JP2017038685A - ミシンの回転釜装置の内釜に脱着可能な軌条、この軌条を装着した内釜、及びその内釜を備えたミシンの回転釜装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、潤滑油を使用せずに、しかも長期間、高速回転にも耐えるミシンの回転釜を提供することを課題とする。【解決手段】本発明は、非熱可塑性ポリイミドから構成され、ミシンの回転釜装置の内釜に脱着可能に装着されるリング形状の軌条、および、この軌条を外周面に脱着可能に装着した内釜と、前記軌条が嵌合される軌溝が内周面に形成された外釜と、を備えたミシンの回転釜装置である。【選択図】図2
Description
本発明は、ミシンの回転釜装置の内釜の外周に脱着可能に装着される軌条、この軌条を装着したミシン釜回転装置の内釜、および、この軌条を装着した内釜と、その内釜に嵌合される軌溝を有する外釜を備えたミシンの回転釜装置に関するものである。
金属製のミシンの回転釜装置においては、特に工業用ミシンであれば、高速回転するため、潤滑油を供給することで、部品が過熱して焼付いたり、摩耗したりするのを防ぐことが行われている。しかし、潤滑油を使用する場合、潤滑油が縫物に付着する恐れがあるため、潤滑油を必要としない耐熱性樹脂で作成したガイド突起を中釜に付けたミシン釜回転装置が作製されている(特許文献1)。また、内釜や外釜及びボビンケースの表面に窒化チタンのコーテング膜を形成したミシンの回転釜が作製されている(特許文献2)。さらに、内釜と外釜との接触面にチッ化処理を行い、そのチッ化層の上にカーボン硬質膜をコーティングしたミシンの回転釜装置が作製されている(特許文献3)。
しかしながら、ミシンの回転釜を樹脂で作成した場合、金属釜に比べて、樹脂の磨耗が激しく、磨耗した場合、釜本体を取り替える必要が生じる。また、金属釜をコーティングした場合、コーティングは磨耗により剥げ落ちてしまうため長期の使用には適さず、再度コーティングし直す必要性が生じる。このように、潤滑油を使用せずに、しかも長期間、高速回転にも耐えるミシンの回転釜が必要とされている。
そこで、本発明者は、上記問題を解決するため、鋭意研究を行った結果、金属製の内釜の軌条を、非熱可塑性ポリイミドを材料として使用し、容易に内釜に脱着可能なリング形状とすることにより、高速回転において潤滑油を不要で、長期間の耐摩耗性を備え、且つ、一定期間の使用後は容易に取替え可能とし、金属釜を長期使用できることを見出し、本発明に至ったものである。
すなわち、本発明は、ミシンの回転釜装置の内釜に脱着可能に装着される軌条および、脱着可能な軌条を装着した内釜、並びに、この脱着可能な軌条を装着した内釜と嵌合される軌溝を有する外釜を備えたミシンの回転釜装置に関するものである。
本発明の第一の態様は、ミシンの回転釜装置の内釜に脱着可能に装着されるリング形状の軌条であって、非熱可塑性ポリイミドと充填材とを含む複合材料から構成されることを特徴とする軌条である。非熱可塑性ポリイミドは全芳香族ポリイミドであることが好ましく、また、充填材は炭素質充填材であることが好ましい。この複合材料が70〜95重量パーセントの非熱可塑性ポリイミドと、5〜30重量パーセントの炭素質充填材から構成されることが好ましい。
本発明の軌条は、23℃で、ASTM D1708に従った測定により、30〜280MPaの引張強さを有することが好ましい。また、本発明の軌条は、PV=0.875MPa・m/secで、ASTM G77に従った測定により、摩擦係数(COF)が、0.15〜0.28であることが好ましい。さらに、本発明の軌条は、23℃で、ASTM D790に従った測定により、曲げ強度が50〜500MPaであることが好ましい。また、本発明の軌条は、23℃で、ASTM D790に従って測定により、曲げ弾性率が2500〜5000MPaであることが好ましい。
本発明の第二の態様は、上記本発明の軌条を外周面に脱着可能に装着した内釜である。
本発明の第三の態様は、非熱可塑性ポリイミドから構成されるリング形状の軌条を外周面に脱着可能に装着した内釜と、前記軌条が嵌合される軌溝が内周面に形成された外釜と、を備えたミシンの回転釜装置である。
本発明の軌条は、非熱可塑性ポリイミドを材料として成形されたリング形状の部品である。非熱可塑性ポリイミドは、強度、弾性、および摩擦性能に優れるため、ミシンの内釜の外周に装着して使用した場合、ミシンの高速回転中、潤滑油を不要とし、且つ、軌条は外釜の軌溝と接触しても耐摩耗性に優れるため、長期間の使用に耐える。また、軌条の形状はリング形状であるから、内釜の外周の溝に容易に脱着可能であり、軌条を装着した内釜を含む回転釜装置を一定期間使用して軌条が磨耗した場合、容易に軌条を取替えることが可能であり、金属釜の長期使用を可能にする。
