JP4462672B2 - 耐熱性無端管状体とその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、特に高温下での引張又は圧縮の繰返し動作に対しても伸度、強度、弾性に変化のない高度に優れた耐熱性無端管状体とその製造方法に関するものである。該管状体は例えば自動車エンジンの伝動ベルト用として極めて有効である。
【0002】
【従来の技術】
耐熱性ベルトとして知られているものに、例えば特開昭60−36211号公報(A号公報)と特開平11−44346号公報(B号公報)が挙げられる。該A号公報は、カ−ボン繊維、ポリイミド繊維またはガラス繊維を使って織組織で縦横に織り込んで得た筒状織物の表面に、フッ素樹脂を被覆したシ−ムレスベルトに関するものである。
一方B号公報は、アラミド繊維、ガラス繊維又はカ−ボン繊維を挿入糸としてポリエステル繊維、ポリアミド繊維、液晶ポリマ−又はポリイミド繊維で編成して得たインレイ編布に、芳香族ポリアミド樹脂、芳香族ポリイミド樹脂、芳香族ポリアミドイミド樹脂、芳香族ポリエステルアミド樹脂、ポリエ−テルエ−テルケトン樹脂、ポリエ−テルサルフアイド樹脂、ポリフエニレンサルフアイド樹脂、ポリエチレンテレフタレ−ト樹脂、フッ素樹脂、シリコン樹脂、ポリカ−ボネ−ト樹脂、フエノ−ル樹脂又はエポキシ樹脂を被覆して得た無端の伝動ベルトを開示している。そしてこれら各号報の採る被覆方法は、前記編物又は織物の全体をコ−テング液中に浸漬(どぶ漬け)し、乾燥することも開示している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし前記各号公報に開示するベルトは、どの様な組合せ(編・織物の組織とその素材、被覆材料等)を採ってみても本発明者等が望むベルトは得られない。その要求するものは、主として少なくとも180°C(空気中)の雰囲気下で、特に長期間高速でベルト回転(例えば自動車の通常走行では3000rpm以下)を行った場合に、その回転方式がベルトに張力をかけてプ−リを回転する引張回転てあっても、またベルトに押力負荷して回転する加圧回転であっても変形(伸び)とか、摩耗のないこと(高負荷下での耐熱変形性)。いかなる編組織でもエンドレス管状加工がし易く、そしてそれに被覆する樹脂がその編物素材と良く親和し十分な密着力をもって被覆加工できること(加工性)の2つである。
【0004】
本発明は前記2項目の要求を達成し、より高度な性能・品質の付与された新たなベルトを見出すことを目的として成されたものである。その発明は次のようなものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
つまり本発明は、まず請求項1に記載するポリベンゾビスオキサゾ−ル繊維の1部ないし全部を使って無端管状に編成されてなる耐熱性編物の少なくとも片面にイミド系耐熱樹脂が被覆されている耐熱性無端管状体の製造方法であって、前記耐熱性編物を金属ドラムに管状内接して遠心注型法によってイミド系耐熱樹脂液を被覆することを特徴とする耐熱性無端管状体の製造方法を特定するものである。
【0006】
そして請求項1に従属して請求項2では、前記耐熱性編物が、前記ポリベンゾビスオキサゾ−ル繊維の1部を挿入糸として液晶ポリマ繊維で編成した挿入編物である耐熱性無端管状体であること。また請求項3では該液晶ポリマ繊維が、全芳香族ポリアミド又は全芳香族ポリエステルのいずれかである耐熱性無端管状体であることも提供する。
【0007】
更に請求項1に従属して請求項4では、前記イミド系耐熱樹脂が、芳香族ポリアミドイミド又は熱可塑性芳香族イミドのいずれかであること。また請求項5では前記イミド系耐熱樹脂が、フッ素系樹脂を含有してなる耐熱性無端管状体あることも提供している。
