JP4462726B2 - 薬品収納装置 - Google Patents

薬品収納装置 Download PDF

Info

Publication number
JP4462726B2
JP4462726B2 JP2000195371A JP2000195371A JP4462726B2 JP 4462726 B2 JP4462726 B2 JP 4462726B2 JP 2000195371 A JP2000195371 A JP 2000195371A JP 2000195371 A JP2000195371 A JP 2000195371A JP 4462726 B2 JP4462726 B2 JP 4462726B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cassette
medicine
stored
chemicals
storage device
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2000195371A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2002011072A (ja
Inventor
司郎 大村
英明 廣部
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tosho Inc
Original Assignee
Tosho Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tosho Inc filed Critical Tosho Inc
Priority to JP2000195371A priority Critical patent/JP4462726B2/ja
Publication of JP2002011072A publication Critical patent/JP2002011072A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4462726B2 publication Critical patent/JP4462726B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Warehouses Or Storage Devices (AREA)
  • Medical Preparation Storing Or Oral Administration Devices (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、医療現場等で使用される薬品類を多数のカセットに分けて収納する薬品収納装置に関し、詳しくは、薬品類の収納に加えて、収納薬品類の個数をカセット毎に把握しうる薬品収納装置に関する。
なお、薬品類には、アンプル・バイアル・造影剤等の注射薬の他、箱・ボトル等に収容された錠剤・散剤等の医薬品や補助薬品も該当する。
【0002】
【従来の技術】
従来、手術室等の医療現場では、手術等の処置に先だち注射薬等の薬品をセットして即ち適宜区分しつつ並べて準備しておくことで、処置を行い易いようにしているが、処置中に薬品が不足するといけないので、薬品を余分に準備しておいて、処置が終わってから、余った薬品を薬局等に返却するとともに、処置中に使用した薬品を数えている。その作業は、主に看護士や看護婦などの医療補助者・直接医療従事者が担当しており、バケツ等の廃棄用容器の中を漁るようにして行われる。そして、多くの場合、それら薬品の使用数量等を薬品管理用の帳票に記入したり薬品の在庫管理用コンピュータシステムに入力するのも彼らの職務に含まれる。
【0003】
なお、手術室等の医療現場を離れれば、薬品等を収納しておく薬品収納装置として、単に薬品を収納しておくだけのものの他、自動取り出し機構等の付加されたものも有る。前者では、収納薬品の管理は作業者等の人間に総て任されている。これに対し、後者では、補充タイミングの検知等のために、人任せでなく収納薬品の管理も自動で行うべく、計量手段や計数手段の付加されたものも有る。そして、そのような計量・計数手段としては、個々の薬品毎に収納位置を固定的に決めておいて各々にセンサを設けるものや、収納容器ごと秤量して単位重量に基づき収納薬品の個数を算出するもの、収納用棚板の引出時に移動した薬品を数えるもの等がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、これらの薬品収納装置には、医療現場以外で用いられる収納装置としてみても、それぞれ一長一短がある。例えば、収納だけであれば出し入れ自在であるが収納薬品の自動管理は困難であり、自動取り出しにすると取り出しは便利でも余り物を戻すのが困難であり、収納位置を薬品毎に固定したのではコストがかかる割に収納数が限られ、秤量して算出するのは精度が劣り、引出時の数え上げでは引き出し方に制約が伴う。このため、沢山の薬品を種類分け等しながら収納すべく多数のカセットを配設した場合、カセットが空になったか否かを検出する程度のことしか行われなかった。
【0005】
ところが、カセットが空になって初めて補充等の必要なことを知り、それから補充等の作業に取り掛かるのでは、在庫があっても補充等が済むまでは装置が制約を受けるので、必要な薬品を必要なときに提供するのが困難になり、医療現場等での使用には満足できない。ましてや、在庫が無く、追加の納品等まで時間がかかるような場合には、大きな問題となる。さらに、注射薬など多くの薬品には使用期限があるため、そのような薬品の場合、その順にカセットへ収納され取り出されるので、取り出したが使用されなかった薬品が戻されて来たときに、同じカセットに戻し入れできなかったり、戻せても列び順が変わってしまったりしたのでは、期限切れが頻発するので、不都合である。
【0006】
しかしながら、何といっても医療現場で用いられない理由は、使い辛いことである。具体的には、手術の進行具合や患者の容態等に応じて処置内容や必要な薬品が頻繁に変更されるうえ、それに対応して一時の猶予も無く迅速に薬品を提供しなければならないのに、従来の薬品収納装置では、スイッチを押したり引き出しを引いたりしたうえで少なくとも一呼吸は待たなければ必要な薬品を手中にすることができないからである。このため、医療現場では、いまだに、注射薬等の薬品をトレー等にセットして手術等に供するのも、薬品の使用数量等を把握するのも、看護婦等の直接医療従事者の作業となっている。
【0007】
ところが、このような従来のやり方では、緊張を要する手術等の医療行為に現場で従事した者が、その直接的行為の終了後も異質の管理業務を担い続けなければならないため、なかなか緊張から解放されず、そのような者にとって、肉体的にも精神的にも負担が重い。また、注射薬のアンプル等が割れていたり注射器等が混じり込んでいると、作業が一層困難で辛いものとなる。
そこで、かかる作業負担を軽減すべく、薬品収納装置を医療現場でも使い易いものに改良するとともに、現場の従事者がいちいち数え上げなくても薬品等の使用数量等が判るようにすることも要請される。
【0008】
そして、そのためには、多数の薬剤カセットを用いて沢山の薬品や補助薬品等を取り出し可能に収納する薬品収納装置について、必要な薬品類を素早く取り出して手に入れられるようにすることや、出した薬品類をいつでも元の順序を保って戻せるようにすること、出し入れしても常に収納薬品類の個数が薬剤カセット毎に正確に把握できるようにすることが、重要な課題となる。そのため、一動作で薬品類を手中にでき而も列びを乱さずに薬品類を戻せて更に収納状況の把握も的確な薬品収納装置を実現することが基本的な目的となる。
【0009】
さらに、上述のように使い勝手を向上させると、それに止まらず更なる要望も生じる。具体的には、医療現場には感電防止付きの電源等が用意されているが、その多くは既に各種の医療機器に対して割り当てられているうえ空いているものもできるだけ多くを緊急用に確保しておきたいといった要望や、電源は足りていてもそこまで延びるコードが邪魔にならないようにしたいという要望も生じる。また、薬品の出し入れを常に細かく把握するとともに印刷出力等による報告もして欲しいという要望がある一方、手術室等での印刷出力等は煩わしいので手術前室等へ装置を移動させた後に纏めて管理したいといった要望など、種々の改良要求が派生して来る。
【0010】
そこで、医療現場には好適な人手での作業態様を崩さずに、それらの更なる要求にも応えられるように、即ち現場で使い易いばかりか現場内外でのデータ管理等についても柔軟に対処しうるように、薬品収納装置を更に改良することが技術的な課題となる。
この発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、一動作で薬品類を手中にでき而も列びを乱さずに薬品類を戻せて更に収納状況の把握も的確かつ柔軟な薬品収納装置を実現することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
このような課題を解決するために発明された第1解決手段について、その構成および作用効果を以下に説明する。
【0012】
第1解決手段の薬品収納装置は、出願当初の請求項1に記載の如く、薬品類を整列収納する多数のカセットと、これらのカセットを並べて保持する支持手段とを具えた薬品収納装置であって、前記カセットは薬品類の抜き取りに加えて押し込みも可能な出入口が形成されるとともにその出入口に向けて収納薬品類を付勢する付勢手段が付設されたものであり、前記支持手段は前記出入口を露出させた状態で前記カセットを保持するものであり、且つ、前記カセットにおける薬品類の収納数を求める計数手段とその収納数の変動分を一括して演算する一括演算手段とが設けられている、というものである。
【0013】
ここで、上記の「露出させた状態」には、全面を露出させている状態に限らず、開口の内奥等で部分的に露出させている状態であっても、視認可能で且つ手や指の届くような状態であれば、含まれる。また、常に露出させている必要は無く、扉や覆いの開閉等にて少なくとも使用時には露出状態を容易かつ迅速に確保しうるようになっていれば良い。
【0014】
このような第1解決手段の薬品収納装置にあっては、各カセットに収納されている薬品類は、使用時に必要なだけ或いは使用に備えて予め多めに取り出されるが、カセット内でその出入口に向けて付勢されているので該当カセットの出入口から整列順に次々に抜き取られる。そして、抜き取られた薬品類のうち使用に至らなかったものは、抜き取った出入口から押し込まれて、元のカセットに戻される。こうして、簡単に、列の先頭から取り出された薬品類は列の先頭に戻されることとなる。そのため、カセットへの整列収納時に薬品類を使用期限の順に列べておくだけで、その後に頻繁な出し入れがあっても自然に、不所望な期限切れ発生を少なくすることができる。
【0015】