本発明の実施の形態を図1に基づいて説明する。図1は、本発明の回転釜装置の水平断面図である。外釜1には、内釜2を収納する収納室3と、ミシン本体側の駆動軸に嵌合される嵌合孔4とが形成されている。内釜2にはボビンケース(図示せず)を収納する収納室6が形成されている。この収納室6の底部中心にはボビンケースを回転自在に保持するスタッド7が立設されている。内釜2の外周には一部を除いて脱着可能なリング形状の軌条8が装着され、この軌条8を保持する軌溝9が外釜1の内周に形成されている。図2は、内釜2(軌条8装着前と装着後)と、内釜2に脱着可能な軌条8の斜視図である。脱着可能な軌条8はリング形状をしており、内釜2の外周に設けられた溝5に脱着可能に嵌めて固定される。図3は、脱着可能な軌条8を装着した内釜2と、この内釜2の軌条8と嵌合される軌溝9を内周に備えた外釜の斜視図である。脱着可能な軌条8が装着された内釜2は、外釜1の軌溝9で嵌合する。図4は、本発明の脱着可能な軌条8を装着した内釜2と外釜1とを備えた回転釜装置の平面図である。
<1>本発明の軌条
本発明の軌条は、非熱可塑性ポリイミドから構成されるリング形状の部品であり、非熱可塑性ポリイミドを材料として加工成形される。この軌条をリング形状の部品とすることにより、内釜2の外周に設けられた溝に容易に装着することが出来る。このリング形状の軌条の内側の形状は、装着し且つ脱着することが出来れば特に限定されず、回転に対して外れ難くするため、内側に一つまたはそれ以上の凹凸部を設けても良く、内釜の形状に合わせて適宜加工すれば良い。本発明の別の態様では、軌条の内側に一つまたはそれ以上の凸部を設け、一方、内釜溝には、この凸部と嵌合する形状の孔を設け、軌条の凸部と内釜溝の孔が嵌合して固定される構造とすることもできる。
本発明の軌条は、非熱可塑性ポリイミドから構成されるリング形状の部品であり、非熱可塑性ポリイミドを材料として加工成形される。この軌条をリング形状の部品とすることにより、内釜2の外周に設けられた溝に容易に装着することが出来る。このリング形状の軌条の内側の形状は、装着し且つ脱着することが出来れば特に限定されず、回転に対して外れ難くするため、内側に一つまたはそれ以上の凹凸部を設けても良く、内釜の形状に合わせて適宜加工すれば良い。本発明の別の態様では、軌条の内側に一つまたはそれ以上の凸部を設け、一方、内釜溝には、この凸部と嵌合する形状の孔を設け、軌条の凸部と内釜溝の孔が嵌合して固定される構造とすることもできる。
(1)非熱可塑性ポリイミドの組成
本発明の非熱可塑性ポリイミドは、2次元の直鎖状分子構造を有するが、熱溶融特性を有さないポリイミドである。熱溶融性は、一般に、温度がガラス転移点(Tg)、または融点(Tm)より高くなると流体になり、温度が低下すると再び固化する可逆的特性を意味する。非熱可塑性ポリイミドは、熱で溶融しない。なぜなら、明確なTgまたはTmを示さないため、あるいは、TgまたはTmが非常に高いためである。非熱可塑性ポリイミド樹脂のTgは、一実施形態では280℃を超える、別の実施形態では350℃を超える、さらに別の実施形態では400℃を超える。
本発明の非熱可塑性ポリイミドは、2次元の直鎖状分子構造を有するが、熱溶融特性を有さないポリイミドである。熱溶融性は、一般に、温度がガラス転移点(Tg)、または融点(Tm)より高くなると流体になり、温度が低下すると再び固化する可逆的特性を意味する。非熱可塑性ポリイミドは、熱で溶融しない。なぜなら、明確なTgまたはTmを示さないため、あるいは、TgまたはTmが非常に高いためである。非熱可塑性ポリイミド樹脂のTgは、一実施形態では280℃を超える、別の実施形態では350℃を超える、さらに別の実施形態では400℃を超える。
本明細書では、280℃未満のガラス転移温度を有するポリイミドを、「熱可塑性ポリイミド」と定義する。したがって、本明細書では、280℃以上のガラス転移温度を有するポリイミドを、「非熱可塑性ポリイミド」という。ある実施形態では、非熱可塑性ポリイミドは全芳香族ポリイミドである。ここで、「全芳香族ポリイミド」とは、ポリイミドを構成するアミン成分と酸成分の何れもが芳香族成分を含むポリイミド、即ち、芳香族ジアミン構成成分および芳香族酸構成成分から構成されるポリイミドを意味する。