【0008】
又請求項6では前記請求項1〜3のいずれかに従属して、前記耐熱性編物が、液晶ポリマ繊維で1〜復数コ−ス編成され、ポリベンゾビスオキサゾ−ル繊維を回転方向に1コ−ス挿入するのを1レピ−トとし編成されてなる耐熱性無端管状体が好ましいことを提供する。
【0009】
以下本発明を次の実施形態で詳細に説明する。
【0010】
【発明の実施の形態】
まず耐熱性無端管状体の支持基体となる無端管状の耐熱性編物について説明する。ここで、まず該基体が特に編組織による編形状であるのは、被覆するイミド系耐熱樹脂が該形状に良く絡合し隅々まで迅速に、且つ密に浸透すること(これは後述する遠心注型による被覆法との組合せでより効果的である)。また円滑なベルト回転(切断とか、蛇行等のない)を永続するのに極めて重要な条件の1つ、つまり全くの無端状基体(織組織の場合に見られる後から両端を繋ぎ合わせた形式的無端とは異なる)が編みながら一挙に製編できるからである。
【0011】
そして前記編物の繊維素材としては、特にポリベンゾビスオキサゾ−ル(以下PBBOと呼ぶ)又は該PBBOと他の耐熱性樹脂が選ばれる。このPBBOを選択することで、前記ベルト回転における高負荷下での耐熱変形性が、他のいかなる耐熱性樹脂よりも極めて大きく改善されることと、被覆するイミド系耐熱樹脂との親和も良く、極めて高い密着でもって容易に被覆できて、目的の耐熱性無端管状体を得ることできる。
このPBBOは、一般に4、4′−ジヒドロキシ−m−ベンジジンと芳香族ジカルボン酸又はその誘導体(−カルボン酸エステル、−塩化カルボニル等)との当モル量を溶媒(例えばポリリン酸)中で重縮合反応(分子内と分子間反応)して合成されるものである。ここで一方の芳香族ジカルボニルクロライドは、芳香族基に2つのカルボニルクロライドが結合された化合物で、該ベンジジンの−OH基と−NH2基との間で重縮合反応する。具体的には例えばイソフタロイルクロライド、4、4′−塩化カルボニル−ジフェニルメタン、4、4′−塩化カルボニル−ジフェニルエ−テル等が挙げられる。分子量は十分な曳糸性をもって液晶紡糸できて、得られた繊維が180°C以上の高耐熱性と高弾性(例えば20T/mm2)−高強度(例えば500kg/mm2)を発現するに足る分子量と言うことになるが、これは一般に3〜7万程度である。
【0012】
そしてPBBOと共に製編に使用する場合の前記耐熱性樹脂による繊維としては、主としてまず少なくとも180°C以上の耐熱性を有し、前記高負荷下での耐熱変形性が該PBBO繊維と相乗して有効に発現し、且つPBBO繊維と良く絡み混編成が容易にできて、更に被覆するポリイミド系耐熱樹脂との密着性も良いことが条件になる。この条件に合う樹脂は、一般に結晶性ポリマとか、又は通称特殊エンジニアリングポリマと呼ばれるものの中に多い。具体的に結晶性ポリマでは芳香族ポリエステル(例えばテレフタル酸と4、4′−ヒドロキシジフェニルとp−ヒドロキシ安息香酸(PHB)との重縮合によるコポリマ、5−ヒドロキシナフトイック酸の分子内重縮合による単独ポリマ、エチレンテレフタレ−トとPHBとの縮重合によるポリマ等)、芳香族ポリアミド(例えば芳香族ジアミンと芳香族ジカルボン酸クロリドとの重縮合によるポリマ)、ポリフェニレンビスベンゾチアゾ−ル,芳香族ポリエステルアミド(例えばp−アセトアミドフェニルアセテ−トとビス(p−カルボキシフエノキシ)アルカンとの重縮合によるポリマ)又はポリアゾメチン(例えば芳香族ジアミンと芳香族アミドとの重縮合によるポリマ)が例示できる。
【0013】
