JP4461804B2 - 半導体装置 - Google Patents

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Description

技術分野
本発明は半導体装置に係わり、特に、磁気抵抗の変化を利用して情報を記憶するメモリセルを用いた高速、高集積、高信頼なメモリを含む半導体装置に関する。
背景技術
この明細書で参照される文献は以下の通りであり、文献はその文献番号によって参照することとする。[文献1]:R.Scheuerlein,et al.,″A 10ns Read and Write Non−Volatile Memory Array Using a Magnetic Tunnel Junction and FET Switch in each cell,″2000 IEEE International Solid−State Circuits Conference Digest of Technical Papers,pp.128−129,Feb.2000.[文献2]:P.K.Naji,et al.,″A 256kb 3.0V 1T1MTJ Nonvolatile Magnetoresistive RAM,″2001 IEEE International Solid−State Circuits Conference Digest of Technical Papers,pp.122−123,Feb.2001.[文献3]:Z.G.Wang,et al.,″Feasibility of Ultra−Dense Spin−Tunneling Random Access Memory,″IEEE Transaction on Magnetics,vol.33,no.6,pp.4498−4512,Nov.1997.[文献4]:特開平10−106255。[文献5]:USP6,005,800.
不揮発性メモリでありながら、読み書き回数に制限がないメモリとして、マグネトレジスティブ・ランダム・アクセス・メモリ(MRAM)の開発がなされている。MRAMは、メモリセル中の強磁性体の磁化の向きで素子の抵抗が異なる磁気抵抗効果を利用して情報を記憶する。近年、従来の素子よりも、マグネトレジスタンス(MR)と呼ばれる磁気抵抗変化率が大きな、マグネティック・トンネル・ジャンクション(MTJ)素子の開発と、そのMRAMへの応用が進められている。スタティック・ランダム・アクセス・メモリ(SRAM)並みの高速読み書き動作が可能で、ダイナミック・ランダム・アクセス・メモリ(DRAM)並みの高集積度が実現できる可能性が、例えば、文献1や文献2で述べられている。
図2は、文献2で用いられているメモリセルアレイの基本構成を示している。書き込みワード線WW0,WW1,WW2,WW3,...及び読み出しワード線WR0,WR1,WR2,WR3,...と、データ線DL0,DL1,DL2,DL3,...の交点に、メモリセルMC00,MC01,MC02,MC03,...,MC10,MC11,MC12,MC13,...,MC20,MC21,MC22,MC23,...,MC30,MC31,MC32,MC33,...,...が設けられる。書き込みワード線WW0,WW1,WW2,WW3,...及び読み出しワード線WR0,WR1,WR2,WR3,...は、駆動回路を含むワード線制御回路RCN0,RCF0により制御される。データ線DL0,DL1,DL2,DL3,...は、センス回路及び駆動回路を含むデータ線制御回路CCN0,CCF0により両端を制御される。各メモリセルは、1個のMTJ素子MTJと1個のトランジスタMTからなる。MTJ素子MTJは、通常の動作において磁化の向きが固定された強磁性体の固定層と、書き込み動作により磁化の向きが反転可能な強磁性体の自由層との間に、トンネル絶縁膜が挟まれた構造である。このMTJ素子の2端子間の抵抗は、二つの強磁性体層における磁化の向きによって変化し、同じ向きの時は低抵抗状態、互いに逆向きの時は高抵抗状態となる。読み出し動作は、図3に示すように行う。すなわち、WR0,WR1,WR2,WR3,...中で選択した読み出しワード線WRをハイレベルにすることにより、該ワード線に接続されたメモリセル中でトランジスタMTを導通させてMTJ素子MTJの端子間に電圧を印加し、MTJ素子MTJの磁気抵抗に応じて、DL0,DL1,DL2,DL3,...中の所望のデータ線を介して流れる電流IDLを検出することにより、記憶情報を読み出す。一方、書き込み動作は、図4に示すように行う。すなわち、WW0,WW1,WW2,WW3,...中で選択された書き込みワード線の電流IWWを、書き込みワード線電流IWSとし、DL0,DL1,DL2,DL3,...中で選択したデータ線の電流を、書き込みデータに応じて正の書き込み電流ID1あるいは負のID0とすることにより磁界を発生させて行う。この時、MTJ素子の低抵抗状態に対する高抵抗状態の抵抗増加分の比率である磁化抵抗変化MRは、ヒステリシス特性を示す。書き込みワード線電流IWSで生じるハードアクシス磁界により、MTJ素子の磁化反転が起こりやすくなり、イージーアクシス磁界を生じさせるデータ線電流IDLに対して狭いヒステリシス特性となる。これにより、書き込みワード線WWにより選択したメモリセルのみ磁化反転させて記憶情報を書き込むことができる。
MRAMを高集積化していくと、この書きこみ動作での隣接セルへのディスターブが問題となる。例えば、図2中のメモリセルMC11に書き込むために、書き込みワード線WW1とデータ線DL1に電流を流す場合を考える。隣接するメモリセルMC10及びMC12は、書き込みワード線WW1が選択状態にあり、その電流による磁界を受け、さらに選択データ線DL1に隣接しているメモリセルであるため、高集積化すると距離が近くなり、その電流による漏れ磁界も受ける。そのため、磁化状態に影響を受ける恐れがある。また、隣接するメモリセルMC01及びMC21も、データ線DL1が選択状態にあり、さらに選択書き込みワード線WW1に隣接しているため、磁化状態に影響を受ける恐れがある。このようなディスターブの問題については、1個のMTJ素子MTJと1個のトランジスタMTからなるメモリセルについてではないが、MTJ素子(スピン・トンネリング素子)を用いたメモリセルに関して、文献3で述べられている。そこでは、MTJ素子を0.2μm角とし、スペースを0.24μmとすると、隣接するMTJ素子にも磁化反転が起きてしまうことが示されている。文献3では、その対策として、磁化を閉じ込めるフラックス・クロージャ・キーパーを設けることが提案されているが、工程が増えてしまう上、その材料と半導体プロセスとの相性が問題となる。また、文献4では、ジャイアント・マグネトレジスタンス(GMR)素子によるメモリセルを用いたMRAMについて、書き込み時の隣接セルへのディスターブを低減する手法が開示されている。GMR素子は、MTJ素子に比べMR比が小さいため、読み出し信号が小さく、高速な安定動作が困難である。十分な性能の高集積MRAMを実現するためには、文献1あるいは文献2に示されているような、MTJ素子とトランジスタにより構成されたメモリセルが有望である。そのメモリセル構造でのディスターブ対策については、文献4では述べられていない。
そこで本願発明の目的は、読み出し信号が大きく、書き込み時の隣接セルへのディスターブが小さく、高信頼で高集積なMRAMを提供することにある。
発明の開示
本願発明による半導体装置の代表的な構成を示せば以下の通りである。書き込み時に選択され電流を流す複数の書き込みワード線WW0,WW1,WW2,WW3,...と、上記複数のワード線と交わって配置され、書き込み時に選択され書き込みデータに応じた電流を流す複数のデータ線DL0,DL1,DL2,DL3,...とに対し、MTJ素子MTJとトランジスタMTを含む多数のメモリセルをチェッカーパターン状に配置したMRAMセルアレイを有する。望ましくは、上記MTJ素子は、上記書き込みワード線と上記データ線との間に設けられ、一端はデータ線に接続され、他端は上記トランジスタのドレインに接続される。上記トランジスタのゲートは、上記複数の書き込みワード線に対応して設けられた複数の読み出しワード線WR0,WR1,WR2,WR3,...に接続される。上記トランジスタのソースは、上記データ線と略同一方向に配置されたソース線に接続される。さらに、望ましくは、上記MTJ素子は、データ線に直交する方向の寸法がワード線に直交する方向の寸法よりも大きい。また、上記MTJ素子と上記トランジスタの上記書き込みワード線2本毎に配置される。
発明を実施するための最良の形態
以下、本発明の実施例について図面を用いて詳細に説明する。実施例の各機能ブロックを構成する回路素子は、特に制限されないが、公知のCMOS(相補型MOSトランジスタ)等の集積回路技術によって、単結晶シリコンのような半導体基板上に形成される。図面で、PMOSトランジスタにはボディに矢印の記号を付すことで、NMOSトランジスタと区別することとする。図面にはMOSトランジスタの基板電位の接続は特に明記していないが、MOSトランジスタが正常動作可能な範囲であれば、その接続方法は特に限定しない。また、特に断りの無い場合、信号のロウレベルを’0’,ハイレベルを’1’とする。
(第1の実施例)
