JP4466978B2 - 記録および再生装置 - Google Patents
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Description
本発明は、ディジタル・ビデオ記録の分野に関し、特に、通常速度以外の速度での再生に関する。
発明の背景
ディジタル・ビデオ信号は、低減されたビットレートを有するビットストリームを形成するように処理することができる。そのようなビットレートの低減を行うためのビデオ信号処理は、MPEGの圧縮方法に従って実行することができ、さらに、例えばDSSTM(トレードマーク、登録商標)等のディジタル衛星システムにおいて使用されているようなまたは提案されたグランド・アライアンス(Grand Alliance)即ちGAの地上波システムにおいて採用されているような構成を持った形式にフォーマット化することができる。
消費者向けビデオ記録装置は、例えばMPEG標準とのコンパチビリティ(適合性、両立性)を有するように処理され、また例えばGAまたはDSSTM信号フォーマットを有するアナログ信号とディジタル符号化信号の双方に対して、その信号を記録する機能を有するように適合化されている。この適合化された消費者向けビデオ記録装置は、記録機構、サーボおよび制御(コントロール)の諸システムを共有する1つの筐体に収容された2つの電子システムと見なすことができる。アナログ記録では、アナログ・ルミナンス(輝度)信号コンポーネント(成分)でRFキャリア(搬送波)を周波数変調し、アナログ・クロミナンス(色)信号コンポーネント(成分)で第2のRFキャリアを振幅変調する、通常のアナログ記録方法を使用することができる。この2つの変調済み信号は、再生するときに、復調され、合成され(組合わされ)、ビデオ表示を行うように結合される。
ディジタル記録は、消費者向けビデオ記録装置をディジタル・ビットストリーム記録/再生装置(記録装置/再生装置)として使用することによって実現できる。例えば、トランスポート・パケットのようなMPEGコンパチブルのビットストリームは、記録および再生を容易にするために、そのビットストリームを再フォーマット化し処理して記録することができる。再生モードでは、実効的に(実質的に)記録プロセスの逆のプロセスが行われ、ビットストリームが元のMPEG形フォーマットおよび時間関係を有する形式に復元される。
消費者向けディジタル記録装置の実質的コスト(material cost)は、MPEG形処理または復号処理を省略することによって最小限に抑えることができる。そのようにすると、記録装置はMPEG形パケット・ストリームを、何ら変更または付加することなく、記録し再生する。従って、消費者向けディジタル記録装置は、プログラム(番組)遅延用または時間シフト用のビットストリーム記録装置として機能する。
MPEGの圧縮方法は、イントラ(フレーム内)符号化されたフレーム即ちIフレーム、前方予測されたフレーム即ちPフレーム、および両方向予測されたフレーム即ちBフレームを使用する。これら3つのタイプのフレームは、グループ・オブ・ピクチャ(Groups Of Pictures、画面群)またはGOPとして知られているグループ(群)の形式で発生する。GOPにおけるフレームの数は、ユーザによって規定(決定)することができるが、例えば12個または15個のフレームから成るものである。各GOPは、1つのIフレームを含んでおり、そのIフレームは送信するためにPフレームと隣接し(境界を接し)、そのPフレームの後にBおよびPフレームのシーケンスが続く。Iフレーム・データだけが他のどのフレームとも無関係に復号化され、Pフレーム・データは先行するIフレームまたはPフレームから予測される。両方向予測フレーム即ちBフレームは、前後(周囲)のIまたはPフレームからの予測を必要とする。
アナログ形式の消費者向けVCR(ビデオ・カセット・レコーダ)においては、各記録トラックが典型的には1つのフィールドを含んでおり、その隣接するトラックは類似しているが、時間的にオフセットされた(ずれた)画像を含んでいるので、例えば前(順)方向または逆方向シャトル(shuttle、往復)、高速(ファースト)モーションまたは低速(スロー)モーションの画像(ピクチャ)ような種々のトリック再生機能が容易に(直ぐに)利用できる。記録速度以外の各速度で再生すると、その結果、1つまたは複数の再生ヘッドが、複数トラックを横切って、認識可能なピクチャ・セグメント(画面断片)を復元する。しかし、MPEG形式の信号が記録されるとき、各GOPのI、PおよびBフレームが互いに隣接する複数のトラックを専有する。再生速度または通常(正常)速度で再生するときには、後続のPおよびBフレームの再構成を可能とするためには、Iフレーム・データを最初に再生しなければならない。