JP4461261B2 - 新規な育毛剤 - Google Patents

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Description

本発明は、Met−Phe−Argで示される新規ペプチドに関する。更に本発明はMet−Pheで示されるペプチド又はMet−Phe−Argで示されるペプチドを有効成分とする育毛剤に関する。更に本発明は上記ペプチドを用いて育毛を促進する方法に関する。
脱毛は生命に関わる問題ではないが、その精神的な影響は非常に大きく、脱毛や抜け毛で悩む人は我が国で約2300万人とも言われている。その中で育毛剤を使用している人は約1/4程であり、多くの人が現在市販されている育毛剤の効果に充分な満足を感じていないのが現状である。毛成長機構や脱毛メカニズムの基礎研究成果に基づいた新たな育毛促進物質の探索とそのメカニズムの解明は現在重要な研究課題の一つであり、脱毛問題で悩む人々の生活の質(QOL)の改善に貢献することが期待される。
大豆由来のMet−Ile−Thr−Leuで表されるペプチド(MITL)およびMITLの配列を分子内に含むいくつかのペプチドが、免疫系の賦活作用(貪食促進作用、活性酸素促進作用、腫瘍致死因子分泌促進作用)を有する(特開平7−224093号公報及び特開平8−73374号公報)ことが知られていた。本発明者らは上記ペプチドが、抗癌剤であるetoposide(エトポシド)による脱毛を抑制することを、過去に報告した(特開平9−249535号公報)。
また育毛を目的とする食品としては、アマチャヅルとカキノハと昆布の抽出物を含む食品が知られている。また抗癌剤の副作用としての脱毛症状を抑制、改善または予防する事が可能なウーロン茶抽出物を有効成分とする経口脱毛剤が知られている(特開平9−309840号公報)。また経口の育毛医薬品として、TypeII5αリダクターゼ阻害剤であるフィナステライド(finasteride)が知られている(J.of American Academy of Dermatology(1998)39,pp578−589)。しかしながら、当薬剤は男性ホルモンの代謝に作用する薬物であることから、副作用が懸念されており、使用上の注意や制限が多い。
更に本発明者らはMITLの抗脱毛作用の機構を検討している過程で、MITLによる免疫促進作用がformyl−Met−Leu−Phe(fMLP)受容体を介していること、およびfMLP自身が抗脱毛作用を有していることを見出した。更にfMLPのPheをTrpに置換した誘導体ペプチドであるformyl−Met−Leu−Trp(fMLW)及びMet−Leu−Trp(MLW)について検討を行ったところ、それらのペプチドも抗脱毛作用を有していた(特開2002−080494号公報)。
しかし脱毛に悩む人が多いことを考えると、上記の化合物の他に更に育毛作用が強い化合物を探索する必要がある。そこでMet−Leu−Phe(MLP)に近縁したペプチドにおいて育毛作用を有するペプチドを探索し、好ましくは経口投与で有効な新規な育毛ペプチドを得ることが本発明の課題である。
そこで本発明者らは種々のペプチドを飼料に混合してマウスに経口摂取させることによりその育毛効果を検討したところ、Met−Phe(MF)で示されるペプチドが育毛促進作用を有することを見出した。また上記ペプチドのC末端にArgを結合させたトリペプチドであるMet−Phe−Arg(MFR)も育毛促進作用を有することを見出した。よって本発明は、Met−Phe−Argで表される新規ペプチド、Met−Pheで示されるペプチド又はMet−Phe−Argで示されるペプチドを有効成分とする育毛剤、及び上記ペプチドを用いて育毛を促進する方法を提供するものである。なおArgは側鎖にアミノ基を有する塩基性アミノ酸であるために、Argが結合しているMFRは、MFと比較して溶解性が向上しているという利点がある。
更に本発明者らは、ヒト頭髪毛乳頭細胞における血管内皮細胞増殖因子mRNAの発現量に対するMFとMFRの効果を検討した。その結果、MF投与群とMFR投与群では、コントロール群と比較して血管内皮細胞増殖因子mRNAの発現量が増加していた。これは、毛乳頭細胞の機能を活性化することを介して、MFとMFRの育毛効果が発現している可能性を示すものである。
本発明により、Met−Phe−Argで表される新規ペプチド、及びMet−Pheで示されるペプチド又はMet−Phe−Argで示されるペプチドを有効成分とする育毛剤が提供された。更に、上記ペプチドを用いて育毛を促進する方法が提供された。本発明のペプチドの育毛促進作用は経口投与で有効であるために簡便に摂取することができ、多くの人々の注意を喚起する可能性が高いと考えられる。上記ペプチドは育毛剤として有効であるために、本発明の知見を利用して、例えば、育毛医薬品、育毛食品、育毛化粧品を開発することが可能である。