しかも、カセットが出入口を露出させて並んでいるため、薬品類の出し入れは、対象の薬品類を医師等の使用者が自分の目で見て確認しながら指等で直接摘んで行うことができるので、必要な薬品類を手中にするのも余った薬品類を戻すのも、単一動作で行える。スイッチ操作等の間接行為や搬送待ち等の無駄時間は無い。また、そのようにカセットにおける薬品類の出入口が見やすくて出し入れも容易なので、使い勝手を損なうことなく、より多くのカセットを集積させることもできるうえ、そのような出し入れがあっても、各カセットにおける薬品類の収納数が計数手段によって求められていることから、カセット内部が見えなくても又は見づらくても薬品類の収納状況はリアルタイムで的確に把握できる。
【0016】
さらに、そのような計数手段に加えて一括演算手段も設けられていて、各カセットにおける薬品類の収納数についてその変動分を一括して演算することも可能である。そして、そのような演算によれば、電力供給の有無や使用者の希望などによる多様な使用状況に応じて、所要の期間に亘る薬品類の出し入れを纏めて把握することもできる。これにより、薬品類の収納状況・使用状況についての把握の仕方が柔軟になる。
したがって、この発明によれば、一動作で薬品類を手中にでき而も列びを乱さずに薬品類を戻せて更に収納状況の把握も的確かつ柔軟な薬品収納装置を実現することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
このような解決手段で達成された本発明の薬品収納装置について、これを実施するための幾つかの形態を説明する。
【0018】
本発明の第1の実施形態は、出願当初の請求項2に記載の如く、上述した解決手段の薬品収納装置であって、前記一括演算手段が、以前に求めた収納数とその後に求めた収納数との差を算出するようになっている、というものである。
これにより、所要の期間に亘る薬品類の使用数・使用量が纏めて把握されることとなる。
【0019】
本発明の第2の実施形態は、出願当初の請求項3に記載の如く、上述した解決手段の薬品収納装置であって、記憶手段と、前記計数手段にて求めた収納数を指定時に又は自動的に前記記憶手段に書き込む書込手段とを具え、前記一括演算手段が、前記計数手段にて新たに求めた収納数と前記記憶手段に保持されていた収納数との差を指定時に又は自動的に算出するようになっている、というものである。
これにより、以前に求めた収納数とその後に求めた収納数との差を算出するという演算が、具現化されて、確実に行えるようになる。
【0020】
本発明の第3の実施形態は、出願当初の請求項4に記載の如く、上述した実施形態の薬品収納装置であって、前記記憶手段が、不揮発性メモリや磁気メモリ等のように動作電力を断たれても記憶内容を保持しうるものであり、前記一括演算手段が、電源投入後に自動で処理を開始するようになっている、というものである。
これにより、装置への動作電力の供給が断たれた状態で装置に対する薬品類の出し入れが行われたときでも、その後に電源が投入されれば、速やかに、それまでの薬品類の使用状況が纏めて的確に把握される。
【0021】
本発明の第4の実施形態は、出願当初の請求項5に記載の如く、上述した実施形態の薬品収納装置であって、前記書込手段が、電源投入直後は前記一括演算手段の処理終了を待って動作する又は動作可能になる、というものである。
これにより、装置への動作電力の供給が断たれた状態で装置に対する薬品類の出し入れが行われたときでも、その期間に亘る薬品類の使用数・使用量が、簡単かつ確実に把握されることとなる。
【0022】
本発明の第5の実施形態は、出願当初の請求項6に記載の如く、上述した実施形態の薬品収納装置であって、前記一括演算手段の演算結果を受けて薬品類の管理用データを出力する出力手段が設けられている、というものである。
この場合、装置への動作電力の供給が断たれた状態で装置に対する薬品類の出し入れが行われたときでも、その期間に亘る薬品類収納数の増減値やその時点における薬品類収納数の計数値が出力手段によって出力されるので、この出力を利用することにより、薬品類の出し入れや収納数を確実に管理・監視することが可能となり、その結果、使用結果の確実な確認や、的確な在庫管理、請求伝票等の帳票類の迅速な発行、盗難の防止などにも資するものとなる。
【0023】
本発明の第6の実施形態は、出願当初の請求項7に記載の如く、上述した実施形態の薬品収納装置であって、前記出力手段が、プリンタ,記憶媒体,及び通信装置のうち何れか一つ又は複数のものを含んでいる、というものである。
この場合、プリンタ出力による目視確認や、記憶データに基づくデータ処理、通信によるオンライン処理も可能となる。そして、これによって、出力結果に基づいて的確な薬品の管理が確実に遂行されることとなる。
【0024】
本発明の第7の実施形態は、出願当初の請求項8に記載の如く、上述した解決手段および実施形態の薬品収納装置であって、前記計数手段が、前記カセット毎に設けられ該当カセットに収納中の薬品類の列の長さ又はその列の最後尾位置に対応した物理量を検出する検出手段と、その検出結果に応じて該当計数値を生成する又は算出する計数値演算手段とを備えている、というものである。
【0025】
この場合、各カセット毎に、薬品類が整列収納されていることに基づいてその列の長さ等が検出手段によって検出されるとともに、それぞれのカセットに該当する計数値が計数値演算手段により検出結果に応じて算出等される。こうして各カセットにおける薬品類の収納数が求められるが、その際の検出は整列収納状態を利用して長さや位置を求めることで行われるため、全部の薬品類を一個毎に有無検出するのより安価にでき、また、薬品類の総重量を計って割り出すのよりもコンパクトで高精度にし易い。しかも、その検出は薬品類の出し入れに拘わらず随時行われるので、それもカセット内の薬品類の総数について行われるので、初期値の設定等が不要なうえ一時の計数ミスが残存したり累積したりすることも無く、電源断等にて装置が動作を停止している間に薬品類の出し入れが行われたときでさえも、薬品類の収納状況を簡便かつ正確に把握することができる。これにより、種々の状況下で一括演算可能な計数が行えることとなる。
【0026】
このような解決手段や実施形態で達成された本発明の薬品収納装置について、これを実施するための具体的な形態を、以下の第1〜第6実施例により説明する。
図1〜図5に示した第1実施例は、上述した第1解決手段および第1〜第7実施形態を具現化したものであり、図6に示した第2実施例や、図7の第3実施例、図8の第4実施例、図9の第5実施例、図10の第6実施例、図11の第7実施例、図12の第8実施例、図13の第9実施例は、その変形例である。
なお、それらの図示に際しては、簡明化等のため、ボルト等の締結具,ヒンジ等の連結具などは図示を割愛し、発明の説明に必要なものや関連するものを中心に図示した。
【0027】
【第1実施例】
本発明の薬品収納装置の第1実施例について、その具体的な構成を、図面を引用して説明する。図1は、その機械的構造を示し、(a)が薬品収納装置の正面図、(b)がカセット周りの右側面図である。また、図2は、カセットの構造および薬品収納状態を示し、(a)が薬品一括補充時の開状態図、(b)が薬品収納状態の斜視図である。さらに、図3は、別態様でカセットへ薬品を一括補充する状態の斜視図であり、図4は、計数手段等のブロック図である。
【0028】
この薬品収納装置は(図1(a)参照)、カセット保持部10(支持手段)と操作部30とがベース板等の基部9上に隣接して設けられたものであり、カセット保持部10から注射薬等の薬品1(図示したのは注射薬を封入したアンプル)を取り出す向きや操作部30を操作する向きが正面側・前面側に並べられている。カセット保持部10等に分散して設けられている計数手段50と操作部30との接続や他の機器との接続等は、図示しない信号送受用ケーブル等を介して基部9のところや後背側等でなされている。カセット保持部10は、棚枠として適宜な外枠や筐体を具えていて、その内側にカセット載置棚11が多段に設けられたカセット専用の棚であり(図1(a)では上下4段)、それぞれのカセット載置棚11上に一個または複数個のカセットホルダー14を載せておけるようになっている(図1(b)参照)。それらのカセットホルダー14は、後述するように複数・多数のカセット20を並べて載置しうるようになっている。
【0029】
カセット載置棚11は(図1(b)参照)、カセット20を傾斜状態に維持するために、カセットホルダー14を載置する上面が後背側で高く前面側で低くなっており、傾いたカセット20が落ちないよう前端部分に上側への曲げ部又は突き出し部が形成されている。上下の棚と棚との間や棚と天板との間は開口していて、各カセット20の出入口21側を手前にして各カセットホルダー14をカセット載置棚11上に載せ置くと、総ての出入口21およびそれぞれの先頭薬品1が手前側に即ち装置前面に揃って露出するようになっている。
【0030】
操作部30は(図1(a)参照)、適宜の箱形に纏められており、その前面には、操作対象であるキーボード31の他にプリンタ32やフロッピーディスク33(記憶媒体、記録媒体)等が配設され、内部には、後述する通信ユニット34(通信装置)やメインコントローラ56(演算手段、制御手段)等が格納されている。また、この例では、バーコードリーダ61が、識別情報等を読み取るために、フレキシブルなケーブル等を介して外付けされている。さらに、その読取の完了や後述の判別結果等を音で報せるために、適宜のブザー62等も組み込まれている(図4参照)。
【0031】
カセット20は(図2参照)、薬品1を前後方向一列に整列させて収納するために、概ね直方体状の箱物からなり、その内部空間の横幅が薬品1のそれより僅かに大きく、奥行きは何倍も長くなっている。そのカセット20の前面上側の角部は切り欠かれて出入口21となっており、この出入口21は、先頭の薬品1の頭部または上半分がほぼ露出するよう大きく切り欠かれて、横から見ても薬品1の頭部等がほぼ露出するような階段状に形成されており、先頭薬品1を出し入れ可能であってその際に薬品1の頭部を人の手で摘んで抜き取ったり押し込んだりするのが容易にできるようになっている。しかも、その出入口21を上部の天板部分に延長したような状態で、補充口27も形成されている。すなわち、補充口27は、出入口21と繋がって一体化した大きな開口となっている。このような出入口21及び補充口27の形成によってカセット20のうちには天板が無くなっているものもあるが、天板が残っているところは薬品1より少し高くなっている。
【0032】
また、カセット20の内底には摩擦係数の小さい部材が用いられていて、カセット20を前下がりに傾けると収納薬品1が自重で出入口21側へ滑って来るようになっているが、後方の薬品1が倒れるのを防ぐとともに最後尾の薬品1に対しても出入口21に向けて積極的に後押しして付勢するような重りを兼ねた被検出子保持部材22が内蔵されている。被検出子保持部材22は、被検出子52を取り付けられていて、それを保持した状態でカセット20の内部を摺動しながら前後へ自在に移動しうるよう、幅が薬品1とほぼ同じで高さも同じかそれより低くなっている。さらに、カセット20は、量産性や補充作業なども考慮して、それぞれプラスチック等からなる左半体23と右半体24とを組み合わせたものとなっている。両者23,24は、前面部および後面部の重なるところの2箇所で係合し、そこを中心に回転して開閉し、閉じて箱状となり、開いて内部を大きく露見させるようになっている。また、カセット20の前面や後面には、後述するカセットホルダー14の溝に挿入可能な突起25等が形成されている。
