JP4463339B2 - 給排水用消音性パイプの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は居住空間の給排水管として使用する消音性パイプの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近来、都市部を中心として住宅過密化が進み、住宅内の給排水管の流水音が居住性を阻害し、特に隣接居住空間の間の給排水管が相互に不快感を与え居住空間のトラブルの一原因となっている。
【0003】
この給排水管の流水音の伝達経路は、給排水管の管壁から居室内に放射される騒音と、給排水管に発生する振動が支持部や貫通部から建物躯体に侵入し隣接居室の内層材から放射される固体伝達音とに大別でき、固体伝達音に対しては振動吸収機構を備えた支持部、継手、曲がり管等により対処できる。
【0004】
放射音に対する対策としては、給排水管に吸音材を予め被覆しておくこと(例えば、実用新案登録第3036449号公報)や給排水管の配管後吸音材を被覆すること(例えば特開平6−174172号公報)等が提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、予め吸音材を被覆しておく構成では、給排水管の接続に当たり管端部から吸音被覆材を除去する必要があり管の接続に手間がかかり、また管の傷付きによる強度低下の危険性がある。他方、配管後に吸音材を被覆する構成では、工期が長期化し、特に壁貫通部等の施工が容易ではない。
【0006】
吸音材としては、連続気泡のゴムシ−ト、ウレタン発泡体シ−トが取扱い易く多用されているが、この吸音材は本質的に吸水性であり、多孔間隙が封水されると実質的に多孔度が低減されて吸音率の低下が避けられない。
【0007】
而るに、給排水管では外面結露が発生し易いが、上記の従来例(実用新案登録第3036449号公報)では、吸水対策が構じられておらず、吸音率の経時的低下が懸念される。
【0008】
本発明の目的は、施工性、吸音安定性に優れた消音性パイプを提供することにある。
【0009】
本発明の更なる目的は、上記施工性、吸音安定性に優れた消音性パイプを容易に製造できる消音性パイプの製造方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る給排水用消音性パイプの製造方法は、合成樹脂内管を成形する工程と、材質が合成ゴム、熱可塑性エラストマー、又は軟質ウレタンのいずれかの発泡体であり、連続発泡率50%以上、発泡倍率3倍以上、非発泡時のロックウェル硬度が70以下の発泡消音性シ−トを、前記合成樹脂内管に縦沿えまたは巻付けによりシ−ト巾両端部を重ねて被覆する工程と、該被覆体厚みを、前記発泡消音性シ−ト厚みの1〜0.5倍となるように圧縮して、前記被覆体上に合成樹脂外管を成形する工程とを包含することを特徴とする構成である。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について説明する。
【0013】
図1は本発明に係る消音性パイプの一例を示す断面図である。
【0014】
図において、P1は合成樹脂内管、P2は合成樹脂外管である。Bは連続気泡率が50%以上で発泡倍率が3倍以上の発泡消音性シ−トであり、合成樹脂内管P1上にシ−ト巾両端部b,bを重ねて縦添えし、この縦沿え層の厚みtをシ−ト厚みの1〜0.5倍とするように前記合成樹脂外管P2を成形してある。
【0015】
図2は本発明に係る消音性パイプの別例を示す側面図であり、合成樹脂内管P1に発泡消音性シ−トBを螺旋状にラップ巻きし、この螺旋巻き層の厚みtをシ−ト厚みの1〜0.5倍とするように合成樹脂外管P2を成形してある。
【0016】
上記ににおいて、合成樹脂内管は発泡消音性シ−トを管内の給排水から遮水するために設けられている。合成樹脂外管は、管接続においての継手に対する躯体とし、かつ発泡消音性シ−トを外面結露水や外部湿分から遮水するために設けられており、合成樹脂内管の厚みは合成樹脂外管の厚みよりも薄くすることができる。
【0017】