図1は、コントロール群とMFR投与群において、マウス背部の育毛促進効果を評価した写真である。
図2は、コントロール群とMFR投与群において、発毛部位の割合の比較を行ったグラフである。
図3は、コントロール群とMF投与群において、発毛部位の割合の比較を行ったグラフである。
図4は、コントロール群、MF投与群、MFR投与群において、ヒト頭髪毛乳頭細胞における血管内皮細胞増殖因子mRNAの発現量を比較したグラフである。
本発明は、Met−Pheで示されるペプチド又はMet−Phe−Argで示されるペプチドを有効成分として含有する育毛剤である。上記のペプチドは育毛促進作用を有するために、当該ペプチドを有効成分として含有することを特徴とする育毛剤を調製することが可能である。また上記のペプチドを用いて育毛を促進する方法もまた本発明の範囲内である。更に本発明のペプチドは、例えば抗癌剤の副作用として起こる脱毛に対して有効な、抗脱毛ペプチドとしても使用することができると考えられ、上記ペプチドをかかる方法で使用することも本発明の態様の一つである。上記でいうMetはメチオニン、Pheはフェニルアラニン、Argはアルギニンを示す。かかるアミノ酸はいずれもL−体である。
本発明のペプチドは、ペプチド合成法で取得することができる。即ち、ペプチド合成に通常用いられる方法である液相法または固相法で、ペプチド結合の任意の位置で二分される2種のフラグメントの一方に相当する反応性カルボキシル基を有する原料と、他方のフラグメントに相当する反応性アミノ基を有する原料とを、2−(1H−Benzotriazole−1−yl)−1,1,3,3−tetramethyluronium hexafluorophosphate(HBTU)等の活性エステルを用いた方法や、カルボジイミドを用いた方法等を用いて縮合させることができる。生成する縮合物が保護基を有する場合、その保護基を除去することによっても製造し得る。
この反応工程において反応に関与すべきでない官能基は、保護基により保護される。アミノ基の保護基としては、例えばベンジルオキシカルボニル(Bz)、t−ブチルオキシカルボニル(Boc),p−ビフェニルイソプロピロオキシカルボニル、9−フルオレニルメチルオキシカルボニル(Fmoc)等が挙げられる。カルボキシル基の保護剤としては例えばアルキルエステル、ベンジルエステル等を形成し得る基が挙げられるが、固相法の場合は、C末端のカルボキシル基はクロロトリチル樹脂、クロルメチル樹脂、オキシメチル樹脂、P−アルコキシベンジルアルコール樹脂等の担体に結合している。縮合反応は、カルボジイミド等の縮合剤の存在下にあるいはN−保護アミノ酸活性エステルまたはペプチド活性エステルを用いて実施する。
縮合反応終了後、保護基は除去されるが、固相法の場合はさらにペプチドのC末端と樹脂との結合を切断する。更に、本発明のペプチドは通常の方法に従い精製される。例えばイオン交換クロマトグラフィー、逆相液体クロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィー等が挙げられる。合成したペプチドの合成はエドマン分解法でC−末端からアミノ酸配列を読み取るプロティンシークエンサー、GC−MS等で分析される。
次に医薬品として用いる場合について説明する。本発明の育毛ペプチドは経口投与で有効であるという利点を有するが、それに限定されるものではなく、投与経路としては、経口投与、非経口投与、直腸内投与のいずれを採用することもできる。本発明の育毛剤は、経口的あるいは非経口的に投与することが可能である。本ペプチドの投与量は化合物の種類、投与方法、投与される者の状態や年齢等により異なるが、1日あたり通常は0.01mg/kg〜100mg/kg、好ましくは0.1mg/kg〜10mg/kgである。本発明のペプチドは通常、製剤用担体と混合して調製した製剤の形で投与される。製剤用担体としては、製剤分野において常用され、かつ本発明のペプチドと反応しない物質が用いられる。
具体的には、その様な物質の例として乳糖、ブドウ糖、マンニット、デキストリン、シクロデキストリン、デンプン、蔗糖、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、合成ケイ酸アルミニウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルデンプン、カルボキシメチルセルロースカルシウム、イオン交換樹脂、メチルセルロース、ゼラチン、アラビアゴム、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、軽質無水ケイ酸、ステアリン酸マグネシウム、タルク、トラガント、ベントナイト、ビーガム、酸化チタン、ソルビタン脂肪酸エステル、ラウリル硫酸ナトリウム、グリセリン、脂肪酸グリセリンエステル、精製ラノリン、グリセロゼラチン、ポリソルベート、マクロゴール、植物油、ロウ、流動パラフィン、白色ワセリン、フルオロカーボン、非イオン性界面活性剤、プロピレングルコール、水等が挙げられる。
剤型としては、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤、シロップ剤、懸濁剤、座剤、軟膏、クリーム剤、ゲル剤、貼付剤、吸入剤、注射剤等が挙げられる。これらの製剤は常法に従って調製される。尚、液体製剤にあっては、用時、水又は他の適当な溶媒に溶解または懸濁する形であってもよい。また錠剤、顆粒剤は周知の方法でコーティングしてもよい。注射剤の場合には、本発明のペプチドを水に溶解させて調製されるが、必要に応じて生理食塩水あるいはブドウ糖溶液に溶解させてもよく、また緩衝剤や保存剤を添加してもよい。
これらの製剤は、本発明のペプチドを0.01%〜100重量%、好ましくは1〜90重量%の割合で含有することができる。これらの製剤はまた、治療上価値のある他の成分を含有していてもよい。
経口投与用の固形製剤を製造するには、有効成分と賦形剤成分例えば乳糖、澱粉、結晶セルロース、乳酸カルシウム、無水ケイ酸などと混合して散剤とするか、さらに必要に応じて白糖、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルピロリドンなどの結合剤、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウムなどの崩壊剤などを加えて湿式又は乾式造粒して顆粒剤とする。錠剤を製造するには、これらの散剤及び顆粒剤をそのまま或いはステアリン酸マグネシウム、タルクなどの滑沢剤を加えて打錠すればよい。これらの顆粒又は錠剤はヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、メタクリル酸−メタクリル酸メチルポリマーなどの腸溶剤基剤で被覆して腸溶剤製剤、あるいはエチルセルロース、カルナウバロウ、硬化油などで被覆して持続性製剤とすることもできる。また、カプセル剤を製造するには、散剤又は顆粒剤を硬カプセルに充填するか、有効成分をそのまま或いはグリセリン、ポリエチレングリコール、ゴマ油、オリーブ油などに溶解した後ゼラチン膜で被覆し軟カプセルとすることができる。
経口投与用の液状製剤を製造するには、有効成分と白糖、ソルビトール、グリセリンなどの甘味剤とを水に溶解して透明なシロップ剤、更に精油、エタノールなどを加えてエリキシル剤とするか、アラビアゴム、トラガント、ポリソルベート80、カルボキシメチルセルロースナトリウムなどを加えて乳剤又は懸濁剤としてもよい。これらの液状製剤には所望により矯味剤、着色剤、保存剤などを加えてもよい。
注射剤を製造するには、有効成分を必要に応じて塩酸、水酸化ナトリウム、乳糖、乳酸、ナトリウム、リン酸一水素ナトリウム、リン酸二水素ナトリウムなどのpH調整剤、塩化ナトリウム、ぶどう糖などの等張化剤と共に注射用蒸留水に溶解し、無菌濾過してアンプルに充填するか、更にマンニトール、デキストリン、シクロデキストリン、ゼラチンなどを加えて真空凍結乾燥し、用事溶解型の注射剤としてもよい。また、有効成分にレチシン、ポリソルベート80、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油などを加えて水中で乳化せしめ注射剤用乳剤とすることもできる。
直腸投与剤を製造するには、有効成分をカカオ脂、脂肪酸のトリ、ジ及びモノグリセリド、ポリエチレングリコールなどの座剤用基材と共に加湿して溶解し型に流し込んで冷却するか、有効成分をポリエチレングリコール、大豆油などに溶解した後、ゼラチン膜で被覆すればよい。
皮膚用外用剤を製造するには、有効成分を白色ワセリン、ミツロウ、流動パラフィン、ポリエチレングリコールなどに加えて必要ならば加湿して練合し軟膏剤とするか、ロジン、アクリル酸アルキルエステル重合体などの粘着剤と練合した後ポリアルキルなどの不織布に展延してテープ剤とする。
更に本発明の育毛ペプチドを種々の飲食物や所謂サプリメントの形で投与することもできる。本発明の育毛ペプチドを一般に飲食されている物や調味料などの中に配合することが可能であり、そのような飲食物は通常の方法で製造させるものであって特に限定されるものではない。