【0033】
さらに、カセット20の内部空間の底部に案内部材76が設けられており、この案内部材76は、例えばアルミニウムからなる中空の角棒や門形・L形のアングル材等を加工して作られ、カセット20内で薬品1の整列経路に沿って前後に延びる案内溝75が形成されている。案内部材76にはストッパー74(範囲規制手段)が付設されており、このストッパー74は、回転を規制された状態で案内溝75の下方に収められたナットと、案内溝75の上下に延びたボルトとの組み合わせ等からなり、上に出ている摘み部分を指先等で回すことで、案内部材76に固定したり、固定位置変更のために緩めたりしうるようになっている。そして、固定された状態では、移動して来た被検出子保持部材22が当接すると、被検出子保持部材22が同じ方向にそれ以上移動するのを阻止することで、被検出子保持部材22の移動範囲を規制するようになっている。
【0034】
また、カセット20内の被検出子保持部材22には、突出部71(手動操作部材)と車輪72,73(傾動規制手段)とが付設されている。すなわち、被検出子保持部材22の一部はその案内溝75から下方へ延び、そことその上方で被検出子保持部材22に対し、一対の車輪72が、案内部材76を上下から挟んで転動可能な状態で設けられている。また、その後方でも、同様に一対の車輪73が案内部材76を挟んで転動可能な状態で被検出子保持部材22に対して付設されている。これにより、被検出子保持部材22は、案内溝75に案内されながら前後方向すなわち薬品1の整列経路に沿って自在に移動しうるものであって、傾くのを規制されたものとなっている。突出部71は、被検出子保持部材22から上へ延びて先端が補充口27から突き出ており、その先端を指等で摘んだり押したりすることで容易に被検出子保持部材22を移動させうるようになっている。
【0035】
さらに、このカセット20には、バーコードラベル77が、バーコードリーダ61で読み取り易いところ例えば前面や側面の内外等に貼り付けられている。そのバーコードラベル77には、薬品1の種類等に基づいて割り振られた薬品コード等の識別情報が記載されており、通常は、収納すべき薬品1のバーコードラベルに印刷されている識別情報と同じ情報が印刷されている。外側面のバーコードラベル77は、カセット20を薬品収納装置の棚板11やカセットホルダー14から外したときに読み取りやすく、内側面のバーコードラベル77は、カセット20を開いた状態でも読み取れ、前面のバーコードラベル77は、カセット20が薬品収納装置の棚板11にセットされているときでも読み取れる。
【0036】
カセットホルダー14は(図3参照)、軽いうえ磁気を妨げないプラスチック等からなる浅い角皿状の箱体で、その前後の長さはカセット20を乗載可能な長さになっている。また、その前後の内側面は図示しない縦の溝が多数形成された凹凸面となっており、それらの溝はカセット20の突起25等が入る大きさに形成されている。前後の溝は一対一に対応しており、隣り同士の距離は、カセット20が密に並ぶよう、その横幅と同じか僅かに大きくなっている。そのため、同じ幅のカセット20を載せる予定のカセットホルダー14では溝が等ピッチで形成され、異なる幅のカセット20を載せる予定のカセットホルダー14では溝が不等ピッチで形成されている。このカセットホルダー14も、バーコードリーダ61で読み取り易いところ例えば外側面等にバーコードラベル77を貼付しうるようになっている。
【0037】
計数手段50は、各カセット20における薬品1の収納数・個数を求めるために、センサ51が主体の検出手段と、メインコントローラ56が主体の演算手段(計数値演算手段+一括演算手段+書込手段)とを具えている(図4参照)。また、汚れに強い等の利点も考慮して検出手段に磁気式検出手法が採用されたのに伴い、各カセット20の被検出子保持部材22の被検出子52には、小さな永久磁石が採用されている(図1(b)、図2(a)参照)。
【0038】
センサ51には(図1(b)参照)、永久磁石の被検出子52に感応するホール素子等を利用した磁気センサが採用され、被検出子52は被検出子保持部材22に埋め込まれるので少数で済むが、センサ51は、多数用いられるので、その単価を下げるために、被検出子52の遠近に応じて「OFF」又は「ON」するだけの簡易なものとなっている。センサ51は、カセット20との接続が不要なようにセンサ基板53の上面等へ一列に並んだ状態で貼設等されるが、その個数は該当カセット20の最大収納数より一つ多く、そのピッチは、カセット20内で整列している薬品1のピッチに一致している。センサ基板53は、カセット載置棚11の上面等であってカセット20の載せ置かれるべきところそれぞれに装着され、その上に該当カセット20がセットされると、各センサ51が一つずつ各収納薬品1の真下に位置するようになっている。
【0039】
そのようなセンサ基板53が各カセット20毎に設けられるのに対し、サブコントローラ基板54は各カセット載置棚11毎に設けられる。サブコントローラ基板54は、横に延びるような状態でカセット載置棚11の下面等に取り付けられ、図示しない適宜のコネクタ等を介して各センサ基板53及びメインコントローラ56との接続が確立されている(図4参照)。各サブコントローラ基板54にはワンチップマイコン等のサブコントローラ55が搭載されており、その中継処理等によって、各センサ51の検出結果が集められてメインコントローラ56へ纏めて送出されるようになっている。
【0040】
メインコントローラ56は、適宜のマイクロプロセッサシステム等からなり、これには、入力用のキーボード31やバーコードリーダ61に加えて、出力手段としてのプリンタ32とフロッピーディスク33と通信ユニット34も接続されており、さらにハードディスク57(不揮発性の記憶手段)も内蔵あるいは外付けされている。また、カセット載置棚11毎に設けられたサブコントローラ55を介して全センサ51の検出結果を取り込んで、プログラム処理による演算を施すようにもなっている。具体的には、ハードディスク57に計数値テーブル58等を割り付け、そこを各カセット20毎に割り振ってそれぞれに薬品類収納数の計数値を書き込んで記憶保持するとともに、各センサ51の検出結果に応じて該当計数値を算出する計数値演算処理に加えて、その薬品類収納数について所定期間に亘る変動分を一括して求める一括演算処理も行うようになっている。ハードディスク57には管理データ59も保持されるようになっており、これには、バーコードラベル77に記載されるカセット20の識別情報等が含まれており、例えば、一のカセットホルダー14の識別情報とそれに乗載すべき幾つかのカセット20の識別情報とを組にしたデータがカセットホルダー14の個数分だけ記憶されている。
【0041】
また、メインコントローラ56は、バーコードリーダ61から読取結果が送られて来ると、その度に読取自体が適切になされたか否かに応じてブザー62を駆動する。例えば、異なる音色を使い分けて短時間の駆動を行う。そして、適切な読取結果が得られると、それをハードディスク57の管理データ59等に照らして収納の適否等を判別するとともに、その判別結果に応じてブザー62を駆動する。その際、はっきり聞き取れて楽に確認できるよう、例えば、上述の音色とも異なる音色を使い分けて、あるいは断続回数等も違えて、上述の場合より長時間の駆動を行うようになっている。なお、メインコントローラ56によるそれらの処理については、後述する動作説明にて詳述する。
【0042】
この第1実施例の薬品収納装置について、その使用態様及び動作を、図面を引用して説明する。図5は、薬品出し入れ時の状態変化を示している。
【0043】
使用に先だって予め、各カセット20には、それぞれ適合するサイズの薬品1を幾つかずつ収納しておくが、その際、使用期限等のある薬品1については、なるべく期限の遅いものを奥側にし、期限の早く来るものを前側にして整列させる。その際、カセット20に薬品1を必要なだけ一括して補充するときは(図2(a)参照)、前後面や底面部分が外側に来ている右半体24の方を回転させて全体を開き、左半体23に出入口21側から順に薬品1を必要なだけ立てて並べ、それから、その最後端に被検出子保持部材22を置く。そして、右半体24を回して閉めると、補充作業は完了する。
【0044】
また、このカセット20には、大きな補充口27も形成されているので、両半体23,24を閉じた通常の使用状態のままでも(図2(b)参照)、補充口27を介して薬品1を随時補充することができる。さらには、カセット20をカセットホルダー14から外さなくても薬品1を補充することができる(図3の矢印等を参照)。そこで、定数配置等のために、すなわち医療行為に先立つ準備作業の度に各薬品類を種類ごとに所定数ずつ揃えておく等のために、予め組み合わせてカセットホルダー14上にセットされたカセット20に対しては、一括補充もカセットホルダー14単位で纏めて行えるので、補充作業等の取り扱いが一層楽になる。
【0045】
さらに、定数配置等に則って一括補充時の薬品収納数が決まっているカセット20については、予めストッパー74の固定位置を調節して、被検出子保持部材22をストッパー74側まで後退させた状態で薬品1が既定数だけ収納されるようにしておく。そして、補充時には、カセット20が開閉いずれの状態であっても、突出部71を軽く手で押してストッパー74に当たるまで後方へ移動させる。それから、被検出子保持部材22からその前方出入口21のところまで薬品1を詰め込んで満たす。そうすると、それだけで確実に、カセット20には薬品1が必要個数だけ収納されることとなる。また、その際、突出部71を操作して被検出子保持部材22を移動させても、被検出子保持部材22は傾いたり倒れたりすることなく軽快に移動して、移動範囲の限界であるストッパー74のところで停止する。
【0046】
また、補充の際に、色や形の特徴で一見して判るものや、薬品名等を目視確認して収納先カセットの判っている薬品1については、直ちに収納して良いが、目視確認では判然としなかったり目視での確認結果にはっきりした自信が持てず少しでも疑念や迷いがあるようなときには、バーコードリーダ61を操作して、収納しようとしている薬品1のバーコードラベルに加えてカセット20のバーコードラベル77も読み取らせる。そうすると、メインコントローラ56によって、バーコードリーダ61の読取動作の適否確認が行われ、その読取が2回正常に行われた後には、それらの一致不一致が判別される。そして、両バーコードが正常に読み取れてそれらが一致していれば、ブザー62の音でそのことが知らされ、薬品1が該当カセット20に適合していることがハッキリと判るので、収納作業を行う。これに対し、不一致のときには、直ちには収納を行わず、他のカセット20を候補に選んで再び確認作業を行う。こうして、気軽に行っても誤り無く適切に収納がなされる。
【0047】
同様に、カセット20をカセットホルダー14に載せる際にも、判然としないようなときには、バーコードリーダ61を操作して、該当するカセットホルダー14及びカセット20のバーコードラベル77も読み取らせる。そうすると、メインコントローラ56によって、管理データ59に基づく適否確認が行われ、その結果がブザー62の音で知らされる。こうして、カセットホルダー14でのカセット20の纏めに関しても、気軽に而も適切に行える。そして、補充の済んだカセット20及びカセットホルダー14を薬品収納装置の棚板11にセットすると、計数手段50によって、収納薬品の自動計数が行われ、予め定数配置確認用データが管理データ59等に記憶されている場合にはそれとの自動照合も行われる。こうして、容易かつ迅速に補充も済ませることができる。