非熱可塑性ポリイミド樹脂は、ある実施形態では、少なくとも一つのジアミンおよび少なくとも一つの二無水物から由来する。ある実施形態では、上記ジアミンは、m−フェニレンジアミン(MPD)、p−フェニレンジアミン(PPD)、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(ODA)、メチレンジアニリン(MDA)、トルエンジアミン(TDA)およびそれらの混合物からなる群から選択される。別の実施形態では、上記ジアミンは、MPD、PPD、ODAおよびこれらの混合物からなる群から選択される。ある実施形態では、二無水物は、テトラカルボン酸二無水物である。別の実施形態では、二無水物はベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物(BTDA)、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)、トリメリット酸二無水物(TMA)、ピロメリト酸二無水物(PMDA)およびこれらの混合物からなる群から選択される。別の実施形態では、二無水物は、PMDA,BPDAおよびこれらの混合物からなる群から選択される。ある実施形態では、非熱可塑性ポリイミド樹脂は、BTDA−MPD、TMA−MDA、BTDA−TDA−MPD、BTDA−MDA−NA、TMA−MPD、TMA−ODA、BPDA−ODA、BPDA−MPD、BPDA−PPD、BPDA−MPD−PPD、BTDA−4,4’ジアミノベンゾフェノンおよびBTDA−ビス(p−フェノキシ)−p,p’−ビフェニルからなる群から選択される二無水物およびジアミンの組合せに由来する。別の実施形態では、非熱可塑性ポリイミド樹脂は、PMDA−ODAまたはBPDA−MPD−PPDに由来する。また別の実施形態では、非熱可塑性ポリイミド樹脂は、ポリ(BPDA−コ(PPD;MPD))に由来する。このような非熱可塑性ポリイミド樹脂は、低い摩擦係数をもつため、耐磨耗が高い。ポリイミドを調製するために使用されるポリイミド前駆体は、加熱または化学処理された時点で対応するポリイミドとなる有機ポリマーである。このように得たポリイミドの一部の実施形態において、そのポリマー鎖の繰返し単位の約60〜100モルパーセント、好ましくは約70モルパーセント以上、より好ましくは約80モルパーセント以上が、例えば以下の式により表わされるようなポリイミド構造を有する:
式中、R1は、炭素原子6個のベンゼノイド−不飽和環を1〜5個有する四価の芳香族ラジカルであり、4つのカルボニル基がR1ラジカルのベンゼン環内の異なる炭素原子に直接結合され、各カルボニル基対はR1ラジカルのベンゼン環内の隣接する炭素原子に結合されており;R2は、炭素原子のベンゼノイド不飽和環を1〜5個有する2価の芳香族ラジカルであり、2つのアミノ基はR2ラジカルのベンゼン環内の異なる炭素原子に直接結合されている。
好ましいポリイミド前駆体は芳香族であり、イミド化された時点で、芳香族化合物のベンゼン環がイミド基に直接結合されているポリイミドを提供する。特に好ましいポリイミド前駆体としては、例えば以下の一般式により表わされる繰返し単位を有するポリアミド酸が含まれる:
ここで、ポリアミド酸は、2つ以上の繰返し単位のホモポリマーまたはコポリマーのいずれかであり得、R3は、炭素原子6個のベンゼノイド−不飽和環を1〜5個有する四価の芳香族ラジカルであり、4つのカルボニル基がR3ラジカルのベンゼン環内の異なる炭素原子に直接結合され、各カルボニル基対はR3ラジカルのベンゼン環内の隣接する炭素原子に結合されており;R4は、炭素原子のベンゼノイド不飽和環を1〜5個有する2価の芳香族ラジカルであり、2つのアミノ基はR4ラジカルのベンゼン環内の異なる炭素原子に直接結合されている。
上記一般式により表わされる繰返し単位を有するポリアミド酸の典型例は、ピロメリト酸二無水化物(PMDA)と4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(ODA)および3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水化物(BPDA)とODAから得られるものである。閉環した場合、前者はポリ(4,4’−オキシジフェニレンピロメリットイミド)となり後者はポリ(4,4’−オキシジフェニレン−3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボキシジイミド)となる。
溶液イミド化プロセスにより調製されるポリイミドの典型例は、次のような反復単位を有する剛性芳香族ポリイミド組成物である:
式中、R5は60〜約85モルパーセントのパラフェニレンジアミン(PPD)単位および約15〜40モルパーセント未満のメタフェニレンジアミン(MPD)単位である。
本発明の実施において好適に利用されるテトラカルボン酸または本発明の実施において有用な誘導体を調製できるテトラカルボン酸は、以下の一般式を有する:
式中、Aは四価の有機基であり、R6〜R9(R9を含む)は水素または低級アルキル、そして好ましくはメチル、エチルまたはプロピルを含む。四価の有機基Aは好ましくは以下の構造の1つを有する:
式中、Xは
のうちの少なくとも1つを含む。
