JP4464934B2 - 波形状が形成された帯状材料を変形させずに正確に搬送する送り装置 - Google Patents

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本発明は、帯状材料の送り装置に関し、特に、波形状が形成された帯状材料を変形させずに正確に搬送する送り装置に関するものである。
アルミ板等の薄板状の被加工薄板材料(帯状材料)をプレス加工にて形成する場合には、順送金型と呼ばれる金型が多く用いられている。
順送金型とは、複数の段階の工程を同一の金型内に所定のピッチで順番に配置し、送り装置でプレス機械の1ストローク毎に材料を所定のピッチずつ送り、次の工程へと帯状材料を順送りする装置のことをいう。帯状材料は、供給装置により連続供給され、連続自動運転により加工完了品が順送金型から順次排出される。
順送金型を用いることにより、複雑な形状のプレス加工を段階的に加工し、連続して製造することが可能となっている。
図4は、従来のプレスラインの構成を示す図である。図に示すように従来のプレスラインは、成形プレス(順送金型)機3と打ち抜きプレス(セパレート)機4により構成されている。
成形プレス機3による成型加工と打ち抜きプレス機4による打ち抜き加工とは、帯状材料1の加工のピッチが異なり、成形プレス機3による数回〜数十回のスタンピングによる帯状材料1の成型加工の後に、打ち抜きプレス機4による1回のスタンピングによる打ち抜き加工がなされることとなる。このように成型プレス機3と打ち抜きプレス機4とは、帯状材料1の加工のピッチが異なるため、成型プレス機3と打ち抜きプレス機4との間に、ループ1aを設けることにより、両装置のタイミングをとる必要がある。
成型プレス機3と打ち抜きプレス機4との間に、ループ1aを設けることにより、成型プレス機3の成形数が製品の山数に足りると、打ち抜きプレス機4へ帯状材料1が所定の長さで搬送され、打ち抜かれることとなる。
ここで、帯状材料1を搬送する方式としては、ワークをグリッパーで挟み込んで搬送する、いわゆるグリッパーフィード6が使われることが多い(例えば特許文献1参照)。グリッパーフィード6は、打ち抜きプレス機4の入口側に設置されており、帯状材料1の上部よりエアシリンダーでグリッパープレートを押し付け、帯状材料1をつかんで搬送させる。
特開2001-300663号公報
しかしながら、グリッパーフィード6は、帯状材料1を上下で挟み込むため、帯状材料1の板厚が薄く、腰の弱い材料は強く挟み込むと変形してしまうことがある。また、弱い力だと変形はしないが、帯状材料1が滑って正確に搬送できないという弱点があり、加工が困難であった。
本発明の目的は、このような従来の問題を解決するためになされたもので、帯状材料に形成された突起形状を利用して搬送を行うことにより、搬送の際に、帯状材料を変形させずに正確に搬送することを可能とする送り装置を提供しようとするものである。
本発明の波形状が形成された帯状材料をバネ性に影響されずに正確な山数を搬送する送り装置は、部材の幅方向に一列に形成された複数の波形状が、部材搬送方向に渡って略一定のピッチで配列された帯状材料を一定方向に搬送して第1のプレス機と第2のプレス機とで順次プレス加工を行い、第1のプレス機と第2のプレス機との間には帯状材料のループが形成されるプレスラインに用いられ、第2のプレス機の帯状材料の搬送入口部に設けられた帯状材料の送り装置であって、帯状材料の隣接する波形状同士の隙間に挿入可能な先端部を備えた歯部を波形状のピッチに対応するピッチで外周に複数有し、帯状材料の搬送面に歯部が突出して水平状態の帯状材料に噛み合う歯車部と、歯車部と連結し、第2のプレス機の搬送動作及びプレス加工動作と同期して回転動作と保持動作とを行うモータとを備え、搬送動作時には、モータが回転動作を行うことにより、歯車部に噛合する帯状材料を、第2のプレス機の入り口設置され、当該第2のプレス機が備える金型内へ搬送し、プレス加工動作時には、モータが保持動作を行うことにより、歯車部に噛合する帯状材料を固定して、搬送動作時及びプレス加工動作時において、第2のプレス機が備える金型内への帯状材料のループ部分の質量による波形状のバネ性の伸びによる引っ張り力を遮断することを特徴とする。