【0048】
薬品1を収納したカセット20は、前下がりに保持されると、先頭の薬品1が出入口21のところに来てその頭部等が指で摘める状態となる。このようなカセット20は、幾つかずつカセットホルダー14上に並べて纏められ(図3参照)、さらに、そのカセットホルダー14ごと、薬剤収納装置にセットされて、すなわち棚板11上に搭載されて(図1(b)参照)、現場での最終的な使用に供給される。
【0049】
一部重複して詳述すると、かかる準備作業は、手術用注射薬のアンプル等の場合、大抵、病院内の調剤部門や手術室前室等で纏めて行われる。すなわち、手術の度に行っても良いが、通常は、注射薬セットの作業負担も軽減すべく、半日や一日等の所定期間に想定される幾つかの手術に足りる十分な個数の薬品1が、各カセット20に収納される。それから、常温保存の可能な薬品1を収納したカセット20はカセット保持部10に格納され、冷凍保存の必要な薬品1を収納したカセット20は手術室前室の保冷庫等に格納される。
【0050】
そのような作業が手術室前室で行われた場合はそのまま使用時期の来るのを待つが、調剤部門等で行われた場合は、カセットホルダー14単位で適宜な薬剤運搬用カート等にて手術室前室へ移送され、そこの薬品棚や保冷庫等に一時格納される。それから、使用時までには、常温保存の可能な薬品1を収納したカセット20はカセットホルダー14単位で薬品収納装置にセットされ、使用時の直前には、保冷庫等のカセット20もホルダー14単位で薬品収納装置にセットされる。
【0051】
そして、使用時には、薬品収納装置を手術室に運び込む。その際、薬品収納装置がカートやキャスター付き台等に予め載っている場合は、そのまま移動させて使用を待ち、そうでない場合は、適宜の搬送手段にて薬品収納装置を運んで適宜な高さの机や台の上にセットする。それから、電源等も確認して、この薬品収納装置を作動させると(図5(a)参照)、各カセット20で、何れか一つのセンサ51が「ON」状態となり、他のセンサ51は「OFF」状態となるので、「ON」状態のセンサ51が何番目のものかに応じて直ちに、現在収納中の薬品1の個数が判明する。そして、その計数値が計数値テーブル58に記憶される。
【0052】
使用時に先頭の薬品1を取り出したときには、二番目以降の薬品1及び被検出子保持部材22が出入口21側へ1ピッチ分ずれるように移動するため、移動中は一時的には該当カセット20に対応する総てのセンサ51が「OFF」状態となるが(図5(b)参照)、移動後は速やかに、隣りのセンサ51のうち出入口21側のものが「ON」状態となる(図5(c)参照)。これに対し、薬品1を出入口21から入れたときには、収納中の薬品1及び被検出子保持部材22が奥側へ1ピッチ分ずれるように移動するため、「ON」状態のセンサ51が奥側の隣りへ移る(図5(c)〜(a)参照)。
【0053】
こうして、何れのカセット20でも、それぞれのカセット20に収納中の薬品1の列の最後尾位置に対応した被検出子52の位置が、過去の経緯に何ら影響されること無く、常に正確に検出される。そして、その位置から直ちに簡単な演算で該当計数値が求められる。たとえば該当被検出子52の番号から所定数を引いたり、或いは先頭からその位置までの距離を薬品1の直径で割ったりすることで収納薬品の個数が求まる。これらの計数値・収納数は各カセット20と対応付けて計数値テーブル58に次々と書き込まれる。
したがって、使用現場に限らず何れの段階でも収納薬品の個数等をデータ入力するといった手作業は行う必要が無く、それでも薬品の収納数は常に正確に把握される。
【0054】
また、このような計数処理は自動で行われるので、手術室内の医師や看護婦等は、手術に注射薬が必要になったときには何時でも、カセット保持部10を見て、そこに並んでいるもののうちから該当薬品1を選び、そこへ手を伸ばしてそれを抜き取れば良い。それだけで必要な薬品を直ちに使用することができる。また、患者の容態や病状判断の変化等によってその薬品1の使用を中止したような場合は、直ちに或いは手術終了後等の適宜な時に、同じ薬品1の入っているカセット20へ出入口21から押し込めば良い。それだけで、取り出したが使用に至らなかった薬品1が、使用期限の順序等に従った適切な収納位置に戻され、その計数処理も自動で行われる。
【0055】
もっとも、現場の従事者が手術中等に未使用の薬品1をカセット20へ戻すのは、抜き取った直後で戻し先のカセット20がハッキリ判っている場合や、色や形の特徴で一見して判る場合など確実な場合にだけ行う。少しでも紛らわしいようなときや、忙しくて気が急いているようなときには、手術等が済むまで適宜のトレー等に貯めておき、後でゆっくり、バーコードリーダ61等で薬品1の識別情報の確認を行いながら、戻すのが良い。こうして、この場合も、誤収納が確実に防止される。
【0056】
また、使用後は、あるいは使用中であっても随時、キーボード31の適宜操作等に応じて、メインコントローラ56は、計数値テーブル58の内容をそのまま又は管理データ59等に基づいて適宜な形式に変換したり薬品名称を付加したりしたうえで、プリンタ32やフロッピーディスク33に出力する。また、通信ユニット34を介してホストコンピュータ等との交信が可能なときには適宜な電文にして通知することも行う。
【0057】
こうして、薬剤カセット20を並べて保持した薬品収納装置のセットされた術場等の現場ではそこでの作業性を損なうことなく薬品の出し入れがワンタッチで簡単かつ迅速に随時行なわれる。しかも、その際、出し入れした薬品の個数等をデータ入力するといった面倒な作業は行わなくても、薬品の収納数は常に正確に把握されており、廃棄用容器内の使用済みアンプル等をいちいち数え上げなくても手術に使用された注射薬等の数量が自動で而も正確に判明するうえ、不足薬品の補充や発注等に必要な管理まで自動で処理することも可能となる。
【0058】
以上は、使用中にも薬品収納装置に通電して各薬品1の出し入れの度に細かく計数処理やその報告等を行わせる使い方であるが、この薬品収納装置にあっては、メインコントローラ56の動作モードとして、そのような逐次報告を行うモードの他に、一括報告モードも選択できるようになっている。そして、操作部30等を介して一括報告モードが選択されると、薬品収納装置に動作電力を供給せずに使用しても、その期間に亘る薬品1の使用数すなわち各カセット20における薬品類収納数の変動分が一括して演算されて、その報告も纏めてなされる。
【0059】
具体的には、薬品1の補充等の準備作業は例えば手術前室で行われ、薬品1の使用は例えば手術室に移ってそこで行われ、薬品1の使用数の確認等は手術前室に戻って行われ、しかも、手術前室では薬品収納装置への通電がなされるが、手術室では薬品収納装置への通電が無いような場合に、一括報告モードが活用される。その場合、手術前室での準備作業時に又は準備が完了ときに通電状態で一括報告モードを選択する。人手を要する追加の作業はそれだけである。
【0060】
この一括報告モード下でも、通電を停止するまでは、逐次報告モード下と同じように、随時、各薬品1の収納数が求められて計数値テーブル58に自動で書き込まれるので、手術前室で準備が完了して薬品収納装置への通電を停止したときには、そのときの各薬品1の収納数が計数値テーブル58に残される。
そして、使用時には、薬品収納装置が手術室へ運ばれて、薬品1の出し入れも行われるが、そのときには薬品収納装置への通電が無いので、計数値テーブル58の内容は変化しない。
【0061】
それから、薬品収納装置が手術前室に戻されて通電がなされると、やはりセンサ51等での検出結果に基づきメインコントローラ56によって各カセット20における薬品1の収納数が算出されるが、電源投入直後は、それを直ちに計数値テーブル58へ書き込むのでなく、先ず、計数値テーブル58に記憶保持されていた以前の収納数との差が算出される。こうして通電停止から通電再開に至るまでの収納数変動分が求められ、そのデータが、プリンタ32や,フロッピーディスク33,通信ユニット34の何れか又は総てに出力される。
【0062】
そして、そのような演算処理や出力処理が終了した後は、自動的に逐次報告モードに戻って、算出した薬品1の収納数を計数値テーブル58に書き込む処理や、薬品1の出し入れに応じたデータ出力等がなされる。
こうして、薬品収納装置に通電せずに使用した場合でも、確実に、その間の使用数が纏めて把握され報告される。
【0063】
【第2実施例】
本発明の薬品収納装置の第2実施例について、その具体的な構成を、図面を引用して説明する。図6は、カセット20の右側面図にセンサ51及び被検出子保持部材22を付記したものであり、(a)が小径の薬品1を収納した状態、(b)及び(c)が大径の薬品1を収納した状態を示している。
【0064】
上述した第1実施例のものでは薬品1のピッチとセンサ51のピッチとが一致していたのに対し、この第2実施例の薬品収納装置にあっては、センサ基板53の共通化を図るために、薬品1のピッチとセンサ51のピッチとが一致しないカセット20でも薬品列の長さや計数値が正しく得られるようになっている。
【0065】
この場合、センサ51は小径の薬品1を整列させたときのピッチで列設され、被検出子52はそのピッチより感応範囲が長く且つ整数倍には一致しないようにされる(図6(a)参照)。しかも、それと同じ条件のセンサ51や被検出子保持部材22が大径の薬品1の整列収納にも用いられる(図6(b)参照)。これにより、センサ基板53が各種サイズの薬品1について共通化され、量産効果を享受することができる。そして、ピッチの一致した薬品1については、第1実施例にて述べたようにして的確な薬品列の長さ及び計数値が得られる。また、ピッチの一致しない薬品1についても、薬品1の出し入れがあれば被検出子52がセンサ51の1ピッチ以上の距離を移動するので、薬品列の長さの相違は確実に検出される。
【0066】
また、ピッチずれのために被検出子52の先端部に感応するセンサ51が不確定な状態となることも生じうるが、そのときでも、被検出子52の長さがピッチの整数倍からずらしてあるので、被検出子52の後端部に感応するセンサ51が明確に定まる。そのため、複数個のオンオフ(ON/OFF)パターンを該当個数の薬品列の長さ及び計数値に割り振ることが可能であり(図6(c)参照)、これによって何れのときでも薬品列の長さ及び計数値が的確に得られることとなる。
【0067】
なお、そのような演算や判別の処理は、サブコントローラ55やメインコントローラ56での数値演算等にて検出の度に行うようにしても良いが、予め演算した結果をテーブルや判別表等に保持しておいて検出毎の処理は負担の軽い検索程度で済ますようにしても良い。また、センサ基板53は最小の薬品1に対応したセンサピッチのもので総てを統一しても良いが、数種類のセンサピッチのものに集約して使い分けるようにしても良い。いずれであっても、一個ずつ出し入れしても複数個まとめて出し入れしても、それを素早く行ってもゆっくり行っても、過渡的状態に影響されることなく、静的状態では常に正確に、カセット20内に収納されている薬品1の計数が行われる。