芳香族テトラカルボン酸構成成分としては、芳香族テトラカルボン酸およびその酸無水物、その塩およびそのエステルに言及することができる。芳香族テトラカルボン酸の例としては、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸、ピロメリット酸、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)メタン、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)チオエーテル、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ホスフィン、2,2−ビス(3’,4’−ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス[4−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル]プロパン二無水物およびビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホンが含まれる。
有機芳香族ジアミンとしては好ましくは、それ自体当該技術分野にとって公知である1つ以上の芳香族および/または複素環ジアミンが使用される。このような芳香族ジアミンは、H2N−R10−NH2という構造により表わすことができ、式中、R10は、16個以下の炭素原子、任意選択により、1以下のヘテロ原子を環内に含む芳香族基であり、ヘテロ原子は−N−、−O−、または−S−を含む。同様に本明細書中に含まれるのは、R10がジフェニレン基またはジフェニルメタン基であるR10基である。このようなジアミンの代表的なものは2,6−ジアミノピリジン、3,5−ジアミノピリジン、メタ−フェニレンジアミン、パラ−フェニレンジアミン、p,p’−メチレンジアニリン、2,6−ジアミノトルエン、および2,4−ジアミノトルエンである。
単なる一例にすぎない芳香族ジアミン構成成分のその他の例としてはベンゼンジアミン類、例えば1,4−ジアミノベンゼン、1,3−ジアミノベンゼンおよび1,2−ジアミノベンゼン;ジフェニル(チオ)エーテルジアミン類、例えば4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノジフェニルエーテルおよび4,4’−ジアミノジフェニルチオエーテル;ベンゾフェノンジアミン類、例えば3,3’−ジアミノベンゾフェノンおよび4,4’−ジアミノベンゾフェノン;ジフェニルホスフィンジアミン類、例えば3,3’−ジアミノジフェニルホスフィンおよび4,4’−ジアミノジフェニルホスフィン;ジフェニルアルキレンジアミン類、例えば3,3’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジアミノジフェニルプロパンおよび4,4’−ジアミノジフェニルプロパン;ジフェニルスルフィドジアミン類、例えば3,3’−ジアミノジフェニルスルフィドおよび4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド;ジフェニルスルホンジアミン類、例えば3,3’−ジアミノジフェニルスルホンおよび4,4’−ジアミノジフェニルスルホン;およびベンジジン類、例えばベンジジンおよび3,3’−ジメチルベンジジンが含まれる。
その他の有用なジアミンは、少なくとも1つのヘテロ原子非含有芳香族環または、1官能基により架橋された少なくとも2つの芳香族環を有する。
これらの芳香族ジアミンは、単独でまたは組合せた形で利用可能である。芳香族ジアミン構成成分として好んで用いられるのは、1,4−ジアミノベンゼン、1,3−ジアミノベンゼン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテルおよびその混合物である。
ある実施態様では、非熱可塑性ポリイミドは、以下の式により表わされるようなポリイミド構造を有する:
一実施形態では、ポリアミド酸は、芳香族ジアミン構成成分および芳香族テトラカルボン酸構成成分を、有機極性溶媒中で実質的に等モル量で重合させることによって得ることができる。溶媒中の全てのモノマーの量は、約5〜約40重量パーセント、より好ましくは約6〜約35重量パーセントの範囲内そして最も好ましくは約8〜約30重量パーセントの範囲内にあり得る。反応温度は一般に約100℃以下であり、好ましくは約10℃〜80℃の範囲内にある。重合反応の時間は、一般に約0.2〜60時間の範囲内である。
一実施形態では、非熱可塑性ポリイミド樹脂は、充填材を含んでいてもよい。ここで、充填材は、例えば、クロム、マンガン、モリブデンや、炭素等を含む硬度が高い材料から選択することが好ましく、これらの中ではモリブデンまたは炭素を含む材料が更に好ましく、炭素質充填材が特に好ましい。なお、本明細書においては、非熱可塑性ポリイミド樹脂および、炭素質充填材を含む非熱可塑性ポリイミド樹脂を併せて、「非熱可塑性ポリイミド樹脂等」ということがある。炭素質充填材は、非熱可塑性ポリイミド形成中または非熱可塑性ポリイミドを部品に加工する間に、ポリイミドと混合されうる。加工プロセスは例えば、圧縮成形、粉末圧縮、樹脂トランスファ成形またはこのような品物を作るためのその他の任意の従来のプロセスであり得る。
