲルを製造すればよく、そのため、得られる二層ゼリーの上層のゲルと下層のゲルとの界面は、内底面をそのまま模写したかたちで生成するものである。
すなわち、第1のゼリー液を、ゼリー容器に充填した後ゲル化して、上層となる第1のゲルを得た後、該第1のゲルより比重が大である第2のゼリー液を、該ゼリー容器に投入し、該第2のゼリー液で該第1のゲルを押し上げて、該第2のゼリー液を、該第1のゲルの下方に充填した後ゲル化して、下層のゲルとするものである。従って、従来の二層ゼリーの製造方法のように、第2のゼリー液をゲル化させる際に慎重な扱いをしなくとも、第2のゼリー液は既に固化した上層のゲルによって上方から押さえられているため、少々の振動でもゼリー容器からあふれることはない。
本発明の容器入り二層ゼリーの製造方法の具体的な方法としては、例えば下記(i)及び(ii)の方法をあげることができる。
(i)第1のゼリー液を、ゼリー容器に充填した後ゲル化して、上層となる第1のゲルを得た後、該第1のゲルより比重が大である第2のゼリー液を、該ゼリー容器中の第1のゲルの上面に投入し、該第2のゼリー液と該第1のゲルとの比重差により、該第2のゼリー液を、該第1のゲルと上記ゼリー容器の内壁面との間隙を通して該第1のゲルの下方に移行させ、該第2のゼリー液で該第1のゲルを押し上げて、該第2のゼリー液を、該第1のゲルの下方に充填した後ゲル化して、下層のゲルとすることにより、本発明の容器入り二層ゼリーを得る方法。
(ii)第1のゼリー液を、ゼリー容器に充填した後ゲル化して、上層となる第1のゲルを得た後、該第1のゲルを貫通する注入口を設け、該第1のゲルより比重が大である第2のゼリー液を、該第1のゲルを貫通する注入口を通じて、該第1のゲルの下方に投入し、該第2のゼリー液で該第1のゲルを押し上げて、該第2のゼリー液を、該第1のゲルの下方に充填した後ゲル化して、下層のゲルとすることにより、本発明の容器入り二層ゼリーを得る方法。
なお、ゼリー液の比重と該ゼリー液をゲル化して得られたゲルの比重は、略同一であり、ゼリー液の比重差はそのままゲルの比重差となる。
また、本発明の容器入り二層ゼリーは、下記(iii) の方法により製造することもできる。
(iii) 第1のゼリー液を、ゼリー容器に充填した後ゲル化して、上層となる第1のゲルを得た後、該第1のゲルを該ゼリー容器から取り出し、あらかじめ該第1のゲルより比重が大である第2のゼリー液を充填しておいた別のゼリー容器に投入し、該第2のゼリー液をゲル化して、下層のゲルとすることにより、本発明の容器入り二層ゼリーを得る方法。
ここで、第1のゼリー液に使用するゲル化剤やゲル化素材、及び第2のゼリー液に使用するゲル化剤やゲル化素材は、求める食感により適宜選択可能であるが、第2のゼリー液に、全卵、卵白などの加熱凝固性のゲル化剤やゲル化素材を使用する場合は、そのゲル化の際に第1のゲルが溶解しないことが必要であるため、第1のゼリー液に使用するゲル化剤やゲル化素材として、熱不可逆性のゲル化剤を選定するか、第2のゼリー液のゲル化の温度を第1のゲルの融解温度未満に設定することが必要である。
本発明の容器入り二層ゼリーの製造方法としては、上記3種の方法の中でも、上記(i)の方法が、最も簡単に安定して生産が可能な点で最も好ましい。そして、この方法においては、第2のゼリー液を第1のゲルとゼリー容器との間隙を通して下方に移行させる方法が、ゼリー液の比重差を利用する方法であるため、特に加圧などの機械的な作用を要せずとも製造可能な点で特に好ましい。
ここで、第1のゼリー液と第2のゼリー液との比重はどちらが小であっても製造可能であるが、特に密閉、反転する必要がなくそのままの状態で製造可能な点で、第1のゼリー液の比重の方が小であること(すなわち第2のゼリー液の比重の方が大であること)が好ましい。もちろん、先に述べたように、第1のゼリー液の比重が小であると、このように製造が容易であることに加え、保存安定性も良好である。