図1に、第1の実施例のMRAMのメモリセルアレイを示す。書き込みワード線WW0,WW1,WW2,WW3,...及び読み出しワード線WR0,WR1,WR2,WR3,...と、データ線DL0,DL1,DL2,DL3,...との交点に、市松模様状あるいはチェッカーパターン状に、メモリセルMC00,MC02,...,MC11,MC13,...,MC20,MC22,...,MC31,MC33,...,...が設けられる。また、読み出しワード線と同一方向に、ソース線SL01,SL23,...が設けられる。読み出しワード線WR0,WR1,WR2,WR3,...は、ワード線制御回路RCN1により駆動される。また、書き込みワード線WW0,WW1,WW2,WW3,...及びソース線SL01,SL23,...は、駆動回路を含むワード線制御回路RCN1,RCF1により両端を制御される。ソース線SL01,SL23,...は、例えば接地電圧VSSのような固定電圧を印加していても良いし、文献2で示されているように、書き込み時にフローティングにする制御を行っても良い。データ線DL0,DL1,DL2,DL3,...は、センス回路及び駆動回路を含むデータ線制御回路CCN1,CCF1により両端を制御される。各メモリセルは、1個のMTJ素子MTJと1個のトランジスタMTからなる。MTJ素子MTJの一端は、データ線に接続され、他端はトランジスタMTのドレインに接続される。トランジスタMTのゲートは読み出しワード線に接続され、ソースはソース線に接続される。
メモリセルアレイの動作は、図2に示した従来のMRAMセルアレイと同様に行う。ただし、ワード線とデータ線の全ての交点の半分にメモリセルが配置されているため、メモリセルの選択の際、データ線とワード線の選択に、最下位アドレスは共通に用いる。読み出し動作は、図3に示すように、WR0,WR1,WR2,WR3,...中で選択した読み出しワード線WRをハイレベルにすることにより、MTJ素子MTJの磁気抵抗に応じて、DL0,DL1,DL2,DL3,...中の所望のデータ線を介して流れる電流IDLを検出することにより行う。一方、書き込み動作は、図4に示すように、WW0,WW1,WW2,WW3,...中で選択された書き込みワード線の電流IWWを、書き込みワード線電流IWSとし、DL0,DL1,DL2,DL3,...中で選択したデータ線に書き込みデータに応じた書き込み電流ID1あるいはID0を流すことにより磁界を発生させて行う。
例えば、図1中のメモリセルMC11に書き込むために、書き込みワード線WW1とデータ線DL1に電流を流す場合を考える。選択メモリセルMC11に隣接するメモリセルは、MC00,MC02,MC20,MC22の4個である。これらは、選択書き込みワード線WW1及び選択データ線DL1の両方に隣接しているが、両方とも漏れ磁界の影響のみなので、合成磁界は十分小さくできる。選択書き込みワード線WW1上で隣接するメモリセルは、MC13であり、書き込みワード線WW1の電流による磁界を受けるが、選択データ線DL1との間にデータ線DL2があり距離が離れているため、データ線DL1の電流による漏れ磁界は小さい。また、選択データ線DL1上で隣接するメモリセルは、MC31であり、データ線DL1の電流による磁界を受けるが、選択書き込みワード線WW1との間に書き込みワード線WW2があり距離が離れているため、書き込みワード線WW1の電流による漏れ磁界は小さい。以上のように、メモリセルをチェッカーパターン状に配置したことにより、非選択セルのいずれでも、漏れ磁界が小さくなり、磁化状態に影響を受ける恐れを避けられる。
なお、構造上の工夫などで、書き込みワード線の漏れ磁界の影響が小さくできれば、同じデータ線上で隣接するメモリセルを、隣接する書き込みワード線に接続する構成としても良い。逆に、データ線の漏れ磁界の影響が小さくできれば、同じ書き込みワード線上で隣接するメモリセルを、隣接するデータ線に接続する構成としても良い。
次に、図1に示したメモリセルアレイの具体的レイアウト及び構造を説明する。図5はMTJ素子の、図6はトランジスタの、レイアウトをそれぞれ示す。ここでは、繰り返し単位をわかりやすくするため、図1で示しているメモリセルよりも、書き込みワード線及び読み出しワード線、それぞれ1本分ずらした領域を示している。点線の長方形MCが、1個のメモリセルの領域である。図6で、FLは、活性領域パターンである。FGは、トランジスタのゲートパターンで、読み出しワード線WR1〜WR4に対応する。活性領域パターンFLとゲートパターンFGの重なった領域が、トランジスタのチャネルとなり、ここでは平行四辺形の形状となっている。また、M1は、第1配線層パターンで、ソース線SL01,SL23,SL45に用いられている。LCTは、拡散層から第1配線層へのコンタクトパターンである。図5で、PLはMTJ素子の下部電極パターン、MJはMTJ素子パターンである。M2は、第2配線層パターンで、書き込みワード線WW1〜WW4に用いられている。また、M3は、第3配線層パターンであり、データ線DL0〜DL3に対応する。さらに、MCNTはメモリコンタクトパターンであり、拡散層から第1配線層と第2配線層を介してMTJ素子の下部電極への接続孔のパターンである。以上のパターンのパターニングには、周知の光リソグラフィを用いることができる。
図5及び図6のレイアウトのメモリセルについて、図7はA−A’断面、図8はB−B’断面を示している。これらの図で、100は、p型半導体基板である。101pは、p型ウェルで、メモリセルアレイでは全面に、イオン打込みを行うことにより形成される。102は、素子間分離酸化膜で、パターンFLで囲まれていない領域に対して、例えば基板をエッチングし酸化膜を埋め込むことにより形成される。103は、トランジスタのソース及びドレインとなるn型拡散層で、ゲート形成後にイオン打込みを行い、素子間分離酸化膜102及びゲート104のない活性領域に形成される。104は、トランジスタのゲートで、読み出しワード線として用いられる。105は、拡散層と第1配線層とのコンタクトのプラグで、コンタクトパターンLCT及びMCNTに応じて形成される。106は、パターンM1に応じて形成される第1配線層である。107は、第1配線層と第2配線層との接続孔であり、コンタクトパターンMCNTに応じて形成される。108は、パターンM2に応じて形成される第2配線層であり、MTJ素子の直下を通過する配線が書き込みデータ線となる。109は、第2配線層とMTJ素子下部電極を接続するメモリコンタクトで、メモリコンタクトパターンMCNTに応じて形成される。110は、MTJ素子下部電極で、下部電極パターンPLに従い加工される。この層には、強磁性体の形成に適した貴金属などの材料を用いることが望ましい。111,112,113は、MTJ素子を構成する強磁性体固定層,トンネル絶縁膜,強磁性体自由層で、積層後にMTJ素子パターンMJでエッチングされて形成される。115は、パターンM3に応じて形成される第3配線層であり、MTJ素子の自由層113に接し、データ線として用いられる。メモリセルアレイ中には設けられないが、周辺回路領域では、第2配線層108と第3配線層115を接続するスルーホールが設けられる。
このように、図1の回路図に対応して、書き込みワード線同士、読み出しワード線同士、データ線同士を並べている。前述のように本実施例では、書き込み時の隣接セルへのディスターブの問題を回避しているため、書き込みワード線及びデータ線のピッチを小さくでき、メモリセルを高集積化できる。
ここで、MTJ素子の形状を、ワード線に直交するデータ線方向に比べ、データ線と直交するワード線方向を長くしている。このような形状にすることにより、強磁性体自由層113の異方性が高まり、データ線電流による磁界をイージーアクシス,ワード線電流による磁界をハードアクシスとして、安定な動作が可能になる。さらに、MTJ素子パターンMJを長方形の角を落とした6角形とすることにより、安定な磁極の反転を可能にしている。本実施例では、このような形状のMTJ素子を、チェッカーパターン状に並べることにより、効率的に配置している。
また、MTJ素子は、書き込み時に効率的に磁界を印加するため、書き込みワード線とデータ線との間に設けている。そのため、書き込みワード線を避けて、MTJ素子の下部電極へメモリコンタクトを設けなければならない。前述の形状により、MTJ素子がメモリコンタクトよりも大きな面積となるので、書き込みワード線2本毎にメモリコンタクトを配置し、無駄な領域を無くしている。
次に、このメモリセルアレイを用いたメモリの全体構成を説明する。図9は、同期式メモリの構成例の要部ブロック図である。クロックバッファCLKB,コマンドバッファCB,コマンドデコーダCD,アドレスバッファAB,カラムアドレスカウンタYCT,入力バッファDIB,出力バッファDOBを有し、さらにメモリアレイMARを含んだセクタSCT0,SCT1,...が設けられている。図1のような構成を、図9中のメモリアレイMARとして用いる。ただし、メモリ容量によっては、このような構成を複数個繰り返して設け、図17中のメモリアレイMARとすることもできる。また、セクタはバンクに対応しているが、バンクあたり複数個のセクタとしてもよい。セクタはさらに、ロウプリデコーダXPD,カラムプリデコーダYPD,ライトバッファWB,メインアンプMAなどを有する。
各回路ブロックは、以下のような役割を果たす。クロックバッファCLKBは、外部クロックCLKを内部クロックCLKIとして、コマンドデコーダCDなどに分配する。コマンドデコーダCDは、外部からの制御信号CMDに応じて、アドレスバッファAB、カラムアドレスカウンタYCT、入力バッファDIB、出力バッファDOBなどを制御する制御信号を発生する。アドレスバッファABは、外部クロックCLKに応じた所望のタイミングで、外部からのアドレスADRを取り込み、ロウアドレスBXをロウアドレスプリデコーダXPDへ送る。ロウアドレスプリデコーダXPDは、ロウアドレスBXをプリデコードし、ロウプリデコードアドレスCXとマット選択信号MSを、メモリアレイMARへ出力する。アドレスバッファABはまた、カラムアドレスをカラムアドレスカウンタYCTへ送る。カラムアドレスカウンタYCTはそのアドレスを初期値として、バースト動作を行うカラムアドレスBYを発生し、カラムアドレスプリデコーダYPDによりプリデコードして、カラムプリデコードアドレスCYをメモリアレイMARへ出力する。入力バッファDIBは、外部との入出力データDQのデータを所望のタイミングで取り込んで、ライトデータGIをライトバッファWBへ出力する。ライトバッファWBは、ライトデータGIをメイン入出力線MI0へ出力する。一方、メインアンプMAは、メイン入出力線MI0の信号を増幅し、リードデータGOを出力バッファDOBへ出力する。出力バッファDOBは、入出力データDQへ所望のタイミングで、リードデータGOを出力する。