一実施形態において、非熱可塑性ポリイミド部品の全構成成分の合計が100重量パーセントであるとき、炭素質充填材は9〜50重量パーセントである。別の実施形態では、炭素質充填材は10〜30重量パーセント、別の実施形態では炭素質充填材は11〜20重量パーセントである。炭素質充填材は、一実施形態において、片状グラファイトである。
ある実施形態では、炭素質充填材は、約50μm未満、好ましくは約10μm未満の平均粒径の粒子を有する。炭素質充填材は、好ましくは、反応性不純物、特に金属不純物を実質的に含まない。合計金属不純物は、金属硫化物および金属酸化物、特に硫化鉄、硫化バリウム、硫化カルシウム、硫化銅、酸化バリウム、酸化カルシウムおよび酸化銅が合計で約1500ppm未満、好ましくは約10ppm未満である。炭素質充填材は、低レベルの反応性不純物で生産される市販の合成グラファイトまたは化学処理により精製された自然に発生するグラファイトであり得る。
ある実施形態では、炭素質充填材は、炭素繊維、炭素織物または不織炭素マットを含んでいてもよい。炭素質充填材を加えることにより、材料の強度、耐久性を向上させることが出来、また、材料の曲げ弾性率や、摩擦係数を、配合量により調整することも出来る。
(2)非熱可塑性ポリイミド等の物性
本発明の軌条の材料となる非熱可塑性ポリイミド等は、良好な強度、弾性、摩擦特性、および耐摩耗性等を備え、高い安定性を有する。
本発明の軌条の材料となる非熱可塑性ポリイミド等は、良好な強度、弾性、摩擦特性、および耐摩耗性等を備え、高い安定性を有する。
具体的には、非熱可塑性ポリイミド等は、以下の物性を備えることが好ましい。
非熱可塑性ポリイミド等の引張強さは、23℃で、ASTM D1708に従った測定により、好ましくは30〜280MPaであり、より好ましくは35〜100MPaであり、さらに好ましくは40〜80MPaである。
非熱可塑性ポリイミド等の摩擦係数(COF)は、PV=0.875MPa・m/secで、ASTM G77に従った測定により、好ましくは0.15〜0.28、より好ましくは0.18〜0.27、さらに好ましくは0.20〜0.26である。この摩擦係数が大きすぎると、ミシン釜が高速回転する際の摩擦が大きくなりすぎ、好ましくない。
非熱可塑性ポリイミド等の曲げ強度は、23℃で、ASTM D790に従った測定により、好ましくは50〜500MPa、より好ましくは65〜400MPa、さらに好ましくは80〜300MPaである。
非熱可塑性ポリイミド等の曲げ弾性率は、23℃で、ASTM D790に従った測定により、好ましくは2500〜6000MPa、より好ましくは2800〜5000MPa、さらに好ましくは3000〜4000MPaである。
<2>本発明の軌条の製造方法
本発明の軌条は、上記非熱可塑性ポリイミド等(例えば、粒子状の非熱可塑性ポリイミド)を、圧縮加工して成形することにより製造することが出来る。例えば、芳香族テトラカルボン酸構成成分が3,3’,4,4’ビフェニルテトラカルボン酸でありジアミン構成成分が70モル%のP−フェニレンジアミン(PPD)と30モル%のm−フェニレンジアミン(MPD)の混合物であるポリマー構成成分85重量パーセントと、グラファイト粉末15重量パーセントで構成された材料を原料とする。そして、材料は、例えば、室温で、そして、高圧(例えば100,000psiの成形圧力)で、直接成形によりリング形状の軌条を製造することが出来る。その後、この軌条を、数時間、高温(例えば、400℃)で焼結させても良い。具体的には、例えば、特表2012−501376に記載の方法により製造することが出来る。
本発明の軌条は、上記非熱可塑性ポリイミド等(例えば、粒子状の非熱可塑性ポリイミド)を、圧縮加工して成形することにより製造することが出来る。例えば、芳香族テトラカルボン酸構成成分が3,3’,4,4’ビフェニルテトラカルボン酸でありジアミン構成成分が70モル%のP−フェニレンジアミン(PPD)と30モル%のm−フェニレンジアミン(MPD)の混合物であるポリマー構成成分85重量パーセントと、グラファイト粉末15重量パーセントで構成された材料を原料とする。そして、材料は、例えば、室温で、そして、高圧(例えば100,000psiの成形圧力)で、直接成形によりリング形状の軌条を製造することが出来る。その後、この軌条を、数時間、高温(例えば、400℃)で焼結させても良い。具体的には、例えば、特表2012−501376に記載の方法により製造することが出来る。