なお、第2のゼリー液の比重の方が小である場合は、第2のゼリー液を投入後、ゼリー容器の開口部を密閉して反転静置することで、第2のゼリー液を第1のゲルとゼリー容器の内壁面との間隙を通して下方(ただし反転時の状態では第1のゲルの上方になる)に移行させた後、ゲル化することで、同様の効果を得ることができる。
上記(i)の方法では一見、第1のゲルとゼリー容器の内壁面との間隙を通して第2のゼリー液を第1のゲルの下方に移行させるのは困難であるように感じられるが、先に述べたとおり、ゼリー液は固化する際に収縮すること、及び、通常のゼリー容器は、上方に向かって外傾したテーパーが設けられているため、第2のゼリー液が少量でも第1のゲルの下方に廻り込めば、あとは、両者の比重差によって自然に第1のゲルが上方に浮上し、これによってさらに第1のゲルとゼリー容器の内壁面との間隙は増すので、さらに第2のゼリー液の下方への移動速度が加速するため、全く問題なく簡単に安定して二層ゼリーを得ることができる。
第1のゲルがゼリー容器と密着して剥れにくい場合には、ゼリー容器を軽く振揺することで第2のゼリー液の移動を起こすことができる。また、それでも第2のゲルの移動が起こらない場合は、ゼリー容器を軽く湯煎などの方法で加熱して、内壁面に接した部分の第1のゲルを溶解することで第2のゼリー液の移動を起こすことができる。
本発明の二層ゼリーの製造方法で、上記第1のゼリー液に使用するゲル化剤は冷却することで凝固するものであることが好ましく、特に、カラギーナン、寒天及びジェランガムの中から選ばれる1種又は2種以上を使用したものである場合、得られる第1のゲルは収縮しやすく、また離水性が高いため、ゼリー容器の内壁面から剥れやすい点で好ましい。特に上記(i)の製造方法を採った場合、第1のゲルとゼリー容器の内壁面との間隙を生じやすく、下層のゲル化剤に短い時間で固まるようなゲル化剤を用いた場合でも、また、第2のゼリー液を下方に移行させながらゲル化しても、短い時間で第2のゼリー液を完全に下方に移行することが可能なので、第2のゼリー液が移行途中で固まってしまったり、第2のゼリー液の移行時間がかかりすぎてしまうこともない点で好ましい。
本発明の二層ゼリーの製造方法で、上記第1のゼリー液に使用するゲル化剤の添加量は、求めるゲル硬さにより適宜選択できるが、0.001〜1質量%であることが、ゼリー容器の内壁面から剥れやすいゲルを製造可能な点で好ましい。
本発明の二層ゼリーの製造方法で、上記第2のゼリー液に使用するゲル化剤は冷却することで凝固するものであることが好ましく、特にゼラチン、HMペクチン及びLMペクチンの中から選ばれる1種又は2種以上を使用したものである場合、固化速度が遅く、深度の冷却をしないと固化しないため、時間に余裕があり、第1のゲルとゼリー容器の内壁面との間隙が少ない場合でも、また、第2のゼリー液を下方に移行させながら冷却しても、第2のゼリー液が移行途中で固まってしまったりすることがない点で好ましい。
本発明の二層ゼリーの製造方法で、上記第2のゼリー液に使用するゲル化剤の添加量は、求めるゲル硬さにより適宜選択できるが、0.001〜1質量%であることが、第2のゼリー液の粘度が低いため第1のゲルの下方に移動させるのが容易である点で好ましい。
本発明の容器入り二層ゼリーは、この二層だけで十分変化のあるものであるが、さらに上面や下面に第三あるいはそれ以上の層のゲル層を積層してもよい。また、各ゲル層には果実、ナッツ、チョコチップ、クッキークラムなどの固形物を含ませてもよく、また二層ゼリーの上面にカラメルやピューレなどのソース類、ホイップドクリームやカスタードクリームなどのクリーム類、果実や板チョコなどの固形物を積置してもよい。