本発明の波形状が形成された帯状材料を変形させずに正確に搬送する送り装置によれば、帯状材料に形成された突起形状を利用して搬送を行うことにより、搬送の際に、帯状材料を変形させずに正確に搬送することが可能となる。
以下、本発明の実施形態である波形状が形成された帯状材料を変形させずに正確に搬送する送り装置について、図を参照して詳細に説明する。本実施形態のプレスラインでは帯状材料に、順送金型によって波形状のオフセットフィン(突起部)の形成をし、外形を抜き取る加工を行い、最終的な製品を製造している。
図1は、オフセットフィン10が形成された帯状材料1の一例を示す図である。ここで、オフセットフィンとは、波形状のフィンであって板幅方向の山谷が板の長手方向の所定のピッチごとに、板幅方向に半山ずれて千鳥状に形成されたフィンのことをいい、オイルクーラ等の熱交換器に多く用いられているものである。
図1からわかるように、帯状材料1に形成されるオフセットフィン10は、所定のピッチPで形成される。
図2は、本実施形態の波形状が形成された帯状材料を変形させずに正確に搬送する送り装置を有するプレスラインの概略構成図である。
1は、リール等に巻き取られたアルミ板やステンレス板等の帯状材料である。2は、帯状材料1をストックしておく巻出装置である。
成形プレス機3は、帯状材料1にオフセットフィンを形成する加工を行う成形金型3aを有する。打ち抜きプレス機4は、帯状材料1に打ち抜き加工を行う打ち抜き金型4aを有する。成型プレス機3と打ち抜きプレス機4との間に、帯状材料1のループ1aが設けられている。
また、打ち抜きプレス機4の帯状材料1の入口部と、ループ1aと、の間には、本実施形態の帯状材料の送り装置5が設けられている。
図3は、本実施形態の波形状が形成された帯状材料を変形させずに正確に搬送する送り装置の構成図である。図3(a)は、本実施形態の帯状材料の送り装置の平面図であり、図3(b)は、本実施形態の帯状材料の送り装置の正面図であり、図3(c)は、本実施形態の帯状材料の送り装置の側面図である。
本実施形態の帯状材料の送り装置5は、一対の歯車51とシャフト(回転軸)54とモータ52から構成されている。シャフト54は、シャフト54の中心軸が、帯状材料1の搬送方向に直交して設けられている。また、シャフト54の両端付近には、ベアリング内蔵ホルダ55が配置され、シャフト54は、このベアリング内蔵ホルダ55を介し回転可能に取り付けられている。
シャフト54の中間部には、所定の間隔で、一対の歯車51が固定されている。
また、歯車51は、外周部に複数の歯部51aを有し、歯部51aは、帯状材料1の搬送面から、ほぼ歯部51aの高さ分突出して、搬送面にある帯状材料1のオフセットフィンの隙間1cに嵌合する。歯部51aは、オフセットフィンの隙間1cに挿入可能であり、隙間1cに、ほぼ遊びなく当接する。
歯車51の外周部における歯部51aの配置間隔は、図1に示すオフセットフィンの突起部のピッチPと略同一である。
シャフト54の一端には、カップリング53を介してモータ52が連結しており、モータ52の駆動力及び保持力が歯車51に伝達可能となっている。
また、シャフト54の略中間部には中間部ベアリング内蔵ホルダ57が設けられており、ループ1aの負荷によりシャフト54がたわむことを防止している。
帯状材料1を、歯車51とにより挟持可能な位置にワーク押え板56が設けられており、帯状材料1の搬送中、及び、固定中に、歯車51の歯部51aと、搬送面にある帯状材料1のオフセットフィンの隙間1cとの嵌合が外れることを防止している。
ベアリング内蔵ホルダ55と、中間部ベアリング内蔵ホルダ57と、モータ52とは、ベース58に固定されている。
次に、本実施形態の波形状が形成された帯状材料を変形させずに正確に搬送する送り装置の動作について説明をする。帯状材料1は、所定のピッチで成形プレス機3により搬送され、ループ1aが形成される。そして、帯状材料1が、所定の長さ成形プレス機3から送り出された場合には、帯状材料の送り装置5は、帯状材料1と嵌合する歯車51をモータ52により図中のB方向に回転することにより、打ち抜きプレス機4への帯状材料1の図中のA方向への搬送動作を開始する。
なお、成形プレス機3から送り出された帯状材料1の長さについては、ループ1aの長さを検知するセンサを設けることにより判断すればよい。
所定の長さの搬送が完了した場合には、モータ52は回転動作を停止して保持動作を行い、歯車部51が固定される。そして、帯状材料1を加工位置に固定する。なお、モータ52は、停止時に保持力を有するモータ、例えば、ステッピングモータや、ブレーキ付きモータを使用すればよい。
以上説明したように、従来技術のグリッパーフィードでは、オフセットフィンが形成された帯状材料を変形させず、正確に搬送することが困難であったが、本実施形態の帯状材料の送り装置によれば、打ち抜きプレス機の入口部にモータに連結させた歯車を設け、オフセットフィンに歯車を引っ掛けてモータを回転させ、所定の位置へ帯状材料を搬送させることにより、オフセットフィンが形成された帯状材料の変形を防止することができる。
また、本実施形態によれば、上記のようにオフセットフィン成形後は、帯状材料1にばね性が生じるため、成形金型4aとループ1aの間の重量により引っ張られる力を、帯状材料の送り装置5により、分断することも可能となる。
オフセットフィンが形成された製品は、オイルや排気ガス等の冷却フィンとして自動車等に多く使われており、冷却効率を上げるため、山、谷間のピッチが狭くなり、又、軽量化対策により、板厚も従来より薄くなってきており、成形後の搬送が困難であったが、この発明により、オフセットフィンを変形させず、所定の山数を正確に送ることができ、安定した加工を行えるものである。
オフセットフィンが形成された帯状材料の一例を示す図である。 本実施形態の波形状が形成された帯状材料を変形させずに正確に搬送する送り装置を有するプレスラインの概略構成図である。 本実施形態の波形状が形成された帯状材料を変形させずに正確に搬送する送り装置の構成図である。 従来のプレスラインの構成を示す図である。
符号の説明
1:帯状材料
3:成形プレス機
4:打ち抜きプレス機
5:帯状材料の送り装置
51:歯車部
52:モータ
53:カップリング
54:シャフト
55:ベアリング内蔵ホルダ
56:ワーク押え板

Claims (1)

  1. 部材の幅方向に一列に形成された複数の波形状が、部材搬送方向に渡って略一定のピッチで配列された帯状材料を一定方向に搬送して第1のプレス機と第2のプレス機とで順次プレス加工を行い、前記第1のプレス機と前記第2のプレス機との間には前記帯状材料のループが形成されるプレスラインに用いられ、前記第2のプレス機の前記帯状材料の搬送入口部に設けられた帯状材料の送り装置であって、
    前記帯状材料の隣接する前記波形状同士の隙間に挿入可能な先端部を備えた歯部を前記波形状のピッチに対応するピッチで外周に複数有し、前記帯状材料の搬送面に前記歯部が突出して水平状態の前記帯状材料に噛み合う歯車部と、
    前記歯車部と連結し、前記第2のプレス機の搬送動作及びプレス加工動作と同期して回転動作と保持動作とを行うモータと、
    を備え、
    前記搬送動作時には、前記モータが回転動作を行うことにより、前記歯車部に噛合する前記帯状材料を、前記第2のプレス機が備える金型内へ搬送し、
    前記プレス加工動作時には、前記モータが保持動作を行うことにより、前記歯車部に噛合する前記帯状材料を固定して、
    前記搬送動作時及び前記プレス加工動作時において、前記第2のプレス機が備える金型内への前記帯状材料のループ部分の質量による波形状のバネ性の伸びによる引っ張り力を遮断することを特徴とする波形状が形成された帯状材料をバネ性に影響されずに正確な山数を搬送する送り装置。
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