JP4459405B2 - バリアフリー框 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は住宅の玄関口又は玄関ホール等における出入口の段差を解消したバリアフリー框に関するものである。
【0002】
【従来技術】
住宅等の玄関は一般に玄関土間とそれから10〜20cmの段差をつけた上框を介して玄関ホール、廊下等が設けられる。この上框の為に、障害者のための車椅子等の通行が困難なだけでなく、障害者や老人の歩行の障害になっていた。
一方スロープ構造にして、段差を無くした出入口にすると、従来からの上框の設けた住宅構造の習慣になじめないばかりか、水でぬれた場合には滑りやすく、子供にいたっては履き物の脱ぐ位置が分からなくなり廊下等に下足のまま上がってしまう問題があった。従って、車椅子等の通行等必要な時にのみバリアフリーになる玄関口が望まれていた。この場合に玄関土間にパンタグラフ式等の昇降装置を取り付けると、基礎工事や機械据え付け工事が大変なだけでなく高価のものになってしまう恐れがあった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は簡単な構造で安価なバリアフリー框の構造であって、必要時にのみ、スロープを形成し、通常は出入口の上框としての機能を有し、さらには、既設の住宅に簡単に取り付けられるバリアフリー框構造の提供を目的とする。
【0004】
【課題が解決するための手段】
住宅の玄関土間と玄関ホールの床面との段差は10cm、15cm等、用途に応じて規格されているが、いずれにしても既設の住宅の土間を利用して、据え付けるためには、この床下の段差空間を利用しなければならない。玄関ホール又は廊下等の床面となる略矩形形状の床板を玄関ホールに該当する上段側にヒンジ等を介して回転可能に軸支して固定する。このように固定した床板の反対側は可動端として自由に上下する。この床板の下面に可動端側を前、固定端側を後とすると、前後方向に昇降用ローラーに摺接するガイドレールを取り付けてその下に昇降用ローラーを配設する。駆動手段にて昇降用ローラーを前方に移動させるとローラー径により、床板が押し上げられ床板が略水平になる。また昇降用ローラーが後方に退避すると、床板の可動端が自重にて下がり、玄関土間等に相当する下段側に連結しスロープを形成する。
【0005】
ここで昇降用ローラーは床板の上昇下降を滑らかにするために床板の前後方向とは直角方向の左右2ヶ所に設けるのがよい。さらにはこの左右2ヶ所のローラーを1組の昇降用ローラーとすると床板を略水平に上昇させた際に床板の前端付近に配置される1組の昇降ローラーに他に床板の中間付近に配置されるもう1組の昇降用ローラーを設けると、より、上昇下降が滑らかになるとともに後述するガイドレールの形状との組み合わせにて床面を下降させるときの昇降用ローラーの退避移動長さを短くすることが出来る。
【0006】
ガイドレールの形状は昇降用ローラーの移動を安定化させるとともにローラー径を小さくでき、移動長さを短くするために前方が厚く後方が薄いテーパー形状とした。また、昇降用ローラーの構造をガイドレールと摺接する上側ローラーを両サイドの下側ローラーにて支える構造にすると高さ方向に狭いスペースの中に安定したローラー部を形成することが出来る。
【0007】
昇降ローラーの前後方向の移動手段は、床板が下降するのは床板自身の自重であり、上昇するときは床板の上に人等はいなくテーパー状のガイドレールを介して床板の重量に対抗できるだけの力があれば良く各種駆動方式を採用できるが床下の狭いスペースを考慮すると以下のような構成がよい。ローラー連結部とは直角方向である床板の前後方向にねじを切ったウオーム軸を配設しこのローラー連結部とねじ対偶構造にて可動連結しウオーム軸はモーター駆動とカップリング等で直接連結しても良く、又ベルト、チェーン、ギヤ等を用いて間接的に連結してもよい。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の望ましい実施の形態を添付図面に基づいて以下説明する。
図1に本発明に係るバリアフリー框を住宅の玄関口に取り付けた時の外観図を示す。床板1が玄関ホール3に一体的に取り付けられ、床板が略水平になっているときは玄関土間に対して段差を有する上框と玄関ホールの一部になり、床板の前部である可動端1bが玄関土間に当接すると図1の点線で示したようにスロープ状になる。床板の上下操作は運転ボタン4にて行う電動式となっている。なお、この実施例においては操作パネル方式を示したがこれに限定されるものではなく、リモコン方式、センサー感知方式等各種手段を選択使用できる。
図2に床板が平行になった状態の時の床板下部を横方向からみた場合の発明の要部を示し、図3に床板がスロープ状になった時の横方向からみた発明の要部をそれぞれ示し、分かりやすくするために一部を省略してある。
床板1の後部固定端1aは玄関ホール3側にヒンジ等で回転可能に軸支されていて昇降用ローラー6aが床板の可動端側に位置しているときはこの床板の裏側に取り付けられたガイドレール5aを介して床板が略水平状態になり、昇降用ローラーが固定端側に待避すると可動端1bが床板の自重にて降下しスロープ状態になる。このときガイドレール5a、5bがテーパー状になっているのでローラーの移動量が短くてすみ、ローラーが前部からみた図4に示すように左右の2ヶ所に設けられ前後方向にも図2,図3に示すように略平行に2列設けられ、しかもローラーの構造そのものが図4に示すように上側ローラー61をグランド側ローラー62、62にて両サイドから支える方式を採っているので床板の昇降が滑らかであり平行時に床板を安定的に支えることが出来る。この場合にも昇降させる床板の大きさや床板下部のスペース等に応じてローラーの数、配置、大きさ等の設計変更が可能である。
ローラーの移動方法は遠隔操作が出来れば電動式、手動機械式等特に限定されないが、本実施の形態では図5に示すように連結部7とねじ部を設けたウオーム軸を直角方向にねじ対偶させウオーム軸をモーター9でベルト10を介して回転駆動させる例を示す。
また、本発明の実施例として住宅の玄関口に設置した場合を示したが本発明は段差のある部分で必要時にスロープにすることが要求されるところに広く適用できる。
【0009】
【発明の効果】
本発明係るバリアフリー框構造は構造が簡単でコンパクトなので住宅の玄関口等への据え付けが非常に簡単であり、既設の住宅にも簡単な工事で取り付けられる。
身体障害者等の車椅子等がこのスロープを移動するときは床板は段差部の例えば玄関土間と玄関ホールの床面等で支えられ、健常者が床板平行時に乗るときは停止しているローラーで支えられるので駆動部は床板のみの自重に対向出来ればよく小出力ですむとともに安全で信頼性が高い構造となっている。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るバリアフリー框を人の出入り口に取り付けた外観図を示す
【図2】床板の下部を横方向からみた発明の要部を示し、床板が平行な状態を示す。
【図3】床板がスロープ状になっている状態を示す。
【図4】床板の前部から見た図を示す。
【図5】床板をとった状態の図を示す。
【符号の説明】
1 床板
1a 固定端
1b 可動端
2 玄関土間(段差下段部)
3 玄関ホール(段差上段部)
4 操作用パネル
5a、5b ガイドレール
6a,6b 昇降用ローラー
61 上側ローラー
62 グランド側ローラー
7 連結部
8 ウオーム軸
9 モーター
10 ベルト
Claims (5)
- 上下の段差のある出入口において、床板の一つの固定端を上段側に回転可能に軸支し反対側の可動端が下段側に当接するとスロープを形成し、上段と略平行に上昇すると上框及び床面の一部となるバリアフリー框において当該床板の下面にガイドレールを設け、このガイドレール下に摺接して昇降用ローラーを配設し、駆動手段にて当該昇降用ローラーを当該床板の可動端側に移動させると、ローラー径に対抗して床板が上昇し、固定端側に移動退避させると床板が自重にて下降することを特徴とするバリアフリー框。
- 昇降用ローラーを床板の下部で前後方向に対して直角方向の左右2ヶ所に設けたことを特徴とする請求項1記載のバリアフリー框。
- 床板を略水平状態にした際に可動端付近に配置される床板の下部左右2ヶ所に設けた一組の昇降ローラーに対して床板の可動端と固定端の中央付近にさらに一組の昇降用ローラーが位置するように二組の昇降用ローラーを平行に取り付けたことを特徴とする請求項1記載のバリアフリー框。
- 昇降用ローラーがガイドレールと摺接する上側ローラーとこの上側ローラーの両サイドにグランド側と摺接する下側ローラーとからなる請求項1〜3記載のバリアフリー框。
- 昇降用ローラー連結部と直角方向にウオーム軸をねじ対偶し、モーター駆動にて昇降用ローラーを前後に移動可能にした請求項1〜4記載のバリアフリー框。
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