本発明の容器入り二層ゼリーは、そのままカップチルドデザートとして、また、ゼリー容器から外して皿に載せてディッシュチルドデザートとして、また、ゲルが溶解しない程度に加温して温製デザートとすることもでき、また、トヨ型などの大きな型で製造してからスライスしてもよく、洋菓子、惣菜分野に広く使用することができる。
〔実施例1〕
牛乳45質量部及び生クリーム44質量部を混合し、カラギーナン0.5質量部及び寒天0.5質量部をグラニュー糖10質量部中に分散したものを加えて80℃に加熱して完全に溶解し、これを50℃まで冷却して、ゲル化剤としてカラギーナンと寒天を併せて1.0質量部含有し、比重が0.88である第1のゼリー液を得た。
この第1のゼリー液80gを、開口部が直径50mm、全高が75mmで、内底面が半径25mmの球面である、カップ容積150mlの足付きゼリー容器(PS66-150ダイアナカップ:株式会社東光製)に充填し、5℃の冷蔵庫で2時間冷却し、ゲル化させ、上層となる第1のゲルを形成させた。なお、ゼリー容器を100°傾けたところ、このゲルは容器から抜け、滑り落ちたことから、この第1のゲルは、収縮性が高く、また離水性の高いゲルであることが確認された。
次いで、水51.9質量部、砂糖30質量部及び赤色色素0.000005質量部を混合して80℃まで加熱した後、ここに粉ゼラチン2質量部を水10質量部に3時間浸漬したものを添加、溶解させ、これを50℃まで冷却した後、ここに濃縮ストロベリー果汁4質量部、ストロベリーリキュール2質量部及びストロベリーフレーバー0.1質量部を添加混合して、ゲル化剤としてゼラチンを2質量部含有し、比重が1.10である第2のゼリー液を得た。
ここで冷蔵庫より、先ほど製造した第1のゲルを形成してなるゼリー容器を取り出し、該第1のゲルの上面に、上記第2のゼリー液を30g流し込んだ後、再び5℃の冷蔵庫で3時間冷却し、該第2のゼリー液をゲル化させ、本発明の容器入り二層ゼリーを得た。
なお、第2のゼリー液は、第1のゲルの上面に少量と、第1のゲルとゼリー容器との間隙に界面張力によると思われる極少量のみを残し、第1のゲルの下方に移行していた。
得られた二層ゼリーの、上層のゲルと下層のゲルの界面は半径25mmの球面を形成しており、ゼリー容器の内底面の形状をそのままコピーしてなるものであり、側面から見ると白色と燈色がグラデーションに見え、面白い外観を有するものであった。
〔実施例2〕
水66.8質量部、燈色色素0.000005質量部及びオレンジフレーバー0.1質量部を混合して80℃まで加熱した後、ここにカラギーナン0.5質量部及び寒天0.5質量部をグラニュー糖15質量部中に分散したものを加えて80℃に加熱して完全に溶解し、これを50℃まで冷却して、ゲル化剤としてカラギーナンと寒天を併せて1.0質量部含有し、比重が1.02である第1のゼリー液を得た。
開口部が直径76mm、全高が70mmで、内底面が直径50mmの平面である、カップ容積185mlのゼリー容器(PS76-185スタンダードカップ:株式会社東光製)の底面に、マジパンで造形したバラの花を圧着させた後、第1のゼリー液を30g充填し、5℃の冷蔵庫で2時間冷却し、ゲル化させ、上層となる第1のゲルを形成させた。なお、ゼリー容器を100°傾けたところ、このゲルは容器から抜け、滑り落ちたことから、この第1のゲルは、収縮性が高く、また離水性の高いゲルであることが確認された。
次いで、水46.9質量部、砂糖35質量部及び赤色色素0.000007質量部を8
0℃まで加熱した後、ここに粉ゼラチン2質量部を水10質量部に3時間浸漬したものを添加、溶解させ、これを50℃まで冷却した後、ここに濃縮ストロベリー果汁4質量部、ストロベリーリキュール2質量部及びストロベリーフレーバー0.1質量部を添加混合して、ゲル化剤としてゼラチンを2質量部含有し、比重が1.10である第2のゼリー液を得た。