このように、本発明によるメモリセル構成を用いて、同期式メモリが実現できる。外部クロックCLKと同期してコマンドやアドレスの取り込み及びデータの入出力を行う同期式メモリとすることにより、高い周波数での動作が可能であり、高データレートが実現できる。本発明によるMRAMは、SRAMやDRAMについて開発されている各種の高速メモリ方式が応用できる。なお、本発明は、単体のMRAMだけでなく、MRAMを混載したシステムLSIなど半導体装置一般に適用できることは言うまでもない。
図10は、図9に示した構成例について、リード動作のタイミングの例を示している。このタイミングチャートに従い、図9の同期式メモリの動作を説明する。外部クロックCLKの立ち上がり毎に、コマンドデコーダCDが制御信号CMDを判断する。リードコマンドRが与えられることにより、アドレスADRからロウアドレス及びカラムアドレスをアドレスバッファABに取り込む。アドレスバッファABは、ロウアドレスBXを出力する。これを受けて、セクタSCT0あるいはSCT1内で、ロウアドレスプリデコーダXPDがロウプリデコードアドレスCXを出力し、メモリアレイMAR内で、図1に示したワード線WLが選択される。また、アドレスバッファABに取り込んだカラムアドレスを初期値として、カラムアドレスカウンタYCTがクロックサイクル毎に動作し、カラムアドレスプリデコーダYPDがバースト動作に対応したカラムアドレスBYを出力する。これを受けて、セクタSCT0あるいはSCT1内で、カラムアドレスプリデコーダYPDがカラムプリデコードアドレスCXを出力し、メモリアレイMAR内で、図1に示した読み出しデータ線DRの選択を行う。それにより、メイン入出力線MI0へ信号が読み出され、メインアンプMAがリードデータGOを出力し、さらに出力バッファDOBが外部クロックCLKに応じたタイミングでデータを入出力データDQへ出力する。
ここでは、リードコマンドRでロウアドレスとカラムアドレスを同時に取り込んでいる。これにより、DRAMでは一般に必要とされているロウアドレス取り込みからカラムアドレス取り込みまでの遅延時間がなく、選択されたデータ線の情報のみを検出できる。DRAMと異なり、MRAMは非破壊読み出しが可能であり、ワード線上の全メモリセルのデータを検出する必要はないため、このような動作が可能である。選択されたデータ線の情報のみを検出することにより、消費電力が低減できる。
(第2の実施例)
図11に、第2の実施例のMRAMのメモリセルアレイを示す。第1の実施例のメモリセルアレイに対し、読み出しワード線の順番を変えていることが特長である。第1の実施例と同様に、書き込みワード線がWW0,WW1,WW2,WW3,...の順に並んでいるのに対し、読み出しワード線はWR0,WR2,WR1,WR3,...の順に並んでいる。読み出しワード線と同一方向に、ソース線SL02,SL13,...が配置される。書き込みワード線とデータ線DL0,DL1,DL2,DL3,...との交点に、チェッカーパターン状に、メモリセルMC00,MC02,...,MC11,MC13,...,MC20,MC22,...,MC31,MC33,...,...が設けられる。第1の実施例と同様に、書き込みワード線WW0,WW1,WW2,WW3,...と読み出しワード線WR0,WR1,WR2,WR3,...及びソース線SL02,SL13,...は、駆動回路を含むワード線制御回路RCN2,RCF2により制御され、データ線DL0,DL1,DL2,DL3,...は、センス回路及び駆動回路を含むデータ線制御回路CCN2,CCF2により両端を制御される。また、各メモリセルは、1個のMTJ素子MTJと1個のトランジスタMTからなる。MTJ素子MTJの一端は、データ線に接続され、他端はトランジスタMTのドレインに接続される。トランジスタMTのゲートは読み出しワード線に接続され、ソースはソース線に接続される。このようなメモリセル構成が、書き込みワード線4本、読み出しワード線4本ごとに繰り返される。なお、図11で、メモリセルMC10,MC12中を書き込みワード線WW2が、メモリセルMC21,MC23中を書き込みワード線WW1が通過しているが、これは回路図の都合であり、次に示すレイアウトのように、メモリセルの構成とは無関係である。
図12はMTJ素子の、図13はトランジスタの、レイアウトをそれぞれ示す。ここでも、繰り返し単位をわかりやすくするため、図11で示しているメモリセルよりも書き込みワード線及び読み出しワード線、それぞれ1本分ずらした領域を示している。点線の長方形MCが、1個のメモリセルの領域である。図12は、図5と同様なレイアウトとなっているが、図13では、活性領域パターンFLの形状が、図6と異なり、長方形となっている。EGは、トランジスタのゲートパターンで、WR2,WR1,WR3,WR4の順に並んでいる読み出しワード線として用いられる。M1は第1配線層パターンであり、LCTは拡散層から第1配線層へのコンタクトパターンである。図12で、PLはMTJ素子の下部電極パターン、MJはMTJ素子パターンである。M2は、第2配線層パターンで、WW1,WW2,WW3,WW4の順に並んでいる書き込みワード線に用いられている。M3は、第3配線層パターンで、データ線として用いられている。図12及び図13で、MCNTはメモリコンタクトパターンである。
図12及び図13のレイアウトのメモリセルについて、図14はA−A’断面、図15はB−B’断面を示している。図7及び図8と同様に、これらの図で、100はp型半導体基板、101pはp型ウェル、102は素子間分離酸化膜、103はn型拡散層、104はトランジスタのゲート、105は拡散層と第1配線層とのコンタクトのプラグ、106は第1配線層、107は第1配線層と第2配線層との接続孔、108は第2配線層、109はメモリコンタクト、110はMTJ素子下部電極であり、111,112,113はMTJ素子を構成し、115は第3配線層である。
この実施例では、同一データ線に接続されたメモリセル同士が、書き込みワード線に対しては1本おきになっているが、読み出し用ワード線に関しては隣接している。書き込み時の隣接セルへのディスターブの問題は、読み出しワード線とは無関係であり、本実施例のように、データ線と書き込みワード線に対してMTJ素子がチェッカーパターンとなるようにメモリセルを配置すれば、影響を低減できる。本実施例では、隣接する読み出しワード線に接続されるメモリセルを同一のデータ線に接続することで、トランジスタMTのチャネルの形状を長方形にしている。それにより、ゲートと素子間分離酸化膜が鋭角に交わることがなくなり、トランジスタMTの信頼性を含めた性能向上が容易になる。
(第3の実施例)
図16に、第3の実施例のMRAMのメモリセルアレイを示す。書き込みワード線2本に対し、読み出しワード線を1本にしていることが特長である。書き込みワード線WW0,WW1に対応して読み出しワード線WR01とソース線SL01が、書き込みワード線がWW2,WW3に対応して読み出しワード線WR23とソース線SL23が設けられている。書き込みワード線、読み出しワード線及びソース線と、データ線DL0,DL1,DL2,DL3,...との交点に、メモリセルMC00,MC02,...,MC11,MC13,...,MC20,MC22,...,MC31,MC33,...,...が設けられる。第1あるいは第2の実施例と同様に、書き込みワード線WW0,WW1,WW2,WW3,...と読み出しワード線WR0,WR1,WR2,WR3,...及びソース線SL01,SL23,...は、駆動回路を含むワード線制御回路RCN3,RCF3により制御され、データ線DL0,DL1,DL2,DL3,...は、センス回路及び駆動回路を含むデータ線制御回路CCN3,CCF3により両端を制御される。また、各メモリセルは、1個のMTJ素子MTJと1個のトランジスタMTからなる。メモリセル構成は、書き込みワード線2本、読み出しワード線1本ごとに繰り返される。
書き込みワード線と読み出しワード線の本数が異なるため、ワード線を選択するためのアドレスのデコード方法が読み出しと書き込みとで異なるが、書き込みワード線2本分のアドレスに対応して、読み出しワード線を選択すれば良いので、実現は容易である。
図17はMTJ素子の、図18はトランジスタの、レイアウトをそれぞれ示す。ソース線を拡散層により配線し、図6あるいは図13中で用いている第1配線層パターンM1及びコンタクトパターンLCTを削除していることが特長である。ここでは、図16で示しているメモリセルよりも、データ線方向には書き込みワード線2本分、すなわち読み出しワード線1本分、ワード線方向にはデータ線1本分ずらした領域を示している。点線の長方形MCが、1個のメモリセルの領域である。図17は、図5あるいは図12と同様なレイアウトとなっているが、図18では、活性領域パターンFLの形状が、図6あるいは図13と異なり、櫛形となっている。FGは、トランジスタのゲートパターンで、読み出しワード線として用いられる。図17で、PLはMTJ素子の下部電極パターン、MJはMTJ素子パターンである。M2は、第2配線層パターンで、書き込みワード線に用いられている。M3は、第3配線層パターンで、データ線として用いられている。。図17及び図18で、MCNTは、拡散層から第2配線層を介してMTJ素子下部電極へのメモリコンタクトパターンである。