【0068】
【第3実施例】
図7にカセット保持部10の縦断右側面図を示した本発明の薬品収納装置は、暗所での保存が望ましい薬品1に関しても、使い易さを損なうことなく適切な状態で収納しておけるように、改造を施したものである。具体的には、カセット保持部10に箱形筐体を採用したうえで、その前面に大きな開口を形成するととも、その開口を覆う幕12も付加したのである。
【0069】
この場合、使用しない時には幕12を降ろしてカセット保持部10内を暗くしておく(図7(a)参照)。これに対し、手術中等の使用時には、幕12を巻取器13等に収めて、カセット保持部10の前面開口を解放しておく(図7(b)参照)。その状態では、各カセット20の出入口21及び先頭薬品1が現れて視認等可能になっているので、必要に応じて手を伸ばして薬品の出し入れを行う。手術等を終えた後は、再び幕12を降ろす。
こうして、使用時には露出状態が容易かつ迅速に確保される。
【0070】
【第4実施例】
図8にカセット保持部10の右側面図を示した本発明の薬品収納装置は、カセット保持部10に枠組状のものが採用され、前面だけで無く後背面側でもカセットを露出させて支持するようになったものである(図8(a)参照)。
【0071】
この場合(図8(b)参照)、カセット20の後側が大きく解放されているのと、カセット載置棚11が前下がりに傾斜しているのを利用して、カセット20のセット作業や入れ替え作業等を装置の後方から簡単にカセットホルダー14単位で行うことができる。
【0072】
【第5実施例】
図9に全体正面図を示した本発明の薬品収納装置にあっては、カセット保持部10を纏めて前方へ引出可能にするために、例えば引出レール15と取付レール16とからなる引出機構が組み込まれている。これによって、カセット保持部10は、ほぼ水平に前後へ移動可能に支持され、前方に引き出された状態では左右の側面が解放されるようになっている。また、操作部30は、空きを利用してカセット保持部10の上部に組み込まれ、基部9は、各カセット20から薬品1を抜き取る際に立ったままでも楽に行えるよう、腰の位置に近い高さになっており、前面扉を開けて廃棄用容器や他の用具等を収納しうるようにもなっている。さらに、基部9の下面4隅にはキャスターやボルトが下向きで装着されている。
【0073】
この場合、カセット20及びカセットホルダー14を着脱するときは、カセット保持部10を前方に引き出しておき、その左右から棚板11上で滑らせるようにして該当カセットホルダー14の抜き差しを行う。
こうして、装置の後方でなく前方サイドから作業がなされるばかりか、棚板11が傾斜しているにも拘わらずカセット20及びカセットホルダー14は水平移動させるだけで足りるので、カセット20の交換等を一層楽に行うことができる。
【0074】
また、ボルトを基部9側へ引っ込めてキャスターを床面2上に降ろせば(図9(a)参照)、手で押して簡単に装置全体を移動させることができるので、普段は装置を手術室前室に置いておき、手術に必要なときだけ手術室へ移動させるといったことも容易に行える。さらに、幾つかの手術室で一台の又は少数の薬品収納装置を使い回すことも簡単にできる。また、薬品の一括収納等の準備作業は薬局部門で行い、それから手術室前室や手術室へ移して使用し、使用後は薬局部門へ戻す、という使い方も容易に行える。そして、移動させる必要の無いときは、ボルトを床面2側へ突き出させてキャスターを床面2から浮かせるようにすれば(図9(b)参照)、装置が固定されて安定する。
【0075】
【第6実施例】
図10にブロック図を示した本発明の薬品管理システムは、複数台の薬品収納装置で扱う薬品についての管理を一台のホストコンピュータ83で集中して行うようになったものである。
【0076】
このシステムにおいて各薬品収納装置が上述した各実施例のと相違するのは、メインコントローラ56がメインコントローラ81になった点と、ハードディスク57にデータ出力パラメータ82も割り付けられた点である。そして、キーボード31等を操作するまでもなく自動的に管理用データの出力が行われるようになっている。
【0077】
メインコントローラ81には、メインコントローラ56と同様に、ジャーナルプリンタ32に加えて、記憶媒体としてのフロッピーディスク33、及び通信装置34が接続されている。また、データ出力パラメータ82には、それらの出力機器32〜34それぞれについての出力可否フラグや、データ出力の待ち合わせ時間、待ち合わせ打ち切り時間などが割り付けられ、キーボード31の操作や他のコンピュータ等からの指示にて初期化や変更設定が行えるようになっている。そして、メインコントローラ81は、何れかのカセット20に対する薬品1の出し入れのあったことが検知される度に、あるいは収納数の変動分が一括して求められた後に、データ出力パラメータ82を参照しながら、管理用データを出力するタイミングの判定処理および必要なデータ出力を行うようになっている。
【0078】
ホストコンピュータ83は、薬品収納装置とは別個に設けられたデータ処理用のコンピュータシステムであり、いわゆる医事会計用コンピュータやオーダリングシステム用コンピュータ等を兼ねていても良いが、これは、通信ユニット34に接続された適宜の通信回線やネットワークを介して、薬品収納装置のメインコントローラ81から出力された出力データすなわち電文にて送信されて来た管理データを受け取り、それに基づいて各種の情報処理を行うようになっている。具体的には、集計処理プログラムと監視処理プログラムと確認処理プログラムと在庫管理プログラムとがインストールされている。
【0079】
この場合、何れかのカセット20に対する薬品1の出し入れが検出されると、メインコントローラ81は、データ出力パラメータ82の待ち合わせ時間にて指定された時間だけ待って次の検出が無ければ、あるいはそのような検出が連続したため合計の待ち時間がデータ出力パラメータ82の待ち合わせ打ち切り時間の値を超えたならば、その間に出し入れされた薬品1について部分集計したデータを出力する。また、収納数変動分の一括演算が行われたときには、データ出力パラメータ82の設定に応じて、変動のあった薬品1について部分集計したデータを出力したり、あるいは変動の有無に拘わらず総ての薬品1に関するデータを出力する。その出力先は、データ出力パラメータ82の出力可否フラグに従って選出されるが、通信ユニット34が出力可になっていると、出力データを電文にして通信ユニット34経由でホストコンピュータ83へ送信する。こうして、カセット20に対する薬品1の出し入れや通電再開などに応じて薬品1の管理用データが自動的に出力される。その管理用データには、少なくとも薬品1の収納数の増減値か計数値が含められる。
【0080】
そして、薬品1の使用状況に関するデータが各薬品収納装置から次々とホストコンピュータ83へオンラインリアルタイムで集められると、ホストコンピュータ83では、随時、その受信データが取り込まれ、それに基づいて薬品に関する管理が行われる。
すなわち、集計処理プログラムによって、薬品1の使用量が、処方毎,患者毎,薬品の種類毎,手術室等の現場毎などに色々分類しつつ集計される。その際、薬品種や現場毎などの分類については、薬品1の残量も集計される。そして、必要に応じて集計伝票や請求伝票の発行等も行われる。
【0081】
また、監視処理プログラムによって、集計結果に基づき薬品の使用状況等がグラフや表にて見やすく表示される他、使用量が所定の閾値を超えるようなときにはアラームも出されるので、事故や盗難等の早期発見にも役立つ。
さらに、確認処理プログラムによって、集計結果と処方箋データとの比較がなされるので、使用結果が漏れなく確実にチェックされる。薬品1のバーコードラベル77に薬品コードだけでなく有効期限も印字されていればカセットへの収納時の読み取りによって自動的に入力されたデータに基づいて、そうでなければ別に入力されたデータに基づいて、随時、薬品の有効期限がチェックされる。その他、出力要求等に応じて患者の薬歴に関するリストの作成等も行われる。
【0082】
また、在庫管理プログラムによって、薬品在庫に関するデータベースが随時更新され、出力要求等に応じて在庫一覧表や発注伝票なども作成される。
こうして、術場等の現場では必要な薬品1を直接手で取り扱うだけで、データ入力等の余分な作業はほとんど行わなくても、薬品の管理が自動で的確になされる。
【0083】
なお、ホストコンピュータ83が別個に設けられていることは必須でなく、例えば何れかのメインコントローラ81を兼ねていても良く、あるいは薬品収納装置の筐体内に設置された別のコンピュータユニットであっても良い。
また、メインコントローラ81がデータ出力パラメータ82を参照して行うデータ出力の待ち合わせ処理は、ホストコンピュータ83や通信回線の負担を軽減するためなので、それらの処理能力が十分であれば、省略しても良い。
【0084】
【第7実施例】
図11にカセット20やその保持状態を示した本発明の薬品収納装置は、薬品1を横向き・水平にして収納するものである。このカセット20は(図11(a)参照)、上面が完全に解放されて出入口21及び補充口27となっていて薬品1の押し込みや一括補充が容易に行えるうえ、薬品1が横置きでもその抜き取りが容易に行えるよう、前端・前縁部分の一部が底部まで切り欠かれている。この切欠21aは、手先が楽に通過しうるよう指の太さより幅広く形成されるが、薬品1が落下しないよう薬品1の長さよりは狭く形成される。
【0085】
また、前板および後板の内面に縦溝28aが複数・多数形成されていて、それらの溝28aのうち薬品1の長さより少しだけ左右に離れているところに一対の仕切板28を挿着することで、サイズの異なる幾種類かの薬品1に共用しうるようになっている。さらに、被検出子保持部材22は、一方の仕切板28に沿ってその長手方向に車輪やコロで滑らかに移動しうるようになっているだけでなく、ゼンマイ状のバネを収納しており、その巻取力によって薬品1をほぼ一定の力で前方へ付勢するようになっている。
【0086】
このようなカセット20は、水平な棚板11やセンサ基板53上にセットしても良く(図11(b)参照)、前下がりに傾斜させてセットして良い(図11(c)参照)。重力による付勢が有れば勿論、重力の付勢が無くても、バネの付勢力が有るので、何れのセット状態でも、カセット20内に整列収納された薬品1は、被検出子保持部材22に押されて前進し、先頭の薬品1が常に切欠21aのところに来る。そこで、切欠21aに下から指先等を入れて先頭薬品1を摘み上げると、その薬品1を簡単に出入口21から抜き取ることができる。また、その逆の手順で薬品1を簡単に出入口21から押し込むことができる。
【0087】
なお、薬品1の出し入れに際して上段のカセット20が邪魔にならないよう、上段のカセット20程、より後方になるように、カセット保持部10を傾斜させても良い。
また、2本以上の薬品1を同時に抜き取るのを規制したい場合には、カセット20に整列収納されている2番目以降の薬品1の上に適宜なガイド(案内板、規制板)等を付設するのも良い。
【0088】
【第8実施例】