一方特殊エンジニアリングポリマとしては、芳香族ポリアミドイミド、(熱可塑、熱硬化)芳香族ポリイミド、芳香族ポリエ−テルスルホン、ポリエ−テルエ−テルケトン等が挙げられる。これらの中でも前記条件に好ましく作用するものは結晶性ポリマで、更にこの中でも芳香族ポリアミド又は芳香族ポリエステルである。該ポリマ繊維は高温下でも変わらぬ卓越した高強度・高弾性を維持するが、これが前記高負荷下での耐熱変形性発現に有効に作用するものと考えられる。
【0014】
次に前記各ポリマからの繊維による無端管状の耐熱性編物の製編手段について説明する。
まず該繊維の断面形状は、特に制限はなく、多くの場合は円形である。繊維径は、一般に50〜5000d/1〜2000fのモノ又はマルチフィラメント、好ましくは100から700dのマルチフィラメントとし、これを挿入編込みの1糸条単位とする。該モノよりもマルチのフィラメントの方が好ましい理由は、被覆するイミド系耐熱性樹脂とがより密着しやすく(密着面積が大きくなるためと考えられる)、且つ最終的に得られる耐熱性無端管状体に、適正な柔軟性を付与するのに有効であることによる。
【0015】
そして製編による組織は、一般に知られている丸編み編組織の中で適宜選べば良いが、中でも次のような組織の選択が好ましい。つまり繊維径の太い糸条を縦又は/及び横、好ましくは横(つまり耐熱性無端管状体をベルトとして使用した場合にそのベルトの回転方向)に挿入して編む挿入編組織による丸編みである。この丸編みも片面と両面の変化組織のいずれかによるが、イミド系耐熱樹脂の被覆がし易く、得られる該管状体の機械的強度もより良い等の点から片面変化組織による丸編み(フライス丸編み)がより好ましい。
【0016】
前記挿入丸編みに関し、具体的には例えばPBBO繊維のみ(全部)で該挿入丸編みする場合には、20〜150d程度の細いマルチフィラメント(補強用)を、1〜複数コ−ス編成し、300〜1000d程度の太いマルチフィラメント(強化用)横挿入糸に使って、これの1コ−ス挿入編成を1レピ−トとして、該横挿入糸の密度を5〜30本/cm程度として丸編機にて丸編みを行う。
一方該PBBO繊維を1部として耐熱性樹脂繊維で挿入混丸編みする場合には、PBBO繊維を横挿入糸とし、耐熱性樹脂繊維を補強用に使って同じ仕様の範囲内で適宜選んで丸編みを行うのが好ましい。
【0017】
前記の好ましい組織として説明する挿入片面丸編みを、更に図1を参照して説明する。
まず補強用のマルチフィラメント1は、(A)の第1給糸口(不図示)における上針3と下針4側に給糸して1〜複数コ−ス編成される。そして該編成コ−スに、(B)の第2給糸口(不図示)から横挿入糸(強化用)2を1コ−ス挿入編成してこれを1レピ−トとし、該横挿入糸の挿入密度が5〜30本/cm程度になるように編成する。
【0018】
一方PBBO繊維を1部として、他を前記耐熱性樹脂による繊維で編む混編成の場合は、その編組織としては前記挿入丸編みがより一層好ましい。これは最終的に得られる耐熱性無端管状体に適正な屈曲性が付与され、且つ被覆するイミド系耐熱樹脂との密着力がより向上するからである。具体的には前記横挿入糸2(強化用)に太さ300〜700dのPBBOマルチフラメントを使い、補強用マルチフラメント1に太さ20〜150dの耐熱性樹脂マルチフィラメントを使って同様条件で挿入丸編(フライス−片面)みを行うのがよい。
【0019】
次に前記得られた耐熱性編物の少なくとも片面に被覆されるイミド系耐熱樹脂について説明する。
まずこのイミド系耐熱樹脂は、少なくとも芳香環に結合されたイミド基が繰返し単位となっている耐熱性(少なくとも180°C)のポリマである。従ってこの単位に更に芳香環に結合されたアミド基も繰返し単位となっている、いわゆる芳香族ポリアミドイミドも含まれる。又この芳香環は1〜2個のフエニル基のみの場合もあれば、2個のフエニル基がエ−テル結合、アルキレン結合、カルボニル結合等で結合されている芳香環でもある。
