JP4461258B2 - 光断層画像化法における補正方法 - Google Patents

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本発明は、光コヒーレンストモグラフィーの光断層画像化法におけるモーションアーチファクト補正法に関する。ここで、「モーションアーチファクト」とは、「被計測物体の動きによる画像歪み」を意味する用語として光コヒーレンストモグラフィーの技術分野では通常使用されている。
非破壊断層計測技術の1つとして、時間的に低コヒーレンスな光をプローブ(探針)として用いる光断層画像化法「光コヒーレンストモグラフィー」(OCT)がある(特許文献1参照)。OCTは、光を計測プローブとして用いるため、被計測物体の屈折率分布、分光情報、偏光情報(複屈折率分布)等が計測できるという利点がある。
基本的なOCT43は、マイケルソン干渉計を基本としており、その原理を図6で説明する。光源44から射出された光は、コリメートレンズ45で平行化された後に、ビームスプリッター46により参照光と物体光に分割される。物体光は、物体アーム内の対物レンズ47によって被計測物体48に集光され、そこで散乱・反射された後に再び対物レンズ47、ビームスプリッター46に戻る。
一方、参照光は参照アーム内の対物レンズ49を通過した後に参照鏡50によって反射され、再び対物レンズ49を通してビームスプリッター46に戻る。このようにビームスプリッター46に戻った物体光と参照光は、物体光とともに集光レンズ51に入射し光検出器52(フォトダイオード等)に集光される。
OCTの光源44は、時間的に低コヒーレンスな光(異なった時刻に光源から出た光同士は極めて干渉しにくい光)の光源を利用する。時間的低コヒーレンス光を光源としたマイケルソン型の干渉計では、参照アームと物体アームの距離がほぼ等しいときにのみ干渉信号が現れる。この結果、参照アームと物体アームの光路長差(τ)を変化させながら、光検出器52で干渉信号の強度を計測すると、光路長差に対する干渉信号(インターフェログラム)が得られる。
そのインターフェログラムの形状が、被計測物体48の奥行き方向の反射率分布を示しており、1次元の軸方向走査により被計測物体48の奥行き方向の構造を得ることができる。このように、OCT43では、光路長走査により、被計測物体48の奥行き方向の構造を計測できる。
このような軸方向の走査のほかに、横方向の機械的走査を加え、2次元の走査を行うことで被計測物体の2次元断面画像が得られる。この横方向の走査を行う走査装置としては、被計測物体を直接移動させる構成、物体は固定したままで対物レンズをシフトさせる構成、被計測物体も対物レンズも固定したままで、対物レンズの瞳面付近においたガルバノミラーの角度を回転させる構成等が用いられている。
以上の基本的なOCTが発展したものとして、光源の波長を走査してスペクトル干渉信号を得る波長走査型OCT(Swept Source OCT、略して「SS−OCT」という。)と、分光器を用いてスペクトル信号を得るスペクトルドメインOCTがあり、後者としてフーリエドメインOCT(Fourier Domain OCT、略して「FD−OCT」という。特許文献2参照)、及び偏光感受型OCT(Polarization-Sensitive OCT、略して「PS−OCT」という。特許文献3参照)がある。
波長走査型OCTは、高速波長スキャニングレーザーにより光源の波長を変え、スペクトル信号と同期取得された光源走査信号を用いて干渉信号を最配列し、信号処理を加えることで3次元光断層画像を得るものである。なお、光源の波長を変える手段として、モノクロメーターを利用したものでも、波長走査型OCTとして利用可能である。
フーリエドメインOCTは、被計測物体からの反射光の波長スペクトルを、スペクトロメーター(スペクトル分光器)で取得し、このスペクトル強度分布に対してフーリエ変換することで、実空間(OCT信号空間)上での信号を取り出すことを特徴とするものであり、このフーリエドメインOCTは、奥行き方向の走査を行う必要がなく、x軸方向の走査を行うことで被計測物体の断面構造を計測可能である。
偏光感受型OCTは、フーリエドメインOCTと同様に、被計測物体からの反射光の波長スペクトルをスペクトル分光器で取得するものであるが、入射光及び参照光をそれぞれ1/2波長板、1/4波長板等を通して水平直線偏光、垂直直線偏光、45°直線偏光、円偏光として、被計測物体からの反射光と参照光を重ねて1/2波長板、1/4波長板等を通して、例えば水平偏光成分だけをスペクトル分光器に入射させて干渉させ、物体光の特定偏光状態をもつ成分だけを取り出してフーリエ変換するものである。この偏光感受型OCTも、奥行き方向の走査を行う必要がない。