MPEG形式の記録が通常速度とは異なる速度で再生されるときには、再生ヘッドは複数のトラックからの各セクション(部分)または各セグメントを変換(トランスデュース)する。しかし、その再生されたセグメントに含まれているGOPの各部分は、アナログ記録条件の場合とは違って、連続する画像からの離散的レコードの各セクションを表すものではない。その代わりに、その変換されたセグメントは、GOPの予測PおよびBフレームから主として得られるデータを含んでいる。明らかに、トリック(trick)再生動作中に再生されるIフレーム・データの量はトリック再生速度が増大するに従って累進的に減少するので、Iフレーム・データの各再生部分(断片)からPおよびBフレームを復号できる可能性は僅かしかない。さらに、再生されたIフレーム・データが復号される場合には、それはMPEG標準が要求するシンタックス(構文)に従わなければならない。従って、消費者向けディジタル記録装置は、冗長な記録を行うようにIフレーム・データを再分配しまたはトリック再生データを生成するようにMPEGストリームを処理することがなく、このような消費者向けディジタル記録装置においては通常再生速度以外の速度で再生を行うことはできない。
発明の概要
本発明による記録および再生装置は、媒体(メディア)からのディジタル信号を再生する変換手段(トランスデュース手段)を具えている。制御手段が、その装置の再生モードを制御する。復号手段が、変換手段に結合されていて、ディジタル信号を復号してその信号から特定のピクチャ(画面)タイプを示す信号を導出する。再生モードには、通常再生速度で再生する第1の再生期間と、再生速度より高い(速い)速度で再生する第2の再生期間がある。第1と第2の再生期間は互いに交番し、第1の再生期間は特定のピクチャ・タイプを示す信号に応答して開始される。
発明の別の実施形態において、記録および再生装置は、入力が、記録を行うために、MPEGビットストリーム信号の信号源に結合される。第1の変換手段は、MPEGビットストリームを表すディジタル信号を記録し再生する。制御手段は、MPEGビットストリーム信号に結合されて、MPEGビットストリームにおけるイントラ符号化フレームの発生を示す指示信号を発生する。第2の変換手段が、サーボ基準信号を記録し再生する。発生手段が、指示信号に応答して、サーボ基準信号と共に記録するための識別信号を発生する。
さらに発明の別の実施形態において、記録および再生装置は、次の各ステップからなるトリック再生の再生モードを有する。
a)記録媒体からのIフレーム再生のための再生モードを開始するステップ、
b)高速再生モードを開始して記録媒体を通過(pass)するステップ、
c)媒体からのその後のIフレームを再生するために再生モードを再開するステップ、
d)高速再生モードの所定のシーケンスに応答して再生モードと高速再生モードの間の遷移(切換え)を制御するステップ。
発明の別の実施形態において、記録および再生装置は、次の各ステップからなるトリック再生の再生モードを有する。
a)再生モードを開始するステップ、
b)Iフレーム間で発生するコントロール・トラック・パルスの平均の数を求めるステップ、
c)トリック再生モードを選択するステップ、
d)コントロール・トラック・パルスを計数(カウント)して平均値を求めるステップ、
e)平均の数との等号の成立について計数値をテストするステップ、
f)計数値との等号が成立したときに再生モードを開始するステップ。
【図面の簡単な説明】
図1は、発明の種々の実施形態を含んだ実施例のブロック図である。
図2Aは、発明の種々の実施形態を採用した、媒体に記録されたトラックを示している。
図2B〜2Dは、発明の種々の実施形態を含んだ、媒体に記録されたコントロール・トラック・パルスを示している。
図3A〜3Cは、補助情報によるパルス幅変調形態を含んだ種々のコントロール・トラック・パルス波形を示している。
図4Aは、図2Aの記録パターンを示している。
図4Bは、トリック再生による再生を容易にする本発明のテープ速度制御シーケンスを示している。
図4Cは、図4Bに示された制御シーケンスから得られるトリック再生フレーム・シーケンスを示している。
図5は、Iフレームを含んだトラックを先取り(予測)するための本発明のトリック再生方法を示す実施例のフローチャートである。
発明の詳細な説明