図12にカセット20の別の構造を示した本発明の薬品収納装置も、薬品1を横にして整列収納するものであるが、これは、薬品1を上下に重ねるようになっている。即ち、個々の薬品1は水平であるのに対しそれらの列は鉛直になっている。センサ基板53も縦に設けられる。重力がそのまま付勢力に利用され、最下の薬品1が先頭なので、下端のところに出入口21が形成されている。落下事故防止等のために、出入口21を上向きにすべく、下端部分を湾曲させて向きを変えたうえで、出入口21が形成されている。その湾曲部の上側開始点で先頭の薬品1が当接して一旦留まるように形成されるとともに、湾曲部の下側終止点の出入口21から切欠21aがその上側開始点まで延びている。
【0089】
この場合、切欠21aに指先を入れて先頭の薬品1を軽く押すと(図12(b)参照)、その薬品1が、後方へ押し出され、さらに湾曲部に沿って出入口21へ落下して来る。その際、それを追いかけるように指先を切欠21a内で下げながら曲げると、自然に、薬品1を出入口21から摘み上げることができる(図12(c)参照)。
なお、薬品1を戻すときは、その薬品1を出入口21に一旦載せ置き、それから切欠21aに沿って指先で押し上げれば良い。
【0090】
【第9実施例】
図13にカセット20の斜視図を示した本発明の薬品収納装置も、個々の薬品1を水平にしそれらの列を鉛直にしたものであるが、出入口21や切欠21aがカセット20の上端部分に形成され、そこへ向けて薬品1を被検出子保持部材22で押し上げるようになっている。被検出子保持部材22の押上力には、その下に設けられたコイルバネ22aの弾撥力が用いられる。コイルバネ22aに代えて又はそれと共に封入ガスの膨張力を用いて付勢するようにしても良い。
この場合、抜き取りも押し込みも僅かな力で楽に行える。
【0091】
【その他】
なお、各解決手段や各実施形態の組み合わせは、上述した実施例のものに限られる訳で無く、種々の組み合わせが可能である。
【0092】
また、抜き取った薬品1を戻す際に誤って元のカセットでなく別のカセットに入れるのを的確に防止すべく、現在収納中の個数を示す計数値テーブルだけでなく、処理開始時やリセット時から現在までに抜き取られた薬品1の個数もカセット20毎に記録・記憶しておき、その記録値がゼロのところに薬品1が押し込まれたときや、その記録値がゼロでなくてもその数値を超えて多くの薬品1が押し込まれたときには、アラームを出すようにしても良い。
【0093】
さらに、識別情報はバーコードに限らず文字や記号であっても良く、それに対応して読取装置も、バーコードリーダに限らず、OCR等の文字読取装置や、CCDカメラ等の撮像装置と画像処理装置とを組み合わせたものでも良い。判別結果等を確認可能に報せるための確認手段も、音を出すブザー62に限らず、合成した音声をスピーカから出すようにしても良く、ディスプレイ等に文字や映像で表示するようにしても良い。
【0094】
また、上記の各実施例では、薬品1がアンプル入りの注射薬であったが、薬品1は、これに限られるものでなく、例えば瓶詰めのものや、箱詰のもの、固形物であれば裸のままであっても良い。
そして、収納する薬品類を適宜取捨選択等して適合させるだけで、本発明の薬剤カセットや薬品収納装置は、手術室に限らず、手術室前室や、処置室、造影室、ナースセンター、入院病棟、外来病棟、調剤部門など、病院や薬局内の随所で役に立つ。
【0095】
また、付勢手段も、上述した重力やバネの弾撥力を利用したものに限らず、空気圧等の流体力や、無端ベルトによる摩擦力などを利用したものでも良い。なお、薬品1が倒れる心配の無いものである場合には、そして、自重だけで確実に移動しうるものである場合には、明示的な付勢部材は省略することができる。さらに、カセット保持部10は、固定した矩形の棚に限らず、回転筒状体等でも良い。また、カセット保持部10と操作部30とは、別体に分離して設置されていても良く、一体に纏まっていても良い。
【0096】
また、カセット保持部10に棚板11は必須で無く、例えばカセットホルダー14の左右両端部等を支えるようにすればカセットホルダー14が棚板の機能を兼ねるのでアングル材等の適宜な支持部材が使える。その場合、センサ51やセンサ基板53は、棚枠のうちカセットホルダー14と干渉しないところに設けておいても良いし、センサ51等をカセットホルダー14側に装着するとともにカセットホルダー14をカセット保持部10にセットする際に手動での又は自動でのコネクタ着脱や無線等にて計数処理に必要な信号伝送が確立されるようにしても良い。カセットホルダー14も、必須でなく、例えばカセット20を棚板11へ直に乗載するような場合には不要である。
【0097】
上記第1実施例では、簡明化のためにセンサ51が何れも収納薬品1の真下に来るようにしたが、この条件は必須では無い。収納薬品1の個数が変わっても被検出子52が何れかのセンサ51のほぼ真上に来るようになっていれば良く、最後尾の薬品1と被検出子52との距離が収納薬品1のピッチと異なるような場合には、その差の分だけ、収納薬品1とセンサ51とは、ずれる必要がある。センサ51やセンサ基板53と被検出子52との上下等の配置も、上述したものに限らず、例えば、センサ51等を上の棚板11の下面に付設するとともに、被検出子保持部材22の背を薬品1と同等かそれより高くしてその上端部分に被検出子52を取着するようにしても良い。
【0098】
また、上記各実施例では、カセット20に収納中の薬品1の列の最後尾位置に対応した物理量として被検出子保持部材22内の被検出子52の位置を検出するようにしたが、列の長さが判ればそれを薬品1のピッチで割ることでも正確な収納数が算出できるので、収納薬品の列の長さを検出するようにしても良い。さらに、その長さ検出は、薬品1の列の先頭から最後尾までを直接的に測るものでも良く、被検出子保持部材22の移動距離を測って間接的に算出するものでも良い。
【0099】
また、上記の各実施例では、計数値演算手段と書込手段とがメインコントローラ56のプログラム処理にて一体的に具体化され、不揮発性の記憶手段としてハードディスク57が利用され、薬品類収納数の記憶領域には計数値テーブル58だけが用いられるようになっていたが、これに限らず、例えばフラッシュメモリ等の不揮発性メモリや、バッテリバックアップ付きの記憶装置などを、メインコントローラ56に付設して、そこへ明示的に書き込んだり或いは退避させるようにしても良い。
【0100】
また、上記の各実施例では、逐次報告モードと一括報告モードとを手動操作で切り替えるようにしたが、このような手動でのモード切換は必須ではない。例えば、薬品収納装置への電源投入直後は上述の一括報告モード下で動作しその後は自動で上述の逐次報告モードで動作するようにすれば良い。また、そのような場合、動作モードについて逐次報告モードや一括報告モードといった区別を行う必要も無い。さらに、計数値テーブル58の別領域への退避手段と組み合わせて、通電再開時だけでなく、退避時からその後の指定時までの任意期間に亘る薬品類収納数の変動分を一括して演算したり報告するようにしても良い。
【0101】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明の薬品収納装置にあっては、カセットへの薬品類の出し入れを露出して並んでいる出入口から手で行うとともに各カセット内の薬品類を自動計数するようにし更に所要の期間に亘る薬品類の出し入れを纏めて把握することも可能なようにしたことにより、一動作で薬品類を手中にでき而も列びを乱さずに薬品類を戻せて更に収納状況の把握も的確かつ柔軟な薬品収納装置を実現することができたという有利な効果が有る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の薬品収納装置の第1実施例について、その機械的構造を示し、(a)が薬品収納装置の正面図、(b)がカセット周りの右側面図である。
【図2】 カセットの構造および薬品収納状態を示し、(a)が薬品一括補充時の開状態図、(b)が薬品収納状態の斜視図である。
【図3】 別態様でカセットへ薬品を一括補充する状態の斜視図である。
【図4】 計数手段等のブロック図である。
【図5】 薬品出し入れ時の状態変化図である。
【図6】本発明の薬品収納装置の第2実施例について、(a)〜(c)何れも、カセットの右側面図にセンサ及び被検出子を付記したものである。
【図7】本発明の薬品収納装置の第3実施例について、そのカセット保持部の縦断右側面図である。
【図8】本発明の薬品収納装置の第4実施例について、そのカセット保持部の右側面図である。
【図9】本発明の薬品収納装置の第5実施例についての正面図である。
【図10】本発明の薬品収納装置およびそれを用いた薬品管理システムに関する第6実施例について、出力手段や情報処理手段等のブロック図である。
【図11】本発明の薬品収納装置の第7実施例について、(a)が薬剤カセットの斜視図であり、(b)及び(c)がカセット保持部の縦断左側面図である。
【図12】本発明の薬品収納装置の第8実施例について、(a)が薬剤カセットの正面図であり、(b)がその縦断左側面図である。
【図13】本発明の薬品収納装置の第9実施例について、その薬剤カセットの斜視図である。
【符号の説明】
1 薬品(薬剤、薬品類)
2 床面(設置面)
9 基部(ベース、脚部、基台部)
10 カセット保持部(保持ユニット、格納庫、棚部、支持手段)
11 棚板(カセット載置棚)
12 幕(暗幕、シャッター、扉、前面開閉部材)
13 巻取器
14 カセットホルダー
15 引出レール(可動部材、引出機構)
16 取付レール(固定部材、引出機構)
20 カセット(薬剤カセット)
21 出入口(端部開口)
22 被検出子保持部材(滑動部材、可動体、重り、付勢手段)
23 左半体(向かって左側の部分、内側半体)
24 右半体(向かって右側の部分、外側半体)
25 前面突起(位置決め用の凹凸)
27 補充口(上部開口)
30 操作部(操作・指示・表示・入力・出力等用の別ユニット)
31 キーボード(手動入力手段)
32 プリンタ(印刷形態での出力手段)
33 フロッピーディスク(FD、記憶媒体、記録媒体への出力手段)
34 通信ユニット(オンラインでの又は遠隔地への出力手段)
50 計数手段
51 センサ(列設されたセンサ、薬品列の最後尾の検出手段)
52 被検出子(薬品列の最後尾を示す永久磁石)
53 センサ基板(カセット毎のプリント回路基板、センサ保持部材)
54 サブコントローラ基板(横列カセット群毎のプリント回路基板)
55 サブコントローラ(計数値演算手段)
56 メインコントローラ(計数値演算手段、一括演算手段)
57 ハードディスク(HD、二次記憶装置、データ保持手段)
58 計数値テーブル
59 管理データ
61 バーコードリーダ(読取装置)
62 ブザー(確認手段)
71 突出部(摘み部)
72 車輪(転動輪、移動自在化手段、傾動規制手段)
73 車輪(転動輪、移動自在化手段、傾動規制手段)
74 ストッパー(薬品定数調整部材、範囲規制手段)
75 案内溝(移動経路、傾動規制補助手段、範囲規制補助手段)
76 案内部材(レール、傾動規制補助手段、範囲規制補助手段)
77 バーコードラベル(読取情報記載部材、識別情報情報保持手段)
81 メインコントローラ(上位演算手段、出力手段、管理システム)
82 データ出力パラメータ(出力手段)
83 ホストコンピュータ(情報処理手段、管理システム)