本発明に係る消音性パイプは、流水音を合成樹脂内管→発泡消音性シ−ト→合成樹脂外管の経路で放射伝達し、音響的には吸音材を備えた二重壁と等価である。而るに、内壁(内管)は厚さが薄いために、背後の吸音材(発泡消音性シ−ト)の制振力が無視できる程度のときは振動し、その振動周波数が内壁への入射音波の押し引きの振動力分布に一致し共振状態となって内壁が遮音壁として作用しなくなる現象、いわゆるコインシデンスが生じるが、本発明に係る消音性パイプにおいては、発泡消音性シ−トの端部を重ね圧縮して局部的に硬質部を設けてあるから、上記内壁(合成樹脂内管)に対する制振力を充分に大きくでき、内壁(合成樹脂内管)の共振を防止して合成樹脂内管を遮音壁として有効に作用させることができる。
【0018】
上記発泡消音性シ−トによる吸音作用は、音波を受けて孔空間の空気が振動し摩擦抵抗が作用して音エネルギ−の一部が熱エネルギ−に変換されることにあり、発泡倍率を3倍以上とし、かつ連続気泡率(発泡体の体積と重量とから換算した気泡体積に対しガスが入り込む体積割合)を50%以上とする理由は、充分な吸音率を保証するためである。すなわち、発泡倍率3倍未満では孔空間が少なくなり過ぎ、連続気泡率50%未満では音波を直接吸音材内部の空気に伝達できる率が少なくなり過ぎ、これらの結果充分な吸音率を保証し難くなるのである。
【0019】
なお、連続気泡率は、密閉容器内に発泡体を入れ真空状態にしたのち、常圧になるまで不活性ガスを注入し、その注入ガス量に基づき算出することができる。
【0020】
上記発泡消音性シ−トの材質には、吸音材の硬度が高くなるほど吸音率が低くなるので、非発泡状態での硬度(ロックウェル硬さ)70以下のものを使用することが好ましい。
【0021】
上記発泡消音性シ−トの厚みは、吸音材を厚くするほど吸音率を高くできるので、少なくとも3mm以上とすることが好ましい。
【0022】
本発明において合成樹脂内管及び合成樹脂外管には、機械的物性、特に耐衝撃性や押出成形性に優れた塩化ビニル系樹脂、特に平均重合度600〜1400塩化ビニル系樹脂、例えば、塩化ビニルの単独重合体、塩化ビニルと塩化ビニル以外の重合性単量体が共重合された共重合体、塩化ビニル以外の重合体に塩化ビニルをグラフトさせたグラフト共重合体、こられの塩化ビニル系樹脂を後塩素化した塩素素化塩化ビニル系樹脂及びこれらの混合物を使用することが好ましい。
【0023】
上記塩化ビニル以外の重合性単量体としては、反応性二重結合性を有するものであれば特に限定されず、例えば、エチレンやプロピレンやブチレン等のα−オレフィン類、酢酸ビニルやプロピオン酸ビニル等のビニルエステル類、ブチルビニルエ−ルやセチルビニルエ−ル等のビニルエ−テル類、メチルアクリレ−トやエチルアクリレ−ト等のアクリル酸エステル類、メチルメタクリレ−トやエチルメタクリレ−トやフェニルメタクリレ−ト等のメタクリル酸エステル類、スチレンやα−メチルスチレン等の芳香族ビニル類、塩化ビニリデンやふっ化ビニル等のハロゲン化ビニル類、N−フェニレンマレイミドやN−シクロヘキシルマレイミド等のN−置換マレイミド類等の1種または2種以上を使用できる。
【0024】
上記グラフト共重合体に使用される上記塩化ビニル以外の重合体としては特に限定されず、例えばエチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル−一酸化炭素共重合体、エチレン−メチルメタクリレ−ト共重合体、エチレン−プロピレン共重合体、アクリロニトリル−ブタジェン共重合体、ポリウレタン樹脂、塩素化ポリエチレン樹脂、塩素化ポリプロピレン樹脂の1種または2種以上を使用できる。
【0025】
上記塩化ビニル系樹脂には成形性、熱安定性、機械的物性を向上させるために、ポリメチルメタクリレ−ト系の加工助剤、熱安定剤、酸化防止剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、滑剤、充填剤、衝撃改良剤、難燃剤、可塑剤、顔料等の1種または2種以上を適宜添加できる。
【0026】