【0020】
前記イミド系耐熱樹脂は、熱硬化性又は熱可塑性の芳香族ポリイミド、芳香族ポリアミドイミドに分類されるが、具体的には次の通りである。
まず熱硬化性又は熱可塑性の芳香族ポリイミドは、基本的には芳香族ジアミンと芳香族ジカルボン酸二無水物との当量をN−メチルピロリドン、ジメチルアセトアミド等の有機極性溶媒中で縮重合反応して得られるが、この時該ポリイミドが熱硬化性である場合には、常温以下の低温で反応させる。これはその前駆体のポリアミド酸の段階で反応を止める必要があるからである。従ってこれをもって被覆する場合には、該ポリアミド酸溶液をコ−テングしてから、脱溶媒とイミド化して熱硬化性芳香族ポリイミドを被覆するという2段階工程をとることになる。熱可塑性では、該重縮合反応がイミド化まで進行しても該溶媒に溶解するのでコ−テング後は、脱溶媒のみで良い。この熱可塑性は、主鎖中に例えば2つのエ−テル結合、C3以上のアルキレン基結合、カルボニル結合等を有している場合に発現する。
【0021】
前記各ポリイミドの出発原料は、例えば次のモノマである。熱硬化性では、芳香族ジアミンとしてはp−フエニレンジアミン、4、4′−ジアミノジフェニル、4、4′−ジアミノジフェニルメタン、4、4′−ジアミノフェニルエ−テル等。一方の芳香族ジカルボン酸二無水物としては、ピロメリット酸二無水物、2、2′、3、3′−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3、3′、4、4′−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、ビス(2、3−ジカルボキシフェニル)メタン酸二無水物等。
一方熱可塑性では、芳香族ジアミンとしてはビス[4−{3−(アミノフェノキシ)ベンゾイル}フェニル]エ−テル、4、4′−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、2、2′−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)プロパン等。一方の芳香族ジカルボン酸二無水物は、前記する各酸二無水物が組み合わされる。
【0022】
又芳香族ポリアミドイミドは、一般に1つのイミド基とアミド基とを有することでそれ自身熱可塑的である。従って原料を前記有機極性溶媒中で重縮合反応させて一挙にイミド化まで進めても該溶媒には溶解しているので、これを被覆液として被覆し、脱溶媒すればよい。但し更に前記の熱可塑性芳香族ポリイミドの場合に見られる2つのエ−テル結合、C3以上のアルキレン結合、カルボニル結合等も有していると、より熱可塑的になる。
【0023】
前記ポリアミドイミドの原料は、芳香族トリカルボン酸一無水物と芳香族ジアミンとであり、前者としては例えばトリメリット酸一無水物に代表され、後者は前記の各芳香族ジアミンのいずれかである。重縮合反応は当量で常温以上で行う。
【0024】
以上に記すイミド系耐熱樹脂の中でも熱可塑性芳香族ポリイミド又は芳香族ポリアミドイミドのいずれかが好ましく、更には芳香族ポリアミドイミドが好ましい。これはまず被覆して最終的に得られた耐熱性無端管状体に、より適正な屈曲性(特に曲率半径の小さいプ−リに張架して回転する場合の柔軟なフイット性)が付与されることと、被覆する前記耐熱性編物との密着もより緻密(気泡も内包することなく)に、且つより強固であること及びコ−テング後の処理も主として脱溶媒のみであり、これは短時間で低い温度で終了すると言った理由による。
【0025】
次に前記耐熱性編物にイミド系耐熱樹脂を被覆する手段について説明する。