図17及び図18のレイアウトのメモリセルについて、図19はA−A’断面、図20はB−B’断面を示している。図7及び図8あるいは図14及び図15と同様に、これらの図で、100はp型半導体基板、101pはp型ウェル、102は素子間分離酸化膜、103はn型拡散層、104はトランジスタのゲートである。第1配線層がないため、105は拡散層と第2配線層とのコンタクトのプラグである。108は第2配線層、109はメモリコンタクト、110はMTJ素子下部電極であり、111,112,113はMTJ素子を構成し、115は第3配線層である。図8あるいは図15と異なり、図20では、ソース線となる拡散層が連続的に形成されている断面となっている。
この実施例では、拡散層をソース線とし、第1及び第2の実施例の構造から、第1配線層を削除している。それにより、配線層1層分の製造工程を削除でき、低コスト化できる。ここで、MTJ素子のレイアウトを、書き込みワード線2本毎にメモリコンタクトを配置していることにより、メモリコンタクト間の間隔が比較的大きくできるため、ソース線となる拡散層の幅を確保して、抵抗を小さくできる。なお、第1あるいは第2の実施例のようなレイアウトでも、読み出しワード線となるゲートパターンの間隔を大きくすれば、拡散層によりソース線を形成することは可能である。特に、第2の実施例では、図13に示したように活性領域がソース線と直交したレイアウトであるので、拡散層を読み出しワード線方向に接続してソース線とするための、活性領域のパターニングは容易である。さらに、本実施例では、書き込みワード線2本に対し1本と、読み出しワード線の数を低減することで、ソース線となる拡散層の幅を広げ低抵抗化をはかっている。
この実施例では、書き込みワード線2本に対し、読み出しワード線を1本にしているため、第2の実施例と同様に、同一データ線に接続されたメモリセル同士が、読み出し用ワード線に関しては隣接している。前述のように、書き込み時の隣接セルへのディスターブの問題は、読み出しワード線とは無関係であり、本実施例でもデータ線と書き込みワード線に対してMTJ素子がチェッカーパターンとなるようにメモリセルを配置しているため、影響を低減できる。
(第4の実施例)
図21に、第4の実施例のMRAMのメモリセルアレイを示す。メモリセルを、2個のトランジスタMTL,MTRと1個のMTJ素子MTJで構成していることが特長である。書き込みワード線WW0,WW1,WW2,WW3,...に対応し、読み出しワード線WR01L,WR01R,WR23L,WR23R,...が配置される。また、読み出しワード線と同一方向に、ソース線SL0,SL12,SL34,...が配置される。書き込みワード線とデータ線DL0,DL1,DL2,DL3,...との交点に、チェッカーパターン状に、メモリセルMC00,MC02,...,MC11,MC13,...,MC20,MC22,...,MC31,MC33,...,...が設けられる。第1の実施例などと同様に、書き込みワード線WW0,WW1,WW2,WW3,...と読み出しワード線WR01L,WR01R,WR23L,WR23R,...及びソース線SL0,SL12,SL34,...は、駆動回路を含むワード線制御回路RCN4,RCF4により制御され、データ線DL0,DL1,DL2,DL3,...は、センス回路及び駆動回路を含むデータ線制御回路CCN4,CCF4により両端を制御される。ここで、書き込みワード線WR01LとWR01R,WR23LとWR23R,...が、それぞれ対となり、メモリセル中の2個のトランジスタMTL,MTRのゲートに接続される。同じメモリセルに接続された2本ずつの1対で、書き込みワード線は同じ制御を行う。すなわち、物理的には2本の読み出しワード線であるが、論理的には1本の読み出しワード線である。また、メモリセル中のトランジスタは、並列に同じ動作を行い、物理的には2個のトランジスタであるが、論理的には1個のトランジスタである。また、各メモリセルは、1個のMTJ素子MTJと1個のトランジスタMTからなる。MTJ素子MTJの一端は、データ線に接続され、他端はトランジスタMTのドレインに接続される。
図22はMTJ素子の、図23はトランジスタの、レイアウトをそれぞれ示す。ここでは、図21で示しているメモリセルよりも、データ線方向には書き込みワード線2本分、すなわち読み出しワード線1対分、ワード線方向にはデータ線1本分ずらした領域を示している。図22は、図5などと同様なレイアウトとなっているが、図23では、活性領域パターンFLの形状が、図6などと異なり、帯状となっている。FGは、トランジスタのゲートパターンで、読み出しワード線として用いられる。M1は第1配線層パターンであり、LCTは拡散層から第1配線層へのコンタクトパターンである。図22で、PLはMTJ素子の下部電極パターン、MJはMTJ素子パターンである。M2は、第2配線層パターンで、書き込みワード線に用いられている。M3は第3配線層パターンで、データ線として用いられている。MCNTはメモリコンタクトパターンである。
図22及び図23のレイアウトのメモリセルについて、図24はA−A’断面、図25はB−B’断面を示している。図7及び図8あるいは図14及び図15と同様に、これらの図で、100はp型半導体基板、101pはp型ウェル、102は素子間分離酸化膜、103はn型拡散層、104はトランジスタのゲート、105は拡散層と第1配線層とのコンタクトのプラグ、106は第1配線層、107は第1配線層と第2配線層との接続孔、108は第2配線層、109はメモリコンタクト、110はMTJ素子下部電極であり、111,112,113はMTJ素子を構成し、115は第3配線層である。
この実施例では、メモリセル中のトランジスタを、2個の並列接続とし、オン状態での抵抗を下げている。前述のように、読み出し動作では、MTJ素子の抵抗変化率を検出する。MTJ素子の抵抗変化率は、高々数十%程度であり、その検出のためには、トランジスタのオン抵抗がMTJ素子の抵抗よりも十分低くなければならない。MTJ素子の抵抗値は、動作速度の点からあまり高くできないため、トランジスタのオン抵抗を下げることが望まれる。そのために、トランジスタ2個を並列接続してメモリセルに用いることは、文献1に示されている。本実施例では、この手法を、MTJ素子をチェッカーパターン状に配置するために、メモリコンタクト間の間隔が比較的大きくなることを活かし、効率的なレイアウトで実現している。また、場合によっては、活性領域パターンFLを直線的な帯状にすることで、パターニングが容易になり、そのスペースを縮小して、トランジスタのチャネル幅を拡大し、さらにトランジスタを低抵抗化することも可能である。
(第5の実施例)
図26に、第5の実施例のMRAMのメモリセルアレイを示す。メモリセルを、2個のトランジスタMTb,MTtと2個のMTJ素子MTJb,MTJtで構成していることが特長である。図1に示した第1の実施例と同様に、書き込みワード線WW0,WW1,WW2,WW3,...に対応し、読み出しワード線WR0,WR1,WR2,WR3,...が配置され、また、読み出しワード線と同一方向に、ソース線SL01,SL23,...が配置される。一方、データ線は、対線でなり、DL0bとDL0t,DL1bとDL1t,...がそれぞれデータ線対となっている。書き込みワード線及び読み出しワード線とデータ線対との交点に、チェッカーパターン状に、メモリセルMC00,...,MC11,...,MC20,...,MC31,...,...が設けられる。各メモリセル内のMTJ素子MTJb,MTJtの一端は、それぞれデータ線対に接続され、他端はトランジスタMTb,MTtのドレインに接続される。トランジスタMTb,MTtのゲートは読み出しワード線に接続され、ソースはソース線に接続される。第1の実施例などと同様に、書き込みワード線と読み出しワード線及びソース線は、駆動回路を含むワード線制御回路RCN5,RCF5により制御され、データ線対は、センス回路及び駆動回路を含むデータ線制御回路CCN5,CCF5により両端を制御される。
メモリセルアレイの動作は、メモリセル中のMTJ素子に相補な情報を記憶させて、以下のように行う。読み出し動作では、図27に示すように、WR0,WR1,WR2,WR3,...中で選択した読み出しワード線WRをハイレベルにすることにより、該ワード線に接続されたメモリセル中でトランジスタMTb,MTtを導通させてMTJ素子MTJb,MTJbの端子間に電圧を印加する。MTJ素子MTJb,MTJbの磁気抵抗に応じて、DL0bとDL0t,DL1bとDL1t,...中の所望のデータ線対を介して流れる電流IDLb,IDLtを比較することにより、記憶情報を読み出す。一方、書き込み動作は、図4に示すように、WW0,WW1,WW2,WW3,...中で選択された書き込みワード線の電流IWWを、書き込みワード線電流IWSとし、DL0bとDL0t,DL1bとDL1t,...中で選択したデータ線対に書き込みデータに応じた書き込み電流を流すことにより磁界を発生させて行う。この時の選択データ線対の電流IDLb,IDLtは、相補に正のID1と負のID0とする。
この実施例は、文献1と同様に、2個のトランジスタと2個のMTJ素子で構成されたメモリセルを用いている。このメモリセルは、1個のトランジスタと1個のMTJ素子で構成されたメモリセルを相補に2個用いているので、ツインセルと呼ばれている。第1の実施例などのメモリセルに比べ、セル面積が大きくなるが、安定動作が容易である。読み出し動作では、データ線対の電流を比較すれば良く、参照信号の発生が不要である。書き込み動作では、データ線対で電流が往復するように電流を流すため、制御が容易である。