また、本発明の軌条は、市販されているポリイミド樹脂を通常の方法により、成形加工することにより製造することが出来る。具体的な非熱可塑性ポリイミドとしては、例えば、E.I.du Pont de Nemours and Companyから入手可能なベスペル(Vespel:登録商標)SP−3,SP−21,SP−22,SP−211,SP−214,SP−224が挙げられる。
本発明の軌条のリング形状は、ミシンの内釜の外周に装着し且つ脱着出来、かつ、外釜の内周面に形成された軌溝と嵌合出来るものであれば特に限定されないが、装着および脱着しやすいという点、高速回転での使用に際して、安定して固定されるという点からは、リング形状の内側に、一つまたはそれ以上の凹凸部または凸部を設けて、内釜の内側の溝または孔と噛み合うような構造とすることが好ましい。
<3>本発明の内釜、外釜および、ミシンの回転釜装置
(1)本発明の内釜
本発明のミシンの内釜は、従来から使用されている内釜の外周に、本発明のリング状の軌条が装着でき、かつ脱着出来る溝を備えていれば、特に限定されない。内釜は、耐久性、実用性等の観点から、金属性(例えば、ステンレス製)のものが好ましいが、他の素材(例えば、耐久性を有するポリイミドなど)で作製しても良い。
(1)本発明の内釜
本発明のミシンの内釜は、従来から使用されている内釜の外周に、本発明のリング状の軌条が装着でき、かつ脱着出来る溝を備えていれば、特に限定されない。内釜は、耐久性、実用性等の観点から、金属性(例えば、ステンレス製)のものが好ましいが、他の素材(例えば、耐久性を有するポリイミドなど)で作製しても良い。
(2)本発明の外釜
本発明のミシンの外釜は、従来から使用されている外釜の内周面に、本発明のリング状の軌条が装着された内釜と嵌合する軌溝を内周面に形成されたものであれば、特に限定されない。外釜も、耐久性、実用性等の観点から、金属性(例えば、ステンレス製)のものが好ましいが、他の素材(例えば、耐久性を有するポリイミドなど)で作製しても良い。
本発明のミシンの外釜は、従来から使用されている外釜の内周面に、本発明のリング状の軌条が装着された内釜と嵌合する軌溝を内周面に形成されたものであれば、特に限定されない。外釜も、耐久性、実用性等の観点から、金属性(例えば、ステンレス製)のものが好ましいが、他の素材(例えば、耐久性を有するポリイミドなど)で作製しても良い。
(3)本発明のミシンの回転釜装置
本発明のミシンの回転釜装置は、上記のように、ミシンの回転釜装置の内釜に脱着可能な軌条を装着した内釜と、この脱着可能な軌条を装着した内釜と嵌合される軌溝を有する外釜を備えたミシンの回転釜装置であり、軌条は、非熱可塑性ポリイミドを材料として成形されている。そして、非熱可塑性ポリイミドは、強度、弾性、および摩擦性能に優れるため、ミシンの内釜の外周に装着して使用した場合、ミシンの高速回転中、潤滑油を不要とし、且つ、軌条は外釜の軌溝と接触しても耐摩耗性に優れるため、長期間の使用に耐える。また、回転釜装置を一定期間使用して軌条が磨耗した場合、容易に軌条を取替えることが可能であり、金属釜の長期使用を可能にする。
本発明のミシンの回転釜装置は、上記のように、ミシンの回転釜装置の内釜に脱着可能な軌条を装着した内釜と、この脱着可能な軌条を装着した内釜と嵌合される軌溝を有する外釜を備えたミシンの回転釜装置であり、軌条は、非熱可塑性ポリイミドを材料として成形されている。そして、非熱可塑性ポリイミドは、強度、弾性、および摩擦性能に優れるため、ミシンの内釜の外周に装着して使用した場合、ミシンの高速回転中、潤滑油を不要とし、且つ、軌条は外釜の軌溝と接触しても耐摩耗性に優れるため、長期間の使用に耐える。また、回転釜装置を一定期間使用して軌条が磨耗した場合、容易に軌条を取替えることが可能であり、金属釜の長期使用を可能にする。
<4>非熱可塑性ポリイミドの物性測定
本発明の軌条の材料となる非熱可塑性ポリイミドの物性は以下の方法により測定する。
(1)引張強さ(材料が耐えられる最大引張応力を示す:引張試験片を試験機にかけて引張試験を行い、この時の最大引張力を試験片の元の断面積で割って求める(MPa):23℃で、ASTM D1708に従って測定)
(2)摩擦係数(COF)(PV=0.875MPa・m/secにおける摩擦係数:二つの物体の接触面に働く摩擦力と、接触面に垂直に作用する圧力(垂直抗力)との比:ASTM G77に従って測定)
(3)曲げ強度(試験片が破壊に至るまでの最大荷重を基に算出した曲げ応力の値:23℃で、ASTM D790に従って測定)
(4)曲げ弾性率(物体にひずみが生じたときのひずみと応力との比例係数:単位断面積当りの曲げ応力と応力方向に生じるひずみとの比で表される:23℃で、ASTM D790に従って測定)
本発明の軌条の材料となる非熱可塑性ポリイミドの物性は以下の方法により測定する。
(1)引張強さ(材料が耐えられる最大引張応力を示す:引張試験片を試験機にかけて引張試験を行い、この時の最大引張力を試験片の元の断面積で割って求める(MPa):23℃で、ASTM D1708に従って測定)