ここで冷蔵庫より、先ほど製造した第1のゲルを形成してなるゼリー容器を取り出し、該第1のゲルの上面に、上記第2のゼリー液を80g流し込んだ後、再び5℃の冷蔵庫で3時間冷却し、該第2のゼリー液をゲル化させ、本発明の容器入り二層ゼリーを得た。
なお、第2のゼリー液は、第1のゲルの上面に少量と、第1のゲルとゼリー容器との間隙に界面張力によると思われる極少量のみを残し、第1のゲルの下方に移行していた。
得られた二層ゼリーの、上層のゲルと下層のゲルの界面はバラの図柄を形成しており、ゼリー容器の内底面の形状をそのままコピーしてなるものであり、上面から見ると上層のゲルを通し深紅のバラの図柄が浮かんで見える斬新な、面白い外観を有するものであった。また側面から見ても赤色と燈色がグラデーションに見え、面白い外観を有するものであった。
〔比較例1〕
実施例1で使用した第1のゼリー液と第2のゼリー液の、ゼリー容器に入れる順番を逆にし、第2のゼリー液をゲル化した後、第1のゼリー液をその上面に積置して、再度ゲル化した以外は、実施例1と同様の製法で容器入り二層ゼリーを得た。
得られた二層ゼリーは、第1のゲルの下に第2のゲルを有する点では、実施例1の二層ゼリーと同一であったが、その界面は平面で構成されており、側面から見ると一直線に分断された、面白味のない外観であった。
〔比較例2〕
実施例1で使用した第1のゼリー液と第2のゼリー液を使用し、ゼリー容器に入れる順番を逆にし、さらに第2のゼリー液をゲル化することなく、第1のゼリー液をその上面に静かに積置して後、ゲル化する以外は、実施例1と同様の製法で容器入り二層ゼリーを得た。
得られた二層ゼリーは、第1のゲルの下に第2のゲルを有する点では、実施例1の二層ゼリーと同一であったが、その界面はにごりがあり明瞭ではなく、また平面で構成されており、側面から見ると一直線に分断された、面白味のない外観であった。

Claims (6)

  1. 上層のゲルと下層のゲルとの界面が、ゼリー容器の内底面と略同一形状であり、該ゼリー容器の内底面が平面ではなく、かつ、上記上層のゲルの比重が、上記下層のゲルの比重より小であることを特徴とする容器入り二層ゼリー。
  2. 上記ゼリー容器の内底面が、曲面である、請求項1記載の容器入り二層ゼリー。
  3. 上記上層のゲルに使用するゲル化剤が、カラギーナン、寒天及びジェランガムの中から選ばれる1種又は2種以上である、請求項1又は2記載の容器入り二層ゼリー。
  4. 上記下層のゲルに使用するゲル化剤が、ゼラチン、HMペクチン及びLMペクチンの中から選ばれる1種又は2種以上である、請求項1〜の何れかに記載の容器入り二層ゼリー。
  5. 第1のゼリー液を、ゼリー容器に充填した後ゲル化して、上層となる第1のゲルを得た後、該第1のゲルより比重が大である第2のゼリー液を、該ゼリー容器に投入し、該第2のゼリー液で該第1のゲルを押し上げて、該第2のゼリー液を、該第1のゲルの下方に充填した後ゲル化して、下層のゲルとする、ことを特徴とする容器入り二層ゼリーの製造方法。
  6. 上記第2のゼリー液を上記第1のゲルの上面に投入し、該第2のゼリー液と該第1のゲルとの比重差により、該第2のゼリー液を、該第1のゲルと上記ゼリー容器の内壁面との間隙を通して該第1のゲルの下方に移行させる、請求項記載の容器入り二層ゼリーの製造方法。
JP2005107519A 2005-04-04 2005-04-04 容器入り二層ゼリー及びその製造方法。 Active JP4467458B2 (ja)

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