本実施例では、このメモリセルをチェッカーパターン状に配置することにより、書き込み時のディスターブを低減している。特に、データ線の電流による漏れ磁界は、隣接するデータ線と対をなすデータ線が、その次に配置され、逆向きに電流が流れることにより低減される。また、選択書き込みワード線上で隣接するメモリセルは、選択データ線対との間にデータ線対があり、距離が十分離れているため、データ線対の電流による漏れ磁界は小さい。
図29はMTJ素子の、図30はトランジスタの、レイアウトをそれぞれ示す。ここでは、図26で示しているメモリセルよりも、データ線方向には書き込みワード線及び読み出しワード線1本分、ワード線方向にはデータ線1本分ずらした領域を示している。データ線対の間で、線対称なレイアウトとなっている。図30で、FLは活性領域パターン、FGはトランジスタのゲートパターンで、読み出しワード線として用いられる。M1は第1配線層パターンであり、LCTは拡散層から第1配線層へのコンタクトパターンである。図29で、PLはMTJ素子の下部電極パターン、MJはMTJ素子パターンである。M2は、第2配線層パターンで、書き込みワード線に用いられている。M3は第3配線層パターンであり、データ線として用いる。図5に示したレイアウトとは異なり、対応するMTJ素子の有無により、幅を変えたレイアウトとしている。図29及び図30で、MCNTはメモリコンタクトパターンである。
図29及び図30のレイアウトのメモリセルで、A−A’断面は、第1の実施例と同じく図7に示したようになる。図31はB−B’断面を示している。100はp型半導体基板、101pはp型ウェル、102は素子間分離酸化膜、104はトランジスタのゲート、108は第2配線層、109はメモリコンタクト、110はMTJ素子下部電極であり、111,112,113はMTJ素子を構成し、115は第3配線層である。なお、この断面では、n型拡散層、拡散層と第1配線層とのコンタクトのプラグ、第1配線層、第1配線層と第2配線層との接続孔は見えていない。
この実施例でも、MTJ素子の形状を、ワード線に直交するデータ線方向に比べ、データ線と直交するワード線方向を長くしている。データ線の線幅をMTJ素子の有無により変えることで、この形状をMTJ素子を効率的に配置している。
(第6の実施例)
図32に、第6の実施例のMRAMのメモリセルアレイを示す。隣接する書き込みワード線をソース線として用いることが特長である。書き込みワード線WW0,WW1,WW2,WW3,...に対応し、読み出しワード線WR0,WR1,WR2,WR3,...が配置される。書き込みワード線及び読み出しワード線とデータ線DL0,DL1,DL2,DL3,...との交点に、チェッカーパターン状に、メモリセルMC00,MC02,...,MC11,MC13,...,MC20,MC22,...,MC31,MC33,…,...が設けられる。各メモリセルは、隣接する書き込みワード線、例えばメモリセルMC00,MC02は書き込みワード線WW1、メモリセルMC11,MC13は書き込みワード線WW0にも接続する。書き込みワード線WW0,WW1,WW2,WW3,...と読み出しワード線WR0,WR1,WR2,WR3,...は、駆動回路を含むワード線制御回路RCN6,RCF6により制御され、データ線DL0,DL1,DL2,DL3,...は、センス回路及び駆動回路を含むデータ線制御回路CCN6,CCF6により両端を制御される。各メモリセルは、MTJ素子MTJとトランジスタMTにより構成され、MTJ素子MTJの一端はデータ線に接続され、他端はトランジスタMTのドレインに接続される。トランジスタMTのゲートは読み出しワード線に接続され、ソースは隣接する書き込みワード線に接続される。すなわち、第1の実施例などのように、ソース線に接続する代わりに、隣接する書き込みワード線に接続されている。
図4を用いて説明したように、メモリセルの読み出し動作の際、書き込みワード線は電流を流す必要は無く、所望の電圧を保つことができる。また、書き込み動作の際には、メモリセル内のトランジスタMTがオフしているため、その書き込みワード線に電流を流しても、トランジスタMTを通じで電流が流れてしまう恐れはない。したがって、この実施例のように、隣接する書き込みワード線をソース線として用いることができる。
図33はMTJ素子の、図34はトランジスタの、レイアウトをそれぞれ示す。第1の実施例などで用いている第1配線層パターンM1を削除している。ここでは、図16で示しているメモリセルよりも、データ線方向には書き込みワード線及び読み出しワード線それぞれ2本分、ワード線方向にはデータ線1本分ずらした領域を示している。点線の長方形MCが、1個のメモリセルの領域である。図33及び図34で、MCNTは拡散層から第2配線層を介してMTJ素子下部電極へのメモリコンタクトパターンであり、WCTは拡散層から第2配線層へのコンタクトパターンである。図33は、図17などと同様なレイアウトとなっているが、図34では、第2配線層へのコンタクトのレイアウトの都合により、活性領域パターンFLを伸ばし、それを縫うように、読み出しワード線であるトランジスタのゲートパターンFGが配置されている。図33で、PLはMTJ素子の下部電極パターン、MJはMTJ素子パターンである。M2は、第2配線層パターンで、書き込みワード線に用いられている。M3は、第3配線層パターンで、データ線として用いられている。
図33及び図34のレイアウトのメモリセルについて、図35はA−A’断面、図36はB−B’断面を示している。図19及び図20と同様に、これらの図で、100はp型半導体基板、101pはp型ウェル、102は素子間分離酸化膜、103はn型拡散層、104はトランジスタのゲート、105は拡散層と第2配線層とのコンタクトのプラグ、108は第2配線層、109はメモリコンタクト、110はMTJ素子下部電極であり、111,112,113はMTJ素子を構成し、115は第3配線層である。コンタクトプラグ105は、コンタクトパターンMCNT及びWCTに応じて形成する。
この実施例では、隣接する書き込みワード線をソース線として用いることにより、第1あるいは第2の実施例の構造から、第1配線層を削除している。それにより、配線層1層分の製造工程を削除でき、低コスト化できる。第3の実施例のように、拡散層をソース線とすることもできるが、本実施例のように、書き込みワード線をソース線として用いる方が、配線抵抗の影響を小さくできる。この実施例では、書き込みワード線を隣接する2個のメモリセルに接続しているが、一方はソース線に代わるものであり、書き込み時の隣接セルへのディスターブの影響を低減できる。
書き込みワード線とソース線として用いる際、書き込みワード線としての制御のための、ワード線制御回路RCN6,RCF6内の駆動回路のために、トランジスタのオン抵抗が付加されることが懸念される。しかし、図4に示したように書き込みワード線は一方向に電流を流せば良いので、ワード線制御回路RCN6,RCF6の一方では、書き込みワード線を固定電圧に接続していても良く、抵抗が付加されることを防止できる。
(第7の実施例)
図37に、第7の実施例のMRAMのメモリセルアレイを示す。ワード線方向に隣接するメモリセルで交互に、ワード線を書き込みワード線と読み出しワード線に使い分けることが特長である。ワード線W0,W1,W2,W3,W4,W5,W6,W7,...とデータ線DL0,DL1,DL2,DL3,...との交点に、ワード線2本毎にメモリセルMC00,MC02,...,MC11,MC13,...,MC20,MC22,...,MC31,MC33,...,MC40,MC42,...,MC51,MC53,...,MC60,MC62,...,MC71,MC73,...,...が設けられる。また、ワード線2本毎に、ソース線SL0,SL12,SL34,SL56,SL78...が配置される。ワード線W0,W1,W2,W3,W4,W5,W6,W7,...は、駆動回路を含むワード線制御回路RCN7,RCF7により両端を制御され、データ線DL0,DL1,DL2,DL3,...は、センス回路及び駆動回路を含むデータ線制御回路CCN7,CCF7により両端を制御される。各メモリセルは、MTJ素子MTJとトランジスタMTにより構成され、MTJ素子MTJの一端はデータ線に接続され、他端はトランジスタMTのドレインに接続される。トランジスタMTのゲートはワード線に接続され、ソースはソース線に接続される。ただし、ワード線の役割が、MTJ素子に磁界を与える書き込みワード線とトランジスタのゲートに接続された読み出しワード線とで、データ線毎に交互になっている。例えば、データ線DL0に接続されたメモリセルMC00,MC20,MC40,MC60では、ワード線W0,W2,W4,W6が書き込みワード線として働き、ワード線W1,W3,W5,W7が読み出しワード線として接続されている。一方、データ線DL1に接続されたメモリセルMC11,MC31,MC51,MC71では、ワード線W1,W3,W5,W7が書き込みワード線として働き、ワード線W0,W2,W4,W6が読み出しワード線として接続されている。
図4を用いて説明したように、メモリセルの読み出し動作の際には、書き込みワード線に電流と電圧のいずれも印加する必要は無く、書き込み動作の際には、読み出しワード線には電流と電圧のいずれも印加する必要は無い。そのため、このように、ワード線を書き込みワード線と読み出しワード線に使い分けても、正常動作が可能である。