上記熱安定剤としては例えばジブチル錫マレ−トやジブチル錫メルカプト等の錫系、ステアリン酸カルシウムやステアリン酸バリウムやステアリン酸亜鉛等の有機金属石鹸系、鉛化合物系等を挙げることができ、上記滑剤としては例えばポリエチレンワックスやパラフィンワックス等の脂肪族炭化水素、ステアリルアルコ−ル等の高級脂肪族アルコ−ル系、ステアリン酸やヒドロキシステアリン酸等の高級脂肪酸系、ブチルステアレ−ト等のモノアルコ−ル脂肪酸エステル系、グリセリンモノステアレ−トやグリセリントリステアレ−ト等の多価アルコ−ル脂肪酸エステル系等を挙げることができ、上記充填剤としては例えば炭酸カルシウム、タルク、クレ−、マイカ、ガラス繊維、硫酸バリウム等を挙げることができ、上記難燃剤としては例えばハロゲン系難燃剤、リン系難燃剤、三酸化アンチモン等の金属酸化物系難燃剤等を挙げることができる。
【0027】
本発明において発泡消音性シ−トには、例えば天然ゴムや合成ゴム(スチレン・ブタジエンゴム、エチレン・プロピレンゴム、クロロプレンゴム、ニトリルゴム、ブチルゴムねシリコンゴム、アクリルゴム、ウレタンゴム、フッ素ゴム等)の発泡体、熱可塑性エラストマ−樹脂(塩化ビニル系エラストマ−、オレフィン系エラストマ−)の発泡体、軟質ウレタン発泡体等を使用できる。
【0028】
本発明に係る消音性パイプにおいては、合成樹脂内管と発泡消音性シ−ト層との間及び合成樹脂外管と発泡消音性シ−ト層との間を接着剤により接着することができ、接着剤としては、ホットメルト接着剤、粘着剤、粘着テ−プ等を使用でき、粘着剤を使用する場合、発泡消音性シ−トの内面または外面或いは内外面に粘着剤を予め塗布しておき、発泡消音性シ−ト層と合成樹脂内管との界面または発泡消音性シ−ト層と合成樹脂外管との界面或いは両界面を接着することが可能である。
【0029】
図3は本発明に係る消音性パイプの製造方法において使用する製造装置の一例を示している。
【0030】
図3において、1は内管成形押出機であり、先端に内管成形金型2を取付けてある。4は冷却水槽、3は冷却水槽4の入口に取付けたサイジング金型、例えば真空フォ−ミングダイである。5は引取り機、6は発泡消音性シ−トの縦沿え被覆機である。9はホットメルト接着剤押出機7と外管押出成形機8に対する共通のクロスヘッドであり、ホットメルト接着剤層と合成樹脂管とをホットメルト接着剤層を下側にして同時に押出す構成である。11は冷却水槽、10は冷却水槽11の入口に取付けたサイジング金型、例えば真空フォ−ミングダイである。12は引取り機である。
【0031】
本発明により、図3に示す製造装置を使用して消音性パイプを製造するには、内管成形金型2から樹脂を管状に押出し、この管状樹脂をサイジング金型3において所定の外径にサイジングし、更に冷却水槽4を通過する間に冷却を完了させて合成樹脂内管を得、この合成樹脂内管を引取機5により押出速度と同調させた速度で引取り、縦添え機6において下面粘着剤付き発泡消音性シ−トをシ−ト巾両端部を重ねて縦沿えし、更にクロスヘッド9のニップルに通しニップル先端で縦沿え発泡消音性シ−トの全周上にホットメルト接着剤を薄く押出し、その上に合成樹脂外管を押出してその押出し熱でホットメルト接着剤の溶融状態を保持し、サイジング金型10において合成樹脂外管を所定の内径、すなわち発泡消音性シ−ト縦添え層の厚みを発泡消音性シ−トの厚みの1〜0.5倍とする外管内径にサイジングすると共にホットメルト接着剤の凝固により発泡消音性シ−ト層と合成樹脂外管との間を接着し、更に冷却水槽11を通過する間に合成樹脂外管の冷却を完了させ、引取り機12で引取っていく。
【0032】
この実施例においては、発泡消音性シ−トを縦沿えにより被覆しているが、螺旋ラップ巻きで被覆することもできる。また、上記ホットメルト接着剤による接着に代え、クロスヘッドとシ−ト縦添え機との間で粘着剤を塗布しまたは粘着テ−プを巻回して粘着剤により接着することによりホットメルト接着剤押出機を省略してクロスヘッドを合成樹脂外管押出機用のシングルとすることもできる。更に、発泡消音性シ−トの下面側粘着剤を省略し、内管引取機と縦添え機との間に接着剤塗布器、または粘着テ−プ巻回器を設けることも可能である。
【0033】
