JP4463465B2 - 光ディスク装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、光ディスク装置、特に、PCMデータを読み取り可能な光ディスク装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
DVD(ディジタル・バーサタイル・ディスク)から映像及び/又は音声を再生したり、再生に加え、DVDに映像及び又は音声を記録する光ディスク装置は、一般に、ATAPI又はSCSIコントローラによりデータの送受信を制御する。また、このような光ディスク装置は、DVDの再生だけでなく、CD(コンパクトディスク)に記録されたPCMデータも再生できるものが多い。
【0003】
図1は、従来の光ディスク装置の第1の例である。この光ディスク装置では、DVDを再生する場合、ATAPIコントローラ4によってデータの読み出しが制御され、AVデコーダ4によって所定のデータ数毎に読み出され、ビデオエンコーダ13で処理されて出力される。また、アンテナや外部機器から入力されるデータはAVエンコーダ25でMPEG2に圧縮された後、ATAPIコントローラ4により光ディスクへの記録が制御される。CDを再生する場合には、フロントエンド部3に接続された専用線31によってPCMデータが切替部SWに伝送され、サブQコード(時間情報)はATAPIコントローラ4及びAVデコーダ11を介して切替部SWに伝送される。切替部SWによる信号経路の切替によって、PCMデータとサブQコード(時間情報)とを同期させてDIT15に出力する。DIT15では、PCMデータ及び時間情報からディジタルオーディオデータが生成され、S/P DIF端子に出力される。
【0004】
図2は、従来の光ディスク装置の第2の例である。第2の例では、第1の例においてフロントエンド部3に接続されていた専用線31に代わり、ATAPIコントローラ4に接続される専用線41を備えている点以外は、第1の例と同様の構成である。即ち、CDを再生する場合には、PCMデータは、ATAPIコントローラ4に読み込まれた後、専用線41によって切替部SWに伝送され、サブQコード(時間情報)はATAPIコントローラ4及びAVデコーダ11を介して切替部SWに伝送される。切替部SWによる信号経路の切替によって、PCMデータとサブQコード(時間情報)とを同期させてDIT15に出力する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
第1及び第2の例では、専用線31又は41によって伝送されるPCMデータと、別の経路で伝送される時間情報とを、切替部SWによる信号経路の切替によって同期させるので、PCMデータと時間情報との同期の制御が困難であり、十分に同期できない場合がある。
【0006】
ビデオデータとオーディオデータとを同期させて再生する装置が、特開2000−324163号公報に記載されている。この装置は、ビデオデータを再圧縮する際に付加される時間情報を、その同時刻に再生すべきオーディオデータが含まれるパケットにも付加することにより、ビデオデータ及びオーディオデータを同期させる装置である。しかし、上記公報に記載では、DVDに記録されたMPEG2形式のビデオデータ及びオーディオデータを同期させる構成が記載されているのみで、DVDを再生可能な光ディスク装置において、CDに記録されたPCMデータと時間情報とを同期させる構成についての記載はない。
【0007】
本発明の目的は、DVD及びCD用の光ディスク装置において、PCMデータと時間情報との同期を容易にすることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
第1発明に係る光ディスク装置は、第1光ディスクの記録及び再生と、第2光ディスクの再生とが可能な光ディスク装置において、
前記第1光ディスクに記録されたデータを読み出し、前記第2光ディスクに記録された時間情報付のPCMデータを読み出し、順次、SDRAMに一時的に格納するATAPIコントローラと、
前記ATAPIコントローラに接続されており、送信データ量と受信データ量との一致を確認しつつ、前記ATAPIコントローラから前記SDRAMに格納されている前記時間情報付のPCMデータを読み出すAVデコーダと、
を備え、
前記AVデコーダは、
前記時間情報付きの前記PCMデータから、前記時間情報と前記PCMデータを分離して、別々に管理するとともに、前記時間情報と前記PCMデータとを同期させて出力し、
前記ATAPIコントローラは、
前記時間情報と前記PCMデータを交互に前記SDRAMに格納することを特徴とする。
【0009】
第1発明によれば、第1光ディスクの記録再生及び第2光ディスクの再生が可能な光ディスク装置において、第2光ディスクの再生を行なう場合に、ATAPIコントローラにより時間情報付のPCMデータを読み出し、順次、SDRAMに一時的に格納するので、PCMデータと時間情報との同期が容易である。また、送出データ量と受信データ量との一致を確認しつつ、ATAPIコントローラからAVデコーダへ、SDRAMに格納されているデータの読み出しを行なうので、ノイズなどの影響によりPCMデータと時間情報との同期がずれるのを防止できる。また、PCMデータを読み出すための専用線が必要なくなり、構成を簡易にし、コストダウンも図れる。