図38はMTJ素子の、図39はトランジスタの、レイアウトをそれぞれ示す。M2は第2配線層パターン、FGはトランジスタのゲートパターンで、両方ともワード線に用いられている。FCTは、ゲートから第1配線層を介して第2配線層へのコンタクトパターンである。FLは活性領域パターン、M1は第1配線層パターン、LCTは拡散層から第1配線層へのコンタクトパターン、PLはMTJ素子の下部電極パターン、MJはMTJ素子パターンである。M3は第3配線層パターンで、データ線として用いられている。MCNTはメモリコンタクトパターンである。なお、必要に応じて、ゲートから第1配線層を介して第2配線層へのコンタクトパターンFCTは、間引くことができる。
図38及び図39のレイアウトのメモリセルについて、図40はA−A’断面、図41はB−B’断面を示している。105fは、ゲートと第1配線層のコンタクトのプラグであり、図39中のコンタクトパターンFCTに応じて形成される。他の記号は、図7及び図8などと同様に、100はp型半導体基板、101pはp型ウェル、102は素子間分離酸化膜、103はn型拡散層、104はトランジスタのゲート、105は拡散層と第1配線層とのコンタクトのプラグ、106は第1配線層、107は第1配線層と第2配線層との接続孔、108は第2配線層、109はメモリコンタクト、110はMTJ素子下部電極であり、111,112,113はMTJ素子を構成し、115は第3配線層である。ただし、接続孔107は、図38及び図39のメモリコンタクトパターンMCNTに加え、コンタクトパターンFCTにも応じて形成される。
このように、読み出しワード線となるゲート104を、書き込みワード線となる第2配線層108と接続することにより、読み出し動作を高速化できる。ゲート104は、一般に、ポリシリコンやポリサイド、あるいはポリシリコンとメタルを積層したポリメタルなどで形成され、メタルの配線層よりもシート抵抗が高い。これを第2配線層と接続することにより、ゲート104のシート抵抗の影響を軽減し、読み出しに用いられるワード線の立ち上がり及び立ち下がりの時間を短縮できる。文献2には、メモリセルアレイのエッジで、読み出しワード線と書き込みワード線を接続した構成が示されているが、本実施例では、メモリアレイ内で多数の接続孔により接続しているため、ゲートをメタル配線層でシャントする効果が大きい。また、文献2では、同じメモリセルに接続される読み出しワード線と書き込みワード線を接続しているため、書き込み時にそれぞれ電流を流している書き込みワード線とデータ線との間で、電流が流れてしまう恐れがある。書き込みワード線に電流を流す際、読み出しワード線の電圧が変化して、メモリセル内のトランジスタが導通する恐れがあるためである。本実施例では、各メモリセルの読み出しワード線と書き込みワード線は別になっているため、この問題がない。第2配線層に電流を流すために、ゲートの電圧が持ち上がってしまっても、選択メモリセルのトランジスタはオフ状態を保ち、書き込みのために電流を流す選択データ線には干渉しない。データ線が非選択となっている非選択メモリセル中でトランジスタがオンになる恐れがあっても、その際に非選択データ線をフローティング状態にすれば不要な電流は流れない。本実施例は、このような構成を、MTJ素子をチェッカーパターン状に配置することにより、効率的にレイアウトしている。この実施例では、ワード線を隣接する2個のメモリセルに接続しているが、一方では読み出しワード線となるゲートで、他方では書き込みワード線となる第2配線層であるので、書き込み時の隣接セルへのディスターブの影響を低減できる。
(第8の実施例)
図42に、第8の実施例のMRAMのメモリセルアレイを示す。データ線を対線とし、データ線対間に読み出し電流が流れるようにメモリセルを接続することが特長である。書き込みワード線WW0,WW1,WW2,WW3,...に対応し、読み出しワード線WR0,WR1,WR2,WR3,...が配置される。書き込みワード線及び読み出しワード線とデータ線対DL0uとDL0l,DL1uとDL1l,DL2uとDL2l,DL3uとDL3l,...との交点に、メモリセルMC00,MC01,MC02,MC03,...,MC10,MC11,MC12,MC13,...,MC20,MC21,MC22,MC23,...,MC30,MC31,MC32,MC33,...,...が設けられる。書き込みワード線WW0,WW1,WW2,WW3,...と読み出しワード線WR0,WR1,WR2,WR3,...は、駆動回路を含むワード線制御回路RCN8,RCF8により制御され、データ線対DL0uとDL0l,DL1uとDL1l,DL2uとDL2l,DL3uとDL3l,...は、センス回路及び駆動回路を含むデータ線制御回路CCN8,CCF8により両端を制御される。各メモリセルは、MTJ素子MTJとトランジスタMTにより構成され、MTJ素子MTJの一端はデータ線対の一方に接続され、他端はトランジスタMTのドレインに接続される。トランジスタMTのゲートは読み出しワード線に接続され、ソースはデータ線対の他方に接続される。すなわち、第1の実施例などのように、ソース線に接続する代わりに、データ線対の他方に接続されている。ここで、同じデータ線対に接続され隣接するメモリセル同士は、データ線対との接続が、互いに反対になっている。例えば、メモリセルMC00では、MTJ素子MTJがデータ線DL0uに接続され、トランジスタMTがデータ線DL01接続されているのに対し、メモリセルMC10では、MTJ素子MTJがデータ線DL01に接続され、トランジスタMTがデータ線DL0uに接続されている。
メモリセルアレイの動作は、以下のように行う。読み出し動作では、図43に示すように、WR0,WR1,WR2,WR3,...中で選択した読み出しワード線WRをハイレベルにすることにより、該ワード線に接続されたメモリセル中でトランジスタMTを導通させてMTJ素子MTJの端子間に電圧を印加する。MTJ素子MTJの磁気抵抗に応じて、DL0uとDL0l,DL1uとDL1l,DL2uとDL2l,DL3uとDL3l,...中の所望のデータ線対を介して流れる電流IDLu,IDLlの電流を検出することにより、記憶情報を読み出す。一方、書き込み動作は、図44に示すように、WW0,WW1,WW2,WW3,...中で選択された書き込みワード線の電流IWWを、書き込みワード線電流IWSとし、DL0bとDL0t,DL1bとDL1t,...中で選択したデータ線対の一方でMTJ素子MTJが接続されたデータ線に、書き込みデータに応じた書き込み電流ID1あるいはID0を流すことにより磁界を発生させて行う。図44では、データ線DL0u,DL1u,DL2u,DL3u,...に、MTJ素子MTJが接続されたメモリセルを選択して書き込む場合を示しており、それらの内で選択されたデータ線の電流IDLuを書き込み電流ID1あるいはID0としている。データ線DL0l,DL1l,DL2l,DL3l,...に、MTJ素子MTJが接続されたメモリセルを選択して書き込む場合には、図44とは逆に、それらの内で選択されたデータ線の電流IDLlを書き込み電流ID1あるいはID0とする。
図45はMTJ素子の、図46はトランジスタの、レイアウトをそれぞれ示す。第1の実施例などで用いている第1配線層パターンM1を削除している。点線の長方形MCが、1個のメモリセルの領域である。図45及び図46で、MCNTは拡散層から第2配線層を介してMTJ素子下部電極へのメモリコンタクトパターンであり、DLCTは拡散層から第2配線層を介して第3配線層へのコンタクトパターンである。図45で、PLはMTJ素子の下部電極パターン、MJはMTJ素子パターンである。M2は、第2配線層パターンで、書き込みワード線に用いられている。M3は、第3配線層パターンで、データ線として用いられている。図46では、拡散層から第3配線層へのコンタクトのレイアウトの都合により、活性領域パターンFLを、データ線に対して大きく傾けている。FGは、ゲートパターンで、読み出しワード線として用いられる。
図45及び図46のレイアウトのメモリセルについて、図47はA−A’断面、図48はB−B’断面を示している。図19及び図20や図33及び図34と同様に、これらの図で、100はp型半導体基板、101pはp型ウェル、102は素子間分離酸化膜、103はn型拡散層、104はトランジスタのゲート、105は拡散層と第2配線層とのコンタクトのプラグ、108は第2配線層、109はメモリコンタクト、110はMTJ素子下部電極であり、111,112,113はMTJ素子を構成し、115は第3配線層である。コンタクトプラグ105は、コンタクトパターンMCNT及びDLCTに応じて形成する。また、114は、第2配線層から第3配線層への接続孔であり、データ線コンタクトパターンDLCTに応じて形成する。
この実施例では、データ線を対線で用いることにより、第1の実施例などでソース線として用いている第1配線層を削除している。それにより、配線層1層分の製造工程を削除でき、低コスト化できる。第3の実施例のように、拡散層をソース線とすることもできるが、メタル配線層を用いる本実施例の方が、配線抵抗の影響を小さくできる。しかも、複数のメモリセルから同時に読み出す場合に、ソース線に電流が集中することがないため、配線抵抗の影響が小さい。また、データ線対の両方に信号電流が読み出されるため、データ線対の電流の差をとることにより、読み出し電流を実効的に倍にできる。それにより、高S/N化して読み出し動作を高速化できる。なお、この実施例では、データ線を隣接する2個のメモリセルに接続しているが、MTJ素子MTJについては1個おきに接続しているため、書き込み時の隣接セルへのディスターブの影響を低減できる。
(第9の実施例)