(2)摩擦係数(COF)(PV=0.875MPa・m/secにおける摩擦係数:二つの物体の接触面に働く摩擦力と、接触面に垂直に作用する圧力(垂直抗力)との比:ASTM G77に従って測定)
(3)曲げ強度(試験片が破壊に至るまでの最大荷重を基に算出した曲げ応力の値:23℃で、ASTM D790に従って測定)
(4)曲げ弾性率(物体にひずみが生じたときのひずみと応力との比例係数:単位断面積当りの曲げ応力と応力方向に生じるひずみとの比で表される:23℃で、ASTM D790に従って測定)
<5>本発明の軌条の評価方法(滑り摩耗試験)
軌条の物性の評価は、リング状の試験片(リングのサイズ:外径34mm、内径30mm、厚さ4mm)を作成して、滑り摩耗試験を行うことにより行った。試験方法は、「プラスチックの滑り摩耗試験方法」JIS(日本工業規格)K7218に準拠した。具体的には、上記リング形状の試験片を、SUS(ステンレス製)の挟部品で上下から挟み0.1Mpaの荷重条件下で、潤滑油を使用せず、室温で6時間、1500rpmの回転スピードで水平方向に回転させ、その磨耗量を磨耗前の大きさの減少から求めた。試験機は、摩擦摩耗試験機(型番:EFM−3−F、BALDWIN Corporation)を用いた。
軌条の物性の評価は、リング状の試験片(リングのサイズ:外径34mm、内径30mm、厚さ4mm)を作成して、滑り摩耗試験を行うことにより行った。試験方法は、「プラスチックの滑り摩耗試験方法」JIS(日本工業規格)K7218に準拠した。具体的には、上記リング形状の試験片を、SUS(ステンレス製)の挟部品で上下から挟み0.1Mpaの荷重条件下で、潤滑油を使用せず、室温で6時間、1500rpmの回転スピードで水平方向に回転させ、その磨耗量を磨耗前の大きさの減少から求めた。試験機は、摩擦摩耗試験機(型番:EFM−3−F、BALDWIN Corporation)を用いた。
本発明の実施例、及び比較例では、以下の原料を使用した。
<使用原料>
(1)非熱可塑性ポリイミド:ベスペル/Vespel(登録商標)SP−21
芳香族テトラカルボン酸構成成分が、ピロメリト酸二無水物(PMDA)であり、ジアミン構成成分が4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(ODA)であるポリマー構成成分85重量パーセントと、グラファイト粉末15重量パーセントで構成された材料を加圧成形したポリイミド
(2)非熱可塑性ポリイミド:ベスペル(登録商標)SP−1
芳香族テトラカルボン酸構成成分がピロメリト酸二無水物(PMDA)であり、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(ODA)であるポリマー構成成分を加圧成形したポリイミド
(3)熱可塑性ポリイミド:ベスペル(登録商標)TP−8929
なお、上記使用原料の物性については、表1に示す。
<使用原料>
(1)非熱可塑性ポリイミド:ベスペル/Vespel(登録商標)SP−21
芳香族テトラカルボン酸構成成分が、ピロメリト酸二無水物(PMDA)であり、ジアミン構成成分が4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(ODA)であるポリマー構成成分85重量パーセントと、グラファイト粉末15重量パーセントで構成された材料を加圧成形したポリイミド
(2)非熱可塑性ポリイミド:ベスペル(登録商標)SP−1
芳香族テトラカルボン酸構成成分がピロメリト酸二無水物(PMDA)であり、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(ODA)であるポリマー構成成分を加圧成形したポリイミド
(3)熱可塑性ポリイミド:ベスペル(登録商標)TP−8929
なお、上記使用原料の物性については、表1に示す。
(実施例1)
非熱可塑性ポリイミドとして、ベスペル(登録商標)SP−21からリング形状のサンプルを作成し、上記の滑り摩耗試験を行って、滑り摩耗試験の後に、リングの厚み方向の減少量を測定した。
非熱可塑性ポリイミドとして、ベスペル(登録商標)SP−21からリング形状のサンプルを作成し、上記の滑り摩耗試験を行って、滑り摩耗試験の後に、リングの厚み方向の減少量を測定した。
(比較例1)
熱可塑性ポリイミドとして、ベスペル(登録商標)SP−21の代わりに、ベスペル(登録商標)TP−8929を使用して、実施例1と同様のリング形状のサンプルを作成し、同様に滑り摩耗試験を行って、滑り摩耗試験の後に、リングの厚み方向の減少量を測定した。
熱可塑性ポリイミドとして、ベスペル(登録商標)SP−21の代わりに、ベスペル(登録商標)TP−8929を使用して、実施例1と同様のリング形状のサンプルを作成し、同様に滑り摩耗試験を行って、滑り摩耗試験の後に、リングの厚み方向の減少量を測定した。