本発明に係る消音性パイプの製造方法によれば、発泡消音性シ−ト層をその厚みを発泡消音性シ−トの厚みの1〜0.5倍とするように加圧圧縮しているが、発泡消音性シ−トが連続発泡率50%以上、発泡倍率3倍以上のゴム発泡体、熱可塑性エラストマ−樹脂発泡体、軟質ウレタン発泡体等であって極めて軟らかく、圧縮反力を低圧にとどめることができるから、合成樹脂内管の厚みを薄くしてもその内管を圧潰することなく、消音性パイプを容易に製造できる。そして、発泡消音性シ−ト層をその厚みを発泡消音性シ−トの厚みの1〜0.5倍とするようにして発泡消音性シ−ト端部の重ね部を圧縮しているから、既述した通り、合成樹脂内管に対する制振力を充分に大きくでき、内管の共振を防止して内管を遮音壁として有効に作用させることが期待できる。
【0034】
【実施例】
〔実施例1〕
内管及び外管の合成樹脂には塩化ビニル樹脂:100重量部,安定剤:オクチル錫メルカプト2重量部,滑剤:ポリエチレンワックス1重量部及びステアリン酸1重量部からなる樹脂組成物を用い、発泡消音性シ−トには発泡倍率10倍,連続気泡率80%、厚み10mm、片面粘着剤付きスチレン・ブタジエンゴム発泡体シ−トを用いた。この発泡体シ−トの非発泡時硬度は50である。
【0035】
消音性パイプの外径を114mm、内管及び外管の厚み、発泡消音性シ−ト縦沿え層の厚みをそれぞれ表1に示す寸法とするように、図3に示す製造装置における内管用サイジング金型及び外管用サイジング金型の寸法を設定し、クロスヘッドからのホットメルト接着剤押出厚みを0.1mmとするようにクロスヘッドの接着剤押出しスリットを設定した。
【0036】
そして図3に示す製造装置を使用し、発泡消音性シ−トの縦沿えラップ代を約10mmとし、発泡消音性シ−ト層厚みを表1に示す通り9mmとして(スチレン・ブタジエンゴム発泡体シ−トの厚みを0.9倍に圧縮して)図1に示す消音性パイプを製作した。
【0037】
〔実施例2〜6〕
実施例1と同じ発泡倍率、連続気泡率及び非発泡時硬度で厚みのみかを変えたスチレン・ブタジエンゴム発泡体シ−トを用い、消音性パイプの外径を実施例と同じ114mm、内管及び外管の厚み、発泡消音性シ−ト縦沿え層の厚みをそれぞれ表1に示す寸法とするように、図3に示す製造装置における内管用サイジング金型及び外管用サイジング金型の寸法を設定し(スチレン・ブタジエンゴム発泡体シ−トの圧縮比は実施例と同じ0.9であり、従って、当該発泡体シ−トの厚みは表1の発泡消音性シ−ト縦沿え層の厚みの1/0.9倍である)、外径が実施例1と同径の消音性パイプを製作した。
【0038】
〔実施例7〕
実施例1に対し、スチレン・ブタジエンゴム発泡体シ−トの非発泡時硬度を高くするように表1に示す通り90とし、この硬度アップを補償するためにスチレン・ブタジエンゴム発泡体シ−トの発泡倍率を実施例1の2倍とした以外、実施例1と同じとした。
【0039】
〔比較例1〜4〕
実施例1に対し、表1に示すようにスチレン・ブタジエンゴム発泡体シ−トの連続発泡率または発泡倍率或いはスチレン・ブタジエンゴム発泡体シ−ト縦添え層厚みを変えた以外、実施例1に同じとした(従って、内管や外管の寸法、スチレン・ブタジエンゴム発泡体シ−ト縦沿え層の圧縮比は実施例1と同じ)。
【0040】
〔比較例5〕
発泡体シ−トに表1に示す連続発泡率及び発泡倍率の硬質ウレタンシ−トを使用した。硬度が高すぎ縦沿えシ−トのラップ部を圧縮することができなかった。
【0041】
〔実施例8及び9〕
表2に示す発泡倍率、連続気泡率及び非発泡時硬度のエチレン・プロピレンゴム発泡体シ−トを用い、消音性パイプの外径を実施例と同じ114mm、内管及び外管の厚み、発泡体シ−ト縦沿え層の厚みをそれぞれ表1に示す寸法とするように内管用サイジング金型及び外管用サイジング金型の寸法を設定し、かつ、発泡体シ−ト縦沿え層の圧縮比を0.9とするように発泡体シ−トの厚みを設定して消音性パイプを製作した。
【0042】
〔実施例10〕
表2に示す発泡倍率、連続気泡率及び非発泡時硬度の軟質ウレタン発泡体シ−トを用い、消音性パイプの外径を実施例と同じ114mm、内管及び外管の厚み、発泡体シ−ト縦沿え層の厚みをそれぞれ表1に示す寸法とするように内管用サイジング金型及び外管用サイジング金型の寸法を設定し、かつ、発泡体シ−ト縦沿え層の圧縮比を0.9とするように発泡体シ−トの厚みを設定して消音性パイプを製作した。
【0043】
〔実施例11〕
表2に示す発泡倍率、連続気泡率及び非発泡時硬度の塩ビエラストマ−発泡体シ−トを用い、消音性パイプの外径を実施例と同じ114mm、内管及び外管の厚み、発泡体シ−ト縦沿え層の厚みをそれぞれ表1に示す寸法とするように内管用サイジング金型及び外管用サイジング金型の寸法を設定し、かつ、発泡体シ−ト縦沿え層の圧縮比を0.9とするように発泡体シ−トの厚みを設定して消音性パイプを製作した。
【0044】
上記外径114mmの実施例品消音性パイプ及び同一外径の比較例品消音性パイプのそれぞれについて、防音壁で囲まれた高さ2mの残響室の内部中央の高さ位置にマイクを設置し、この残響室に消音性パイプを上下方向に、かつ消音性パイプ外表面と前記マイクとの距離を50cmとするようにして貫通させ、その貫通箇所をパテで封止し、残響室上部に設置した水槽から消音性パイプ内に速度52リットル/minにて流水させてマイク位置での音圧レベルを測定し、通常の消音層なしの外径114mmの塩化ビニル樹脂パイプについて同様に測定した音圧レベルとの差を騒音低減効果(dB)として求めたところ、表1に示す通りであった。
【0045】
【表1】
【0046】
【表2】
【0047】
表1における実施例1と比較例1、2との対比から、発泡消音性シ−トの連続気泡率が実施例の50%よりも相当に低い30%程度となると、同一発泡倍率10倍のもとでも流水音を満足に吸音できないことが明らかである。
【0048】
また、表1における実施例1と比較例3、4との対比から、発泡消音性シ−トの発泡倍率が実施例の10倍よりも相当に低くなると、同一の低い非発泡時硬度50のもとでも流水音を満足に吸音できないことが明らかであり、更に表1における実施例1と比較例5との対比から、発泡消音性シ−トの発泡倍率や連続発泡率を高くしても実質的に吸音作用が期待できない剛体発泡質では流水音を満足に吸音できないことも明らかである。
【0049】
更に、表2における実施例8と9、実施例10、実施例11から発泡倍率や連続発泡率についての本発明の要件を充足すれば、発泡ゴム、発泡軟質合成樹脂の吸音シ−トが材質上の制限なく有効であることも確認できる。
【0050】
【発明の効果】
本発明に係る消音性パイプにおいては、発泡消音性シ−ト層を合成樹脂内管と合成樹脂外管とで挾んであり、発泡消音性シ−ト層を管内流水及び外部水の何れに対しても確実に遮水でき、発泡消音性シ−トの連続気泡を無水状態に保持して吸音性を安定に維持できる。また、管端での蔽水処理を行えば通常通りの継手による管接続を行い得、かつ配管後での特別の工事も不要であり、施工が簡単である。更に、合成樹脂内管の管壁厚みを薄くしても、発泡消音性シ−トの端部重ね部の圧縮により発泡消音性シ−ト層に充分な抑振力を付与でき、内壁の共振をよく防止できるから、発泡消音性シ−トの高い連続気泡率及び発泡倍率との協働で充分に高い吸音効果を保証できる。
【0051】
そして本発明に係る消音性パイプの製造方法によれば、かかる施工性、吸音性に優れた消音性パイプを容易に製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る消音性パイプの一例を示す図面である。
【図2】本発明に係る消音性パイプの別例を示す図面である。
【図3】本発明に係る消音性パイプの製造方法において使用する製造装置の一例を示す図面である。
【符号の説明】
P1 合成樹脂内管
P2 合成樹脂外管
B 発泡消音性シ−ト層
1 内管押出機
6 発泡消音性シ−ト縦沿え機
8 外管押出機
9 クロスヘッド
Claims (1)
- 合成樹脂内管を成形する工程と、
材質が合成ゴム、熱可塑性エラストマー、又は軟質ウレタンのいずれかの発泡体であり、連続発泡率50%以上、発泡倍率3倍以上、非発泡時のロックウェル硬度が70以下の発泡消音性シ−トを、前記合成樹脂内管に縦沿えまたは巻付けによりシ−ト巾両端部を重ねて被覆する工程と、
該被覆体厚みを、前記発泡消音性シ−ト厚みの1〜0.5倍となるように圧縮して、前記被覆体上に合成樹脂外管を成形する工程と
を包含することを特徴とする給排水用消音性パイプの製造方法。
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