該手段には、例えば該編物の全体を、前記熱可塑性芳香族ポリイミド溶液、芳香族ポリアミドイミド溶液又は熱硬化性芳香族ポリイミドのポリアミド酸溶液中に浸漬するか、該編物の表裏面をハケ又はスプレ−にて塗布するか、更にはロ−ルにて塗布し、熱乾燥(脱溶媒又は脱溶媒と共にイミド化も行う意味)する方法がある。しかしこれらの方法はいずれもより高い被覆精度を得るのに容易でないとか、該溶液の粘度をより低くして被覆しないと該編物の目の隅々まで浸透し難い(これは一度に厚く被覆できないことになり、所定の被覆厚さを得るのに容易でないことにもなる)と言った点で望ましいものではない。
【0026】
そこで前記の被覆手段の欠点を解決する好ましい方法として、本願に記載する遠心注型法が挙げられる。この方法の特長は、より高い濃度のイミド系耐熱樹脂溶液を使って1度に極めて緻密に被覆された、厚み精度の高い耐熱性無端管状体が確実に、且つ比較的容易に製造できることである。その方法についてより詳細に説明する。
【0027】
まず前記PBBO繊維又はこれと他の耐熱性樹脂繊維とにより製編された無端管状の耐熱性編物を、円筒状に開いて遠心注型機の注型ドラム内面に装着する。この装着は、該内面にしっかりと接して均一に行なわれることが重要である。そのための方法は種々あるが、その1つとしてまず別途円筒金型を準備し、これに該編物を嵌挿する。そしてこれを回転しながら所定の前記イミド系耐熱樹脂溶液を軽く(該織物の目を塞ぐことなく、円筒状を維持するのに足る最小限量)スプレ−し、乾燥する。これにより該織物は事前に容易に円筒状に開くことができるので、注型ドラム内面への装着が正確且つ容易になる。この予め円筒状に成型された該編物は該注型ドラム内面に装着したら、ゆっくりと回転しながら所定量の該イミド系耐熱樹脂溶液を注入し、より高速に回転する。ここでの回転によって、全体に均一に流延し展開することと、該編織の目の中に流入し表面(該ドラム内面に接している該編物面)にまでしっかりと流延し、そこで所定の厚さのイミド系耐熱樹脂膜が形成される。従ってそのように遠心作用をする速度で該ドラムを回転する必要がある。このような回転による作用が終わったら、又は作用中にその回転速度を維持しつつ、該ドラム全体を加熱する。この加熱温度は、少なくとも有機極性溶媒が蒸発するに必要な温度である。
【0028】
前記のような状態で加熱を続けて、全ての該溶媒を蒸発除去し一挙に所望する耐熱性無端管状体を製造しても良いが、次のような2工程で行うのが望ましい。つまり例えば該溶媒含有量の60〜90%を該ドラムの加熱回転により蒸発除去し、その時点で一旦該ドラムから取り出し、これを別途準備された円筒金型に嵌着し、これの全体を熱風乾燥機に投入する。残存する該溶媒を完全に蒸発除去する。同時にここでは、アニ−リング(そのままより高い温度で所定時間加熱を続ける)して歪み等も除去し、より安定した強度、弾性等を有する耐熱性無端管状体に変える処理をするのも好ましいことである。このような2工程を採ることで、該溶媒の完全除去も容易になり、被覆されるイミド系耐熱樹脂膜内に気泡の抱き込みもなく、且つ極めて寸法精度の高い、面平滑性も卓越したものとして製造することができる。
【0029】
前記耐熱性無端管状体の製造に際し、被覆原料となるイミド系耐熱樹脂溶液に、必要あらば各種添加剤を添加してもかまわない。例えば耐摩耗性のより向上はより望ましいことである。このためには、該管状体の面を易滑性にすることも一つの方法である。その具体的方法は、例えば二流化モリブデン、グラフアイト、フッ素樹脂等の粉状滑剤の微量混合である。これらの混合も前記遠心注型法によるのがより好ましい。これは混合された該滑剤が、遠心力により表面層に多く傾斜して分散する傾向になるので、より少量の添加量でよい。より少量の添加は、該管状体自身の有する特性に実質的変化をもたらさずに、単に耐摩耗性が付加されたことになるので好ましいことである。