また本発明の育毛ペプチドをヘアクリーム、ヘアリキッドあるいはゲルなどの種々の形態で化粧品中に配合して育毛化粧品とすることも可能である。なおクリーム状、エマルジョン状あるいはゲル状の育毛化粧品とする際に、一般的に使用される種々の添加剤を配合することができる。かかる添加剤は特に限定されるものではないが、水、エタノール、プロパノールおよびイソプロパノール等の低級脂肪族アルコール、あるいはグリセリンおよび1、2−プロピレングリコールのようなグリコールなどの溶媒を配合することが可能である。更にその他に、アルキルトリメチルアンモニウム塩、アルキルベタイン、オキシエチル化脂肪族アルコール、胎肪酸アルカノールアミド、オキシエチル化脂肪酸エステルなどのカチオン性、両性あるいは非イオン性界面活性剤からなる湿潤剤ないしは乳化剤、香油、エチレングリコールジステアレートなどの乳白剤、2、4、4トリクロル−2−ヒドロキシジフェニルエーテルあるいはメチルイソチアゾリゾンのような殺菌剤ないしは防カビ剤、緩衝剤、保湿剤や酸化防止剤を適宜使用することができる。
ところで本発明のペプチドであるMFあるいはMFRをタンデムに結合させたペプチドを製造することも可能であると考えられる。かかるタンデムなペプチドは、(MF)又は(MFR)(ここでnはペプチドの繰り返し単位)で示されるペプチドであり、具体的にはMFMF、MFMFMF、MFRMFR、MFRMFRMFRなどを挙げることができる。しかしnの数は2または3に限定されるものではなく、もっと長いオリゴペプチドを製造することもできる。なおかかるペプチドは、上記において述べた通常の化学的なペプチド合成方法によって得ることができる。
かかるタンデムなオリゴペプチドを経口的に摂取すると、消化酵素の作用により消化管内で育毛ペプチドであるMF又はMFRを遊離するであろうと予測される。なおMFRは、C末端にアルギニン残基を有するために消化管内でトリプシンにより切断されて遊離するという点で有利である。なお消化管内でタンデムなオリゴペプチドから本発明の育毛ペプチドを遊離させる場合には、徐々に消化管内でMF又はMFRが遊離するために、生体内で有効な濃度を長時間維持できる可能性があるために、本発明において好ましい態様であると考えられる。
なお以下の実施例において本発明を更に詳細に説明するが、本発明の範囲を限定するものではない。
実施例1:MFとMFRの育毛促進作用
毛包は一定の周期で常に生えかわる器官であり、毛周期は成長期(Anagen)、退行期(Catagen)、休止期(Telogen)から構成される。C3H/Heマウスにおいては7週齢から50日間、毛周期はTelogen期に同調していることが知られている。
本発明においては、毛周期がTelogen期にある7週齢の雄性C3H/Heマウスの背部をバリカンとシェーバーにより脱毛し、8週齢より1mg/kgに相当するMFRを粉末飼料に混合し、自由に摂取させた。
MFR混合飼料を14日間投与した後に、育毛促進作用について評価を行った。図1にマウス背部の写真を示す。図1において上段はコントロール群のマウスの写真であり、下段は1.5mg/kgのMFRを投与した群のマウスの写真である。また図2は、MFRを0.15mg/kg、1.5mg/kg、4.5mg/kg、15mg/kg経口投与した結果である。図2のグラフにおいて縦軸はマウスの背部全体のうち、発毛部分の割合(%)を示す。図1と図2より判る様に、MFR投与群においてはコントロール群と比較して育毛が促進していることが認められ、図2において示したように両群の差は5%の危険率で統計学的に有意であった。
また同様にしてジペプチドであるMFの効果を測定した。発毛部位の割合を1群5匹のマウスを用いて平均値を計算して比較したところ、コントロール群では60%、MF1mg/kgを投与した群では87.8%、MF10mg/kgを投与した群では71%であり、コントロール群と比較して発毛部位が増加する効果が認められた。なお図3はその結果をグラフで表したものである(エラーバーはS.E)。
実施例2:ヒト頭髪毛乳頭細胞における血管内皮細胞増殖因子mRNAの発現解析
毛髪の毛周期は毛乳頭細胞によってコントロールされており、その毛乳頭細胞から分泌される血管内皮細胞増殖因子(VEGF)の働きで、無数の毛細血管網が毛根周囲や毛乳頭に形成されている。そして、薄毛や脱毛が起こっている毛髪においては毛乳頭の機能が衰え、血管増殖因子の分泌が低下し、毛乳頭の毛細血管網が衰退している。そのように衰退した毛細血管網においては、そこからの栄養補給が不十分となっている。そこでヒト頭髪毛乳頭細胞を用いて、MFとMFRを投与することにより引き起こされるVEGFのmRNA量の変化を検討した。VEGFのmRNA量は毛乳頭細胞の機能の指標となり、毛周期が健全であるかの評価をすることができる。なお抗脱毛として現在使用されているミノキシジルはVEGFの産生を促進するといわれている。