Claims (1)

  1. 薬品類を整列収納する多数のカセットと、これらのカセットを並べて保持する支持手段とを具えた薬品収納装置であって、前記カセットは薬品類の抜き取りに加えて押し込みも可能な出入口が形成されるとともにその出入口に向けて収納薬品類を付勢する付勢手段が付設されたものであり、前記支持手段は前記出入口を露出させた状態で前記カセットを保持するものであり、且つ、前記カセットにおける薬品類の収納数を求める計数手段とその収納数の変動分を一括して演算する一括演算手段とが設けられており、しかも、前記計数手段は、前記カセット毎に列設されていて磁石の遠近に応じてオンオフする磁気センサを前記支持手段に装備したことにより該当カセットに収納中の薬品類の列の長さ又はその列の最後尾位置に対応した物理量を検出する検出手段と、その検出結果に応じて該当計数値を生成する又は算出する演算手段とを備えたものであることを特徴とする薬品収納装置。
JP2000195371A 2000-06-29 2000-06-29 薬品収納装置 Expired - Fee Related JP4462726B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000195371A JP4462726B2 (ja) 2000-06-29 2000-06-29 薬品収納装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000195371A JP4462726B2 (ja) 2000-06-29 2000-06-29 薬品収納装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2002011072A JP2002011072A (ja) 2002-01-15
JP4462726B2 true JP4462726B2 (ja) 2010-05-12