MTJ素子の形状を工夫した第9の実施例について、次に説明する。メモリセルアレイは、第1の実施例と同様に、図1に示した様に構成する。MTJ素子のレイアウトを、図49に示す。トランジスタのレイアウトは、図6に示した様にする。図5と同様に、図1で示しているメモリセルよりも、書き込みワード線及び読み出しワード線、それぞれ1本分ずらした領域を示しており、点線の長方形MCが、1個のメモリセルの領域である。PLはMTJ素子の下部電極パターン、MJはMTJ素子パターンである。M2は、第2配線層パターンで、書き込みワード線WW1〜WW4に用いられている。また、M3は、第3配線層パターンであり、データ線DL0〜DL3に対応する。さらに、MCNTはメモリコンタクトパターンであり、拡散層から第1配線層と第2配線層を介してMTJ素子の下部電極への接続孔のパターンである図5に示したレイアウトでは、MTJ素子を6角形にしてワード線方向を長手方向にしていたのに対して、このレイアウトでは平行四辺形にして長手方向を書き込みワード線毎に交互に傾けている。
図50のレイアウトのメモリセルでも、A−A’断面は図8に示した様になる。図50は、B−B’断面を示している。図7と同様に、100はp型半導体基板、101pはp型ウェル、102は素子間分離酸化膜、104はトランジスタのゲート、108は第2配線層、109はメモリコンタクト、110はMTJ素子下部電極であり、111,112,113はMTJ素子を構成し、115は第3配線層である。なお、この断面では、n型拡散層、拡散層と第1配線層とのコンタクトのプラグ、第1配線層、第1配線層と第2配線層との接続孔は見えていない。
このメモリセルアレイの読み出し動作は、第1の実施例と同様に、図3に示した様に行う。図51及び図52は、書き込み動作を示している。書き込みワード線の電流を、書き込み動作により制御し、しかも書き込みワード線毎に、正負を切り換えることが特長である。図1のメモリセルアレイ構成で、書き込みワード線の電流については、ワード線制御回路RCN1からRCF1へ流れる電流を正とする。また、データ線の電流については、データ線制御回路CCN1からCCF1へ流れる電流を正とする。選択する書き込みワード線が、偶数番目のWW0,WW2,...のいずれかの場合には、図51に示すように、選択された書き込みワード線の電流IWWeを、’1’を書き込む場合には正の書き込みワード線電流IWpとし、’0’を書き込む場合には負の書き込みワード線電流IWnとする。一方、選択する書き込みワード線が、奇数番目のWW1,WW3,...のいずれかの場合には、図52に示すように、選択された書き込みワード線の電流IWWoを、’1’を書き込む場合には負の書き込みワード線電流IWnとし、’0’を書き込む場合には正の書き込みワード線電流IWpとする。いずれの場合でも、DL0,DL1,DL2,DL3,...中で選択したデータ線の電流を、書き込みデータに応じて正の書き込み電流ID1あるいは負のID0とする。
このように、駆動することにより、書き込みワード線とデータ線の電流による選択メモリセルのMTJ素子への合成磁界は、MTJ素子の長手方向に近い方向で、書き込みデータに応じた向きとなり、容易に自由層の磁化反転による書き込みが行うことができる。一方、選択書き込みワード線と選択データ線にそれぞれ隣接するメモリセル、例えば図1のメモリセルMC11に書き込む際のメモリセルMC22のMTJ素子には、MTJ素子の長手方向にほぼ直行する方向の漏れ磁界が加わる。この方向には、形状異方性により、自由層の磁化反転が起き難い。したがって、図5のレイアウトを用いた第1の実施例よりも、さらにディスターブの影響が小さくなる。
このように、磁気抵抗素子を交互にワード線に対して傾けて配置する手法は、文献5に開示されている。文献5では、電流により磁界を印加するワード線とデータ線との交点全てに磁気抵抗素子を配置しているのに対し、本実施例では書き込みワード線とデータ線との交点にチェッカーパターン上にMTJ素子を配置しているため、ディスターブを低減する効果がさらに大きい。また、隣接するMTJ素子の長手方向の角同士が近づくことがないため、レイアウトが容易である。
なお、MTJ素子の固定層については、製造時に向きを定めるため、同じ向きであることが望ましい。図49のレイアウトでは、データ線と直行する方向、すなわち書き込みワード線方向で揃えることが望ましい。そのような固定層に対して、MR比が大きくなるよう、自由層の磁化方向が書き込みワード線方向とすることが望ましく、MTJ素子の長手方向を書き込みワード線方向に対して傾ける角度は、−45度から45度の範囲とするころが望ましい。
ここでは、第1の実施例の構成を変形した例を示したが、第2の実施例から第8の実施例などの構成でも同様に、MTJ素子の長手方向を書き込みワード線毎に交互に傾ける手法を用いることができる。
本発明によって得られる主な効果は以下の通りである。
MTJ素子とトランジスタを有するメモリセルにより構成されたMRAMセルアレイを有する半導体装置において、書き込み時に選択セルに隣接するメモリセルへの漏れ磁界を小さくし、磁化状態に影響を受ける恐れを避けられる。それにより、高集積で高信頼な高速動作が可能なMRAMセルアレイを実現できる。
産業上の利用可能性
本願発明は、、磁気抵抗の変化を利用して情報を記憶するメモリセルアレイを有する半導体装置一般に好適である。例えば、単品のMRAMやMRAMを含んだシステムLSIに適用できる。
【図面の簡単な説明】
図1は、第1の実施例のメモリセルアレイの構成を示す図である。
図2は、従来のMRAMのメモリセルアレイの構成例を示す図である。
図3は、MRAMセルの読み出し動作を示す図である。
図4は、MRAMセルの書き込み動作を示す図である。
図5は、第1の実施例のMTJ素子のレイアウトを示す図である。
図6は、第1の実施例のトランジスタのレイアウトを示す図である。
図7は、図5及び図6のA−A’断面の構造を示す図である。
図8は、図5及び図6のB−B’断面の構造を示す図である。
図9は、メモリの構成例を示す図である。
図10は、図9のメモリの動作を示す図である。
図11は、第2の実施例のメモリセルアレイの構成を示す図である。
図12は、第2の実施例のMTJ素子のレイアウトを示す図である。
図13は、第2の実施例のトランジスタのレイアウトを示す図である。
図14は、図12及び図13のA−A’断面の構造を示す図である。
図15は、図12及び図13のB−B’断面の構造を示す図である。
図16は、第3の実施例のメモリセルアレイの構成を示す図である。
図17は、第3の実施例のMTJ素子のレイアウトを示す図である。
図18は、第3の実施例のトランジスタのレイアウトを示す図である。
図19は、図17及び図18のA−A’断面の構造を示す図である。
図20は、図17及び図18のB−B’断面の構造を示す図である。
図21は、第4の実施例のメモリセルアレイの構成を示す図である。
図22は、第4の実施例のMTJ素子のレイアウトを示す図である。
図23は、第4の実施例のトランジスタのレイアウトを示す図である。
図24は、図22及び図23のA−A’断面の構造を示す図である。
図25は、図22及び図23のB−B’断面の構造を示す図である。
図26は、第5の実施例のメモリセルアレイの構成を示す図である。
図27は、第5の実施例のMRAMセルの読み出し動作を示す図である。
図28は、第5の実施例のMRAMセルの書き込み動作を示す図である。
図29は、第5の実施例のMTJ素子のレイアウトを示す図である。
図30は、第5の実施例のトランジスタのレイアウトを示す図である。
図31は、図29及び図30のB−B’断面の構造を示す図である。
図32は、第6の実施例のメモリセルアレイの構成を示す図である。
図33は、第6の実施例のMTJ素子のレイアウトを示す図である。
図34は、第6の実施例のトランジスタのレイアウトを示す図である。
図35は、図33及び図34のA−A’断面の構造を示す図である。
図36は、図33及び図34のB−B’断面の構造を示す図である。
図37は、第7の実施例のメモリセルアレイの構成を示す図である。
図38は、第7の実施例のMTJ素子のレイアウトを示す図である。
図39は、第7の実施例のトランジスタのレイアウトを示す図である。
図40は、図38及び図39のA−A’断面の構造を示す図である。
図41は、図38及び図39のB−B’断面の構造を示す図である。
図42は、第8の実施例のメモリセルアレイの構成を示す図である。
図43は、第8の実施例のMRAMセルの読み出し動作を示す図である。
図44は、第8の実施例のMRAMセルの書き込み動作を示す図である。
図45は、第8の実施例のMTJ素子のレイアウトを示す図である。
図46は、第8の実施例のトランジスタのレイアウトを示す図である。
図47は、図45及び図46のA−A’断面の構造を示す図である。
図48は、図45及び図46のB−B’断面の構造を示す図である。
図49は、第9の実施例のMTJ素子のレイアウトを示す図である。
図50は、図49のB−B’断面の構造を示す図である。
図51及び図52は、第9の実施例のMRAMセルの書き込み動作を示す図である。

Claims (15)

  1. 第1の書き込みワード線と、
    前記第1の書き込みワード線に隣接する第2の書き込みワード線と、
    前記第2の書き込みワード線にさらに隣接する第3の書き込みワード線と、
    前記第3の書き込みワード線にさらに隣接する第4の書き込みワード線と、
    前記第1から第3の書き込みワード線と交差する第1のデータ線と、
    前記第1のデータ線に隣接する第2のデータ線と、
    前記第1の書き込みワード線と前記第1のデータ線との交点に配置された第1のメモリセルと、
    前記第3の書き込みワード線と前記第1のデータ線との交点に配置された第2のメモリセルと、
    前記第2の書き込みワード線と前記第2のデータ線との交点に配置された第3のメモリセルとを有し、
    前記第1のメモリセルは、前記第1のデータ線に接続された第1の磁気抵抗素子と、前記第1の磁気抵抗素子に接続された第1のトランジスタとを含み、