これら滑剤の中でもフッ素樹脂粉体が好ましい。これは更に少量の添加でよく、且つ表面層で膜状で連続した分散状態をとっているので、耐摩耗性、易滑性、更には撥水性が他よりもよりよいからである。フッ素樹脂は、耐熱性が少なくとも180°Cあって、熱可塑的挙動を示すものの中から選ぶのがよい。
【0030】
尚前記遠心注型法に用いられる機械の構造は、種々あるが本発明で使用したものは概略次の通りである。内面鏡面仕上げした金属ドラム(内面両サイド全周には、液漏れ防止のためのバリア−が設けられている)が4個の回転ロ−ラ上に着脱自在状態で載置されている。該ドラムの上部には、加熱用の遠赤外線ヒ−タが近設され、そして加熱により蒸発する有機極性溶媒を速やかに排出するために、該ドラム内に吸気ノズルが設けられる。又前記原料供給を自動的に行うために、該ドラム内を左右動する原料供給ノズルが設けられるて全体を構成する。
【0031】
又本発明の耐熱性無端管状体(単層)は、前記の通り極めて優れたものであり、ベルト等に加工して直ちに使用できるが、これの2〜3つを重層して使用することもでき、高付加下でのより一層の耐熱変形性が飛躍的に向上する。この重層は前記成型で順次積層して一体と成すことでも良く、1つづつ別に成型して使用時に嵌着して重層しても良い。
【0032】
【実施例】
次に比較例と共に、実施例によって更に詳述する。
尚各例で測定する耐熱変形性は、得られた耐熱性無端管状体を幅10mmにカットしテスト用ベルトとして、これを直径60mmの2個のプ−リに75kgの張力で張架し、90°C雰囲気下で3000rpmの速度で所定時間(表1に記載)回転した時点でのベルトの張力低下と表面に発生したクラックをもって表した。
【0033】
(実施例1)
まず次の仕様でPBBO繊維のみからなる無端管状の耐熱性編物を製編した。
PBBO繊維として、1、3−ジアミノ4、6ジヒドロキシベンゼンとテレフタル酸との重縮合により得られたポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾ−ル(分子量47000)を紡糸、延伸熱処理て得た30dマルチフィラメント(3d×10本)を補強化用として編成に使い、一方同繊維の500dのマルチフィラメント(3d×155本)を横挿入糸(強化用)に使って、該横挿入糸編成の1コ−スに対して該横挿入糸を1コ−ス挿入で1レピ−トとして、挿入密度15本/cmでもって図1の編組立でフライス丸編みを行ない幅300mm
、内径186mmの該編物を得た。
【0034】
次に前記得られた編物を外径187mmの金属シリンダ−に嵌入して、これを回転しながらポリアミドイミド(PAIと呼ぶ)溶液をスプレ−し、乾燥して予備的に被覆した。その条件は次の通りであった。まずトリメリット酸一無水物と4、4′−ジアミノジフェニルメタンとの当量を、N−メチルピロリドン(NMP溶媒)中で重縮合反応して固形濃度28重量%のPAI溶液200gを得た(PAI原液)。そしてこの10gをとって、これにNMP溶媒を15g添加して希釈し、この15gをとってスプレ−し、120°Cで乾燥し、冷却して該シリンダ−から取り外した。得られた編物は、編目を塞ぐことなく一応の管状を維持していた。これをPc編物と呼ぶ。
【0035】
次に前記Pc編物を内径187mm、幅350mmの注型ドラム内に嵌着し回転ロ−ラ上に載置した。そして次の条件で遠心注型した。