図1には、簡略化された消費者向けディジタル・オーディオ・ビデオ・システムが例示されている。受信機IRD100は受信アンテナ50に結合されているように描かれているが、RF変調信号はケーブル分配網(ネットワーク)(図示せず)から供給されてもよい。変調されたパケット化された信号は、RCV.PKT.SEL.55として示された受信機パケット・セレクタ(選択器)ブロック内で、同調され、復調されて、ユーザによって決定されるプログラムの選択が行われる。受信機パケット・セレクタ55からの出力は、デコーダ(DECODER)117によってMPEG復号されるオーディオ・ビデオおよび制御データからなるトランスポート・パケットストリームを含んでいる。このMPEGデコーダ117はメモリ(MEM)116と共に動作し、このメモリは最後(前回)のIフレームを含んだ幾つかのフレームを記憶(格納)する。MPEGデータストリームが失われたりまたはMPEGシンタックス(構文)が乱れた場合には、デコーダ117およびメモリ116が制御器115によって制御されて、メモリ116からの先行フレームを繰り返すことによって出力信号の発生を維持する。従って、例えば降雨フェージング(fade)、再生データの消失、欠落または歪み等によるデータストリームの消失または歪みが生じると、その最後のフレームが複製(コピー)されて、データ出力期間に固定(frozen)または静止(still)フレーム画像が生成される。デコーダ117はオーディオおよびビデオ信号を生成し、その信号が出力ブロックO/P118に結合され、その出力ブロックはアナログのオーディオおよびビデオ出力信号101および104を発生し、その出力信号がディスプレイ(表示装置)300でモニタされるように結合される。
再生パケット源(ソース)200は、例えばD−VHSまたはDVCの記録フォーマットに従うものであり、図1に簡略化された実施例のブロック図の形式で示されている。前述したように、コストを考慮すると、ディジタル記録装置200にはMPEG形符号化および復号の機能を含ませることができない。よって、ディジタル記録装置200は、ビットストリーム記録装置/再生装置として機能して、時間シフト機能またはプログラム(番組)遅延機能を実現する。MPEG復号機能の省略と非標準速度再生機能を装備するのに必要な複雑さの度合いとを考慮すると、再生速度以外の速度での画像再生は困難である。要するに、受信機IRD100は、MPEGコンパチブル・パケットストリームを、記録装置200によって記録が行われるように、ディジタルA/Vバス112を介して結合する。同様に、再生パケットストリームは、MPEG復号およびオーディオ/ビデオ生成のためにバス112を介して受信機IRD100に結合される。
図1に示された再生記録装置200は、受信機(IRD)100から双方向データバス112を介して、復調されたトランスポート・パケットを受け取る。このトランスポート・パケットストリームは、バス伝送用にフォーマット化され、例えばスーパーパケット・ヘッダを有するスーパーパケットとしてフォーマット化されて、インタフェース・ポート110を介してデータバス112に結合される。フォーマット化されたトランスポート・パケットは、記録装置200において、レコード(記録)ビットストリーム211を取り出すインタフェース・ポート210によって受け取られる。両インタフェース・ポートは、データバス112に含まれている別個の導体上で搬送される制御データストリームによって制御される。制御信号は、制御スイッチ(図示せず)の付勢によるまたはユーザが発生させた遠隔制御命令(コマンド)によるユーザ入力から導出することができる。
レコード・ビットストリーム211は記録ブロック(DIG.REC.)215によって処理されるように結合される。ディジタル記録ブロック215はバッファメモリを含んでおり、そのバッファメモリを用いて、トランスポート・パケットの間欠的(不連続、断続的)供給を滑らかに(スムーズに)して、記録するのにより適した信号を発生するようにする。バッファ(緩衝)されたデータストリームがそのバッファメモリから読み出され、誤り検出/訂正データ・ワードと共に符号化される同期ブロックが生成される。この同期ブロック・フォーマット化されたデータストリームは、前述のような形態で記録するために変調され、記録ブロックDIG.REC.215からセレクタ・スイッチA4を介して結合される。セレクタ・スイッチA4およびA5は、選択されたD−VCR動作モードに応じて制御される。例えば、スイッチA4およびA5はディジタル動作用の位置で示されており、ディジタル記録信号はスイッチ・コンタクト(接触、接続)DRによって経路指定(route)され、ディジタル再生データはスイッチ・コンタクトDPによって経路指定される。レコード再生スイッチA6は、回転ヘッド構体250に配置されたトランスデューサ・ヘッド251にデータストリーム251aを結合(供給)し、トランスデューサ・ヘッド251からのデータストリーム251aを結合する(受け取る)。アナログ動作は、アナログ・レコードARとアナログ再生APで示されたスイッチA4とA5の交替する(alternate)別の位置によって容易に実現される。記録ブロック(DIG.REC.)215からの同期ブロック・フォーマット化されたデータは、回転ヘッド構体250に結合されて、磁気テープ249上のヘッド251によって記録される。