Family

ID=18694043

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000195371A Expired - Fee Related JP4462726B2 (ja) 2000-06-29 2000-06-29 薬品収納装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4462726B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011136214A (ja) * 2009-10-21 2011-07-14 Yuyama Manufacturing Co Ltd 薬剤払出装置
KR101410026B1 (ko) 2013-11-01 2014-06-20 주식회사 금강산업 농약 보관함

Families Citing this family (15)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
TWI295573B (en) 2002-10-18 2008-04-11 Yuyama Mfg Co Ltd Feeding device of drug
JP4421920B2 (ja) 2003-09-26 2010-02-24 株式会社湯山製作所 薬品払出装置
JP4417183B2 (ja) 2004-06-22 2010-02-17 株式会社トーショー 薬品管理装置および薬品管理システム
WO2006027951A1 (ja) 2004-09-03 2006-03-16 Tosho Inc. 医材収納管理装置および医療品管理システム
JP4371315B2 (ja) * 2004-12-01 2009-11-25 株式会社トーショー オペ支援記録システム
WO2006112075A1 (ja) 2005-04-08 2006-10-26 Tosho Inc. 薬品類カセット、薬品類払出装置、および薬品類払出システム
JP4903841B2 (ja) * 2009-07-09 2012-03-28 株式会社トーショー 薬品管理装置
JP5847133B2 (ja) * 2013-07-10 2016-01-20 東芝テック株式会社 薬剤管理装置及びそのプログラム
JP2015018442A (ja) * 2013-07-11 2015-01-29 東芝テック株式会社 薬剤登録装置およびプログラム
CN105775545A (zh) * 2016-05-17 2016-07-20 苏州沃伦韦尔高新技术股份有限公司 一种快速准确的出药装置
CN108128584B (zh) * 2017-12-01 2019-12-10 上海神添实业有限公司 一种智能化与自动化药房
KR102384991B1 (ko) * 2019-12-31 2022-04-11 마산대학교산학협력단 구강 조음 기능 훈련도구
CN113057451B (zh) * 2021-03-08 2022-06-10 焦作大学 一种企业档案储存用的智能化档案柜
CN113332145B (zh) * 2021-04-13 2022-11-29 常熟市新科威复合材料有限公司 一种多功能肿瘤科用碎药装置
KR102274468B1 (ko) * 2021-04-28 2021-07-08 (주)다솔닷아이엔씨 백신정렬 기능을 갖는 백신 저온 보관장치

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011136214A (ja) * 2009-10-21 2011-07-14 Yuyama Manufacturing Co Ltd 薬剤払出装置
JP4821938B2 (ja) * 2009-10-21 2011-11-24 株式会社湯山製作所 薬剤払出装置
KR101410026B1 (ko) 2013-11-01 2014-06-20 주식회사 금강산업 농약 보관함

Also Published As

Publication number Publication date
JP2002011072A (ja) 2002-01-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4462689B2 (ja) 薬品収納装置
JP4462726B2 (ja) 薬品収納装置
JP4582846B2 (ja) 薬品収納装置
US8700420B2 (en) Method of dispensing and tracking the giving of medical items to patients
US7734372B2 (en) Wall mounted medications cabinet and system
US10346590B2 (en) Prescription storage and retrieval system
US6112502A (en) Restocking method for medical item dispensing system
US7467093B1 (en) Method of tracking and despensing medical items to patients through self service delivery system
US7178688B2 (en) Portable medication dispenser
JP2001506571A (ja) 交換用ライナおよび分与方法
WO1990014065A1 (en) Drug supply apparatus
JP2011125750A (ja) 薬剤払出装置
US6876902B2 (en) Automated supply cart and system
US20130123974A1 (en) Combined pharmaceutical packager and prepackaged pharmaceutical system
JP4601115B2 (ja) 薬剤カセット
JP2002011073A (ja) 薬剤カセット
CN213664319U (zh) 一种消毒、储存一体式医用智能储存柜
JP4601116B2 (ja) 薬品収納装置
JP2002153540A (ja) 薬品収納装置
JP4462690B2 (ja) 薬品収納装置
JP2002154617A (ja) 薬品収納装置
JP5614778B2 (ja) 麻薬保管装置
JP2002011075A (ja) 薬品収納装置
JP2011078599A (ja) 自動薬剤供給装置および薬剤供給方法
JP2003292122A (ja) 薬品保管管理システム

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060720

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090714

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090824

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100216

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100216

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130226

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4462726

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130226

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20160226

Year of fee payment: 6

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees