JP5173305B2 - 測定信号のノイズ処理方法 - Google Patents

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Description

本発明は、計測機器(例.光コヒーレンストモグラフィー装置等)に利用される測定信号のノイズ処理方法に関する。
従来、各種被計測物体の非破壊断層計測技術の1つとして、光断層画像装置「光コヒーレンストモグラフィー」(OCT)がある(特許文献1参照)。OCTは、光を計測プローブとして用いるため、被計測物体の屈折率分布、分光情報、偏光情報(複屈折率分布)等が計測できるという利点がある。
基本的なOCT43は、マイケルソン干渉計を基本としており、その原理を図5で説明する。光源44から射出された光は、コリメートレンズ45で平行化された後に、ビームスプリッター46により参照光と物体光に分割される。物体光は、物体アーム内の対物レンズ47によって被計測物体48に集光され、そこで散乱・反射された後に再び対物レンズ47、ビームスプリッター46に戻る。
一方、参照光は参照アーム内の対物レンズ49を通過した後に参照鏡50によって反射され、再び対物レンズ49を通してビームスプリッター46に戻る。このようにビームスプリッター46に戻った物体光と参照光は、物体光とともに集光レンズ51に入射し光検出器52(フォトダイオード等)に集光される。
OCTの光源44は、時間的に低コヒーレンスな光(異なった時刻に光源から出た光同士は極めて干渉しにくい光)の光源を利用する。時間的低コヒーレンス光を光源としたマイケルソン型の干渉計では、参照アームと物体アームの距離がほぼ等しいときにのみ干渉信号が現れる。この結果、参照アームと物体アームの光路長差(τ)を変化させながら、光検出器52で干渉信号の強度を計測すると、光路長差に対する干渉信号(インターフェログラム)が得られる。
そのインターフェログラムの形状が、被計測物体48の奥行き方向の反射率分布を示しており、1次元の軸方向走査により被計測物体48の奥行き方向の構造を得ることができる。このように、OCT43では、光路長走査により、被計測物体48の奥行き方向の構造を計測できる。
このような軸方向の走査のほかに、横方向の機械的走査を加え、2次元の走査を行うことで被計測物体の2次元断面画像が得られる。この横方向の走査を行う走査装置としては、被計測物体を直接移動させる構成、物体は固定したままで対物レンズをシフトさせる構成、被計測物体も対物レンズも固定したままで、対物レンズの瞳面付近においたガルバノミラーの角度を回転させる構成等が用いられている。
特開2002−310897号公報 特開平11−325849号公報 特開2004−028970号公報
従来、OCT装置は、複屈折性を有する試料の構造を測定し、しかも試料の奥行方向に高精度な分解能が要求される各種の技術分野、例えば、半導体製品の製造等の工業分野、動物の生体観察や植物の構造観察のような動植物の研究・観察分野、各種文化財の解析・鑑定技術の分野、ロボット技術分野(植物、昆虫、動物等の各部器官を観察し、その構造・機能をロボット技術に応用するための技術)に有用である。
しかしながら、被測定対象である物体における各部位における構造、材料、厚さの違い違いが計測上のバラツキとなり、厚さ等の計測誤差が増大してしまうという問題があった。
本発明は、上記のようにOCT装置等の計測機器によって計測した際に生じる、測定信号、特に微小測定信号のノイズに起因する計測上のばらつきや誤差を少なくし、精密な測定を可能とする測定信号のノイズ処理方法を実現することを課題とする。
本発明は上記課題を解決するために、計測機器による測定信号は、該測定信号に重畳されたノイズ信号が0付近であって対称ではない分布曲線を有する微小信号領域については、測定信号の最大値を真値として利用することを特徴とする測定信号のノイズ処理方法を提供する。
本発明は上記課題を解決するために、計測機器による測定信号は、該測定信号の信号領域が限られている場合、真値が信号領域の端に近い値の場合、それに重畳されたノイズ信号によって微小測定信号が対称ではない分布曲線を有する信号領域については、測定信号の最大値を真値として利用することを特徴とする信号領域の限られた測定信号のノイズ処理方法を提供する。
本発明は上記課題を解決するために、計測機器による測定信号は、真値に重畳されたノイズ信号によって測定信号が対称ではない分布曲線を有する信号については、測定信号の最大値を真値として利用することを特徴とする測定信号のノイズ処理方法を提供する。
以上のような構成から成る本発明に係る測定信号のノイズ処理方法によれば、各種の計測機器による計測の際に生じる、測定信号、特に微小測定信号のノイズに起因する計測上のばらつきや誤差を少なくし、精密な測定を可能とする。
例えば、光コヒーレンストモグラフィーの画像処理装置に適用すれば、光コヒーレンストモグラフィーによって得た動植物のいろいろな器官の構造解析のための計測において、位相ノイズを低減して明瞭なOCT画像を得ることが可能である。
本発明に係る測定信号のノイズ処理方法を実施するための最良の形態を、実施例に基づいて図面を参照して、以下に説明する。
この実施例1では、本発明に係る測定信号のノイズ処理方法を偏光感受型光コヒーレンストモグラフィー装置に適用した例で説明する。
「背景技術」の項で説明したとおり、光コヒーレンストモグラフィー装置(OCT)では、光源からのビームを参照アームと試料アームに分離して送り、試料アームでは試料(被検体)の深さ方向(A方向)に垂直な方向に走査(Bスキャン)して試料を照射し、この反射光と参照アームから反射される参照光との干渉スペクトルからA−B画像を得る(OCT計測を行う)ものであり、本発明は、FD−OCT(フーリエドメインOCT)等に適用される。
なお補足すると、試料の深さ(光軸)方向の走査(この走査を「A−スキャン」と言い、この方向を「A−方向」、「Aスキャン方向」とも言う。)は、一回の光照射により深さ方向の後方散乱データを取得することで可能であり、ガルバノ鏡によって横方向(A方向に垂直な方向)の走査(この走査を「B−スキャン」と言い、この方向を「B−方向」、「Bスキャン方向」とも言う。)を行うことで、2次元断層画像(偏光感受型のOCT画像)を得ることができる。
本発明に係る測定信号のノイズ処理方法を適用する偏光感受型光コヒーレンストモグラフィー装置は、Bスキャンと同時に(同期して)光源からの偏光ビーム(偏光子により直線的に偏光されたビーム)をEO変調器(偏光変調器、電気光学変調器)によって連続的に変調し、この連続的に偏光を変調した偏光ビームを分けて、一方を入射ビームとして走査して試料に照射し、その反射光(物体光)を得ると共に、他方を参照光として、両者のスペクトル干渉によりOCT計測を行うものである。
そして、このスペクトル干渉成分のうち、垂直偏光成分(H)と水平偏光成分(V)を同時に2つの光検出器で測定することにより、試料の偏光特性を表すジョーンズベクトルを得る(H画像とV画像)構成を特徴とするものである。
図1は、本発明に係る測定信号のノイズ処理方法を適用する偏光感受型光コヒーレンストモグラフィー装置の光学系の全体構成を示す図である。図1に示す偏光感受光画像計測装置1は、光源2、偏光子3、EO変調器4、ファイバーカプラー(光カプラー)5、参照アーム6、試料アーム7、分光器8等の光学要素を備えている。この偏光感受光画像計測装置1の光学系は、光学要素が互いにファイバー9で結合されているが、ファイバーで結合されていないタイプの構造(フリースペース型)であってもよい。
光源2は、広帯域スペクトルを有するスーパールミネッセントダイオード(SLD:Super Luminescent Diode)を使用する。なお、光源2は、パルスレーザでもよい。光源2には、コリメートレンズ11、光源2からの光を直線偏光にする偏光子3、進相軸を45°の方向にセットされたEO変調器4、集光レンズ13(場合によってはさらにレンズ13’が使用される。)及びファイバーカプラー5が、順次、接続されている。
EO変調器4は、進相軸を45°の方向に固定して、該EO変調器4にかける電圧を正弦的に変調することで、進相軸とそれに直交する遅相軸との間の位相差(リタデーション)を連続的に変えるもので、これにより、光源2から出て偏光子3で(縦)直線偏光となった光がEO変調器4に入射すると、上記変調の周期で、直線偏光→楕円偏光→直線偏光………などのように変調される。EO変調器4は、市販されているEO変調器を使用すればよい。
ファイバーカプラー5には分岐するファイバー9を介して、参照アーム6と試料アーム7が接続されている。参照アーム6には、偏波コントローラ(polarization controller)10、コリメートレンズ11、偏光子12、集光レンズ13及び参照鏡(固定鏡)14が、順次、設けられている。参照アーム6の偏光子12は、上記のとおり偏光状態を変調しても参照アーム6から戻ってくる光の強度が変化しないような方向を選択するために用いている。この偏光子12の方向(直線偏光の偏光方向)の調整は偏波コントローラ10とセットで行う。
試料アーム7では、偏波コントローラ15、コリメートレンズ11、固定鏡24、ガルバノ鏡16、集光レンズ13が、順次、設けられ、ファイバーカプラー5からの入射ビームが2軸のガルバノ鏡16により走査されて試料17に照射される。試料17からの反射光(後方散乱光)は物体光として再びファイバーカプラー5に戻り、参照光と重畳されて干渉ビームとして分光器8に送られる。
分光器8は、順次接続される偏波コントローラ18、コリメートレンズ11、(偏光感受型体積位相ホログラフィック)回折格子19、フーリエ変換レンズ20、偏光ビームスプリッター21及び2つの光検出器22、23を備えている。この実施例では、光検出器22、23として、ラインCCDカメラ(1次元CCDカメラ)を利用する。ファイバーカプラー5から送られてくる干渉ビームは、コリメートレンズ11でコリメートされ、回折格子19によって干渉スペクトルに分光される。
回折格子19で分光された干渉スペクトルビームは、フーリエ変換レンズ20でフーリエ変換され偏光ビームスプリッター21で水平及び垂直成分に分けられ、それぞれ2つラインCCDカメラ(光検出器)22、23で検出される。この2つラインCCDカメラ22、23は、水平および垂直偏光信号両方の位相情報を検知するために使われるので、2つのラインCCDカメラ22、23は同一の分光器の形成に寄与するものでなくてはならない。
なお、光源2、参照アーム6、試料アーム7及び分光器8には、それぞれ偏波コントローラ10、15、18が設けられているが、これらは、光源2から参照アーム6、試料アーム7、分光器8に送られるそれぞれのビームの初期偏光状態を調整して、EO変調器4で連続的に変調された偏光状態が、参照光と物体光においても互いに一定の振幅と一定の相対偏光状態の関係が維持され、さらにファイバーカプラー5に接続された分光器8において一定の振幅と一定の相対偏光状態を保たれるようにコントロールする。
また、2つラインCCDカメラ22、23を含む分光器8を校正するときはEO変調器4を止める。参照光をブロックし、スライドガラスと反射鏡を試料アーム7におく。この配置は水平および垂直偏光成分のピークの位置が同じであることを保証する。そして、スライドガラスの後ろの面と反射鏡からのOCT信号は2つの分光器8で検知される。OCT信号のピークの位相差はモニターされる。
この位相差はすべての光軸方向の深さでゼロであるべきである。次に、信号は2つラインCCDカメラ22、23を含む分光器8で複素スペクトルを得るために、ウィンドウされ逆フーリエ変換される。この位相差はすべての周波数でゼロであるべきなので、これらの値をモニターすることによって2つラインCCDカメラ22、23の物理的な位置は位相差が最小になるようにアライメントされる。
上記偏光感受光画像計測装置の動作は次のとおりである。光源2からの光を直線偏光し、この直線偏光されたビームをEO変調器4により連続的に偏光状態の変調を行う。即ち、EO変調器4は、進相軸を45°の方向に固定して、EO変調器4にかける電圧を正弦的に変調することで、進相軸とそれに直交する遅相軸との間の位相差(偏光角:リタデーション)を連続的に変えるもので、これにより、光源2から出て直線偏光子で(縦)直線偏光となった光がEO変調器4に入射すると、上記変調の周期で、直線偏光→楕円偏光→直線偏光………などのように変調される。
そして、直線偏光された偏光ビームをEO変調器4により連続的に偏光状態の変調を行うと同時に、Bスキャンを同期して行う。即ち、1回のBスキャンの間に、EO変調器4による偏光の連続的な変調を複数周期行う。ここで、1周期とは、偏光角(リターデーション)φが0〜2πと変化する期間である。要するに、この1周期の間に、偏光子からの光の偏光が、直線偏光(垂直偏光)→楕円偏光→直線偏光(水平偏光)………などのように連続的に変調する。
このように偏光ビームの偏光を連続的に変調しながら、試料アーム7では、入射ビームをガルバノ鏡16により試料17に走査してBスキャンを行い、分光器8において、その反射光である物体光と参照光の干渉スペクトルについて、その水平偏光成分および垂直偏光成分を2つのラインCCDカメラ22、23で検出する。これにより、1回のBスキャンによって、それぞれ水平偏光成分及び垂直偏光成分に対応する2枚のA−Bスキャン画像が得られる。
上記のとおり、1回のBスキャンの間に、偏光ビームの偏光の連続的な変調を複数周期行うが、各周期(1周期)の連続的な変調の間に2つのラインCCDカメラ22、23で検出した水平偏光成分および垂直偏光成分それぞれの偏光情報が1画素分の偏光情報となる。1周期の連続的な変調の間に2つのラインCCDカメラ22、23で偏光情報を検出タイミング信号に同期して行い、1周期に検出回数(取込回数)を、4回、8回等、適宜決めればよい。
このようにして1回のBスキャンの間に得た2枚のA−Bスキャン画像のデータを、Bスキャン方向に1次元フーリエ変換を行う。すると、0次、1次、−1次のピークが出る。ここで、0次のピークをそれぞれ抽出し、そのデータのみを用いて逆フーリエ変換すると、H0、V0画像が得られる。同様に、1次のピークをそれぞれ抽出し、そのデータのみを用いて逆フーリエ変換すると、H1、V1画像が得られる。
H0、H1画像から、試料17の偏光特性であるジョーンズマトリックスの成分のうち、J(1,1)およびJ(1,2)を求める事ができる。そして、V0、V1画像から、試料17の偏光特性であるジョーンズマトリックスの成分のうち、J(2,1)およびJ(2,2)を求める事ができる。
このようにして、1回のBスキャンにおついて4つの偏光特性を含む情報が得られる。そして、この4つの情報をそれぞれ、通常のFD−OCTと同様にAスキャン方向にフーリエ変換すると、1次のピークが試料17の深さ方向の情報を有し、しかもそれぞれ偏光特性に応じた4枚のA−B画像が得られる。
ところで、偏光感受型光コヒーレンストモグラフィー装置では、入射光の偏光状態は 横方向のBスキャン中に偏光情報を埋め込むために直線偏光(垂直偏光)→楕円偏光→直線偏光(水平偏光)などのように連続的に、あるいは、3ステップ変調される。
2つのCCDカメラ22、23によって検出されたそれぞれの光強度信号をフーリエ変換することにより、位相情報を含んだOCT信号を得る。このOCT信号の0次と1次の周波数成分を取り出し、それぞれそれを逆のフーリエ変換する。これらの値を使って、試料の偏光特性を表すジョーンズ行列のすべての要素が得られる。最終的に、試料の物理的な偏光依存性を表す値であるところの、位相遅延量(複屈折量)、複屈折の相対的な方位分布(方向)と二色性が計算される。
(測定信号のノイズ処理方法)
偏光感受型光コヒーレンストモグラフィーは試料の位相遅延量(位相情報)は、一般に、位相角度で表されその値(信号)は、たとえば、0〜180度のような正の値で計算される。このように分布する信号の場合、0度あるいは180度付近の微小信号領域では、それに重畳されるノイズの分布が対称(たとえばガウス分布)であっても測定信号は対象とならない。これは、たとえば偏光感受型光コヒーレンストモグラフィーで得られる位相情報のような観測信号が正の限られた値(0度より大180度より小)しか取り得ないからである。
図2及び図3は、位相に対する信号強度の一般的な測定における、真の値(図2(a)、3(a)参照)、ノイズ分布(図2(b)、図3(b)参照)、観測値の関係(図2(c)、図3(c)参照)を説明する図(グラフ)である。図2(a)に示すように真の値が0度あるいは180度近傍の微小信号ではない値の場合、未知のランダムノイズ(図2(b)参照)が真の信号の値に対して加わる場合、観測される信号は真の信号に対して対称に広がる(図2(c)参照)。従って、単純な移動平均でランダムノイズは平均化されキャンセルされるため、信号の真の値を推定することができる。
しかしながら、図3に示すように、真の値が0度あるいは180度近傍の微小信号の場合(図3(a)参照)は、ランダムノイズ(図3(b)参照)が重畳された観測信号の分布(図3(c)参照)は、真の信号に対して対称でなくなるため、このような移動平均では真の値を推定することができない。
即ち、通常の測定では、データを繰り返し計測し、その分布を求め平均を持って真の値とする。しかし、ゼロ付近ではデータの値そのものが小さいので、元々ある測定ノイズなどに埋もれてしまい、ゼロ点では計測データの検出はできないので、分布がゼロになる。また、データの分布は経験的に実際はなめらかになるので、真の値の周りに非対称に広がってしまい、単に移動平均では真の値を推定することができない。
本発明の測定信号のノイズ処理方法を適用することで、偏光感受型光コヒーレンストモグラフィー装置では、こうした未知のランダムノイズが重畳され対称でない観測信号の真の値を推定するために、図3(c)に示すように、観測信号の最大値(モード値)をとる構成とした。これにより、微小な(観測)信号領域での画像の解像度を上げることができる。
このような微小信号領域での微小測定信号のノイズ処理方法について、さらに以下説明する。本実施例において、偏光感受型光コヒーレンストモグラフィー装置で得られた画像信号から信号を位相遅延量を取得する信号処理装置(具体的には、コンピュータ)では、次に説明するような位相遅延量の処理を行うことで、前記「位相遅延量は実際の値より高く出ている。」という不適切さを回避することができる構成にある。
ところで、偏光感受型光コヒーレンストモグラフィーは試料の位相遅延量を測定することができる。3次元の測定対象の特定の位置の位相遅延量は、2つのパラメータを持っており、1つは「位相遅延量そのものの大きさ」、もう一つは、「位相遅延量の軸の方向」である。
「位相遅延量そのものの大きさ」は、特定の方向の位相遅延量、あるいは、位相遅延量の最大値、最小値などである。位相遅延量は、1周期を360度(2π)として、づれ量を角度の単位で表し、180度で折り返す性質があるので、範囲は0〜180度となる。
「位相遅延量の軸の方向」は、遅延量が、最大あるいは最小となる軸の方向であり、0〜180度の角度で表される。この軸を「速軸」あるいは「遅軸」という。
以下、偏光感受型光コヒーレンストモグラフィーは試料の位相延量を測定では、「位相遅延量そのものの大きさ」と「位相遅延量の軸の方向」の2つの測定測定信号のノイズ処理方法について、それぞれ、上記同様に図2及び図3を参照し、さらに図4を参照して説明する。
(位相遅延量そのものの大きの測定信号のノイズ処理方法)
位相遅延量そのもの大きさは角度として計算されるため、0〜180度などの正の値をとる。一方、未知のノイズは一般的に対象な分布を持っている(図2(b)参照)。観測値は真の値にノイズが重畳したものである(図2(c)参照)。
真の値が0または180度から離れている時(図2(a)参照)は、観測値はノイズ(図2(b)参照)のため真の値の周りに対照的に広がって測定される(図2(c)参照)。そのため、観測値の単純移動平均をとることにより真の値を得ることができる(図2(c)参照)。
真の値が小さく、0度付近(あるいは180度付近)の場合(図3(a)参照)は、ノイズ(図3(b)参照)により観測値は非対称に広がる(図3(c)参照)。この場合、単純移動平均では真の値より高くなる。この場合、観測値のピーク(最頻値、モード値)の位置をもって真の値とするのがよい(図3(c)参照)。
具体的には、適当な離散化を行い、観測値をヒストグラム化する。もっとも高いヒストグラムの中心値などを真の値とする(ヒストグラム法)(図4参照)。
なお、上記信号処理方法は、OCT信号の処理に限るものではなく、一般に正の値しか取り得ないデータについて、そのデータの値が小さい場合の信号処理方法として適用されるものである。
(位相遅延量の軸の方向の測定信号のノイズ処理方法)
偏光感受型光コヒーレンストモグラフィーは、前述のとおり、試料の位相遅延量の最大(あるいは最小)の方向(速軸あるいは遅軸方向)を測定することができる。速軸方向は一般に角度で表され、その値は、0〜180度のような正の値で計算される。
このように分布する信号の場合、0度あるいは180度付近の信号領域では、それに重畳される未知のノイズの分布が対称(たとえばガウス分布)であっても測定信号は対称とはならない。これは、たとえば偏光感受型光コヒーレンストモグラフィーで得られる速軸方向のような角度情報が正の限られた値(0度より大180度より小)しか取り得ないからである。
このように、偏光感受型光コヒーレンストモグラフィー装置における速軸方向(角度)の測定において、上記のとおり未知のランダムノイズが重畳されて生じた対称でない信号の真の値を推定する場合について、本発明の測定信号のノイズ処理方法を適用した例を、上記位相遅延量自体の測定信号のノイズ処理方法と同様に、図2〜4を参照して、以下説明する。
本実施例において、偏光感受型光コヒーレンストモグラフィー装置で得られた画像信号から信号を例えば速軸方向(角度)を取得する信号処理装置(具体的には、コンピュータ)では、次に説明するような処理を行うことで、前記「速軸方向角度は実際の値より高く出ている。」という不適切さを回避することができる構成にある。
例えば、速軸方向は角度として計算されるため、0〜180度などの正の値をとる。一方、未知のノイズは一般的に対象な分布を持っている(図2(b)参照)。観測値は真の値にノイズが重畳したものである(図2(c)参照)。
真の値が0または180度から離れている時(図2(a)参照)は、観測値はノイズ(図2(b)参照)のため真の値の周りに対照的に広がって測定される(図2(c)参照)。そのため、観測値の単純移動平均をとることにより真の値を得ることができる(図2(c)参照)。
真の値が信号領域の端に近く、0度付近(あるいは180度付近)の場合(図3(a)参照)は、ノイズ(図3(b)参照)により観測値は非対称に広がる(図3(c)参照)。この場合、単純移動平均では真の値より高くなる。この場合、観測値のピーク(最頻値、モード値)の位置をもって真の値とするのがよい(図3(c)参照)。この図3(c)に示すように、信号の最大値(モード値)をとる構成とすることで、信号領域の限られた信号領域での画像の解像度を上げることができる。
具体的には、適当な離散化を行い、観測値をヒストグラム化する。もっとも高いヒストグラムの中心値などを真の値とする(ヒストグラム法)(図4参照)。
なお、上記信号処理方法は、OCT信号の処理に限るものではなく、一般に限られた信号領域しか取り柄ないデータについて、そのデータの値が小さい場合の信号処理方法として適用されるものである。
また、上記信号処理方法は、信号領域が限られた微小信号の処理に限るものではなく、一般にノイズの分布が非対称になるようなデータについて、そのデータの値が小さい場合の信号処理方法として適用されるものである。
以上、本発明に係る測定信号のノイズ処理方法を実施するための最良の形態を実施例に基づいて説明したが、本発明はこのような実施例に限定されることなく、特許請求の範囲記載の技術的事項の範囲内で、いろいろな実施例があることは言うまでもない。
本発明に係る測定信号のノイズ処理方法は、以上のような構成であるから、光断層画像取得用OCTだけでなく、各種の計測機器の測定信号のノイズ処理方法として適用可能である。
本発明に係る測定信号のノイズ処理方法を適用する偏光感受型光コヒーレンストモグラフィー装置の全体構成を説明する図である。 位相に対する信号強度の一般的な測定において真の値が0°から離れた値である場合の、真の値に対するノイズの影響を説明する図(グラフ)であり、(a)は真の値、(b)はノイズ分布、(c)は観測値を示す。 位相に対する信号強度の一般的な測定において真の値が0°近辺の微小の値である場合の、真の値に対するノイズの影響を説明する図(グラフ)であり、(a)は真の値、(b)はノイズ分布、(c)は観測値を示す。 位相に対する信号強度の一般的な測定において真の値を、観測値をヒストグラム化して、もっとも高いヒストグラムの中心値などを真の値とするヒストグラム法を説明する図である。 従来例(OCTの原理)を説明する図である。
符号の説明
1 偏光感受光画像計測装置
2 光源
3、12 偏光子
4 EO変調器(偏光変調器、電気光学変調器)
5 ファイバーカプラー(光カプラー)
6 参照アーム
7 試料アーム
8 分光器
9 ファイバー
10、15、18 偏波コントローラ
11 コリメートレンズ
13 集光レンズ
14 参照鏡(固定鏡)
16 ガルバノ鏡
17 試料
19 回折格子
20 フーリエ変換レンズ
21 偏光ビームスプリッター
22、23 光検出器(ラインCCDカメラ)
24 固定鏡

Claims (3)

  1. 偏光感受型光コヒーレンストモグラフィー装置によって、測定信号として、試料の偏光依存性を表す偏光位相遅延量を測定し、該測定信号に基づき試料の構造を計測する場合に、偏光位相遅延量の誤差を生じる測定信号のノイズを処理する方法であって、
    偏光感受型光コヒーレンストモグラフィー装置による測定信号は、該測定信号に重畳されたノイズ信号が0付近であって対称ではない分布曲線を有する微小信号領域については、測定信号の最大値を真値として利用することを特徴とする測定信号のノイズ処理方法。
  2. 偏光感受型光コヒーレンストモグラフィー装置によって、測定信号として、試料の偏光依存性を表す偏光位相遅延量を測定し、該測定信号に基づき試料の構造を計測する場合に、偏光位相遅延量の誤差を生じる測定信号のノイズを処理する方法であって、
    偏光感受型光コヒーレンストモグラフィー装置による測定信号は、該測定信号の信号領域が限られている場合、真値が信号領域の端に近い値の場合、それに重畳されたノイズ信号によって微小測定信号が対称ではない分布曲線を有する信号領域については、測定信号の最大値を真値として利用することを特徴とする信号領域の限られた測定信号のノイズ処理方法。
  3. 偏光感受型光コヒーレンストモグラフィー装置によって、測定信号として、試料の偏光依存性を表す偏光位相遅延量を測定し、該測定信号に基づき試料の構造を計測する場合に、偏光位相遅延量の誤差を生じる測定信号のノイズを処理する方法であって、
    偏光感受型光コヒーレンストモグラフィー装置による測定信号は、真値に重畳されたノイズ信号によって測定信号が対称ではない分布曲線を有する信号については、測定信号の最大値を真値として利用することを特徴とする測定信号のノイズ処理方法。
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