東洋紡株式会社からヒト頭髪毛乳頭細胞を購入し、継代数5代目の細胞を実験に供した。ウシI型コラーゲン(東洋紡株式会社)によってコーティングした容器で、毛乳頭細胞増殖培地(東洋紡株式会社)を用いて、細胞培養を行なった。毛乳頭増殖培地として、各種アミノ酸、ビタミン、ゲンタマイシンを含む毛乳頭細胞基礎培地(PCGM)、1%ウシ脳下垂体抽出液、1%ウシ胎児血清、0.5%インシュリン・トランスフェリン・トリヨードサイロニン混液、0.5%サイプロテロンアセテート溶液を含む組成の培地を用いた。37℃、湿度100%、5%COの条件下で細胞をインキュベーター中で培養し、一日おきに培地交換を行なった。細胞がサブコンフルエントに達したら、トリプシン/EDTA溶液を含むサブカルチャー試薬セット(東洋紡株式会社)を用いて継代を行なった。
継代数5代目の細胞を5×10細胞/5ml培地の濃度で21cmの培養皿に播いた。23時間後に培地を交換し、その1時間後に本発明で使用するペプチド(MF、MFR)またはミノキシジルなどの薬剤を培地中に添加し、24時間培養した。なお、ミノキシジル(シグマ)は培地中で分解されやすいため、10μMのミノキシジル25μl溶液を6時間毎に添加した。薬剤を添加してから24時間後にサンプリングを行い、回収した細胞から、RNeasy MiNi kit(キアゲン)を用いてtotal RNAを抽出した。VEGFのmRNA発現量を解析するために、細胞から抽出したtotal RNAのうち8ngを定量的RT−PCR(ABIprism7000、アプライトバイオシステム)に供した。内部標準としてβ−アクチンを用いた。
各細胞から抽出したtotal RNA、プライマー、SYBY Green PCR Mix、RNaseインヒビター、Multiscribe Reverse Transcriptase(全てアプライトバイオシステム)を含む50μlの反応混合液中でRT−PCRを行なった。Primer Express(アプライトバイオシステム)を用いて、ヒトβ−アクチンおよびVEGFに対して特異的なプライマーを設計した。使用したプライマーの構造を下記に示す。
ヒトβ−アクチン(NM_001101)
forward primer:TGTCCACCTTCCAGCAGATGT
reverse primer:AGTCCGCCTAGAAGCATTTGC
ヒトVEGF(NM_003376)
forward primer:AACACAGACTCGCGTTGCAA
reverse primer:CGGCTTGTCACATCTGCAAGT
上記において述べた方法でVEGFmRNAの発現量を測定し、コントロール群、ミノキシジル投与群(30μM)、MF投与群(3μM、30μM)、MFR投与群(3μM、30μM)において測定結果を比較した。コントロール群で得られた値を1として、他の群において測定されたVEGFmRNAの量の比を図4に示す。MFを3μM投与した群とMFRを3μM投与した群においては、コントロール群と比較してVEGFmRNAの量の明らかな増加が認められた。そしてその増加はミノキシジルを30μM投与した群以上であった。更にMFを30μM投与した群とMFRを30μM投与した群においても、VEGFmRNAの発現量はコントロール群と比較して増加していた。よってミノキシジルと同様に、MFとMFRはVEGFmRNAの発現量を増加させた。
本発明により、Met−Phe−Argで表される新規ペプチド、及びMet−Pheで示されるペプチド又はMet−Phe−Argで示されるペプチドを有効成分として含有する育毛剤が提供された。本発明の知見を利用して、当該ペプチドを有効成分と含有する育毛医薬品、育毛医薬品や育毛化粧品を開発することが可能であると考えられる。

Claims (7)

  1. Met−Phe−Argで表される、新規ペプチド。
  2. Met−Pheで示されるペプチド又はMet−Phe−Argで示されるペプチドを有効成分とする育毛剤。
  3. 毛乳頭細胞における血管内皮細胞増殖因子の遺伝子発現を促進することにより育毛作用を発現する請求項2記載の育毛剤。
  4. 請求項2記載の育毛剤を有効成分として含有する育毛医薬品。
  5. 請求項2記載の育毛剤を有効成分として含有する育毛食品。
  6. 請求項2記載の育毛剤を有効成分として含有する育毛化粧品。
  7. Met−Pheで示されるペプチド又はMet−Phe−Argで示されるペプチドを用いて育毛を促進する方法。
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