【0015】
【発明の実施の形態】
(1)構成
図3は、本発明の一実施形態例に係る光ディスク装置である。この光ディスクは、DVD(ディジタル・バーサタイル・ディスク)又はCD(コンパクト・ディスク)である。
【0016】
この光ディスク装置は、レーザ及びフォトディテクタからなる光学ピックアップ1と、回転駆動機構2と、光学ピックアップ1及び回転駆動機構2を制御するフロントエンド部3とを備えている。
フロントエンド部3にはATAPIコントローラ4が接続されており、ATAPIコントローラ4にはSDRAM5が接続されている。ATAPIコントローラ4は、SCSIコントローラなど他のインターフェースでも良い。さらに、ATAPIコントローラ4にはAVデコーダ11が接続されており、AVデコーダ11にはSDRAM12、ビデオエンコーダ13、DA変換部14が接続されている。また、ATAPIコントローラ4にはAVエンコーダ25が接続されており、AVエンコーダ25にはSDRAM26、AD変換部23、ADC/Y/CSEP24が接続されている。AD変換部23、ADC/Y/C SEP24はセレクタ22に接続されており、セレクタ22は、チューナ21を介してアンテナに接続されている。またセレクタ22はAudioIN端子、VideoIN端子に接続されている。また、この光ディスク装置は、フラッシュメモリ101と、メインMPU102と、チューナ及びタイマMPU103と、表示部104と、キー操作部105とを備えている。
【0017】
ATAPIコントローラ4は、フロントエンド部3との間のデータの送受信を制御する。SDRAM5は、ATAPIコントローラ4により送受信するデータを一時的に格納する。図4は、CDに記録されたオーディオデータを再生する際に、SDRAM5に格納されるサブQコード(時間情報)付のPCMデータのデータ構成例である。同図に示すように、ATAPIコントローラ4は、サブQコード(時間情報)付のPCMデータを順次、SDRAM5に格納する。
【0018】
AVデコーダ11は、リクエスト信号SREQによって、ATAPIコントローラ4からデータを読み出す。
AVデコーダ11は、ATAPIコントローラ4から読み出したMPEG2形式のデータを解凍し、ビデオエンコーダ13に出力する。ビデオエンコーダ13は、解凍後のMPEG2データをアナログビデオ信号に変換し、VideoOut端子に出力する。
【0019】
CDの再生時には、AVデコーダ11は、ATAPIコントローラ4からSDRAM5に格納されているサブQコード付のPCMデータ(2368バイト)を順次受信する。AVデコーダ11は、受信データが2368バイトになるごとにSREQを立ち下げ、ATAPIコントローラ4からのデータ送信を停止させ、割り込み要求flagを立てる。
【0020】
図5は、AVデコーダ11におけるデータの管理を説明する模式図である。AVデコーダ11は、サブQコード付のPCMデータから、サブQコードとPCMデータとを分離し、これらを別々に管理する。具体的には、AVデコーダ11は、サブQコード(時間情報)及びPCMデータを別々にAVデコーダ11のレジスタに設定する。
【0021】
さらに、メインMPU2は、レジスタの時間情報を読み出し、この時間情報とPCMデータとを同期させて、AVデコーダ11からディジタルオーディオデータを出力させる。図6は、AVデコーダ11から出力するディジタルオーディオデータの概念図である。同図に示すように、PCMデータは32ビットのメインデータ部に格納され、時間情報はコントロールコード部に格納される。
【0022】
なお、AVデコーダ11は、PCMデータをDA変換部14にも出力し、DA変換部14は受信したPCMデータをアナログオーディオ信号に変換してAudioOut端子に出力する。
チューナ22は、アンテナで受信した信号のチャンネルを選択する。セレクタ22は、アンテナ、AudioIN端子又はVideoIN端子のいずれかの入力信号を選択し、オーディオデータをAD変換部23に出力し、ビデオデータをADC/Y/C SEP24に出力する。AD変換部23は、オーディオデータをアナログからディジタルに変換する。ADC/Y/C SEP24は、ビデオデータをアナログからディジタルに変換する。AVエンコーダ25は、オーディオデータ及びビデオデータをMPEG2に圧縮する。SDRAM26は、AVエンコーダ25でMPEG2に変換したデータを一時的に格納する。
【0023】
フラッシュメモリ101には、ATAPIコントローラ4、AVデコーダ11、AVエンコーダ25の制御のためのパラメータが蓄積されている。メインMPU102は、ATAPIコントローラ4、AVデコーダ11、AVエンコーダ25に接続されており、これらの動作を制御する。CDの再生時には、メインMPU102は、AVデコーダ11の割り込み要求flagを検出し、ATAPIコントローラ4のリードポインタの変化に基づいてATAPIコントローラ4からの送出データ量を算出し、この送出データ量が2368バイトの倍数に一致するか否か判定する。メインMPU102は、送出データが2368バイトの倍数に一致する場合は、AVデコーダ11にデータの読み込みを再開させ、送出データが2368バイトの倍数に一致しない場合には、所定のエラー処理を行なった後、AVデコーダ11にデータの読み込みを再開させる。