    前記第2のメモリセルは、前記第1のデータ線に接続された第2の磁気抵抗素子と、前記第2の磁気抵抗素子に接続された第2のトランジスタとを含み、
    前記第3のメモリセルは、前記第2のデータ線に接続された第3の磁気抵抗素子と、前記第3の磁気抵抗素子に接続された第3のトランジスタとを含み、
    前記第2の磁気抵抗素子は、前記第1のデータ線に接続された磁気抵抗素子の中で、前記第1の磁気抵抗素子に最も近く配置され、
    前記第1の磁気抵抗素子と前記第2の磁気抵抗素子の間を、前記第2の書き込みワード線が通過し、
    前記第1のメモリセルは、前記第1の磁気抵抗素子と前記第1のトランジスタとを接続する第1の接続孔を有し、
    前記第2のメモリセルは、前記第2の磁気抵抗素子と前記第2のトランジスタとを接続する第2の接続孔を有し、
    前記第3のメモリセルは、前記第3の磁気抵抗素子と前記第3のトランジスタとを接続する第3の接続孔を有し、
    前記第1の接続孔及び前記第3の接続孔は、前記第1の書き込みワード線と前記第2の書き込みワード線との間に配置され、
    前記第2の接続孔は、前記第3の書き込みワード線と前記第4の書き込みワード線との間に配置される半導体装置。
  2. 請求項1に記載の半導体装置において、
    前記第2のトランジスタのソースは、前記第の書き込みワード線に接続され、
    前記第3のトランジスタのソースは、前記第の書き込みワード線に接続される半導体装置。
  3. 請求項1に記載の半導体装置は、
    前記第2のデータ線にさらに隣接する第3のデータ線と、
    前記第1の書き込みワード線と前記第3のデータ線との交点に配置された第4のメモリセルとさらに有し、
    前記第4のメモリセルは、前記第3のデータ線に接続された第4の磁気抵抗素子と、前記第4の磁気抵抗素子に接続された第4のトランジスタとを含み、
    前記第4の磁気抵抗素子は、前記第1書き込みワード線により書き込み時に選択される磁気抵抗素子の中で、前記第1の磁気抵抗素子に最も近く配置され、
    前記第1の磁気抵抗素子と前記第4の磁気抵抗素子の間を、前記第2のデータ線が通過する半導体装置。
  4. 第1及び第2書き込みワード線と、
    前記第1及び第2書き込みワード線と交差する第1及び第2データ線と、
    前記第1書き込みワード線と前記第1データ線の交点に配置された第1メモリセルと、
    前記第2書き込みワード線と前記第2データ線の交点に配置された第2メモリセルとを有し、
    前記第1メモリセルは、前記第1データ線に接続された第1磁気抵抗素子と、前記第1磁気抵抗素子にドレインが接続された第1トランジスタとを含み、
    前記第2メモリセルは、前記第2データ線に接続された第2磁気抵抗素子と、前記第2磁気抵抗素子にドレインが接続された第2トランジスタとを含み、
    前記第1書き込みワード線と前記第2データ線の交点には、メモリセルが配置されず、
    前記第2書き込みワード線と前記第1データ線の交点には、メモリセルが配置されず、
    前記第1のメモリセルは、前記第1磁気抵抗素子と前記第1トランジスタとを接続する第1接続孔を有し、
    前記第2メモリセルは、前記第2磁気抵抗素子と前記第2トランジスタとを接続する第2接続孔を有し、
    前記第1接続孔及び前記第2接続孔は、前記第1書き込みワード線と前記第2書き込みワード線との間に配置される半導体装置。
  5. 請求項4に記載の半導体装置において、
    前記第1トランジスタの活性領域は、前記第1トランジスタのソースとドレインを結ぶ線が、前記第1データ線の方向に対して、斜めになるように配置される半導体装置。
  6. 請求項4に記載の半導体装置は、
    前記第1及び第2書き込みワード線と同じ方向に配置された第1読み出しワード線をさらに有し、
    前記第1トランジスタのゲートは、該読み出しワード線に接続される半導体装置。
  7. 請求項6に記載の半導体装置は、
    前記第1及び第2書き込みワード線を含む複数の書き込みワード線と、
    前記第1読み出しワード線を含む複数の読み出しワード線を更に有し、
    前記複数の書き込みワード線と前記複数の読み出しワード線では、アドレス割付の順番が異なる半導体装置。
  8. 請求項6に記載の半導体装置において、
    前記第1及び第2書き込みワード線を含む複数の書き込みワード線と、
    前記第1読み出しワード線を含む複数の読み出しワード線と、
    前記第1及び第2メモリセルを含み、前記複数の書き込みワード線と前記複数の読み出しワード線の所定の交点に配置された複数のメモリセルを更に有し、
    前記複数の読み出しワード線の本数は、前記複数の書き込みワード線の本数の半分であり、
    前記読み出しワード線と前記データ線との全ての交点に、前記複数のメモリセルが配置される半導体装置。
  9. 請求項4に記載の半導体装置において、
    前記第1及び第2磁気抵抗素子は、前記第1及び第2書き込みワード線に垂直な方向の寸法が、前記第1及び第2データ線に垂直な方向の寸法よりも小さい半導体装置。
  10. 請求項4に記載の半導体装置において、
    前記第1及び第2磁気抵抗素子は、長手方向が前記第1及び第2書き込みワード線の方向に対して、傾けて配置される半導体装置。
  11. 請求項10に記載の半導体装置において、
    前記第1及び第2磁気抵抗素子の長手方向は、前記第1及び第2書き込みワード線の方向に対し、−45度から45度の間の角度にある半導体装置。
  12. 請求項4に記載の半導体装置において、
    前記第1及び第2磁気抵抗素子は、前記第1及び第2書き込みワード線よりも上層に形成され、
    前記第1及び第2磁気抵抗素子上に、前記第1及び第2データ線が形成される半導体装置。
  13. 第1及び第2書き込みワード線と、
    前記第1及び第2書き込みワード線と交差する第1及び第2データ線対と、
    前記第1書き込みワード線と前記第1データ線対の交点に配置された第1メモリセルと、
    前記第2書き込みワード線と前記第2データ線対の交点に配置された第2メモリセルとを有し、
    前記第1メモリセルは、前記第1データ線対の一方に接続された第1磁気抵抗素子と、前記第1データ線対の他方に接続された第2磁気抵抗素子と、前記第1磁気抵抗素子にドレインが接続された第1トランジスタと、前記第2磁気抵抗素子にドレインが接続された第2トランジスタとを含み、
    前記第2メモリセルは、前記第2データ線対の一方に接続された第3磁気抵抗素子と、前記第2データ線対の他方に接続された第4磁気抵抗素子と、前記第3磁気抵抗素子にドレインが接続された第3トランジスタと、前記第4磁気抵抗素子にドレインが接続された第4トランジスタとを含み、
    前記第1書き込みワード線と前記第2データ線対の交点には、メモリセルが配置されず、
    前記第2書き込みワード線と前記第1データ線対の交点には、メモリセルが配置されない半導体装置。
  14. 第1及び第2書き込みワード線と、
    前記第1及び第2書き込みワード線と交差する第1及び第2データ線対と、
    前記第1書き込みワード線と前記第1データ線対の交点に配置された第1メモリセルと、
    前記第2書き込みワード線と前記第2データ線対の交点に配置された第2メモリセルとを有し、
    前記第1メモリセルは、前記第1データ線対の一方に接続された第1磁気抵抗素子と、前記第1磁気抵抗素子にドレインが接続され,前記第1データ線対の他方にソースが接続された第1トランジスタを含み、
    前記第2メモリセルは、前記第2データ線対の一方に接続された第2磁気抵抗素子と、前記第2磁気抵抗素子にドレインが接続され、前記第2データ線対の他方に接続された第2トランジスタを含半導体装置。
  15. 順に隣り合って設けられた第1、第2、第3、及び第4のワード線と、
    前記第1から第4のワード線に交差する第1のデータ線と、
    前記第1から第4のワード線に交差し、前記第1のデータ線に隣接する第2のデータ線と、
    前記第1及び第2のワード線と前記第1のデータ線との交点に配置された第1のメモリセルと、
    前記第1及び第2のワード線と前記第2のデータ線との交点に配置された第2のメモリセルと、
    前記第3及び第4のワード線と前記第1のデータ線との交点に配置された第3のメモリセルと、
    前記第3及び第4のワード線と前記第2のデータ線との交点に配置された第4のメモリセルとを有し、
    前記第1のメモリセルは、前記第1のデータ線に接続され前記第1のワード線の電流により磁界を印加される第1の磁気抵抗素子と、ドレインが前記第1の磁気抵抗素子に接続されゲートが前記第2のワード線に接続される第1のトランジスタとを有し、
    前記第2のメモリセルは、前記第2のデータ線に接続され前記第2のワード線の電流により磁界を印加される第2の磁気抵抗素子と、ドレインが前記第2の磁気抵抗素子に接続されゲートが前記第1のワード線に接続される第2のトランジスタとを有し、
    前記第3のメモリセルは、前記第1のデータ線に接続され前記第3のワード線の電流により磁界を印加される第3の磁気抵抗素子と、ドレインが前記第3の磁気抵抗素子に接続されゲートが前記第4のワード線に接続される第3のトランジスタとを有し、
    前記第4のメモリセルは、前記第2のデータ線に接続され前記第4のワード線の電流により磁界を印加される第4の磁気抵抗素子と、ドレインが前記第4の磁気抵抗素子に接続されゲートが前記第3のワード線に接続される第4のトランジスタとを有する半導体装置。
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