(比較例2)
非熱可塑性ポリイミドとして、ベスペル(登録商標)SP−21の代わりに、ベスペル(登録商標)SP−1(100%非熱可塑性ポリイミド)を使用して、実施例1と同様のリング形状のサンプルを作成し、同様に滑り摩耗試験を行った。
非熱可塑性ポリイミドとして、ベスペル(登録商標)SP−21の代わりに、ベスペル(登録商標)SP−1(100%非熱可塑性ポリイミド)を使用して、実施例1と同様のリング形状のサンプルを作成し、同様に滑り摩耗試験を行った。
結果を表1に示す。比較例1のサンプルでは、リングの厚み方向に0.10mm磨耗した。比較例2では、摩擦が高く試験片が滑らかに回転しなかったため、試験を途中で中止せざるを得なかった。一方、実施例1サンプルでは、リングの厚み方向に0.01mmしか磨耗しなかった。
*摩擦が高く試験途中で中止した。
本発明の軌条は、ミシンの回転釜装置の内釜に脱着可能に装着されるリング形状の部品であり、ミシンの回転釜装置の内釜に装着して使用される。本発明の軌条は、強度、弾性、および摩擦特性を備えた非熱可塑性ポリイミドを材料から構成されるため、ミシン釜の高速回転下でも潤滑油は不要であり、長期間の耐摩耗性を備え、且つ、容易に内釜に脱着可能なリング形状であるから、一定期間の使用後は容易に取替えることが可能であり、金属釜の長期使用を可能にする。
1 外釜
2 内釜
3 外釜の収納室
4 ミシン本体側との嵌合孔
5 内釜の溝
6 内釜の収納室
7 スタッド
8 脱着可能なリング形状の軌条
9 軌溝
2 内釜
3 外釜の収納室
4 ミシン本体側との嵌合孔
5 内釜の溝
6 内釜の収納室
7 スタッド
8 脱着可能なリング形状の軌条
9 軌溝
Claims (17)
- ミシンの回転釜装置の内釜に脱着可能に装着されるリング形状の軌条であって、
非熱可塑性ポリイミドと充填材とを含む複合材料から構成されること特徴とする軌条。 - 前記非熱可塑性ポリイミドは全芳香族ポリイミドである請求項1に記載の軌条。
- 前記充填材は、炭素質充填材である請求項1に記載の軌条。
- 前記複合材料が70〜95重量パーセントの非熱可塑性ポリイミドと、5〜30重量パーセントの炭素質充填材から構成されることを特徴とする請求項3に記載の軌条。
- 23℃で、ASTM D1708に従った測定により、30〜280MPaの引張強さを有する、請求項1〜4の何れか一項に記載の軌条。
- PV=0.875MPa・m/secで、ASTM G77に従った測定により、摩擦係数(COF)が、0.15〜0.28である請求項1〜5の何れか一項に記載の軌条。
- 23℃で、ASTM D790に従った測定により、曲げ強度が50〜500MPaである請求項1〜6の何れか一項に記載の軌条。
- 23℃で、ASTM D790に従った測定により、曲げ弾性率が2500〜5000MPaである請求項1〜7の何れか一項に記載の軌条。
- 請求項1〜8の何れか一項に記載の軌条を外周面に脱着可能に装着した内釜。
- 非熱可塑性ポリイミドと充填材とを含む複合材料から構成されるリング形状の軌条を外周面に脱着可能に装着した内釜と、前記軌条が嵌合される軌溝が内周面に形成された外釜と、を備えたミシンの回転釜装置。
- 前記非熱可塑性ポリイミドは全芳香族ポリイミドである請求項10に記載のミシンの回転釜装置。
- 前記充填材は、炭素質充填材である請求項10に記載のミシンの回転釜装置。
- 前記軌条は、70〜95重量パーセントの非熱可塑性ポリイミドと、5〜30重量パーセントの炭素質充填材との複合材料から構成される請求項12に記載のミシンの回転釜装置。
- 前記軌条は、23℃で、ASTM D1708に従った測定により、30〜280MPaの引張強さを有する、請求項10〜13の何れか一項に記載のミシンの回転釜装置。
- 前記軌条は、PV=0.875MPa・m/secで、ASTM G77に従った測定により、摩擦係数(COF)が、0.15〜0.28である請求項10〜14の何れか一項に記載のミシンの回転釜装置。
- 前記軌条は、23℃で、ASTM D790に従った測定により、曲げ強度が50〜500MPaである請求項10〜15の何れか一項に記載のミシンの回転釜装置。
- 前記軌条は、23℃で、ASTM D790に従った測定により、曲げ弾性率が2500〜5000MPaである請求項10〜16の何れか一項に記載のミシンの回転釜装置。
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CN109884922A (zh) * | 2019-02-14 | 2019-06-14 | 杰克缝纫机股份有限公司 | 缝纫机转速调节方法、装置、计算机设备和存储介质 |
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