【0024】
チューナ及びタイマMPU103は、MCU102からの指令に基づいて、チューナ21を制御すると共に、表示部104に時間情報などを表示する。さらに、チューナ及びタイマMCU103は、キー操作部105及びリモコンからの信号を受信し、MCU102に出力する。
上記では、AVデコーダ11及びAVエンコーダ25を別々に設けたが、これらの両方の機能を有するAVコーデックを使用しても良い。
【0025】
(2)フローチャート
図7は、本実施形態例に係る光ディスク装置によるPCMデータの再生のフローチャートである。
ステップS11:AVデコーダ11(又はAVコーデック)は、サブQコード付のPCMデータ(2368バイト)を読み出し、サブQコードを時間情報としてレジスタに設定する。
【0026】
また、AVデコーダ11(又はAVコーデック)は、メインMPU102の制御により、PCMデータに時間情報を同期させてディジタルオーディオデータを生成し、S/P DIF端子に出力する。
ステップS12:AVデコーダ11(又はAVコーデック)は、受信したデータが2368バイトに到達したか否かを判別する。受信データが2368バイトに到達していなければステップS11に戻る。一方、受信データが2368バイトに到達していればステップS13に移行する。
【0027】
ステップS13:AVデコーダ11(又はAVコーデック)は、リクエスト信号SREQを立ち下げ、割り込み要求flagを立てる。
ステップS14:メインMCU102は、割り込み要求flagを検出すると、ATAPIコントローラ4からの送出データが、2368バイトの倍数に一致するか否かを判別する。一致していればステップS11に戻り、AVデコーダ11(又はAVコーデック)はATAPIコントローラ4からのデータの受信を再開する。一方、一致していなければ、ステップS15に移行する。
【0028】
ステップS15:所定のエラー処理を実行し、ステップS11に戻る。
(3)まとめ
本実施形態例に係る光ディスク装置によれば、ATAPIコントローラ4によりサブQデータ付のPCMデータ(2368バイト)を読み出すので、PCMデータと時間情報との同期が容易である。
【0029】
また、送出データ量と受信データ量との一致を確認しつつ、ATAPIコントローラ4からAVデコーダ11へのデータの読み出しを行なうので、ノイズなどの影響によりPCMデータと時間情報との同期がずれるのを防止できる。
また、PCMデータを読み出すための専用線が必要なくなり、構成を簡易にし、コストダウンが図れる。
【0030】
【発明の効果】
本発明によれば、ATAPIコントローラなどのインターフェースにより時間情報付のPCMデータを読み出すので、PCMデータと時間情報との同期が容易である。
【図面の簡単な説明】
【図1】光ディスク装置の第1の従来例。
【図2】光ディスク装置の第2の従来例。
【図3】本発明の一実施形態例に係る光ディスク装置。
【図4】SDRAM5のデータ構造例。
【図5】AVデコーダ11におけるデータの管理を説明する模式図。
【図6】AVデコーダ11から出力されるデータ構造例。
【図7】PCMデータ再生のフローチャート。
【符号の説明】
1 光ピックアップ
2 回転駆動機構
3 フロントエンド部
4 ATAPI又はSCSIコントローラ
5 SDRAM
11 AVデコーダ
12 SDRAM
13 ビデオエンコーダ
14 DA変換部
21 チューナ
22 セレクタ
23 AD変換部
24 ADC/Y/C SEP
25 AVエンコーダ
26 SDRAM
101 フラッシュメモリ
102 メインMPU
103 チューナ及びタイマMCU
104 表示部
105 キー操作部
Claims (1)
- 第1光ディスクの記録及び再生と、第2光ディスクの再生とが可能な光ディスク装置において、
前記第1光ディスクに記録されたデータを読み出し、前記第2光ディスクに記録された時間情報付のPCMデータを読み出し、順次、SDRAMに一時的に格納するATAPIコントローラと、
前記ATAPIコントローラに接続されており、送信データ量と受信データ量との一致を確認しつつ、前記ATAPIコントローラから前記SDRAMに格納されている前記時間情報付のPCMデータを読み出すAVデコーダと、
を備え、
前記AVデコーダは、
前記時間情報付きの前記PCMデータから、前記時間情報と前記PCMデータを分離して、別々に管理するとともに、前記時間情報と前記PCMデータとを同期させて出力し、
前記ATAPIコントローラは、
前記時間情報と前記PCMデータを交互に前記SDRAMに格納することを特徴とする光ディスク装置。
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