特開2002−310897号公報 特開平11−325849号公報 特開2004−028970号公報
ところで、生体の形状を3次元計測においては、被計測物体が動き、測定時間内に被計測物体と測定器の相対的な位置関係が移動すると、被計測物体そのものの動きに由来する画像のゆがみが生じていた。
従来、その解決手段として、補償光学系やモーショントラック(移動を逐次測定する手段)等を用いて実時間的に計測位置の補正を行うことが主に行われている。しかしながら、補償光学系やモーショントラックは、きわめて複雑な手段であり、これらの手段を付設することは、高価であり、その取扱も面倒である。
即ち、従来用いられていた補償光学系は、反射像などをモニターし、その形状や位置などが測定中変化しないように形状可変鏡(鏡の表面形状をコンピュータ制御などで変形させる)等を用いて被測定物の動きを補償するように光学系を変化させるものであり、形状可変鏡、液晶光学素子、プリズムなどが用いられる。
被測定物のモニター計測システム、光学系の補償量の計算、光学系変形、変形後の被測定物のモニター、光学系の補償量の計算、光学系変形というフィードバックループで安定化する事が多く、システムも複雑で光学系も高価である。また、安定する保証がない。
モーショントラックは、上記補償光学系の簡易版であり、被測定物の特定の点をモニターし、その動きから被測定物の移動をモニターするものであり、やはり別の光学系と処理システムが必要である。
本発明は上記従来の問題を解決することを目的とするものであり、この解決手段として補償光学やモーショントラックなどの複雑な追加システムを用いず、3次元計測データのみを用いて、被計測物体の動きを補正する手段を実現することを課題とするものであり、具体的には、同時計測した複数の1次元画像によって構成される2次元断層画像間の初期相対的位置や歪みを画像間の相関のピーク位置の移動によって補正する手段を実現するものである。
本発明は上記課題を解決するために、コヒーレンストモグラフィーを用いて、被計測物体の奥行き方向の軸に平行な2次元断層画像を、該2次元断層画像に垂直方向に位置をずらしながら複数取得し3次元画像を構成する光コヒーレンストモグラフィーによる光断層画像化法において、前記計測物体の移動ぶれに起因する前記複数取得したそれぞれの2次元断層画像の位置ずれをデジタル相関を用いて検出し、該検出結果に基づいて2次元断層画像の位置ずれの補正を行い、前記3次元画像を再構成することを特徴とする光コヒーレンストモグラフィーの光断層画像化法における被計測物体の移動による3次元画像の歪みを補正する方法を提供する。
前記光コヒーレンストモグラフィーの光断層画像化法における被計測物体の移動による前記3次元画像の歪みを補正する方法では、前記デジタル相関のピークのヒストグラムをとり、平均値より大きく、また、比較的小さな偏差をもったピークを有効な相関のピークとして抽出するようにしてもよい。
前記光コヒーレンストモグラフィーの光断層画像化法における被計測物体の移動による前記3次元画像の歪みを補正する方法では、前記有効な相関のピーク位置を多項式で補完し、その0次又は1次関数による写像により被測定物体の移動による像の歪みを補正するようにしてもよい。
前記光コヒーレンストモグラフィーの光断層画像化法における被計測物体の移動による前記3次元画像の歪みを補正する方法では、前記2次元断層画像の全部、ノイズの少ない部分又は注目している部分のデータを用いて前記2次元断層画像の歪みを補正し、該補正データを前記3次元画像の画像の全体または一部に適用し前記3次元画像を再構成するようにしてもよい。
前記光コヒーレンストモグラフィーの光断層画像化法における被計測物体の移動による前記3次元画像の歪みを補正する方法では、前記2次元断層画像の画像全体の相関ではなく、被測定物体と同じ動きをする基準となる面をモニターし、その位置を基準に被測定物体の動きを補償保線するようにしてもよい。
本発明の方法は、以上のとおりであるから、補償光学やモーショントラックなどの複雑、高価、且つ取扱が面倒な追加システムを用いず、3次元計測データのみを用いて、被計測物体の動きに由来する画像の歪みを補正することができる。
本発明に係る光コヒーレンストモグラフィーの光断層画像化法におけるモーションアーチファクト補正法の最良の形態を実施例に基づき図面を参照して、以下説明する。
図1は、FD−OCT1の全体構成を示す図である。広帯域光源2、低コヒーレンス干渉計3、及び分光器4(スペクトロメーター)とを備えている。このFD−OCT1は、低コヒーレンス干渉の原理を用いて奥行き方向の分解能を得ているため、光源として、SLD( スーパールミネツセントダイオード)や超短パルスレーザー等の広帯域光源2が用いられる。
広帯域光源2から出た光は、まずビームスプリッター5で物体光と参照光に分割される。このうち物体光は、レンズ6を通してガルバノミラー7で反射され被計測物体8を照射し、そこで反射、散乱された後に分光器4に導かれる。一方、参照光はレンズ9を通して参照鏡10(平面鏡)で反射された後に物体光と並行に分光器4に導かれる。これらの二つの光は分光器4の回折格子11によって同時に分光され、スペクトル領域で干渉し、結果、スペクトル干渉縞がCCD12によって計測される。
このスペクトル干渉縞に対して適当な信号処理を行うことで、被計測物体8のある点における深さ方向1次元の屈折率分布の微分、つまり、反射率分布を得ることが可能となる。さらに、被計測物体8上の計測点をガルバノミラー7を駆動し1次元走査することにより2次元断層画像(FD−OCT画像)を得ることができる。
通常のOCTでは、2次元断層画像を得るために、深さ(光軸)方向の走査(この走査を「A−スキャン」と言い、この方向を「A−方向」とも言う。)と、縦方向の操作(この走査を「B−スキャン」と言い、この方向を「B−方向」とも言う。)の2次元の機械的走査が必要なのに対して、FD−OCT1では、A−スキャンは不要で一回の測定で深さ方向の後方散乱データを取得することができるから、B−スキャンの1次元の機械的走査しか必要とされない。要するに、FD−OCT1では、面内に2次元走査(B−スキャンおよびC−スキャン)をすることにより高速な断層計測が可能で、被計測物体8内部の3次元情報を得ることができる。
本発明は、以上のようなFD−OCT1において、被計測物体8の3次元データを取得し、計算機中で3次元立体画像を再構成する際、被計測物体8そのものの動きに由来する画像のゆがみを補正するために、被計測物体8の2次元断層画像を、その横方向の位置をずらしながら複数取得し(この走査を「C−スキャン」と言い、この方向を「C−方向」とも言う。)、それぞれの2次元断層の位置ずれをデジタル相関を用いて検出し、補正を行う方法で、計測データそのものの情報を用いて位置関係を補正することを特徴とする方法である。以下、さらに詳細に説明する。
FD−OCT1において、図2(a)に示すように、横方向の第1の位置でのB−スキャンで得られる2次元断面画像C1(en−face像)とし、第1の位置から微小距離sだけ横方向に移動した第2の位置でのB−スキャンで得られる2次元断面画像C2とする。これら2枚の画像C1、C2は、それぞれ別の時間に計測されたため被計測物体8(生体)のA方向への運動により相対的な位置がずれている可能性がある。また、B方向にスキャンしていく時に、被計測物体8がA方向に運動する場合もある。
この2枚の画像C1、C2は被計測物体8(生体)内の別の位置情報ではあるから完全に一致することはないが、きわめて近傍(微小距離s)であるので、2枚の画像C1、C2どうしには強い相関が期待される。この相関を利用して被計測物体8の運動による位置情報のずれを画像C2の変形によって補正し、画像C1に接続することにより3次元的な情報の接続を行うことができる。
画像C1、C2どうしの相関をとるには、図2(b)に示すように、画像C1の1番目のB1におけるB−スキャンデータをB11とする。図2(c)に示すように、画像C2の対応するB2におけるB−スキャンデータをB21とする。これらは、それぞれB1、B2におけるA方向(被計測物体8の奥行き方向)のラインデータである。
これら2つのラインデータの位置関係を得るため、これらの相互相関をとる。具体的にはB11のフーリエ変換と、B21のフーリエ転換の複素共役データの積をとり、その結果を逆フーリエ変換することで相関データを得ることができる。この相関のピークがデータ間の横ずれ量を表す。この手順を、画像C1、C2の全てのB−スキャンデータについて行いピーク位置を求める。
(有効な相関を取る趣旨)
被計測物体8である場合の生体データはノイズを多量に含んでいるため相関ピークのゴーストが多数現れる可能性がある。生体計測ではノイズも多く、また、構造が急速に変化する部分もあると思われるので、検出されたピークが必ずしも生体の移動に対応しているとは限らない。また、何も写っていない場所でこの補正をしても意味が無い。
即ち、上記C−スキャン画像(C1やC2)には被測定物の断層像が写っているが、何も写っていない部分やノイズの多い部分も存在する。そうした部分に適用しても相関のピークが得にくくエラーが起こってしまう。
(有効な相関をとる手段)
このため、有効な相関のピークを抽出する方法として、相関ピークの値のヒストグラムをとり閾値(平均値)より大きいピークを有効とする方法をとる。有効な相関ピークの抽出する方法として、相関ピークのヒストグラムをとり平均値より大きいピークを有効とする方法をとる。
具体的には、B11とB21の相関をとるとき、一方のデータを横ずらしして積分を求める。下記の数式1で、NはB11およびB21などのデータ数、xはB11データの値(画像の濃度)、yはB21のデータの値とした場合、R(k)が相関の値(大きさ)になる。
Figure 0004461258
ここで、kは、ずらし量であり「相関距離」である。上記数式1でRが最大になるkの値が「相関のピーク位置」であり、B11とB21の相関が最大となるずらし量である。相関の値をkの関数として模式的に表すと、図3(a)に示すギザギザの波線となる。このkの値のうち、閾値より大きく、相関のピークの位置(kの値)がかけ離れていないものを選択する。
ここで「閾値」は、数式1のRが相関のピークの値がR全体の、例えば平均値である。それより小さい相関のピークはノイズとみなす。要するに、B11とB21の相関を計算し相関のピークを検出したとき、「相関のピークの値が小さい」(図3(b)参照)、即ち特定の値(通常平均値を使うことが多い)より小さいものは、ノイズとしてデータから除く。
そして、相関のピークの位置は被測定物の移動を表しているため、その移動量は経験的にわかっている(1mm/秒以内など)。そこで、「相関ピークの位置」について、下記の数式2で示す平均と、下記数式3で示す分散を計算する。ここで、kは「相関のピークの位置」、iはB−スキャンの位置であり、図3(b)は、このB−スキャンの位置を横軸とし、これに対する相関のピークの位置を縦軸として模式的に示した図である。
Figure 0004461258
Figure 0004461258
上記「相関のピークの位置(kの値)がかけ離れていないものを選択する」とは、図3(b)に示すように、「ピーク位置が大きくずれている」データも除外する意味である。ここで、「ピーク位置が大きくずれている」とは下記数式4を満たしているk(係数の3は一つの例であり、場合によって異なる。)ということであり、iはBスキャン方向のパラメータなので、iを変えながらkを求め、数式4を満たすかどうか確かめ、満たしていれば、「ピーク位置が大きくずれている」として除外する。換言すると、「下記数式4に示すようなkをピーク位置が大きくずれているとして除外する」ということである。
Figure 0004461258
なお、図3(b)に示す「シフト量」とは、C1画像を0(基準)としてC2画像の移動量のことである。図3(b)中の点線は1つ前の画像(C1画像)の位置である。C2画像を横ずらし、あるいは、平行四辺形に変形して接続するので、そのずらし量(相関のピークの位置)をシフト量とよんでいる。実線は、有効なkについて直線でフィッティングした結果得られるものである。
(相関のピークから補正する手段)
こうして有効なピークが抽出されるが、有効な相関のピークの位置について、多項式でフィッティングを行う。計測中の生体の動きはそれほど大きくないので、メジアンシフト、あるいは1次関数が有効である。従って、C2画像はC1画像に対して、A−方向に横ずれ、あるいは平行四辺形に変形すれば相対的な位置関係を保つことができる。
これをさらに詳しく説明する。生体の運動はなめらかであるとして相関のピークの位置を低次多項式(0次または1次関数)で近似し、すべてのA−スキャン画像を1つの関数で移動(写像)する。ここで、「1つの関数」とは、BX1像すべてについて、位置によらず、同じ関数で移動、変形(写像)するということである。これは、計測時間内で被測定物の動きは滑らかであるという前提があるからである。
即ち、C1画像とC2画像を接続するために、B11像とB21の関係を決めるのに、BX1について全部同じシフト量を与えるとC2画像をそのシフト量分だけずらしてC1画像に接続する。この場合0次関数で近似(フィッティング)したことになり、この0次関数(横ずれ)でフィッティングした、C1画像とC2画像のずれ量を、前述のとおり、「シフト量」と言うが、この「シフト量」の分だけ横ずらしして重ねると3次元像のモーションアーチファクトが補正される。
このようにしてC1画像を基準としてC2画像を接続して3次元画像を作る場合、B−スキャン及びC−スキャン中に運動があるため、C1に対してC2をA−スキャン方向に移動して接続する必要がある。B−スキャン中に被計測物体8の動きがなければ、C1画像とC2画像の接続は、単なる横ずらし(横移動)で良いが、C2画像取得中、つまり、B−スキャン中に被計測物体8に動きがある場合、C2画像を平行四辺形に変形してC1画像と接続する。1次関数でフィッティングすれば、右上がりまたは右下がりの直線になる。
以上のとおり補正されたC−スキャン画像を積み重ねていくことにより3次元像を構築することができる。このような補正を行わないと、C−スキャン方向に波打った画像となってしまう。
図4は、実施例2のPS−FD−OCT13(偏光感受型スペクトル干渉トモグラフィー装置)の全体構成を示す図である。実施例1と同様に、広帯域光源2、低コヒーレンス干渉計3(マイケルソン干渉計)、及び分光器4(スペクトロメーター)とを備えている。具体的な構成について、以下、作用とともに説明する。
広帯域光源2から出た光は、光ウェッジ14によりパワーを減少された後、偏光子15により水平直線偏光(以下「H」という)となる。そして、入射光の偏光状態を、1/2波長板16と1/4波長板17により、水平直線偏光(H)、垂直直線偏光(以下「V」という)、45°直線偏光(以下「P」という)及び右周り円偏光(以下「R」という)の4通りのいずれかに選択的に調整し、ビームスプリッター5で参照光と被計測物体8に入射する光とに分ける。
ビームスプリッター5で分けられた参照光は、参照光光学系の参照鏡10、2枚の1/4波長板18、19により、偏光状態がH、V、P、Rとなるように調整されビームスプリッター5に再び入射される。一方、被計測物体8に入射する光はレンズ6により被計測物体8上の1点に集光され、反射され物体光としてビームスプリッター5に向かう。ビームスプリッター5は、上記入射してくる参照光を透過させ物体光を45°反射させて、両者を重ね合わせる。
このようにして重ね合わせられてビームスプリッター5から出てくる偏光状態がH、V、P、Rとなるように調整された参照光と、被計測物体8から反射してきた物体光は、ミラー20で反射されてから1/4波長板21及び1/2波長板22を通して偏光状態をHにされ、回折格子11、レンズ23及びCCD12からなる分光器4に入射する。
このように特定偏光の参照光(H、V、P、Rのいずれかの偏光状態の参照光)と物体光を干渉させることにより、物体光の特定偏光成分だけがCCD12上にスペクトル干渉縞を作り、その結果、物体光のうち参照光と同じ偏光状態をもつ成分だけを信号として取り出すことができる。そして、このスペクトル干渉縞をコンピュータ(図示せず。)に取り込み、画像のy軸のある1点から横1行を抜き取って離散フーリエ変換(DFT:Discrete Fourier transform、FFT:Fast Fourier transform)により空間的なフーリエ変換を計算する。
これにより、参照光と物体光との一次元相関信号が得られる。さらにこれらの信号強度を組み合わせてミュラー行列(Mueller matrix)を求めることにより、被計測物体8の内部の偏光情報を捉えることができる。
この実施例2は、実施例1と同様に、被計測物体8そのものの動きに由来する画像のゆがみを補正するために、被計測物体8の2次元断層画像を、その横方向の位置をずらしながら複数取得し(この走査を「C−スキャン」と言い、この方向を「C−方向」とも言う。)、それぞれの2次元断層の位置ずれをデジタル相関を用いて検出し、補正を行う方法であり、計測データそのものの情報を用いて位置関係を補正することを特徴とする方法であり、その詳細は、実施例1と全く同じであるから、その説明は省略する。
図5は、本発明の実施例3の補正方法を適用する波長走査型OCT24の全体構成を示す図である。波長走査型光源25から出射された出力光を、ファイバ26を通してファイバカップラー27に送る。この出力光を、ファイバカップラー27において、ファイバ28を通して被計測物体29への照射する物体光と、ファイバ30を通して固定参照鏡31に照射する参照光に分割する。
物体光は、ファイバ28、レンズ32、角度が可変な走査鏡33及びレンズ34を介して、被計測物体29に照射、反射され、同じルートでファイバカップラー27に戻る。参照光は、ファイバ30、レンズ35及びレンズ36を介して固定参照鏡31に照射、反射されて同じルートでファイバカップラー27に戻る。
そして、これらの物体光と参照光はファイバカップラー27で重ねられ、ファイバ37を通して光検知器38(PD(フォトダイオード)等のポイントセンサが使用される。)に送られ、スペクトル干渉信号として検出され、コンピュータ39に取り込まれる。光検知器38における検知出力に基づいて、被計測物体29の奥行き方向(A方向)と走査鏡の走査方向(B方向)の断面画像が形成される。コンピュータ39にはディスプレー40が接続されている。
ここで、波長走査型光源25は、時間的に波長を変化させて走査する光源であり、即ち波長が時間依存性を有する光源である。これにより、固定参照鏡31を走査(移動。A−スキャン)することなく、 被計測物体29の奥行き方向の反射率分布を得て奥行き方向の構造を取得することができ、1次方向の走査(B−スキャン)をするだけで、二次元の断層画像を形成することができる。
この実施例3は、実施例1と同様に、被計測物体29そのものの動きに由来する画像のゆがみを補正するために、被計測物体29の2次元断層画像を、その横方向の位置をずらしながら複数取得し、それぞれの2次元断層の位置ずれをデジタル相関を用いて検出し、補正を行う方法であり、計測データそのものの情報を用いて位置関係を補正することを特徴とする方法であり、その詳細は、実施例1と全く同じであるから、その説明は省略する。
以上、本発明を実施するための最良の形態を実施例に基づいて説明したが、本発明はこのような実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された技術的事項の範囲内でいろいろな実施例があることは言うまでもない。
本発明の補正方法は、補償光学やモーショントラックなどの複雑な追加システムを用いず構成が簡単となり、3次元計測データのみを用いて被計測物体の動きを補正して画像の歪みを少なくすることができるから、特に、生体試料の動きやぶれで画像が歪むと正確な検査のできないような分野における光断層画像化装置の補正方法として適用すると有効である。
本発明の実施例1を適用するFD−OCTの全体構成を示す図である。 実施例1の原理、作用を説明するための模式的な説明図である。 (a)は相関の値(大きさ)を相関距離kの関数として模式的に表した図であり、(b)はB−スキャンに対する相関ピーク位置を示す図である。 本発明の実施例2を適用するPS−FD−OCTの全体構成を示す図である。 本発明の実施例3を適用するSS−OCTの全体構成を示す図である。 従来のOCTを説明する図である。
符号の説明
1 FD−OCT
2 広帯域光源
3 低コヒーレンス干渉計
4 分光器
5 ビームスプリッター
6、9、23、32、34、35、36 レンズ
7 ガルバノミラー
8 被計測物体
10 参照鏡
11 回折格子
12 CCD
13 PS−FD−OCT
14 光ウェッジ
15 偏光子
16、22 1/2波長板
17、18、19、21 1/4波長板
20 ミラー
24 波長走査型OCT
25 波長走査型光源
26、28、37 ファイバ
27 ファイバカップラー
29、48 被計測物体
30 ファイバ
31 固定参照鏡
33 走査鏡
38 光検知器
39 コンピュータ
40 ディスプレー
43 OCT
44 光源
45 コリメートレンズ
46 ビームスプリッター
47 物体アーム内の対物レンズ
49 参照アーム内の対物レンズ
50 参照鏡
51 集光レンズ
52 (フォトダイオード等)光検出器

Claims (2)

  1. 光コヒーレンストモグラフィーを用いて、被計測物体の奥行き方向の軸に平行な2次元断層画像を、該2次元断層画像に垂直方向に位置をずらしながら複数取得し3次元画像を構成する光コヒーレンストモグラフィーによる光断層画像化法において、
    前記計測物体の移動ぶれに起因する前記複数取得したそれぞれの2次元断層画像の位置ずれをデジタル相関を用いて検出し、
    該検出結果に基づいて2次元断層画像の位置ずれの補正を行い、前記3次元画像を再構成する方法であって、
    前記デジタル相関のピークのヒストグラムをとり、平均値より大きく、また、比較的小さな偏差をもったピークを有効な相関のピークとして抽出することを特徴とする光コヒーレンストモグラフィーの光断層画像化法における被計測物体の移動による3次元画像の歪みを補正する方法。
  2. 前記有効な相関のピーク位置を多項式で補完し、その0次又は1次関数による写像により被測定物体の移動による像の歪みを補正することを特徴とする請求項1に記載の光コヒーレンストモグラフィーの光断層画像化法における被計測物体の移動による3次元画像の歪みを補正する方法。
JP2005317822A 2005-10-31 2005-10-31 光断層画像化法における補正方法 Active JP4461258B2 (ja)

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