前記PAI原液の140gをとって、これに100gのNMP溶媒を添加し希釈した。この溶液の235gをとって、該注型ドラム内に嵌着したPc編物の内面にゆっくりと回転しつつ自動注入した。注入が終わったら該ドラムを130°Cに昇温しつつ、回転速度を徐々に上げた。130°Cに達したら350rpmに定速回転し、この状態で2.5時間維持した。この加熱回転の間は、該ドラム内は吸引して蒸発したNMP溶媒は速やかに排気するようにした。2.5時間経過したら、加熱を停止し常温に冷却し停止して該ドラムから成型体を取り出した
。
【0036】
そして前記取り出した成型体を外径186.5mmの円筒金属金型に嵌着し、これを240°Cの熱風乾燥機に投入し、30分間加熱した。冷却して該金型からはずして、目的の耐熱性無端管状体を得た。該管状体の内径は186.5mmで、厚さは345±10μmであり、表面(注型ドラム内面と接する面)は完全にPAIで被覆され、全くの平滑面(中心線平均粗さRa=0.05μmであった)になっているが、裏面はPAIで被覆はされているが、(完全に被覆されずに)編目組織に基づく粗面を呈していた。
【0037】
そして前記耐熱性無端管状体をベルト用にカットし、耐熱変形性を測定し表1にまとめた。
尚該管状体を200°Cの空気中に25kg/cm2の加重を掛けて24時間放置した場合の伸縮を測定した。その結果は伸縮のいずれも全くなかった。
【0038】
(表1)
【0039】
(実施例2)
まず実施例1において、同じPBBO繊維素材でこれの500マルチフィラメント(3d×166本)糸を横挿入糸(強化用)として使用し、5d(5d×5本)マルチフィラメントの全芳香族ポリエステル繊維を補強用として、実施例1と同様条件でフライス丸編みを行なって幅300mm、内径186mmの無端管状の耐熱性編物を得た。
尚該全芳香族ポリエステル繊維は、p−ヒドロキシ安息香酸と7−ヒドロキシ3−ナフトイック酸との重縮合よるポリマ繊維(クラレ株式会社製・ベクトラン
タイプT−155)を使用した。
【0040】
そして前記編物に実施例1と同一条件で、遠心成型にてPAI樹脂を被覆し、最後に熱風処理して目的の耐熱性無端管状体を得た。該管状体の内径は187mmで、厚さは340±10μmであった。表面は完全に被覆され、表裏状態は実施例1と差はなかったが、全体の硬さは若干柔軟に感じられた。これについてもカットしてベルトに加工し、同様条件で耐熱変形性を測定し表1にまとめた。
尚該管状体を200°Cの空気中に25kg/cm2の加重を掛けて24時間放置した場合の伸縮を測定した。その結果は実施例1同様に伸縮のいずれも全くなかった。
【0041】
(実施例3)
実施例2において、遠心注型で注入するPAI溶液235gに4フッ化ポリエチレン粉体(粒径1μm)を3.5重量%(対固形分)混合すること以外は同一条件で製編し、被覆して該粉体分散の耐熱性無端管状体を得た。該管状体の表裏面の状態は実施例2と変わらないが、表面が裏面よりも滑り易かった。又接触角は実施例2の69°(表面)であるのに対して、本例では表面が101°、裏面が75°であった。撥水しやすくゴミ等も付着しにくい特性も付与されてことが判る。このものの耐熱変形性も測定し表1にまとめた。
尚接触角の表裏の差は、4フッ化ポリエチレンが、表面層に多く傾斜的に分散したためで、遠心注型による被覆の特長もよく判る。
【0042】
(実施例4)
まず実施例2において、同じPBBO繊維素材でこれの500マルチフィラメント(3d×166本)糸を横挿入糸(強化用)とし、全芳香族ポリアミド繊維(ヂュポン社製・ケブラ−)の30dマルチフィラメント(1.5×20本)補強用として、同様条件でフライス丸編みを行ない幅300mm、内径186mmの無端管状の耐熱性編物を得た。
【0043】