再生動作中、同期ブロック・フォーマット化されたデータは、構体250に配置されたトランスデュース(変換)ヘッド251によって磁気テープ249から再生される。復元された信号はディジタル再生ブロック(DIG.REP.)220によって復調されて、任意の記録チャンネル変調状態が解除(復調)される。次いで、再生信号は、記録前に挿入されたデータ・ワードを用いてエラー検出および訂正の処理を受ける。エラー訂正処理に続いて、同期ブロック・フォーマットが解除されて、トランスポート・パケットストリームが、記録のために記録装置に結合されたときのパケット・フォーマットおよびタイミングと実質的に同じパケット・フォーマットおよびタイミングを有する形式で復元される。ブロック(DIG.REP.)220からのトランスポート・パケットストリームがインタフェース・ポート210に結合され、インタフェース・ポート210は、記録装置再生モードに応答して、パケット・ストリームを、デコーダ117によってMPEG復号するために双方向データバス112に結合する。
再生記録装置200は、破線のボックス(枠)201内に表されているサーボ制御システムを含んでいる。アナログ動作中、同期信号ASは、アナログ・レコード・プロセッサ・ブロック240において、記録されるアナログ信号から分離されて、同期発生器235を同期させるように結合される。同期化は、サーボ・ブロック230がキャプスタン・モータ255および回転ヘッド・モータ246の回転をアナログ・ビデオ信号に同期するように制御することを保証するのに必要である。要するに、キャプスタンはアナログ信号に同期(ロック)した一定速度でテープを引っ張らなければならず、回転ヘッドはアナログ信号を媒体(メディア)の所定位置に書き込まなければならない。しかし、アナログ信号の場合とは違って、MPEGパケットストリームからは、記録装置200のサーボ・システム制御に必要な同期信号ASを容易に(直ぐに)供給することができない。従って、ディジタル動作の間、サーボ・システム201は、水晶発振器Xを基準とする同期発生器235によって生成された同期信号を使用する。従って、同期発生器235は、ヘッド構体250が毎秒30回転の回転速度にロックされかつ同期され、かつテープがアナログ動作中と実質的に同じ速度で移送されることを保証する安定な制御信号を供給する。
記録ブロック215のバッファメモリは、トランスポート・パケットの間欠的供給を滑らかにすることに加えて、出力信号216がテープ249上の所定の位置に記録されることを可能にする。例えば、バッファメモリからはヘッダ構体250の回転に同期して読み出しが行われる。同様に、このバッファメモリからのフォーマット化された各ビデオデータ同期ブロックは、各記録トラックにおける特定の位置を有するように読み出される。ブロック215のバッファメモリの同期は、制御器205によって生成された制御信号CTRL.1によって与えられる。
アナログ記録において知られているように、記録ヘッド構体246、250およびキャプスタン・モータ構体253、255は、互いに同期しかつアナログ同期信号にも同期して回転するようにサーボ制御される。ディジタル記録中、ヘッドおよびキャプスタン・モータは、水晶制御された同期発生器235を基準として使用する。キャプスタンとビデオ・ヘッド・ドラムの間の再生同期を確保するために、コントロール・トラックが、実施例の図2Aに示されたテープ下端縁に沿って記録される。コントロール・トラック・パルスは、例えば、ヘッド・ドラムから取り出され、その結果、繰り返しレート(繰り返し周波数)30Hzを有する。従って、各ヘッド・ドラム回転毎に、1つのコントロール・トラック・パルスが、例えばアジマス角(azimuth angle)φ1を有する1つのトラックをマークする(印をつける、示す)。ヘッド・ドラムは互いに180°だけ隔てられた2つのヘッドを使用し、公称(nominally)毎秒60本のトラックが記録される。記録されたコントロール・トラック信号は、図2Bに示されており、交互の(交番する)トラックの開始をマークするコントロール・トラック・パルスを示す。12フレーム構成のGOP(グループ・オブ・ピクチャ)が図2Aに示されているが、図を簡明にするために縦方向(longitudinal)のオーディオ・トラックと横方向(transverse)のトラック角は示されていない。
通常再生速度以外の速度での再生は、通常再生速度動作と高速再生速度動作の間で記録装置制御モードを交番させる(切換える)記憶された(ストアード)自動再生制御シーケンスを用いることによって、有利な形態で容易に行うことができる。高速再生動作中、キャプスタン・ピンチローラ254がキャプスタン253とかみ合った状態を維持し、回転速度がサーボ制御の下で増大して維持される。例えば、図2Aにおいて、12フレームGOP(グループ・オブ・ピクチャ)が平均24トラック毎に繰り返すように示され、最初の2つのトラックがIフレーム・データを有するように示されている。通常再生速度動作が図2Aのトラック・パターンにおける任意の位置から開始された場合でも、Iフレーム・データは、24本のトラック以内または12個のコントロール・トラック(CT)パルス以内に復元されなければならない。このようにして、上述の自動制御シーケンスにおいて、通常再生速度動作は12個のCTパルスの期間(時間)に対して付勢され、また、高速再生、例えば4倍速は、約256個のコントロール・トラック・パルスの期間に対して選択される。従って、この実施例の自動トリック再生シーケンスは記録トラックを約2秒毎にサンプルし、それは30Hzドラム・レート(速度、周波数)で約8.5秒分のテープまたはプログラム(番組)経過時間に相当し、または25Hz速度では約10秒分に相当する。従って、前方向サーチ・トリック再生モードは、公称上8〜10秒分のプログラム経過時間の間隔で隔てられた一連の複数の静止(スチル)Iフレーム画像からなるように規定される。高速再生期間の間、再生されたMPEGシンタックスは乱され、データストリームが消失するが、IRDデコーダ117およびメモリ116は、メモリからの最後の先行フレームを繰り返すことによって出力信号を有利な形態で維持する。逆方向サーチ・トリック再生モードも同様に行われ、その場合、キャプスタンの回転は、実施例の256個のコントロール・トラック・パルスの期間に対して逆転される。しかし、このような逆方向テープ走行には、テープに損傷を与えるたるみまたは過大な緊張(引っ張り)を防止するためにテープ・リールの引き締め(縮め)と供給を行う制御動作が必要である。
別の有利な実施形態において、制御器205は、バス・インタフェース210から制御線202aを介して制御データ信号202を受け取る。制御データ信号202は、IRD100内で生成されるものであり、記録するために結合されたトランスポート・パケットストリームにおけるIフレームの発生をマークする信号コンポーネント(成分)IFを含んでいる。イントラ(I)フレーム・マーカ信号IFは、トランスポート・パケット・バス通信のために使用されるスーパーパケットに付加されたヘッダによって、またはバス112を介して結合される別個の制御信号として、記録装置200に伝送される。スーパーパケット・ヘッダはディジタル記録ブロック215によって読み取られ、IFマーカが抽出されて制御線205aを介して制御器205に送出される。その代替構成として、ディジタル記録ブロック215はビットストリーム211を濾波して、GOPおよびシーケンス・ヘッダからピクチャ(画面)ヘッダ情報を抽出することによってイントラ(I)フレームの発生を判断してもよい。制御器205は、ヘッドおよびキャプスタン位相情報と共にIフレーム・マーカ信号IFを用いて制御信号CTRL1を生成する。制御信号CTRL1は、ブロック215のバッファメモリからの読み出しを制御して、Iフレーム・データ記録が同じ記録アジマスのトラックで開始することを保証する。従って、本発明におけるIフレーム・マーカIFの使用によって、各Iフレーム記録が同じ記録アジマス角のトラックで開始されることが保証される。
実施例の図2Aにおいて、12フレームのGOPサイズを有するMPEGを表す信号が記録された磁気テープ249が示されている。イントラ符号化データは、図2Aにおいて水平の陰影(縞)が付けられており、アジマス位相角φ1を有するトラック1で記録が開始され、アジマス角φ2を有するトラック2へと続くように示されている。前方予測即ちPフレーム・データは、アジマス角φ1を有するトラック3に記録され、斜線の陰影を付けて示されている。この実施例の12フレームGOPの中の残りの9フレームは、後続の陰影のないトラック領域に書き込まれる。記録ヘッド・ドラムは1800RPMの回転速度で回転し、直径方向の対向する2つのヘッドを有するので、公称上毎秒60トラックが書き込まれる。従って、12フレームのGOPサイズが24トラックを占めるように示されている。しかし、各圧縮フレームに存在するデータの量は動きおよびシーン(場面)の複雑さに応じて変化するので、個々のフレームの実際の持続時間は変化する。従って、GOPの持続時間は変化し、従って未充填(未フィル)の記録トラックの容量には0(ゼロ)が充填され(フィルされ、詰込まれ)る。実施例の図2Aの単純な記録トラック・パターンにおいて、Iフレーム・データはトラック1および2によって与えられたデータ容量を完全に充填する場合もしない場合もあり、従って、Pフレーム・データ記録はトラック2で開始してトラック3へと続くこともある。GOPの残りのフレームについても同様に連続して書き込まれ、隣接する記録トラック間に分配される。さらに、GOPのサイズはユーザによって決定され、Iフレームで開始する新しいGOPにおいて意図的にサイズを変更することもできる。従って、Iフレーム・マーカIFを有利な形態で結合させる(組み込む)ことによって、各Iフレーム記録が常に同じアジマス位相で開始されることが保証される。例えば、図2Aにおいて、Iフレーム・トラックは、アジマス角φ1を有し、図2Bにおいて示されているようなコントロール・トラック・パルスで示される。制御トラック・パルスは、例えば、ヘッド・ドラムから取り出され、繰り返し周波数30Hzを有し、各ヘッド・ドラム回転に対して各1対のトラックうちの1つのトラック、例えばφ1のトラックをマークする。
発明の別の実施形態において、トリック再生による再生は、イントラ符号化フレーム即ちIフレーム・データを含んだトラックだけの制御された再生によって有利な形態で容易に行われる。Iフレーム・マーカIFが記録トラック選択、即ちアジマス角φ1またはφ2を決定し、コントロール・トラック・パルスが交互のトラックをマークするので、Iフレーム・データを含んだトラックは、再生するのに有利な形態で識別される。Iフレーム・データの再生識別を容易にするために、特定のコントロール・トラック・パルスは、記録期間の間に、前述したような記録(レコード)ビットストリーム211におけるIフレーム・データの発生から導出された信号Aにより有利な形態で変調される。従って、信号Aはコントロール・トラック信号を変調して、Iフレームを含んだトラックをマークする。図2Cは図2Bに示されたコントロール・トラック信号の拡大された部分を示している。実施例の図2Cに示された部分は、例えばトラック25に記録されたIフレームを中心として示されており、再生されたコントロール・トラック・パルスのシーケンスを示している。全体的に黒い部分で示されたパルスAは、Iフレーム・トラック25をマークし、Iフレーム・データ・トラックを具体的に示すために、記録期間の間に有利な形態でパルス幅変調されたものである。
VHSフォーマットにおいて、コントロール・トラック・パルス幅変調が知られており、それが使用されて、ビデオ・インデックス・サーチ信号(VISS、Video Index Search Signal)またはビデオ・アドレス・サーチ信号(VASS、Vidoe Address Search Signal)のようなシステムでサーチが容易に行われる。しかし、要約すると、コントロール・トラック・パルス幅変調は次のように動作する。再生中、図3Aにおいて、矢印の先頭部によって示されたコントロール・トラック信号の立上がり端縁が再生速度制御のために使用される。しかし、コントロール・トラック・パルスの時間的に重要(クリティカル)でない後端縁は制御可能に位相シフトされまたは再配置されてもよい。記録コントロール・トラック信号の後縁の位相または位置を、ディジタルの真偽または1または0値のデータ・ビットを表す相異なる2つの位相または位置の間で変化させることによって、データを符号化することができる。
図3Aは、公称上50%〜60%の範囲のパルス幅デューティ・サイクルを有する標準コントロール・トラック・パルス信号を示している。図3Bは、論理“1”および論理“0”の値を示す位相変調されたコントロール・トラック・パルスを示している。論理“1”は、例えば後縁の位相を進ませ、以てコントロール・パルスの正部分をパルス繰り返し周期の約27.5%の持続時間に短縮することにより符号化される。論理“0”の値は、公称上50%のデューティ・サイクルと比較すると、例えば60%の持続時間のパルスを生成するように後縁を遅延させる。図3Cは、記録用に成形された位相変調されたコントロール・トラック・パルスを示している。単純なタイミングおよびゲート回路によって、基準持続時間(例、50%)より長いまたは短いデューティ・サイクルを有するパルスの間の区別ができる。
追加的なコントロール・トラック識別が、例えば、前方向予測フレーム、Pフレームまたは両方向符号化フレーム、Bフレームを含んだトラックを示すように有利な形態で生成されるようにすることができる。このような追加的なデータは、コントロール・トラック・パルスの28%〜60%の範囲のデューティ・サイクルで追加的にパルス符号化されることによりPおよび/またはBフレームを示すようにすることができる。このようなPおよび/またはBフレーム・インジケータは、検出を簡単にするために、先行するIフレーム符号化コントロール・トラック・パルスの発生の後に続いて、その先行コントロール・トラック・パルスの発生によりイネーブルされるようにすればよい。例えば、図2Dは、図2Aに示されたIフレーム・トラック25を中心としたコントロール・トラック信号の拡大された部分を示している。図2Dには、再生されたコントロール・トラック・パルスのシーケンスが示されており、パルスAが25をマークし、水平の陰影で示されたパルスBが有利な形態で例えばトラック27等のPフレーム・データ・トラックを示すように幅変調される。
コントロール・トラック・パルス変調を有利な形態で使用することによって、再生速度および再生速度以外の速度で再生している期間に記録トラックを識別することが可能になる。従って、特定のトラック、例えばイントラ符号化データまたはイントラ符号化および前方予測データが識別されまたは再生されるようにすることができる。トリック再生においては復号不可能と識別されたトラック、従って不必要なものとして識別されたトラックは、増大されたテープ速度で通過(移送)される。記録されたトラックの内容を識別することによって、本発明のトリック再生の再生の方法が容易に行われ、その場合、復号可能なデータ、例えばイントラ符号化データまたはイントラ符号化および前方予測データが通常速度で再生され、イントラ符号化および前方予測データが通常速度で再生され、不必要なデータ・トラックが増大されたテープ速度で通過(移送)される。図2Aの媒体および記録信号が図4Aに示されている。図4Bは、種々のタイミングで発生する相異なるテープ速度S、P、A、F、およびDの各領域を有する実施例の自動トリック再生テープ速度の輪郭(プロファイル:profile)を示している。例えば、領域Sは再生前のテープの停止状態に対応する。領域Pはイントラ符号化データの持続時間に維持される通常再生速度動作を表しており、この例では、そのイントラ符号化データは2つの記録トラック1および2に含まれていると仮定している。変調されたAパルスがIフレームの開始をマークするので、実際の記録持続時間はマークされず、従って領域Pで示された再生モードは2つまたはそれより多いコントロール・トラック計数値に対して維持される。領域Pを規定するコントロール・トラック計数値が発生した後、領域Aの期間、例えば4倍のより高い速度で移送されるようにテープが加速される。図4Bにおける実施例の自動トリック再生テープ速度の輪郭は、公称5トラック分または約2個のCTパルス計数値分の持続時間の高速再生状態、領域Fを示している。キャプスタンの慣性とテープおよびリールの質量の機械的(力学的)制約があるので、そのような短い持続時間を実現するのは困難かもしれない。しかし、図4Bに示された自動化された速度の輪郭は特定の記録装置機構に適合するように変更してもよい。図4Bに示された自動トリック再生シーケンスから、図4Cに水平方向、垂直方向、および時間方向に示された復号フレームのシーケンスが得られる。明らかに、繰り返されるフレームの数は、新たに再生された復号可能なデータストリームの利用可能性に応じて決定される。図4AのIフレームだけが再生される場合には、12フレームGOPを仮定すると、プログラムは通常速度の12倍で見ることができる。再生フレームがおよそGOPの持続時間だけ保持されまたは繰り返される場合には、プログラム供給が実際にあるいは知覚されるように高速化されることはなく、記録された動画像は実効的に一連の静止画(スチル)として表される。従って、図4Aの例において、プログラム供給速度は2倍より僅かに高い速度に増大する。Iフレーム・マーカ・パルスAの再生による発生を用いて、後続の非変調コントロール・トラック・パルスの計数が開始され、次の自動再生シーケンスの発生が決定されまたは予測される。1つのGOPを越えるような高速再生持続時間は、Aパルスを計数し、次いで次のIフレームの発生前に通常再生速度となるように減速することによって容易に形成される。
前述したように、コントロール・トラック信号を変調してパルスAが生成され、このパルスAはさらに記録装置制御論理205により有利な形態で使用されて、再生されたGOPの平均の長さが本発明により決定される(求められる)。例えば、通常再生状態の間、制御論理205は、コントロール・トラック・プロセッサ208から、再生されたIフレームを示す信号を受け取る。このIフレーム・マーカを用いて、Iフレーム・マーカ間で発生するコントロール・トラック・パルスの数を計数することによって、複数の再生されたグループ・オブ・ピクチャ即ちGOPの長さまたは持続時間を適応的に測定(計測)する。この再生GOPの長さが平均され、例えば減算によって処理されて、次のIフレームの先取り(予測、anticipate)が行われ、図4Bの領域Dで示された媒体減速が形成される。
図5は、1つのIフレームを含んだトラックの再生による発生を動的にかつ適応的に先取り(予測)する本発明の方法を示す実施例のフローチャートである。図5において、ステップ100で再生モードが選択され、上述のように記録信号は再生されるが、復号はIフレームが再生されるまで行われない。ステップ200において、再生Iフレームまたはその代わりにコントロール・トラックIフレーム・マーカ・パルスAが測定(検出)されて、Iフレーム間またはマーカ・パルス間の平均間隔(期間)が決定される。この平均間隔値は、各GOP(グループ・オブ・ピクチャ)の持続時間を表しており、短縮されたまたは可変のGOPの効果(影響)を低減しまたは除去するために平均される。ステップ200において、Iフレームまたはマーカ・パルスは、再生されたコントロール・トラック・パルスの総和または計数値をイネーブルしまたはゲートし、従って各GOPの持続時間の直接的線形測定が行われる。コントロール・トラック・パルス計数値が平均されて、値Nが決定される。このようにして、高速再生モードまたはシャトル・モードの期間の間に、コントロール・トラック・パルスが復元されるので、Iフレームを含んだ次のトラックがCTパルスを計数することによって位置決めされてアクセスされる。しかし、再生装置および記録媒体は慣性を有するので、平均値Nが、ステップ300において、例えば減速値Dの減算によって処理され、より少ないCTパルス計数値が生成され、その値によって次のIフレーム・トラックの発生が先取り(予測)されてキャプスタン・サーボ減速およびトラック捕捉が可能になる。相異なる減速値が高速再生またはシャトル速度との関係で用いられる。このようにして、ステップ300において、再生装置は再生モードとなって、次のIフレームに対する平均CTパルス計数値が決定される。ステップ400において、トリック再生モードの選択を判断するためのテストが行われる。ステップ400においてNO(否定)の場合には、トリック再生が選択されるまで待機ループが形成され、トリック再生が選択さるとYES(肯定)が生じる。ステップ400においてYES(肯定)の場合には、ステップ500のカウンタに値(N−D)が設定され、イネーブルされまたはロードされる。このカウンタはステップ600において再生コントロール・トラック・パルスで減分変化(decrement)され、ステップ700において0(ゼロ)値かどうかがテストされる。非0(ゼロ)の計数値に対しては、ステップ400にループバックするステップ700におけるNO(否定)によって、トリック再生モードが維持される。しかし、ステップ700がYES(肯定)をテストしたときには、記録Iフレームを含んだ次のトラックが先取り(予測)されて、ステップ800において再生モードが開始される。ステップ400〜ステップ800は、ステップ500においてカウンタを設定しまたはロードする再生Iフレームまたはコントロール・トラック・マーカ・パルスAの発生により繰り返される。トリック再生モードは、ステップ400が、例えばユーザの命令に応答してNO(否定)をテストしたときに終了する。
図5の実施例のフローチャートに示されている方法では、Iフレームの記録された発生を示すために、記録期間の間にマークされたコントロール・トラック・パルスが使用される。しかし、本発明の他の実施形態において、図5の実施例の方法は、コントロール・トラックIフレーム・マーカ・パルスなしで記録する場合にも用いることができる。コントロール・トラック・マーカ・パルスAのないテープは、次に示すようなステップに従って再生することができる。この場合でも、ステップ200におけるGOPの平均サイズの決定は、コントロール・トラック・パルス計数値に関して、例えばIRD100により復号された再生MPEGデータストリームから導出される例えば信号IFRのようなIフレーム・マーカまたはパルスを用いて容易に行われる。再生Iフレーム信号IFRは、前述のように制御器205に結合されて、処理され、GOPサイズの平均値が得られる。トリック再生動作が選択されたとき、自動トリック再生制御シーケンスがメモリから読み出され、この制御シーケンスはステップ500でカウンタを設定するIフレーム信号IFRの発生によって開始される。通常速度の再生の間の期間(時間)は、前述したような処理された平均GOP値によって決定される。従って、Iフレーム符号化コントロール・トラックのない記録でも、トリック再生動作モードで再生することができる。
Claims (3)
- トリック再生モードを有する記録および再生装置であって、
a)通常再生モードを開始する手段と、
b)Iフレーム間に発生するコントロール・トラック・パルスの平均数を求める手段と、
c)トリック再生モードを選択する手段と、
d)コントロール・トラック・パルスを計数する手段と、
e)前記平均数と等しいかどうか計数されたコントロール・トラック・パルスの計数値をテストする手段と、
f)計数値が等しいときに前記通常再生モードを開始する手段と、
を含む、記録および再生装置。 - 前記手段b)は、さらに、再生されたIフレーム・インジケータに応答して、平均数を求める処理を制御する手段を含むものである、請求項1に記載の記録および再生装置。
- 前記手段d)は、さらに、再生されたIフレーム・インジケータに応答して計数を制御する手段を含むものである、請求項1に記載の記録および再生装置。
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