そして前記編物に実施例2と同一条件で、遠心成型にてPAI樹脂を被覆し、最後に熱風処理して目的の耐熱性無端管状体を得た。該管状体の内径は187mmで、厚さは350±10μmであった。表面は完全に被覆され、表裏状態は実施例2と差はなかったが、全体の硬さは若干柔軟に感じられた。これについてもカットしてベルトに加工し、同様条件で耐熱変形性を測定し表1にまとめた。
尚該管状体を200°Cの空気中に25kg/cm2の加重を掛けて、24時間放置した場合の伸縮を測定した。その結果は実施例1同様に伸縮のいずれも全くなかった。
【0044】
(比較例1)
実施例2においてPBBO繊維の代わりに、1、4−ジアミノフエニルとテレフタル酸クロライドとの重縮合反応による全芳香族ポリアミドを液晶紡糸して得られた600dのマルチフィラメント(1.5d×400本)を用い、そして全芳香族ポリエステル繊維の代わりに、30dのテトロンマルチフィラメント(1.5d×20本)を使用する以外は、同様条件にて製編し、PAI樹脂を被覆し管状体を得た。但し遠心注型での成型時間は7時間、最後に行う円筒金属金型に嵌着しての加熱は、150°Cで120分間行った。
【0045】
前記得られた管状体の被覆状態は、実施例2と差はなかったが、全体はより柔軟的であった。内径、厚さも同じであったが、しかし幅が約3mm収縮していた。このものについても同様にベルト状にカットし、耐熱変形性を測定し表1にまとめた。
【0046】
【発明の効果】
本発明は前記の通り構成されるので、次のような効果を奏する。
【0047】
例えばベルトとして、これを少なくとも180°C、空気中で強張力下又は高加圧下で長時間回転使用しても、これまで類例のない格段に優れた高耐久性ベルトが得られるようになった。
【0048】
ベルトとして1重は勿論、これを2〜3重に積層すれば、例えば今後環境、少燃費の点で有望視されている自動車のCVT化における伝動ベルトへの使用が、現在の金属ベルトに代わって有望になってきた。
【0049】
伝動用ベルトに限らず、過酷な種々の条件下での物品搬送用としの使用にも耐えることができ、新たな需要を生み出すのに極めて有望になってきた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる無端管状の耐熱性編物の挿入フライス丸編みの組立方の1例を示す。
【符号の説明】
1 補強用マルチフィラメント
2 横挿入糸(強化用)
3 上針
4 下針
Claims (6)
- ポリベンゾビスオキサゾ−ル繊維の1部ないし全部を使って無端管状に編成されてなる耐熱性編物の少なくとも片面にイミド系耐熱樹脂が被覆されている耐熱性無端管状体の製造方法であって、前記耐熱性編物を金属ドラムに管状内接して遠心注型法によってイミド系耐熱樹脂液を被覆することを特徴とする耐熱性無端管状体の製造方法。
- 前記耐熱性編物が、前記ポリベンゾビスオキサゾ−ル繊維の1部を挿入糸として液晶ポリマ繊維で編成した挿入編物である請求項1に記載の耐熱性無端管状体の製造方法。
- 前記液晶ポリマ繊維が、全芳香族ポリアミド又は全芳香族ポリエステルのいずれかである請求項2に記載の耐熱性無端管状体の製造方法。
- 前記イミド系耐熱樹脂が、芳香族ポリアミドイミド又は熱可塑性芳香族イミドのいずれかである請求項1に記載の耐熱性無端管状体の製造方法。
- 前記イミド系耐熱樹脂がフッ素系樹脂を含有してなる請求項1又は4に記載の耐熱性無端管状体の製造方法。
- 前記耐熱性編物が、液晶ポリマ繊維で1〜復数コ−ス編成され、ポリベンゾビスオキサゾ−ル繊維を回転方向に1コ−ス挿入するのを1レピ−トとし編成されてなる請求項1〜3のいずれか1項に記載の耐熱性無端管状体の製造方法。
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